JP3329079B2 - 磁気記録カード - Google Patents

磁気記録カード

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JP3329079B2
JP3329079B2 JP15719194A JP15719194A JP3329079B2 JP 3329079 B2 JP3329079 B2 JP 3329079B2 JP 15719194 A JP15719194 A JP 15719194A JP 15719194 A JP15719194 A JP 15719194A JP 3329079 B2 JP3329079 B2 JP 3329079B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、基材としてポリエステ
ルフィルムを用いた磁気記録カード、具体的にはキャッ
シュカード、各種クレジットカード、磁気乗車券、テレ
フォンカード、POSカード、病院用診療カード、電子
レンジ料理カード、IDカード等に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、磁気記録カードとしては、(1)
磁気記録層、白色ポリエステルフィルム層、そして必要
に応じて設けられた印刷層をこの順で有する積層体が、
あるいは(2)磁気記録層や印刷層に耐久性を付与する
ためポリエステルフィルムと各層との間にウレタン、ア
クリル等の易接着層を更に設けた積層体が、あるいは
(3)加工時のゴミ等の付着による歩留まりの低下を改
良するため、ポリエステルフィルムあるいは易接着層に
各種界面活性剤、帯電防止剤を添加し、帯電防止性を付
与したものが使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した磁気
記録カードは次に述べる問題点を有している。即ち、
(1)の場合、層間の接着性が十分でないため耐久性に
著しく欠けるという欠点が、また(2)の場合、接着性
が相当改善されるため耐久性はかなり向上するが、ゴミ
等の異物を加工工程で引き付け易く製品歩留まりが悪い
という欠点が、また(3)の場合、ゴミ等の異物を加工
工程で殆ど引き付けないため製品歩留まりは向上する
が、接着性が大幅に低下してしまい耐久性が悪化してし
まうという欠点がある。
【0004】本発明はかかる問題点を改善し、耐久性、
製品歩留まり共に優れた磁気記録カードを提供すること
を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、白色ポリエス
テルフィルムの少なくとも片面に、アルキレンオキシド
とリン酸塩基を有するアクリル樹脂(A)および有機金
属化合物(B)を主体とする組成物よりなる層を有し、
該有機金属化合物(B)が、チタン有機化合物、ジルコ
ニウム有機化合物、アルミニウム有機化合物から選ばれ
た少なくとも一種であり、かつ該層上に磁気記録層を設
けてなることをその骨子とするものである。
【0006】本発明におけるポリエステルとは、エステ
ル結合を主鎖の結合鎖とする高分子の総称であって、好
ましいポリエステルとしてはエチレンテレフタレート、
エチレン−α,β−ビス(2−クロロフェノキシ)エタ
ン−4,4’−ジカルボキシレート、エチレン−α,β
−ビス(フェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボキシ
レート、エチレン−2,6−ナフタレート単位から選ば
れた少なくとも一種の構造単位を主要構成成分とするも
の等が挙げられる。
【0007】また、本発明を阻害しない範囲内、好まし
くは10モル%以内であれば、上記以外の他成分が共重
合されていてもよい。
【0008】本発明におけるポリエステルフィルムは、
上記組成物を主成分とするが、本発明の目的を阻害しな
い範囲内で、他種ポリマをブレンドしてもよいし、また
酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、紫外線吸収剤、核生成剤
等の無機または有機添加剤が通常添加される程度添加さ
れていてもよい。
【0009】本発明における白色ポリエステルフィルム
は、白色に着色されたポリエステルフィルムであれば特
に限定されるものではないが、好ましくは白度が85〜
150、更に好ましくは90〜130であり、光学濃度
が0.9〜5.0、好ましくは1.2〜3.0の場合好
適である。これは白度が小さい基材を使用した場合、磁
気記録カードとして使用する際、磁気記録層などによる
着色が透過し、表面の印刷層の美観が損なわれ易く、一
方、光学濃度が小さい場合、十分な光線反射が得られ
ず、肉眼で見た場合白さが減少する、反対面の影響が出
る、あるいは磁気記録読み取り時測定法によってはトラ
ブルとなる場合がある。
【0010】このような光学濃度、白度を得る方法は、
特に限定されないが、通常は無機粒子あるいはポリエス
テルと非相溶の樹脂の添加により得ることができる。添
加する量は特に限定されないが、無機粒子の場合5〜3
5重量%、好ましくは8〜25重量%である。一方、非
相溶性の樹脂を添加する場合は5〜35体積%、好まし
くは8〜25体積%である。
【0011】使用する無機粒子は特に限定されないが、
平均粒径0.1〜4.0μm、好ましくは0.3〜1.
5μmの無機粒子をその代表として挙げることができ
る。具体的には、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、硫酸
カルシウム、酸化チタン、シリカ、アルミナ、タルク、
クレー等あるいはこれらの混合物であり、これらの無機
粒子は他の無機化合物、例えばリン酸カルシウム、雲
母、ジルコニア、酸化タングステン、フッ化リチウム、
フッ化カルシウム等と併用してもよい。また、上述した
無機粒子の中でもモース硬度が5以下、好ましくは4以
下のものを使用する場合、白度が更に増すためより好ま
しい。
【0012】ポリエステルと非相溶の樹脂としては、特
に限定されないが、例えばポリエチレンテレフタレート
やポリエチレン−2,6−ナフタレートと混合するケー
スについていえば、アクリル樹脂、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、変性オレフィン樹脂、ポリブチレンテレフ
タレート系樹脂、フェノキシ樹脂、ポリフェニレンオキ
シド等を挙げることが可能で、当然、上述した無機粒子
と併用してもよい。特に、無機粒子やポリエステルと非
相溶の樹脂を混合して2軸延伸し、内部に空洞を有する
比重が0.5〜1.3g/cm3 の白色ポリエステルフ
ィルムは印刷適性が良好になるので好ましい。
【0013】本発明の白色ポリエステルフィルムは、他
の色に着色されたフィルム(その着色の方法は特に限定
されないが、通常は顔料、染料による着色が用いられ
る)あるいは透明なフィルムとの2層以上の積層体を使
用してもよいことはいうまでもない。
【0014】本発明の塗布層を構成する組成物であるア
ルキレンオキシドとリン酸塩基を有するアクリル樹脂
(A)とは、アルキレンオキシドを含有するモノマ、リ
ン酸塩基を含有するモノマ及び下記の他のモノマとから
構成されるアクリル系樹脂をいう。中でもアルキレンオ
キシドとリン酸塩基とを同一分子中に有するモノマが好
ましく、更にはアクリル樹脂の側鎖にアルキレンオキシ
ドを介在してリン酸塩基が存在するモノマがより好まし
い。
【0015】ここで、アルキレンオキシドとは、(1)
式で示される分子中の繰り返し単位のことであり、好ま
しい例として、エチレンオキシド、プロピレンオキシ
ド、エチレンオキシドとプロピレンオキシドの両方を含
むものが挙げられる。
【0016】−(R−O)n − (R:アルキル基及びその誘導体、n:1〜9の中から
選ばれる整数) また、リン酸塩基は陽イオンの付加により形成されたも
のであれば任意に選ばれるが、リチウム塩、ナトリウム
塩、カリウム塩、ルビジウム塩及びアンモニウム塩等の
1価の陽イオンが好ましく、中でもカリウム塩、ルビジ
ウム塩が帯電防止性の点で特に望ましい。
【0017】リン酸塩基は、共重合後、フリーのリン酸
基に陽イオンを付加する方法、あるいはリン酸基を有す
るモノマを予め中和によりリン酸塩化したものをモノマ
の1成分とし共重合する方法、いずれの方法によっても
得ることができる。
【0018】このようなアルキレンオキシドを介在して
リン酸基が存在しているモノマとしては、アシッドホス
ホオキシエチルアクリレート、アシッドホスホオキシエ
チルメタクリレート、アシッドホスホオキシプロピルア
クリレート、アシッドホスホオキシプロピルメタクリレ
ート、アシッドホスホオキシ(ポリオキシエチレングリ
コール)モノアクリレート、アシッドホスホオキシ(ポ
リオキシエチレングリコール)モノメタクリレート、ア
シッドホスホオキシ(ポリオキシプロピレングリコー
ル)モノアクリレート、アシッドホスホオキシ(ポリオ
キシプロピレングリコール)モノメタクリレート、3−
クロロ−2−アシッドホスホオキシプロピルアクリレー
ト、3−クロロ−2−アシッドホスホオキシプロピルメ
タクリレート等をその代表例として挙げることができ
る。
【0019】アクリル樹脂を構成する他のモノマ成分と
しては公知のものを使用することができる。例えば、ア
ルキルアクリレート、アルキルメタクリレート(アルキ
ル基としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イ
ソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチ
ル基、2−エチルヘキシル基、ラウリル基、ステアリル
基、シクロヘキシル基、フェニル基、ベンジル基、フェ
ニルエチル基等)等が基本骨格として用いられる。
【0020】上記アルキレンオキシドを含有するモノ
マ、リン酸塩基を有するモノマ及び他のモノマとは任意
の比率で共重合し得るが、アルキレンオキシドとリン酸
塩基とを同一分子中に有するモノマと他のモノマとの場
合、好ましくは前記モノマが20重量%以上、より好ま
しくは30重量%以上、更に好ましくは40重量%以上
であるのが帯電防止性の点で望ましい。尚、本発明でい
う帯電防止性とは表面比抵抗が常態(23℃、65%R
H)において5×1011Ω/□以下、好ましくは1×1
11Ω/□以下のものをいう。
【0021】更に架橋性官能基を付与する目的で以下の
モノマを共重合しても良い。架橋性官能基としては、カ
ルボキシル基、水酸基、メチロール基、スルホン酸基、
アミド基またはメチロール化されたアミド基、アミノ基
(置換アミノ基を含む)、あるいはアルキロール化され
たアミノ基、水酸基、エポキシ基、酸無水物等を例示す
ることができる。
【0022】上記架橋性官能基を有するモノマを例示す
ると、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイ
ン酸、フマル酸、クロトン酸、2−ヒドロキシエチルア
クリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2
−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプ
ロピルメタクリレート、ビニルスルホン酸、スチレンス
ルホン酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メ
チルメタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミ
ド、N−メチロールメタクリルアミド、ジメチルアミノ
エチルメタクリレート、および上記アミノ基をメチロー
ル化したもの、グリシジルアクリレート、グリシジルメ
タクリレート等を挙げることができるが必ずしもこれに
限定されるものではない。
【0023】上記架橋性官能基を有するモノマの共重合
比は特に限定されないが、1〜30重量%が好ましく、
更に好ましくは3〜20重量%であるのが易接着性の点
で望ましい。
【0024】更に、上記以外に次のような化合物、例え
ばアクリロニトリル、メタクリロニトリル、スチレン
類、マレイン酸およびイタコン酸のモノあるいはジアル
キルエステル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニ
ル、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニル基を有
するアルコキシシラン等を一部共重合成分として用いて
も良い。
【0025】また、本発明のアクリル樹脂の分子量は1
0万以上が好ましく、更に好ましくは30万以上とする
のが易接着性の点で望ましい。
【0026】本発明のアクリル樹脂は公知のアクリル樹
脂の重合法によって得ることができるが、インラインコ
ート法に適用する場合には水に溶解あるいは分散したも
のが好ましいため、乳化重合、懸濁重合等の方法によっ
て作成したアクリル樹脂水分散体が望ましい。
【0027】本発明でいう有機金属化合物(B)は、中
心金属にチタニウム、ジルコニウム、アルミニウムを
する化合物のことであり、その中でもアルコキシド、キ
レート、アシレートを形成するチタニウム、ジルコニウ
ム、アルミニウムが好ましく、更にチタン有機化合物の
アルコキシド、キレート化合物が特に好ましい。
【0028】チタン有機化合物としては、アルコキシド
を形成したテトライソプロピルチタネート、テトラ(2
−エチルヘキシル)チタネート等、キレートを形成した
チタンラクテート、チタンラクテートアンモニウム塩等
が例示される。この中でもチタンキレート化合物が好ま
しく、チタンキレート化合物としては、配位子としてグ
リコール、β−ジケトン、ヒドロキシカルボン酸、ケト
エステル、ケトアルコール等のO配位チタンキレート、
あるいは配位子としてアミノアルコール、オキシキノリ
ン、シッフ塩基等のN配位チタンキレート等を挙げるこ
とができる。又、インラインコート法に適用することを
考えた場合、防爆性、環境汚染等の点で水溶性チタンキ
レート化合物が好ましい。前述のチタンキレート化合物
において代表的な水溶性チタンキレート化合物として
は、トリエタノールアミンチタンキレート、ジイソプロ
ポキシチタンビス(アセチルアセテート)、チタンラク
テート、アンモニウムチタンラクテート等が挙げられ、
この中でも水中での安定性に優れたチタンラクテート、
アンモニウムチタンラクテート等が特に好ましい。
【0029】アルキレンオキシドとリン酸塩基を有する
アクリル樹脂(A)と有機金属化合物(B)の配合比は
特に限定されないが、好ましくは(A)100重量部に
対し(B)が1〜40重量部、特に好ましくは2〜30
重量部である。(B)の割合が多くなり過ぎると易接着
性や透明性が低下する傾向にあり、少な過ぎると帯電防
止性が低下する傾向になる。
【0030】本発明においては、各種の架橋剤を用い
て、前記架橋性官能基を架橋させることにより易接着性
を更に向上させることができる。架橋剤としては、メラ
ミン系、エポキシ系、イソシアネート系、アミン系、ア
ミド系等を挙げることができるが、この中でもメラミン
系架橋剤を用いるのが特に好ましい。
【0031】メラミン系架橋剤としては、例えば官能基
としてイミノ基、メチロール基、あるいはメトキシメチ
ル基やブトキシメチル基等のアルコキシメチル基を1分
子中に有するもので、イミノ基型メチル化メラミン樹
脂、メチロール基型メラミン樹脂、メチロール基型メチ
ル化メラミン樹脂、完全アルキル型メチル化メラミン樹
脂等が挙げられる。その中でもヘキサメチロール化メラ
ミン樹脂が最も好ましい。更に、メラミン系樹脂の熱硬
化を促進するため、例えばp−トルエンスルホン酸等の
酸性触媒を用いることが好ましい。
【0032】架橋剤の種類及び配合量は、アクリル樹脂
(A)の官能基の種類及び含有量に応じて適宜決定すれ
ばよいが、例えばメラミン系架橋剤を用いる場合、通
常、アクリル樹脂(A)100重量部に対し、2〜30
重量部が好適である。
【0033】本発明は、上記(A)、(B)を主体とす
る組成物よりなる塗布層を少なくともその片面に有す
る、白色ポリエステルフィルム上に設けることをその骨
子とするが、更に本発明の効果を阻害しない範囲におい
て、他の樹脂、例えば上記(A)とは異なるアクリル樹
脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等
を併用してもよい。特に、反応性の官能基を有するアク
リル樹脂を併用した場合には、より密着性の向上を図る
ことができるので好ましい。
【0034】本発明においては、基材ポリエステルフィ
ルムの少なくとも片面、好ましくはインキ印刷面側に該
塗布層面が設けられていることが必要である。特に、両
面に設けた場合、耐久性、製品歩留まりの点でより好ま
しい。
【0035】塗布層の厚みは特に限定されないが、本発
明においては0.01〜2.0μmが好ましく、より好
ましくは0.04〜1.0μm、更に好ましくは0.0
6〜0.5μmである。
【0036】本発明の効果をより顕著に発現させるに
は、塗布後、延伸する過程において、塗布層中に水が存
在した状態で延伸するのが好ましく、そのために塗剤の
濃度を低くしたり、フィルム破れやネッキング延伸、延
伸熱処理後の塗膜の未乾燥がない範囲で延伸温度を低く
したりするのが有効である。具体的には、塗剤濃度は、
0.5〜10重量%、好ましくは1〜5重量%であり、
延伸温度は85〜135℃、好ましくは95〜130℃
であるのが良い。
【0037】本発明の塗剤中には、本発明の効果を阻害
しない範囲において公知の添加剤、例えば酸化防止剤、
耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、有機の易滑
剤、顔料、染料、有機または無機の粒子、帯電防止剤、
核剤等を添加しても良い。
【0038】特に、本発明の塗剤中に無機粒子を添加配
合し、二軸延伸したものは、易滑性を改良したものとす
ることができるので更に好ましい。
【0039】添加する無機粒子の代表例としては、シリ
カ、コロイダルシリカ、アルミナ、アルミナゾル、カオ
リン、タルク、マイカ、炭酸カルシウム等を挙げること
ができる。無機粒子は、平均粒径0.01〜10μmが
好ましく、より好ましくは0.05〜5μm、更に好ま
しくは0.08〜2μmであり、塗剤中の固形分に対す
る配合比は、特に限定されないが重量比で0.05〜8
部が好ましく、より好ましくは0.1〜3部である。
【0040】塗布の方法は、公知の塗布方法、例えばリ
バースコート法、グラビアコート法、ロッドコート法、
ダイコート法等任意の方法を用いることができる。
【0041】本発明における磁気記録層は特に限定され
ないが、代表例としては以下のものを挙げることができ
る。即ち、磁性粉としては、γ−Fe2 3 、Cr
2 、Co−γ−Fe2 3 、メタル粉を、またバイン
ダとしては、酢酸ビニル、PVC等のビニル樹脂、アク
リロニトリル/ブタジエン共重合体等のゴム系樹脂、ア
セチルセルロ−ス、ニトロセルロ−ス等の繊維素、エポ
キシ系樹脂、フェノール系樹脂、単量体のイソシアネー
ト、変性イソシアネート、ウレタンプレポリマ、ブロッ
クイソシアネート等の形態で用いられるポリウレタン系
樹脂及び必要に応じ添加される分散剤、滑剤、カーボン
等の帯電防止剤、安定剤、可塑剤を調合したものを挙げ
ることができる。
【0042】本発明においては、必要に応じ有機顔料、
無機顔料、染料等の色料を添加した印刷層を適宜設けて
もよい。これらの印刷層を設ける方法は特に限定されな
いが、活版、平版、凸版、スクリーン、平台、輪転、転
写等の方法で行うことが可能である。
【0043】次に、本発明の磁気記録カードの代表的製
造方法について説明するが、これに限定されるものでは
ない。所定の光学濃度、白度を持つポリエステルフィル
ムの少なくとも片面に、アルキレンオキシドとリン酸塩
基を有するアクリル樹脂と有機金属化合物を主体とする
組成物よりなる塗布層を設ける。設ける方法は特に限定
されないが、所定の物性を持つポリエステルフィルム上
に、必要に応じて各種雰囲気中でコロナ放電処理を施し
た後、グラビアコート、リバースコート、バーコート、
スプレーコート、コンマコート等の公知の方法を用いて
塗布すればよい。しかし、1軸方向に延伸されたフィル
ムに塗料を塗布後、乾燥しつつ少なくとも先とは直角方
向に延伸、さらには熱処理を行う方法、即ち製膜工程中
で塗布した場合、塗布層の強靭性、密着性がより向上す
るため好ましい。このようにして得られた複合フィルム
上に、所定の磁性粉とバインダをボールミル、振動ミ
ル、アトライタ、ホモミキサ、サンドミル、三本ロール
等の方法を用いて分散させた後、公知の方法を用いて塗
布する。また必要に応じ反対面に各種インキ層や、各種
受容層、具体的には例えば感熱転写インキ受容層を設け
てもよい。またこれらの上にアクリル樹脂層等のオーバ
ーコート層を設けてもよいことはいうまでもない。
【0044】
【特性の測定方法及び効果の評価方法】本発明における
特性の測定方法及び効果の評価方法は次のとおりであ
る。
【0045】(1)塗布層の厚み 日立製作所(株)製透過型電子顕微鏡HU−12型を用
い、塗布層を設けた二軸配向ポリエステルフィルムの断
面を観察した写真から求めた。厚みは測定視野内の30
個の平均値とした。
【0046】(2)帯電防止性 製品歩留まりの指標として測定することとし、表面比抵
抗(Ω/□)が常態(23℃、65%RH)において5
×1011Ω/□以下である場合、製品歩留まり良好と判
断した。測定は、デジタル超高抵抗/微小電流計R83
40A(アドバンテスト(株)製)で、印加電圧100
Vで行った。
【0047】(3)耐久性 塗布層上に、下記の2種の塗料を塗布、乾燥した後、塗
料乾燥膜に1mm2 のクロスカットを100個入れ、ニ
チバン(株)製“セロハンテープ”をその上に貼り付け
指で強く押し付けた後、90゜方向に急速に剥離し、残
存した個数により5段階評価(◎:100、○:80〜
99、△:50〜79、×:20〜49、××:0〜1
9)した。(◎)、(○)を耐久性良好と判断した。
【0048】(a)紫外線硬化型インキ 紫外線硬化型インキとしてFLASH DRY(FD−
S墨)(東洋インキ製造(株)製)を用い、ロールコー
ト法で積層膜上に約2μm厚みに塗布した。その後、照
射強度80W/cm2 の紫外線を照射距離9cmで10
秒間照射し硬化させた。
【0049】(b)磁性塗料 ダイフェラコートCAD4301(大日精化工業(株)
製)100重量部にスミジュールN−75(住友バイエ
ル(株)製)1重量部を加え、固形分濃度20重量%の
塗料を作成し、バーコータを用いて塗布し、100℃で
5分間乾燥し、積層膜上に約10μm厚みとした。
【0050】(4)フィルムの平面性 上記(a)で塗布、硬化させた紫外線硬化型インキ積層
体について、積層体平面性をインキ面を上にしてガラス
板上に置き、カールの程度を目視で測定し、以下の基準
で測定した。
【0051】 ◎:全くカールがなく、極めて平面性が良い ○:端部にわずかにカールしているが良好 △:中央部付近までカールが及んでいる ×:カールが著しい (5)アッシュテスト 塗布層を設けたポリエステルフィルムを、未処理のポリ
エステルフィルムとよく擦り合わせた後、良く乾燥した
タバコの灰に近付けて、その灰の付着程度により以下の
基準で測定した。
【0052】○:付着しない △:少し付着する ×:著しく付着する (6)光学濃度 マクベス(株)製透過濃度計TD−504を用いて測定
した。
【0053】(7)白色度 JIS−L1015により測定した。
【0054】
【実施例】次に、実施例に基づいて本発明を説明する
が、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0055】実施例1 酸化チタンを16重量%微分散した固有粘度0.62の
PETペレットを十分に真空乾燥した後、280℃の加
熱された押し出し機に供給しT字型口金よりシート状に
押し出した。このシートを表面温度50℃の鏡面ドラム
に巻き付けて冷却固化せしめて未延伸PETフィルムを
作成した。このPETフィルムを90℃の加熱ロール群
を通過させながら長手方向に3.5倍延伸し、一軸配向
フィルムとした。このフィルムの両面にコロナ放電処理
を施し、その処理面に以下に示す水系塗剤を塗布した。
塗布後、連続的に端部をクリップで把持しながら100
℃の加熱ゾーンに導き、予熱、乾燥を経て幅方向に3.
5倍延伸し、更に220℃の加熱ゾーンで5%弛緩させ
つつ熱処理を施し、基材PETフィルム厚みが190μ
m、塗布厚みが0.1μm、光学濃度1.5、白度85
%の積層二軸配向白色PETフィルムを得た。
【0056】「水系塗剤1」:アクリル樹脂(A)とし
て、予め水酸化カリウムで中和したアシッドホスホオキ
シ(ポリオキシエチレングリコール)モノメタクリレー
ト(オキシエチレングリコールの繰り返し単位数n=
5)/ブチルアクリレート/アクリル酸を70/25/
5(重量%)の比率で乳化重合させた分子量約15万の
アクリル樹脂水分散体、有機金属化合物(B)としてチ
タンラクテートを、(A)//(B)=100//20
(重量比)で混合し、水で希釈した3.5重量%液。
【0057】該フィルム上片面に、磁性塗料を塗布し磁
性層を設けた後、フィルム反対面に紫外線硬化型インキ
を塗布し印刷を施した。このようにして得られた磁気カ
ードについて評価を行った。
【0058】結果を表1に示す。このようにして得られ
た磁気カードは、磁性層、印刷層とも接着性に優れたも
のであった。また、塗布層を設けた白色ポリエステルフ
ィルム表面は極めて帯電防止性に優れ、塵埃の付着しな
い優れたものであった。
【0059】比較例1 実施例1の水系塗剤1でチタンキレート化合物を添加せ
ず、実施例1と同様にして磁気カードを作成した。この
白色ポリエステルフィルムの塗布層は帯電防止性が劣
り、ゴミの付着しやすいものであった。
【0060】比較例2 実施例1の水系塗剤1を塗布せずに、実施例1と同様に
して磁気カードを作成した。このカードは接着性が著し
く劣り、印刷時にゴミの付着しやすいものであった。
【0061】実施例2 実施例1の水系塗剤1として、予め水酸化カリウムで中
和したアシッドホスホオキシ(ポリオキシエチレングリ
コール)モノメタクリレート(オキシエチレングリコー
ルの繰り返し単位数n=5)/ブチルアクリレート/ア
クリル酸/N−メチロールアクリルアミドを70/20
/5/5(重量%)としたアクリル樹脂(分子量約15
万)の水分散体を用いた以外は実施例1と同様にして磁
気カードを作成した。このカードは、特に接着性の優れ
たものであった。
【0062】
【表1】 実施例3 水系塗剤1の代わりに以下に示す水系塗剤2を用いた以
外は、実施例1と同様にして磁気カードを作成した。
【0063】「水系塗剤2」:アクリル樹脂(A)とし
て、予め水酸化カリウムで中和したアシッドホスホオキ
シ(ポリオキシエチレングリコール)モノメタクリレー
ト(オキシエチレングリコールの繰り返し単位n=5)
/ブチルアクリレート/アクリル酸/N−メチロールア
クリルアミドを70/20/5/5(重量%)の比率で
乳化重合させた分子量約15万のアクリル樹脂水分散
体、有機金属化合物(B)としてチタンラクテート、メ
ラミン系架橋剤(C)としてヘキサメチロール化メラミ
ン樹脂を、(A)//(B)//(C)=100//2
0//5(重量比)で混合し、水で希釈した3.5重量
%液。
【0064】結果を表2に示す。このカードは、磁気
層、印刷層とも接着性に優れ、また、塗布層を設けた白
色ポリエステルフィルム表面は極めて帯電防止性に優
れ、塵埃の付着しない優れたものであった。
【0065】実施例4 実施例3の水系塗剤2として、メラミン系架橋剤を15
重量部添加にした以外は実施例3と同様にして磁気カー
ドを作成した。このカードは特に接着性に優れたもので
あった。
【0066】実施例5 実施例3の水系塗剤2に、反応性官能基を有するアクリ
ル樹脂(D)としてメチルメタクリレート/エチルアク
リレート/アクリル酸/N−メチロールアクリルアミド
を50/45/3/2(重量%)の比率で乳化重合させ
た分子量約30万のアクリル樹脂を、(A)//(B)
//(C)//(D)=100//20//5//50
(重量比)で更に混合した以外は、実施例3と同様にし
て磁気カードを作成した。このカードは特に接着性が良
好であった。
【0067】実施例6 実施例5において、白色ポリエステルフィルムをポリエ
チレンテレフタレートフィルムからポリエチレン−2,
6−ナフタレートフィルムに変えた以外は同様にして、
磁気記録カードを作成した。このカードは特に平面性に
優れたものであった。
【0068】
【表2】
【0069】
【発明の効果】本発明によって得られる積層ポリエステ
ルフィルムは、特定の帯電防止性を有するポリマと有機
金属化合物を主体とする組成物より成る塗布層を白色ポ
リエステルフィルム上に積層することにより、製品歩留
まり、耐久性に優れた効果を発現するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // B32B 27/36 G06K 19/00 B (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B42D 5/00 - 15/10 G06K 19/06 G11B 5/80 B32B 27/36

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 白色ポリエステルフィルムの少なくとも
    片面に、アルキレンオキシドとリン酸塩基を有するアク
    リル樹脂(A)および有機金属化合物(B)を主体とす
    る組成物よりなる層を有し、該有機金属化合物(B)
    が、チタン有機化合物、ジルコニウム有機化合物、アル
    ミニウム有機化合物から選ばれた少なくとも一種であ
    り、かつ該層上に磁気記録層を設けてなることを特徴と
    する磁気記録カード。
  2. 【請求項2】 ポリエステルフィルムがポリエチレンテ
    レフタレート又はポリエチレン−2,6−ナフタレート
    であることを特徴とする請求項記載の磁気記録カー
    ド。
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