JP3325549B2 - 免震アイソレータ及びこれを用いた建築構造 - Google Patents

免震アイソレータ及びこれを用いた建築構造

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明英 中山
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、構造物用免震アイ
ソレータに係り、火災発生時の対策を施した免震アイソ
レータに関する。
【0002】
【従来の技術】現在、中高層建物の免震アイソレータと
して最も普及しているのが積層ゴムアイソレータであ
る。この積層ゴムアイソレータは一般にゴムシートと鋼
板とを交互に積層して、両端面をフランジで狭持すると
いう構造からなっている。免震アイソレータの機能か
ら、このゴムシートには、建築物自体の重量を支持す
る、また、地震時においては地面と水平方向の揺れ振動
に応じて水平変形するという所定の力学的な特性に加え
て、光、熱、ガス等に対する耐久性が要求される。特に
ゴムは可燃性であるため、火気に対しては十分な対策が
必要とされている。
【0003】また、ここでいう水平変形とは、地震によ
り免震アイソレータ下方から伝播する揺れ振動と、建物
の慣性力により発生する旋断応力によって、ゴム板が水
平方向に変形することである。
【0004】免震アイソレータは中高層建物に使用する
場合、地下の基礎部分に設置すると、地震時に水平変形
して端部が大きく変位するするため、建物とその廻りの
土留め擁壁との間には、水平変位以上のクリアランスを
必要とする。また、建物下部の免震アイソレータを支持
するための基礎及び地中梁をその下部に設けなければな
らないため、根切りを深く必要とするので、設計や建築
工事に手間を要する。
【0005】そこで、建物の一階や地下が駐車場又は倉
庫等である場合は、その階の梁と柱の間に免震アイソレ
ータを設置する方法が一般的となっている。
【0006】免震アイソレータを設置する階において耐
火上の対策が施されていない場合には、駐車場や倉庫等
の生活空間に利用することができないため、免震アイソ
レータを建物の火災から防護するための提案もなされて
いる。
【0007】図5に免震アイソレータの保護装置の従来
例の部分断面図を示す。免震アイソレータ20は、柱2
4と梁25の間に設置され、それぞれ円形の上部フラン
ジ20aと下部フランジ20bの間に、鋼板21とゴム
板22を交互に積層した構造であり、鋼板21及びゴム
板22を完全に被覆する耐火被覆23を取り付け、更に
その周囲を保護カバー24で完全に覆う構造となってい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】この構造によると、免
震アイソレータ20を耐火被覆23や保護カバー24で
被覆しない場合と比較して防火性は向上するが、耐火被
覆23、保護カバー24及び水平変形を生ずる分のクリ
アランスCを必要とし、且つメンテナンス性に問題があ
る。
【0009】本発明は、余分なクリアランスを必要とせ
ず、且つメンテナンス性の優れた免震アイソレータを提
供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明の免震アイソレータは上部構造体と下部構造
体との間に介設され、ゴム板と不燃性剛板を交互に積層
してなる免震アイソレータであって、前記ゴム板内部に
形成された貫通孔内に、不燃性の支承剛板を1枚または
複数枚重ねて設置し、前記支承剛板の上面と前記不燃性
剛板の下面との間にクリアランスを形成したことを特徴
とする。
【0011】このような構造とすることにより、万一火
災が発生してゴム板が焼失したとしても、貫通孔内に設
置した不燃性の支承剛板によって鉛直方向の荷重を継続
支承することが可能となるので、免震アイソレータ周縁
部に耐火被覆や保護カバーを形成する必要性がない。従
って、従来の免震アイソレータの場合のように余分なク
リアランスを必要とせずに、メンテナンス性も向上す
る。また、被災後は免震アイソレータを容易に健全なも
のに交換することが可能である。
【0012】前記支承剛板としては、鋼板または鋼板に
摩擦係数軽減用の表面処理を施した表面処理鋼板もしく
はステンレス鋼板のいずれかを用いることができる。と
くに、鋼板に例えばテフロン加工のような表面処理を施
すことによって、鋼板の摺動効果を増加させることがで
きる。また、ステンレス鋼板の場合は、表面処理を施さ
なくても研磨加工だけで摺動効果を増加させることがで
きる。
【0013】上記免震アイソレータは、構造物のいずれ
かの階層であって、梁と梁の間、梁と柱の間、柱の中間
部、柱の脚部のいずれかに設置することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1は本発明の実施形態における
免震アイソレータを梁と柱の間に設置した状態を示す部
分断面図であり、図2(a)は免震アイソレータの斜視
図、(b)は組み立て手順を示す分解斜視図である。
【0015】免震アイソレータ1は、それぞれ円形の上
部フランジ10aと下部フランジ10bの間に、中間鋼
板11とゴム板12を交互に積層し中心を揃えて加硫接
着した構造である。尚、本実施形態では加硫接着した構
造としているが、冷間固着する場合もある。
【0016】ゴム板12は、原料ゴムに充填材等を混入
した後に練り合わせて圧延され、このあと、所定の直径
に打ち抜かれてゴム板ができあがる。このとき、ゴム板
中心部に円形の貫通孔15を形成する。この貫通孔15
に支承鋼板13を挿入する。
【0017】支承鋼板13は、3枚重ねた状態の厚さが
ゴム板12の厚さより約1mm程度小さくする。つま
り、支承鋼板13の上面と中間鋼板11の下面との間に
約1mmのクリアランスを形成する。
【0018】また、中間鋼板11は、機械加工によって
形成後、ショットブラストにより表面処理加工する。
【0019】図2に示すように、上部フランジ10a及
び下部フランジ10bの間に、中間鋼板11及び3枚の
支承鋼板13を挿入したゴム板12の順に交互に積層
し、積層体を形成する。その積層体を上下方向よりプレ
ス加工を施すことによって、免震アイソレータ1が形成
される。
【0020】図3は3枚の支承鋼板を使用した免震アイ
ソレータの断面構造を示す図であり、(a)は通常の状
態を示す図、(b)は地震時の状態を示す図である。
【0021】免震アイソレータ1の通常の状態は図3
(a)に示すように上下フランジ10a,10bの間
に、中間鋼板11及び3枚の支承鋼板13を挿入したゴ
ム板12を交互に積層した状態で垂直方向に静止してい
る。この免震アイソレータ1は、地震時には同図(b)
のように、ゴム板12が水平変形し、地震の揺れ振動を
吸収する構造となっている。このとき、支承鋼板13と
ゴム板12の間に1mm程度のクリアランスがあるの
で、支承鋼板13は上面の中間鋼板11と接触すること
がなく、ゴム板12は自由に水平方向に変形する。
【0022】さらに、3枚の支承鋼板13には摩擦抵抗
を軽減するために表面処理加工を施しているので、ゴム
板12の変形に応じて摺動することが可能であり、地震
の振動に対して水平変形するゴム板12の変形を妨げる
ことが少ない。なお、支承鋼板13としてステンレス鋼
板を使用する場合は、表面の摩擦抵抗が少ないので、表
面処理加工を施さなくてもよい。
【0023】各支承鋼板13とその直上面の中間鋼板1
1の間には約1mmのクリアランスがあるので、万一火
災によりゴム板12が焼失した場合でも、免震アイソレ
ータ1は全体として約10〜20mm程度の厚さの減少
にとどまるだけで、この状態で上部構造の崩落を支える
ことができる。
【0024】図4は1枚の支承鋼板を使用した免震アイ
ソレータの断面構造を示す図であり、(a)は通常の状
態を示す図、(b)は地震時の状態を示す図である。
【0025】図4(a),(b)に示すように、1枚の
支承鋼板14を用いたとしても、中間鋼板11下部と支
承鋼板13上部間の約1mm程度のクリアランス、及
び、ゴム板12の貫通孔内周部と支承鋼板13の外周部
間のクリアランスを形成することで、ゴム板12の水平
変形を妨げることはない。
【0026】ここで、支承鋼板13を複数枚重ねた場合
と支承鋼板14を1枚とした場合では水平変形による支
承鋼板の挙動が異なる。支承鋼板13が複数枚の場合
は、ゴム板12の水平変形の場合、支承鋼板13の水平
変位に対する抵抗が小さく、変形に追随しやすいことか
ら、ゴム板12の厚さが厚く大径の免震アイソレータ1
には複数枚の支承鋼板13を使用するのがよい。これに
対して、1枚の支承鋼板14を使用した場合は支承鋼板
14の水平変位に対する抵抗が大きく、変形に追随しに
くいことから、ゴム板12の厚さが薄く小径の免震アイ
ソレータ1には1枚の支承鋼板14を使用することもで
きる。
【0027】
【発明の効果】ゴム板と不燃性剛板を交互に積層した免
震アイソレータのゴム板内部に形成された貫通孔内に、
不燃性の支承剛板を1枚または複数枚重ねて設置した構
造とすることにより、万一火災が発生してゴム板が焼失
したとしても、貫通孔内に設置した不燃性の支承剛板に
よって鉛直方向の荷重を継続支承することが可能となる
ので、免震アイソレータ周縁部に耐火被覆や保護カバー
や耐火被覆を形成する必要性がない。従って、従来の免
震アイソレータの場合のように余分なクリアランスを必
要とせずに、メンテナンス性が向上し、また、被災後は
免震アイソレータを容易に健全なものに交換することが
可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態における免震アイソレータ
を柱に設置した状態を示す一部断面図である。
【図2】 (a)は免震アイソレータの斜視図、(b)
は組み立て手順を示す分解斜視図である。
【図3】 3枚の支承鋼板を使用した免震アイソレータ
の断面構造を示す概略図であり、(a)は通常の状態を
示す図、(b)は地震時の状態を示す図である。
【図4】 1枚の支承鋼板を使用した免震アイソレータ
の断面構造を示す概略図であり、(a)は通常の状態を
示す図、(b)は地震時の状態を示す図である。
【図5】 免震アイソレータの保護装置の従来例を示す
一部断面図である。
【符号の説明】
1 免震アイソレータ 10a 上部フランジ 10b 下部フランジ 11 中間鋼板 12 ゴム板 13,14 支承鋼板 15 貫通孔 16 柱 17 梁

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上部構造体と下部構造体との間に介設さ
    れ、ゴム板と不燃性剛板を交互に積層してなる免震アイ
    ソレータであって、前記ゴム板内部に形成された貫通孔
    内に、不燃性の支承剛板を1枚または複数枚重ねて設置
    、前記支承剛板の上面と前記不燃性剛板の下面との間
    にクリアランスを形成したことを特徴とする免震アイソ
    レータ。
  2. 【請求項2】 前記支承剛板が、鋼板または鋼板に摩擦
    係数軽減用の表面処理を施した表面処理鋼板もしくはス
    テンレス鋼板のいずれかである請求項1記載の免震アイ
    ソレータ。
  3. 【請求項3】 構造物のいずれかの階層であって、梁と
    梁の間、梁と柱の間、柱の中間部、柱の脚部のいずれか
    1箇所以上に請求項1または2記載の免震アイソレータ
    を設置したことを特徴とする建築構造。
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