JP3325770B2 - ノイズ低減回路及びノイズ低減装置及びノイズ低減方法 - Google Patents

ノイズ低減回路及びノイズ低減装置及びノイズ低減方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ノイズが入力さ
れたときはその逆相信号を加算してノイズをキャンセル
し、音声とノイズの混合信号が入力されたときはそのま
ま出力される回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来例1.図21は、従来のノイズ低減回路のブロック
図である。図21において、1はアンプ、2は音声信号
/ノイズ識別回路、3は可変アッテネータである。次
に、動作について説明する。従来は、アンプ1で増幅さ
れた音声とノイズの混合信号を音声信号/ノイズ識別回
路2を通し、これにより可変アッテネータ3を制御して
音声信号のないとき、ゲインを下げ相手側に不快なノイ
ズを聞こえにくくしている。
【0003】次に、特願平6−88954号(日本出願
日、平成6年4月26日、対応米国出願S/N08−4
05019、米国出願日1995年3月16日)におけ
る騒音対策通話機により更に詳しい従来例を示す。従来
の通話機のブロック図を図22に示す。図において、3
1は標準的な通話機の音声制御用IC(Integra
tedCircuit)、32は通話機からの受話信号
の入力端子、33は受信用増幅器、34はレシーバスピ
ーカー等への受話機端子である。また、35はハイパス
フィルタ、36はDC(Direct Curren
t)変換器、37,38は簡易制御回路である。また、
41はマイクロフォンよりの入力端子、42は送信用増
幅器、43はハイパスフィルタ、44はローパスフィル
タである。また、コントロール電圧制御回路300か
ら、可変減衰器31b,31cのボリュームコントロー
ル電圧は加えられる。
【0004】次に、この従来例の動作を説明する。入力
端子32から入力された受話信号は、音声制御用IC3
1のピン2から内部の可変減衰器31cを通り減衰さ
れ、ピン3から受信用増幅器33を経て受話機端子34
から受話器に供給される。受話信号の一部は、ハイパス
フィルタ35を通り遠端側周囲雑音の低域成分を減衰さ
せてから、DC変換器36でDC変換され、簡易制御回
路37,38を経て音声制御用IC31のピン8,10
に入力される。簡易制御回路37,38は、音声制御用
IC31のピン4のリファレンス電圧を考慮し、コント
ロール電圧を音声制御用IC31のピン8,10に出力
する。簡易制御回路37では、リファレンス電圧も加え
て、音声制御用IC31の適性制御のための制御信号を
生成し、それをコントロールモード切替回路31aの可
変減衰器31c側の制御端子(ピン8)に入力する。ま
た、簡易制御回路38も同様に、リファレンス電圧を考
慮して位相反転された制御信号を生成し、コントロール
モード切替回路31aの可変減衰器31b側の制御端子
(ピン10)に入力する。音声制御用IC31内のコン
トロールモード切替回路31aは、可変減衰器31cの
減衰をなくし、ピン2に入力された受話信号は減衰なし
にピン3に出力され、これが受信用増幅器33で増幅さ
れて受話機端子34より受話器に与えられる。
【0005】一方、送信用のマイクロフォンからの信号
は、入力端子41から送信用増幅器42を経て、ハイパ
スフィルタ43、ローパスフィルタ44を経て音声制御
用IC31のピン14に入力され、定常時は可変減衰器
31bにより信号は減衰されずにピン13に出力され、
端子45を経て送話信号として相手に伝送される。こう
して、定常的には送信側の信号に減衰がなく、受信側の
信号は減衰された状態となる。しかし、受話信号が検出
された時点で、受話側の信号の減衰がなくなり、送信側
の信号は減衰される。
【0006】図23は、図22の改良例の構成図であ
る。図22に比べて、新規な部分として22のトランジ
スタ、23の入力抵抗、24の負荷抵抗、25の電圧保
持回路、ハイパスフィルタ26と27,47のコンパレ
ータがある。その他の要素は、図22に示す従来例の同
一番号のものに相当する要素である。次に、図23の構
成の通話機の動作を説明する。送話用のマイクロフォン
より入力された送話信号は、送信用増幅器42とハイパ
スフィルタ43で音声成分のみが抽出される。ハイパス
フィルタ43は、例えば、カットオフ周波数700Hz
の3次ハイパスフィルタである。一般に騒音は、HOT
Hスペクトラム特性をもっているので、このハイパスフ
ィルタ43で周囲騒音成分が減衰される。ハイパスフィ
ルタ43により抽出された音声成分は、更にハイパスフ
ィルタ26と27を経て、直接トランジスタ22のべー
スに加えられる。図24は、トランジスタ22と送話信
号の関係を示す図である。図23において、トランジス
タ22のベース電圧を所定のしきい値に設定しておく。
図24の場合には、0.6ボルトをしきい値としてお
り、トランジスタ22は、ハイパスフィルタ43,26
と27による送話信号の音声抽出部分がこのしきい値を
超える場合に、定電圧保持回路25の電位を低くする。
【0007】一方、電圧保持回路25は通常はある一定
電位を保ち、この電位が音声制御用IC31のピン8と
10に一定電圧を与えている。この状態をアイドルモー
ド状態と呼ぶ。通常の状態では、この一定電圧により送
話モードと受話モードの中間の状態を保持している。即
ち、コントロールモード切替回路31aを制御して送話
モードと受話モードとアイドルモードの3つのモードを
設け、受話モード状態をレベル”1”、送話モード状態
をレベル”0”とし、送話と受話がない状態をアイドル
状態のレベル”0.5”として、可変減衰器31b,3
1cの制御をそれぞれに対応させる。この中間のアイド
ル状態では、受話信号はピン2から入力され可変減衰器
31cで約半分に減衰されて、ピン3から受信用増幅器
33に出力される。同様にアイドル状態では、送話信号
は可変減衰器31bによりピン14から入力され約半分
に減衰され、ピン13に出力されて端子45より送話信
号として伝送される。
【0008】トランジスタ22は、例えば、0.6ボル
トにしきい値があり、これ以上の送話レベルがある場合
に、送話信号があると検出して、トランジスタ22は駆
動する。トランジスタ22が駆動されると、電圧保持回
路25の電位が下がることになる。そして、音声制御用
IC31のピン10が高電位になり、コントロールモー
ド切替回路31aが動作して可変減衰器31bの減衰を
なくす、つまり、送話信号は減衰なしに端子45から伝
送される。
【0009】マイクロフォン側の音声があるときのみ送
話モードとなって可変減衰器31bの減衰がなくなり、
音声のない場合には可変減衰器31bの減衰が十分機能
し、周囲騒音が軽減される。更にまた、受話信号がある
場合には、ハイパスフィルタ35、DC変換器36を経
て電圧保持回路25の電位を高くする方向に働き、この
時、コンパレータ47の出力は、GNDレベルとなるの
でスピーカーからマイクロフォンへ音声の回り込みがあ
ってもトランジスタ22はONしないので、音声制御用
IC31のピン8の電位が高くなり、コントロールモー
ド切替回路31aの動作により、可変減衰器31cの減
衰がなくなる。こうして、受話信号は、減衰なく受信用
増幅器33に伝えられ明瞭な受話信号が得られる。
【0010】図23を図21に当てはめると、図23の
入力端子41は、図21の入力端子にあたる。送信用増
幅器42は、図21のアンプ1にあたる。ハイパスフィ
ルタ43からトランジスタ22までの回路、電圧保持回
路25、コントロールモード切替回路31a、コントロ
ール電圧制御回路300等を含む点線で囲まれた回路9
00は、図21の音声信号/ノイズ識別回路2に相当す
る。可変減衰器31bは、図21の可変アッテネータ3
に相当する。図21で述べたと同様に、図23の構成の
場合も、可変減衰器31bを制御して送話信号のないと
き、ゲインを下げ相手側に不快なノイズを聞こえにくく
している。
【0011】音声制御用IC31に、例えば、電子ボリ
ュームIC(三菱電機製M51132L)を使用した場
合について述べる。図25に、電子ボリュームIC(三
菱電機製M51132L)における可変減衰器31b,
31cの減衰量−ボリュームコントロール電圧特性を示
す。ボリュームコントロール電圧とは、コントロール電
圧制御回路300が可変減衰器31b,31cに与える
電圧である。図25に示すように、ボリュームコントロ
ール電圧が4.5V以上になると、電子ボリュームIC
の可変減衰器31bの減衰量は、0dBとなる。図23
において、この電子ボリュームIC内で、可変減衰器3
1bのゲイン制御のためのボリュームコントロール電圧
は、最終的にはコントロール電圧制御回路300から加
えられる。例えば、0V近くになっているボリュームコ
ントロール電圧を4.5Vまで上げる場合、コントロー
ル電圧制御回路300の回路時定数があり、数十mse
cかかる。このため、可変減衰器31bに対する制御遅
れによる音声の頭切れが起きる。
【0012】従来例2.次に、特開昭59−11562
9公報に示される、能動的低減保護回路のための出力増
幅器の文章と図面の一部を引用する。図26は、従来例
の出力増幅器の一部を省略したブロック図である。入力
端子111から信号が入力され、まず前置増幅器102
に供給される。前置増幅器102で増幅された信号は、
一方では線103を介して、他方では信号を反転させる
反転低域通過フィルタ104を介して、加算増幅器10
5の入力側に加わる。反転低域通過フィルタ104で低
域のノイズ信号が選択され、信号の反転が行われるの
で、線103を介して到来する信号のレベルは、反転低
域通過フィルタ104が通過させる低域の信号のレベル
だけ低減する。従来例では、反転低域通過フィルタとし
て、3dBリプルのチエビシエフフィルタが使用され
る。加算増幅器105から出力された信号は、従来の出
力増幅器106に供給され、出力端子107から出力さ
れる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】従来例1の図23にお
ける騒音対策通話機では、音声信号の無い時ゲインを下
げ、相手側に不快なノイズを聞こえにくくしていた。し
かし、音声信号とノイズの混合信号の場合、ゲインを下
げないので音声信号の間に背景ノイズが付いてくるとい
う不快感があった。また、可変減衰器のボリュームをコ
ントロールするコントロール電圧制御回路の制御遅れに
より、出力音声信号の頭切れが生ずるという課題があっ
た。また、電子ボリュームICを使用する場合には、費
用がかかるという課題があった。また、従来例2におけ
る能動的低減保護回路のための出力増幅器では、低域通
過フィルタによりノイズと音声を区別している。そのた
め、ノイズと音声の周波数成分が近い場合、この手法は
有効ではないという課題があった。
【0014】この発明は、上記のような課題を解決する
ためになされたもので、通話中の背景ノイズを除去する
ことのできるノイズ低減回路及びノイズ低域方法を得る
ことを目的とする。また、可変減衰器の制御遅れによる
音声の頭切れがないノイズ低減回路及びノイズ低域方法
を得ることを目的とする。また、高価な電子ボリューム
ICを使う必要がないノイズ低減回路を得ることを目的
とする。また、ノイズと音声信号を区別せずに、ノイズ
のみキャンセルすることができるノイズ低減回路及びノ
イズ低域方法を得ることを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】この発明に係るノイズ低
減回路は、以下の要素を備えることを特徴とする。 (a)ノイズを含む入力信号を入力して入力信号を反転
増幅して振幅が制限された反転増幅信号を生成して出力
する反転増幅回路と、(b)上記反転増幅回路により出
力された反転増幅信号を入力して減衰する減衰器と、
(c)上記入力信号と上記減衰器により減衰された信号
を加算して出力するミキサ回路。
【0016】上記ノイズ低減回路は、更に、交流直流変
換回路とトランジスタとコンデンサと抵抗とを備え、上
記反転増幅回路と上記交流直流変換回路とトランジスタ
とコンデンサと抵抗とにより、上記反転増幅回路の出力
信号の振幅を自動的に一定とするオートレベルコントロ
ール回路を構成することを特徴とする。
【0017】上記交流直流変換回路は、片側増幅回路に
よる直流交流変換回路であることを特徴とする。
【0018】上記ノイズ低減回路は、更に、入力信号を
減衰させ入力オーバひずみを防止する入力オーバ歪み防
止回路を備えることを特徴とする。
【0019】この発明に係るノイズ低減装置は、前述し
たノイズ低減回路を以下の第1のノイズ低減回路と第2
のノイズ低減回路として備え、以下の要素を備えること
を特徴とする。 (a)入力信号を入力し入力信号の低域周波数帯域の信
号を通過させる低域フィルタと、(b)上記低域フィル
タを通過した信号を入力してノイズ低減する第1のノイ
ズ低減回路と、(c)上記入力信号を入力してノイズ低
減する第2のノイズ低減回路と、(d)上記第1のノイ
ズ低減回路を通過した信号と、上記第2のノイズ低減回
路を通過した信号とを混合して出力する帯域混合回路。
【0020】上記ノイズ低減装置は、更に、入力信号を
入力して入力信号の高域周波数帯域の信号を通過させる
高域フィルタを備え、上記高域フィルタを通過した信号
を上記第2のノイズ低減回路の入力信号とすることを特
徴とする。
【0021】この発明に係るノイズ低減装置は、以下の
要素を備えることを特徴とする。 (a)入力信号を入力し、入力信号からある周波数帯域
の信号を通過させる複数の帯域フィルタ回路と、(b)
上記帯域フィルタ回路を通過した信号を入力し、ノイズ
を低減する前述した複数のノイズ低減回路と、(c)前
述した複数のノイズ低減回路を通過した信号を混合して
出力する帯域混合回路。
【0022】上記ノイズ低減装置は、更に、上記入力信
号と任意のフィルタを通過した信号とのいずれかと各ノ
イズ低減回路を通過した信号とを混合して出力すること
を特徴とする。
【0023】この発明に係るノイズ低減方法は、以下の
工程を有することを特徴とする。 (a)入力信号を入力して反転増幅し、振幅制限された
反転増幅信号を生成して出力する反転増幅工程と、
(b)上記反転増幅工程により反転増幅された信号を減
衰する減衰工程と、(c)上記入力信号と上記減衰工程
により減衰された信号を加算して出力する信号加算工
程。
【0024】上記ノイズ低減方法は、更に、上記反転増
幅工程により出力される反転増幅信号の振幅を自動的に
一定とするオートレベルコントロール工程を備えること
を特徴とする。
【0025】この発明に係るノイズ低減方法は、前述し
たノイズ低減方法を第1のノイズ低減方法と第2のノイ
ズ低減方法とし、以下の工程を備えることを特徴とす
る。 (a)入力信号を入力し入力信号の低域周波数帯域の信
号を通過させる低域フィルタリング工程と、(b)上記
低域フィルタリング工程を経た信号を入力して第1のノ
イズ低減方法によりノイズ低減する第1のノイズ低減工
程と、(c)上記入力信号を入力して第2のノイズ低減
方法によりノイズ低減する第2のノイズ低減工程と、
(d)上記第1のノイズ低減工程を経た信号と、上記第
2のノイズ低減工程を経た信号とを混合して出力する帯
域混合工程。
【0026】上記ノイズ低減方法は、更に、入力信号を
入力して入力信号の高域周波数帯域の信号を通過させる
高域フィルタリング工程を備え、上記高域フィルタリン
グ工程を経た信号を上記第2のノイズ低減工程の入力信
号とすることを特徴とする。
【0027】この発明に係るノイズ低減方法は、以下の
工程を備えることを特徴とする。 (a)入力信号を入力し、入力信号からある周波数帯域
の信号を通過させる複数の帯域フィルタリング工程と、
(b)上記帯域フィルタリング工程を経た信号を入力
し、前述したノイズ低減方法によりノイズを低減するノ
イズ低減工程と、(c)上記複数のノイズ低減工程を経
た信号を混合して出力する帯域混合工程。
【0028】上記ノイズ低減方法は、更に、上記入力信
号と任意のフィルタリング工程とのいずれかと各ノイズ
低減工程を経た信号とを混合して出力することを特徴と
する。
【0029】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.この実施の形態は、利得の高い反転増幅
回路を用いることを特徴とするノイズ低減回路について
述べる。
【0030】図1は、この実施の形態におけるノイズ低
減回路のブロック図である。図1において、この実施の
形態におけるノイズ低減回路は、反転増幅回路4、アッ
テネータ5、ミキサ回路6から構成される。反転増幅回
路4は、入力された信号を反転し増幅する。反転増幅回
路4は、利得の高いものを用いる。反転増幅回路4のゲ
インは、10倍(20dB)以上であることが望まし
い。利得の高い反転増幅回路4を用いる理由は、ノイズ
のレベルに比べて信号レベルの高い音声信号が入力され
た場合、反転増幅された信号を飽和させ、振幅制限する
ためである。反転増幅回路4は、33KΩの抵抗41
0、330KΩの抵抗420、オペアンプ430から構
成される。オペアンプ430は、±3.5V単電源で駆
動させる。抵抗の値から反転増幅回路4の電圧利得(ゲ
イン)は、 −330KΩ÷33KΩ=−10 となる。即ち、入力波形は、反転増幅回路4によりゲイ
ン10倍で増幅され、位相が反転された波形となり出力
される。アッテネータ5は、反転増幅回路4により反転
増幅された信号を減衰する。アッテネータ5は、9KΩ
の抵抗51と1KΩの抵抗52から構成される。抵抗の
値より、アッテネータ5は、反転増幅回路4により反転
増幅された信号を10分の1倍に減衰する。ミキサ回路
6は、アッテネータ5により減衰された信号と、入力信
号とを加算して出力する。ミキサ回路6は、22KΩの
抵抗61と22KΩの抵抗62を備える。抵抗61と抵
抗62の値が同じ22KΩなので、入力信号とアッテネ
ータ5からの出力信号とは、1:1の割合で加算され
る。抵抗62の値を44KΩとすれば、入力信号とアッ
テネータ5からの出力信号とは、2:1の割合で加算さ
れる。その結果、ミキサ回路6から出力される信号のノ
イズ低減量は、2分の1となる。即ち、ミキサ回路6の
抵抗61と抵抗62の値の比を変えることにより、ノイ
ズ低減量をどのようにするか調節することができる。こ
れは、後述する他の実施の形態におけるミキサ回路6の
場合も同様である。なお、説明を簡単にするため、ノイ
ズ+音声出力回路は、9KΩの出力インピーダンスを持
って図1の入力Aに接続されるものとする。
【0031】次に、図1に示したノイズ低減回路の動作
について説明する。入力信号がノイズだけの場合と、ノ
イズとノイズがのった音声信号との混合信号である場合
とに分けて説明する。始めに、ノイズだけが入力された
場合を図2を用いて説明する。図2のA,B,C,D
は、図1における点Aから点Dにおける信号の波形を示
す。図1におけるA点は、入力された信号である。この
場合、入力されたノイズの波形を図2のAに示す波形と
する。ノイズのレベルは、実効値で0.2Vrms(V
olt;Root Mean Square Valu
e)以下とする。図1におけるB点には、反転増幅回路
4の出力波形が現れ、図2のBとなる。B点の波形は、
A点の入力波形(ノイズの波形)がゲイン10倍で増幅
され位相反転された波形である。反転増幅回路4は、2
Vrmsで飽和し、増幅された信号は2Vrmsで振幅
制限される。しかし、ノイズは0.2Vrms以下なの
で、入力波形(ノイズの波形)がゲイン10倍で増幅さ
れても振幅に制限されない。図1におけるC点の波形
は、アッテネータ5の出力波形であり、図2のCのよう
になる。C点の波形はA点の波形がほぼ反転された波形
となる。その理由は、入力されたノイズ波形が反転増幅
回路4によりゲイン10倍で位相反転され、アッテネー
タ5により、10分の1に減衰されるためである。図1
におけるD点には、ノイズ低減回路の出力波形が現れ
る。D点において、出力はほぼ0となる。即ち、ノイズ
はキャンセルされる。A点における入力波形とC点にお
けるアッテネータ5の出力波形は、位相が逆で振幅が等
く、このA点における波形とC点における波形をミキサ
回路6で加算するため、ノイズはキャンセルされる。
【0032】図3は、ノイズとノイズがのった音声信号
から成る混合信号が入力された場合を示す。ノイズのレ
ベルは、0.2Vrms以下であるものとする。ノイズ
がのった音声信号の平均レベルは、平均0.5Vrms
であるものとする。図3のAが入力波形であり、区間
α、区間β、区間γに分けて説明する。区間αと区間γ
は、ノイズがのった音声信号の波形である。区間βは、
ノイズである。図3のBは、A点の入力波形が反転増幅
回路4により位相反転された波形である。反転増幅回路
4のゲインは10倍に設定してあるので、増幅された波
形が2Vrms以上のレベルに増幅されると飽和する。
そのため、図3に示すように、区間αと区間γでは、反
転増幅された波形は2Vrmsで振幅制限される。ノイ
ズのレベルは、0.2Vrms以下であるため、10倍
に反転増幅されても飽和限界のレベル2Vrms以下と
なるので、区間βに示すように、振幅制限はされない。
図3のCは、アッテネータ5の出力波形である。区間β
のノイズ波形は、A点の入力波形の区間βの波形とほぼ
同じで位相反転されたものある。区間αと区間γの波形
は、B点の区間αと区間γの波形をアッテネータ5によ
り、10分の1に減衰したものである。図3のDは、出
力波形である。区間βにおける出力レベルは、ミキサ回
路6でA点のノイズ波形とC点のノイズが反転された波
形とを加算したため、ほぼ0となる。即ち、区間βのノ
イズは、キャンセルされる。区間αと区間γは、A点に
おけるノイズがのった音声信号と、C点のアッテネータ
5で減衰された波形がミキサ回路6で加算された波形で
ある。そのため、区間αと区間γの出力波形は、A点に
示す入力波形からC点に示す振幅制限された結果の0.
2Vrmsで頭切れとなった波形が加算(位相が反転さ
れているため、結果として減算)されたものである。例
えば、入力信号のレベルが0.5Vrmsとする。この
入力信号に、C点の振幅制限された結果の波形のレベル
−0.2Vrmsを加算すると、 0.5−0.2=0.3 即ち、D点の波形のレベルは、入力波形の3/5とな
る。そのため、最終的な出力信号のレベルを入力信号の
レベルに合わせたい場合は、D点から出力された信号を
図示していない増幅回路により5/3倍に増幅する。以
上のように、この実施の形態は、混合信号が入力された
場合、ノイズのみの区間だけキャンセルされ、ノイズの
のった音声信号はほぼそのまま出力されることが特徴で
ある。
【0033】図4は、この実施の形態におけるノイズ低
減方法の処理の流れを表す図である。S2において、混
合信号が入力される。S4において、信号を反転増幅す
る。入力信号がノイズとノイズののった音声信号である
場合、反転増幅回路4のゲインが高いので、ノイズのの
った音声信号は振幅制限されて反転増幅される。ノイズ
は振幅制限を受けずに、反転増幅される。ステップS6
において、反転増幅された信号を減衰する。ステップS
8において、入力された信号と減衰された信号を加算す
る。ステップS10において信号を出力する。即ち、ス
テップS4は反転増幅工程である。ステップS6は減衰
工程である。ステップS8、ステップS10は信号加算
工程である。信号加算工程でノイズはキャンセルされ、
ノイズののった音声信号はほぼそのまま出力される。
【0034】以上のように、この実施の形態では、利得
の高い反転増幅回路4とアッテネータ5とミキサ回路6
とを備えたノイズ低減回路について述べた。ノイズを含
む混合信号を入力し、利得の高い反転増幅回路4とアッ
テネータ5を通して逆相信号を生成し、ミキサ回路6で
入力信号にその逆相信号を加算する。そのため、混合信
号の中でノイズのみの区間は、ノイズにノイズの逆相成
分が加算されるため、ノイズがキャンセルされる。ま
た、ノイズののった音声信号の部分は、反転増幅回路4
により増幅された逆相信号が生成されるが、反転増幅回
路4の利得が高いため振幅制限される。ノイズののった
音声信号は、反転増幅回路4により振幅制限された逆相
信号となることが特徴である。この振幅制限された逆相
信号がアッテネータ5に入力され、アッテネータ5によ
り減衰される。振幅制限されているため、アッテネータ
5から出力される信号は、入力信号(ノイズののった音
声信号)のレベルに比べ、逆相信号のレベルは低いもの
となる。ミキサ回路6により、入力信号(ノイズののっ
た音声信号)と逆相信号を加算しても、ノイズのように
キャンセルされることはない。但し、音声信号にのって
いるノイズはキャンセルできない。以上のように、この
実施の形態におけるノイズ低減回路は、音声信号とノイ
ズが混合して入力された場合、ノイズ区間のノイズを除
去することができる。例えば、携帯電話のマイクロフォ
ン装置にこのノイズ低減回路を組み込むことにより、マ
イクロフォンで話している間、背景ノイズをキャンセル
することができ、快適な通話状態とすることができる。
また、音声の頭切れのないノイズ低減回路及びノイズ低
減方法を得ることができる。また、高価な電子ボリュー
ムICを使う必要のないノイズ低減回路及びノイズ低減
方法を得ることができる。
【0035】実施の形態2.この実施の形態は、ノイズ
とノイズののった音声信号が入力された場合、ノイズか
ノイズののった音声信号かを区別することなく、入力信
号を一定の振幅とするオートレベルコントロール回路を
備えることを特徴とするノイズ低減回路について述べ
る。
【0036】図5は、この実施の形態におけるノイズ低
減回路のブロック図である。この実施の形態におけるノ
イズ低減回路は、図1のノイズ低減回路にAC(Alt
ernate Current)/DC(Direct
Current)変換回路7、トランジスタ8、フィ
ルタ9が加わったものである。また、反転増幅回路4a
の抵抗410は、6KΩである点が上記実施の形態にお
ける反転増幅回路4との違いである。フィルタ9は、2
7KΩの抵抗91と1μFのコンデンサ92から構成さ
れる。入力信号は、フィルタ9を通り反転増幅回路4a
に入力される。そのため、フィルタ9の抵抗91(27
KΩ)と反転増幅回路4aの抵抗410(6KΩ)か
ら、入力信号に対する反転増幅回路4aの出力点Bにお
ける信号の電圧利得は、 −330KΩ÷(27KΩ+6KΩ)=−10 となる。反転増幅回路4aから出力される信号は、入力
信号をゲイン10倍で位相反転し、増幅した信号とな
り、上記実施の形態で述べたノイズ低減回路と同じゲイ
ンとなる。
【0037】反転増幅回路4a、トランジスタ8、フィ
ルタ9、AC/DC変換回路7は、オートレベルコント
ロール回路21を構成する。AC/DC変換回路7は、
ダイオードと抵抗とコンデンサから構成される。AC/
DC変換回路7は、交流を直流に変換する。トランジス
タ8のベースは、AC/DC変換回路7の出力に接続さ
れる。トランジスタ8は、AC/DC変換回路7の出力
電圧によりフィルタ9をON/OFFするスイッチとし
て用いられる。フィルタ9は、トランジスタ8によりO
N/OFFされ、入力信号を減衰する。トランジスタ8
は、ベース電圧が0.6V以上か以下かで、フィルタ9
を瞬時にON/OFFする。そのためフィルタ9の制御
遅れによる入力信号の頭切れ、即ち、音声の頭切れがな
い。また、フィルタ9の抵抗91、コンデンサ92の値
の設定により、トランジスタ8でフィルタ9をON/O
FFするレベルの設定が容易に変更できる。即ち、オー
トレベルコントロール回路21でノイズをキャンセルす
るレベル設定を抵抗91、コンデンサ92の値により柔
軟に設定できる。オートレベルコントロール回路21
は、入力信号の振幅が変動してもB点からの出力信号の
振幅を一定に保つ。
【0038】アッテネータ5は、9KΩの抵抗51と、
1KΩの抵抗52とからなる。ミキサ回路6は、22K
Ωの抵抗61と22KΩの抵抗62からなる。抵抗61
と抵抗62の値が同じ22KΩなので、入力信号とアッ
テネータ5からの出力信号とは、1:1の割合で加算さ
れる。抵抗62の値を44KΩとすれば、入力信号とア
ッテネータ5からの出力信号とは、2:1の割合で加算
される。その結果、ミキサ回路6から出力される信号の
ノイズ低減量は、2分の1となる。即ち、ミキサ回路6
の抵抗61と抵抗62の値の比を変えることにより、ノ
イズ低減量をどのようにするか調節することができる。
なお、説明を簡単にするため、ノイズ+音声出力回路
は、9KΩの出力インピーダンスを持って図5の入力A
に接続されるものとする。
【0039】この実施の形態におけるノイズ低減回路の
動作について説明する。図6は、図5のA点からE点に
おける波形を示した図である。ノイズののった音声信号
とノイズからなる混合信号が入力される場合について説
明する。図5におけるA点の波形、即ち、入力波形を図
6のAに示す。区間α、区間γは、ノイズののった音声
信号の波形である。区間βは、ノイズの波形である。ノ
イズの信号レベルは、0.2Vrms以下であるものと
する。ノイズののった音声信号の平均レベルは、平均
0.5Vrmsであるものとする。図5のE点の波形
を、図6のEに示す。図6のEに示す波形は、入力され
た混合信号がフィルタ9を通過した後の波形である。オ
ートレベルコントロール回路21により、ノイズののっ
た音声信号とノイズの振幅は、ほぼ同レベルに調整され
る。即ち、区間αと区間γと区間βは、図6のEに示す
ようにほぼ同レベルとなる。また、Aの波形の区間βの
レベルとEの波形区間βのレベル比は、ほぼ1:2/1
1となる。図6のBの波形は、反転増幅回路4aの出力
波形である。B点における波形の振幅は、E点における
波形の振幅の55倍である。点Eにおける信号に対する
反転増幅回路4aの電圧利得は、 −330KΩ÷6KΩ=−55 となるためである。区間βにおけるノイズ波形に注目す
ると、A点におけるノイズレベルに対して、B点におけ
る反転増幅された振幅は10倍、即ち、±2Vrms以
内となる。区間α、区間γにおけるノイズののった音声
信号の場合は、オートレベルコントロール回路21によ
り、振幅が±2Vrmsの間に入るように減衰を受け
る。そのため、実施の形態1で述べたような±2Vrm
sでの飽和による振幅制限が起きない。もし、オートレ
ベルコントロール回路21の不具合により、振幅が±2
Vrms以内に減衰されなかった場合でも、実施の形態
1と同様オペアンプ430により±2Vrmsでの飽和
による振幅制限が起きる。図5におけるC点の波形は、
図6のCとなる。図6のCの波形は、アッテネータ5に
よりB点の波形を10分の1に減衰した波形である。区
間βのノイズ波形は、A点における区間βのノイズ波形
を位相反転したものであり、振幅はほぼ同じとなる。図
5におけるD点の波形は、図6のDとなり、ミキサ回路
6の出力波形である。区間βにおけるノイズは、キャン
セルされる。区間αと区間γのノイズののった音声信号
は、入力波形のほぼ3/5倍の振幅となる。なお、入力
信号がノイズだけの場合は、図2の説明と同様である。
【0040】この実施の形態におけるノイズ低減回路
は、上記実施の形態1で述べたノイズ低減回路にオート
レベルコントロール回路21を加えたものである。オー
トレベルコントロール回路21を追加したことにより、
出力信号の波形が上記実施の形態1の出力波形よりもき
れいになり、音の歪みが減少する。図7と図8を用い
て、この理由を説明する。図7は、実施の形態1で説明
した図1におけるノイズ低減回路の出力波形を説明する
図である。説明のために出力波形の一部を拡大して示
す。入力信号は、ノイズののった音声信号である。入力
波形を細線で示す。図で点線は、図3のCで示した±
0.2Vrmsで飽和した波形である。図1のノイズ低
減回路における出力波形、即ち、入力波形から±0.2
Vrmsで飽和した波形を加算した波形を一点鎖線で示
す。太線は、図1のノイズ低減回路における出力波形を
3分の5倍、即ち、一点鎖線の波形を3分の5倍増幅し
たものである。入力信号と比較するため、3分の5倍に
増幅する。図中○で囲んだ部分は、波形のとぎれた部分
である。このように、拡大すると図1におけるノイズ低
減回路の出力波形は歪んでおり、そのため、音の歪みが
生じる。
【0041】図8は、この実施の形態2におけるノイズ
低減回路の出力波形を説明する図である。細線は、入力
波形である。入力波形は、ノイズがのった音声信号であ
る。図中、点線は、図6のCの波形である。即ち、図5
におけるアッテネータ5の出力波形である。オートレベ
ルコントロール回路21によりノイズののった音声信号
を減衰しているので、波形が振幅制限されていない。一
点鎖線は、図5のノイズ低減回路の出力波形である。即
ち、入力波形と点線の波形を加算した結果である。入力
信号と同じ信号レベルに合わせるため、一点鎖線の波形
を3分の5倍増幅したものが、太線の波形である。図で
わかるように、太線の波形は、ほぼ入力波形と同じであ
る。また、図7に見られるような波形の切断がない。そ
のため、波形がきれいになり、音の歪みが減少する。
【0042】また、この実施の形態によれば、フィルタ
9の抵抗91、コンデンサ92の値の設定により、トラ
ンジスタ8でフィルタ9をON/OFFするレベルの設
定ができる。即ち、オートレベルコントロール回路21
でノイズをキャンセルするレベル設定を抵抗91、コン
デンサ92の値によりきめ細かく設定できることが特徴
である。
【0043】図9は、この実施の形態におけるノイズ低
減工程の処理の流れを表す図である。ステップS2にお
いて、混合信号が入力される。ステップS4において、
反転増幅信号をオートレベルコントロールし、オートレ
ベルコントロールされた信号を反転増幅する。ステップ
S4は、オートレベルコントロール工程である。オート
レベルコントロール工程の中に、反転増幅工程を含む。
ステップS6において、信号を減衰する。ステップS8
において、入力された信号と減衰された信号を加算す
る。ステップS10において、信号を出力する。ステッ
プS6は減衰工程である。ステップS8とステップS1
0は、信号加算工程である。
【0044】以上のように、この実施の形態におけるノ
イズ低減回路は、オートレベルコントロール回路21を
備えるため、ノイズ音声混合信号が入力された場合、ノ
イズと音声の区別なしでノイズ区間のノイズをキャンセ
ルし、ノイズののった音声信号はそのまま出力すること
ができる。即ち、背景ノイズを除去できるとともに、ま
た、ノイズののった音声信号の音の歪みが減少し、きれ
いな音質が得られる。また、トランジスタによりフィル
タを制御しているため、制御遅れによる音声の頭切れが
ない。また、電子ボリュームICを使う必要がないた
め、安価である。
【0045】実施の形態3.図10は、この実施の形態
におけるノイズ低減回路のブロック図である。図10
は、図5のAC/DC変換回路7を、片側増幅回路を用
いたAC/DC変換回路10に置き換えたものである。
片側増幅回路を用いたAC/DC変換回路10における
オペアンプ101は、プラス単電源で駆動する。片側増
幅回路を用いたAC/DC変換回路10に入力される波
形は、例えば、図6のBの波形である。片側増幅回路を
用いたAC/DC変換回路10は、B点のプラス側波形
だけを増幅し、抵抗とコンデンサにより平滑化して、交
流型の信号を直流信号に変換する。片側増幅回路を用い
たAC/DC変換回路10の出力電圧により、トランジ
スタ8がON/OFFされる。他の構成要素は、上記実
施の形態と同様であるので説明は省略する。また、この
実施の形態におけるノイズ低減回路の動作は、上記実施
の形態2と同様であるので説明は省略する。片側増幅回
路を用いたAC/DC変換回路10を用いることによ
り、上記実施の形態2で述べた性能はそのままで、回路
がより簡易になることがこの実施の形態におけるノイズ
低減回路の利点である。
【0046】実施の形態4.この実施の形態は、ノイズ
レベルの大きい帯域と小さい帯域で、別々にノイズ低減
量を設定しておき、帯域別にノイズ低減処理ができるノ
イズ低減装置について述べる。
【0047】図11は、この実施の形態におけるノイズ
低減装置のブロック図である。図11におけるノイズ低
減装置は、ハイパスフィルタ11、ローパスフィルタ1
2、ノイズ低減回路13を2回路、更に低域、高域を混
合する帯域混合回路14で構成される。ノイズ低減回路
13は、上記実施の形態1から3で説明したノイズ低減
回路のいずれかを用いる。入力信号は、ハイパスフィル
タ11とローパスフィルタ12を通る。ハイパスフィル
タ11を通過した高域信号とローパスフィルタ12を通
過した低域信号は、それぞれノイズ低減回路13でノイ
ズ低減される。ノイズ低減された高域信号と低域信号
は、帯域混合回路14で混合され、出力される。ノイズ
レベルの大きい帯域と小さい帯域で別々にノイズ低減量
を調節するということは、ハイパスフィルタ11に接続
されるノイズ低減回路13の中で設定するノイズ低減量
と、ローパスフィルタ12に接続されるノイズ低減回路
13の中で設定するノイズ低減量を、予め別々に設定す
ることである。ノイズ低減回路13の中でノイズ低減量
を設定するとは、図5を例にとるとミキサ回路6におい
て、抵抗61と抵抗62の値の比を調節することによ
り、ノイズ低減量を調節することである。例えば、ミキ
サ回路6における抵抗61と、抵抗62の値を共に22
KΩとすると、ノイズはキャンセルされる。しかし、抵
抗61を22KΩとし、抵抗62を44KΩとすると、
ノイズ低減量は2分の1となる。このように、ノイズ低
減回路の中のミキサ回路6の2つの抵抗の値を調整する
ことにより、ノイズ低減量を調整することができる。
【0048】図12は、この実施の形態におけるノイズ
低減方法の処理の流れを表す図である。ステップS22
において、混合信号が入力される。ステップS24にお
いて、入力された混合信号を低域フィルタに通す。ステ
ップS28において、低域フィルタを経た信号をノイズ
低減処理する。ステップS26において、入力された混
合信号を高域フィルタに通す。ステップS30におい
て、高域フィルタを経た信号のノイズ低減処理をする。
ステップS32において、ノイズ低減処理された高域信
号とノイズ低減処理された低域信号を混合する。ステッ
プS34において、信号を出力する。上記処理の流れに
おいて、ステップS24は、低域フィルタリング工程で
ある。ステップS26は、高域フィルタリング工程であ
る。ステップS28は、第1のノイズ低減工程である。
ステップS30は、第2のノイズ低減工程である。ステ
ップS32とステップS34は、帯域混合工程である。
【0049】ここで、例えば走行中の自動車内における
走行ノイズは、一般に、HOTHスペクトラム特性(ホ
ワイトノイズを−9dB/octのローパスフィルタに
通したものに相当)を持つので、低域成分が大きい。従
って、入力信号を低域成分と高域成分に帯域別に分離
し、低域成分はほぼ完全にノイズをキャンセルし、高域
成分は2分の1までキャンセルするよう設定する。
【0050】以上のように、本実施の形態では、ハイパ
スフィルタ11とローパスフィルタ12で入力信号を帯
域で分離することにより、ノイズレベルの大きい帯域
と、小さい帯域で別々にノイズ低減量を調整できるノイ
ズ低減装置について述べた。
【0051】実施の形態5.この実施の形態は、入力信
号をローパスフィルタを通過する信号と通過しない信号
に分け、別々にノイズ低減量を調整する場合について説
明する。この実施の形態におけるノイズ低減装置は、図
示していない高域強調処理を行うプリエンファシス回路
により、プリエンファシス(高域強調)処理された信号
を入力する場合に用いる。ローパスフィルタを通過する
信号と通過しない信号とを別々にノイズ低減処理を行
い、かつ、帯域混合回路での低域、高域の混合量調整に
よりディエンファシス処理することのできるノイズ低減
装置について述べる。
【0052】図13は、この実施の形態におけるノイズ
低減装置のブロック図である。図13におけるノイズ低
減装置は、ローパスフィルタ12、ノイズ低減回路13
を2回路、更に帯域別の信号を混合する帯域混合回路1
4で構成される。ノイズ低減回路13は、上記実施の形
態1から3で説明したノイズ低減回路のいずれかを用い
る。入力信号は、ローパスフィルタ12を通過し、ノイ
ズ低減回路13によりノイズ低減され、帯域混合回路1
4に入る。また、入力信号をそのままノイズ低減回路1
3に入力し、ノイズ低減し、帯域混合回路14に入力す
る。帯域混合回路14は、ローパスフィルタ12を通過
した信号と、通過しない信号を混合して出力する。2つ
のノイズ低減回路は、上記実施の形態で述べたように、
それぞれノイズ低減量を調節することができる。
【0053】図14は、この実施の形態におけるノイズ
低減方法の処理の流れを示す図である。ステップS22
において、混合信号が入力される。ステップS24にお
いて、低域フィルタを通す。ステップS28において、
低域フィルタを経た低域信号のノイズ低減処理をする。
ステップS30において、入力された混合信号のノイズ
低減処理をする。ステップS32において、ノイズ低減
処理された入力信号とノイズ低減処理された低域信号を
混合する。ステップS34において、信号を出力する。
上記処理の流れにおいて、ステップS24は、低域フィ
ルタリング工程である。ステップS28は、第1のノイ
ズ低減工程である。ステップS30は、第2のノイズ低
減工程である。ステップS32とS34は、帯域混合工
程である。
【0054】ここで、例えば、走行中の自動車内の走行
騒音などのノイズは、400〜500Hz以下の帯域で
レベルが高いので、プリエンファシス処理する。このプ
リエンファシス処理された信号が入力された場合、例え
ば、カットオフ周波数fc=1KHz,6dB/oct
のローパスフィルタ12を通し、ノイズ低減回路13で
低域騒音を低減する。低域信号と入力信号を別々にノイ
ズ低減処理を行う。かつ、ノイズ低減された低域と、ノ
イズ低減された帯域フィルタを通さない信号とを帯域混
合回路14で混合量調整により、ディエンファシス処理
する。ここで、ディエンファシス処理とは、入力信号は
プリエンファシス処理により高域強調されているので、
ノイズ低減された低域とノイズ低減された帯域フィルタ
を通さない信号とを混合することにより、先の高域強調
を相殺する処理である。これにより、自動車内走行騒音
などの低域騒音に対して、ノイズ低減処理を効果的に行
うことができる。
【0055】以上のように、本実施の形態では、プリエ
ンファシス処理された信号が入力された場合、ローパス
フィルタ12を通過する信号と通過しない信号で別々に
ノイズ低減量の調整を行い、帯域混合回路14によりデ
ィエンファシス量を調整できるノイズ低減装置について
述べた。
【0056】実施の形態6.この実施の形態は、複数の
バンドパスフィルタにより入力信号を帯域別に分離し、
ノイズレベルの大きい帯域と小さい帯域で、別々にノイ
ズ低減量を設定し、帯域別にノイズ低減処理ができるノ
イズ低減装置について述べる。
【0057】図15は、この実施の形態におけるノイズ
低減装置のブロック図である。図15におけるノイズ低
減装置は、複数のバンドパスフィルタ15、複数のノイ
ズ低減回路13及び帯域混合回路14で構成される。複
数のバンドパスフィルタ15それぞれにノイズ低減回路
13を接続し、各々のノイズ低減回路13から出力され
るノイズ低減された信号を帯域混合回路14で混合し出
力する。複数のノイズ低減回路13は、上記実施の形態
1から3で述べたいずれのノイズ低減回路でもよい。ま
た、上記実施の形態で述べたように、ノイズ低減回路1
3のミキサ回路6における2つの抵抗の値を調整するこ
とにより、ノイズ低減量を調整することができる。
【0058】図16は、この実施の形態におけるノイズ
低減方法の処理の流れを表す図である。ステップS22
において、混合信号が入力される。ステップS44にお
いて、帯域別の帯域フィルタを通す。ステップS46に
おいて、各帯域フィルタの出力毎にノイズ低減処理をす
る。ステップS48において、上記複数のノイズ低減処
理された信号を混合する。ステップS34において、信
号を出力する。上記処理の流れにおいて、ステップS4
4は、帯域フィルタリング工程である。ステップS46
は、ノイズ低減工程である。ステップS48,S34
は、帯域混合工程である。
【0059】以上のように、本実施の形態では、多数の
バンドパスフィルタ15で帯域を分離し、ノイズレベル
の大きい帯域と小さい帯域で、別々にノイズ低減量を設
定し、帯域別にノイズ低減処理ができるノイズ低減装置
について述べた。
【0060】実施の形態7.この実施の形態は、ノイズ
低減処理を行うことによる出力信号の歪みを減少するこ
とのできるノイズ低減装置について述べる。
【0061】図17は、この実施の形態におけるノイズ
低減装置のブロック図である。図17におけるノイズ低
減装置は、ローパスフィルタ12、ノイズ低減回路1
3、混合用抵抗16、帯域混合回路14で構成される。
図17のノイズ低減装置は、低域信号をノイズ低減した
場合、出力信号に歪みが生じることを防止するノイズ低
減装置である。入力信号からローパスフィルタ12によ
り低域信号が取り出され、ノイズ低減回路13によりノ
イズ低減され、帯域混合回路14に入力される。また、
ローパスフィルタ12により分離された低域信号は、混
合用抵抗16を介して帯域混合回路14に入力される。
また、入力信号は、ノイズ低減回路13によりノイズ低
減され、帯域混合回路14に入力される。帯域混合回路
14は、低域信号をノイズ低減した信号と、ノイズ低減
処理される前の低域信号と、入力信号をノイズ低減した
信号を混合し出力する。帯域混合回路14において、低
域信号をノイズ低減した信号と、ノイズ低減処理される
前の低域信号を加算しているため、出力信号に歪みが生
じることを防止することができる。
【0062】図18は、この実施の形態におけるノイズ
低減方法の処理の流れを示す図である。ステップS22
において、混合信号が入力される。ステップS24にお
いて、低域フィルタを通す。ステップS28において、
低域信号のノイズ低減処理をする。ステップS26にお
いて、入力された混合信号を高域フィルタに通す。ステ
ップS30において、高域信号のノイズ低減処理をす
る。ステップS32において、ノイズ低減処理された高
域信号と、ノイズ低減処理された低域信号とノイズ低域
処理されない低域信号を混合する。ステップS34にお
いて、信号を出力する。上記処理の流れにおいて、ステ
ップS24は、低域フィルタリング工程である。ステッ
プS26は、高域フィルタリング工程である。ステップ
S28は、第1のノイズ低減工程である。ステップS3
0は、第2のノイズ低減工程である。ステップS32と
ステップS34は、帯域混合工程である。
【0063】図17は、低域信号をノイズ低減処理した
場合に出力信号に歪みがあるのを防止する場合である
が、ハイパスフィルタを通過した高域信号をノイズ低減
処理し、その結果、出力信号に歪みの生じる場合は、ハ
イパスフィルタを通過した高域信号を混合用抵抗16を
通して帯域混合回路14で他の信号と混合することによ
り、歪みを減少させることができる。また、図15に示
したように、あるバンドパスフィルタ15を通過した信
号をノイズ低減処理し、その結果、出力信号に歪みの生
じる場合は、該バンドパスフィルタ15を通過した信号
を混合用抵抗16を通して、帯域混合回路14で他の信
号と混合することにより、歪みを減少させることができ
る。また、入力信号を帯域で分離していない場合は、ノ
イズ低減回路13でノイズ低減処理する前の入力信号
を、混合用抵抗16を通して帯域混合回路14により混
合することにより、歪みを減少させることができる。な
お、ノイズ低減処理する前の信号の混合量が大きいと、
ノイズ低減効果が小さくなるので、混合用抵抗16を2
70KΩ帯域混合回路14の各抵抗値を10KΩとして
いる。
【0064】以上のように、この実施の形態では、ノイ
ズ低減回路によりノイズ低減処理されることにより出力
に歪みの生ずる場合、ノイズ低減処理される前の信号を
出力信号に混合させることにより、歪みを減少させるこ
とのできるノイズ低減装置について述べた。
【0065】実施の形態8.この実施の形態は、上記実
施の形態で述べたノイズ低減回路に入力オーバ防止用リ
ミッター回路を付加したノイズ低減回路について述べ
る。
【0066】図19は、この実施の形態におけるノイズ
低減回路のブロック図である。図19は、図5あるいは
図10に示したノイズ低減回路に、リミッター回路17
が加わったものである。AC/DC変換回路は、図5で
述べたAC/DC変換回路7でもよいし、図10で述べ
た片側増幅回路を用いたAC/DC変換回路10でもよ
い。他の構成要素は、上記実施の形態で述べたものと同
様であるので説明は省略する。入力信号は、リミッター
回路17に入力される。リミッター回路17の出力信号
は、フィルタ9の入力となり、また、ミキサ回路6と入
力となる。リミッター回路17は、2.7KΩの抵抗1
71と、680Ωの抵抗172と、トランジスタ173
と、抵抗174、抵抗175から構成される。トランジ
スタ173のベースは、抵抗174を介しAC/DC変
換回路7(または10)と接続される。入力信号が、例
えば、1.5Vrms以上になれば、AC/DC変換回
路7(または10)により、トランジスタ173のベー
ス電圧が0.6Vに達し、トランジスタがONとなる。
そのため、リミッター回路17からの出力信号が、1.
5Vrmsを超えないよう、入力信号を減衰するように
動作する。
【0067】以上のように、この実施の形態は、リミッ
ター回路を備えることにより、入力信号の入力オーバを
防止することができる。また、入力オーバ防止用のリミ
ッター回路を備えたノイズ低減回路を、実施の形態4か
ら実施の形態7で述べたノイズ低減装置におけるノイズ
低減回路として用いてもよい。
【0068】実施の形態9.上記実施の形態で述べたノ
イズ低減回路及びノイズ低減装置は、携帯電話、電話、
マイクロフォン等、音声入力装置または音響入力装置に
組み込むことができる。図20(a),図20(b)
は、上記実施の形態で述べたノイズ低減回路及びノイズ
低減装置を組み込んだ通話機の外観図である。ノイズ低
減回路及びノイズ低減装置を通話機に組み込むことによ
り、言葉の合間のノイズがキャンセルされる。従来例の
ようにマイクロフォンで話している間、低減回路が作動
しないため、背景ノイズが残ってしまうという不快感が
ない。また、従来例では、入力信号を減衰させる目的
で、可変減衰器の減衰度をコントロールするためにコン
トロール電圧制御回路を用いていた。従来例1で述べた
ように、コントロール電圧制御回路でコントロール電圧
を、0ボルトから4.5ボルトまで上げるためには回路
の時定数があり、数十msecかかり、音声の頭切れが
生じた。上記実施の形態2と実施の形態3では、入力信
号を減衰させるために、ベース電圧が0.6V以上か以
下かでトランジスタ8をON/OFFさせ、フィルタ9
を瞬時にON/OFFする。従来例1でトランジスタ方
式を使うと、ON/OFF時にクリック音がして使えな
い。しかし、この発明のノイズ低減回路では、入力信号
とこれに対する逆相信号をミキサ回路6で加算するた
め、クリック音がない。このように、本発明のノイズ低
減回路では、従来例1に見られるような入力信号を減衰
させる低減回路の動作遅れによる音声の頭切れがない。
また、本発明のノイズ低減回路では、高価な電子ボリュ
ームICに代わって安価なトランジスタを利用すること
ができる。また、上記実施の形態1におけるノイズ低減
回路では、トランジスタ8及びフィルタ9を使用してい
ないので、音声の頭切れは生じない。
【0069】
【発明の効果】以上のように、この発明によるノイズ低
減回路は、ノイズを含む入力信号が入力されたとき、ノ
イズをキャンセルし、振幅が制限された反転増幅信号を
生成することにより、ノイズ以外の信号をほぼそのまま
出力することができる。
【0070】また、この発明によるノイズ低減回路は、
ノイズを含む入力信号が入力されたとき、ノイズ及びノ
イズ以外の入力信号の振幅を共に一定とした反転増幅信
号を生成することにより、ノイズとノイズ以外の信号を
区別することなくノイズをキャンセルし、ノイズ以外の
信号をほぼそのまま出力することができる。また、音質
の良い出力信号を得ることができる。
【0071】また、この発明によるノイズ低減回路は、
ノイズを含む入力信号が入力されたとき、ノイズ及びノ
イズ以外の入力信号の振幅をともに一定とした反転増幅
信号を生成することにより、ノイズとノイズ以外の信号
を区別することなくノイズをキャンセルし、ノイズ以外
の信号をほぼそのまま出力することができる。また、音
質のよい出力信号を得ることができる。また、これらの
効果を簡単な回路構成で得ることができる。
【0072】また、この発明におけるノイズ低減回路
は、入力オーバを防止することができる。
【0073】また、この発明によるノイズ低減装置は、
ローパスフィルタを通過する信号と通過しない信号で別
々にノイズ低減量を設定し、プリエンファシス処理され
た信号が入力されたとき、ローパスフィルタを通過する
信号と通過しない信号で別々にノイズ低減処理ができ、
かつ、帯域混合回路での混合量調整によりディエンファ
シス処理ができる。
【0074】また、この発明によるノイズ低減装置は、
ノイズレベルの大きい帯域と小さい帯域で別々にノイズ
低減量を設定することにより、帯域別にノイズ低減処理
をすることができる。
【0075】また、この発明によるノイズ低減装置は、
帯域別にノイズ低減量を設定することにより、帯域別に
ノイズ低減処理をすることができる。
【0076】また、この発明におけるノイズ低減装置に
よれば、出力信号の歪みを減少させることができる。
【0077】また、この発明によるノイズ低減方法は、
ノイズを含む入力信号が入力されたとき、ノイズをキャ
ンセルし、ノイズ以外の信号をほぼそのまま出力するこ
とができる。
【0078】また、この発明によるノイズ低減方法は、
ノイズを含む入力信号が入力されたとき、ノイズ及びノ
イズ以外の入力信号の振幅を共に一定とした反転増幅信
号を生成することにより、ノイズをキャンセルし、ノイ
ズ以外の信号をほぼそのまま出力することができる。ま
た、音質の良い出力信号を得ることができる。
【0079】また、この発明によるノイズ低減方法は、
ローパスフィルタを通過する信号と通過しない信号で別
々にノイズ低減量を設定し、プリエンファシス処理され
た信号が入力されたとき、ローパスフィルタを通過する
信号と通過しない信号で別々にノイズ低減処理ができ、
かつ、帯域混合回路での混合量調整により、ディエンフ
ァシス処理ができる。
【0080】また、この発明によるノイズ低減方法は、
ノイズレベルの大きい帯域と小さい帯域で別々にノイズ
低減量を設定することにより、帯域別にノイズ低減処理
をすることができる。
【0081】また、この発明によるノイズ低減方法は、
帯域別にノイズ低減量を設定することにより、帯域別に
ノイズ低減処理をすることができる。
【0082】また、この発明におけるノイズ低減方法に
よれば、出力信号の歪みを減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施の形態におけるノイズ低減
回路のブロック図である。
【図2】 図1のノイズ低減回路にノイズが入力された
場合の波形を示す図である。
【図3】 図1のノイズ低減回路に混合信号が入力され
た場合の波形を示す図である。
【図4】 図1に示すノイズ低減回路の処理の流れを表
す図である。
【図5】 この発明の一実施の形態におけるノイズ低減
回路のブロック図である。
【図6】 図5におけるノイズ低減回路に混合信号が入
力された場合の波形を示す図である。
【図7】 図1におけるノイズ低減回路の出力波形を説
明する図である。
【図8】 図5におけるノイズ低減回路の出力波形を説
明する図である。
【図9】 図5におけるノイズ低減回路の処理の流れを
表す図である。
【図10】 この発明の一実施の形態におけるノイズ低
減回路のブロック図である。
【図11】 この発明の一実施の形態におけるノイズ低
減装置のブロック図である。
【図12】 図11におけるノイズ低減装置の処理の流
れを表す図である。
【図13】 この発明の一実施の形態におけるノイズ低
減装置のブロック図である。
【図14】 図13におけるノイズ低減装置の処理の流
れを表す図である。
【図15】 この発明の一実施の形態におけるノイズ低
減装置のブロック図である。
【図16】 図15におけるノイズ低減装置の処理の流
れを表す図である。
【図17】 この発明の一実施の形態におけるノイズ低
減装置のブロック図である。
【図18】 図17におけるノイズ低減装置の処理の流
れを表す図である。
【図19】 この発明の一実施の形態におけるノイズ低
減回路のブロック図である。
【図20】 ノイズ低減回路、あるいはノイズ低減装置
を適用する通話機の外観図である。
【図21】 従来例1を説明するためのブロック図であ
る。
【図22】 従来例1におけるブロック図である。
【図23】 従来例1におけるブロック図である。
【図24】 図23におけるトランジスタのベース電圧
の閾値を示す図である。
【図25】 図23における可変減衰器(電子ボリュー
ムIC)の減衰量ボリュームコントロール電圧特性を示
す図である。
【図26】 従来例2におけるブロック図である。
【符号の説明】
1 アンプ、2 音声信号/ノイズ識別回路、3 可変
アッテネータ、4,4a反転増幅回路、5 アッテネー
タ、6 ミキサ回路、7 AC/DC変換回路、8,1
73トランジスタ、9 フィルタ、10 片側増幅回路
を用いたAC/DC変換回路、11 ハイパスフィル
タ、12 ローパスフィルタ、13 ノイズ低減回路、
14 帯域混合回路、15 バンドパスフィルタ、16
混合用抵抗、17 リミッター回路、410,42
0,51,52,61,62,91,171,172,
174,175 抵抗、430,101 オペアンプ、
92コンデンサ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03G 11/00 H03H 11/04 H04M 1/00

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ノイズとノイズののった音声信号とを含
    む入力信号を入力して、ノイズとノイズののった音声信
    号とを区別することなく、ノイズののった音声信号の振
    幅とノイズの振幅とを調整する、抵抗とコンデンサとを
    有するフィルタと、 上記フィルタから出力された 信号を入力して反転増幅し
    て振幅が制限された反転増幅信号を生成して出力する反
    転増幅回路と、 記反転増幅回路により出力された反転増幅信号を入力
    して減衰する減衰器と、 記入力信号と上記減衰器により減衰された信号とを加
    算して出力するミキサ回路と、 上記反転増幅回路から出力された反転増幅信号を入力し
    て交流成分を直流成分に変換して所定の出力電圧を出力
    する交流直流変換回路と、 上記フィルタに接続され、上記交流直流変換回路の出力
    をベースに入力して、上記交流直流変換回路からの出力
    電圧に基づいて上記フィルタをONとOFFとのいずれ
    かに切り替えるトランジスタ とを備え、 上記反転増幅回路と上記交流直流変換回路と上記トラン
    ジスタと上記フィルタとによりオートレベルコントロー
    ル回路を構成して、上記オートレベルコントロール回路
    により、上記フィルタに入力した入力信号に含まれるノ
    イズののった音声信号の振幅とノイズの振幅とを、略同
    一のレベルにするように調整するとともに、上記反転増
    幅回路による振幅の制限を受けないレベルに調整して、
    上記フィルタから出力することを特徴とするノイズ低減
    回路。
  2. 【請求項2】 上記交流直流変換回路は、片側増幅回路
    による交流直流変換回路であることを特徴とする請求項
    記載のノイズ低減回路。
  3. 【請求項3】 上記ノイズ低減回路は、更に、入力信号
    を減衰させ入力オーバひずみを防止する入力オーバ歪み
    防止回路を備えることを特徴とする請求項または
    ずれかに記載のノイズ低減回路。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のノイズ低減回路を以下の
    第1のノイズ低減回路と第2のノイズ低減回路として備
    え、以下の要素を備えるノイズ低減装置 (a)入力信号を入力し入力信号の低域周波数帯域の信
    号を通過させる低域フィルタと、 (b)上記低域フィルタを通過した信号を入力してノイ
    ズ低減する第1のノイズ低減回路と、 (c)上記入力信号を入力してノイズ低減する第2のノ
    イズ低減回路と、 (d)上記第1のノイズ低減回路を通過した信号と、上
    記第2のノイズ低減回路を通過した信号とを混合して出
    力する帯域混合回路。
  5. 【請求項5】 上記ノイズ低減装置は、更に、入力信号
    を入力して入力信号の高域周波数帯域の信号を通過させ
    る高域フィルタを備え、上記高域フィルタを通過した信
    号を上記第2のノイズ低減回路の入力信号とすることを
    特徴とする請求項記載のノイズ低減装置。
  6. 【請求項6】 以下の要素を備えるノイズ低減装置 (a)入力信号を入力し、入力信号からある周波数帯域
    の信号を通過させる複数の帯域フィルタ回路と、 (b)上記帯域フィルタ回路を通過した信号を入力し、
    ノイズを低減する請求項1記載の複数のノイズ低減回路
    と、 (c)上記請求項1記載の複数のノイズ低減回路を通過
    した信号を混合して出力する帯域混合回路。
  7. 【請求項7】 上記ノイズ低減装置は、更に、上記入力
    信号と任意のフィルタを通過した信号とのいずれかと各
    ノイズ低減回路を通過した信号とを混合して出力するこ
    とを特徴とする請求項4から6いずれかに記載のノイズ
    低減装置。
  8. 【請求項8】 所定の信号を入力して反転増幅し、振幅
    制限された反転増幅信号を生成して出力する反転増幅工
    を含み、ノイズとノイズののった音声信号とを含む入
    力信号を入力して、ノイズとノイズののった音声信号と
    を区別することなく、ノイズののった音声信号の振幅と
    ノイズの振幅とを略同一のレベルにするように調整する
    とともに、上記入力信号に含まれるノイズののった音声
    信号の振幅とノイズの振幅とを、上記反転増幅工程によ
    る振幅の制限を受けないレベルに調整して調整した信号
    を上記所定の信号として上記反転増幅工程に対して出力
    するオートレベルコントロール工程と、 記反転増幅工程により反転増幅された信号を減衰する
    減衰工程と、 記入力信号と上記減衰工程により減衰された信号
    加算して出力する信号加算工程とを備えることを特徴と
    するノイズ低減方法。
  9. 【請求項9】 請求項記載のノイズ低減方法を第1の
    ノイズ低減方法と第2のノイズ低減方法とし、以下の工
    程を備えるノイズ低減方法 (a)入力信号を入力し入力信号の低域周波数帯域の信
    号を通過させる低域フィルタリング工程と、 (b)上記低域フィルタリング工程を経た信号を入力し
    て第1のノイズ低減方法によりノイズ低減する第1のノ
    イズ低減工程と、 (c)上記入力信号を入力して第2のノイズ低減方法に
    よりノイズ低減する第2のノイズ低減工程と、 (d)上記第1のノイズ低減工程を経た信号と、上記第
    2のノイズ低減工程を経た信号とを混合して出力する帯
    域混合工程。
  10. 【請求項10】 上記ノイズ低減方法は、更に、入力信
    号を入力して入力信号の高域周波数帯域の信号を通過さ
    せる高域フィルタリング工程を備え、上記高域フィルタ
    リング工程を経た信号を上記第2のノイズ低減工程の入
    力信号とすることを特徴とする請求項記載のノイズ低
    減方法。
  11. 【請求項11】 以下の工程を備えるノイズ低減方法 (a)入力信号を入力し、入力信号からある周波数帯域
    の信号を通過させる複数の帯域フィルタリング工程と、 (b)上記帯域フィルタリング工程を経た信号を入力
    し、請求項記載のノイズ低減方法によりノイズを低減
    するノイズ低減工程と、 (c)上記複数のノイズ低減工程を経た信号を混合して
    出力する帯域混合工程。
  12. 【請求項12】 上記ノイズ低減方法は、更に、上記入
    力信号と任意のフィルタリング工程を経た信号とのいず
    れかと各ノイズ低減工程を経た信号とを混合して出力す
    ることを特徴とする請求項8から11いずれかに記載の
    ノイズ低減方法。
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