JP3327632B2 - 5%Cr系溶接材料 - Google Patents

5%Cr系溶接材料

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、火力発電や原子力発電
などの高温に供される部品等の溶接に適用される5%C
r系溶接材料に関する。
【0002】
【従来の技術】火力発電や原子力発電に用いられる圧力
溶器や配管には、低合金鋼製や9〜12Cr鋼製の高温
高強度材が用いられている。これらの材料の使い分け
は、用いられる部品の使用条件(温度、作用応力)と材
料の持つ許容応力によって決定される。
【0003】このようにして決められた各部品(圧力容
器や配管)は溶接を用いてつなぐが、このとき低合金鋼
(例えば2.25%CrMo鋼)と9〜10Cr鋼(例
えば9Cr−1.5Mo鋼)のような異材の継手が必要
となる。
【0004】従来の上記異材継手部分の溶接材料として
は、一般には高温強度の優れた9Cr系の溶接材料を用
いていたが、この場合、低合金鋼と溶接材料との間の熱
膨張係数の差が大きく、熱膨張係数の差による応力の発
生により、構成材料が損傷を受けることがあった。
【0005】一方、熱膨張係数が低合金鋼と9〜10C
r鋼との中間である5%Cr鋼の場合には、その高温強
度は低く、高温で使用する継手用の溶接材料としては不
十分であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の溶接材料におい
ては、前記のように熱膨張係数の差による応力が発生し
て構成材料が損傷を受けたり、あるいは高温強度が低く
使用に耐えられない等の課題があった。
【0007】本発明は、上記課題を解決するため、熱膨
張係数が低合金鋼と9〜10Cr鋼との中間であり、し
かも高温強度の優れた溶接継手を得ることができる新し
い溶接材料を実現することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明の5%Cr系溶接材料は、重量比で炭素:
0.05〜0.15%、シリコン:1%以下、マンガ
ン:1%以下、ニッケル:0.5%以下、クロム:4.
5〜5.5%、モリブデン:0.3〜1.5%、バナジ
ウム:0.1〜0.3%、タンタル:0.15〜0.4
%、窒素:0.01〜0.06%、不可避的不純物、及
び鉄からなることを特徴としている。
【0009】(2)本発明の5%Cr系溶接材料は、重
量比で炭素:0.05〜0.15%、シリコン:1%以
下、マンガン:1%以下、ニッケル:0.5%以下、ク
ロム:4.5〜5.5%、モリブデン:0.3〜1.5
%、バナジウム:0.1〜0.3%、タンタル:0.1
5〜0.4%、窒素:0.01〜0.06%、ボロン:
0.002〜0.007%、不可避的不純物、及び鉄か
らなることを特徴としている。
【0010】
【作用】本発明者らは、5%Cr鋼を基本として成分を
厳選することによる高温強度の優れた新しい溶接材料を
発明した。
【0011】上記発明(1)においては、上記のように
成分を限定しているが、その成分限定理由について以下
に説明する。炭素Cは、炭化物となって高温強度を改善
する。しかし、多量に添加すると溶接性を阻害し、ま
た、高温強度も低下させる。0.05%未満ではその効
果はなく、また、0.15%を越える量を添加すると溶
接性が極端に劣るようになるため、0.05〜0.15
%とした。
【0012】シリコンSiは、脱酸材として有用な元素
である。また、湯流れを良くするので溶接材料において
は不可欠な元素といえる。しかし、多量に加えると靭性
の低下や脆化を助長するため1%以下とした。
【0013】マンガンMnも脱酸材として有用な元素で
ある。しかし、多量に加えると溶接部が脆化する。そこ
で、1%以下とした。ニッケルNiは、靭性向上に強い
効果がある。しかし、その添加量が増すと高温強度、特
にクリープ破断強度の低下をもたらすため、0.5%以
下とする。
【0014】クロムCrは、本発明材の特徴的な元素で
ある。熱膨張係数の関係から低合金鋼の1〜2.5Cr
と高Cr鋼である9〜10Crとの中間になるような成
分に限定される。そこで、特性が明かになっており、熱
膨張係数が低合金鋼の1〜2.5Crと高Cr鋼である
9〜10Crとの中間の4.5〜5.5%に限定する。
【0015】モリブデンMoは炭化物を形成し、高温の
クリープ破断強さを向上させることに効果がある。0.
3%未満ではその効果はなく、1.5%を越える量を添
加すると溶接性を悪化させ、しかも、高温の環境下で使
用する際に脆化をもたらすため、0.3〜1.5%とす
る。
【0016】バナジウムVも炭化物を形成しクリープ破
断強度の向上に強く寄与するが、0.1%未満では十分
な効果は得られず、また、0.3%を越えると溶接性と
靭性を低下させるため、0.1〜0.3%とする。
【0017】タンタルTaは、組織を微細化して靭性を
向上させることにより溶接性を向上させるとともに、炭
化物を形成することにより、クリープ破断強度の向上に
強く寄与する。0.15%未満ではその効果はなく、ま
た、0.4%を越える量を添加すると組織が微細になり
過ぎるために十分な高温強度が得られない。そこで、
0.15〜0.4%とする。
【0018】窒素Nは、Cと同様に溶質元素とともに窒
化物を形成し、高温強度の改善に効果がある。特に溶接
材料の場合には、クロム含有量が多い場合、溶接性を確
保する観点からCの添加量が制限されるため、その添加
量が低く抑えられる分をNで補うことになる。0.01
%未満ではその効果は少なく、また、0.06%を越え
る量の添加は溶接性を悪化させる。そこで、0.01〜
0.06%に限定する。
【0019】上記により、高温強度が従来の5%Cr系
の溶接材料に比べて遙かに優れており、また、熱膨張係
数が低合金鋼と9〜10Cr鋼との中間になるため、こ
れらの材料による異材継手を製造した場合でも熱膨張係
数の差による熱応力が小さく、安定した異材継手を得る
ことが可能となる。
【0020】上記発明(2)においては、上記発明
(1)における成分にボロンBを加え、Bが粒界に析出
することによる靭性の向上や高温強度の改善を更に図っ
ている。このBの添加については、0.002%未満で
は、粒界への析出が十分でないためその効果が得られ
ず、また、0.007%を越える量を添加すると、余分
なBによって溶接材料が脆化する。したがって、Bの量
は、0.002〜0.007%に限定する。
【0021】
【実施例】本発明の第1実施例を以下に説明する。本実
施例の5%Cr系溶接材料においては、重量比で0.0
5〜0.15%の炭素C、1%以下のシリコンSi、1
%以下のマンガンMn、0.5%以下のニッケルNi、
4.5〜5.5%のクロムCr、0.3〜1.5%のモ
リブデンMo、0.1〜0.3%のバナジウムV、0.
15〜0.4%のタンタルTa、0.01〜0.06%
の窒素N、不可避的不純物、及び鉄からなる成分により
形成されている。
【0022】また、本発明の第2実施例の5%Cr系溶
接材料においては、上記第1実施例における成分に0.
002〜0.007%のボロンBが添加されて形成され
ている。
【0023】上記第1、及び第2実施例については、そ
の性能を確認するために試験を行っており、その内容と
結果について以下に説明する。上記試験においては、ま
ず、50Kg真空溶解炉を用いて下記の表1に示す成分
の材料をそれぞれ溶解し、鍛造を施した後、5mm角程度
の線材として、溶接材料である試験材を形成した。
【0024】
【表1】
【0025】これらの試験材については、その開先形状
を図1(a)に示すように加工した被溶接体(母材)
1、2に対して、下記の表2に示す条件にて溶接を行な
った。溶接後は、660℃で5時間焼きもどし処理を行
い、図1(b)に示すように試験片を採取した。
【0026】
【表2】
【0027】上記それぞれの試験片については、常温引
張試験、衝撃試験、クリープ破断試験、及び熱膨張係数
の測定を行っており、この結果を母材の特性とともに、
表3、表4、及び表5に示している。
【0028】
【表3】
【0029】上記表3に示された常温引張試験の結果か
ら、本実施例は、母材と遜色ない特性を示すことがわか
る。また、衝撃特性は、比較材に比べて良好な値を示し
ていることがわかる。
【0030】
【表4】
【0031】上記表4に示されたクリープ破断試験の結
果から、本実施例は、比較材に比べて遙かに優れたクリ
ープ破断強さを示すことがわる。なお、比較材の中に
は、本実施例並みのクリープ破断強さを示すものもある
(試験材9と10)が、この材料の場合は次に示す熱膨
張係数が小さく、低合金鋼との熱膨張係数の差が大き
い。
【0032】
【表5】
【0033】上記表5に示された熱膨張係数の測定結果
においては、本実施例の場合は、低合金鋼と9〜10C
r鋼との中間の熱膨張係数を示しており、低合金鋼と9
〜10Cr鋼の異材継手の溶接材料として有用であるこ
とがわかる。
【0034】
【発明の効果】本発明の5%Cr系溶接材料は、それぞ
れ適量のC、Si、Mn、Ni、Cr、Mo、V、T
a、N及びFeにより形成され、更にこれらにBが加え
られて形成されたことによって、高温強度が従来の5%
Cr系の溶接材料に比べて遙かに優れており、また、熱
膨張係数が低合金鋼と9〜10Cr鋼との中間にあるた
め、これらの材料により異材継手を製造した場合でも熱
膨張係数の差による熱応力が小さく、安定した異材継手
を得ることが可能となる。このことは、今後、熱効率の
向上を目的として火力発電プラントの蒸気温度が上昇し
ていく上から、低合金鋼と9〜10Cr鋼の異材継手が
多用されることに対して、有用な溶接材料を提供できる
ことを意味する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1、第2実施例の溶接材料に係る試
験片製作についての説明図で、(a)は溶接前の開先形
状の説明図、(b)は溶接施工後の形状及び試験片の採
取位置の説明図である。
【符号の説明】
1,2 被溶接体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高野 勇作 長崎市深堀町5丁目717番1号 三菱重 工業株式会社長崎研究所内 (56)参考文献 特開 昭60−231591(JP,A) 特開 平4−266494(JP,A) 特開 平3−258490(JP,A) 特開 平3−174998(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 35/30

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量比で炭素:0.05〜0.15%、
    シリコン:1%以下、マンガン:1%以下、ニッケル:
    0.5%以下、クロム:4.5〜5.5%、モリブデ
    ン:0.3〜1.5%、バナジウム:0.1〜0.3
    %、タンタル:0.15〜0.4%、窒素:0.01〜
    0.06%、不可避的不純物、及び鉄からなることを特
    徴とする溶接材料。
  2. 【請求項2】 重量比で炭素:0.05〜0.15%、
    シリコン:1%以下、マンガン:1%以下、ニッケル:
    0.5%以下、クロム:4.5〜5.5%、モリブデ
    ン:0.3〜1.5%、バナジウム:0.1〜0.3
    %、タンタル:0.15〜0.4%、窒素:0.01〜
    0.06%、ボロン:0.002〜0.007%、不可
    避的不純物、及び鉄からなることを特徴とする溶接材
    料。
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