JP3324269B2 - 便器洗浄タンク装置 - Google Patents

便器洗浄タンク装置

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JP3324269B2
JP3324269B2 JP07906794A JP7906794A JP3324269B2 JP 3324269 B2 JP3324269 B2 JP 3324269B2 JP 07906794 A JP07906794 A JP 07906794A JP 7906794 A JP7906794 A JP 7906794A JP 3324269 B2 JP3324269 B2 JP 3324269B2
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徳行 松井
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は便器洗浄タンク装置、特
に貯水タンクに貯めた洗浄水を便器に排出して貯水タン
ク内に貯めた洗浄水の水頭圧により便器の洗浄と便器内
の汚物を排出を行う重力式の洗浄水供給構造と、貯水タ
ンクの水頭圧より高圧の洗浄水を便器に供給する加圧式
の洗浄水供給構造とを組合わせた形式の便器洗浄タンク
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来この種の便器洗浄タンク装置とし
て、特開昭54-18137号公報のものがある。このものは貯
水タンク内に圧力タンクを収容配備して、該圧力タンク
内に貯水タンクの水頭圧より高圧の状態に水を貯めてお
き、貯水タンクの排水弁の開弁に同期して圧力タンクの
閉止弁を開き、貯水タンクより便器に排出される水の中
に圧力タンクの水を放出して便器内に流れ込んだ水のエ
ネルギーを増加せしめて水洗能力を高めるものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし乍、上記従来の
ものは、圧力タンクがその出口側にバルブを設ける先止
め式のものであるため、止水中圧力タンクに給水圧力
(給水源が水道の場合通常2〜7Kg/cm2 程度)が
そのままかかっている。そのため、高圧に耐える圧力タ
ンクが必要で、高圧タンクから便器に流される水も給水
圧と同程度に高圧であるため洗浄音も高くなる。また、
貯水タンクの排水弁開弁とほぼ同時に圧力タンクからも
洗浄水が排出されるため、便器の封水を別途確保する必
要があるばかりでなく、便器への給水特性を便器に合わ
せて容易に変更する事はできず、従って使用できる便器
が限定されてしまう。
【0004】本発明は従来技術が有する上記問題点に鑑
みてなされたもので、その目的とする処は、重力式の洗
浄水供給構造に圧力式の洗浄水供給構造を組合わせた便
器洗浄タンク装置において、耐圧性の低い圧力タンクの
使用と洗浄音の低減を可能にすると共に、給水特性を任
意に変更可能にして種々の便器に対応できるようにする
ことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の便器洗浄タンク装置では、排水弁を備え、該
排水弁を介して便器に連絡される貯水タンクと、貯水タ
ンク内に収容配備された圧力タンクと、圧力タンクに連
絡して給水源から供給される水を圧力タンクに導入する
給水導管と、圧力タンクから引き出され圧力タンク内の
水を便器に供給する排水導管と、給水導管に設けられて
前記排水弁の開弁操作により開弁し、圧力タンク内の圧
力が所定圧力になると閉弁する元止め弁と、排水導管に
設けられて少なくとも元止め弁の開弁までには閉弁し、
元止め弁の閉弁に同期して開弁する圧力水供給弁とを備
えるものである。
【0006】上記排水弁の出口と排水導管の出口は同一
となるように形成してもよいし、別々の出口に形成して
もよい。そして、排水導管の出口を排水弁の本体に接続
することにより排水弁の出口と排水導管の出口を同一す
ることができ、この場合には排水弁の本体内に、排水導
管の出口から排水弁本体の出口側に延びるガイドを設け
て、排水導管を通って供給される圧力タンクの水を排水
弁本体の出口に案内するようになすのが望ましい。ま
た、排水弁は大流量、小流量切替え式の排水弁となすこ
とも可能である。
【0007】
【作用】以上のように構成した便器洗浄タンク装置にあ
っては、貯水タンクの排水開始と同時に圧力タンクへの
給水が開始され、圧力タンク内圧力の所定圧力への昇圧
により、上記貯水タンクの排水に遅延して圧力タンクの
排水が行われる。
【0008】
【実施例】以下、図に基づいて本発明の実施の一例を説
明する。図は本発明の便器洗浄タンク装置が便器に組付
けられた状態で示されており、便器Cは所謂サイホンゼ
ット型の便器として示されており、図1では供給された
洗浄水をトラップ排水路入口に臨んで設けられたゼット
穴に導くゼット用流路11がリム通水路12から分岐して便
器Cに一体に形成されている。
【0009】図においてAは貯水タンク、Bは貯水タン
クA内に収容配備された圧力タンクである。貯水タンク
Aは例えば陶器などにより矩形など任意の形状に形成さ
れ、底部にはタンク底壁aを貫通して排水弁3の本体31
が取り付けられており、内部に貯められた洗浄水がこれ
を通って便器Cに流されるようになっている。
【0010】この排水弁本体31の貯水タンクA内に突出
する上端は斜めに開口してその開口縁により排水弁座32
を構成しており、この排水弁座32に対応してフラッパー
弁33が、排水弁本体31に接続されて垂直に起立するオー
バーフロー管34の基部において排水弁本体31に枢着され
ている。
【0011】上記貯水タンクAの排水弁3は、貯水タン
クAの外部に設けられた操作具4に繋がっている鎖等の
操作力伝達部材41がフラッパー弁33に連絡しており、操
作具4を操作することによりフラッパー弁33が引き上げ
られて開弁し、貯水タンクA内の水が排水されるように
なっている。
【0012】一方、貯水タンクA内に収容配備された圧
力タンクBには、水道などの給水源2に接続される給水
導管5が連絡すると共に排水弁座32より下流側において
排水弁本体31に連絡する排水導管6が接続されており、
上記給水導管5には圧力タンクB用の元止め弁7とボー
ルタップ給水栓8とが前者を下流側に配して設けられ、
排水導管6には圧力水供給弁9が設けられている。ま
た、排水導管6はその出口部分に排水弁本体31の出口方
向に延びるガイド61をもうけて、排水導管6から排水弁
本体31内に流入する水を速やかに排水弁本体31の出口に
導き、排水導管6から排水弁本体31内に流入する水によ
りフラッパー弁33が押し上げられて排水弁3が開弁する
のを防止している。
【0013】給水導管5と排水導管6を金属管など比較
的剛性を有する管で構成されており、本実施例では上記
両導管5、6が貯水タンクA内で圧力タンクBを支持す
る支持部材を兼ねている。上記給水導管5は水道などの
給水源2に接続するために貯水タンクAの側壁b又は底
壁aを貫通して貯水タンクA外に引き出されるが、貯水
タンク貫通部は水密にシールされる。尚、圧力タンクB
は球形、円筒形など耐圧性が高い形状を有し、プラスチ
ック、金属等で軽量に形成されている。
【0014】上記圧力タンクB用の元止め弁7には排水
弁3のフラッパー弁33同様、貯水タンクAの外部に設け
られた前記操作具4に繋がっている操作力伝達部材42が
連絡しており、操作具4の操作により開弁作動される一
方、圧力タンクB内の圧力が1.0 〜1.5 Kg/cm2
範囲内において設定された所定の圧力になると閉弁作動
するように構成されている。
【0015】また、圧力水供給弁9は少なくとも元止め
弁7が開弁するまでには閉弁するように構成され、本実
施例では上記元止め弁7に連動して、元止め弁7が開弁
すると閉弁し、元止め弁7が閉弁すると開弁するように
構成されている。従って、上記元止め弁7は操作具4の
操作により排水弁3と同時に開弁し、これにより給水源
2から給水導管5を通って圧力タンクBに給水が開始さ
れるが、この圧力タンクBへの給水開始時圧力水供給弁
9は閉弁しているため、圧力タンクBに水が貯り、それ
にともない圧力タンクB内の圧力は高まってゆく。
【0016】そして圧力タンクB内の圧力が所定の圧力
に達すると元止め弁7が閉弁し、同時に圧力水供給弁9
が開き、圧力タンクBに貯水タンクA内の水圧より高い
圧力で貯められた水は排水導管6を通って排水弁本体31
に流れ、排水弁3を通って流れる貯水タンクAの水に加
えられて便器Cに供給される。上記排水導管6は圧力タ
ンクAからの洗浄水の圧損を小さくするために管径を大
きくする必要があり、70リットル/分以上の水勢が確保
できるようにするのが望ましい。
【0017】圧力タンクBから供給する水の量は貯水タ
ンクAから供給する水の量と比べたら少量であり、この
量は供給する洗浄水全体の約1/3 程度で良く、この実施
例においては貯水タンクAの排水量は4リットルに設定
され、圧力タンクBからの排水量は2リットルに設定さ
れており、貯水タンクA及び圧力タンクBはそれに見合
った大きさに形成されている。
【0018】前記ボールタップ給水栓8は、タンク内の
水位の昇降に伴って上下動する浮子81を備え、該浮子81
の上下動に連動してバルブが開閉し、浮子81の位置が下
がるとバルブが開き、浮子81の位置が所定高さに上昇す
るとバルブが閉じる従来周知の構造形態を有するもので
あり、その吐出口を貯水タンクA内に向けて設置されて
いる。
【0019】而して、斯る便器洗浄タンク装置におい
て、洗浄操作を開始するまでは貯水タンクAの排水弁3
はフラッパー弁33が排水弁座32に着座して閉弁してお
り、貯水タンクA内には所定量の洗浄水が貯溜されてい
る。一方、給水導管5の圧力タンク用元止め弁7は閉弁
し、排水導管6の圧力水供給弁9は開弁しており、圧力
タンクB内には水は入っていない。(図1)
【0020】今、便器洗浄のために操作具4を操作する
と、フラッパー弁33が引上げられ、同時に圧力タンク用
元止め弁7 が開いて圧力水供給弁9 が閉まる。これによ
り貯水タンクA内の水が排水弁3を通って便器Cに供給
され始め、この水によりボール部13の洗浄が行われ、一
方元止め弁7 により塞き止められていた給水源2からの
水が圧力タンクBの中に流入し、圧力タンクB内に水が
貯り始める。上記貯水タンクAから供給される水は便器
Cのリム通水路12に流れ、大部分はリム通水路12の洗浄
孔14からボール面に沿って流される。これにより主とし
てボール部13の洗浄が行われ、汚物が中央に集められ
る。(図2)
【0021】一方、上記圧力タンクB内への水の流入に
伴って圧力タンクB内の圧力が上昇し、圧力タンクB内
には貯水タンクA内の圧力より高圧な状態で水が貯めら
れることになるが、圧力タンクB内が所定の圧力、例え
ば1.5 Kg/cm2 に達すると元止め弁7は閉弁し、こ
れとほとんど同時に圧力水供給弁9が開いて圧力タンク
B内の水を排出する。
【0022】これにより、貯水タンクAからの洗浄水の
供給から2乃至15秒遅延して、圧力タンクB内から圧力
の高い水の供給が開始されることになり、圧力タンクB
から排出された高圧力の水は排水導管6から排水弁本体
31の排水弁座32下流側に流れ込み、貯水タンクAからの
洗浄水と一緒になって便器Cに勢い良く供給される。
【0023】即ち、元止め弁7が閉弁してから圧力タン
クB内の水が全て排出されてしまうまでの間は、便器C
には貯水タンクAと圧力タンクBの双方からの洗浄水排
出により一度に大量の水が大きなエネルギーをもって供
給される。この水はリム通水路12の洗浄孔14からボール
面に供給されてボール部13を洗浄する一方、ゼット穴か
らトラップ排水路に向けて噴出し、先のボール洗浄で中
央に集められた汚物を便器Cから排出する。即ち、便器
Cの本洗浄が行われる。(図3)
【0024】そして、圧力タンクBの水が全て排出され
た後は貯水タンクAに残った水の供給だけが行われ、こ
の水により封水が確保される。本装置の給水特性を図5
に示す。
【0025】一方、排水弁3が開弁されて貯水タンクA
内の水が排出され、貯水タンクAの水位が低くなるのに
伴ってボールタップ給水栓8のバルブが開き、貯水タン
クAへの給水が開始される。上記ボールタップ給水栓8
の給水量は排水弁3の排水量よりかなり少ないため、貯
水タンクA内の水位は下降し続けるが、フラッパー弁33
が水面に出るようになる高さ位置まで下降するとフラッ
パー弁33の浮力が落ちるため、フラッパー弁33が下降し
て排水弁座32に着座し排水弁3が閉弁する。(図4) 以後はボールタップ給水栓8からの給水により貯水タン
クA内に水が貯められていき、所定の水位に達するとボ
ールタップ給水栓8のバルブが閉まって給水が停止さ
れ、最初の状態(図1)に戻る。尚、この実施例におい
ては排水導管6を排水弁本体31に接続させたが、排水導
管6を介して供給される圧力タンクBの水と、排水弁3
を介して供給される貯水タンクAの水を便器Cの同じ洗
浄水受入口に供給することができれば上記以外の構造と
なすことも任意である。また、圧力タンクBを給水導管
5及び排水導管6以外の適当な部材で支持するようにな
すことも勿論任意である。
【0026】次に図6乃至図9は第2の実施例を示すも
ので、基本的には前述した実施例と変わるものではない
が、貯水タンクA内の水と、圧力タンクB内の水を夫々
別の経路で便器Cに供給するようにしている点で前述し
た実施例とは異なっている。即ち、この実施例では圧力
タンクBから延びる排水導管6が排水弁本体31に接続さ
れず、そのまま貯水タンクAの底壁aを貫通してタンク
Aの外部に臨んで開口せしめてあり、圧力タンクBに貯
められた水は排水弁3を介して排水される貯水タンクA
の水とは別に排水導管6を通って装置外に排出されるよ
うになっている。
【0027】而して、この実施例では図示のように貯水
タンクAの排水弁本体31を便器Cのリム通水路12に連絡
するのに対して排水導管6の管末を連絡管1を用いて便
器C外部から便器Cのゼット穴に連絡している。従っ
て、この実施例では圧力タンクBの水は専ら汚物排出用
に利用され、貯水タンクAの水はボール洗浄と封水確保
のために使用される。尚、排水導管6と便器Cのゼット
穴を連絡管1で繋ぐ代わりに、便器Cにリム通水12とは
洗浄水受入口を別にするゼット用流路を設けて、排水導
管6をこのゼット用流路に直接接続するようになしても
よい。この実施例の作動は前述した第1の実施例と変わ
るところはないので、図6乃至図9において順を追って
示すにとどめ、説明は省略する(図1乃至図4と同一符
号は同一物を表す)。
【0028】また、図10乃至図12に示す実施例は大便洗
浄用の大量排水と、小便洗浄用の少量排水を切替え可能
にしたものであり、貯水タンクA底部に配設する排水弁
本体31には夫々フラッパー弁33、333 を弁体とする二つ
の排水弁3、3’が高さ位置を異にして設けてあり、こ
れら二つの排水弁3、3’を操作具4により選択的に開
弁操作できるようになっている。
【0029】操作具による上位位置、下位位置の排水弁
3、3’の選択的開弁操作は、操作具4が例えばレバー
ハンドルの場合、操作具4を時計方向に回転操作するこ
とにより一方の排水弁3を、反時計方向に回転操作する
ことにより他方の排水弁3’を夫々開弁させるようにな
すことができる。また、操作具4を個別に設けてその操
作具4を使い分けることによりいずれかの排水弁3また
は3’を開弁させるようになすことも勿論可能である。
【0030】各排水弁3、3’の作動は前述の実施例に
おける排水弁と同じであり、従って上位位置の排水弁
3’が開弁操作されれば、貯水タンクA内の水は満水位
置から上位位置の排水弁3’のフラッパー弁333 の浮力
がなくなる高さ位置までの分が排水され、下位位置の排
水弁3が開弁操作されれば、貯水タンクA内の水は満水
位置から下位位置の排水弁3のフラッパー弁33の浮力が
なくなる高さ位置までの分が排水される。即ち、上位位
置の排水弁3’が開弁操作されたときには少量排水が、
下位位置の排水弁3が開弁操作されたときには大量排水
が行われる。
【0031】一方、貯水タンクAに連絡する給水導管5
の圧力タンク用元止め弁7は、操作具4の開弁操作が少
量排水用の操作であるか、大量排水用の操作であるかに
関わりなく、操作具4が開弁操作されたときには開弁す
るように操作力伝達部材42で操作具4に連絡されてい
る。また貯水タンクAから延びる排水導管6は排水弁本
体31の下位排水弁3の二次側に連絡している。
【0032】従って、この実施例においては、少量排水
時には大量排水時に比べて貯水タンクAから供給される
水の量が少なくなる以外は、少量排水時であると大量排
水時であるとを問わず、前述した第1の実施例と同様に
作動して、貯水タンクAの水の排水の開始と同時に圧力
タンクBへの注水が開始し、圧力タンクB内への水の貯
溜により圧力タンクB内の圧力が上昇して所定の圧力に
なることにより、貯水タンクAからの排水開始に所定の
時間的遅れをもって圧力タンクBからの排水も行われ
る。そして、圧力タンクBの排水開始までの貯水タンク
からの排水により便器Cのボール洗浄が行われ、それに
続く圧力タンクB及び貯水タンクA双方からの排水によ
り本洗浄が行われ、さらに圧力タンクBからの排水終了
後もしばらく続く貯水タンクAからの排水により封水が
確保される。
【0033】尚、この実施例のように大流量、小流量切
替え式とするときには、少量排水の場合に排水弁3’が
閉弁してしまう前に圧力タンクBの排水が終了するよう
に圧力タンクBの排水開始タイミングを調節する必要が
ある。この調節は排水弁3、3’の弁座径を小さくし貯
水タンクAの水位の低下速度を遅くしたり、止水栓(図
示せず)の開度を変えて圧力タンクBへの注水スピード
を速くすることにより行うことができる。
【0034】また、大流量、小流量切替え式であって
も、図6乃至図9に示す第2の実施例のように貯水タン
クAの出口と圧力タンクBの出口を別にすることが可能
であることは言うまでもない。尚、大流量と小流量の切
替え構造も図示の構造に限定されるものではなく、例え
ば二つの排水弁の排水口径を異ならせる構造、二つの排
水弁のフラッパー弁の浮力を異ならせる構造などとする
ことも可能である。
【0035】以上説明した実施例はいずれも、排水弁3
(3’)及び元止め弁7の開弁を手動により操作するも
のであるが、これらの弁に電磁弁等の電気的に駆動する
弁を用いることにより、その開弁操作を電気的に行うこ
とも勿論可能である。斯る場合、排水弁3(3’)の閉
弁タイミングは貯水タンクAに水位センサを設けて貯水
タンクA内の水位を検出することにより制御することが
でき、元止め弁7の閉弁タイミングは圧力センサにより
圧力タンクB内の圧力を検出することにより制御するこ
とができる。また、本装置はサイホンゼット型便器以外
の便器にも使用可能であることは言うまでもない。
【0036】
【効果】本発明は以上のように構成したので、下記する
ような効果を奏する。 (1).貯水タンクに貯めた洗浄水を便器に排出して貯
水タンク内に貯めた洗浄水の水頭圧により便器の洗浄と
便器内の汚物を排出を行う重力式の洗浄水供給構造と、
貯水タンクの水頭圧より高圧の洗浄水を便器に供給する
圧力式の洗浄水供給構造とを合せ持つ便器洗浄タンク装
置において、元止め式の圧力タンクを用いて貯水タンク
の水頭圧より高圧の洗浄水を得るようにしたので、圧力
タンクは給水圧の影響を受けることがなく、従来のこの
種の装置に比べて圧力タンクの耐圧性が低くて良く、コ
ストダウンを図ることができる。
【0037】(2).また、圧力タンクの元止め弁を圧
力タンク内の圧力が所定の圧力になると閉弁するように
したので、元止め弁が閉まる圧力の設定の具合により、
便器に供給する圧力水の水勢を便器洗浄に最適な勢いと
なすことや、洗浄音を低く押さえることが可能である。
【0038】(3).貯水タンクの排水弁の開弁操作に
より圧力タンクの元止め弁を開いて圧力タンクへの注水
を開始し、圧力タンク内が所定の圧力に達すると圧力タ
ンクの出口側に設けた圧力水供給弁を開いて圧力タンク
内の水を便器に供給するようにしたので、圧力タンクか
らの洗浄水の供給が貯水タンクからの洗浄水供給に遅延
して開始され、必要なときに一度に大量の水を供給し
て、それ以外のときには少量の水が供給されるようにな
り、ボール洗浄、本洗浄、トラップシールの各洗浄工程
に最適な水量、水勢を得ることができ、洗浄効果の大幅
な向上と封水の確保が可能となる。その結果、重力式洗
浄水供給構造の便器洗浄タンク装置では13リットル程度
の洗浄水を必要としていたのに対して、6リットルのト
ータル水量で洗浄することが可能になり、大幅な節水化
を図ることができる。
【0039】(4).上記の如く大幅な節水が図られる
結果、貯水タンクの容量は当然小さくてよいことにな
り、タンク全高を低くすることができる。従って、便器
洗浄タンク装置と便器とを一体化した所謂ワンピース型
の便器に構成して、商品価値を高めるようにもし易い。
【0040】(5).上記のように貯水タンクの排水弁
の開弁操作により圧力タンクの元止め弁を開いて圧力タ
ンクへの注水を開始し、圧力タンク内が所定の圧力に達
したら圧力タンクの出口側に設けた圧力水供給弁を開く
ようになすことにより、圧力タンクからの洗浄水供給を
貯水タンクからの洗浄水供給に遅延させて開始させるよ
うにしたので、排水弁の通水面積、タンクへの給水量を
変えることにより給水特性を任意に変えることができ、
便器に最適な給水特性が容易に得られる。従って、使用
できる便器が限定されず、あらゆる便器に使用すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明便器洗浄タンク装置の第1の実施例を示
す断面図で、洗浄動作が開始される前の状態を示してい
る。
【図2】同断面図で、貯水タンクの排水弁と圧力タンク
の元止め弁が開弁されて便器への洗浄水供給と圧力タン
クへの給水が開始した状態を示している。
【図3】同断面図で元止め弁が閉弁して圧力タンクの圧
力水供給弁が開弁し、圧力タンク内の水が便器へ排出さ
れる状態を示している。
【図4】同断面図で排水弁が閉弁し、洗浄水の供給が全
て停止した状態を示している。
【図5】本発明便器洗浄タンク装置の給水特性を示す説
明図で、(a)は圧力タンクの給水特性を、(b)は貯
水タンクの給水特性を(c)は本タンク装置全体として
の給水特性を夫々示す。
【図6】第2の実施例を示す断面図で、洗浄動作が開始
される前の状態を示している。
【図7】同断面図で、貯水タンクの排水弁と圧力タンク
の元止め弁が開弁されて便器への洗浄水供給と圧力タン
クへの給水が開始した状態を示している。
【図8】同断面図で元止め弁が閉弁して圧力タンクの圧
力水供給弁が開弁し、圧力タンク内の水が便器へ排出さ
れる状態を示している。
【図9】同断面図で排水弁が閉弁し、洗浄水の供給が全
て停止した状態を示している。
【図10】第3の実施例を示す断面図で、洗浄動作が開始
される前の状態を示している。
【図11】同断面図で大流量排水時の状態を示す。
【図12】同断面図で小流量排水時の状態を示す。
【符号の説明】 A:貯水タンク B:圧力タンク 3、3’:排水弁 5:給水導管 6:排水導管 7:圧力タンク用元
止め弁 8:圧力水供給弁 33:排水弁の本体 61:ガイド

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】排水弁を備え、該排水弁を介して便器に連
    絡される貯水タンクと、貯水タンク内に収容配備された
    圧力タンクと、圧力タンクに連絡して給水源から供給さ
    れる水を圧力タンクに導入する給水導管と、圧力タンク
    から引き出され圧力タンク内の水を便器に供給する排水
    導管と、給水導管に設けられて前記排水弁の開弁操作に
    より開弁し、圧力タンク内の圧力が所定圧力になると閉
    弁する元止め弁と、排水導管に設けられて少なくとも元
    止め弁の開弁までには閉弁し、元止め弁の閉弁に同期し
    て開弁する圧力水供給弁とを備えることを特徴とする便
    器洗浄タンク装置。
  2. 【請求項2】排水弁の出口と排水導管の出口が同一であ
    ることを特徴とする請求項1記載の便器洗浄用タンク装
    置。
  3. 【請求項3】排水導管の出口が排水弁の本体に接続され
    ていることを特徴とする請求項2記載の便器洗浄用タン
    ク装置。
  4. 【請求項4】排水弁の本体内に、排水導管の出口から排
    水弁本体の出口側に延びて、排水導管を通って供給され
    る圧力タンクの水を排水弁本体の出口に案内するガイド
    を備えることを特徴とする請求項3記載の便器洗浄用タ
    ンク装置。
  5. 【請求項5】排水弁の出口と排水導管の出口が別々に設
    けられていることを特徴とする請求項1記載の便器洗浄
    タンク装置。
  6. 【請求項6】排水弁として大量排水用と少量排水用の二
    つの排水弁を備え、これら二つの排水弁を選択的に開弁
    操作可能な請求項1乃至5のいずれかに記載の便器洗浄
    タンク装置。
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