JP3328462B2 - 湿度検出回路 - Google Patents

湿度検出回路

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JP3328462B2
JP3328462B2 JP07951195A JP7951195A JP3328462B2 JP 3328462 B2 JP3328462 B2 JP 3328462B2 JP 07951195 A JP07951195 A JP 07951195A JP 7951195 A JP7951195 A JP 7951195A JP 3328462 B2 JP3328462 B2 JP 3328462B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、湿度に比例して静電容
量が増加する湿度センサを用い、静電容量の変化をアナ
ログ電圧の変化に変換し、湿度に比例した直流電圧信号
を得る湿度検出回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、湿度に応じて静電容量が変化
する静電容量変化型湿度センサを用いて湿度を検出する
方法が種々提案されている。例えば、特開昭62−17
649号公報には、静電容量変化型湿度センサを発振回
路の一部に用いて、発振周波数(周期)の変化に基づき
湿度を検出する方法が提案されている。更に、特公平2
−22338号公報には、センサに一定のパルスを加
え、積分回路を用いてセンサ容量値の変化をパルスの波
高値に変換し、この後直流電圧に変換する方法が提案さ
れている。更に、特開平3−87641号公報には、ダ
イオードを用いてセンサ容量値の変化をパルスの波高値
に変換する方法が提案されている。
【0003】一方、特開平3−144355号公報に
は、パルスのデューティー比を変化させる方法が開示さ
れている。この方法では、静電容量変化型湿度センサを
含む発振回路のハイレベルのパルス信号(幅が湿度によ
って変化する)と、静電容量変化型湿度センサを含まな
い発振回路のロウレベルのパルス信号(幅がほぼ一定)
とを組み合わせ、このパルス信号を平滑して直流電圧に
して、センサ容量の変化に比例させた出力電圧を得てい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した特開昭62−
17649号公報に示されている静電容量変化型湿度セ
ンサを用いて、発振周波数(周期)の変化に基づき湿度
を検出する方法では、周波数変化に基づき湿度を検出す
るには、マイクロコンピュータ等を用いたカウンタ回路
で周波数をカウントし、周波数をデジタルの湿度値に変
換する演算が必要となる。ここで湿度に比例する電圧値
等のアナログ出力を得るためには、更にD−Aコンバー
タで該デジタル値をアナログ値に変換することになる。
このため回路構成が複雑となった。
【0005】また、上述した特公平2−22338号公
報に示されているセンサ容量値の変化をパルスの波高値
に変換し、この後直流電圧に変換する方法においては、
センサ容量値を変換したパルスの波高値が、静電容量の
変化に対して比例しないため、後段に直線性補正回路を
追加することが必要になった。このため回路構成が複雑
となっていた。
【0006】更に、上述した特開平3−87641号公
報に示されているダイオードを用いてセンサ容量値の変
化をパルスの波高値に変換する方法においては、センサ
容量値を変換したパルスの波高値が、やはり静電容量の
変化に対して比例しない。このため、簡易的な補正回路
としてダイオードを用いたアナログ・アンプを後段に追
加しているが、この補正回路の構成を簡易にすると高い
精度を得ることができなかった。
【0007】一方、上述した特開平3−144355号
公報に示されているパルスのデューティー比を変化させ
る方法においては、前述したようにパルス幅を固定した
ロウレベルと、パルス幅を静電容量変化型湿度センサの
容量の変化に比例させたハイレベルとから成るパルス信
号を平滑して直流電圧とすると、この直流電圧はパルス
高の1/2のオフセット電圧を有している。このため該
オフセット電圧を除去するようにアナログ演算回路を後
段に追加していた。このため、やはり回路構成が複雑で
あった。
【0008】本発明は、上述した課題を解決するために
なされたものであり、その目的とするところは、簡易な
構成で正確に相対湿度が測定できる湿度検出回路を提供
することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、請求項1では、湿度に比例して静電容量が変化する
静電容量変化型湿度センサを備え、湿度に比例させてパ
ルス信号の周期を変化させる発振回路と、前記発振回路
の湿度に比例したパルス信号の半周期のパルス幅から、
該発振回路の相対湿度0%RHにおけるパルス信号の半
周期に相当するパルス幅を差し引く遅延回路と、前記遅
延回路のパルス信号を平滑してアナログ電圧信号に変換
する平滑回路とからなることを要旨とする。
【0010】また、請求項2では、請求項1において、
前記遅延回路が、抵抗と、ダイオードと、コンデンサ
と、インバータとを有し、該インバータの出力が前記平
滑回路に接続され、該インバータの入力が抵抗を介して
前記発振回路に接続され、該インバータの入力には、他
端が接地されたコンデンサが接続され、該抵抗及び該コ
ンデンサがインバータの入力への遅延を設定し、該抵抗
には順方向に配置されたダイオードが並列に接続されて
成り、遅延時間を設定する前記抵抗及び前記コンデンサ
を、発振回路の相対湿度0%RHにおけるパルス信号の
半周期に相当させるよう調整したことを要旨とする。
【0011】また、請求項3では、請求項1において、
前記遅延回路が、抵抗と、ダイオードと、コンデンサ
と、バッファとを有し、該バッファの出力が前記平滑回
路に接続され、該バッファの入力が抵抗を介して前記発
振回路に接続され、該バッファの入力には、他端が接地
されたコンデンサが接続され、該抵抗及び該コンデンサ
がバッファの入力への遅延を設定し、該抵抗には逆方向
に配置されたダイオードが並列に接続されて成り、遅延
時間を設定する前記抵抗及び前記コンデンサを、発振回
路の相対湿度0%RHにおけるパルス信号の半周期に相
当させるよう調整したことを要旨とする。
【0012】また、請求項4では、請求項2又は3にお
いて、前記遅延回路の前記抵抗に可変抵抗が接続されて
いる。
【0013】また、請求項5では、請求項2又は3にお
いて、前記遅延回路の前記抵抗にサーミスタが接続され
ている。
【0014】上記の目的を達成するため、請求項6で
は、湿度に比例して静電容量が変化する静電容量変化型
湿度センサを備え、湿度に比例させてパルス信号の周期
を変化させる発振回路と、前記発振回路の湿度に比例し
たパルス信号の半周期のパルス幅から、該発振回路の第
1の相対湿度におけるパルス信号の半周期に相当するパ
ルス幅を差し引く第1遅延回路と、前記発振回路の湿度
に比例したパルス信号の半周期に相当するパルス幅か
ら、該発振回路の第2の相対湿度におけるパルス信号の
半周期に相当するパルス幅を差し引く第2遅延回路と、
前記第1遅延回路と第2遅延回路とのパルス信号を平滑
してアナログ電圧信号に変換する平滑回路とからなるこ
とを要旨とする。
【0015】
【作用】請求項1の湿度検出回路では、発振回路が、湿
度に比例する周期のパルス信号を出力する。この湿度に
比例するパルス信号の半周期のパルス幅から、遅延回路
が、該発振回路の相対湿度0%RHにおけるパルス信号
の半周期に相当するパルス幅を差し引き、湿度に比例す
る幅のパルス信号を得る。平滑回路が、湿度に比例する
幅のパルス信号を平滑してアナログ電圧信号に変換す
る。
【0016】請求項2の湿度検出回路では、発振回路の
パルス信号がハイレベルの半サイクルでは、順方向に接
続されたダイオードにより、インバータの出力はロウと
なる。そして、発振回路のパルス信号がロウレベルの半
サイクルでは、抵抗とコンデンサとにより決定される時
間分遅れて該インバータの出力はハイになる。この遅延
時間を設定する抵抗及びコンデンサの値を、発振回路の
相対湿度0%RHにおけるパルス信号の半周期に相当す
るよう調整することにより、発振回路の湿度に比例する
周期のパルス信号から、該発振回路の相対湿度0%RH
におけるパルス信号の半周期のパルス幅を差し引くこと
ができる。
【0017】請求項3の湿度検出回路では、発振回路の
パルス信号がロウレベルの半サイクルでは、逆方向に接
続されたダイオードにより、バッファの出力はロウとな
る。そして、発振回路のパルス信号がハイレベルの半サ
イクルでは、抵抗とコンデンサとにより決定される時間
分遅れて該バッファの出力はハイになる。この遅延時間
を設定する抵抗及びコンデンサの値を、発振回路の相対
湿度0%RHにおけるパルス信号の半周期に相当するよ
う調整することにより、発振回路の湿度に比例する周期
のパルス信号から、該発振回路の相対湿度0%RHにお
けるパルス信号の半周期のパルス幅を差し引くことがで
きる。
【0018】請求項4の湿度検出回路では、遅延回路の
抵抗に可変抵抗が接続されているため、可変抵抗によっ
て抵抗分を調整することにより、可変抵抗及び抵抗とコ
ンデンサとにより決定される遅延時間を任意に設定する
ことができる。
【0019】請求項5の湿度検出回路では、遅延回路の
抵抗にサーミスタが接続されているため、該サーミスタ
及び抵抗とコンデンサとにより決定される遅延時間を、
当該サーミスタの温度特性により補正することができ
る。
【0020】請求項6の湿度検出回路では、発振回路
が、現在の湿度に比例する周期のパルス信号を出力す
る。この現在の湿度に比例するパルス信号の半周期のパ
ルス幅から、第1遅延回路が、該発振回路の第1の相対
湿度におけるパルス信号の半周期に相当するパルス幅を
差し引き、第1の相対湿度と現在の相対速度との差分に
比例する幅のパルス信号を得る。同様に、発振回路から
の現在の湿度に比例するパルス信号の半周期のパルス幅
から、第2遅延回路が、該発振回路の第2の相対湿度に
おけるパルス信号の半周期に相当するパルス幅を差し引
き、第2の相対湿度と現在の相対湿度との差分に比例す
る幅のパルス信号を得る。そして、平滑回路が、第1遅
延回路と第2遅延回路とのパルス信号を平滑してアナロ
グ電圧信号に変換する。
【0021】
【実施例】以下、本発明を具体化した実施例について図
を参照して説明する。図1は本発明の第1実施例に係る
湿度検出回路を示している。この湿度検出回路は、C−
MOSのシュミット付きインバータ11の入力とアース
間に静電容量変化型湿度センサCsを接続し、該インバ
ータ11の入出力の間に抵抗R1を接続してなる発振回
路12と、該発振回路12の出力をダイオードD1と抵
抗R2との並列回路を介してインバータ15の入力に接
続し、コンデンサC1を該インバータ15の入力とアー
ス間に接続してなる遅延回路14と、該遅延回路14と
電圧出力端子VHとの間に接続された抵抗R3と、該電
圧出力端子VHとアースとの間に接続された抵抗R4及
びコンデンサC2とから成る平滑回路16とで構成され
ている。
【0022】この湿度検出回路では、発振回路12が、
湿度に比例する周期のパルス信号を出力する。この湿度
に比例するパルス信号の半周期のパルス幅から、遅延回
路14が、該発振回路12の相対湿度0%RHにおける
パルス信号の半周期に相当するパルス幅を差し引き、湿
度に比例する幅のパルス信号を得る。そして、平滑回路
16が、湿度に比例する幅のパルス信号を平滑してアナ
ログ電圧信号に変換する。
【0023】以下この湿度検出回路の動作について図2
の波形図を参照して説明する。まず、発振回路12の発
振周期Tは次式で表される。
【数1】T=a・R1・Cs (aは定数) 即ち、該発振回路12の出力は、図1中のA点の波形を
示す図2(A)のようにパルス波形となり、この周期T
は静電容量変化型湿度センサCsの容量に比例する。
【0024】一方、遅延回路14のインバータ15は、
該発振回路12の出力がハイレベルの半サイクルにおい
て、ダイオードD1によって該ハイレベルが印加されて
ロウレベルとなる(図1中のインバータ15の出力を示
すC点の波形を表した図2(C)参照)。そして、該発
振回路12の出力がロウレベルの半サイクルにおいて、
インバータ15の入力(図1中のインバータ15への入
力を示すB点の波形を表した図2(B)参照)へは、抵
抗R2及びコンデンサC1による遅延構成により電源電
圧Vccから徐々に低減する電圧が印加される。そし
て、この印加電圧がインバータ15のしきい値であるV
THより低下すると、該インバータ15がハイレベルを
出力し、これは、発振回路12の出力がハイレベルに反
転するまで継続する。即ち、該遅延回路14の出力(イ
ンバータ15の出力)のハイレベルの幅(パルス幅)T
Hは、発振回路12の発振周期Tの半分(即ち、ロウレ
ベルの間)から、抵抗R2及びコンデンサC1の値によ
り決定される遅延時間TDを差し引いた時間に相当す
る。この遅延時間TDは次式で表される。
【数2】TD=b・R2・C1 (bは定数)
【0025】ここで、0%RH(相対湿度)の時の静電
容量変化型湿度センサCsの静電容量をC0 、発振周期
をT0 とし、任意の湿度での該静電容量変化型湿度セン
サCsの静電容量をCs=C0 +ΔC(ΔC:容量値の
変化分)とする。これを上記数1に代入すると、発振周
期Tは次式で表される。
【数3】 T=a・R1・(C0 +ΔC)=a・R1・C0 +a・R1・ΔC =T0 +a・R1・ΔC
【0026】更にここで、遅延時間TDが0%RH(相
対湿度)における発振回路12の発振周期T0 の1/2
になるように(即ち、TD=T0 /2)抵抗R2及びコ
ンデンサC1の値を設定する。この時のパルス幅THは
次式で表される。
【数4】 これを数3に代入すると、
【数5】 となり、遅延回路14のパルス幅THが、静電容量変化
型湿度センサCsの静電容量の変化分ΔCに比例するこ
とが分かる。
【0027】次に、遅延回路14のパルス出力を平滑回
路16で平滑すると電圧出力端子VHでの電位Vh(図
1中の電圧出力端子VHの電位Vhを示す図2(D)参
照)は、次式で表される。
【数6】
【0028】この数6に数3及び数5を代入すると次式
が成立する。
【数7】
【0029】ここで、一般に静電容量変化型湿度センサ
において、湿度に対する静電容量の変化は全体の容量に
比べてかなり小さい(ΔC≪C0 )。従って、数7は次
のように表し得る。
【数8】
【0030】数8から分かるように、該湿度検出回路の
出力端子VHでの電位Vhは、静電容量変化型湿度セン
サCsの容量の変化分ΔCに比例し、即ち、相対湿度に
比例する。以上説明したように本発明の第1実施例の湿
度検出回路では、簡易な回路構成で、静電容量変化型湿
度センサCsの容量の変化分ΔCに比例(即ち、相対湿
度に比例)した電圧出力を得ることができる。
【0031】次に、本発明の第2実施例の湿度検出回路
について図3を参照して説明する。ここで、図1を参照
して上述した第1実施例の同様な部材については、同一
の参照番号を用いると共に説明を省略する。前述した第
1実施例では、遅延回路14にインバータ15が用いら
れていたが、この第2実施例では、遅延回路14にバッ
ファ25が用いられている。また、第1実施例では、該
インバータ15の入力側にダイオードD1が順方向に接
続されていたが、この第2実施例では、バッファ25に
ダイオードD2が逆方向に接続されている。
【0032】この第2実施例の湿度検出回路では、発振
回路12のパルス信号がロウレベルの半サイクルでは、
逆方向に接続されたダイオードD2により、バッファ2
5の出力はロウとなる。そして、発振回路12のパルス
信号がハイレベルの半サイクルでは、抵抗R2とコンデ
ンサC1とにより決定される時間分遅れて該バッファ2
5の出力はハイになる。この遅延時間を設定する抵抗R
2及びコンデンサC1の値を、第1実施例と同様に発振
回路12の相対湿度0%RHにおけるパルス信号の半周
期に相当するよう調整することにより、発振回路12の
湿度に比例する周期のパルス信号から、該発振回路の相
対湿度0%RHにおけるパルス信号の半周期のパルス幅
を差し引き、遅延回路14のパルス幅THを、静電容量
変化型湿度センサCsの静電容量の変化分ΔCに比例さ
せる。
【0033】図4は、本発明の第3実施例に係る湿度検
出回路を示している。この第3実施例では、遅延回路1
4の抵抗R2に可変抵抗RV1が、また、平滑回路16
の抵抗R4に可変抵抗RV2が直列に接続されている。
この第3実施例では、可変抵抗RV1、RV2を調整す
ることによりオフセット調整、スパン調整といった出力
の微調整が可能となる。即ち、可変抵抗RV1を調整す
ることにより、可変抵抗RV1、抵抗R2、コンデンサ
C1によって決定される図2を参照して上述した遅延時
間TDを、湿度0%RH(相対湿度)における発振回路
12の発振周期T0 の1/2となるように微調整でき
る。また、可変抵抗RV2を調整することにより、電圧
出力端子VHの電位Vhを微調整できる。
【0034】図5は、本発明の第4実施例に係る湿度検
出回路を示している。この第4実施例では、遅延回路1
4の抵抗R2にサーミスタTH1が、また、平滑回路1
6の抵抗R4にサーミスタTH2が直列に接続されてい
る。この第4実施例では、サーミスタTH1、TH2に
よって温度補正を行うことができる。即ち、サーミスタ
TH1によって、該サーミスタTH1、抵抗R2、コン
デンサC1によって決定される図2を参照して上述した
遅延時間TDを、湿度0%RH(相対湿度)における発
振回路12の発振周期T0 の1/2となるように温度補
正できる。また、サーミスタTH2により、電圧出力端
子VHの電位Vhを温度補正できる。なお、サーミスタ
としては、正の温度特性を有するサーミスタも、また、
負の温度特性を有するサーミスタをも、静電容量変化型
湿度センサCsの温度特性に適合するように使用可能で
ある。
【0035】図6は、本発明の第5実施例に係る湿度検
出回路を示している。第1実施例では、図1を参照して
上述したように発振回路12にてC−MOSインバータ
11を用いて発振回路を構成したが、この第5実施例で
は、発振回路12でコンパレータ31によって発振回路
を構成している。また、第1実施例では、遅延回路14
にてインバータ15を用いて出力の反転を行ったが、こ
の第5実施例では、遅延回路14でコンパレータ35を
用いて出力の反転(パルスの成形)を行っている。この
第5実施例の構成においても、第1実施例と同様に電圧
出力端子VHにて相対湿度に比例する電圧出力Vhを得
ることができる。
【0036】図7は、本発明の第6実施例に係る湿度検
出回路を示している。上述した第1乃至第5実施例で
は、1つの遅延回路14によって、発振回路12の湿度
に比例する周期のパルス信号から、遅延回路の抵抗R2
とコンデンサC1とによる遅延構成により発振回路12
の相対湿度0%におけるパルス信号の半周期のパルス幅
を差し引き、遅延回路14のパルス幅THを静電容量変
化型湿度センサCsの静電容量の変化分ΔCに比例させ
た。これに対して、この第6実施例では、第1遅延回路
14Aと第2遅延回路14Bとの2つの遅延回路が設け
られており、第1遅延回路14Aの出力と第2遅延回路
14Bの出力とを平滑回路16にて加算して出力電圧V
hを得る構成になっている。
【0037】この第6実施例の湿度検出回路では、第1
遅延回路14Aは、上述した第1乃至第5実施例と同
様、0%RHを越える相対湿度に相当する幅のパルス信
号を出力する。一方、第2遅延回路14Bでは、抵抗R
11とコンデンサC3により設定される遅延時間を、発
振回路の相対湿度50%RHの時のパルス信号の半周期
に相当するよう調整してある。これにより、該第2遅延
回路14Bは、相対湿度50%RH以下ではパルス信号
を出力せず、相対湿度50%RHを越えるようになる
と、50%RHとの差分に相当する幅のパルス信号を出
力する。この第1遅延回路14Aの出力と第2遅延回路
14Bの出力とを、平滑回路16は、抵抗R12と抵抗
R3との比に依って決まる割合で加算して出力電圧Vh
を得ている。この第6実施例の湿度検出回路では、上述
したように出力電圧Vhの直線性を相対湿度50%RH
を分岐点として変えている。このようにして、静電容量
変化型湿度センサCsの出力特性が相対湿度50%RH
を分岐として変わる場合に対応させている。
【0038】なお、第6実施例の静電容量変化型湿度セ
ンサCsに直列に接続されているコンデンサC4は、該
静電容量変化型湿度センサCsに印加される電圧の直流
分を除去するためのコンデンサであり、C4≫Csに設
定されているため、該C4のキャパシタンスは出力電圧
Vhに影響しない。また、図7に示した例では、2つの
遅延回路14A、14Bを組み合わせて湿度検出回路を
構成する例を挙げたが、3個以上の遅延回路を組み合わ
せることにより、静電容量変化型湿度センサに複雑な非
直線性がある場合に、これを補正することができる。こ
の第6実施例では、簡単な回路構成によって静電容量変
化型湿度センサの複雑な特性を補正することが可能であ
る。
【0039】
【効果】以上記述したように請求項1に記載した構成に
よれば、周波数のカウントのためのマイクロコンピュー
タ、あるいは、オフセット電圧除去・線形化のためのア
ナログ演算回路等を必要としないため、極めて簡単な回
路構成で湿度に比例した電圧出力を得ることができる。
また、相対湿度0%RHからの変化分だけを検出する構
成を採用しているので、静電容量変化型湿度センサの微
小な容量変化を感度良く検出できる。また、請求項6に
記載した構成によれば、簡単な回路構成によって静電容
量変化型湿度センサの複雑な特性を補正し、正確な相対
湿度を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る湿度検出回路の回路
図である。
【図2】図1に示す湿度検出回路の波形図である。
【図3】本発明の第2実施例に係る湿度検出回路の回路
図である。
【図4】本発明の第3実施例に係る湿度検出回路の回路
図である。
【図5】本発明の第4実施例に係る湿度検出回路の回路
図である。
【図6】本発明の第5実施例に係る湿度検出回路の回路
図である。
【図7】本発明の第6実施例に係る湿度検出回路の回路
図である。
【符号の説明】
11 インバータ 12 発振回路 14 遅延回路 15 インバータ 16 平滑回路 Cs 静電容量変化型湿度センサ C1、C2 コンデンサ D1 ダイオード R1、R2、R3、R4 抵抗
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−103655(JP,A) 特開 昭56−36046(JP,A) 特開 昭55−121145(JP,A) 特開 昭62−17649(JP,A) 特開 平3−87641(JP,A) 特開 平3−144355(JP,A) 特公 平2−22338(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 27/00 - 27/24

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 湿度に比例して静電容量が変化する静電
    容量変化型湿度センサを備え、湿度に比例させてパルス
    信号の周期を変化させる発振回路と、 前記発振回路の湿度に比例したパルス信号の半周期のパ
    ルス幅から、該発振回路の相対湿度0%RHにおけるパ
    ルス信号の半周期に相当するパルス幅を差し引く遅延回
    路と、 前記遅延回路のパルス信号を平滑してアナログ電圧信号
    に変換する平滑回路とからなることを特徴とする湿度検
    出回路。
  2. 【請求項2】 前記遅延回路が、抵抗と、ダイオード
    と、コンデンサと、インバータとを有し、該インバータ
    の出力が前記平滑回路に接続され、該インバータの入力
    が抵抗を介して前記発振回路に接続され、該インバータ
    の入力には、他端が接地されたコンデンサが接続され、
    該抵抗及び該コンデンサがインバータの入力への遅延を
    設定し、該抵抗には順方向に配置されたダイオードが並
    列に接続されて成り、 遅延時間を設定する前記抵抗及び前記コンデンサを、発
    振回路の相対湿度0%RHにおけるパルス信号の半周期
    に相当させるよう調整したことを特徴とする請求項1の
    湿度検出回路。
  3. 【請求項3】 前記遅延回路が、抵抗と、ダイオード
    と、コンデンサと、バッファとを有し、該バッファの出
    力が前記平滑回路に接続され、該バッファの入力が抵抗
    を介して前記発振回路に接続され、該バッファの入力に
    は、他端が接地されたコンデンサが接続され、該抵抗及
    び該コンデンサがバッファの入力への遅延を設定し、該
    抵抗には逆方向に配置されたダイオードが並列に接続さ
    れて成り、 遅延時間を設定する前記抵抗及び前記コンデンサを、発
    振回路の相対湿度0%RHにおけるパルス信号の半周期
    に相当させるよう調整したことを特徴とする請求項1の
    湿度検出回路。
  4. 【請求項4】 前記遅延回路の前記抵抗に可変抵抗が接
    続されていることを特徴とする請求項2又は3の湿度検
    出回路。
  5. 【請求項5】 前記遅延回路の前記抵抗にサーミスタが
    接続されていることを特徴とする請求項2又は3の湿度
    検出回路。
  6. 【請求項6】 湿度に比例して静電容量が変化する静電
    容量変化型湿度センサを備え、湿度に比例させてパルス
    信号の周期を変化させる発振回路と、 前記発振回路の湿度に比例したパルス信号の半周期のパ
    ルス幅から、該発振回路の第1の相対湿度におけるパル
    ス信号の半周期に相当するパルス幅を差し引く第1遅延
    回路と、 前記発振回路の湿度に比例したパルス信号の半周期に相
    当するパルス幅から、該発振回路の第2の相対湿度にお
    けるパルス信号の半周期に相当するパルス幅を差し引く
    第2遅延回路と、 前記第1遅延回路と第2遅延回路とのパルス信号を平滑
    してアナログ電圧信号に変換する平滑回路とからなるこ
    とを特徴とする湿度検出回路。
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