JP3327947B2 - 内視鏡用対物レンズ - Google Patents

内視鏡用対物レンズ

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JP3327947B2
JP3327947B2 JP11844592A JP11844592A JP3327947B2 JP 3327947 B2 JP3327947 B2 JP 3327947B2 JP 11844592 A JP11844592 A JP 11844592A JP 11844592 A JP11844592 A JP 11844592A JP 3327947 B2 JP3327947 B2 JP 3327947B2
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  • Lenses (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、撮像素子として固体撮
像素子を使用する電子内視鏡用対物レンズに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】一般に固体撮像素子は、赤外線に対して
も感度を持つため、撮像素子として固体撮像素子を使用
する電子内視鏡においては、赤外線カットフィルターを
光学系中に挿入する必要がある。そのために従来は、例
えば実開昭61−114414号公報に記載されている
ように、固体撮像素子の前方の対物レンズ中に赤外線カ
ットフィルターを設けたり、対物レンズ中のレンズの一
部を赤外線カットガラス(赤外線吸収フィルター)によ
り形成したりしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】例えば図9に示すよう
な特願平2−93937号に記載されている対物レンズ
では、絞り後群の合成焦点距離を長くすることにより色
温度補正フィルターF 1 に対して、光線の入射角度をゆ
るくし、軸上主光線経路と軸外主光線経路をほぼ等しく
し、画像の中央と周辺との色調のむらの発生をおさえて
いた。しかし、この場合どうしても、後群の焦点距離が
長くなる分、全長を短くすることができなかった。
【0004】また、技術が進むにつれ固体撮像素子(以
下CCDと呼ぶ)の小型化が行なわれて来たがCCDの
分光感度はあまり変わらない為、基本的には、色温度補
正フィルターの厚みを薄くすることができない。そのた
めCCDの小型化の割には内視鏡先端部の硬質部を短く
することができなかった。さらにこの欠点を解消するた
めに対物レンズの一部を色温度補正フィルターで形成す
ることが提案されている。しかし図10に示すような対
物光学系はテレセントリック系でフィールドレンズが赤
外線カットレンズであるので、この赤外線カットレンズ
2 内での軸上主光線経路と軸外主光線経路とで長さの
差が生じ、軸外に行く程経路が短くなる。そのために画
像の周辺に行く程赤外線カット量が減少しスミアに対す
る適切な除去が出来ないか、色調のむらが発生する等の
不具合が生ずる。
【0005】本発明は、光学系中のレンズを色温度補正
吸収フィルターにて構成したもので、光学系の全長が短
くかつ色調むら等の発生しない内視鏡対物レンズを提供
することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の内視鏡対物レン
ズは、物体側から順に、負の屈折力の第1群と、明るさ
絞りと、絞り直後に配置した像面側の面が凸面の正の屈
折力の第2群と、正の屈折力を持った第3群とよりな
、前記第1群と前記明るさ絞りとの間に色温度補正吸
収フィルターの平行平板が配置され、且つ前記第2群が
色温度補正吸収フィルターの1枚のレンズで構成され
下記条件(1)乃至(3)を満足することを特徴として
いる。(1)0.85≦|R|/D≦1.15 (2) 2<f 2 /f<10 (3) 0.5<|f 1 /f|<2.0 ただし、Rは前記第2群の像面側の凸面の曲率半径、D
は前記第2群の中心肉厚、fは全系の焦点距離、f 2
前記第2群の焦点距離、f 1 は前記第1群の焦点距離で
ある。
【0007】本発明の内視鏡対物レンズは、図1に示す
ような明るさ絞りの直後に配置した正レンズを色温度補
正吸収フィルターにて形成しておりこれによってこのレ
ンズでの軸上主光線経路と軸外主光線経路をほぼ等しく
することが出来、画像の中央と周辺との色調むらが生ず
るのをおさえるようにした。
【0008】更に本発明の対物レンズは、次の条件
(1)を満足するように構成することが望ましい。 (1) 0.85≦|R|/D≦1.15 ただしRは第2群正レンズの像側の面の曲率半径、Dは
このレンズの肉厚である。
【0009】この条件(1)を満足することにより第2
群に入射する光線の入射角が大きくなっても軸上光線と
軸外光線とで光路長が殆んど変らなくなる。つまり絞り
より後のレンズ群の合成の焦点距離を短くすることが出
来、対物レンズの全長を短くすることが出来る。
【0010】更に次の条件(2)を満足することが光学
性能を向上させる上で望ましい。 (2) 2<f2 /f<10 ただしfは全系の焦点距離、f2 は第2群の焦点距離で
ある。
【0011】条件(2)の上限からはずれるとつまり第
2群の焦点距離が長くなると他のレンズの曲率がきつく
なり、コマ収差,非点収差等が悪化し、これを補正する
ためにはレンズ枚数を増やさなければならず全長が長く
なり内視鏡対物レンズとしては不適当である。条件
(2)の下限から外れると第2群の焦点距離が短くなり
曲率のきついレンズになり、この第2群が絞り直後に配
置されているため球面収差に対する影響が大きくこの収
差が悪化するので好ましくない。このように条件(2)
を満足することによって光学性能を良好にする上で好ま
しい。
【0012】ただし色温度補正フィルターが厚いものが
必要になり、条件(1),(2)を同時に満足させるの
が困難な場合は、補正フィルターをレンズと平行平面板
に分割することにより対応できる。この場合、次の条件
(3)を満足せしめることが望ましい。 (3) 0.5<|f1 /f|<2.0 ただし、f1 は第1群負レンズの焦点距離である。
【0013】条件(3)は、明るさ絞りの直前にフィル
ターを配置するスペースを設け、全長を規定するための
ものである。
【0014】|f1 /f|が条件(3)の下限以下にな
ると負のレンズ群と正のレンズ群の間隔が短くなり、明
るさ絞りの直前にフィルターを設けることが困難にな
る。又|f1 /f|が条件(3)の上限以上になると、
負のレンズ群と正のレンズ群の間隔が大になりすぎて、
レンズ系の全長も長くなるため好ましくない。しがたっ
てフィルターを光学系中に設けしかも光学系の全長を短
くするためにはこの条件(3)を満足することが望まし
い。
【0015】前記のように、条件(3)を満足するよう
にし分割したフィルターである平行平面板を絞りの直前
に配置することによって、対物レンズの全長をあまり変
えることなしにフィルターの総厚を厚くすることが可能
になる。逆にフィルターの総厚を変えずに対物レンズの
全長を短くすることも出来る。
【0016】
【実施例】次に本発明の内視鏡用対物レンズの各実施例
を示す。 実施例1 f=1.000 ,Fナンバー=3.968 ,像高=0.88590 ,物体距離=-19.93267 r1 =∞ d1 =0.7752 n1 =1.88300 ν1 =40.78 r2 =1.4324 d2 =2.3476 r3 =∞(絞り) d3 =2.4362 n2 =1.52000 ν2 =74.00 r4 =-2.1951 d4 =0.1107 r5 =5.0013 d5 =1.6611 n3 =1.69680 ν3 =55.52 r6 =-1.5243 d6 =0.5315 n4 =1.84666 ν4 =23.78 r7 =-3.7368 d7 =0.8859 r8 =∞ d8 =1.8825 n5 =1.54814 ν5 =45.78 r9 =∞ d9 =0.8859 n6 =1.51633 ν6 =64.15 r10=∞ |R|/D=0.901 ,f2 /f=4.221 実施例2 f=1.000 ,Fナンバー=3.996 ,像高=0.95532 ,物体距離=-21.49459 r1 =∞ d1 =0.8359 n1 =1.88300 ν1 =40.78 r2 =1.6878 d2 =3.3506 r3 =∞(絞り) d3 =2.6271 n2 =1.52000 ν2 =47.00 r4 =-2.8898 d4 =0.1194 r5 =5.0366 d5 =1.7912 n3 =1.69680 ν3 =55.52 r6 =-1.6275 d6 =0.5732 n4 =1.84666 ν4 =23.78 r7 =-3.8073 d7 =0.9553 r8 =∞ d8 =2.0300 n5 =1.54814 ν5 =45.78 r9 =∞ d9 =0.9553 n6 =1.51633 ν6 =64.15 r10=∞ |R|/D=1.100 ,f2 /f=5.557 実施例3 f=1.000 ,Fナンバー=3.975 ,像高=0.86427 ,物体距離=-19.44600 r1 =∞ d1 =0.7562 n1 =1.88300 ν1 =40.78 r2 =1.0323 d2 =0.8962 r3 =∞ d3 =0.8643 n2 =1.52000 ν2 =74.00 r4 =∞ d4 =0.0648 r5 =∞(絞り) d5 =1.5454 n3 =1.52000 ν3 =74.00 r6 =-1.5768 d6 =0.1080 r7 =6.1717 d7 =1.6205 n4 =1.69680 ν4 =55.52 r8 =-1.1865 d8 =0.5186 n5 =1.84666 ν5 =23.78 r9 =-2.7780 d9 =0.8643 r10=∞ d10=1.8366 n6 =1.54814 ν6 =45.78 r11=∞ d11=0.8643 n7 =1.51633 ν7 =64.15 r12=∞ |R|/D=1.020 ,f2 /f=3.034 ,|f1 /f|=1.169 実施例4 f=1.000 ,Fナンバー=3.971 ,像高=0.85955 ,物体距離=-19.33987 r1 =∞ d1 =0.5372 n1 =1.88300 ν1 =40.78 r2 =0.9008 d2 =0.5275 r3 =∞ d3 =1.0744 n2 =1.52000 ν2 =74.00 r4 =∞ d4 =0.0645 r5 =∞(絞り) d5 =1.2893 n3 =1.52000 ν3 =74.00 r6 =-1.3573 d6 =0.1074 r7 =∞ d7 =1.0744 n4 =1.52000 ν4 =74.00 r8 =∞ d8 =0.1074 r9 =3.7903 d9 =1.2893 n5 =1.69680 ν5 =55.52 r10=-1.3316 d10=0.4298 n6 =1.84666 ν6 =23.78 r11=-3.6407 d11=0.5372 r12=∞ d12=1.8265 n7 =1.54814 ν7 =45.78 r13=∞ d13=0.8595 n8 =1.51633 ν8 =64.15 r14=∞ |R|/D=1.053 ,f2 /f=2.610 ,|f1 /f|=1.020 ただしr1 ,r2 ,・・・ はレンズ各面の曲率半径、d
1 ,d2 ,・・・ は各レンズの肉厚およびレンズ間隔、n
1 ,n2 ,・・・ は各レンズの屈折率、ν1 ,ν2 ,・・・
は各レンズのアッベ数である。
【0017】実施例1は図1に示す構成で、明るさ絞り
Sの直後に色温度補正吸収フィルターで形成された平凸
レンズLを配置したものである。尚F3 はモアレを除去
するための水晶フィルター,CはCCDのカバーガラス
である。
【0018】実施例2は、図2に示すもので、観察範囲
をより広範囲に広げる為にさらに広角化を狙ったもので
ある。
【0019】実施例3は、図3に示す通りのもので、色
温度補正フィルターレンズLを平行平面板フィルターF
1 と平凸レンズL1 とに分割しかつフィルターF1 を明
るさ絞りSの前に配置することによって後群のレンズ長
を短くすることができ、全体のレンズ長を短縮するよう
にしたものである。これにより、内視鏡先端硬質部の長
さがさらに短くなり、患者への苦痛低減に大きな効果が
得られる。
【0020】実施例4は、図4に示す構成で、色温度補
正フィルターレンズLを平凸レンズL1 と平行平面板フ
ィルターF1 ,F2 とに分割し、かつフィルターF1
2 を明るさ絞りSの前と平凸レンズL1 の後ろとにふ
りわけた構成にしたものである。このような構成にした
のは、補正フィルターの総厚が、CCDの縮小化に伴い
全体の合成焦点距離に比べて厚くなることによってレン
ズと分割したフィルターF1 が厚くなるのを防ぐための
対策例である。つまりフィルターF1 が厚くなるのに伴
い明るさ絞りと第1群負レンズとの間隔が広がり、第1
レンズの外径が大きくなるのを防ぐためである。前記の
ように3分割することにより、絞りSの前に配置するフ
ィルターF1 の厚みをあまり増大させることなしに平凸
レンズL1 の後にフィルターF2 を設けることで対応し
たものである。これにより、内視鏡先端硬質部長を殆ど
変えず、先端外径を小さくする効果が得られる。フィル
ターF2 は第3群の後に配置しても良い。
【0021】また、色温度補正フィルターレンズLを分
割するタイプでは、特に同一のフィルターを用いる必要
はなく、異なるフィルターを組合わせて使用しても良
い。さらに、フィルターあるいは平凸レンズ面にYAG
光(波長1.06μm)を反射するYAGカット干渉膜
コートを設けることも可能である。
【0022】その他、色温度補正吸収フィルターとほぼ
同等の作用を持つ、赤外カット干渉膜を組合せて用いる
ことにより、吸収フィルターを薄くしていくことも可能
である。
【0023】
【発明の効果】本発明の内視鏡対物レンズは、絞り直後
のレンズを赤外線カットフルターにて構成して色調むら
を押えるようにし、又レンズ系全体の部品点数の削減に
よるコストの低減やレンズ部組の組立作業を容易にし、
又全長を短くすることによって内視鏡先端部の硬質部を
短くし挿入性もよい、電子内視鏡用として好適なレンズ
系である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1の断面図
【図2】 本発明の実施例2の断面図
【図3】 本発明の実施例3の断面図
【図4】 本発明の実施例4の断面図
【図5】 本発明の実施例1の収差曲線図
【図6】 本発明の実施例2の収差曲線図
【図7】 本発明の実施例3の収差曲線図
【図8】 本発明の実施例4の収差曲線図
【図9】 従来の電子内視鏡用対物レンズの断面図
【図10】 従来の他の電子内視鏡用対物レンズの断面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 9/00 - 17/08 G20B 21/02 - 21/04 G02B 25/00 - 25/04 G02B 23/24 - 23/26

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 物体側から順に、負の屈折力の第1群
    と、明るさ絞りと、絞り直後に配置した像面側の面が凸
    面の正の屈折力の第2群と、正の屈折力を持った第3群
    とよりなり、前記第1群と前記明るさ絞りとの間に色温
    度補正吸収フィルターの平行平板が配置され、且つ前記
    第2群が色温度補正吸収フィルターの1枚のレンズで
    成され、下記条件(1)乃至(3)を満足することを特
    徴とする内視鏡用対物レンズ。(1)0.85≦|R|/D≦1.15 (2) 2<f 2 /f<10 (3) 0.5<|f 1 /f|<2.0 ただし、Rは前記第2群の像面側の凸面の曲率半径、D
    は前記第2群の中心肉厚、fは全系の焦点距離、f 2
    前記第2群の焦点距離、f 1 は前記第1群の焦点距離で
    ある。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106154500A (zh) * 2016-08-30 2016-11-23 广东弘景光电科技股份有限公司 低成本大广角高清光学系统及其应用的镜头

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