JP3327548B2 - 高臨界電流を有する高温超伝導体の成形体の製法 - Google Patents

高臨界電流を有する高温超伝導体の成形体の製法

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 超伝導性物質の最も顕著な特性は、臨界温度以上で電
気抵抗がなくなることである。この臨界温度(Tc)は、
物質固有の特性である。
特定物質の超伝導能力に対する研究は1911年に始ま
り、水銀は、約40KのTcで超伝導であることが発見され
た。それ以来、超伝導物質に対して多くの適用法が考え
られているが、利用可能な超伝導物質はTcが極端に低い
ため、商業化することはできなかった。
より高い温度(より経済的で実用的な液体窒素のクー
ラントの温度)で超伝導を示す組成物を求めて、多くの
物質が調べられてきたが、約1986年頃までは、臨界温度
Tcが約23.2KであるNb3Geが最も高い超伝導体であるとさ
れていた。1987年までは、Nb3Ge超伝導体を用いた超伝
導装置でさえも、冷媒−クーラントとして液体ヘリウム
を使用せねばならなかった。
1986年の後半になって、ベドノルツとムーラーは、La
−Ba−Cu−Oのある混合相組成物が約30Kの開始温度(o
nset temperature)Tcoで超伝導性を示すことを見出し
た[Bednorz et al.,Z.Phys B.,Condensed Matter,Vol.
64,pp.189−198(1986)]。La−Ba−Cu−Oの混合相系
の研究によって、超伝導性を付与する結晶相は、K2NiF4
(214)と同様な結晶構造であることがわかった。それ
以来、214系の希土類金属成分又はアルカリ土類金属成
分はどのようなものであれ、214系結晶構造の超伝導体
の超伝導開始温度Tcoの上限は、約38Kよりも高くならな
いことが判った。214型物質の場合も、クーラントとし
て液体ヘリウムが必要であった。
214結晶構造の希土類−アルカリ土類−酸化銅系にお
ける超伝導性質の発見後、液体窒素の沸点である77K以
上の温度で超伝導性を示す新種の希土類−アルカリ土類
−酸化銅が発見された。これらの新しい希土類−アルカ
リ土類−酸化銅は、式L1M2Cu3O7で表わされ、Lは希土
類金属、Mはアルカリ土類金属である。L1M2Cu3O7組成
物は、希土類金属、アルカリ土類金属及び銅の原子の化
学量論比が1:2:3であるところから、“123"高温超伝導
体と一般的に称される。123高温超伝導体の発見に引き
続いて、化学式T2M'2CanCun1O62nで表わされる他の
形態の高温超伝導体が発見された。なお、Tはビスマス
でM'はストロンチウム、又はTはタリウムでM'はバリウ
ムであり、nは1、2又は3である。「高温超伝導(HT
S)」の組成物は両方とも、セラミック物質である。
123高温超伝導コンパウンドは、ペロブスカイト(per
ovskite)と同様な結晶構造を有している。この123コン
パウンドの単位セル(unit cell)は、結晶学的C軸に
沿って3個のサブセル(sub−cells)からなり、中央の
サブセル中心は希土類金属原子が位置し、各端部のサブ
セルの中心はアルカリ土類金属原子が位置し、各サブセ
ルの角部は銅原子が位置している。X線と中性子の粉末
回折の研究により、熱伝導性123コンパウンドの構造は
酸素が欠乏していること、そしてかかるコンパウンドに
おいては底面(basal planes)における酸素の配列が、
超伝導特性の存在にとって重要であることがわかってい
る[C.Poole et al,Copper Oxide Superconductors(Jo
hn Wiley & Sons 1988)参照]。
123コンパウンドの単位セルの式は、L1M2Cu3O6+d(但
し、d=0.1〜1.0、望ましくは約1.0)で表わされる。
希土類金属成分Lは、イットリウム、ランタン、ネオジ
ム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、ジスプ
ロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテ
ルビウム、ルテチウム、その混合物であり、混合物には
スカンジウム、セリウム、プラセオジム、テルビウムと
の混合物が含まれる。アルカリ土類成分Mは、バリウ
ム、ストロンチウム又はその混合物である。研究によれ
ば、dが約0.1〜約0.6のとき、得られた123コンパウン
ドは正方晶系単位セルの結晶学的対称の形をとり、非超
伝導性である。正方晶系単位セル対称では、C軸の格子
寸法は約11.94オングストロームであり、A軸及びB軸
の格子寸法は約3.9オングストロームである。dが約0.7
〜1.0のとき、得られた123コンパウンドは斜方晶系単位
セルの結晶学的対称であり、超伝導性である。単位セル
中の酸素原子の向きによって、単位セルは、A結晶軸に
沿って僅かに圧縮させられるから、A軸の格子寸法は、
B軸の寸法よりも短い。斜方晶系対称の格子定数は、お
よそ、A=3.82、B=3.89、C=11.55である。
これまで、クーラントとして液体ヘリウムを使用せね
ばならなかったため、超伝導現象を商業的規模で利用す
ることは困難であったが、新しい「高温超伝導」(HT
S)コンパウンド(HTSコンパウンドは、冷媒として液体
N2を使用することのできる温度よりも高いTcで超伝導性
を示す物質である)の発見によって、以前に考えられて
いた超伝導現象の利用法が経済的に可能となった。それ
らは77Kよりも高い温度で超伝導であるから、この新規
な高温超伝導体は、実際の用途において、より経済的な
冷媒である液体窒素を用いて冷却することができる。HT
Sコンパウンドである123組成物と、ビスマス又はタリウ
ム含有組成物の両組成物は、超伝導体の商業的適用を簡
単なものとし、その信頼性を高める。最近の研究では、
HTSコンパウンドは、4Kにおいてこれまでの物質よりも
性能がすぐれていることを示している。
それでも、適用例によっては、セラミックのHTSコン
パウンドを経済的及び技術的に実用化できないものがあ
った。その理由は、(1)高電流負荷(Jc(O))を運
ぶことができない、(2)強い磁界(Jc(H))中で高
電流負荷を運ぶことができない、(3)強い磁界(B1
を取り込む(entrap)ことができない、ことによるもの
である。その結果、HTSコンパウンドを、種々の実用的
用途、例えば磁石、磁気セパレータ、送電線、捕捉され
た界磁石、レビテーションベアリング、磁気浮上式列車
(meglav)等の超伝導体として使用することに対して、
商業的及び技術的な障害があった。
例えば、磁気セパレータの場合、超伝導体物質の物体
(body)は、実用上は、0〜10Tの磁界中での臨界電流
密度(Jc)は約103〜105amps/cm2であらねばならない。
別の磁石に実用化する場合にも、セラミックHTSコンパ
ウンドの本体は、その結晶構造内部に高磁界をエントラ
ップすることができなければならない。HTSコンパウン
ドが流す(キャリーする)ことのできる臨界電流(Jc
は、物体を構成する多結晶HTSコンパウンドの粒状配列
と均質性とによる影響と、またHTS物質内の格子欠陥が
磁束線をピン止め(pin)することのできる分布と力と
による影響を強く受ける。そこで、セラミックの高温超
伝導体のJcを改善するために、HTS組成物を所定の形状
体に加工することにより、粒状セラミックの性質である
「弱い結合(weak links)」の数と内容を減らす方法が
とられている。その他に、フラックスの強ピンニング中
心(pinning centers)を、物体を構成するHTS組成物に
均質に導入する技術が研究されている。
HTSコンパウンド、特に123HTSコンパウンドの物体の
磁界をエントラップするためのJcと能力は、「弱い結
合」を物体のHTS物質に導入する幾つかのファクターに
よって著しい影響を受ける。「弱い結合」は、(1)粒
界;(2)微細クラック;(3)不純物、つまり非伝導
相(L2BaCuO5、BaCuO2、CuO等)の物体の重量%成分;
(4)物体の多孔率(つまり、物体の密度);(5)化
学的非均質性;及び(6)電気的異方性、の形態で存在
する。
「弱い結合」とは、HTS物体の一部から隣接するHTS物
体への電気の伝達を妨げる全ての非超伝導欠陥である。
123HTSコンパウンドは、123コンパウンドの個々の単位
セルから構成される「粒子(grains)」の中で結晶化す
る。該コンパウンドは、粒子中の123コンパウンドの互
いの単位セルについては完全な整列状態にあり、各123
単位セルの全ての“AB"面は、その粒子を構成する互い
の123単位セルと完全な平行整列状態にある。123の異な
る「粒子」の“AB"面は、完全な平行整列状態ではな
い。123の隣接する粒子のAB面間における整列不良の程
度は、非常に僅かなものであるかもしれないし、或は非
常に大きいかもしれない。高角度の結晶粒界(つまり、
隣接する粒子間の粒界“AB"面の整列不良の程度が大き
いもの)は、「弱い結合」(1)である。
123の一粒子の“AB"面から他の粒子の“AB"面にまで
非超伝導組成物を介在させることは、「弱い結合」の他
の形態である。しかし、外部から印加される磁界がない
から、ジョセフソン効果(又はトンネル効果)によっ
て、隣接する123粒子の非超伝導組成物に超伝導がもた
らされる。しかし、この介在絶縁体「不純物の弱結合」
は、その寸法により、外部から印加された磁界の程度に
応じて、直ちに電気的に抵抗性となってしまう。
このような「絶縁」による弱結合は、123HTSの隣接粒
子間の物理的スペースを占める「絶縁体の不純物」から
構成されることもあるし、又はかかる粒子間の物理的な
ボイドのときもある。絶縁体組成物がかかるスペースを
占めるとき、「弱い結合」は「二次」又は「不純物」相
(3)と称される。この弱リンクが、物質中のボイドで
あるとき、それは、123HTSコンパウンドのボデー中にボ
イドが生成される原因になった処理環境に応じて、「多
孔性」(4)又は「微細クラック」(2)と称される。
「弱い結合」の他の形態として、粒内で起こるものが
ある。なお、その粒子から構成される123コンパウンド
のAB面は完全に平行に整列されるけれども、そのAB面は
部分によって酸素の添加が完全ではない。つまり、123
粒子からなる個々の単位セルの平行整列した一連のAB面
の内部では、そのように整列された幾つかの単位セル又
は一連の単位セルは、酸素含有量が約6.7よりも少ない
セルの式から構成される。従って、この単位セルは非超
伝導の正方晶系結晶の対称からなる。この「弱い結合」
は、「酸素の局部的又は全体的な欠乏」型(5)と称さ
れる。
123粒子の電流を流すことのできる能力は方向によっ
て異なるが、弱結合の最後の形態は、その能力の程度と
関連性がある。例えば、AB面と直交する向きよりも、AB
面に沿う向きの方が容易である。AB面の配列不良がある
と、それがどんなに小さなものであっても、123HTS物体
の内部をC軸に沿って電流は部分的に流れ、これはJc
制限するための弱結合として作用する。
上記の弱結合ファクターは、物体が電気抵抗を呈する
前に、123HTS物体の一方の端部から、123HTS物体の他方
の端部まで流すことのできる電流(I)の量を減じるこ
とができる。最も重要な弱結合源の1つは、結晶粒界に
おける高角度の整列不良である。
弱結合の形態のうち、例えば孔の存在及び/又は微細
クラックの存在による密度不足によるもの、不純物によ
るもの、123HTSコンパウンドからなる物体の結晶粒界の
高角度整列不良によるもの、結晶粒界の酸素欠乏による
ものは、いづれも、それが「臨界」電流量即ち該物体の
臨界電流密度(Jc)を流すときの電気抵抗となる前に、
123HTS組成物の物体が流すことの出来る電流量を低下さ
せる。123HTSコンパウンドを、固体反応(solid−state
reaction)法、共沈法、ゾル−ゲル法の何れの方法に
よって作る場合も、該コンパウンドはTc≧77Kという固
有の性質を有する。しかし、123HTSコンパウンドの物体
のJcは、123HTSコンパウンドの物体を作るのに使用され
る方法に大きく依存する。従って、123HTSの物品を作製
する方法は、123HTS物体が実用に供される形態、例えば
ワイヤ、リボン、フィルム、ロッド又はプレートのうち
どの形態に作られるかにより、その物体のJcに応じて決
められる。
123HTSコンパウンドの発見によって、より経済的なク
ーラントである液体窒素を使用できるまでは、超伝導性
の実用可能性の多くは達成できなかったが、それまでに
知られていた超伝導物質の場合、クーラントとして高価
な液体ヘリウムを使用せねばならなかったためである。
HTSコンパウンドの出現により、超伝導の実用化を阻害
する要因のうち、冷媒コストに関する問題は解消された
としても、HTSコンパウンドの物体を実用化するには、J
c又はその特定用途の実用化に必要な大量の全電流
(I)を運ぶ能力を有する形状体のHTSコンパウンドの
製造が困難という問題がある。多くの用途の場合、物体
は大量の全電流(I)は運ばねばならない。ボデーの全
電流運搬能力は、その横断面積と、ボデーを構成するHT
SのJcによって支配される。つまり、I=Jc(A/cm2)・
横断面積(cm2)である。
大電流を必要とする用途の場合、高温超伝導体(HTS'
s)を使用する上で最も重大な障害は、バルク形状体に
おけるこれらHTS'sの全電流運搬能力に制限があること
である。物体を構成するHTSコンパウンドのJcの制限
は、HTS物質の僅かなコヒーレント長に関連づけられた
小さなピン止めポテンシャルと一致しているものと思わ
れる[Y.Yeshurun et al.,Phys.Rev.Lett.,60 2202−22
05(1988)参照]。しかしながら、実験結果によれば、
123HTSコンパウンドを適当に処理したとき、5x106A/cm2
以下のJcがOT及び77Kにおける123HTS膜中に存在し、5x1
05A/cm2のJcが0.9T及び77Kにおける粒内中に存在するこ
とを示している[R.K.Singh,et al.,Appl.Phys.Lett.,5
4 2271−2273(1989)、及びR.B.Van Dover,et al.,Nat
ure,342 55−57(1989)参照]。
弱い結合に関連する幾つかの問題を解消するために、
123HTSコンパウンドからなる物体の成形にメルトテキス
チャリング技術を用いてJcを高める方法が研究されてい
る[T.Aselage,et al.,J.Mat.Res.,Vol.3,pp.279−291
(1988)、及びM.Murakami,et al.,Jap.J.Appl.Phys.,V
ol.28,pp.L399−L401(1989)参照]。Y1Ba2Cu3O
6+dは、単一の液相領域から約900℃まで冷却すると、
(Y2O3+液体)→(Y2BaCuO5+液体)→(Y1Ba2Cu3O6+d
+BaCuO2及びCuOの液体)に変化することが知られてい
る。約1050℃の近傍では、Y2BaCuO5+液体(3BaCuO2+2
CuO)→2Y1Ba2Cu3O6.5の関係に基づいて、Y1Ba2Cu3O6+d
が包晶凝固によって形成される。L1Ba2Cu3O6+dコンパウ
ンドの包晶温度はその構成成分の包晶温度である。つま
り、L2Ba1Cu1O5(固相)+3BaCuO2と2CuOからなる液相
は、反応して、L1Ba2Cu3O6+dを形成する。L1Ba2Cu3O6+d
(但し、LがYである)のコンパウンドの場合、包晶温
度範囲は約1020〜1050℃であることが報告されており、
包晶凝固により、1020±20℃でY1Ba2Cu3O6+dの生成を開
始し、組成物が約950℃±30℃に冷却されるまで継続す
る[例えば、Terry Aselage and Keith Keefer J.Mate
r.Res.,3(16)Nov/Dec 1988,pp.1279−1291を参照]。
固相線温度よりも高温に加熱すると、粒界に析出する
不純物相を分解する働きがあること、123コンパウンド
の結晶粒は溶解状態でより容易に成長することは知られ
ている。これまでのところ、大きなJcの123HTSコンパウ
ンド物体を作るためのメルトテキスチャリング法として
報告されているものは全て、Y1Ba2Cu3O6+dコンパウンド
からなる物体を、該コンパウンドの固相線温度(溶融点
より上でもある)以上に急速加熱した後、次にコンパウ
ンドの包晶温度範囲を徐冷するものである。これは、指
定された温度スケジュール、つまり温度(T)の変化に
対する時間(t)の速度の割合、即ち、(dT/dt)によ
って達成されてきた。物体中に得られる123コンパウン
ドの粒子構造は、温度スケジュールの影響が大きいこと
が示されている。例えば、針状と板状の粒状物は、Y1Ba
2Cu3O6+dの物体に得られる[S.Jin et al.,Phys.Rev.
B.,37,7850−7853(1988)及びP.J.McGinn et al.,Phys
ica C,156,57−61(1988)参照]。
Y1Ba2Cu3O6+dの物体を作るためのメルトテキスチャリ
ングによる成長プロセスにおいて、物体全体の全ての部
分は、最初に、コンパウンドの包晶温度以上の温度に同
時に昇温し、123コンパウンドを、不調和(incongruent
ly)に溶融させY2BaCuO5と液相にする。その後、物体を
制御された速度(dT/dt)で固相線温度以下の温度まで
冷却し、Y2BaCuO5と液相を反応させ、123コンパウンド
を結晶化させて再び成形する。メルトテキスチャーによ
る成長プロセスにおいて、123コンパウンドの物体全体
を、固相線温度又は包晶線温度よりも高い温度まで加熱
する。その後、物体を制御された速度で固相線温度より
も低い温度まで冷却するとき、物体全体に温度勾配を与
えて、123粒子の方向性凝固を促進することが報告され
ている[Jin et al.in Appl.Phys.Lett.,Vol.52,pp.207
4−2076(1988)、Vol.54,pp.584−586(1989)及びMur
akami et al.in Jpn.J.Appl.Phys.,Vol.28,pp.L1125−1
127(1989)参照]。
「メルトテキスチャーによる成長」プロセスを利用す
ることによって、幾つかのグループが高いJcを有する12
3コンパウンド物体を作っている。メルトテキスチャー
による成長法により作られた123物体について、今まで
報告されている最も高いJcは、1.7x104A/cm2である[Ji
n et al.,Phys.Rev.B.,Vol.37,pp.7850−7853(1988)
及びAppl.Phys.Lett.,Vol.42,pp.2074−2076(1988)Sa
lama et al.参照]。後者のSalama et al.は、液相処理
法を用いて、約7.5x104A/cm2のJcを得ている。両方と
も、長時間の酸素アニーリング後、OT及び77KでのYBa2C
u3O7-d(Y123)のバルク物体におけるものである。物体
処理の各方法において、高いJcが得られるのは、物体を
構成するY1Ba2Cu3O6+dコンパウンド中の粒子配列の改
善、相の高純度化及び濃密化によるものと考えられてい
る。
HTSコンパウンド物体のJcを高める第2の方法とし
て、焼結による多結晶HTS及び単結晶HTSからなる物体
に、高速中性子を照射することにより、超伝導特性に及
ぼす影響が調べられている。Y1Ba2Cu3O7からなる焼結多
結晶体に高速中性子を照射すると、被照射物体の遷移開
始温度は低下し、Jcが上昇することが報告されている
[A.Wisniewski,et al.,Solid State Communications,V
ol.65(1988)577−580;H.Fupfer et al.,Z.Phys.B,69
(1987)167−171;Cost et al.,Phys.Rev B,37(1988)
1563−1568参照]。
高速中性子をY1Ba2Cu3O7の単結晶に照射すると、Tcに
著しい悪影響を及ぼすことなくJcを上昇させられること
が報告されている[Umegawa et al.,Phys.Rev.B,36(19
87)7151−7154参照]。名目上同一の高速の中性子を照
射したとき、臨界電流はその増加が緩和されて低下に至
ることが報告されているけれども、Y1Ba2Cu3O7の如きHT
Sをメルトテキスチャーによる成長によって形成した物
体の77KでのJcは、高速中性子の照射によって増加する
ことが示唆されている[Van Dover et al.,Nature,Vol.
342(1989)55−57参照]。
その他にも、HTS物体の中性子照射の研究が行なわれ
ている。例えば、Y1Ba2Cu3O7の多結晶焼結体への熱中性
子照射によって、その90Kの超伝導特性が損なわれるこ
と、そのような90Kの超伝導特性は、760KでO2を流しな
がら該焼結体を照射アニーリングを行なうことにより回
復することが報告されている[Hastings et al.,J.Am.C
eram.Soc.,71(1988)C505−506参照]。また、ウラン
がドープされたYBa2Cu3O7の多結晶焼結体に熱中性子を
照射することにより、物体のJcは高められることが報告
されている[Fleicher et al.,Phys.Rev.B,40(1989)2
163−2169参照]。
HTS物体のJcを増加させるために、HTS物体に高エネル
ギーのプロトンを照射する研究も行なわれている[Van
Dover et al.,Information from High Tc Update,Vol.
4,No.4,p,2,Feb.15,1990参照]。しかし、プロトンの透
過深さは小さいため、薄膜にしか適用できない。
HTS組成物からなる物体のJcの増加を、高速中性子の
照射によって達成しようとしても、高速中性子の源(so
urce)は高価であること、物体の放射能レベルが高くな
ること等、多くの点において不都合がある。また、HTS
組成物にウランのドーピングを施した物体に、Jcを高め
るために熱中性子を照射すると、その様な技術によって
その様な物体は長寿命の放射能を帯びるから、好ましく
ない。
HTS組成物から構成されるバルク体、特にメルトテキ
スチャライジングによって作られた物体のJcの増加を、
放射能を望ましくないレベルまで高めることなく、強フ
ラックスのピンニング中心(strong flux pinning cent
er s)の均一な分布(homogenous distribution)を創
り出すことによって達成できる方法の開発が望まれてい
る。
発明の要旨 超伝導体バルクのJcの増加(enhancement)は、高温T
c超伝導体を適用する上で決定的に重要な問題である。
本発明は、HTS組成物からなるバルク体、特にL1M2Cu3O7
のHTS組成物及びビスマス・タリウムHTS組成物からなる
物体のJcを、6Li又は10Bでドープした超伝導体中におい
て熱中性子誘起核反応(thermal neutron induced nucl
ear reation)によって改善するための新規なプロセス
である。本発明のプロセスの利点は、バルク物質の処理
を簡単かつ均一に行なえること、超伝導体にもたらされ
る放射能寿命が長くないこと、経済的なことである。
熱中性子束は、簡単で比較的安価な粒子源である。熱
中性子の透過深さ(penetration depth)は非常に長い
ため、熱中性子の照射によって、HTS組成物からなるバ
ルク物体の処理を非常に均一に行なうことができる。6L
i(945バーン)及び10B(4010バーン)の熱中性子の断
面積は大きいから、6Li又は10BをドープしたHTS組成物
から構成される物体を均一に照射することは、物体の性
質を変えるのに有効な技術である。熱中性子誘起反応に
より、6Li及び10Bドーパント(dopants)が物体内部で
受ける反応は次の通りである。
6Li+n→3H(2.73MeV)+4He(2.05MeV) 10B+n→7Li*(0.84MeV)+4He(1.47MeV) →7Li(1.01MeV)+4He(1.78MeV) かかる超導電体組成物と、該物質中への6Liと10Bの均
一なドーピングとから構成された物体中の熱中性子は深
く浸透するから、核反応の分布と、反応生成物により引
き起こされるフラックスのピンニング欠陥は、そのよう
に処理された物体を構成するHTS組成物のバルク物質中
に非常に一様に分配される。
この処理が適用されるHTS組成物の物体は、6Li又は10
BがHTS組成物と均質によく混ざった物体である。Li又は
BのドーパントDは、単位セルの外部ドーパント又は内
部ドーパントのどちらかの形態でHTS組成物中に混ざ
る。前者の場合、先駆組成物(precursor compositio
n)は、L、M及びCuの密接混合物(intimate mixtur
e)であり、L:M:Cuの比は1:2:3である。この混合物は所
定量のLi又はB物質を更に含んでいるから、焼結によっ
て、L1M2Cu3O7の単位セル式のHTS組成物が得られる。こ
の場合、組成物のLi又はB成分が分散される位置は、L1
M2Cu3O7単位セルの外部位置、例えば、物体を構成する1
23HTS組成物の異粒子間の粒界である。Li又はBのどち
らかのドーパントDを単位セルの内部に含ませる方法の
場合、L、M、Cu及びDは次の式の金属原子比の割合で
密接に混合される。
(L+M)3-ZDZCu3 但し、zはゼロよりも大きく0.3以下であり、L:Mの原
子比は約0.35〜約0.6である。先駆混合物が焼結又はメ
ルトテキスチャライジングによりHTS組成物に変換され
ると、生成する組成物は次の式で示される。
(L+M)3-ZDZCu3O6+d 但し、dは0.1〜1.0、ドーパント原子Dは123単位セ
ル構造の中に含まれ、L原子サイト又はM原子サイトの
どちらか一方のサイトを占める。Bi又はTlのHTS組成
物、例えば式T2M'2CanCun+1O6+2nで表わされる物体の場
合、ドーパントDは外部又は内部に含まれる。内部に含
まれるとき、先駆物質は比例して混合され、焼結又はメ
ルトテキスチャライジング後、次の式の組成物を生成す
る。
T2M'2Can(Cu1−Z'Z'n+1O6+2n 但し、z'はゼロよりも大きく、0.5以下である。
ドーパントDを内部に含ませる方が、メルトテキスチ
ャライジングによる高品質HTS物体、つまり粒子配列が
大きく、粒子間不純物の弱結合成分の少ないHTS物体の
調製に適しているので、より望ましい。最も望ましいド
ーパントはLiであり、特に、6Liに濃縮(enriched)さ
れるリチウムが望ましい。6Li又は10Bを含有するHTS123
組成物を物体に作るには、所望する6Li又は10Bのレベル
までLi2Co3又はB2O3を添加混合したL2O3、MCO3及びCuO
の密接混合粉末の予備成形体を焼結又はメルトテキスチ
ャライジングすることによって行なわれる。簡単な焼結
法に代えて、メルトテキスチャライジングによる処理を
施すことにより、高度に粒子配列した物体を作ることが
できる。ビスマスとタリウムのHTS物体は同じ要領で調
製することができる。
6Li又は10BをドープしたHTS組成物体を熱中性子で照
射すると、その6Li又は10B成分は誘起核反応を受ける。
核反応による高エネルギー光粒子は放射線損傷及び欠陥
をもたらし、HTS組成物はバルク内にフラックスの強い
ピンニング中心を均一に導入するから、未照射状態の物
体に比べて物体のJcは著しく高められる。最も高いJc
得るためには、6Li又は10Bを内部にドープした物体をメ
ルトテキスチャライジング技術によって調製することが
望ましい。
本発明は、6Li又は10BをドープしたHTSコンパウン
ド、望ましくは123HTSコンパウンドを所定の物体形状に
するもので、熱中性子による照射後の電流密度Jcは、磁
界ゼロ及び温度77K以上のとき、約103〜約105amps/cm2
以上である。
本発明のプロセスを適用できる望ましい123HTS組成物
は、(L+Ba)3-ZLi2Cu3O7で表わされる123HTSコンパ
ウンドの予備成形体を作るために内部がドープされる。
なお、最も望ましいLは、イットリウムである。望まし
いT2M'2CanCun+1O6+2nのHTS組成物は、Tがビスマス、
M'がストロンチウム、HTS物体は内部がLiでドープさ
れ、Bi2Sr2Can(Cu1−Z'LiZ'n+1O6+2nがもたらされ
る。望ましいドーパントはリチウムの一種であり、最も
望ましくは、6Liアイソトープの中に濃縮されるリチウ
ムである。
図面の簡単な説明 図1は、熱中性子によって異なる流束量(fluence)
のレベルに照射したとき、Bi2Sr1.8Ca1Cu1.2Li0.8O8
らなる物体のJc特性とTc特性に及ぼす影響を示すグラフ
である。
図2は、Bi2Sr1.8Ca1Cu1.2Li0.8O8からなる物体の磁
気ヒステリシスループを示しており、一方は照射しなか
った物体、他方は熱中性子(η)を流束量1017η/cm2
で照射した物体である。
図3は、熱中性子によって異なる流束レベルに照射し
たとき、Y0.93Ba1.92Li0.15Cu3O7からなる物体の臨界
電流密度(Jc)に及ぼす影響を示すグラフである。
図4は、Y0.93Ba1.92Li0.15Cu3O7からなる物体の磁
気ヒステリシスループを示しており、一方は照射しなか
った物体、他方は熱中性子を流束量1018η/cm2まで照射
した物体である。
望ましい実施例の詳細な説明 物体のHTSコンパウンドを作る先駆組成物を調製する
には、固体反応法、共沈法、ゾル−ゼル法が一般的に採
用されており、それら方法のうち、どの方法を用いても
よい。これらの方法については、Proceeding on the Sy
mposium on High Temperature Superconducting Materi
als,University of North Carolina,Chapel Hill,N.C.,
W.E.Hatfield and J.H.Miller,Jr.(Eds.),M.Dekker,N
ew York(1988)に記載されている。
簡単である点からいえば、固体反応法が望ましい。高
温超伝導先駆組成物を作るには、所望するHTSコンパウ
ンドの金属原子比が得られるように所望金属成分の酸素
リッチコンパウンド、例えば酸化物、硝酸塩、炭酸塩が
密に混合される。
作ろうとするHTSコンパウンドの式は、ドーパントが
外部に含まれるか、内部に含まれるかによって決まる。
Li又はBのドーパントを外部に含ませるとき、123HTSコ
ンパウンドの場合、L:M:Cuの金属原子比が1:2:3となる
ように、また、ビスマス又はタリウムのHTSコンパウン
ドの場合、T:M':Ca:Cuの金属原子比が2:2:n:n+1とな
るように、所望金属成分の酸素リッチコンパウンドが適
量使用される。Li又はBを含有するドーパントコンパウ
ンドが、所定量添加され、密接に混合され、所定形状に
成形された後、焼結又はメルトテキスチャライジングに
付されて、混合物は式L1M2Cu3O7又はT2M'2CanCun+1O
6+2nのHTSコンパウンドに変換される。Li又はBのドー
パントは、HTSコンパウンドの単位セルの外部で、物体
全体に密接に分布し、ドーパントは主として粒界に位置
する。外部にドーピングする場合、D:Cuの原子比は望ま
しくは0.5以下、より望ましくは0.4以下、最も望ましく
は0.3以下となるように所定量のドーパント(D)を用
いる。6Li又は10Bアイソトープとなる様に同位体を濃縮
させたドーパントを用いるのが最も望ましい。
Li又はBのドーパント(“D")をHTSコンパウンドの
内部に含ませるとき、次の式で示される最終HTSコンパ
ウンドが得られるように、所望のHTS金属の酸素リッチ
コンパウンドとドーパントコンパウンドを、所定量密接
に混合させる。
(L+M)3-ZDZCu3O6+d又は T2M'2Can(Cu1−Z'Z'n+1O6+2n 前者の場合、Lは、イットリウム、ランタン、ネオジ
ム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、ジスプ
ロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテ
ルビウム、ルテチウム、その混合物であり、混合物には
スカンジウム、セリウム、プラセオジム、テルビウムと
の混合物が含まれる。Mは、バリウム、ストロンチウム
又はその混合物である。Dは、リチウム又はボロンであ
る。“z"は、ゼロよりも大きく0.3以下である。“d"
は、約0.7〜約1.0である。L:Mの比は、Lが1を越える
ことなく、Mが2を越えることがないという条件で、約
0.35〜約0.6である。
後者の場合、TはビスマスでM'はストロンチウム、又
はTはタリウムでM'はバリウムである。“n"は1〜3で
ある。Dはリチウム又はボロンである。“z'"はゼロよ
りも大きく、0.5以下である。
密に混合したコンパウンドは所望形状に形成された
後、焼結又はメルトテキスチャライジングに付され、混
合物は内部にドープされたHTSコンパウンドに変換され
る。Li又はBのドーパント原子は、HTSコンパウンドの
単位セル内部に含まれる。123HTSコンパウンドの場合、
ドーパント原子は123HTSコンパウンドの単位セル内部の
L及び/又はMの原子が占めるサイトに位置する。ビス
マス又はタリウムのHTSコンパウンドの場合、ドーパン
ト原子は、HTS組成物の単位セル内部のCu原子が占める
サイトに位置する。
ドーパントは内部に結合させる方が望ましい。このと
き、123HTSコンパウンドの場合、銅に関するドーパント
の量は、6Li:Cuの原子比が、望ましくは約1x10-7〜約2x
10-1、より望ましくは約1x10-6〜約1x10-1、最も望まし
くは約1x10-5〜約5x10-2となるようにする。ドーパント
の量に関し、L:Mの比は、Lが1を越えないこと、Mが
2を越えないという条件の下で、望ましくは約0.35〜約
0.6、より望ましくは約0.45〜約0.55である。最も望ま
しいのは0.5である。リチウムの合計量は、Li:Cuの比が
約1x10-1(つまり、Z≦0.3)の量を越えないようにす
るのが望ましい。6Li:Cuを所望通りローディング(load
ing)するには、6Liアイソトープに濃縮されるリチウム
物質を用いて、リチウムの合計使用量を少なくすること
によって達成できる。同じように、ボロンに関しても、
その合計量はB:Cuの比が7x10-1を越えないようにする。
10Bアイソトープに濃縮されるボロン物質を用いること
により、HTSコンパウンド中にローディングするボロン
の合計量を少なくすることができる。
ビスマス又はタリウムのHTS組成物の内部にドーパン
トを含ませる場合、銅に関するドーパントの量は、10B:
Cu又は6Li:Cuの原子比が、望ましくは約2.5x10-8〜約6x
10-1、より望ましくは約1x10-6〜約1x10-1、最も望まし
くは約1x10-4〜約1x10-3となるようにする。銅に関する
ドーパントの合計添加量は約1.0を越えないようにする
ことが望ましい。
開始物質の123組成物は、固体反応法によって作るこ
とができる。この方法では、L2O3、M(NO3、MCO3
又はM(OH)及びCuOの反応物質グレード(reagent g
rade)の粉末を十分に粉砕し、希土類(L)とアルカリ
土類(M)と銅金属の混合粉末が所定原子比となる重量
比で混合する。焼結を行なう前に、Li又はBのドーパン
トを添加し、粉末物質と密接に混合することができる。
先駆組成物は、L、M及びCuの(硝酸)塩を適当な金属
成分比で共沈させて作ることもできる。必要に応じて、
先駆組成物は、ゾル−ゲル法により作ることもできる。
共沈法又はゾル−ゲル法により作る場合、Li又はBのド
ーパントを添加し、引き続いて密接に混ぜ合わせること
が望ましい。
先駆組成物は、粉末製品、即ちまだ特定形状に密着成
形されていない粉末として作ることが望ましい。この場
合、所望の形態に成形し、成形体を焼結又はメルトテキ
スチャライジングに付す前に、Li又はBがドープされた
粉末状の先駆組成物を添加して密接に混和する必要があ
る。
しかしながら、本発明の方法では、先駆組成物は、L:
M:Cu:D金属が密接に混和された酸化物組成物からなる予
備成形体に用いることもできる。先駆組成物は焼結又は
メルトテキスチャライジング等の反応により、その構成
成分は123HTSコンパウンドに変換される。
粉末であって、先駆組成物に結合させるのに適したLi
コンパウンドとして、LiOH、LiO2、LiH、Li2CO3、Li2C2
を挙げることができるが、Li2CO3が望ましい。適当なB
コンパウンドとして、B2O3を挙げることができる。
天然状態で(natural abandance)でリチウムのアイ
ソトープが存在するリチウムのコンパウンド即ちリチウ
ム有量の中、6Liが約7.5重量%であり、7Liが約92.5重
量%のものが使用できる。
7Liは熱中性子による核反応を受けないから、高温超
伝導体の中に存在しても無意味である。従って、高温超
伝導体に導入される7Liを最少にするために、6Liアイソ
トープに濃縮されるコンパウンドが望ましい。6Liアイ
ソトープに濃縮されるリチウムのコンパウンドは、反応
性の6Liより多くローディングすることができる。これ
は、反応しない7Li汚染物質の高温超伝導体中への含有
レベルを低下させるだけでなく、高温超伝導体に対して
より短時間で効果的な照射が達成できる。例えば、式Y
0.93Ba1.92Li0.15Cu3O7の天然産Li(7.56重量%の6Li)
のドーパントで調製された組成物に関しては、等量の6L
i成分からなる組成物は、式Y0.9777Ba1.9777Li0.0466C
u3の25重量%6Liまで濃縮されたリチウム物質(rea
gent)、又は式Y0.9879Ba1.9879Li0.0242Cu3O7に対し
て50重量%6Liの濃縮物質、又は式Y0.994Ba1.993Li
0.013Cu3O7に対して100重量%6Liの濃縮物質で作ること
もできる。前記の各式は、同じ量の熱中性子束の照射を
受けたときに生成する到達6Li原子の数は等しい。
有効利用される6Liの最少量は、部分的には、高温超
伝導体が照射を受ける熱中性子の最大流束量の関数であ
る。高温超伝導体に対する熱中性子束の照射量を最少に
するために、また、照射処理の費用が過度にかからない
ようにするために、銅に対する6Liの原子比が約1x10-7
以上となる量の6Liを高温超伝導体に含ませることが望
ましい。ボロンコンパウンドをドーパントとして用いる
ときも同じことがいえる。熱中性子に反応性の10Bアイ
ソトープは、天然状態で焼く19.8重量%、残部が焼く8
0.2重量%の非反応性の11Bアイソトープを含むときであ
る。
ドープされた先駆組成物がどのように作られようと
も、またその先駆組成物がどんな物体に成形されようと
も、そのように予備成形された先駆組成物の物体はLi又
はBで均一にドープされ、次に反応させることにより、
本プロセスを適用する開始物体であるHTSコンパウンド
が成形される。
このようにLi又はBをドープした先駆組成物は、最初
に、基本の単位セル組成物がL1M2Cu3O6+d又はT2M'2CanC
un+1O6+2nになるまで、約900〜960℃の温度で予備焼結
することが望ましい。123HTS先駆コンパウンドの結晶対
称は、基本的には正方晶系、つまりA=B=Cであっ
て、非超伝導性である。焼結処理の後、123HTSコンパウ
ンドの物体は、d=約0.7〜1.0となるように、酸素の存
在下で徐冷する。酸素成分が約L2M2Cu3O6.7乃至約L1M2C
u3O7の場合、かかるコンパウンドはTc≧770Kで超伝導性
である。
全体の処理は、(1)6Li又は10BをドープしたHTS粉
末先駆物質を合成する工程、(2)6Li又は10Bをドープ
した所定形状のHTSコンパウンドの中に、HTS先駆物質を
焼結する工程、(3)望ましくは、Li又はBでドープさ
れて、粒子が高度に整列されたHTSコンパウンド物体中
に、メルトテキスチャーによりコンパウンドを成長させ
る工程、(4)123HTSコンパウンドを斜方晶系の結晶対
称のそれに酸素処理する工程、及び(5)物体に熱中性
子を照射する工程からなる。
中性子によって物体に含まれる放射性反応生成物の含
有量を最少にするために、比較的低い流束量レベルで最
適なJcレベルを得ることのできるドーピングレベルの6L
i又は10Bを用いることが望ましい。従って、Li又はBの
源が何であれ、つまり、それが天然状態のものであって
も、又は6Li又は10Bを濃縮したコンパウンドであって
も、6Li:Cuの比が望ましくは約0.0001以上、より望まし
くは約0.001以上となるレベルまで6Liを加える。10B
は、6Liよりも熱中性子の断面積が大きいから、10Bをド
ーパントとして用いるとき、6Liよりも少ない量で同密
度の誘起欠陥のピンニング中心を活性化することができ
る。従って、10Bをドーパントとして用いるとき、10B:C
uの比が望ましくは約2.5x10-5以上、より望ましくは約
0.001以上となる量を加える。
前述した量の6Li又は10BをHTSコンパウンドと共に含
有させるとき、物体のJcを最適化するのに必要な照射線
量(つまり流束量)は少なくなるから、中性子束がもた
らす放射性アイソトープの量は少なくなる。
核反応によって生成し、寿命が長いという問題のある
唯一の放射性アイソトープはBa133であり、これは天然
状態で0.19重量%が存在するBa132(8.5バーン)の核反
応によって生じる。Ba133の半減期は7.2年である。外部
にドープしたYBa2Cu3O7又は、内部にドープした(YBa)
3-XDXCu3O7のサンプルは、照射後約30日間で減衰し、そ
の後、どんな90Y成分(T1/2=2.7日間)も安全レベル
まで減衰する。サンプルのBa133は、Ba132の中に少量存
在するだけであり、反応断面積が小さいから、安全なレ
ベルである。
物体が照射される程度は、6Li又は10Bのどちらか一方
の反応性ドーパントの含有量に部分的に依存する。Y
0.93Ba1.92Li0.15Cu3O7(天然状態のLi)の高温超伝導
体組成物の場合、物体のJcは、照射によって、約2x10-9
原子の6Liが物質中に存在する各々の銅原子と反応する
ところまで、積極的に増加するすることが観察された。
従って、ドープされた物体は、6Li*:Cuの銅原子に対す
る反応6Li原子(6Li*)の比が、約5x10-8以上、より望
ましくは約5x10-7以上となるように十分な熱中性子束の
照射を受けるべきである。HTS組成物がビスマス又はタ
リウムのとき、サンプルは、銅原子当たり約2x10-9
上、望ましくは銅原子当たり約1x10-6以上の中性子束の
照射を受けるべきである。
用途によっては、高温超伝導体物質から構成され、内
部に他の領域よりもJcの高い領域を有する物体が望まし
い場合がある。この用途では、レビテーションベアリン
グ等の装置に対しては、磁界をトラップするための磁界
プロフィール制御が必要である。本発明のプロセスは、
Jcの低い領域の隣りにJcの高い領域が存在するようなパ
ターンが内部又は外部に描かれる高温超伝導体の成形に
良く適している。これは、高温超伝導体に対して、6Li
又は10Bのドーパントでパターンのあるドーピングを施
し、その後、そのようなパターン物体に前述した如く熱
中性子を照射することにより、容易に成し遂げることが
できる。
実施例1 熱中性子誘起核反応断面積が大きくて、Q値が大きな
異種アイソトープでドープしたメルトテキスチャBi−Sr
−Ca−Cu−Oの超伝導特性に対して、熱中性子誘起反応
生成物が及ぼす影響を以下に説明する。Bi2Sr1.8Ca1Cu
1.2Li0.8O8(天然状態のLi)のサンプルをメルトテキス
チャリングにより円盤状に形成し、該サンプルは、照射
中の酸素損失を防ぐために、約0.8atm.の酸素の下で溶
融石英管の中に密封した。中性子の照射は、テキサスA
&Mユニバーシティの反応管の原子炉(パイル)の中で
行なった。熱中性子束は1.8x1013/cm2・secであり、高
速中性子束は1%よりも少なかった。照射中の原子炉温
度は約65℃であった。サンプルは、反応器温度で、3x10
16/cm2〜3x1018/cm2の熱中性子束を照射した。臨界電流
密度Jc、上臨界磁界、遷移温度Tc、及び遷移幅に及ぼす
照射の影響について調べた。臨界遷移温度は4位置プロ
ーブによって測定した。磁化測定はSQUIDシステムで行
ない、フラックスのピンニングに及ぼすこの種の熱中性
子照射の影響と、臨界磁化電流を調べた。図1及び図2
に示される測定結果から明らかなように、Tcに著しい変
化はないが、Jcは6.2ファクター増加している。照射し
ていないサンプルがこのようにJcが増加したことは、人
工的に作り出した欠陥が、サンプル内で引き起こされ、
強いフラックスのピンニング中心として作用しているこ
とを示している。
実施例2 Y0.93Ba1.92Li0.15Cu3O7(天然状態でのLi)の焼結
品の超伝導特性に及ぼす熱中性子誘起反応生成物の影響
を調べた。
Y2O3、BaCO3、CuO及びLi2CO3の適量を密接混和するこ
とにより、LiをドープしたYBCO組成物を作った。Li2CO3
物質は天然状態リチウムの1つである。粉末混合物を円
盤状に成形した後、焼結に付した。円盤状のサンプル
は、約0.8気圧の酸素の下、溶融石英管の中で密封し
た。これらの円盤状サンプルを、反応器のパイル内で熱
中性子を照射したが、熱中性子流束量の累積レベルが異
なるように時間を変えて行なった。臨界電流密度Jc、上
臨界磁界、遷移温度Tc、及び遷移幅に及ぼす照射の影響
について調べた。臨界遷移温度は4位置プローブによっ
て測定した。磁化測定はVSMシステムで行ない、フラッ
クスのピンニングに及ぼすこの種の熱中性子照射の影響
と、臨界磁化電流を調べた。
中性子流束量のレベルを変えて円盤状サンプルの磁気
測定を行なった。図3に示すように、YBCO物質の前照射
Jcに関して、Jcは夫々増加している。約0.75x1017/cm2
の流束量レベルまでの放射により、Jcは約12ファクター
の増加が認められる。より高い流束レベルでの照射を続
けると、サンプルのTc特性に対して特に悪影響を及ぼす
ことなく、サンプルのJcは1018/cm2以上のレベルまで上
昇した。流束量レベルが1018/cm2の中性子を照射後にお
けるLiのドーピングレベルが銅原子に関して5原子%で
あるYBCOサンプルと、同様な組成の照射していないサン
プルを比較するために、磁化ヒステリシスループを図4
に示している。
本発明を、その望ましい実施例を参照して説明した。
当該分野の専門家であれば、請求の範囲に記載された発
明の範囲又は精神から逸脱することなく、変更をなし得
るであろう。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G21H 5/00 G21H 5/00 C (56)参考文献 米国特許4996192(US,A) R.L.Fleischer,H. R.Hart,Jr.,K.W.Lay and F.E.Luborsky, Increased flux pin ning upon thermal− neutron irradiatio n of uraniumu−dope d YBa2Cu307,Physica l Review B,米国,The American Physical Society,1989年 8月 1日, volume40,Number4,2163 −2169 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01G 1/00,3/00 C01G 15/00,29/00 G21G 1/06 G21H 5/00

Claims (30)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高温超伝導組成物からなるバルク物体の臨
    界電流密度を高める方法であって: 式L1M2Cu3O6+d、T2M'2CanCun+1O6+2n、(L+M)3-zDz
    Cu3O6+d、又はT2M'2Can(Cu1−z'z'n+1O6+2nで表
    わされる組成物であって、Lは、イットリウム、ランタ
    ン、ネオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウ
    ム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウ
    ム、イッテルビウム、ルテチウム、又はその混合物であ
    り、混合物にはスカンジウム、セリウム、プラセオジ
    ム、テルビウムとの混合物が含まれており;Mは、バリウ
    ム、ストロンチウム又はその混合物であり;zは、ゼロよ
    りも大きく、0.3以下であり;dは、約0.7〜約1.0であり;
    TはビスマスでM'はストロンチウム、又はTはタリウム
    でM'はバリウムであり;nは、約1〜約3、z'はゼロより
    も大きく、0.5以下であり;Dは、Li又はBであり、前記
    物体中に密接に分布しており、このように表わされる組
    成物からなるバルク物体を照射すべき位置に配置する工
    程; バルク物体の所定量のLi又はB成分が熱中性子の照射を
    受けて4Heを生成するまで、該物体を熱中性子で照射す
    る工程、から構成される。
  2. 【請求項2】物体はL1M2Cu3O6+dから構成され、Liは密
    接に分布している請求項1の方法。
  3. 【請求項3】6Liは物体組成物の内部で密接に分布して
    おり、銅に対する原子比は0.5以下である請求項2の方
    法。
  4. 【請求項4】物体は109銅原子につき、1以上の6Li原子
    を反応させるのに十分な流束量の熱中性子によって照射
    される請求項3の方法。
  5. 【請求項5】物体はY1B2Cu3O6+dから構成され、銅に対
    する原子比で約1x10-5以上の6Liを含んでいる請求項4
    の方法。
  6. 【請求項6】物体は(L+M)3-zDzCu3O6+dから構成さ
    れ、Lはイットリウム、ランタン、サマリウム、ユーロ
    ピウム又はガドリニウムであり; Mは、バリウム、又はバリウムとストロンチウムの混合
    物であり; Dは、Li又はBであり; dは約0.7〜約1.0であり; zは約1x10-7〜約2x10-2であり; L:Mの比は約0.45〜約0.55である、請求項4の方法。
  7. 【請求項7】物体の部分は、107銅原子につき、1以上
    のD原子を反応させるのに十分な流束量の熱中性子によ
    って照射される請求項6の方法。
  8. 【請求項8】LはY、MはBa、DはLiである請求項7の
    方法。
  9. 【請求項9】物体の部分は、107銅原子につき、1以上
    6Li原子を反応させるのに十分な流束量の熱中性子に
    よって照射される請求項8の方法。
  10. 【請求項10】Lはイットリウム、ランタン、サマリウ
    ム、ユーロピウム又はガドリニウムであり; Mはバリウムであり; Dは、Li又はBであり; dは約0.7〜約1.0であり; zは約3x10-5〜約1.5x10-1であり; L:Mの比は約0.5である、請求項1の方法。
  11. 【請求項11】物体の部分は、107銅原子につき、1以
    上のD原子を反応させるのに十分な流束量の熱中性子に
    よって照射される請求項10の方法。
  12. 【請求項12】LはY、MはBa、DはLiである請求項11
    の方法。
  13. 【請求項13】物体の部分は、107銅原子につき、1以
    上のD原子を反応させるのに十分な流束量の熱中性子に
    よって照射される請求項12の方法。
  14. 【請求項14】Lはイットリウム、ランタン、サマリウ
    ム、ユーロピウム又はガドリニウムであり; Mはバリウム、又はバリウムとストロンチウムの混合物
    であり; Dは、6Li又は10Bであり; dは約0.7〜約1.0であり; zは約3x10-8〜約0.3であり; L:Mの比は、Lが1を越えないこと、及びMは2を越え
    ない条件の下で、約0.45〜約0.55である、請求項1の方
    法。
  15. 【請求項15】物体の部分は、109銅原子につき、1以
    上のD原子を反応させるのに十分な流束量の熱中性子に
    よって照射される請求項14の方法。
  16. 【請求項16】LはY、MはBa、DはLiである請求項15
    の方法。
  17. 【請求項17】物体の部分は、107銅原子につき、1以
    上のD原子を反応させるのに十分な流束量の熱中性子に
    よって照射される請求項16の方法。
  18. 【請求項18】物体はBi2Sr2CanCun+1O6+2nから構成さ
    れ、Liは密接に分布している請求項1の方法。
  19. 【請求項19】6Liは物体組成物の内部で密接に分布し
    ており、銅に対する原子比は0.5以下である請求項18の
    方法。
  20. 【請求項20】物体は109銅原子につき、1以上の6Li原
    子を反応させるのに十分な流束量の熱中性子によって照
    射される請求項19の方法。
  21. 【請求項21】物体の部分は、107銅原子につき、1以
    上の6Li原子を反応させるのに十分な流束量の熱中性子
    によって照射される請求項20の方法
  22. 【請求項22】Bは物体組成物の内部で密接に分布して
    おり、銅に関する原子量は約1x10-6〜約1x10-1である請
    求項1の方法。
  23. 【請求項23】物体の部分は、109銅原子につき、1以
    上のB原子を反応させるのに十分な流束量の熱中性子に
    よって照射される請求項22の方法。
  24. 【請求項24】物体はT2M'2Can(Cu1−z'z'n+1O
    6+2nから構成され、TはビスマスでM'はストロンチウ
    ム、又はTはタリウムでM'はバリウムであり; nは約1〜約3の数であり; z'はゼロよりも大きく、0.5以下であり; Dは、Li又はBである、請求項1の方法。
  25. 【請求項25】物体の部分は、109銅原子につき、1以
    上のD原子を反応させるのに十分な流束量の熱中性子に
    よって照射される請求項24の方法。
  26. 【請求項26】Tはビスマス、M'はストロンチウム、z'
    は約2.5x10-8〜約5x10-1である請求項25の方法。
  27. 【請求項27】物体の部分は、109銅原子につき、1以
    上のD原子を反応させるのに十分な流束量の熱中性子に
    よって照射される請求項26の方法。
  28. 【請求項28】z'は約1x10-6〜約1x10-1である請求項27
    の方法。
  29. 【請求項29】DはLiであり、物体の部分は、107銅原
    子につき、1以上のLi原子を反応させるのに十分な流束
    量の熱中性子によって照射される請求項28の方法。
  30. 【請求項30】高温超伝導組成物からなるバルク物体の
    臨界電流密度を高める方法であって: 単位の式L1M2Cu3O6+d、T2M'2CanCun1O62n、(L+
    M)3-zDZCu3O6+d、又はT2M'2Can(Cu1−Z'Z'n+1O
    6+2nで表わされる組成物であって、Lは、イットリウ
    ム、ランタン、ネオジム、サマリウム、ユーロピウム、
    ガドリニウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウ
    ム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウム、又はその
    混合物であり、混合物にはスカンジウム、セリウム、プ
    ラセオジム、テルビウムとの混合物が含まれており;M
    は、バリウム、ストロンチウム又はその混合物であり;z
    は、ゼロよりも大きく、0.3以下であり;dは、約0.7〜約
    1.0であり;TはビスマスでM'はストロンチウム、又はT
    はタリウムでM'はバリウムであり;nは、約1〜約3、z'
    はゼロよりも大きく、0.5以下であり;Dは、Li又はBで
    あり、前記物体中に、単位セル外部ドーパント又は単位
    セル内部ドーパントとして、原子比で6Li:Cu又は10B:Cu
    が2.5x10-8以上の量が密接に分布しており、このように
    表わされる組成物からなるバルク物体を照射すべき位置
    に配置する工程; バルク物体の所定量のLi又はB成分が熱中性子の照射を
    受けて、零磁束、温度77K以上の時バルク体物体中の電
    流密度が103アンペア/cm2以上となる程度に4Heを生成す
    るまで、該物体を熱中性子で照射する工程、から構成さ
    れる。
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