JP3324971B2 - 低次高調波振動抑圧圧電振動子の製造方法 - Google Patents

低次高調波振動抑圧圧電振動子の製造方法

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JP3324971B2 JP30941397A JP30941397A JP3324971B2 JP 3324971 B2 JP3324971 B2 JP 3324971B2 JP 30941397 A JP30941397 A JP 30941397A JP 30941397 A JP30941397 A JP 30941397A JP 3324971 B2 JP3324971 B2 JP 3324971B2
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僖良 中村
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は低次高調波振動(ハ
ーモニック振動、オーバートーン振動とも云う)を抑圧
した水晶振動子に関し、特に主電極部のQ値(Q1)と
副電極部のQ値(Q2)との比に1を加えた値を抑圧度
とし、該抑圧度を用いて主電極と副電極の間隙を決めて
低次高調波振動を発振回路の発振限界以下に劣化させた
低次高調波振動抑圧水晶振動子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より水晶振動子は、小型、周波数の
高精度、高安定性等の優れた特性のため、通信機器をは
じめとして産業機器から民生機器に至るまで広く用いら
れている。近年、移動体通信における使用周波数の高周
波化およびコンピュータのクロック周波数の高周波化に
伴い、高調波(オーバートーン)水晶振動子が多く使用
されるようになってきた。高調波水晶振動子を用いて所
望の高周波発振を得るには、所望の高調波振動より低次
の高調波(基本波を含む)振動で、発振が起こらないよ
うに回路側にコイルを入れる方法や回路定数を特別な値
に設定する方法などの工夫が必要になる。この不便を改
善するために、低次の高調波振動の共振レスポンスを抑
圧した高調波水晶振動子がいくつか提案されている。本
発明者の一人は、特公平4−76527に開示したよう
に、主電極の近傍の両側に間隙を置いて副電極を設け、
この間隙を適切に選ぶことにより所望の高調波振動の振
動エネルギーを主電極に十分に閉じこめると共に、低次
の高調波振動の振動エネルギーを前記間隙部を介して副
電極側に進行波として伝搬させることにより、低次高調
波振動の共振レスポンスを抑圧できることを示した。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
低次高調波振動を抑圧した振動子において、水晶振動子
の大きさを小型化すべく主電極の近傍の両側に配置した
副電極を小さくすると、低次高調波(基本波も含む)振
動の抑圧が不十分になり、その周波数において発振器の
発振限界以下に十分に抑圧するためには、振動子の試作
を何回も繰り返し、低次高調波振動の抑圧に必要なデー
タを取得するのに多くの工数と多大費用がかかるという
問題があった。本発明は上記問題を解決するためになさ
れたものであって、低次高調波振動を容易に抑圧した水
晶振動子を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1記載の発明は、圧電基板のほぼ中央の上下面
に1対の対向する主電極を配置し、主電極の近傍の両側
に間隙をあけ対向する副電極を設けると共に該副電極に
よる振動強度を劣化させるため、振動エネルギー吸収物
を塗布した振動子の製造方法であって、該振動子の電気
的等価回路を主電極による直列共振回路(L1、C1、R
1)に、副電極と振動吸収物による直列共振回路(L2
2、R2)と主電極と副電極との結合を表す結合容量
(Ck)を並列接続した回路を、直列接続した結合回路
で表し、主電極による直列共振回路と結合容量からなる
直列回路のループ周波数と、副電極による直列共振回路
と結合容量からなる直列回路のループ周波数とがほぼ一
致するように構成したことを特徴とする低次高調波振動
抑圧圧電振動子の製造方法である。請求項2記載の発明
は、前記等価回路で、抑圧すべき低次高調波振動におけ
る主電極部のQ値をQ1、吸収物を含む副電極部のQ値
をQ2、抑圧度RhをRh=1+Q1/Q2とし、結合容量
k
【0005】
【数25】
【0006】とするとき、主電極及び副電極の寸法及び
それらの周波数低下量とから前記主電極と前記副電極と
の間隙を、主電極から見た入力インピーダンスの機械系
部分Zに基づいて設定したものであることを特徴とす
る低次高調波振動抑圧圧電振動子の製造方法である。請
求項3記載の発明は、前記主電極による直列共振回路と
結合容量とからなる直列回路のループ周波数を正規化し
た値と前記副電極による直列共振回路と結合容量からな
る直列回路のループ周波数を正規化した値との差を±4
×10‐4以内に設定したことを特徴とする請求項1ま
たは2記載の低次高調波振動抑圧圧電振動子の製造方法
である。請求項4記載の発明は、所望の高調波を選択的
に発振すべく前記抑圧度Rhを所望の高調波の次数nの
3乗倍以上とすることにより低次高調波振動の等価抵抗
を抑圧したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか
に記載の低次高調波振動抑圧圧電振動子の製造方法であ
る。
【0007】
【発明の実施の形態】以下本発明を図面に示した実施の
形態に基づいて詳細に説明する。まず、低次高調波振動
を抑圧する水晶振動子の構成の一例の断面図を図1に示
す。圧電基板1のほぼ中央の上下面に1対の対向する主
電極2a、2bを配置すると共に、主電極2a、2bの
近傍の両側に間隙gをあけ、対向する副電極3a、3b
を設ける。更に、副電極3a、3bに機械的に振動エネ
ルギーを吸収する物体4、例えば導電性塗料を塗布す
る。図1の構造の水晶振動子で、主電極2a、2bから
見て図中中央から右或いは左半分を集中定数等価回路で
表すと、周知のように図2(a)のよう表せる。この等
価回路でL1、C1、R1は主電極部2a、2bの機械的
共振を表し、L2、C2、R2は副電極部の機械的共振を
表している。また、容量C0は駆動部である主電極2
a、2bの静電容量であり、容量Ckは主電極部2a、
2bと副電極部3a、3bとの音響結合を表している。
抵抗R2は主として振動エネルギー吸収物4からなる機
械的抵抗である。図2(a)が解析すべき一般形であ
り、抑圧すべき低次ハーモニック振動の周波数におい
て、図2(b)の端子a−a’から見た抵抗を最大にす
ることが、低次高調波振動を最も良く抑圧することにな
る。簡単にするために端子b−b’から見た抵抗を求め
ることにするが、一般性は失われない。
【0008】図2(b)の等価回路の入力インピーダン
スZinを求める場合、素子値の自由度は合計7となる。
ここで、図2(b)の一次側の抵抗R1で全ての定数を
基準化すると、図2(c)に示すように自由度は6個と
なる。同図(c)の一次側(l1、c1、r1)及び二次
側( l2、c2、r2)の直列アームのインピーダンスz
si(i=1、2)は抑圧すべき低次高調波振動の共振点
近傍で次式で近似できる。
【0009】
【数1】
【0010】ただし
【0011】
【数2】
【0012】
【数3】
【0013】結合容量ckも含めた二次側のインピーダ
ンスz2は、抑圧すべき低次高調波振動の共振点近傍で
次式のようになる。
【0014】
【数4】
【0015】ここで
【0016】
【数5】
【0017】従って図2(c)の全体のインピーダンス
inは次の式で表される。
【0018】
【数6】
【0019】図2(c)において、音響結合を介して一
次側と二次側の2つの周波数が一致する時、その間をエ
ネルギーが最も効率よく流れ、低次高調波振動が最も良
く抑圧されることになる。ここで、まず、結合容量ck
による直列アームの共振周波数の上昇の度合いを求め
る。図2(c)のzinが最大になるためには、図3に示
す回路の結合容量ckによって結合された2つのループ
周波数ωa1、ωa2が一致して、一次側から二次側にエネ
ルギーが流れる必要がある。2つのループ周波数ω
ai(i=1、2)は損失を無視すると次式で与えられ
る。ここで、ループ周波数とは主電極による直列共振回
路(L1、C1、R1)と結合容量Ckからなる直列回路の
共振周波数と、副電極による直列共振回路(L2、C2
2)と結合容量Ckからなる直列回路の共振周波数のこ
とであり、図2(c)のように正規化した等価回路の場
合、図3に示すようにl1、c1、r1、Ckからなる直列
回路の共振周波数ωa1、及びl、c、r、Ck
からなる直列回路の共振周波数ωa2のことをそれぞれル
ープ周波数と呼んでいる。
【0020】
【数7】
【0021】従って、直列アームの共振周波数を基準に
したループ周波数の上昇分δaiは近似的に次式で与えら
れる。
【0022】
【数8】
【0023】ここで、周波数を測る変数として次式によ
り定義される値を用いることにする。
【0024】
【数9】
【0025】この値は数8の周波数にそれぞれの直列ア
ームのQ値を乗じたものである。数8の周波数も直列ア
ームのQ値ももともと無次元の値であるが、このように
するとその計測尺度が単位量、即ち1に近い値となり便
利である。数9に示すように各アームのループ周波数が
上昇するので、直列共振周波数を基準とするために次式
を導入する。
【0026】
【数10】
【0027】
【数11】
【0028】次に2つの周波数を一致させるために数1
0、数11の両式とも同じ尺度δ2で表すために、数1
0をQ2、γ2で表し、更に、図3の一次側と二次側の周
波数を一致させるためにδ1=δ2とすると、次式が得ら
れる。
【0029】
【数12】
【0030】数11と数12とを数6に代入し、更に、
周波数の基準として二次側のループ周波数(反共振周波
数)δa2を基準にとると、全体のインピーダンスは次式
のようになる。
【0031】
【数13】
【0032】ここで、
【0033】
【数14】
【0034】
【数15】
【0035】この数13が、図3の等価回路で一次側と
二次側が結合状態にある場合の入力端子から見たインピ
ーダンス特性を表す式である。最初に、主電極2a、2
bの共振アームと副電極3a、3bの共振アームが結合
した場合を調べてみる。そこで、数13において、パラ
メータfm=Q2/γ2の値としてそれぞれ0.1、1、
10とした場合のアドミッタンス円線図を数値計算した
ものが図4(a)、(b)、(c)である。他のパラメ
ータは抵抗比kr、インダクタンス比kl共に1にえらん
でいる。図4(a)は結合容量ckが大きい場合の例で
あり、図2(c)の等価回路で結合容量ckが大きく、
この部分が短絡されていて、一次側のみの回路が示す共
振特性の場合と似ている。また、図4(b)は図2
(c)の等価回路で結合容量ckがある特定の場合で、
円線図がハート型を呈しており、座標(0.5,0)の
点が円線図の窪み点であることがその特徴である。図4
(c)は結合容量ckが小さい場合の例で、図2(c)
の等価回路で結合容量ckの部分が開放されていて、一
次側と二次側の直列回路のみが示す共振特性に近い特性
となっている。なお、アドミッタンス円の直径としては
一次側と二次側との抵抗値の和で決まる直径に近い値に
なっている。図4から分かるように結合状態のアドミッ
タンス円線図はfmの値により、大きくその様相が変わ
ることが分かる。
【0036】数13の数値計算の結果、図2(c)の等
価回路で結合容量をckを特定の値に選ぶことによりハ
ート型を呈することが分かった。このハート型を呈する
結合容量ckの値は、短絡でも開放でもなくその中間の
値となり、円線図がこのハート型の状態を呈する場合が
低次高調波振動の抑圧の目処となる。そこで、このハー
ト型の状態が起こる図2(c)の回路のパラメータの条
件を求めてみる。このハート型の窪み点では横軸コンダ
クタンスに対する縦軸サセプタンスの傾きが零になって
いるので、この傾き零の条件を求める。数13の実数成
分をR、虚数成分をXとすると次式を得る。
【0037】
【数16】
【0038】
【数17】
【0039】ここで
【0040】
【数18】
【0041】
【数19】
【0042】図4のアドミッタンス円線図は抵抗分Rの
逆数Gを横軸に、リアクタンスXの逆数Bを縦軸に、t
を周波数パラメータとして、その軌跡を図示したもので
あるので、円線図がハート型を呈する場合、その窪み点
で円線図の微係数は零となる。このハート型となる条件
を求めるには、アドミッタンス円線図の代わりにインピ
ーダンス円線図を用いても同様であるので、次式を求め
ればよいことになる。
【0043】
【数20】
【0044】数20を求めるには、数16、数17が数
18で表されるtに関して連続で微分可能であるので、
次式を求めればよいことになる。
【0045】
【数21】
【0046】従って、数21に数17を代入し、更に、
円線図が呈するハート型の状態は二次側の反共振周波数
で起こっていることを考慮して、次式を得る。
【0047】
【数22】
【0048】これが円線図のハート型状態を与える条件
である。次にこの状態で、抑圧すべき低次高調波振動の
窪み点における抵抗値Rhを求める。数22を数16に
代入して次式が得られる。
【0049】
【数23】
【0050】これは次式のように書き換えられる。
【0051】
【数24】
【0052】この数23、数24が抑圧度Rh、即ち抑
圧すべき低次高調波振動の抑圧度合いを表している。数
23から分かるように、抑圧度Rhは、副電極3a、3
bの等価抵抗値r2と主電極2a、2bの等価抵抗値r1
との比を、副電極3a、3bの等価インダクタンスl2
と主電極2a、2bの等価インダクタンスl1との比で
除したものに1を加えたものである。また、数24から
分かるように、抑圧度Rhは、主電極2a、2bのQ値
(Q1)と副電極3a、3bのQ値(Q2)との比に1を
加えたものとしても表される。ここで、特に着目すべき
点は抑圧すべき高調波振動においては、主電極2a、2
bのQ値( Q1)は大きく、副電極3a、3bのQ値
( Q2)は小さくすることが、低次高調波振動の抑圧の
最適条件であることである。また、数15、数19、数
22および数23より、結合容量ckを求めると次式の
ようになる。
【0053】
【数25】
【0054】この式により抑圧度Rhと結合容量ckを結
びつけることが可能となる。即ち、図2の等価回路の結
合係数kは周知のようにk2=c12/ck 2で表すこと
できる。また、主電極2a、2b、副電極3a、3bの
電極寸法、両電極間の間隙及び周波数低下量とから周知
のモノリシック・フィルタの設計手段を用いると、結合
の結果生ずる2つの共振周波数fs、faより、上記の
結合係数kはk2=(fa−fs)2/(fs・fa)と
なり、ckと両電極間の間隙gを結びつけることができ
る。
【0055】一例を挙げると、抑圧度Rhを101、主
電極2a、2bのQ値を50,000とすると、数24
より副電極3a、3bのQ値としてQ2=500を得
る。円線図がハート型となる条件は数22である。該式
の右辺のklは副電極3a、3bのインダクタンスl2
主電極2a、2bのインダクタンスl1との比、即ちkl
=l2/l1であるから、数22よりQ2/γ2=fmから
γ2が求まり、γ2=ck/c2よりckが求まり、周知の
モノリシック・フィルタの設計手段から主電極2a、2
bと副電極3a、3bの間隙が求まることになる。
【0056】更に、二次側の反共振周波数以外の所でど
のような抑圧度になるかを検討してみる。図5(a)に
l=0.1、kr=1の場合のアドミッタンス円線図を
示す。数13dのfmとインダクタンスklの関係が数2
2を満たすと窪み点が得られ、アドミッタンス円線図が
小さくなり、抑圧されることが分かる。また、図5
(b)はこのアドミッタンス円線図の横、縦軸を数23
の値だけ拡大し、この窪み点が図4(b)の横軸と同じ
座標(0.5,0.0)になるように基準化したもので
ある。この図はパラメータとして抑圧度が11の場合を
示しているが、この窪み点以外の所でも、抑圧後の形状
は図4(b)に似ており、窪み点で基準化した場合、図
4(b)に比べてアドミッタンス増加分、抑圧度の劣化
分はわずかである。一般に、この劣化の程度は高々2倍
位にしか劣化しない。従って、この分を見越して抑圧度
を設定すれば、数23、数24を用いてよいことにな
る。
【0057】図6は、図3における一次側の共振周波数
ωa1と二次側の共振周波数ωa2を僅かにずらした場合、
入力端子からみたアドミッタンス円線図をシュミレーシ
ョンしたものである。水晶振動子の小型化を想定して副
電極3a、3bの面積を半分にし、主電極2a、2bと
副電極3a、3bのインダクタンスの比k1を2として
いる。その他のパラメータは比抵抗krを100、fm
0.7とし、周波数のずれ量(数26で表す)は0.
4、0.2、0.1とした。周波数ずれの無い場合、即
ち0.0の場合も付け加えた。図6から最適抑圧点の2
倍(抵抗表示で1/2)まで抑圧の劣化を許した場合の
周波数ずれは
【0058】
【数26】
【0059】である。従って、Q2=500程度なら
【0060】
【数27】
【0061】以内に合わせ込めば、最適抑圧からの劣化
は2倍以内となる。以上のように設定すれば、抑圧度R
hとして101倍が得られることが分かった。次に、前
記抑圧度Rhが副電極3a、3bの電極膜厚他を調整す
ることなく実現できるか検討してみる。抑圧すべき低次
高調波振動において、主電極2a、2bのQ1値を5
0,00以上、副電極3a、3bの値Q2を500以下
にすることは通常の手段で実現可能である。また、この
最適抑圧の主電極2a、2bと副電極3a、3bとの結
合係数(周波数低下量等が決まれば両電極間の間隙に関
係する)は、周知のモノリシック・フィルタの設計手法
を用いればよい。主電極2a、2b上に振動変位が存在
する抑圧すべき低次高調波振動の共振周波数は、所望の
高調波周波数で周波数調整されているので、副電極3
a、3bの周波数精度より一桁精度がよい。副電極3
a、3bの周波数のバラツキは、基板周波数のバラツ
キ、副電極3a、3bの厚みのバラツキを考慮しても、
数27の範囲内にあることは一般的である。従って、上
記の抑圧は副電極3a、3bの電極膜厚等を調整するこ
となく実現可能であることが予測できる。
【0062】実際の振動子では図1に示すように副電極
3a、3bは主電極2a、2bの両側に2つあるので、
低次高調波振動の抑圧は上記シュミレーションの2倍に
なるが、副電極3a、3bの周波数の合わせ込みのずれ
を数27の程度とすると抑圧度の劣化が2倍程度あるの
で、所望の目標値を実現できることになる。
【0063】次に、コイルを用いないコルピッツ発振器
に本発明の振動子を応用する場合の必要抑圧度について
考えてみる。先ず、水晶振動子においては水晶振動子の
基板寸法が極端に小さくない限り、高調波次数nにほぼ
比例して増加することはよく知られている。 一方、コ
イルを用いないコルピッツ発振回路の2端子入力インピ
ーダンスの抵抗成分は、周知のように、その回路の遮断
周波数より低い周波数から周波数を高くして行くと、あ
る正の抵抗値から単調に減少して行き、遮断周波数で零
になり、更に周波数を高くして行くと、その抵抗成分は
負の値となる。この負の抵抗値が所謂負性抵抗で、その
変化の様子は更に周波数を高くして行くと、負性抵抗値
の絶対値が増加して行きある周波数で極大値をとなる。
その後更に周波数を高くして行くと、負性抵抗値の絶対
値は、第一近似的に周波数の2乗に反比例して減少して
行く。従って、本発明に係る低次高調波振動抑圧圧電振
動子を上記発振器の用いる場合、総合的みて数24の抑
圧度としては最悪でも、所望の高調波の次数nの3乗倍
以上とすれば低次高調波では発振しないことになる。な
お、実際の発振回路の場合、負性抵抗は上記の値よりも
小さくなるので、本発明に係る低次高調波振動抑圧圧電
振動子の低次高調波振動の抵抗値は、所望の高調波振動
nの抵抗値の2.5乗程度に抑圧すれば十分である。
【0064】以上、集中定数を用いた解析に基づき説明
したが、最適パラメータ設定の条件である円線図がハー
ト型となる場合が、実際の振動子として、実現するかど
うかを、分布定数解析により確認する。
【0065】一般に分布定数等価回路を用いると無損失
の一次元モデルの電極寸法とリアクタンス特性の関係を
良く表現できる。 又、損失成分の扱いについては、良
く行われる無限長線路に伝搬する進行波を想定すること
により損失を表現することにする。副電極の付いた振動
子を解析するに先立って、先ず最初に、単電極振動子の
アドミッタンス特性を求める。 解析モデルとして図7
の様な断面形状の振動子を考える。
【0066】領域Iは主電極の配されている部分であ
る。領域IIは電極のない部分である。領域IIIは損失の
ない無限長線路に進行波を伝搬させることにより損失を
発生させている部分である。 図中の点線は、振動子の
共振周波数を厚みに換算した等価厚みを記したもので、
領域IIIの厚みは、この等価厚みよりもBだけ厚くするこ
とにより、この部分の伝播定数を実数にして進行波を存
在させている。実際の圧電基板長としては、長さaの主
電極の両側に長さbの無電極部が繋がった両端部AAまで
であってa+2bである。主電極から見た入力インピーダン
スの機械系部分Zmは、次式で表される。
【0067】
【数28】
【0068】
【数29】
【0069】また
【0070】
【数30】
【0071】
【数31】
【0072】ここに、R+jXは、領域Iの両端部に繋がる
インピーダンスであって、次式で表される。
【0073】
【数32】
【0074】
【数33】
【0075】ここに、Z0, Z0’, Z01はそれぞれ領域I、
II、IIIの特性インピーダンス、g0,g0', g01は、それぞ
れ領域I、II、IIIの伝播定数である。数32、数33の
中の特性インピーダンスの比Z01/Z0”を、領域Iの遮断
周波数を0、領域IIの遮断周波数を1と規準化したときの
共振周波数Ψで表すと次式のようになる。
【0076】
【数34】
【0077】ここに、Bは規準化厚み差であって、図7
の領域IIIの遮断周波数を振動子全体の共振周波数を引
いたものを規準化周波数の次元で表したものである。
従って、“規準化厚み差B”を与えると言うことは、実
際の共振周波数は変化するので、この変化に伴い領域II
Iの厚みを仮想的に変えることになる。図7の振動子の
アドミッタンス円線図を求めた一例を図8(a)に示す。
横軸がコンダクタンスG、縦軸がサセプタンスBであっ
て、いずれも任意目盛りである。 図中の点は規準化共
振周波数Ψを共振点の近くで1×10-4刻みでプロットし
たものである。同図より、この様な無限長線路を付けた
場合でも、このアドミッタンス円線図は真円であり、振
動子の性質を表現していることが分かる。
【0078】次にこの振動子のQ値を求める為に、共振
点付近で、数28の実数成分で数29の虚数成分を割っ
た損失逆正接を求める。図8(b)は、 縦軸にこの損失逆
正接を、横軸に規準化周波数を取って、この間の関係を
示したものである。図8(b)より、縦軸・横軸の関係は
良い直線関係に成っており、この点からも図7の解析モ
デルが振動子と特性をよく表現していることが分かる。
図8(a), 8(b)より共振周波数と無限長線路部分の遮断
周波数の差Bで損失を表現しても、共振周波数を挟んで
広い周波数に亘って振動子のアドミッタンス特性を良く
表現できることが分かった。図8(b)より、縦軸・横軸
の関係は良い直線関係に成っているので、この傾きから
Q値を求めてみる。
【0079】図9は、縦軸にこの図8(b)の傾きから求
めた共振先鋭度Q値にプレートバック周波数を乗じたも
の、横軸に、振動子の“基板端部の変位av ”との関係
を求めたものでる。 横軸は問題にしている最低次対象
モードの振動振幅の最大値を1とした場合のA点での相対
振幅を“端部変位Av ”としてある。 パラメータは、
共振周波数と無限長線路部分の遮断周波数との差を規準
化して表した“規準化遮断周波数の差B ”である。図9
より、“規準化遮断周波数の差B ”をある値に固定した
場合、縦軸“ 共振先鋭度Q値にプレートバック周波数を
乗じたもの ”は、“端部変位Av ”の2乗逆比例して小
さくなっている。 これは“端部変位Av ”が端部A点で
の変位速度に比例することから理解できる。又、“端部
変位Av ”をある値に固定した場合、縦軸“ 共振先鋭度
Q値にプレートバック周波数を乗じたもの ”は、“規準
化遮断周波数の差B ”の平方根に逆比例して小さくなっ
ていることが分かる。 これは、無限長線路部の特性イ
ンピーダンスが“規準化遮断周波数の差B ”の平方根に
比例することから納得できる現象である。
【0080】図10に、本解析が対象としている振動子
モデルの断面図を示す。 長さaの主電極の両側に間隙b
を隔てて長さcの副電極を配し、その両端部を機械的振
動エネルギ吸収部分を設けてある。 従って、振動子の
各部の寸法及び振動子両端部の振動エネルギ吸収部の損
失値を求めることが本解析の目的である。
【0081】先に示したように、集中定数解析で最適パ
ラメータを求めた。その時の集中定数等価回路を図11
に示す。l1,c1,r1部分が主電極を、Ckが電極のない間隙
部をl2,c2,r2が副電極部を表している。 但し、r2
は、振動エネルギ吸収部の抵抗も併せて見積もってあ
る。図11の二つのループ周波数を一致させると振動の
抑圧が大きくなる。 更にこの条件下で、パラメータ間
に次式の関係があると、アドミッタンス円線図が“ハー
ト型”を呈し最適抑圧になる。
【0082】
【数35】
【0083】ここに、fmは、次式で与えられる。
【0084】
【数36】
【0085】又、この時の抑圧度Rhは、
【0086】
【数37】
【0087】ここに、Q1、Q2は、二つのループの共振先
鋭度であって次式で与えられる。
【0088】
【数38】
【0089】図11の集中定数解析モデルから、アドミ
ッタンスを円線図を数値計算して求めたものが図12で
ある。 横軸がコンダクタンスG、縦軸がサセプタンスj
Bである。図11でr1を1Ωとしてあるので、抑圧前の円
線図の直径は1であるが、二次側の結合の影響で抑圧さ
れて数37の抑圧度で抑圧される。 そこで、この円線
図の横軸縦軸には、数37の値を乗じて拡大してある。
計算に当たって、振動子として小型化を志向して副電極
の長さを主電極の長さの半分にすると言う条件、及び、
数37の抑圧度101倍を採用した。数36の条件を採用
したために、最適形状である“ハート型”を呈してい
る。この最適パラメータ設定の条件“ハート型”が、実
際の振動子として、実現するかどうかを、分布定数解析
により確認する。
【0090】図13(a), (b)に、分布定数解析モデルを
示す。 図13(a)が、主電極の左側の端部に図7と同
じ無限長線路を、右側に間隙部を介して副電極を配しそ
の外側に無限長線を想定した解析モデルである。このモ
デルは、実際の振動子モデルとはその構造が違うが、主
電極部の損失を表現する為に、この様な非対称構造を採
用している。 図13(b)は、主電極の両側に間隙部を
介して副電極を配しその外側に無限長線を想定した解析
モデルである。これは、主電極部の振動損失を考慮して
いないが振動子の構造と解析モデルが一致している。解
析の手順としては、最初に主電極の損失を考慮した非対
称構造の場合から解析を進め、次に対称構造に付いて解
析を行う。図13(a)の副電極部、即ち、主電極に付い
た右側部分の入力インピーダンスZinAAを求めると、そ
の実数成分と虚数成分は、次式のようになる。
【0091】
【数39】
【0092】
【数40】
【0093】ここに、R、Xは、それぞれ間隙部の右側か
ら副電極側を見た入力インピーダンスの実数成分と虚数
成分で次式表される。
【0094】
【数41】
【0095】
【数42】
【0096】ここに、Z02、Z03は副電極部及び無限長線
路部の特性インピーダンスγ02、γ03は同じく副電極部
及び無限長線路部の伝播定数Cは副電極の長さである。
数32、数33および数39、数40と数41、数42
を数28、数29に代入して、電気端子から見た入力イ
ンピーダンスの機械系部分を求める。集中定数解析での
最適設定値に倣って、インダクタンス比は2、即ち、副
電極の電極長さを主電極のそれの半分としてある。主電
極のQ値を5万、抑圧後の抑圧度換算で副電極のQを500と
してある。
【0097】非対称に線路が付いた場合の図13(a)の
解析モデルを解析したものが図14である。この場合も
何ら不都合は生じていない。 即ち、この図より、集中
定数解析で求めた結果をこの分布定数解析でも実現でき
ていることが分かる。
【0098】対称に副電極が付いた場合の図13(b)の
解析モデルの場合のアドミタンス円線図を求めたもの
が、図15ある。 抑圧を100と成るように、副電極部
の寸法を及び、損失を与える無限長線路部の遮断周波数
差Bを調整して、“ハート型”を求めたものである。数
37より与えられる抑圧度が大きい場合には、抑圧後の
アドミタンス円線図の直径には、副電極側のQのみが大
きく影響するので、僅かの主電極側の損失は無視しても
差し支えないことになる。従って、この図13(b)の解
析モデルを採用することの妥当であると言うことにな
る。この場合も典型的な“ハート型”が得られており、
最適に抑圧されていることになる。
【0099】図16(a)は、副電極が付いた振動子の問
題としている最低次の対称モードS0の周波数スペクトラ
ムを求めたものである。横軸が閉じ込め係数、縦軸が規
準化共振周波数である。 共振周波数Ψが0.4付近で周
波数スペクトラムに結合が生じている。副電極がない場
合には、この様な結合は生じない。図16(b)は、この
場合の共振インピーダンスを求めたもので、縦軸が規準
化共振周波数、横軸が共振インピーダンスで単位は任意
目盛りで記してある。図16(a)の縦軸の共振周波数Ψ
が0.4付近で周波数スペクトラムに結合が生じている
が、この時に、図16(b)の共振インピーダンスが最大
になっている。
【0100】数37の抑圧度100で抑圧されたアドミッ
タンス円線図を示す図15は、基本波モードを想定して
いるので、この寸法設定状態で、3オーバートーン・モ
ードで励振した場合のアドミッタンス円線図を求めたも
のが図17である。この3オーバートーンでのアドミッ
タンス円線図の直径は、副電極が無く抑圧されたいない
場合、例えば、図8(a)の円線と同じ直径であって、基
本波モードでは100倍程度抑圧されているが、3オーバー
トーン・モードでは、副電極のない単電極振動子のQ値
と同じ値を呈することが分かる。副電極を用いない方式
で基本波モードを抑圧した場合、この振動子の3次モー
ドでのアドミッタンス円線図を求めたものが、図18で
ある。この場合、円線図の直径は図17より約半分に小
さくなってしまい、いわゆる所望のモードまで、抑圧さ
れてしまう。即ち、副電極を用いないと、所望のモード
まで抑圧されてしまうことが分かる。このような振動子
では共振抵抗のバラツキが大きくなることが予想でき
る。
【0101】以上の説明は水晶振動子を例にとり、オー
バートーン振動を使用する際に不要発振のおそれのある
低次の高調波振動を、集中定数回路を用いて抑圧する手
段について述べたが、上記式は水晶振動子のみに限ら
ず、他の結晶、例えばLiNbO3、LiTaO3、四硼
酸リチウム、KaNbO3、ランガサイト等の圧電結晶
に適用できることは云うまでもない。
【0102】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成した
ので、1)副電極部3a、3bのループ共振周波数と主
電極部2a、2bのループ共振周波数を一致させるこ
と、2)主電極部2a、2bと副電極部3a、3bとの
Q値の比を大きくすること、3)主電極部2a、2bと
副電極部3a、3bとの結合係数を式22、24等を用
いて最適に選ぶこと、4)抑圧度100倍程度の場合は
副電極3a、3bの電極膜厚を調整しなくても実現可能
であること、5)副電極部3a、3bのQ値を小さくす
ることにより、大きな抑圧が得られること等が初めて明
らかにされ、不要な低次高調波振動の抑圧に大いに貢献
し、オーバートーン振動子の製作に優れた効果を発揮す
る。
【0103】
【図面の簡単な説明】
【図1】低次高調波振動抑圧振動子の一例の断面図を示
す図である。
【図2】(a)、(b)、(c)は低次高調波振動抑圧
振動子の集中定数等価回路である。
【図3】低次高調波振動抑圧振動子の集中定数等価回路
の2つのループ周波数を示す図である。
【図4】低次高調波振動抑圧振動子の入力端子からみた
アドミッタンス円線図で、(a)、(b)、(c)はそ
れぞれfm=0.1、1、10の場合のアドミッタンス
円線図である。
【図5】(a)は抑圧度10の場合の低次高調波振動抑
圧振動子のアドミッタンス円線図で、(b)は図(a)
の縦軸、横軸を拡大して、窪み点が(0.5,0.0)
に一致させた図である。
【図6】主電極の共振ループと副電極の共振ループに周
波数ずれがある場合の抑圧特性を示す図である。
【図7】単電極振動子の解析モデルを示す図である。
【図8】(a)は図7の単電極振動子のアドミッタンス円
線図、(b)は損失逆正接と規準化周波数の関係を示す図
である。
【図9】共振先鋭度Q値と基板端部の変位Avとの関係を
示す図である。
【図10】解析の対象となる振動子のモデルを示す図で
ある。
【図11】図10の集中定数等価回路を示す図である。
【図12】図11のアドミッタンス円線図を示すもので
ある。
【図13】(a)は片側にのみ副電極がついた場合の分布
定数解析モデル、(b) は両側に副電極がついた場合の分
布定数解析モデルを示す図である。
【図14】図13(a)を解析した場合のアドミッタンス
円線図を示すものである。
【図15】図13(b)を解析した場合のアドミッタンス
円線図を示すものである。
【図16】(a)は最低次の対象モードS0の周波数スペク
トラム、(b)は共振インピーダンスを示すものである。
【図17】3次オーバートーンでのアドミッタンス円線
図を示すものである。
【図18】副電極がない場合のアドミッタンス円線図を
示すものである。
【符号の説明】 1・・圧電基板 2a、2b・・主電極 3a、3b・・副電極 4・・振動エネルギー吸収物 g・・主電極と副電極の間隙 a−a’、b−b’入力端子 C0、Ck、ck 、C1、c1 、C2、c2 ・・集中定数等
価回路の容量 L1、l1、L2、l2・・集中定数等価回路のインダクタ
ンス R1、 r1 、R2、r2・・集中定数等価回路の抵抗 zsi・・直列アームのインピーダンス Q1、Q2・・一次側、二次側のQ値 ωsi・・直列アームの共振周波数 δi・・直列アームの共振周波数を基準にした周波数変
化分 z2・・二次側のインピーダンス γi・・ ckとc1との比 zin・・図2のb−b’から見たインピーダンス ωa1 ωa2 ・・ループ周波数 δai・・直列アームの共振周波数を基準にしたループ周
波数の上昇分 di・・ループ周波数 kr・・二次側と一次側の基準化抵抗の比 kl・・二次側と一次側の基準化インダクタンスの比 fm・・結合係数を二次側に容量で除した商で二次側の
Qを割った量 R・・図2のb−b’から見たインピーダンスの実数成
分 X・・図2のb−b’から見たインピーダンスの虚数成
分 t・・Q2とδ2との積 Rh・・抑圧度、即ち円線図がハート型を呈する時の窪
み点の抵抗値
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03H 3/013 H03H 9/19

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧電基板のほぼ中央の上下面に1対の対向
    する主電極を配置し、主電極の近傍の両側に間隙をあけ
    対向する副電極を設けると共に該副電極による振動強度
    を劣化させるため、振動エネルギー吸収物を塗布した振
    動子の製造方法であって、 該振動子の電気的等価回路を主電極による直列共振回路
    (L1、C1、R1)に、副電極と振動吸収物による直列
    共振回路(L2、C2、R2)と主電極と副電極との結合
    を表す結合容量(Ck)を並列接続した回路を、直列接
    続した結合回路で表し、主電極による直列共振回路と結
    合容量からなる直列回路のループ周波数と、副電極によ
    る直列共振回路と結合容量からなる直列回路のループ周
    波数とがほぼ一致するように構成したことを特徴とする
    低次高調波振動抑圧圧電振動子の製造方法。
  2. 【請求項2】前記等価回路で、抑圧すべき低次高調波振
    動における主電極部のQ値をQ1、吸収物を含む副電極
    部のQ値をQ2、抑圧度RhをRh=1+Q1/Q2とし、
    結合容量C k 【数25】とするとき、主電極及び副電極の寸法及びそ
    れらの周波数低下量とから前記主電極と前記副電極との
    間隙を、主電極から見た入力インピーダンスの機械系部
    分Z に基づいて設定したものであることを特徴とする
    低次高調波振動抑圧圧電振動子の製造方法。
  3. 【請求項3】前記主電極による直列共振回路と結合容量
    とからなる直列回路のループ周波数を正規化した値と前
    記副電極による直列共振回路と結合容量からなる直列回
    路のループ周波数を正規化した値との差を±4×10
    ‐4 以内に設定したことを特徴とする請求項1または2
    記載の低次高調波振動抑圧圧電振動子の製造方法
  4. 【請求項4】所望の高調波を選択的に発振すべく前記抑
    圧度Rhを所望の高調波の次数nの3乗倍以上とするこ
    とにより低次高調波振動の等価抵抗を抑圧したことを特
    徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の低次高調波
    振動抑圧圧電振動子の製造方法
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