JP3322091B2 - ポリアミック酸、ポリイミドおよび液晶配向剤 - Google Patents

ポリアミック酸、ポリイミドおよび液晶配向剤

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なポリアミッ
ク酸および新規なポリイミド並びにこれらの少なくとも
一方を含有する液晶配向剤に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、液晶表示素子としては、透明導電
膜が設けられている基板の当該表面にポリイミドなどか
らなる液晶配向膜を形成して液晶表示素子用基板とし、
その2枚を対向配置してその間隙内に正の誘電異方性を
有するネマチック型液晶の層を形成してサンドイッチ構
造のセルとし、当該液晶分子の長軸が一方の基板から他
方の基板に向かって連続的に90度捻れるようにした、
いわゆるTN型(Twisted Nematic)液
晶セルを有するTN型液晶表示素子が知られている。ま
た、最近においては、TN型液晶表示素子に比してコン
トラストが高くて、その視角依存性の少ないSTN(S
uper Twisted Nematic)型液晶表
示素子が開発されている。このSTN型液晶表示素子
は、ネマチック型液晶に光学活性物質であるカイラル剤
をブレンドしたものを液晶として用い、当該液晶分子の
長軸が基板間で180度以上にわたって連続的に捻れる
状態となることにより生じる複屈折効果を利用するもの
である。これらTN型液晶表示素子およびSTN型液晶
表示素子における液晶の配向は、通常、ラビング処理が
施された液晶配向膜により発現されるものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
液晶表示素子にあっては、電圧を印加したときに発生す
るイオン性電荷が液晶配向膜に吸着されるため、電圧の
印加を解除した後の表示画面に残像を生じ、電圧印加時
と解除時との液晶表示素子の明暗の差が小さくなるため
に十分なコントラストが得られないという問題がある。
本発明は、このような問題を解決するためになされたも
のである。
【0004】本発明の第1の目的は、液晶配向剤として
有用である新規なポリアミック酸を提供することにあ
る。本発明の第2の目的は、液晶配向剤として有用であ
る新規なポリイミドを提供することにある。本発明の第
3の目的は、良好な配向特性を発現することができると
ともに、液晶表示素子において電圧の印加を解除してか
ら残像が消去されるまでの時間(以下、「残像消去時
間」という。)の短い液晶配向膜を形成することができ
る液晶配向剤を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のポリアミック酸
は、下記一般式(I)で表される化合物よりなるテトラ
カルボン酸二無水物と、下記一般式(II)で表されるジ
アミン化合物とを反応させて得られることを特徴とす
る。
【0006】
【化3】
【0007】また、本発明のポリイミドは、上記のポリ
アミック酸を脱水閉環して得られることを特徴とする。
【0008】
【0009】また、本発明の液晶配向剤は、上記のポリ
アミック酸および/または上記のポリイミドを含有する
ことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。 <テトラカルボン酸二無水物>本発明のポリアミック酸
は、その合成反応に供されるテトラカルボン酸二無水物
として、上記一般式(I)で表される化合物(以下、
「特定テトラカルボン酸二無水物」という。)を使用す
る点に特徴を有する。
【0011】特定テトラカルボン酸二無水物を表す一般
式(I)において、R1 で示される2価の有機基として
は、フェニレン基、下記一般式(IV) 〜(VI) で表され
る2価の有機基を挙げることができる。
【0012】
【化5】
【0013】また、R2 およびR3 で示される1価の有
機基としては、メチル基、エチル基、ブチル基などのア
ルキル基;フェニル基、ナフチル基などのアリール基;
アセチル基などを挙げることができる。
【0014】特定テトラカルボン酸二無水物は、ビスマ
レイミド化合物と、スチレン系化合物とをディールス−
アルダー反応させ、反応生成物を無水マレイン酸とエン
反応させることによって合成することができる。
【0015】ここで、ディールス−アルダー反応に供さ
れるビスマレイミド化合物としては、N,N’−1,3
−フェニレンジマレイミド、N,N’−1,4−フェニ
レンジマレイミド、3,3’−ビスマレイミドジフェニ
ルメタン、3,4’−ビスマレイミドジフェニルメタ
ン、4,4’−ビスマレイミドジフェニルメタンなどを
挙げることができる。これらのうち、合成されるポリマ
ーの塗膜強度の観点からN,N’−1,4−フェニレン
ジマレイミドおよび4,4’−ビスマレイミドジフェニ
ルメタンが好ましい。
【0016】また、ディールス−アルダー反応に供され
るスチレン系化合物としては、スチレン、4−メチルス
チレン、4−t−ブチルスチレン、4−ヒドロキシスチ
レン,4−フェニルスチレン,4−アセチルスチレン、
4−フッ化スチレン、4−ニトロスチレン、4−ナフチ
ルスチレン、α−メチルスチレン、4−メチル−α−メ
チルスチレン、3,4−ジメチル−α−メチルスチレ
ン、4−t−ブチル−α−メチルスチレン、4−フェニ
ル−α−メチルスチレン、4−アセチル−α−メチルス
チレン、4−ナフチル−α−メチルスチレンなどを挙げ
ることができ、これらのうち、ビスマレイミド化合物と
の反応性の観点からスチレンが好ましい。
【0017】特定テトラカルボン酸二無水物の具体例と
しては、下記化学式(1)〜(2)で表される化合物を
挙げることができ、例えば化学式(1)で表される化合
物は、下記の反応式Aに従って、N,N’−1,4−フ
ェニレンジマレイミドとスチレンとをディールス−アル
ダー反応させ、反応生成物を無水マレイン酸とエン反応
させることによって合成される。
【0018】
【化6】
【0019】
【化7】
【0020】なお、ポリアミック酸の合成反応に供され
るテトラカルボン酸二無水物として、特定テトラカルボ
ン酸二無水物以外の化合物を、本発明による効果が損な
われない範囲において併用することも可能である。ここ
で、合成反応に供されるテトラカルボン酸二無水物に占
める特定テトラカルボン酸二無水物の割合は0.1〜1
00モル%とされ、好ましくは50〜100モル%とさ
れる。
【0021】併用することのできるテトラカルボン酸二
無水物としては、例えばブタンテトラカルボン酸二無水
物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二
無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボ
ン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペン
チル酢酸二無水物、3,5,6−トリカルボキシノルボ
ルナン−2−酢酸二無水物、2,3,4,5−テトラヒ
ドロフランテトラカルボン酸二無水物、5−(2,5−
ジオキソテトラヒドロフラル)−3−メチル−3−シク
ロヘキセン−1,2−ジカルボン酸二無水物、ビシクロ
[2,2,2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−
テトラカルボン酸二無水物などの脂肪族テトラカルボン
酸二無水物;ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,
4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,
3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸
二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン
酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボ
ン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルエーテ
ルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジ
メチルジフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、
3,3’,4,4’−テトラフェニルシランテトラカル
ボン酸二無水物、1,2,3,4−フランテトラカルボ
ン酸二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシ
フェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、4,4’
−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニル
スルホン二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボ
キシフェノキシ)ジフェニルプロパン二無水物、3,
3’,4,4’−パーフルオロイソプロピリデンジフタ
ル酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラ
カルボン酸二無水物、ビス(フタル酸)フェニルホスフ
ィンオキサイド二無水物、p−フェニレン−ビス(トリ
フェニルフタル酸)二無水物、m−フェニレン−ビス
(トリフェニルフタル酸)二無水物、ビス(トリフェニ
ルフタル酸)−4,4’−ジフェニルエーテル二無水
物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェ
ニルメタン二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘ
キサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−
3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,
3−ジオンなどの芳香族テトラカルボン酸二無水物を挙
げることができ、これらは単独でまたは2種以上組み合
わされて用いることができる。
【0022】これらのうち、1,2,3,4−シクロブ
タンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シク
ロペンタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−ト
リカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、1,3,3
a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ
−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2
−c]−フラン−1,3−ジオン、5−(2,5−ジオ
キソテトラヒドロフラル)−3−メチル−3−シクロヘ
キセン−1,2−ジカルボン酸二無水物、ビシクロ
[2,2,2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−
テトラカルボン酸二無水物などが好ましく、特に好まし
くは、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸
二無水物および2,3,5−トリカルボキシシクロペン
チル酢酸二無水物である。
【0023】<ジアミン化合物>本発明のポリアミック
酸の合成反応に供される、上記一般式(II)で表される
ジアミン化合物としては、p−フェニレンジアミン、m
−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニル
メタン、4,4’−ジアミノジフェニルエタン、4,
4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジア
ミノジフェニルスルホン、3,3’−ジメチル−4,
4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノベンズ
アニリド、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、
1,5−ジアミノナフタレン、3,3−ジメチル−4,
4’−ジアミノビフェニル、5ーアミノー1ー(4’ー
アミノフェニル)ー1,3,3ートリメチルインダン、
6ーアミノー1ー(4’ーアミノフェニル)ー1,3,
3ートリメチルインダン、3,4’−ジアミノジフェニ
ルエーテル、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,
4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベ
ンゾフェノン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノ
キシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−
アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパ
ン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオ
ロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニル]スルホン、1,4−ビス(4−アミノフ
ェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノ
キシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキ
シ)ベンゼン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)−
10−ヒドロアントラセン、2,7−ジアミノフルオレ
ン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、
4,4’−メチレン−ビス(2−クロロアニリン)、
2,2’,5,5’−テトラクロロ−4,4’−ジアミ
ノビフェニル、2,2’−ジクロロ−4,4’−ジアミ
ノ−5,5’−ジメトキシビフェニル、3,3’−ジメ
トキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、1,4.4’
−(p−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、
4,4’−(m−フェニレンイソプロピリデン)ビスア
ニリン、2,2’−ビス[4−(4−アミノ−2−トリ
フルオロメチルフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロ
プロパン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(トリ
フルオロメチル)ビフェニル、4,4’−ビス[(4−
アミノ−2−トリフルオロメチル)フェノキシ]−オク
タフルオロビフェニルなどの芳香族ジアミン;ジアミノ
テトラフェニルチオフェンなどのヘテロ原子を有する芳
香族ジアミン;1,1−メタキシリレンジアミン、1,
3−プロパンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペン
タメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタ
メチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチ
レンジアミン、4,4−ジアミノヘプタメチレンジアミ
ン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジア
ミン、テトラヒドロジシクロペンタジエニレンジアミ
ン、ヘキサヒドロ−4,7−メタノインダニレンジメチ
レンジアミン、トリシクロ[6,2,1,0 2.7 ]−ウ
ンデシレンジメチルジアミン、4,4’−メチレンビス
(シクロヘキシルアミン)などの脂肪族ジアミンおよび
脂環式ジアミン;下記化学式(3)〜(5)で表される
化合物を挙げることができ、これらは単独でまたは2種
以上組み合わされて用いることができる。
【0024】
【化8】
【0025】これらのうち、p−フェニレンジアミン、
4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1,5−ジアミ
ノナフタレン、2,7−ジアミノフルオレン、4,4’
−ジアミノジフェニルエーテル、4.4’−(p−フェ
ニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、2,2−ビス
[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフル
オロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘ
キサフルオロプロパン、2,2’−ビス[4−(4−ア
ミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル]
ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ジアミノ−2,
2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、4,
4’−ビス[(4−アミノ−2−トリフルオロメチル)
フェノキシ]−オクタフルオロビフェニルなどが好まし
く、特に好ましくは、p−フェニレンジアミン、4,
4’−ジアミノジフェニルメタンおよび4,4’−(p
−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリンである。
【0026】<ポリアミック酸>本発明のポリアミック
酸は、上記一般式(I)で表される化合物を含有するテ
トラカルボン酸二無水物と、上記一般式(II)で表され
るジアミン化合物とを開環重付加させることにより合成
される。
【0027】ポリアミック酸の合成反応に供されるテト
ラカルボン酸二無水物とジアミン化合物の使用割合は、
ジアミン化合物に含まれるアミノ基1当量に対して、テ
トラカルボン酸二無水物の酸無水物基が0.2〜2当量
となる割合が好ましく、さらに好ましくは0.3〜1.
2当量となる割合である。
【0028】ポリアミック酸の合成反応は、有機溶媒中
において、通常0〜150℃、好ましくは0〜100℃
の温度条件下で行われる。ここで、有機溶媒としては、
合成されるポリアミック酸を溶解できるものであれば特
に制限はなく、例えばN−メチル−2−ピロリドン、
N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホル
ムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクト
ン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルトリアミ
ドなどの非プロトン系極性溶媒;m−クレゾール、キシ
レノール、フェノール、ハロゲン化フェノールなどのフ
ェノール系溶媒を例示することができる。また、有機溶
媒の使用量(a)は、通常、テトラカルボン酸二無水物
およびジアミン化合物の総量(b)が、反応溶液の全量
(a+b)に対して0.1〜30重量%になるような量
であることが好ましい。
【0029】なお、前記有機溶媒には、ポリアミック酸
の貧溶媒であるアルコール類、ケトン類、エステル類、
エーテル類、ハロゲン化炭化水素類、炭化水素類など
を、生成するポリアミック酸が析出しない範囲で併用す
ることができる。斯かる貧溶媒の具体例としては、例え
ばメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピル
アルコール、シクロヘキサノール、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、
トリエチレングリコール、エチレングリコールモノメチ
ルエーテル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸
エチル、酢酸ブチル、シュウ酸ジエチル、マロン酸ジエ
チル、ジエチルエーテル、エチレングリコールメチルエ
ーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレン
グリコール−n−プロピルエーテル、エチレングリコー
ル−i−プロピルエーテル、エチレングリコール−n−
ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテ
ル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジ
エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリ
コールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメ
チルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテー
ト、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテー
ト、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、1,2−ジ
クロロエタン、1,4−ジクロロブタン、トリクロロエ
タン、クロルベンゼン、o−ジクロルベンゼン、ヘキサ
ン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレ
ンなどを挙げることができる。
【0030】以上のようにして、本発明のポリアミック
酸を溶解してなる反応溶液が得られる。そして、この反
応溶液を大量の貧溶媒中に注いで析出物を得、この析出
物を減圧下乾燥することによりポリアミック酸を得るこ
とができる。また、このポリアミック酸を再び有機溶媒
に溶解させ、次いで貧溶媒で析出させる工程を1回また
は数回行うことにより、ポリアミック酸を精製すること
ができる。
【0031】以上のようにして得られるポリアミック酸
は、その対数粘度(ηln)の値が通常0.05〜10
dl/g、好ましくは0.05〜5dl/gである。本
発明における対数粘度(ηln)の値は、N−メチル−
2−ピロリドンを溶媒として用い、濃度が0.5g/1
00ミリリットルである溶液について30℃で粘度の測
定を行い、下記数式によって求められるものである。
【0032】
【数1】
【0033】<ポリイミド>本発明のポリイミドは、
(i)上記ポリアミック酸を加熱することにより、また
は、ポリアミック酸を有機溶媒に溶解し、この溶液中に
脱水剤およびイミド化触媒を添加し必要に応じて加熱す
ることにより、脱水閉環(イミド化反応)させて合成さ
れるか、または(ii)上記特定テトラカルボン酸二無水
物とジイソシアネート化合物とを混合し、必要に応じて
加熱することにより、縮合させて合成される。
【0034】上記(i)の反応において、上記ポリアミ
ック酸を加熱する方法における反応温度は、通常60〜
250℃とされ、好ましくは100〜170℃とされ
る。反応温度が60℃未満ではイミド化反応が十分に進
行せず、反応温度が250℃を超えると得られるポリイ
ミドの分子量が低下することがある。
【0035】一方、上記(i)の反応において、ポリア
ミック酸の溶液中に脱水剤およびイミド化触媒を添加す
る方法における脱水剤としては、例えば無水酢酸、無水
プロピオン酸、無水トリフルオロ酢酸などの酸無水物を
用いることができる。脱水剤の使用量は、ポリアミック
酸の繰り返し単位1モルに対して1.6〜20モルとす
るのが好ましい。また、イミド化触媒としては、例えば
ピリジン、コリジン、ルチジン、トリエチルアミンなど
の第3級アミンを用いることができるが、これらに限定
されるものではない。また、イミド化触媒の使用量は、
使用する脱水剤1モルに対して0.5〜10モルとする
のが好ましい。なお、脱水閉環の反応に用いられる有機
溶媒としては、ポリアミック酸の合成に用いられるもの
として例示した有機溶媒を挙げることができる。そし
て、脱水閉環の反応温度は、通常0〜180℃、好まし
くは60〜150℃とされる。また、このようにして得
られる反応溶液に対し、ポリアミック酸の精製方法と同
様の操作を行うことにより、本発明のポリイミドを精製
することができる。
【0036】上記(ii)の反応において用いられるジイ
ソシアネート化合物の具体例としては、ヘキサメチレン
ジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート化合
物;シクロヘキサンジイソシアネートなどの環状脂肪族
ジイソシアネート化合物;ジフェニルメタン−4,4'
−ジイソシアネート、ジフェニルエーテル−4,4' −
ジイソシアネート、ジフェニルスルホン−4,4' −ジ
イソシアネート、ジフェニルスルフィド−4,4' −ジ
イソシアネート、1,2−ジフェニルエタン−p,p'
−ジイソシアネート、2,2−ジフェニルプロパン−
p,p' −ジイソシアネート、2,2−ジフェニル−
1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−
p,p' −ジイソシアネート、2,2−ジフェニルブタ
ン−p,p' −ジイソシアネート、ジフェニルジクロロ
メタン−4,4' −ジイソシアネート、ジフェニルフル
オロメタン−4,4' −ジイソシアネート、ベンゾフェ
ノン−4,4' ジイソシアネート、N−フェニル安息香
酸アミド−4,4' −ジイソシアネートなどの芳香族ジ
イソシアネート化合物を挙げることができ、これらは単
独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。
なお、上記(ii)の反応には特に触媒は必要とされず、
反応温度は、通常50〜200℃、好ましくは100〜
160℃である。
【0037】上記(i)および(ii)の反応によって得
られるポリイミドは、その対数粘度(ηln)の値が通
常0.05〜10dl/g、好ましくは0.05〜5d
l/gである。
【0038】<液晶配向剤>本発明の液晶配向剤は、本
発明のポリアミック酸および/またはポリイミドが有機
溶媒中に溶解含有されて構成される。この液晶配向剤を
構成する有機溶媒としては、ポリアミック酸の合成反応
に用いられるものとして例示した溶媒を挙げることがで
きる。また、ポリアミック酸の合成反応の際に併用する
ことができるものとして例示した貧溶媒も適宜選択して
併用することができる。
【0039】本発明の液晶配向剤におけるポリアミック
酸および/またはポリイミドの濃度は、粘性、揮発性な
どを考慮して選択されるが、好ましくは1〜10重量%
の範囲とされる。すなわち、本発明の液晶配向剤は、基
板表面に塗布され、液晶配向膜となる塗膜が形成される
が、濃度が1重量%未満である場合には、この塗膜の膜
厚が過小となって良好な液晶配向膜を得ることができ
ず、濃度が10重量%を超える場合には、塗膜の膜厚が
過大となって良好な液晶配向膜を得ることができず、ま
た、液晶配向剤の粘性が増大して塗布特性が劣るものと
なる。
【0040】本発明の液晶配向剤に用いられるポリアミ
ック酸およびポリイミドは、分子量が調節された末端修
飾型のものであってもよい。この末端修飾型のポリアミ
ック酸およびポリイミドを用いることにより、本発明の
効果が損われることなく液晶配向剤の塗布特性などを改
善することができる。このような末端修飾型のものは、
ポリアミック酸またはポリイミドを合成する際に、酸−
無水物やモノアミン化合物などを反応系に添加すること
により合成することができる。
【0041】ここで、酸−無水物としては、例えば無水
マレイン酸、無水フタル酸、無水ナジック酸などを挙げ
ることができ、また、モノアミン化合物としては、例え
ばアニリン、シクロヘキシルアミン、n−ブチルアミ
ン、n−ペンチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−ヘ
プチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミ
ン、n−デシルアミン、n−ウンデシルアミン、n−ド
デシルアミン、n−トリデシルアミン、n−テトラデシ
ルアミン、n−ペンタデシルアミン、n−ヘキサデシル
アミン、n−ヘプタデシルアミン、n−オクタデシルア
ミン、n−エイコシルアミンなどを挙げることができ
る。
【0042】本発明の液晶配向剤には、ポリアミック酸
および/またはポリイミドの基板表面に対する接着性を
向上させる観点から、官能性シラン含有化合物が含有さ
れていてもよい。斯かる官能性シラン含有化合物として
は、例えば3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3
−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−アミノプロ
ピルトリメトキシシラン、2−アミノプロピルトリエト
キシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)
−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−ウ
レイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロ
ピルトリエトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3
−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−エトキシカ
ルボニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N
−トリエトキシシリルプロピルトリエチレントリアミ
ン、N−トリメトキシシリルプロピルトリエチレントリ
アミン、10−トリメトキシシリル−1,4,7−トリ
アザデカン、10−トリエトキシシリル−1,4,7−
トリアザデカン、9−トリメトキシシリル−3,6−ジ
アザノニルアセテート、9−トリエトキシシリル−3,
6−ジアザノニルアセテート、N−ベンジル−3−アミ
ノプロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−3−ア
ミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−
アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3
−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−ビス(オキ
シエチレン)−3−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピル
トリエトキシシランなどを挙げることができる。
【0043】<液晶表示素子>本発明の液晶配向剤を用
いて得られる液晶表示素子は、例えば次の方法によって
製造することができる。
【0044】(1)パターニングされた透明導電膜が設
けられている基板の一面に、本発明の液晶配向剤を例え
ばロールコーター法、スピンナー法、印刷法などの方法
によって塗布し、次いで、塗布面を加熱することにより
塗膜を形成する。ここに、基板としては、例えばフロー
トガラス、ソーダガラスなどのガラス;ポリエチレンテ
レフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエー
テルスルホン、ポリカーボネートなどのプラスチックか
らなる透明基板を用いることができる。基板の一面に設
けられる透明導電膜としては、酸化スズ(SnO2 )か
らなるNESA膜(米国PPG社登録商標)、酸化イン
ジウム−酸化スズ(In23 −SnO2)からなるI
TO膜などを用いることができ、これらの透明導電膜の
パターニングには、フォト・エッチング法や予めマスク
を用いる方法が用いられる。液晶配向剤の塗布に際して
は、基板表面および透明導電膜と塗膜との接着性をさら
に良好にするために、基板の該表面に、官能性シラン含
有化合物、官能性チタン含有化合物などを予め塗布する
こともできる。液晶配向剤塗布後の加熱温度は80〜2
50℃とされ、好ましくは120〜200℃とされる。
なお、ポリアミック酸を含有する本発明の液晶配向剤
は、塗布後に有機溶媒を除去することによって配向膜と
なる塗膜を形成するが、さらに加熱することによって脱
水閉環を進行させ、イミド化された塗膜とすることもで
きる。形成される塗膜の膜厚は、通常0.001〜1μ
mであり、好ましくは0.005〜0.5μmである。
【0045】(2)形成された塗膜面を、例えばナイロ
ン、レーヨン、コットンなどの繊維からなる布を巻き付
けたロールで一定方向に擦るラビング処理を行う。これ
により、液晶分子の配向能が塗膜に付与されて液晶配向
膜となる。
【0046】また、本発明の液晶配向剤により形成され
た液晶配向膜に、例えば特開平6−222366号公報
や特開平6−281937号公報に示されているよう
な、紫外線を部分的に照射することによってプレチルト
角を変化させるような処理、あるいは特開平5−107
544号公報に示されているような、ラビング処理を施
した液晶配向膜表面にレジスト膜を部分的に形成し、先
のラビング処理と異なる方向にラビング処理を行った後
にレジスト膜を除去して、液晶配向膜の液晶配向能を変
化させるような処理を行うことによって、液晶表示素子
の視界特性を改善することが可能である。
【0047】(3)上記のようにして液晶配向膜が形成
された基板を2枚作製し、それぞれの液晶配向膜におけ
るラビング方向が直交または逆平行となるように、2枚
の基板を、間隙(セルギャップ)を介して対向配置し、
2枚の基板の周辺部をシール剤を用いて貼り合わせ、基
板表面およびシール剤により区画されたセルギャップ内
に液晶を注入充填し、注入孔を封止して液晶セルを構成
する。そして、液晶セルの外表面、すなわち、液晶セル
を構成するそれぞれの基板の他面側に、偏光板を、その
偏光方向が当該基板の一面に形成された液晶配向膜のラ
ビング方向と一致または直交するように貼り合わせるこ
とにより、液晶表示素子が得られる。
【0048】ここに、シール剤としては、例えば硬化剤
およびスペーサーとしての酸化アルミニウム球を含有す
るエポキシ樹脂などを用いることができる。液晶として
は、ネマティック型液晶およびスメクティック型液晶を
挙げることができ、その中でもネマティック型液晶が好
ましく、例えばシッフベース系液晶、アゾキシ系液晶、
ビフェニル系液晶、フェニルシクロヘキサン系液晶、エ
ステル系液晶、ターフェニル系液晶、ビフェニルシクロ
ヘキサン系液晶、ピリミジン系液晶、ジオキサン系液
晶、ビシクロオクタン系液晶、キュバン系液晶などを用
いることができる。また、これらの液晶に、例えばコレ
スチルクロライド、コレステリルノナエート、コレステ
リルカーボネートなどのコレステリック型液晶や商品名
「C−15」「CB−15」(メルク社製)として販売
されているようなカイラル剤などを添加して使用するこ
ともできる。さらに、p−デシロキシベンジリデン−p
−アミノ−2−メチルブチルシンナメートなどの強誘電
性液晶も使用することができる。また、液晶セルの外表
面に貼り合わされる偏光板としては、ポリビニルアルコ
ールを延伸配向させながら、ヨウ素を吸収させたH膜と
称される偏光膜を酢酸セルロース保護膜で挟んだ偏光板
またはH膜そのものからなる偏光板を挙げることができ
る。
【0049】
【実施例】以下、本発明を実施例により、さらに具体的
に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるも
のではない。なお、以下の実施例および比較例におい
て、液晶表示素子における残像消去時間および液晶の配
向性についての評価方法は、以下のとおりである。
【0050】〔残像消去時間〕液晶表示素子に10Vの
直流電圧を1時間印加した後、当該電圧の印加を解除
し、表示画面を目視により観察して、電圧の印加を解除
してから画面上の残像が消去されるまでの時間を測定し
た。
【0051】〔液晶の配向性〕液晶表示素子に電圧をオ
ン・オフ(印加・解除)したときの異常ドメインの有無
を偏光顕微鏡で観察し、異常ドメインのない場合を「良
好」と判定した。
【0052】(合成例1)上記化学式(1)で表される
特定テトラカルボン酸二無水物77.29g(114.
5ミリモル)と4,4’−ジアミノジフェニルメタン2
2.71g(114.5ミリモル)とを、N−メチル−
2−ピロリドン900gに溶解させ、60℃で6時間反
応させた。次いで、反応溶液を大過剰のメチルアルコー
ルに注いで反応生成物を沈澱させた。その後、メチルア
ルコールで洗浄し、減圧下40℃で15時間乾燥させる
ことにより、対数粘度が0.96dl/gである本発明
のポリアミック酸〔これを「ポリアミック酸(a)」と
する。〕89.85gを得た。
【0053】(合成例2)合成例1で得られたポリアミ
ック酸(a)50.00gをN−メチル−2−ピロリド
ン950gに溶解し、この溶液にピリジン9.06g
と、無水酢酸11.70gとを添加し、115℃で4時
間加熱することにより脱水閉環させた。次いで、反応生
成液を合成例1と同様にして沈澱および乾燥させ、対数
粘度が0.96dl/gである本発明のポリイミド〔こ
れを「ポリイミド(a)」とする。〕39.05gを得
た。
【0054】(合成例3)特定テトラカルボン酸二無水
物の使用量を86.18g(127.7ミリモル)に変
更し、4,4’−ジアミノジフェニルメタンに代えてp
−フェニレンジアミン13.81g(127.7ミリモ
ル)を使用したこと以外は合成例1と同様にして、対数
粘度が1.08dl/gである本発明のポリアミック酸
〔これを「ポリアミック酸(b)」とする。〕92.3
0gを得た。
【0055】(合成例4)上記化学式(1)で表される
特定テトラカルボン酸二無水物76.24g(113.
0ミリモル)と1,2,3,4−シクロブタンテトラカ
ルボン酸二無水物1.17g(6.0ミリモル)とp−
フェニレンジアミン5.79g(53.5ミリモル)と
4,4’−ジアミノジフェニルメタン10.61g(5
3.5ミリモル)と上記化学式(3)で表されるジアミ
ン化合物6.19g(11.9ミリモル)とを、N−メ
チル−2−ピロリドン900gに溶解させて60℃で6
時間反応させたこと以外は合成例1と同様にして、対数
粘度が0.88dl/gである本発明のポリアミック酸
〔これを「ポリアミック酸(c)」とする。〕88.4
1gを得た。次いで、ポリアミック酸(a)に代えてポ
リアミック酸(c)を使用したこと以外は合成例2と同
様にして、対数粘度が0.88dl/gである本発明の
ポリイミド〔これを「ポリイミド(b)」とする。〕3
8.27gを得た。
【0056】(比較合成例1)特定テトラカルボン酸二
無水物に代えて1,2,3,4−シクロブタンテトラカ
ルボン酸二無水物49.73g(253.6ミリモル)
を使用し、4,4’−ジアミノジフェニルメタンの使用
量を50.27g(253.6ミリモル)に変更したこ
と以外は合成例1と同様にして、対数粘度が1.20d
l/gである比較用のポリアミック酸〔これを「ポリア
ミック酸(x)」とする。〕83.44gを得た。次い
で、ポリアミック酸(a)に代えてポリアミック酸
(x)を使用したこと以外は合成例2と同様にして、対
数粘度が1.20dl/gである比較用のポリイミド
〔これを「ポリイミド(x)」とする。〕40.02g
を得た。
【0057】(比較合成例2)特定テトラカルボン酸二
無水物に代えて1,2,3,4−シクロブタンテトラカ
ルボン酸二無水物64.46g(328.7ミリモル)
を使用し、4,4’−ジアミノジフェニルメタンに代え
てp−フェニレンジアミン35.54g(328.7ミ
リモル)を使用したこと以外は合成例1と同様にして、
対数粘度が1.26dl/gである比較用のポリアミッ
ク酸〔これを「ポリアミック酸(y)」とする。〕8
3.25gを得た。
【0058】(比較合成例3)上記化学式(1)で表さ
れる特定テトラカルボン酸二無水物に代えて1,3,3
a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ
−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2
−c]−フラン−1,3−ジオン34.36g(11
4.5ミリモル)を使用したこと以外は合成例1と同様
にして、対数粘度が1.00dl/gである比較用のポ
リアミック酸〔これを「ポリアミック酸(z)」とす
る。〕46.95gを得た。次いで、ポリアミック酸
(a)に代えてポリアミック酸(z)40.00gを使
用したこと以外は合成例2と同様にして、対数粘度が
1.00dl/gである比較用のポリイミド〔これを
「ポリイミド(z)」とする。〕30.64gを得た。
【0059】〔実施例1〕 (1)液晶配向剤の調製:合成例2で得られたポリイミ
ド(a)をγ−ブチロラクトンに溶解させて固形分濃度
4重量%の溶液とし、この溶液を孔径1μmのフィルタ
ーで濾過して本発明の液晶配向剤を調製した。
【0060】(2)液晶表示素子の作製: 厚さ1mmのガラス基板の一面に設けられたITO
膜からなる透明導電膜上に、上記のようにして調製され
た本発明の液晶配向剤をスピンナーを用いて塗布し、1
80℃で1時間乾燥することにより乾燥膜厚800Åの
塗膜を形成した。
【0061】 形成された塗膜面を、ナイロン製の布
を巻き付けたロールを有するラビングマシーンを用いて
ラビング処理を行うことにより、液晶配向膜を作製し
た。ここに、ラビング処理条件は、ロールの回転数50
0rpm、ステージの移動速度1cm/秒とした。
【0062】 上記のようにして液晶配向膜が形成さ
れた基板を2枚作製し、それぞれの基板の外縁部に、直
径17μmの酸化アルミニウム球を含有するエポキシ樹
脂系接着剤をスクリーン印刷法により塗布した後、それ
ぞれの液晶配向膜におけるラビング方向が逆平行となる
ように2枚の基板を間隙を介して対向配置し、外縁部同
士を当接させて圧着して接着剤を硬化させた。
【0063】 基板の表面および外縁部の接着剤によ
り区画されたセルギャップ内に、ネマティック型液晶
「MLC−2001」(メルク社製)を注入充填し、次
いで、注入孔をエポキシ系接着剤で封止して液晶セルを
構成した。その後、液晶セルの外表面に、偏光方向が当
該基板の一面に形成された液晶配向膜のラビング方向と
一致するように偏光板を貼り合わせることにより、液晶
表示素子を作製した。
【0064】 上記のようにして作製された液晶表示
素子は、電圧を印加および解除したときにおいて異常ド
メインは認められず、液晶の配向性は良好であった。ま
た、液晶表示素子の残像消去時間は0.20秒間ときわ
めて短いものであった。
【0065】〔実施例2〕ポリイミド(a)に代えて、
合成例3で得られたポリアミック酸(b)を使用したこ
と以外は実施例1と同様にして、液晶配向剤を調製し液
晶表示素子を作製した。作製された液晶表示素子は、電
圧を印加および解除したときにおいて異常ドメインは認
められず、液晶の配向性は良好であった。また、液晶表
示素子の残像消去時間は0.14秒間ときわめて短いも
のであった。
【0066】〔実施例3〕液晶配向剤塗布後の乾燥温度
を250℃にしたこと以外は実施例2と同様にして、液
晶配向剤を調製し液晶表示素子を作製した。乾燥温度を
250℃にしたことにより、溶媒の除去と同時に塗膜の
イミド化が進行し、ポリイミドを主とする液晶配向膜が
形成された。作製された液晶表示素子は、電圧を印加お
よび解除したときにおいて異常ドメインは認められず、
液晶の配向性は良好であった。また、液晶表示素子の残
像消去時間は0.25秒間ときわめて短いものであっ
た。
【0067】〔実施例4〕ポリイミド(a)に代えて、
合成例4で得られたポリイミド(b)を使用したこと以
外は実施例1と同様にして、液晶配向剤を調製し液晶表
示素子を作製した。作製された液晶表示素子は、電圧を
印加および解除したときにおいて異常ドメインは認めら
れず、液晶の配向性は良好であった。また、液晶表示素
子の残像消去時間は0.10秒間ときわめて短いもので
あった。
【0068】〔比較例1〕ポリイミド(a)に代えて、
比較合成例1で得られたポリイミド(x)を使用したこ
と以外は実施例1と同様にして、液晶配向剤を調製し液
晶表示素子を作製した。作製された液晶表示素子は、電
圧を印加および解除したときにおいて異常ドメインは認
められず、液晶の配向性は良好であったが、液晶表示素
子の残像消去時間は12秒間であり、残像が消去される
までに長い時間を要した。
【0069】〔比較例2〕ポリイミド(a)に代えて、
比較合成例2で得られたポリアミック酸(y)を使用し
たこと以外は実施例1と同様にして、液晶配向剤を調製
し液晶表示素子を作製した。作製された液晶表示素子
は、電圧を印加および解除したときにおいて異常ドメイ
ンは認められず、液晶の配向性は良好であったが、液晶
表示素子の残像消去時間は10秒間であり、残像が消去
されるまでに長い時間を要した。
【0070】〔比較例3〕ポリイミド(a)に代えて、
比較合成例3で得られたポリイミド(z)を使用したこ
と以外は実施例1と同様にして、液晶配向剤を調製し液
晶表示素子を作製した。作製された液晶表示素子は、電
圧を印加および解除したときにおいて異常ドメインは認
められず、液晶の配向性は良好であったが、液晶表示素
子の残像消去時間は6秒間であり、残像が消去されるま
でに長い時間を要した。
【0071】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、液晶配
向剤として有用である新規なポリアミック酸を提供する
ことができる。
【0072】請求項2に記載の発明によれば、液晶配向
剤として有用である新規なポリイミドを提供することが
できる。
【0073】請求項3に記載の発明によれば、良好な配
向特性を有するとともに、液晶表示素子における残像消
去時間の短い液晶配向膜を形成することができる液晶配
向剤を提供することができる。
【0074】本発明の液晶配向剤により形成される液晶
配向膜は、TN型液晶表示素子およびSTN型液晶表示
素子のみならずSH(Super Homeotrop
ic)型液晶表示素子など種々の液晶表示素子を構成す
るために好適に使用することができる。また、当該液晶
配向膜を備えた液晶表示素子は、液晶の配向性および信
頼性にも優れ、種々の装置に有効に使用することがで
き、例えば卓上計算機、腕時計、置時計、計数表示板、
ワードプロセッサ、パーソナルコンピュータ、液晶テレ
ビなどの表示装置として好適に用いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平春 晃男 東京都中央区築地2丁目11番24号 日本 合成ゴム株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−157424(JP,A) 特開 昭62−212419(JP,A) 特開 昭62−29584(JP,A) 特開 平9−71649(JP,A) 特開 平9−71648(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 73/00 - 73/26 CAPLUS(STN) REGISTRY(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で表される化合物より
    なるテトラカルボン酸二無水物と、下記一般式(II)で
    表されるジアミン化合物とを反応させて得られるポリア
    ミック酸。 【化1】
  2. 【請求項2】 請求項1記載のポリアミック酸を脱水閉
    環して得られるポリイミド。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のポリアミック酸および/
    または請求項2記載のポリイミドを含有する液晶配向
    剤。
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