JP3245849B2 - 液晶配向剤および液晶表示素子 - Google Patents

液晶配向剤および液晶表示素子

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JP3245849B2
JP3245849B2 JP10459396A JP10459396A JP3245849B2 JP 3245849 B2 JP3245849 B2 JP 3245849B2 JP 10459396 A JP10459396 A JP 10459396A JP 10459396 A JP10459396 A JP 10459396A JP 3245849 B2 JP3245849 B2 JP 3245849B2
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通則 西川
司 豊島
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房美 光本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶配向剤および
液晶表示素子に関する。さらに詳しくは、ポリアミック
酸および/または当該ポリアミック酸のイミド化重合体
と、特定の化合物とを含有する液晶配向剤およびそれか
らの液晶配向膜を備えた液晶表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、液晶表示素子としては、透明導電
膜が設けられている基板の当該表面(以下「電極面」と
もいう。)に液晶配向膜を形成して液晶表示素子用基板
とし、その2枚を対向配置して、その間隙内に正の誘電
異方性を有するネマチック型液晶の層を形成してサンド
イッチ構造のセルとし、当該液晶分子の長軸が一方の基
板から他方の基板に向かって連続的に90度捻れるよう
にした、いわゆるTN(Twisted Nemati
c)型液晶セルを有するTN型液晶表示素子が知られて
いる。また、最近においては、TN型液晶表示素子に比
してコントラストが高くて、その視角依存性の少ないS
TN(Super Twisted Nematic)
型液晶表示素子が開発されている。このSTN型液晶表
示素子は、ネマチック型液晶に光学活性物質であるカイ
ラル剤をブレンドしたものを液晶として用い、当該液晶
分子の長軸が基板間で180度以上にわたって連続的に
捻れる状態となることにより生じる複屈折効果を利用す
るものである。
【0003】これらの液晶表示素子における液晶分子の
配向性は、通常、重合体より構成される被膜の表面にラ
ビング処理などの配向処理を施すことによって形成され
る液晶配向膜により発現されるものである。ここに、上
記被膜を構成する重合体としては、ポリアミック酸およ
びポリイミドが知られており、これらの重合体を溶媒に
溶解してなる液晶配向剤が一般的に使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
液晶配向剤によって基板の電極面に被膜を形成し、この
被膜の表面にラビング処理を施して液晶配向膜を形成
し、この液晶配向膜が形成された基板を用いて液晶表示
素子を作製する場合には、下記(1)〜(3)のような
問題がある。
【0005】(1)従来の液晶配向剤により形成される
被膜は、擦過力に対して十分な強靱性を有するものでは
ないため、当該被膜の表面にラビング処理を施すと、形
成される液晶配向膜の、部分的な基板からの剥離(以
下、「膜削れ」ともいう。)を生じることがあり、この
ような液晶配向膜を搭載してなる液晶表示素子におい
て、液晶配向膜の膜削れに起因して表示不良が発生す
る。
【0006】(2)ラビング処理を施すことにより液晶
配向膜の表面に静電気が発生し、この静電気によって、
液晶表示素子の駆動電極(透明導電膜)や駆動回路の回
路部品(例えばトランジスタ)が破損することがある。
【0007】(3)作製される液晶表示素子において、
画像表示時(電圧印加時)に発生するイオン性電荷が液
晶配向膜に吸着され、画像消去後(印加解除後)におい
ても液晶配向膜から脱着されにくいため、印加解除後に
おける液晶配向膜に電圧が残留蓄積され、この残留電圧
に起因して、電圧印加の解除後における表示画面に残像
が生じる。そして、表示画面に残像が生じる場合には、
電圧の印加時と解除時における明暗の差が小さくなり、
良好なコントラストが得られない。
【0008】本発明の第1の目的は、膜削れのない液晶
配向膜を基板の電極面に形成することができる液晶配向
剤を提供することにある。本発明の第2の目的は、被膜
表面に対してラビング処理を施す際に発生する静電気
を、形成される液晶配向膜から迅速に減衰させることが
できる液晶配向剤を提供することにある。本発明の第3
の目的は、形成される液晶配向膜を備えた液晶表示素子
において、電圧印加の解除後における残留電圧が小さく
て表示画面に残像を生じさせにくく、コントラストの高
い優れた表示性能を発現させることができる液晶配向剤
を提供することにある。本発明の第4の目的は、本発明
の液晶配向剤から得られた液晶配向膜を備えた液晶表示
素子を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の液晶配向剤は、
〔a〕ポリアミック酸(以下、「ポリアミック酸
(A)」ともいう。)およびポリアミック酸を脱水閉環
して得られる構造を有するイミド化重合体(以下、「イ
ミド化重合体(B)」ともいう。)から選ばれる少なく
とも1種の重合体、並びに〔b〕下記式(I)〜(IV)
で表される化合物(以下、「化合物(a)」ともい
う。)から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有して
なることを特徴とする。
【0010】
【化2】
【0011】(式中、R1〜R16は、水素原子または炭
素数1〜12の炭化水素基を示し、複数存在するR1
16は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、a〜e
は、各々独立して0〜4の整数を示す。)
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0013】<ポリアミック酸(A)>本発明の液晶配
向剤を構成するポリアミック酸(A)は、テトラカルボ
ン酸二無水物とジアミン化合物とを反応させることによ
り調製することができる。
【0014】かかるポリアミック酸(A)の合成反応に
用いられるテトラカルボン酸二無水物としては、例えば
ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シ
クロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチ
ル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二
無水物、1,3−ジクロロ−1,2,3,4−シクロブ
タンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シク
ロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5
−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、3,
3’,4,4’−ジシクロヘキシルテトラカルボン酸二
無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢
酸二無水物、3,5,6−トリカルボキシノルボルナン
−2−酢酸二無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフ
ランテトラカルボン酸二無水物、5−(2,5−ジオキ
ソテトラヒドロフラル)−3−メチル−3−シクロヘキ
セン−1,2−ジカルボン酸二無水物、ビシクロ[2,
2,2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラ
カルボン酸二無水物などの脂肪族または脂環式テトラカ
ルボン酸二無水物;
【0015】ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,
4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,
3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸
二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン
酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボ
ン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルエーテ
ルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジ
メチルジフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、
3,3’,4,4’−テトラフェニルシランテトラカル
ボン酸二無水物、1,2,3,4−フランテトラカルボ
ン酸二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシ
フェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、4,4’
−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニル
スルホン二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボ
キシフェノキシ)ジフェニルプロパン二無水物、3,
3’,4,4’−パーフルオロイソプロピリデンジフタ
ル酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラ
カルボン酸二無水物、ビス(フタル酸)フェニルホスフ
ィンオキサイド二無水物、p−フェニレン−ビス(トリ
フェニルフタル酸)二無水物、m−フェニレン−ビス
(トリフェニルフタル酸)二無水物、ビス(トリフェニ
ルフタル酸)−4,4’−ジフェニルエーテル二無水
物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェ
ニルメタン二無水物、エチレングリコール−ビス(アン
ヒドロトリメリテート)、プロピレングリコール−ビス
(アンヒドロトリメリテート)、1,4−ブタンジオー
ル−ビス(アンヒドロトリメリテート)、1,6−ヘキ
サンジオール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、
1,8−オクタンジオール−ビス(アンヒドロトリメリ
テート)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパン−ビス(アンヒドロトリメリテート)などの芳香
族テトラカルボン酸二無水物;
【0016】1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒド
ロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラ
ニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオ
ン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−
メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−
フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジ
オン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5
−エチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3
−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−
ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−
7−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−
3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3
−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ
−7−エチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ
−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,
3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒド
ロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキ
ソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−
1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサ
ヒドロ−8−エチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジ
オキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン
−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキ
サヒドロ−5,8−ジメチル−5−(テトラヒドロ−
2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−
c]フラン−1,3−ジオン、下記式(VI)および(VI
I)で表される化合物などの芳香環を有する脂肪族テト
ラカルボン酸二無水物;
【0017】
【化3】
【0018】(式中、R20およびR22は、芳香環を有す
る2価の有機基を示し、R21およびR23は、水素原子ま
たはアルキル基を示し、複数存在するR21およびR
23は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。)
【0019】下記式(1)〜(4)で表される化合物な
どのステロイド骨格を有するテトラカルボン酸二無水物
などを挙げることができる。これらのテトラカルボン酸
二無水物は、単独でまたは2種以上組み合わせて用いる
ことができる。
【0020】
【化4】
【0021】これらのうち、ブタンテトラカルボン酸二
無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン
酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シク
ロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−
シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5
−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、5−
(2,5−ジオキソテトラヒドロフラル)−3−メチル
−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸二無水
物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−
メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−
フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジ
オン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−
5,8−ジメチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオ
キソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−
1,3−ジオン、ビシクロ[2,2,2]−オクト−7
−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、
1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テ
トラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフ
ト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、ピロメリッ
ト酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテ
トラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェ
ニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,
8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、上記式(V
I)で表される化合物のうち下記式(5)〜(7)で表
される化合物および上記式(VII)で表される化合物の
うち下記式(8)で表される化合物が、良好な液晶配向
性を発現させることができる観点から好ましく、特に好
ましいものとして、1,2,3,4−シクロブタンテト
ラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,
3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、2,
3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、
1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テ
トラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフ
ト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,3,3
a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−
(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−
ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、ピロメ
リット酸二無水物および下記式(5)で表される化合物
を挙げることができる。
【0022】
【化5】
【0023】ポリアミック酸(A)の合成反応に用いら
れるジアミン化合物としては、例えばp−フェニレンジ
アミン、m−フェニレンジアミン、4’,4ージアミノ
ジフェニルメタン、3,5−ジアミノ安息香酸、4,
4’−ジアミノジフェニルエタン、4,4’−ジアミノ
ジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエ
ーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、
1,5−ジアミノナフタレン、3,3−ジメチル−4,
4’−ジアミノビフェニル、5−アミノ−1−(4’−
アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、
6−アミノ−1−(4’−アミノフェニル)−1,3,
3−トリメチルインダン、4,4’−ジアミノベンズア
ニリド、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,
3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベ
ンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、
2,7−ジアミノフルオレン、2,2−ビス(4−アミ
ノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4’−メチ
レン−ビス(2−クロロアニリン)、2,2’,5,
5’−テトラクロロ−4,4’−ジアミノビフェニル、
2,2’−ジクロロ−4,4’−ジアミノ−5,5’−
ジメトキシビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,
4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,
2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、2,2
−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロ
パン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フ
ェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、1,4
−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−
ビス(4−アミノフェノキシ)−ビフェニル、1,3−
ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス
(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、9,9−ビス(4
−アミノフェニル)−10−ヒドロアントラセン、9,
9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、4,4’
−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ビスアニリ
ン、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)
ビスアニリン、2,2’−ビス[4−(4−アミノ−2
−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル]ヘキサフ
ルオロプロパン、4,4’−ビス[(4−アミノ−2−
トリフルオロメチル)フェノキシ]−オクタフルオロビ
フェニルなどの芳香族ジアミン;
【0024】ジアミノテトラフェニルチオフェンなどの
芳香環に結合された2個のアミノ基と当該アミノ基の窒
素原子以外のヘテロ原子を有する芳香族ジアミン;
【0025】1,1−メタキシリレンジアミン、1,3
−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス
(アミノメチル)シクロヘキサン、1,2−エチレンジ
アミン、1,3−プロパンジアミン、テトラメチレンジ
アミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジア
ミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミ
ン、ノナメチレンジアミン、4,4−ジアミノヘプタメ
チレンジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、
1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ジアミノシ
クロヘキサン、イソホロンジアミン、テトラヒドロジシ
クロペンタジエニレンジアミン、ヘキサヒドロ−4,7
−メタノインダニレンジメチレンジアミン、トリシクロ
[6,2,1,02.7 ]−ウンデシレンジメチルジアミ
ン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)
などの脂肪族または脂環式ジアミン;
【0026】下記式(VIII)で表されるモノ置換フェニ
レンジアミン類;下記式(IX)で表されるジアミノオル
ガノシロキサン;
【0027】
【化6】
【0028】(式中、R24は、−O−、−COO−、−
OCO−、−NHCO−、−CONH−および−CO−
から選ばれる2価の有機基を示し、R25は、ステロイド
骨格またはトリフルオロメチル基を有する1価の有機基
を示す。)
【0029】
【化7】
【0030】(式中、R26は炭素数1〜12の炭化水素
基を示し、複数存在するR26は、それぞれ同一でも異な
っていてもよく、pは1〜3の整数であり、qは1〜2
0の整数である。)
【0031】下記式(9)〜(13)で表される化合物
などを挙げることができる。これらのジアミン化合物
は、単独でまたは2種以上組み合わせて用いることがで
きる。
【0032】
【化8】
【0033】(式中、yは2〜12の整数であり、zは
1〜5の整数である。)
【0034】これらのうち、p−フェニレンジアミン、
4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジア
ミノジフェニルスルフィド、1,5−ジアミノナフタレ
ン、2,7−ジアミノフルオレン、4,4’−ジアミノ
ジフェニルエーテル、2,2−ビス[4−(4−アミノ
フェノキシ)フェニル]プロパン、9,9−ビス(4−
アミノフェニル)フルオレン、2,2−ビス[4−(4
−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパ
ン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオ
ロプロパン、4,4’−(p−フェニレンジイソプロピ
リデン)ビスアニリン、4,4’−(m−フェニレンジ
イソプロピリデン)ビスアニリン、2,2−ビス[4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、1,4
−ジアミノシクロヘキサン、4,4’−メチレンビス
(シクロヘキシルアミン)、1,4−ビス(4−アミノ
フェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフ
ェノキシ)−ビフェニル、上記式(9)〜(13)で表
される化合物および上記式(VIII)で表される化合物の
うち下記式(14)〜(18)で表される化合物が好ま
しい。
【0035】
【化9】
【0036】ポリアミック酸(A)の合成反応に供され
るテトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物の使用割
合は、ジアミン化合物に含まれるアミノ基1当量に対し
て、テトラカルボン酸二無水物の酸無水物基が0.2〜
2当量となる割合が好ましく、さらに好ましくは0.3
〜1.2当量となる割合である。
【0037】ポリアミック酸(A)の合成反応は、有機
溶媒中において、通常0〜150℃、好ましくは0〜1
00℃の温度条件下で1〜48時間にわたって行われ
る。この合成反応に用いられる有機溶媒としては、反応
生成物であるポリアミック酸を溶解し得るものであれば
特に制限はなく、例えばN−メチル−2−ピロリドン、
N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホル
ムアミド、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ジメチ
ルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿
素、ヘキサメチルホスホルトリアミドなどの非プロトン
系極性溶媒;m−クレゾール、キシレノール、フェノー
ル、ハロゲン化フェノールなどのフェノール系溶媒を挙
げることができる。有機溶媒の使用量は、通常、テトラ
カルボン酸二無水物およびジアミン化合物の総量が、反
応溶液の全量に対して0.1〜30重量%になるような
量であることが好ましい。
【0038】なお、この有機溶媒には、ポリアミック酸
の貧溶媒であるアルコール類、ケトン類、エステル類、
エーテル類、ハロゲン化炭化水素類または炭化水素類
を、生成するポリアミック酸が析出しない程度の割合で
併用することができる。かかる貧溶媒としては、例えば
メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルア
ルコール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、
プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、トリ
エチレングリコール、アセトン、メチルエチルケトン、
シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチ
ル、シュウ酸ジエチル、マロン酸ジエチル、ジエチルエ
ーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチ
レングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコー
ルフェニルエーテル、エチレングリコールフェニルメチ
ルエーテル、エチレングリコールフェニルエチルエーテ
ル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレン
グリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジ
エチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエー
テル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエ
チレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエ
チレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチ
レングリコールメチルエーテルアセテート、エチレング
リコールエチルエーテルアセテート、4−ヒドロキシ−
4−メチル−2−ペンタノン、2−ヒドロキシプロピオ
ン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸
エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、
2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メト
キシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エ
チル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシ
プロピオン酸メチル、メチルメトキシブタノール、エチ
ルメトキシブタノール、メチルエトキシブタノール、エ
チルエトキシブタノール、テトラヒドロフラン、ジクロ
ロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,4−ジクロロ
ブタン、トリクロロエタン、クロルベンゼン、o−ジク
ロルベンゼン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼ
ン、トルエン、キシレンなどを挙げることができる。こ
れらは単独でまたは2種以上組み合わせて用いることが
できる。
【0039】<イミド化重合体(B)>本発明の液晶配
向剤を構成するイミド化重合体(B)は、下記方法
(1)〜(3)により調製することができる。なお、該
イミド化重合体は、通常、ポリイミドであるが、下記方
法(2)において、比較的低温条件でイミド化反応させ
る場合には、ポリイソイミドを生成することがあり、こ
の明細書において、「イミド化重合体」には、ポリイソ
イミドが包含されるものとする。
【0040】方法(1):ポリアミック酸を加熱する方
法。この方法における加熱温度は、通常60〜250℃
とされ、好ましくは100〜170℃とされる。加熱温
度が60℃未満では脱水閉環が十分に進行せず、加熱温
度が250℃を超えると得られるイミド化重合体(B)
の分子量が低下することがある。
【0041】方法(2):ポリアミック酸を有機溶媒に
溶解し、この溶液中に脱水剤およびイミド化触媒を添加
し必要に応じて加熱することにより、脱水閉環させる方
法。この方法において、脱水剤としては、例えば無水酢
酸、無水プロピオン酸、無水トリフルオロ酢酸などの酸
無水物を用いることができる。脱水剤の使用量は、ポリ
アミック酸の繰り返し単位1モルに対して1.5〜20
モルとするのが好ましい。また、脱水閉環触媒として
は、例えばピリジン、コリジン、ルチジン、トリエチル
アミンなどの第3級アミンを用いることができるが、こ
れらに限定されるものではない。脱水閉環触媒の使用量
は、使用する脱水剤1モルに対して0.5〜10モルと
するのが好ましい。なお、脱水閉環に用いられる有機溶
媒としては、ポリアミック酸の合成に用いられるものと
して例示した有機溶媒を挙げることができる。脱水閉環
の反応温度は、通常0〜180℃、好ましくは60〜1
50℃とされる。上記脱水閉環の反応条件をコントロー
ルすることによって、イミド化率を任意に調整すること
ができる。
【0042】方法(3):テトラカルボン酸二無水物と
ジイソシアネート化合物とを混合し、必要に応じて加熱
することによって縮合させる方法。この方法に使用され
るジイソシアネート化合物の具体例としては、ヘキサメ
チレンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート
化合物;シクロヘキサンジイソシアネートなどの脂環式
ジイソシアネート化合物;ジフェニルメタン−4,4'
−ジイソシアネート、ジフェニルエーテル−4,4' −
ジイソシアネート、ジフェニルスルホン−4,4' −ジ
イソシアネート、ジフェニルスルフィド−4,4' −ジ
イソシアネート、1,2−ジフェニルエタン−p,p'
−ジイソシアネート、2,2−ジフェニルプロパン−
p,p' −ジイソシアネート、2,2−ジフェニル−
1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−
p,p' −ジイソシアネート、2,2−ジフェニルブタ
ン−p,p' −ジイソシアネート、ジフェニルジクロロ
メタン−4,4' −ジイソシアネート、ジフェニルフル
オロメタン−4,4' −ジイソシアネート、ベンゾフェ
ノン−4,4' ジイソシアネート、N−フェニル安息香
酸アミド−4,4' −ジイソシアネートなどの芳香族ジ
イソシアネート化合物を挙げることができ、これらは、
単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができ
る。なお、この方法には特に触媒は必要とされず、反応
温度は、通常50〜200℃、好ましくは100〜16
0℃である。
【0043】<末端修飾型の重合体>本発明の液晶配向
剤におけるポリアミック酸(A)および/またはイミド
化重合体(B)は、末端修飾型のものであってもよい。
この末端修飾型のポリアミック酸(A)およびイミド化
重合体(B)は、その分子量が好適な範囲に調節され、
液晶配向剤に含有させることにより、本発明の効果が損
われることなく液晶配向剤の塗布特性などを改善するこ
とができる。このような末端修飾型のものは、ポリアミ
ック酸またはイミド化重合体を合成する際に、ジカルボ
ン酸無水物、モノアミン化合物、モノイソシアネート化
合物などを反応系に添加することにより合成することが
できる。
【0044】ここで、ジカルボン酸無水物としては、脂
環式ジカルボン酸無水物、芳香族ジカルボン酸無水物、
複素環ジカルボン酸無水物および脂肪族ジカルボン酸無
水物などを挙げることができ、これらは単独でまたは2
種以上を組み合わせて使用できる。具体的には、1,2
−シクロプロパンジカルボン酸無水物、1,2−シクロ
ブタンジカルボン酸無水物、1,2−シクロペンタンジ
カルボン酸無水物、1,2−シクロヘキサンジカルボン
酸無水物、4−メチル−1,2−シクロヘキサンジカル
ボン酸無水物、2,3−ビシクロ[2.2.2]オクタ
ンジカルボン酸無水物、1,3−アダマンタンジカルボ
ン酸無水物などの脂環式ジカルボン酸無水物;フタル酸
無水物、4−メチル−フタル酸無水物、4−シアノ−フ
タル酸無水物、4−ニトロ−フタル酸無水物、1,2−
ナフタレンジカルボン酸無水物、1,8−ナフタレンジ
カルボン酸無水物などの芳香族ジカルボン酸無水物;
2,3−フランジカルボン酸無水物、2,3−チオフェ
ンジカルボン酸無水物、2,3−ピロールジカルボン酸
無水物、3,4−ピロールジカルボン酸無水物、2,3
−ピリジンジカルボン酸無水物、3,4−ピリジンジカ
ルボン酸無水物、2,3−キノリンジカルボン酸無水
物、4,5−ピリダジンジカルボン酸無水物、2,3−
ピラジンジカルボン酸無水物などの複素環ジカルボン酸
無水物;シュウ酸無水物、無水マロン酸無水物、コハク
酸無水物、イタコン酸無水物、フマル酸無水物、ムコン
酸無水物、マレイン酸無水物、n−デシルサクシニック
酸無水物、n−ドデシルサクシニック酸無水物、n−テ
トラデシルサクシニック酸無水物、n−ヘキサデシルサ
クシニック酸無水物、n−オクタデシルサクシニック酸
無水物などの脂肪族ジカルボン酸無水物などを挙げるこ
とができる。
【0045】また、モノアミン化合物としては、脂環式
モノアミン、芳香族モノアミン、複素環モノアミンおよ
び脂肪族モノアミンなどを挙げることができ、これらは
単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。具体
的には、シクロヘキシルアミン、2−アダマンタンアミ
ン、アミノシクロブタン、アミノシクロプロパン、アミ
ノシクロペンタン、ジシクロヘキシルアミンなどの脂環
式モノアミン;アニリン、4−シアノアニリン、4−ニ
トロアニリン、4−メチルアニリン、4−エチルアニリ
ン、4−プロピルアニリン、4−ペンチルアニリン、4
−ヘキシルアニリン、4−ヘプチルアニリン、4−オク
チルアニリン、4−メトキシアニリン、4−アミノスチ
レン、2’−アミノアセトフェノン、3−アミノビフェ
ニル、4−アミノビフェニル、1−アミノナフタレン、
2−アミノフルオレンなどの芳香族モノアミン;9−ア
ミノアクリジン、1−アミノアントラキノン、3−アミ
ノピリジン、2−アミノ−9−フルオレン、5−アミノ
インダンなどの複素環モノアミン;n−ブチルアミン、
n−ペンチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチ
ルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n
−デシルアミン、n−ウンデシルアミン、n−ドデシル
アミン、n−トリデシルアミン、n−テトラデシルアミ
ン、n−ペンタデシルアミン、n−ヘキサデシルアミ
ン、n−ヘプタデシルアミン、n−オクタデシルアミ
ン、n−エイコシルアミン、4−アミノアセトニトリル
などの脂肪族モノアミンなどを挙げることができる。ま
た、モノイソシアネート化合物としては、例えばフェニ
ルイソシアネート、ナフチルイソシアネートなどを挙げ
ることができる。
【0046】<重合体の対数粘度>本発明の液晶配向剤
を構成するポリアミック酸(A)およびイミド化重合体
(B)は、その対数粘度(ηln)の値が通常0.05
〜10dl/gであることが好ましく、さらに好ましく
は0.05〜5dl/gとされる。なお、この明細書に
おける対数粘度(ηln)の値は、N−メチル−2−ピ
ロリドンを溶媒として用い、濃度が0.5g/100ミ
リリットルである溶液について30℃で粘度の測定を行
い、下記数式によって求められるものである。
【0047】
【0048】<化合物(a)> 本発明の液晶配向剤は、上記式(I)〜(IV)で表され
る化合物(a)が含有されている点に特徴を有する。か
かる化合物(a)を含有する液晶配向剤により基板電極
面に被膜を形成し、液晶配向膜を形成し、液晶表示素子
を作製することにより、形成される被膜の膜削れを防止
し、ラビング処理により発生する静電気の減衰の迅速
化、残留電圧の低減化を図ることができる。
【0049】上記式(I)で表される化合物の具体例と
しては、例えば2−ピロリドン(γ−ブチロラクタ
ム)、2−ピペリドン(δ−バレロラクタム)、ε−カ
プロラクタムなどのラクタム類を挙げることができる。
上記式(II)で表される化合物の具体例としては、例え
ばN−メチルコハク酸イミド、N−エチルコハク酸イミ
ド、N−プロピルコハク酸イミド、N−ブチルコハク酸
イミド、N−フェニルコハク酸イミドなどのコハク酸イ
ミド化合物;N−メチルグルタル酸イミド、N−エチル
グルタル酸イミド、N−プロピルグルタル酸イミド、N
−ブチルグルタル酸イミド、N−フェニルグルタル酸イ
ミドなどのグルタル酸イミド化合物を挙げることができ
る。また、上記式(III)で表される化合物の具体例と
しては、例えば5−ヒドロキシ−N−メチル−2−ピロ
リドン、5−ヒドロキシ−N−エチル−2−ピロリド
ン、5−ヒドロキシ−N−プロピル−2−ピロリドン、
5−ヒドロキシ−N−ブチル−2−ピロリドン、5−ヒ
ドロキシ−N−フェニル−2−ピロリドンなどのヒドロ
キシピロリドン化合物;6−ヒドロキシ−N−メチル−
2−ピペリドン、6−ヒドロキシ−N−エチル−2−ピ
ペリドン、6−ヒドロキシ−N−プロピル−2−ピペリ
ドン、6−ヒドロキシ−N−ブチル−2−ピペリドン、
6−ヒドロキシ−N−フェニル−2−ピペリドンなどの
ヒドロキシピペリドン化合物を挙げることができる。
【0050】そして、上記式(IV)で表される化合物の
具体例としては、例えば2,5−ジヒドロキシ−N−メ
チルピロリジン、2,5−ジヒドロキシ−N−エチルピ
ロリジン、2,5−ジヒドロキシ−N−プロピルピロリ
ジン、2,5−ジヒドロキシ−N−ブチルピロリジン、
2,5−ジヒドロキシ−N−フェニルピロリジンなどの
ピロリジン化合物;2,6−ジヒドロキシ−N−メチル
ピペリジン、2,6−ジヒドロキシ−N−エチルピペリ
ジン、2,6−ジヒドロキシ−N−プロピルピペリジ
ン、2,6−ジヒドロキシ−N−ブチルピペリジン、
2,6−ジヒドロキシ−N−フェニルピペリジンなどの
ピペリジン化合物などを挙げることができる。 れらの
化合物(a)は、単独でまたは2種以上を組み合わせて
用いることができる。
【0051】これらのうち、2−ピロリドン、2−ピペ
リドン、N−メチルコハク酸イミド、N−エチルコハク
酸イミド、N−メチルグルタル酸イミド、N−エチルグ
ルタル酸イミド、5−ヒドロキシ−N−メチル−2−ピ
ロリドン、5−ヒドロキシ−N−エチル−2−ピロリド
ン、6−ヒドロキシ−N−メチル−2−ピペリドン、6
−ヒドロキシ−N−エチル−2−ピペリドン、2,5−
ジヒドロキシ−N−メチルピロリジン、2,5−ジヒド
ロキシ−N−エチルピロリジン、2,6−ジヒドロキシ
−N−メチルピペリジンおよび2,6−ジヒドロキシ−
N−エチルピペリジンが、長期に渡って本発明の効果が
発現されるため好ましい。
【0052】<液晶配向剤>本発明の液晶配向剤は、ポ
リアミック酸(A)および/またはイミド化重合体
(B)と、化合物(a)とが有機溶媒中に溶解含有され
て構成される。本発明の液晶配向剤におけるポリアミッ
ク酸(A)および/またはイミド化重合体(B)の含有
割合(重合体濃度)は、粘性、揮発性などを考慮して選
択されるが、好ましくは0.1〜20重量%の範囲、更
に好ましくは0.5〜10重量%とされる。この濃度が
0.1重量%未満である場合には、被膜の膜厚が過小と
なって良好な液晶配向膜を得ることができない場合があ
り、一方、この濃度が20重量%を超える場合には、塗
膜の膜厚が過大となって良好な液晶配向膜を得難く、ま
た、液晶配向剤の粘性が増大して塗布特性が劣るものと
なる場合がある。
【0053】本発明の液晶配向剤における化合物(a)
の含有割合としては、ポリアミック酸(A)および/ま
たはイミド化重合体(B)100重量部に対する化合物
(a)の割合が、通常0.1〜30重量部とされ、好ま
しくは0.1〜20重量部とされる。化合物(a)の含
有割合が0.1重量部未満であると、被膜の膜削れの防
止、静電気減衰の迅速化、残留電圧の低減化を十分に達
成することができない場合があり、一方、化合物(a)
の割合が30重量部を超えると、得られる液晶配向剤に
よっては形成される被膜の表面が粗面状態となる場合が
ある。
【0054】なお、ポリアミック酸(A)および/また
はイミド化重合体(B)と、化合物(a)とを溶解させ
る有機溶媒としては、これらを溶解できるものであれば
特に制限されるものではなく、例えばポリアミック酸
(A)の合成に用いられるものとして例示した溶媒を挙
げることができる。また、ポリアミック酸(A)の合成
反応の際に併用することができるものとして例示した貧
溶媒も適宜選択して併用することができる。
【0055】本発明の液晶配向剤には、基板に対する密
着性をさらに向上させることを目的として官能性シラン
含有化合物が含有されていてもよい。かかる官能性シラ
ン含有化合物としては、例えば3−アミノプロピルトリ
メトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラ
ン、2−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−アミ
ノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチ
ル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−
(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメ
トキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラ
ン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−エ
トキシカルボニル−3−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルト
リエトキシシラン、N−トリエトキシシリルプロピルト
リエチレントリアミン、N−トリメトキシシリルプロピ
ルトリエチレントリアミン、10−トリメトキシイシリ
ル−1,4,7−トリアザデカン、10−トリエトキシ
シリル−1,4,7−トリアザデカン、9−トリメトキ
シシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、9−トリ
エトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、N
−ベンジル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、
N−ベンジル−3−アミノプロピルトリエトキシシラ
ン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリエトキシ
シラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロ
ピルトリメトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)
−3−アミノプロピルトリエトキシシランなどを挙げる
ことができる。
【0056】<液晶表示素子>本発明の液晶配向剤を用
いて得られる液晶表示素子は、例えば次の方法によって
製造することができる。 (1)パターニングされた透明導電膜が設けられている
基板の一面に、本発明の液晶配向剤を例えばロールコー
ター法、スピンナー法、印刷法などの方法によって塗布
し、次いで、塗布面を加熱することにより被膜を形成す
る。ここに、基板としては、例えばフロートガラス、ソ
ーダガラスなどのガラス;ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホ
ン、ポリカーボネートなどのプラスチックからなる透明
基板を用いることができる。また、基板の一面に設けら
れる透明導電膜としては、酸化スズ(SnO2 )からな
るNESA膜(米国PPG社登録商標)、酸化インジウ
ム−酸化スズ(In2 O3 −SnO2 )からなるITO
膜などを用いることができ、これらの透明導電膜のパタ
ーニングには、フォト・エッチング法や予めマスクを用
いる方法が用いられる。液晶配向剤の塗布に際しては、
基板表面および透明導電膜と液晶配向剤の被膜との接着
性をさらに良好にするために、基板の該表面に、官能性
シラン含有化合物、官能性チタン含有化合物などを予め
塗布することもできる。また加熱温度は80〜250℃
とされ、好ましくは120〜200℃とされる。形成さ
れる被膜の膜厚は、通常0.001〜1μmであり、好
ましくは0.005〜0.5μmである。なお、ポリア
ミック酸(A)を含有する本発明の液晶配向剤は、塗布
後に有機溶媒を除去することによって液晶配向膜となる
被膜を形成するが、さらに加熱することによって脱水閉
環を進行させ、イミド化された被膜とすることもでき
る。
【0057】(2)液晶配向剤によって形成された被膜
面を、例えばナイロン、レーヨン、コットンなどの繊維
からなる布を巻き付けたロールで一定方向に擦るラビン
グ処理を行う。これにより、液晶分子の配向能が被膜に
付与されて液晶配向膜となる。また、ラビング処理によ
る方法以外に、被膜表面に偏光紫外線を照射して配向能
を付与する方法や、一軸延伸法、ラングミュア・ブロジ
ェット法などで被膜を得る方法などにより、液晶配向膜
を形成することもできる。なお、ラビング処理時に発生
する微粉体(異物)を除去して表面を清浄な状態とする
ために、形成された液晶配向膜をイソプロピルアルコー
ルなどによって洗浄することが好ましい。また、形成さ
れた液晶配向膜の表面に紫外線を部分的に照射すること
により、プレチルト角を変化させる処理(例えば特開平
6−222366号公報、特開平6−281937号公
報参照)、形成された液晶配向膜の表面にレジスト膜を
部分的に形成し、先行のラビング処理とは異なる方向に
ラビング処理を行った後、前記レジスト膜を除去して、
液晶配向膜の配向能を変化させるような処理(例えば特
開平5−107544号公報参照)を行うことによっ
て、作製される液晶表示素子の視野角特性を改善するこ
ともできる。
【0058】(3)上記のようにして液晶配向膜が形成
された基板を2枚作製し、それぞれの液晶配向膜におけ
る配向処理方向、すなわちラビング方向が直交または逆
平行となるように、2枚の基板を、間隙(セルギャッ
プ)を介して対向配置し、2枚の基板の周辺部をシール
剤を用いて貼り合わせ、基板表面およびシール剤により
区画されたセルギャップ内に液晶を注入充填し、注入孔
を封止して液晶セルを構成する。そして、液晶セルの外
表面、すなわち、液晶セルを構成するそれぞれの基板の
他面側に、偏光板を、その偏光方向が当該基板の一面に
形成された液晶配向膜のラビング方向と一致または直交
するように貼り合わせることにより、液晶表示素子が得
られる。
【0059】ここに、シール剤としては、例えば硬化剤
およびスペーサーとしての酸化アルミニウム球を含有す
るエポキシ樹脂などを用いることができる。液晶として
は、ネマティック型液晶およびスメクティック型液晶を
挙げることができ、その中でもネマティック型液晶が好
ましく、例えばシッフベース系液晶、アゾキシ系液晶、
ビフェニル系液晶、フェニルシクロヘキサン系液晶、エ
ステル系液晶、ターフェニル系液晶、ビフェニルシクロ
ヘキサン系液晶、ピリミジン系液晶、ジオキサン系液
晶、ビシクロオクタン系液晶、キュバン系液晶などを用
いることができる。また、これらの液晶に、例えばコレ
スチルクロライド、コレステリルノナエート、コレステ
リルカーボネートなどのコレステリック型液晶や商品名
「C−15」「CB−15」(メルク社製)として販売
されているようなカイラル剤などを添加して使用するこ
ともできる。さらに、p−デシロキシベンジリデン−p
−アミノ−2−メチルブチルシンナメートなどの強誘電
性液晶も使用することができる。また、液晶セルの外表
面に貼り合わされる偏光板としては、ポリビニルアルコ
ールを延伸配向させながら、ヨウ素を吸収させたH膜と
称される偏光膜を酢酸セルロース保護膜で挟んだ偏光板
またはH膜そのものからなる偏光板を挙げることができ
る。
【0060】
【実施例】以下、本発明を実施例により、さらに具体的
に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるも
のではない。なお、以下の実施例および比較例において
調製された液晶配向剤の評価項目および評価方法を下記
に示す。
【0061】〔液晶の配向性〕液晶表示素子に電圧を印
加し解除したときの液晶セル中における配向不良(異常
ドメイン)の有無を偏光顕微鏡で観察し、異常ドメイン
のない場合を「良好」と判定した。 〔残留電圧の測定〕液晶表示素子に、70℃の温度条件
下で10Vの直流電圧を2時間印加し、電圧の印加を解
除した後、当該液晶表示素子に残留する電圧を測定し
た。 〔液晶配向膜の膜削れ〕ITO膜からなるストライプ電
極(間隔:1mm,ITO膜厚:2000Å)を設けた
透明電極基板の電極面に、液晶配向剤を塗布し、塗膜を
乾燥して乾燥膜厚0.05μmの被膜を形成し、当該被
膜の表面にラビング処理(処理条件:毛足押し込み長
0.6mm,ロールの回転数500rpm,ステージの
移動速度1cm/秒)を施すことにより得られた液晶配
向膜について、ラビング処理による膜削れの有無を観察
した。 〔液晶配向膜の帯電減衰特性〕ラビング処理終了直後、
形成された液晶配向膜の表面における静電気による帯電
圧を経時的に測定して当該帯電圧の半減期を求めた。な
お、帯電圧の測定は「オネストメータ」(春日電機
(株)製)により行った。
【0062】〔合成例1〕2,3,5−トリカルボキシ
シクロペンチル酢酸二無水物44.8g、p−フェニレ
ンジアミン21.0gおよび3,5−ジアミノ安息香酸
コレステリル3.1gをN−メチル−2−ピロリドン6
20gに溶解させ、この溶液を室温で6時間反応させ
た。次いで、得られた反応溶液を大過剰のメチルアルコ
ールに注いで反応生成物を沈澱させた。その後、固形物
を分離してメチルアルコールで洗浄し、減圧下40℃で
15時間乾燥させることにより、対数粘度(ηln)が
1.21dl/gであるポリアミック酸(これを「ポリ
アミック酸(A−1)」とする。)66.0gを得た。
【0063】〔合成例2〕合成例1で得られたポリアミ
ック酸(A−1)30.0gをγ−ブチロラクトン57
0gに溶解させ、ピリジン34.4gおよび無水酢酸2
6.6gを添加して110℃で3時間脱水閉環させた。
次いで、合成例1と同様にして、反応生成物の沈殿・分
離・洗浄・乾燥を行うことにより、対数粘度(ηln)
が1.30dl/gであるイミド化重合体(これを「イ
ミド化重合体(B−1)」とする。)27.0gを得
た。
【0064】〔合成例3〕p−フェニレンジアミンに代
えて4,4’−ジアミノジフェニルメタン38.4gを
用いたこと以外は、合成例1と同様にして対数粘度(η
ln)が1.18dl/gであるポリアミック酸(これ
を「ポリアミック酸(A−2)」とする。)79.4g
を得た。その後、ポリアミック酸(A−1)に代えてポ
リアミック酸(A−2)30.0gを用いたこと以外は
合成例2と同様にして、対数粘度(ηln)が1.24
dl/gであるイミド化重合体(これを「イミド化重合
体(B−2)」とする。)26.2gを得た。
【0065】〔合成例4〕シクロブタンテトラカルボン
酸二無水物39.2gおよび2,2−ビス[4−(4−
アミノフェノキシ)フェニル]プロパン82.1gをN
−メチル−2−ピロリドン620gに溶解させ、この溶
液を室温で6時間反応させた。次いで、合成例1と同様
にして、反応生成物の沈殿・分離・洗浄・乾燥を行うこ
とにより、対数粘度(ηln)が1.46dl/gであ
るポリアミック酸(これを「ポリアミック酸(A−
3)」とする。)115.5gを得た。
【0066】〔合成例5〕2,3,5−トリカルボキシ
シクロペンチル酢酸二無水物に代えて1,3,3a,
4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−
2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−
c]フラン−1,3−ジオン60.0gを用いたこと以
外は、合成例1と同様にして対数粘度(ηln)が1.
05dl/gであるポリアミック酸(これを「ポリアミ
ック酸(A−4)」とする。)76.5gを得た。その
後、ポリアミック酸(A−1)に代えてポリアミック酸
(A−4)30.0gを用いたこと以外は合成例2と同
様にして、対数粘度(ηln)が1.16dl/gであ
るイミド化重合体(これを「イミド化重合体(B−
4)」とする。)26.2gを得た。
【0067】〔合成例6〕2,3,5−トリカルボキシ
シクロペンチル酢酸二無水物に代えてピロメリット酸二
無水物43.6gを用いたこと以外は、合成例1と同様
にして対数粘度(ηln)が1.66dl/gであるポ
リアミック酸(これを「ポリアミック酸(A−5)」と
する。)64.5gを得た。
【0068】〔合成例7〕2,3,5−トリカルボキシ
シクロペンチル酢酸二無水物44.8g、p−フェニレ
ンジアミン20.2gおよびn−ドデシルアミン4.9
gをN−メチル−2−ピロリドン620gに溶解させ、
この溶液を室温で6時間反応させた。次いで、合成例1
と同様にして、反応生成物の沈殿・分離・洗浄・乾燥を
行うことにより、対数粘度(ηln)が0.85dl/
gであるポリアミック酸(これを「ポリアミック酸(A
−6)」とする。)63.6gを得た。その後、ポリア
ミック酸(A−1)に代えてポリアミック酸(A−6)
30.0gを用いたこと以外は合成例2と同様にして、
対数粘度(ηln)が0.92dl/gであるイミド化
重合体(これを「イミド化重合体(B−6)」とす
る。)25.2gを得た。
【0069】<実施例1> (1)液晶配向剤の調製:合成例2で得られたイミド化
重合体(B−1)5.0gと、N−メチルコハク酸イミ
ド0.5gとをN−メチル−2−ピロリドンに溶解させ
て固形分濃度が4.0重量%の溶液を得、この溶液を孔
径1μmのフィルターで濾過することにより、本発明の
液晶配向剤を調製した。
【0070】(2)液晶表示素子の作製: 厚さ1mmのガラス基板の一面に設けられたITO
膜からなる透明導電膜上に、上記のようにして調製され
た液晶配向剤を塗布用印刷機を用いて塗布し、200℃
で1時間乾燥することにより乾燥膜厚0.05μmの被
膜を形成した。
【0071】 形成された被膜の表面を、レーヨン製
の布を巻き付けたロールを備えたラビングマシーンを用
いてラビング処理を施すことにより液晶配向膜を形成し
た。ここに、ラビング処理条件は、毛足押し込み長0.
4mm、ロールの回転数500rpm、ステージの移動
速度1cm/秒とした。ラビング処理後、形成された液
晶配向膜をイソプロピルアルコールによって洗浄した。
【0072】 上記のようにして液晶配向膜が形成さ
れた基板を2枚作製し、それぞれの基板の外縁部に、直
径17μmの酸化アルミニウム球を含有するエポキシ樹
脂系接着剤をスクリーン印刷法により塗布した後、それ
ぞれの液晶配向膜におけるラビング方向が直交するよう
に2枚の基板を間隙を介して対向配置し、外縁部同士を
圧着して接着剤を硬化させた。その後、当該2枚の基板
の表面および外縁部の接着剤により区画されたセルギャ
ップ内に、ネマティック型液晶「ZLI−5081」
(メルク社製)を注入充填し、次いで、注入孔をエポキ
シ系接着剤で封止して液晶セルを構成した。その後、液
晶セルの外表面に、偏光方向が当該基板の一面に形成さ
れた液晶配向膜のラビング方向と一致するように偏光板
を貼り合わせることにより液晶表示素子を作製した。
【0073】 上記のようにして作製された液晶表示
素子は、異常ドメインは認められず、液晶の配向性は良
好であった。また、この液晶表示素子の残留電圧は0.
18Vときわめて小さいものであった。さらに、前記ス
トライプ電極を設けた透明電極基板の電極面に上記と
同様にして被膜を形成し、毛足押し込み長0.6mmと
したこと以外は上記と同様にしてラビング処理を行
い、形成された液晶配向膜を観察したところ、膜削れの
発生は認められず、この実施例の液晶配向剤により形成
された液晶配向膜(被膜)は、擦過力に対する強靱性に
優れていることが確認された。さらに、形成された液晶
配向膜表面における帯電圧の半減期は0.5秒であり、
ラビング処理によって発生した静電気の減衰が迅速化に
行われていることが確認された。これらの結果を表1に
示す。
【0074】<実施例2〜16> 表1に示す処方に従って、上記合成例1〜7で得られた
重合体の各々と化合物(a)の各々とをN−メチル−2
−ピロリドンに溶解させて固形分濃度が4.0重量%の
溶液を得、この溶液を孔径1μmのフィルターで濾過す
ることにより、本発明の液晶配向剤を調製した。このよ
うにして調製された液晶配向剤の各々を用い、実施例1
と同様にして基板表面上に被膜を形成し、当該被膜にラ
ビング処理を施して液晶配向膜を形成し、当該液晶配向
膜が形成された基板を用いて液晶表示素子を作製した。
作製された液晶表示素子の各々について、実施例1と同
様にして液晶の配向性の評価および残留電圧の測定を行
い、さらに実施例1と同様にして透明電極基板の電極面
に液晶配向膜を形成し、当該液晶配向膜の膜削れの有無
を観察し、さらに当該液晶配向膜の表面における帯電圧
を測定して半減期を求めた。結果を表1に示す。
【0075】<比較例1>合成例2で得られたイミド化
重合体(B−1)をN−メチル−2−ピロリドンに溶解
させて固形分濃度が4.0重量%の溶液を得、この溶液
を孔径1μmのフィルターで濾過することにより、比較
用の液晶配向剤を調製した。このようにして調製された
液晶配向剤を用い、実施例1と同様にして基板表面上に
被膜を形成し、当該被膜にラビング処理を施して液晶配
向膜を形成し、当該液晶配向膜が形成された基板を用い
て液晶表示素子を作製した。作製された液晶表示素子に
ついて、実施例1と同様にして液晶の配向性の評価およ
び残留電圧の測定を行い、さらに実施例1と同様にして
透明電極基板の電極面に液晶配向膜を形成し、当該液晶
配向膜の膜削れの有無を観察し、さらに当該液晶配向膜
の表面における帯電圧を測定して半減期を求めた。結果
を下記表1に示す。
【0076】
【表1】
【0077】
【発明の効果】本発明の液晶配向剤によれば、ラビング
処理を施しても膜削れを発生させない強靱性に優れた被
膜を透明電極基板の電極面に形成することができる。ま
た、当該被膜の表面にラビング処理を施すことによって
形成される液晶配向膜は、その表面に存在する静電気を
迅速に放電減衰することができる。さらに、当該液晶配
向膜が形成された基板を用いて作製される液晶表示素子
において、残留電圧の低いことによる優れた表示性能、
すなわち、残像が生じにくく、コントラストの高い表示
性能を発現させることができる。
【0078】本発明の液晶配向剤により形成される液晶
配向膜は、TN型液晶表示素子およびSTN型液晶表示
素子のみならず、SH(Super Homeotro
pic)型液晶表示素子、IPS(In−Plane
Switching)型液晶表示素子、強誘電性液晶表
示素子など種々の液晶表示素子を構成するために好適に
使用することができる。また、当該液晶配向膜を備えた
液晶表示素子は、液晶の配向性および信頼性にも優れ、
種々の装置に有効に使用することができ、例えば卓上計
算機、腕時計、置時計、計数表示板、ワードプロセッ
サ、パーソナルコンピュータ、液晶テレビなどの表示装
置として好適に用いることができる。
フロントページの続き (72)発明者 光本 房美 東京都中央区築地二丁目11番24号 日本 合成ゴム株式会社内 (72)発明者 松木 安生 東京都中央区築地二丁目11番24号 日本 合成ゴム株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−249127(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/1337

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 〔a〕ポリアミック酸およびポリアミッ
    ク酸を脱水閉環して得られる構造を有するイミド化重合
    体から選ばれる少なくとも1種の重合体、並びに 〔b〕下記式(I)〜(VI)で表される化合物から選ば
    れる少なくとも1種の化合物を含有してなることを特徴
    とする液晶配向剤。 【化1】 (式中、R1 16 は、水素原子または炭素数1〜12
    の炭化水素基を示し、複数存在するR1 16 は、それ
    ぞれ同一でも異なっていてもよく、a〜は、各々独立
    して0〜4の整数を示す。)
  2. 【請求項2】 化合物[b]の含有量が重合体[a]1
    00重量部に対し0.1〜30重量部である請求項1に
    記載の液晶配向剤。
  3. 【請求項3】 溶剤としてN−メチルピロリドンをさら
    に含有する請求項1に記載の液晶配向剤。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の液晶配向剤からの液晶
    配向膜を具備する液晶表示素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH09316200A (ja) * 1996-05-31 1997-12-09 Japan Synthetic Rubber Co Ltd 液晶配向剤
JP2020023671A (ja) * 2018-07-30 2020-02-13 東レ株式会社 ポリイミド前駆体樹脂組成物、ポリイミド樹脂組成物およびその膜状物、それを含む積層体、ならびにフレキシブルデバイス

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH09316200A (ja) * 1996-05-31 1997-12-09 Japan Synthetic Rubber Co Ltd 液晶配向剤
JP2020023671A (ja) * 2018-07-30 2020-02-13 東レ株式会社 ポリイミド前駆体樹脂組成物、ポリイミド樹脂組成物およびその膜状物、それを含む積層体、ならびにフレキシブルデバイス
JP7363142B2 (ja) 2018-07-30 2023-10-18 東レ株式会社 ポリイミド前駆体樹脂組成物、ポリイミド樹脂組成物およびその膜状物、それを含む積層体、ならびにフレキシブルデバイス

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