JP3327177B2 - ポリオレフィン被覆鋼管 - Google Patents

ポリオレフィン被覆鋼管

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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C28/00Coating for obtaining at least two superposed coatings either by methods not provided for in a single one of groups C23C2/00 - C23C26/00 or by combinations of methods provided for in subclasses C23C and C25C or C25D

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低温での耐衝撃性
と高温での耐陰極電解剥離性、耐水二次密着性などの高
温接着耐久性の両方に優れた外面ポリオレフィン被覆鋼
管に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリオレフィン被覆鋼管は、鋼材の防食
の目的で鋼管の外周面にポリエチレンポリプロピレンな
どのポリオレフィン樹脂を被覆した鋼管であり、耐食性
能に優れていることから、原油や天然ガスなどの輸送用
のラインパイプ防食法として使用されている。
【0003】近年、ラインパイプ敷設、使用環境の過酷
化に伴い、ポリオレフィン被覆鋼管の使用環境も過酷化
している。特に、ロシア極地向けのラインパイプは、従
来、保管、敷設工事時の保証温度は−45℃までであった
が、最近は、−60℃に及ぶ温度での保証も求められるよ
うになった。このため、−60℃での耐衝撃性確保が必要
となる。
【0004】また、油井の深化によるラインパイプ操業
温度の高温化に伴って、陰極電解剥離性や耐水二次密着
性と言った耐食性能も、従来は20℃での常温要求であっ
たものが、60℃以上の高温域における接着耐久性が求め
られる傾向にある。
【0005】一般に、ポリオレフィン樹脂は、無極性の
高分子材料であるため、化学的安定性や機械的特性に優
れているが、鋼管のような極性を有する表面との密着性
に乏しいと言う問題がある。この密着性の欠如により、
ポリオレフィン被覆鋼管の耐食性と機械的特性が低下す
る。このため、オレフィンを不飽和カルボン酸あるい
は、その無水物と共重合させて得た変性ポリオレフィン
樹脂からなる接着樹脂層を介して鋼材にポリオレフィン
樹脂層を被覆する方法が一般に採用されている。
【0006】しかし、この変性ポリオレフィン樹脂層
は、常温での初期密着性には優れているものの高温、湿
潤環境下に長時間曝されたり、夏冬あるいは昼夜などの
寒暖による長期の冷熱サイクルを受けると、鋼管表面と
ポリオレフィン接着樹脂層との密着性の低下を生ずる。
この対策として、変性ポリオレフィン接着樹脂層の下に
エポキシ樹脂などのプライマー層が設けられる。
【0007】従って、一般的なポリオレフィン被覆鋼管
の製造は、鋼管を搬送ローラにより移動させながら下記
工程を順に通過させることにより連続的に行われる。ま
ず、前処理工程で鋼管の外周面を清浄化する (例、溶剤
による脱脂/またはショットブラスト等により) 。その
後、必要により、密着性確保のための下地処理を施して
もよい。この下地処理は、一般にリン酸処理やクロメー
ト処理などの化成処理により行われる。
【0008】上記のように処理した鋼管を、必要であれ
ば予熱した後、鋼管の外周面にプライマーを塗布し、直
ちに鋼管をガス加熱、高周波誘導加熱などにより加熱し
て、プライマー塗膜を硬化させ、次の搬送ローラ通過で
塗膜が損傷しないような塗膜強度を得るようにする。
【0009】次いで、搬送ローラを通過した後、硬化し
たプライマー層上に、粉体塗装法または溶融押出法など
により、接着層となる変性ポリオレフィン樹脂と、その
外側の被覆層となるポリオレフィン樹脂とを、順次また
は同時に積層被覆し、冷却後にポリオレフィン被覆鋼管
が得られる。
【0010】例えば、特公昭62−2871号公報には、鋼管
表面を100 〜300 ℃の温度に予熱した後、熱硬化型エポ
キシ樹脂を塗布し、その上に変性低密度ポリオレフィン
接着樹脂層、ポリオレフィン樹脂を順次被覆する方法が
記載されている。しかし、このようにして得られた被覆
鋼管は、鋼管初期密着力が100 〜300 N/cmと高いもの
の、高温水浸漬後の二次密着性に劣り、−60℃での低温
衝撃試験では被覆層に割れが生じると言う問題がある。
【0011】また、特公平3−29588 号公報には、下地
処理を施した鋼管の表面に、ガラス転移温度(Tg) 80 ℃
以上の高Tg型のエポキシ系プライマー層を設け、その上
に変性ポリオレフィン接着樹脂層を介して、結晶性エチ
レン−プロピレンブロックコポリマーを被覆したポリオ
レフィン被覆鋼管が記載されている。この被覆鋼管は接
着耐久性 (陰極電解剥離、耐温水二次密着性) には優れ
ているが、−30℃以下での低温では被覆層が脆化し割れ
が生じるという問題がある。
【0012】さらに、特開平7−290640号公報では、下
地処理を施した鋼管の表面に、変性ポリエチレン層を介
して、密度が0.920 〜0.955 g/cm3 の範囲で、かつメル
トインデックスが0.10〜0.80の範囲である無色ポリエチ
レン層と、密度が0.930 〜0.945 g/cm3 の範囲でかつ顔
料を0.1 〜7重量%の範囲で含有する架橋着色ポリエチ
レン層またはシラン架橋ポリエチレン層を順次積層させ
たポリエチレン被覆鋼管が提案されている。しかし、こ
の被覆鋼管は−60℃でのASTM G14に基づく落重方式によ
る衝撃試験においては割れが発生しないものの、実際の
現地でのハンドリングを想定した衝撃試験、例えば、−
60℃における人力によるハンマー打撃試験では被覆層に
割れが発生してしまう。また、60℃以上の高温での耐陰
極電解剥離性や耐温水二次密着性に劣るという問題点を
有する。さらには、被覆が多層になるため、製造工程が
煩雑となり、製造コストの増加をもたらす。
【0013】以上のように、従来技術では−60℃での低
温衝撃性と高温での接着耐久性 (陰極電解剥離性、耐温
水二次密着性) の両方を同時に満たすポリオレフィン被
覆鋼管は得られていなかった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、−60
℃の低温衝撃性と高温での耐陰極電解剥離性、耐温水二
次密着性などの高温接着耐久性の両方に優れたポリオレ
フィン被覆鋼管を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の問
題点を解決すべく、ポリオレフィン被覆鋼管の接着用の
変性ポリエチレン樹脂の密度、低温での耐衝撃性、およ
び酸化防止剤の添加量、さらに、被覆樹脂としてのポリ
オレフィン樹脂の密度、低温での耐衝撃性に着目し鋭意
検討した。その結果、−60℃での耐衝撃性と高温での陰
極電解剥離性、温水二次密着性の両方に優れたポリオレ
フィン被覆システムを見い出し、本発明を完成させた。
【0016】ここに、本発明の要旨は、(1) 鋼管の表面
上に、クロメート処理を施した後、プライマー層および
変性ポリオレフィン接着樹脂層を介してポリオレフィン
被覆樹脂層を被覆したポリオレフィン被覆鋼管であっ
て、前記変性ポリオレフィン接着樹脂層が、密度0.925
g/cm3 以下、−60℃でのアイゾット衝撃値180 kJ/m2
上で、かつ酸化防止剤を0.3重量%以上含有する変性ポ
リエチレン樹脂から成ることを特徴とするポリオレフィ
ン被覆鋼管、および(2) 前記ポリオレフィン被覆樹脂層
が、密度0.915 〜0.935 g/cm3 、かつ−60℃でのアイゾ
ット衝撃値140 kJ/m2 以上のポリエチレン樹脂から成る
ことを特徴とする上記(1) 記載のポリオレフィン被覆鋼
管である。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳しく説明する。本発明にかかるポリオレフィン被覆
鋼管は、鋼管の外周面に、下から順にクロメート処理
層、プライマー層、変性ポリエチレン接着樹脂層、およ
びポリオレフィン樹脂被覆層を有している。
【0018】被覆する鋼管 (原管) の種類や寸法は特に
限定されず、任意の鋼種 (例、炭素鋼、合金鋼、ステン
レス鋼等) からなる鋼管でよい。原油や天然ガス輸送用
のラインパイプの場合には、通常は炭素鋼管である。ま
た、メッキ鋼管も原管として使用できる。
【0019】被覆前に、前処理として、鋼管の外周面を
脱脂し、さらに、グリットまたはショットブラストによ
る研掃によってミルスケール等を除去し、清浄化してお
くことが好ましい。
【0020】次いで、鋼管面にクロメート処理を施す。
使用するクロメート処理液は特に限定されないが、防食
性の観点からは、シリカ微粉末と6価および3価のクロ
ムイオンを含有する塗布型クロメート処理液が好まし
い。あるいは、必要によりさらにリン酸を添加して使用
することもできる。
【0021】鋼管の外周面へのクロメート処理液の塗布
は、しごき塗り、スプレー塗りなどの公知の方法によれ
ばよい。クロメート処理液の塗布後、鋼管を加熱してク
ロメート皮膜を焼き付ける。このときの鋼管の加熱の方
法としては、高周波誘導加熱、遠赤外線加熱、ガス加熱
などの従来公知の方法を適用することができる。クロメ
ート皮膜の付着量は、全Cr量として50〜1000 mg/m2、特
に、100 〜500 mg/m2の範囲内が好ましい。
【0022】クロメート処理液の塗布、加熱後、例え
ば、エポキシプライマーを塗布する。エポキシプライマ
ー層は、エポキシ樹脂と硬化剤の混合物から形成する。
エポキシ樹脂としてはビスフェノールA型エポキシ樹
脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂などの2官能型エ
ポキシ樹脂を単独で、または、ノボラック型エポキシ樹
脂などの多官能エポキシ樹脂を混合して使用することも
できる。
【0023】ビスフェノールA型エポキシ樹脂として
は、ビスフェノールAジグリシジルエーテルを初めとす
るエポキシ当量が170 〜3000程度のビスフェノールA型
エポキシ樹脂、または、ビスフェノール型エポキシ樹脂
(例、水素添加ビスフェノールAジグリシジルエーテ
ル) も少量であれば使用できる。ノボラック型エポキシ
樹脂は、例えば、クレゾール型ノボラック系、フェノー
ル型ノボラック系が使用できる。
【0024】エポキシプライマーに添加する硬化剤とし
ては、任意のエポキシ硬化剤が使用できるが、複素環式
ジアミン変性物、脂肪族ポリアミン変性物、芳香族ポリ
アミン変性物、ポリアミドアミン変性物などのアミン系
硬化剤が好ましい。耐陰極電解剥離性の観点からは複素
環式ジアミン変性物が特に好ましい。
【0025】エポキシ系プライマー組成物は1液型また
は2液型の組成物として調製することができる。1液型
の場合は、反応促進剤と硬化剤をマイクロカプセル化し
て使用前に予め主剤の中に分散させることにより塗布に
供する。2液型の場合は、硬化剤と主剤 (樹脂液) とを
使用前に混合して塗布に供することができる。プライマ
ー組成物を塗布に適した粘度にするために、必要によ
り、トルエン、キシレンなどの有機溶媒で希釈して使用
することも可能である。
【0026】プライマー組成物の塗布は、スプレー塗
り、ローラ塗り、刷毛塗り、しごき塗りなどの従来公知
の技術によって行うことができる。その後、前述のよう
にして鋼管を加熱してプライマー塗膜を硬化させエポキ
シプライマー層を形成する。エポキシプライマー層の膜
厚は5〜100 μm、特に10〜50μmの範囲内が好まし
い。プライマー層の膜厚が5μm 未満の場合には接着耐
久性が低下し、一方、100μm を超える場合にはコスト
増を招く。
【0027】プライマー塗膜硬化のための鋼管の加熱
は、連続ライン内で、その後に行うポリエチレン樹脂層
の積層時の鋼管温度が100 〜190 ℃となるように行うの
が好ましい。
【0028】エポキシ系プライマー層の上に、変性ポリ
エチレン樹脂よりなる接着樹脂層を、そしてその上に被
覆層であるポリエチレン樹脂層を形成する。この両層の
被覆は、例えば、Tダイまたは丸ダイなどの押出法によ
り各樹脂のフィルムを同時に、または順に押出して、予
熱された鋼管を被覆するように鋼管上に積層させること
で行うことができる。特にTダイ法による押出被覆が好
適である。接着層の被覆は、変性ポリエチレン樹脂粉末
を静電塗装することによって行うこともできる。その
後、水冷等により鋼管を冷却すると本発明のポリエチレ
ン被覆鋼管が得られる。
【0029】各層の厚みは、接着樹脂層が0.1 〜0.6 m
m、特に、0.2 〜0.5 mmの範囲内、被覆樹脂層が2〜5m
m、特に2.5 〜4mmの範囲内が好ましい。接着樹脂層の
厚さが0.1 mm未満では接着耐久性が低下し、0.6mm 超で
はコスト増を招くことがあるからである。同様に被覆樹
脂層は上記範囲を外れると所期の効果が発揮されないこ
とがある。
【0030】本発明において用いる接着樹脂層の変性ポ
リエチレン樹脂としては、ポリオレフィンをマレイン
酸、アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和カルボン
酸、または、その酸無水物との共重合により変性したも
のが使用できる。
【0031】本発明によれば、上記接着樹脂層に用いる
変性ポリオレフィン樹脂は、密度0.925 g/cm3 以下、−
60℃でのアイゾット衝撃値が180 kJ/m2 以上、かつ酸化
防止剤の含有量が0.30重量%以上の変性ポリエチレン樹
脂とする。
【0032】この変性ポリエチレン樹脂の密度が0.925
g/cm3 を超えると−60℃での低温衝撃性が低下する。そ
の下限は特に制限ないが、一般には0.915 g/cm3 以上で
十分である。
【0033】また、変性ポリエチレン樹脂の−60℃にお
けるアイゾット衝撃値が180 kJ/m2を下回ると、−60℃
での低温衝撃性の低下が起こる。上限はこの場合も制限
はないが、一般的には350 kJ/m2 である。
【0034】酸化防止剤としては、公知のヒンダートフ
ェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、硫黄系酸化
防止剤を単独、または、2種類以上混合して使用するこ
とができる。変性ポリエチレン中の酸化防止剤の含有量
は0.3 重量%以上とする。0.3 重量%を下回ると高温で
の陰極電解剥離性、二次密着性が劣化する。上限は特に
制限はないが、一般には経済性の観点から1.0 %以下と
する。
【0035】次に、本発明の好適態様にあっては、被覆
層のポリオレフィン樹脂は、密度0.915 〜0.935 g/c
m3 、−60℃でのアイゾット衝撃値が140 kJ/m2 以上の
ポリエチレン樹脂とする。
【0036】密度が0.915 g/cm3 を下回ると高温におけ
るポリエチレン被覆樹脂層の透水性が上昇するため、陰
極剥離性、耐水二次密着性が低下する。また、0.935 g/
cm3を上回ると−60℃での低温衝撃性が低下する。好ま
しくは0.930 g/cm2 以下である。
【0037】また、−60℃でのアイゾット衝撃値は140
kJ/m2 以上とするが、140 kJ/m2 を下回ると−60℃での
耐衝撃性が低下し、人力によるハンマー打撃試験時の被
覆層に割れが発生するからである。このときの上限は特
に制限ないが一般には300 kJ/m2 以下である。
【0038】上述した方法により得られる本発明のポリ
オレフィン被覆鋼管は、以下に示すような利点を有して
いる。 本発明にかかる変性ポリオレフィン接着樹脂層を用い
ることで、−60℃の低温衝撃性が著しく向上し、同時
に、60℃以上の高温でも優れた陰極電解剥離性、および
耐温水二次密着性を確保できる。
【0039】さらに、本発明の好適態様におけるよう
にポリオレフィン被覆樹脂を密度0.915 〜0.935 g/c
m3 、−60℃でのアイゾット衝撃値が140 kJ/m2 以上の
ポリエチレン樹脂とすることでさらに、−60℃で低温衝
撃性、高温での接着耐久性が向上する。
【0040】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。ショットブラスト処理された炭素鋼製の鋼管 [外径
約711.2mm(28インチ) 、肉厚30mm、長さ12m]を1m/min
の移動速度で搬送ローラ間を移動させながら、第1の搬
送ローラ通過後、その外周面にシリカ含有クロメート塗
布液をシゴキ塗りし、60℃に加熱して焼付け、全Cr付着
量が250 mg/m2 のクロメート処理層を形成した。
【0041】第2の搬送ローラの通過後、クロメート処
理層の上に、2液型エポキシプライマーを硬化後の膜厚
が約20μmとなるようにエアスプレーにて塗布した後、
直ちに180 ℃に加熱して塗膜を硬化させエポキシプライ
マー層を形成した。
【0042】第3の搬送ローラ通過後、樹脂接着層とな
る無水マレイン酸変性ポリエチレン樹脂、および被覆層
となる低密度ポリエチレン樹脂をTダイ法にて、この順
に、それぞれ膜厚0.4 mmおよび3.0 mmとなるように押出
被覆し、その後、水冷することによりポリエチレン被覆
鋼管を得た。
【0043】変性ポリエチレン接着樹脂およびポリエチ
レン被覆樹脂は市販のものを使用し、表1に示す実施例
1〜5、比較例1〜5の組成特性の樹脂を用いた。得ら
れたポリエチレン被覆鋼管の低温衝撃性、および、高温
での陰極電解剥離性、耐水二次密着性を下記の方法で評
価した。
【0044】(低温衝撃試験)ポリエチレン被覆鋼管より
300 mm×300 mmのカットサンプルを切り出した後、低温
恒温恒湿槽中に入れ3時間保持し、−60℃に冷却した。
冷却後のカットサンプルを入力でのハンマー打撃による
衝撃試験に供し、試験後、目視によりサンプル表面の割
れの有無を判定した。
【0045】(陰極剥離試験)ポリエチレン被覆鋼管より
200 mm×200 mmのカットサンプルを切り出した後、鋼面
素地が露出するまで直径9mmのドリルホールを開け、こ
れを60℃恒温下で3%食塩水に浸漬し、サンプルに電圧
を印加してSCE 標準電極に対する電位を−1.5Vに設定し
た。この条件下で30日間放置した後、ドリルホール部分
のポリエチレン層を切除し、ドリルホールエッジからの
剥離径を測定した。
【0046】(耐温水二次密着性)ポリエチレン被覆鋼管
より300 mm×300 mmのカットサンプルを切り出した後、
95℃の温度で恒温水槽にサンプルを浸漬し、1000時間放
置した。その後、浸漬槽より取り出し室温まで放冷した
サンプルについて、鋼面とポリエチレン被膜との密着力
を、20℃恒温下でスプリングバランス法にて測定した。
【0047】表1に変性ポリエチレン接着樹脂、および
ポリエチレン被覆樹脂層、表2に被覆鋼管の−60℃での
耐衝撃性、60℃での高温陰極電解剥離性、および95℃で
の耐温水二次密着性の試験結果を示す。
【0048】表2の結果から、本発明にかかるポリエチ
レン被覆鋼管は、−60℃における人力によるハンマー打
撃試験でも被覆層に割れが発生せず、同時に、高温での
陰極電解剥離性および耐温水性に優れていることが分か
る。
【0049】これに対して、本発明の範囲外の比較例と
して示したポリエチレン被覆鋼管は、−60℃での低温衝
撃性、または、陰極電解剥離性、および耐温水二次密着
性のいずれか、あるいはその両方に問題のあることがわ
かる。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】
【発明の効果】上述した通り、本発明により下記の効果
が得られる。 本発明にかかる変性ポリオレフィン接着樹脂層を用い
ることで、−60℃での低温衝撃性が著しく向上し、同時
に、60℃以上の高温でも優れた陰極電解剥離性、および
耐温水二次密着性を確保できる。
【0053】さらに、必要によりポリオレフィン被覆
樹脂を密度0.915 〜0.935 g/cm3 、−60℃でのアイゾッ
ト衝撃値が140 kJ/m2 以上のポリエチレン樹脂とするこ
とで更に、−60℃で低温衝撃性、高温での接着耐久性が
向上する。
【0054】変性ポリオレフィン接着樹脂層上の被覆
樹脂層は、1種類のみのポリオレフィン被覆樹脂層で済
むため、製造工程の煩雑化が防止され、コスト的にも有
利である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C23C 28/00 C23C 28/00 C

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼管の表面上に、クロメート処理を施し
    た後、プライマー層および変性ポリオレフィン接着樹脂
    層を介してポリオレフィン被覆樹脂層を被覆したポリオ
    レフィン被覆鋼管であって、前記変性ポリオレフィン接
    着樹脂層が、密度0.925 g/cm3 以下、−60℃でのアイゾ
    ット衝撃値180 kJ/m2 以上で、かつ酸化防止剤を0.3 重
    量%以上含有する変性ポリエチレン樹脂から成ることを
    特徴とするポリオレフィン被覆鋼管。
  2. 【請求項2】 前記ポリオレフィン被覆樹脂層が、密度
    0.915 〜0.935 g/cm3 、かつ−60℃でのアイゾット衝撃
    値140 kJ/m2 以上のポリエチレン樹脂から成ることを特
    徴とする請求項1記載のポリオレフィン被覆鋼管。
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