JP3321591B2 - 新規微生物、微生物共生体、培養方法及びこれを用いた水処理方法 - Google Patents
新規微生物、微生物共生体、培養方法及びこれを用いた水処理方法Info
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Description
【0001】
【本発明の属する技術分野】本発明は、マンガン酸化能
力を有する新規微生物、セデセア属(Cedecea)
GSJ/MITA24A/ASHO−RO/1、及びセ
デセア属(Cedecea)GSJ/MITA24A/
ASHO−RO/1、アエロモナス属(Aeromon
as)GSJ/MITA24B/ASHO−RO/2、
シュワネラ属(Shewanella)GSJ/MIT
A24C/ASHO−RO/3のいずれかの1種若しく
は2種以上と藻類とからなる微生物共生体、この共生体
をKester人工海水の希釈水溶液を用いて培養する方法、
及びこの共生体を用いてマンガン含有水からマンガンを
除去する方法及び該マンガンを利用する方法に関するも
のである。
力を有する新規微生物、セデセア属(Cedecea)
GSJ/MITA24A/ASHO−RO/1、及びセ
デセア属(Cedecea)GSJ/MITA24A/
ASHO−RO/1、アエロモナス属(Aeromon
as)GSJ/MITA24B/ASHO−RO/2、
シュワネラ属(Shewanella)GSJ/MIT
A24C/ASHO−RO/3のいずれかの1種若しく
は2種以上と藻類とからなる微生物共生体、この共生体
をKester人工海水の希釈水溶液を用いて培養する方法、
及びこの共生体を用いてマンガン含有水からマンガンを
除去する方法及び該マンガンを利用する方法に関するも
のである。
【0002】
【従来技術】従来、水中から重金属とくにマンガンを除
去する方法としては、種々の方法が知られているが、化
学的処理ではマンガンイオンを含む水をpH10以上の強ア
ルカリ性にすることで二酸化マンガンの沈澱を作って水
系から分離除去した後にその水を中和してから排出して
おり、また、微生物による除去方法は栄養源となる多量
の有機物を添加する必要があるだけでなく、通常はマン
ガン除去能力を示す微生物だけを分離純化して利用する
ことが多く、それら微生物を継代培養して保存している
間にマンガン除去能力を失うこともあるなど、いずれも
除去性能やコスト的に未だ満足し得るものはなく、安価
で効率の良くマンガンを除去するマンガンを含む水の処
理方法の開発が望まれている。
去する方法としては、種々の方法が知られているが、化
学的処理ではマンガンイオンを含む水をpH10以上の強ア
ルカリ性にすることで二酸化マンガンの沈澱を作って水
系から分離除去した後にその水を中和してから排出して
おり、また、微生物による除去方法は栄養源となる多量
の有機物を添加する必要があるだけでなく、通常はマン
ガン除去能力を示す微生物だけを分離純化して利用する
ことが多く、それら微生物を継代培養して保存している
間にマンガン除去能力を失うこともあるなど、いずれも
除去性能やコスト的に未だ満足し得るものはなく、安価
で効率の良くマンガンを除去するマンガンを含む水の処
理方法の開発が望まれている。
【0003】
【本発明が解決しようとする課題】本発明は、効率良く
重金属とくにマンガンを除去する能力を有する新規な微
生物とその微生物共生体が存在することを発見し、新規
な微生物、微生物共生体、微生物共生体の培養方法、マ
ンガン含有水からマンガンを除去する方法および回収し
たマンガンを再利用する方法を提供することを課題とす
る。
重金属とくにマンガンを除去する能力を有する新規な微
生物とその微生物共生体が存在することを発見し、新規
な微生物、微生物共生体、微生物共生体の培養方法、マ
ンガン含有水からマンガンを除去する方法および回収し
たマンガンを再利用する方法を提供することを課題とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、特殊な微
生物共生体が水中において、重金属とくにマンガンを、
固体状のものではそれを捕獲し、溶解しているものでは
それを酸化して沈殿させる作用を有していることを見出
し、本発明を完成した。即ち、本発明は、次の通りであ
る。
生物共生体が水中において、重金属とくにマンガンを、
固体状のものではそれを捕獲し、溶解しているものでは
それを酸化して沈殿させる作用を有していることを見出
し、本発明を完成した。即ち、本発明は、次の通りであ
る。
【0005】(1)セデセア属 FERM P-17064菌株およ
び/またはシュワネラ属 FERMP-17220菌株からなるマン
ガン酸化細菌と藻類が共生した微生物共生体。(2)藻
類がオシラトリア(Ocillatoria)などの藍藻、ナビキ
ュラ(Navicula)などの珪藻およびウロトリックス(Ulo
thrix)などの緑藻を含むものである、上記(1)記載の
微生物共生体。
び/またはシュワネラ属 FERMP-17220菌株からなるマン
ガン酸化細菌と藻類が共生した微生物共生体。(2)藻
類がオシラトリア(Ocillatoria)などの藍藻、ナビキ
ュラ(Navicula)などの珪藻およびウロトリックス(Ulo
thrix)などの緑藻を含むものである、上記(1)記載の
微生物共生体。
【0006】(3)上記(1)または(2)記載の微生
物共生体を、マンガンを含有する水と接触させることに
より、マンガンを酸化沈殿させ、水中のマンガンを除去
することを特徴とする、実質的に有機物を添加しない水
処理方法。
物共生体を、マンガンを含有する水と接触させることに
より、マンガンを酸化沈殿させ、水中のマンガンを除去
することを特徴とする、実質的に有機物を添加しない水
処理方法。
【0007】
【0008】
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の微生物共生体の入手源
は、自然界においてマンガンイオンが溶解している水中
とその周辺のマンガン沈澱物からであり、好ましくは有
機物が少なく適度な光照射のある場所である。マンガン
酸化能力を有する新規微生物、セデセア属(Cedec
ea)GSJ/MITA24A/ASHO−RO/1、
アエロモナス属(Aeromonas)GSJ/MIT
A24B/ASHO−RO/2又はシュワネラ属(Sh
ewanella)GSJ/MITA24C/ASHO
−RO/3の1種若しくは2種以上を含む微生物と藻類
とからなる微生物共生体は、大量培養することができ
る。上記藻類としては、オシアトリア(Ocillatoria)な
どの藍藻(シアノバクテリア)、ナビキュラ(Navicul
a) などの珪藻、ウルトリックス(Ulothrix)などの緑藻
が挙げられる。そして、上記培養条件は、酸性から弱ア
ルカリ性、好ましくはpH5〜8で、かつ、有機物を含有し
ない水を用いて、太陽光のみで培養を行うことが望まし
い。したがって、有機物を栄養源として特に人工的に添
加する必要もないので、非常に簡単な方法でかつ安価に
培養物を得ることができる。
は、自然界においてマンガンイオンが溶解している水中
とその周辺のマンガン沈澱物からであり、好ましくは有
機物が少なく適度な光照射のある場所である。マンガン
酸化能力を有する新規微生物、セデセア属(Cedec
ea)GSJ/MITA24A/ASHO−RO/1、
アエロモナス属(Aeromonas)GSJ/MIT
A24B/ASHO−RO/2又はシュワネラ属(Sh
ewanella)GSJ/MITA24C/ASHO
−RO/3の1種若しくは2種以上を含む微生物と藻類
とからなる微生物共生体は、大量培養することができ
る。上記藻類としては、オシアトリア(Ocillatoria)な
どの藍藻(シアノバクテリア)、ナビキュラ(Navicul
a) などの珪藻、ウルトリックス(Ulothrix)などの緑藻
が挙げられる。そして、上記培養条件は、酸性から弱ア
ルカリ性、好ましくはpH5〜8で、かつ、有機物を含有し
ない水を用いて、太陽光のみで培養を行うことが望まし
い。したがって、有機物を栄養源として特に人工的に添
加する必要もないので、非常に簡単な方法でかつ安価に
培養物を得ることができる。
【0010】
(1)微生物の入手場所 自然界から微生物を入手した。
【0011】(2)微生物の採取方法 オシラトリア(Ocillatoria)などの藍藻(シアノバクテ
リア)、ナビキュラ(Navicula) などの珪藻、ウロトリ
ックス(Ulothrix)などの緑藻をはじめとする微細な藻類
などの微生物から構成される繁茂体,二酸化マンガンな
どの沈澱物、あるいはその両者より構成される集合体、
などの試料から菌を入手するが、標準的には藻類の表面
から3mmまでのものを1ml採取し9mlの水に加えて全体
を10mlとして用いた。なお、この微生物は、以下に示
す実験より3種類の微生物からなることが判明したが、
この混合微生物をGSJ−MITA−ASHORO−M
N−MAT−1と名付けて、工業技術院生命工学工業研
究所技術研究所への寄託を試みたが凍結処理による保存
ができないため、受託を拒否された。
リア)、ナビキュラ(Navicula) などの珪藻、ウロトリ
ックス(Ulothrix)などの緑藻をはじめとする微細な藻類
などの微生物から構成される繁茂体,二酸化マンガンな
どの沈澱物、あるいはその両者より構成される集合体、
などの試料から菌を入手するが、標準的には藻類の表面
から3mmまでのものを1ml採取し9mlの水に加えて全体
を10mlとして用いた。なお、この微生物は、以下に示
す実験より3種類の微生物からなることが判明したが、
この混合微生物をGSJ−MITA−ASHORO−M
N−MAT−1と名付けて、工業技術院生命工学工業研
究所技術研究所への寄託を試みたが凍結処理による保存
ができないため、受託を拒否された。
【0012】(3)マンガン酸化細菌の育成、選別、単
離 温泉組成に近い塩類濃度の人工無機塩類水溶液として、
Kester人工海水(KSW:Kester et. al., 1967)の20%水
溶液を調製した。前述の入手試料を人工無機塩類水溶液
によって段階希釈した懸濁水を、1/2 TZ-Mn 培地(Maru
yama et al., 1993)中のKSW濃度を20%に改良したYF1-M
n培地(Mita et al., 1994)で調製した寒天平板培地に
塗布し、20℃あるいは37℃で培養して育成した。出現し
たコロニーの中からTMBZ・HCl水溶液を青色に呈色させ
る能力を有するコロニーだけを選別し、これらの中から
形状の異なるコロニーをそれぞれ分離し、菌株を単離し
た。ここでは,菌の名称を便宜上、Mn-24(A)をGSJ/
MITA24A/ASHO−RO/1菌株,Mn-24(B)を
GSJ/MITA24B/ASHO−RO/2菌株、Mn
-24(C)をGSJ/MITA24C/ASHO−RO/3
菌株と称する。
離 温泉組成に近い塩類濃度の人工無機塩類水溶液として、
Kester人工海水(KSW:Kester et. al., 1967)の20%水
溶液を調製した。前述の入手試料を人工無機塩類水溶液
によって段階希釈した懸濁水を、1/2 TZ-Mn 培地(Maru
yama et al., 1993)中のKSW濃度を20%に改良したYF1-M
n培地(Mita et al., 1994)で調製した寒天平板培地に
塗布し、20℃あるいは37℃で培養して育成した。出現し
たコロニーの中からTMBZ・HCl水溶液を青色に呈色させ
る能力を有するコロニーだけを選別し、これらの中から
形状の異なるコロニーをそれぞれ分離し、菌株を単離し
た。ここでは,菌の名称を便宜上、Mn-24(A)をGSJ/
MITA24A/ASHO−RO/1菌株,Mn-24(B)を
GSJ/MITA24B/ASHO−RO/2菌株、Mn
-24(C)をGSJ/MITA24C/ASHO−RO/3
菌株と称する。
【0013】(4)マンガン酸化細菌の菌株の同定方法 菌株の同定は、(財)日本食品分析センターに委託し
た。菌株について形態観察、生理的性状試験、キノン系
および菌体内DNAのGC含量の測定を行ない、Kriegand Ho
lt (1984), Holt et al. (1994), MacDonell and Colwe
ll (1985), Leeet al. (1977), Nozue et al. (1992)を
参考にして同定した。 (5)GSJ/MITA24A/ASHO−RO/1菌
株の菌学的性質と同定 菌株の菌学的性質は以下に示すとおりである。この菌株
は腸内細菌科の Cedecea davisae に近い性状を示した
が、Cedecea 属の特徴であるリパーゼを有さないが、オ
キシダーゼ陰性の通性嫌気性グラム陰性桿菌であること
から、Cedecea属 に最も近似していた。そこ
で、この新規な微生物をセデセア属(Cedecea)GSJ
/MITA24A/ASHO−RO/1と命名して、平
成10年11月25日に通商産業省工業技術院生命工学
工業技術研究所に GSJ/MITA24A/ASHO
−RO/1として寄託した。寄託番号は FERM P
−17064である。
た。菌株について形態観察、生理的性状試験、キノン系
および菌体内DNAのGC含量の測定を行ない、Kriegand Ho
lt (1984), Holt et al. (1994), MacDonell and Colwe
ll (1985), Leeet al. (1977), Nozue et al. (1992)を
参考にして同定した。 (5)GSJ/MITA24A/ASHO−RO/1菌
株の菌学的性質と同定 菌株の菌学的性質は以下に示すとおりである。この菌株
は腸内細菌科の Cedecea davisae に近い性状を示した
が、Cedecea 属の特徴であるリパーゼを有さないが、オ
キシダーゼ陰性の通性嫌気性グラム陰性桿菌であること
から、Cedecea属 に最も近似していた。そこ
で、この新規な微生物をセデセア属(Cedecea)GSJ
/MITA24A/ASHO−RO/1と命名して、平
成10年11月25日に通商産業省工業技術院生命工学
工業技術研究所に GSJ/MITA24A/ASHO
−RO/1として寄託した。寄託番号は FERM P
−17064である。
【0014】 GSJ/MITA24A/ASHO−RO/1 菌株の菌学的性質 (試験項目) (試験結果) 形 態 桿 菌 グラム染色性 − 胞 子 − 運 動 性 + 鞭 毛 周 毛 酸素に対する態度 通性嫌気性 オキシダーゼ − カタラーゼ + OF F 集落の色調 NP(注1) 乳糖からのガスの生成 +(slow) インドールの生成 − メチルレッド試験 + V P 反応 + クエン酸塩の利用(シモンズ) + 硫化水素の生成 − 尿素の分解 − フェニルアラニンデアミナーゼ − リジンデカルボキシダーゼ +(slow) アルギニンジヒドロラーゼ − オルニチンデカルボキシラーゼ + ゼラチンの液化 − マロン酸塩の利用 + グルコースからの酸の生成 + グルコースからのガスの生成 − 酸の生成 セロビオース + グリセリン + マルトース + D−マンノース + L−ラムノース − サリシン + トレハロース + D−キシロース + エスクリンの加水分解 + 硝酸塩の還元 + DNAの分解 − リパーゼ − ONPG + 菌体内 DNAのGC含量(モル%) 54 キノン系 Q-8 (注1)特徴的集落色素を生成せず
【0015】(6)GSJ/MITA24B/ASHO
−RO/2菌株の菌学的性質と同定 菌株の菌学的性質は以下に示すとおりである。この菌株
は、オキシダーゼが陰性で鞭毛が極単毛であったが、運
動性を有する通性嫌気性グラム陰性桿菌であることや、
菌体内 DNA の CG 含量やキノン系からみると Aeromona
s 属に最も近似していた。そこで、この新規微生物をア
エロモナス属(Aeromonas)GSJ/MITA
24B/ASHO−RO/2と命名したが、この菌は、
活力が弱いので通商産業省工業技術院生命工学工業技術
研究所に寄託できなかった。
−RO/2菌株の菌学的性質と同定 菌株の菌学的性質は以下に示すとおりである。この菌株
は、オキシダーゼが陰性で鞭毛が極単毛であったが、運
動性を有する通性嫌気性グラム陰性桿菌であることや、
菌体内 DNA の CG 含量やキノン系からみると Aeromona
s 属に最も近似していた。そこで、この新規微生物をア
エロモナス属(Aeromonas)GSJ/MITA
24B/ASHO−RO/2と命名したが、この菌は、
活力が弱いので通商産業省工業技術院生命工学工業技術
研究所に寄託できなかった。
【0016】 GSJ/MITA24B/ASHO−RO/2 菌株の菌学的性質 (試験項目) (試験結果) 形 態 桿 菌 グラム染色性 − 胞 子 − 運 動 性 + 鞭 毛 極単毛 酸素に対する態度 通性嫌気性 オキシダーゼ − カタラーゼ − OF F 集落の色調 NP(注1) 菌体内 DNAのGC含量(モル%) 56 キノン系 Q-8, MK-8, DMK-8 (注1)特徴的集落色素を生成せず
【0017】GSJ/MITA24C/ASHO−RO
/3菌株の菌学的性質と同定 菌株の菌学的性質は以下に示すとおりである。菌株は S
hewanella putrefaciens である。 Shewanella は極鞭
毛で、キノン系にメチルメナキノン(MMK)を有するグ
ラム陰性桿菌であり、主に水生生物や海洋生物から分離
されている。なお、 Shewanella putrefaciens は MacD
onell and Colwell (1985)によってAlteromonas 属から
移行された菌である。
/3菌株の菌学的性質と同定 菌株の菌学的性質は以下に示すとおりである。菌株は S
hewanella putrefaciens である。 Shewanella は極鞭
毛で、キノン系にメチルメナキノン(MMK)を有するグ
ラム陰性桿菌であり、主に水生生物や海洋生物から分離
されている。なお、 Shewanella putrefaciens は MacD
onell and Colwell (1985)によってAlteromonas 属から
移行された菌である。
【0018】この新規微生物をシュワネラ・プトレファ
シエンス(Shewanellaputrefacie
ns)GSJ/MITA24C/ASHO−RO/3と
命名し、平成11年2月17日に通商産業省工業技術院
生命工学工業技術研究所にGSJ/MITA24C/A
SHO−RO/3として寄託した。寄託番号は、FER
M P−17220である。
シエンス(Shewanellaputrefacie
ns)GSJ/MITA24C/ASHO−RO/3と
命名し、平成11年2月17日に通商産業省工業技術院
生命工学工業技術研究所にGSJ/MITA24C/A
SHO−RO/3として寄託した。寄託番号は、FER
M P−17220である。
【0019】 GSJ/MITA24C/ASHO−RO/3菌株の菌学的性質 (試験項目) (試験結果) 形 態 桿 菌 グラム染色性 − 胞 子 − 運 動 性 + 鞭 毛 極単毛 酸素に対する態度 好気性 オキシダーゼ + カタラーゼ + OF O 集落の色調 茶色系 Na+要求性 + 塩類要求性 0%NaCl培地での生育 + 1%NaCl培地での生育 + 海水培地での生育 + DNAの分解 + アルギニンジヒドロラーゼ − オルニチンデカルボキシラーゼ + リジンデカルボキシラーゼ − 硫化水素の生成 + 溶血性(羊血液) + 6%NaCl存在下での生育 + 4℃での生育 + 37℃での生育 + 42℃での生育 − SA寒天培地での生育 − 酸の生成 D−リボース − マルトース + L−アラビノース + 資化性 イソロイシン − コハク酸塩 + グリセリン − グルコース + グルコサミン − 菌体内のDNAのGC含量(モル%) 48 キノン系 Q-8,Q-7,MMK-7, MK-7
【0020】〔実施例2〕 イ.微生物共生体の採取とスクリーニング (1)Kester人工海水を5倍希釈した溶液に硫酸マンガ
ンを添加して、マンガン(II)濃度を2〜3ppm程
度にした溶液を孔径0. 2μmの滅菌済みフィルター
で無菌濾過した濾液(А液)を調製する。
ンを添加して、マンガン(II)濃度を2〜3ppm程
度にした溶液を孔径0. 2μmの滅菌済みフィルター
で無菌濾過した濾液(А液)を調製する。
【0021】(2)緑色ないし深緑色、または褐色ない
し黒色の微生物マットを滅菌済みの袋や瓶などに採取
し、А液が入っている滅菌済み試験管(キャップ付)に
全液量の約10%となる微生物マットを入れ、試験管ミ
キサーなどで良く混合する。すばやくこの液を2分し、
滅菌済み試験管(キャップ付10ml)に分液する。こ
の微生物マットに蛍光試薬のDAPIを添加して蛍光顕
微鏡で観察し、シアノバクテリヤと細菌の存在を確認す
る。
し黒色の微生物マットを滅菌済みの袋や瓶などに採取
し、А液が入っている滅菌済み試験管(キャップ付)に
全液量の約10%となる微生物マットを入れ、試験管ミ
キサーなどで良く混合する。すばやくこの液を2分し、
滅菌済み試験管(キャップ付10ml)に分液する。こ
の微生物マットに蛍光試薬のDAPIを添加して蛍光顕
微鏡で観察し、シアノバクテリヤと細菌の存在を確認す
る。
【0022】(3)2分した試験管の一方はオートクレ
ーブにより、121℃、2気圧で15分間の滅菌処理を
行い、それを滅菌済み試料懸濁液と称する。他方のなに
も処理しない試験管を、未処理(生)の試料懸濁液と称
する。 (4)それぞれ25mlのА液を入れた3本の滅菌済み
試験管(キャップ付、50ml)を用意し、なにも加え
ていない試験管1、滅菌済みの試料懸濁液2mlを添加
した試験管2、未処理(生)の試料懸濁液2mlを添加
した試験管3を作成する。
ーブにより、121℃、2気圧で15分間の滅菌処理を
行い、それを滅菌済み試料懸濁液と称する。他方のなに
も処理しない試験管を、未処理(生)の試料懸濁液と称
する。 (4)それぞれ25mlのА液を入れた3本の滅菌済み
試験管(キャップ付、50ml)を用意し、なにも加え
ていない試験管1、滅菌済みの試料懸濁液2mlを添加
した試験管2、未処理(生)の試料懸濁液2mlを添加
した試験管3を作成する。
【0023】(5)これら3本の試験管は、それぞれ良
く攪拌した後、自然光照射下、37℃で4日間、静置培
養する。 (6)各液を孔径0. 2μmのフィルター(滅菌の必
要はない)で濾過して、試験管に約0. 5mlを分取
する。 (7)これらにそれぞれ、フォルムアルドキシム溶液
0. 5ml、pH10緩衝液0. 5mlを加え、混合
した後に約10分間放置する。 (8)試験管1からの反応液は暗赤色に呈色する。試験
管2からの反応液の呈色より試験管3からの反応液の呈
色の方が顕著に弱ければ、目的の活性を有する(陽性)
と判断されるので採用する。しかし、前記2と3の呈色
にほとんど差がなければ活性がほとんどない(陰性)と
判断して採用しない。 (9)この選別で採用された培養物は、マンガン除去に
有効である。
く攪拌した後、自然光照射下、37℃で4日間、静置培
養する。 (6)各液を孔径0. 2μmのフィルター(滅菌の必
要はない)で濾過して、試験管に約0. 5mlを分取
する。 (7)これらにそれぞれ、フォルムアルドキシム溶液
0. 5ml、pH10緩衝液0. 5mlを加え、混合
した後に約10分間放置する。 (8)試験管1からの反応液は暗赤色に呈色する。試験
管2からの反応液の呈色より試験管3からの反応液の呈
色の方が顕著に弱ければ、目的の活性を有する(陽性)
と判断されるので採用する。しかし、前記2と3の呈色
にほとんど差がなければ活性がほとんどない(陰性)と
判断して採用しない。 (9)この選別で採用された培養物は、マンガン除去に
有効である。
【0024】ロ.微生物共生体の培養 本発明の微生物共生体の培養では、特に人工的に有機物
の添加をしなくてもよく、Kester人工海水の20%水溶液
にマンガン60ppmを含んだ溶液100mlに、あるいは採
取地で共生体と接している試料水を滅菌した液100ml
に、上記の選別方法で選別したものを1ml採取し9mlの
水に加えて全体を10mlとした微生物共生体サンプルか
ら0.2mlを加えて、自然光下あるいは人工照明下に
て、37℃で静置して培養した。
の添加をしなくてもよく、Kester人工海水の20%水溶液
にマンガン60ppmを含んだ溶液100mlに、あるいは採
取地で共生体と接している試料水を滅菌した液100ml
に、上記の選別方法で選別したものを1ml採取し9mlの
水に加えて全体を10mlとした微生物共生体サンプルか
ら0.2mlを加えて、自然光下あるいは人工照明下に
て、37℃で静置して培養した。
【0025】ハ.微生物共生体によるマンガンを含む水
の処理 2. 4ppmの濃度でマンガンを含んでいる温泉水を
滅菌フィルターで濾過して、滅菌処理した。滅菌処理し
た水を以下のように調整して、A、B、Cの3つに分け
てそれぞれ37℃の温度に保ち、自然光のなかで3日間
放置した。
の処理 2. 4ppmの濃度でマンガンを含んでいる温泉水を
滅菌フィルターで濾過して、滅菌処理した。滅菌処理し
た水を以下のように調整して、A、B、Cの3つに分け
てそれぞれ37℃の温度に保ち、自然光のなかで3日間
放置した。
【0026】Aは、滅菌処理した水になにも添加しなか
ったものである。Bは、(1)で育成した微生物共生
体:温泉水を容積比で1:9にし、これをオートクレー
ブ中で121℃、2気圧で滅菌処理したものを、滅菌処
理した水に対して0. 2%(容量比)添加したもので
ある。Cは、1)で育成した微生物共生体:温泉水を容
積比で1:9にしたものをそのまま生で、滅菌処理した
水に対して0. 2%(容量比)添加したものである。
なお、各A、B、Cの資料は均一に攪拌されたのち、静
止放置された。
ったものである。Bは、(1)で育成した微生物共生
体:温泉水を容積比で1:9にし、これをオートクレー
ブ中で121℃、2気圧で滅菌処理したものを、滅菌処
理した水に対して0. 2%(容量比)添加したもので
ある。Cは、1)で育成した微生物共生体:温泉水を容
積比で1:9にしたものをそのまま生で、滅菌処理した
水に対して0. 2%(容量比)添加したものである。
なお、各A、B、Cの資料は均一に攪拌されたのち、静
止放置された。
【0027】放置した結果を図2に示す。Aは、3日の
間、全く変化しなかった。Bは、2日の間に変化し、マ
ンガンイオンは、1.8ppmにまで低下した。Cは、
2日の間に大きく変化し、3日目には、 ほぼゼロにち
かいところまでマンガンイオンが低下していた。
間、全く変化しなかった。Bは、2日の間に変化し、マ
ンガンイオンは、1.8ppmにまで低下した。Cは、
2日の間に大きく変化し、3日目には、 ほぼゼロにち
かいところまでマンガンイオンが低下していた。
【0028】〔実施例3〕 微細藻類の分類観察 生成中の二酸化マンガンの沈殿物を伴う未染色の微生物
繁茂体をスライドガラスにとり、位相差顕微鏡或いは明
視野顕微鏡で内部構造を観察し、細胞内に核を有しない
原核生物である細菌及び藍藻と、核を有する真核生物で
ある他の生物を区別する。また、同じ未染色の試料に紫
外線照射してオレンジ色の蛍光を発する葉緑素の自家蛍
光を落射蛍光顕微鏡下で観察することにより、藍藻、緑
藻、珪藻等の藻類と別の微生物を区別する。さらに、蛍
光試薬DAPIを添加した細胞に紫外線照射して、オレ
ンジ色の蛍光を発する藍藻の核酸の分布形と、青から白
の蛍光を発する細菌の核酸の分布形とを合わせて観察す
る。これらの結果を組み合わせて一般の微生物図鑑から
藍藻、緑藻、珪藻等の藻類の分類を観察する。本発明に
おける微生物共生体中の藻類には、顕微鏡下での観察に
よってオシラトリア(Ocillatoria) などの藍藻、ナビキ
ュラ(Navicula) などの珪藻、ウロトリックス(Ulothri
x)などの緑藻などの生存が認められている。
繁茂体をスライドガラスにとり、位相差顕微鏡或いは明
視野顕微鏡で内部構造を観察し、細胞内に核を有しない
原核生物である細菌及び藍藻と、核を有する真核生物で
ある他の生物を区別する。また、同じ未染色の試料に紫
外線照射してオレンジ色の蛍光を発する葉緑素の自家蛍
光を落射蛍光顕微鏡下で観察することにより、藍藻、緑
藻、珪藻等の藻類と別の微生物を区別する。さらに、蛍
光試薬DAPIを添加した細胞に紫外線照射して、オレ
ンジ色の蛍光を発する藍藻の核酸の分布形と、青から白
の蛍光を発する細菌の核酸の分布形とを合わせて観察す
る。これらの結果を組み合わせて一般の微生物図鑑から
藍藻、緑藻、珪藻等の藻類の分類を観察する。本発明に
おける微生物共生体中の藻類には、顕微鏡下での観察に
よってオシラトリア(Ocillatoria) などの藍藻、ナビキ
ュラ(Navicula) などの珪藻、ウロトリックス(Ulothri
x)などの緑藻などの生存が認められている。
【0029】〔実施例4〕 マンガン酸化細菌の菌株に
よるマンガンを含む水の処理 ペプトンや酵母エキスなどの有機栄養を添加した人工海
水溶液、あるいはその人工海水濃度を5倍程度まで希釈
した溶液に、マンガン酸化細菌の菌株の1種または2種
以上を接種した系を調整し、無接種の系とともに37℃
或いは20℃において振とう培養する。この液の一部を
分取して、660nm における吸光度( 光学密度、OD 660)
微生物量及び溶存マンガン濃度(Mn2+) を測定する。
よるマンガンを含む水の処理 ペプトンや酵母エキスなどの有機栄養を添加した人工海
水溶液、あるいはその人工海水濃度を5倍程度まで希釈
した溶液に、マンガン酸化細菌の菌株の1種または2種
以上を接種した系を調整し、無接種の系とともに37℃
或いは20℃において振とう培養する。この液の一部を
分取して、660nm における吸光度( 光学密度、OD 660)
微生物量及び溶存マンガン濃度(Mn2+) を測定する。
【0030】マンガンの初期濃度を60ppm として有機栄
養を添加した20mlの100%人工海水溶液のpHを7.5 と
し、マンガン酸化細菌の1白金耳を接種した系と、未接
種(無菌)系の液を20℃で培養した結果を図1に示
す。この図から、高塩濃度の液体中でも二酸化マンガン
の沈殿が生じ、化学的には沈殿しない水溶液から高濃度
のマンガンイオンを除去することができることが判る。
そして、この回収されたマンガンは、乾電池、釉薬等の
製造原料として利用することができる。
養を添加した20mlの100%人工海水溶液のpHを7.5 と
し、マンガン酸化細菌の1白金耳を接種した系と、未接
種(無菌)系の液を20℃で培養した結果を図1に示
す。この図から、高塩濃度の液体中でも二酸化マンガン
の沈殿が生じ、化学的には沈殿しない水溶液から高濃度
のマンガンイオンを除去することができることが判る。
そして、この回収されたマンガンは、乾電池、釉薬等の
製造原料として利用することができる。
【0031】
【発明の効果】本発明の微生物、微生物共生体は、これ
までに人工的に単離されたり、培養されたことはないも
のであり、そして、この微生物共生体を用いた重金属と
くにマンガンの除去法は、マンガンを含む種々の水をpH
10以上の強アルカリ性にする必要がないことから、廃水
処理に適用してマンガンの除去を低コストで行うことが
できる。
までに人工的に単離されたり、培養されたことはないも
のであり、そして、この微生物共生体を用いた重金属と
くにマンガンの除去法は、マンガンを含む種々の水をpH
10以上の強アルカリ性にする必要がないことから、廃水
処理に適用してマンガンの除去を低コストで行うことが
できる。
【0032】また、この処理法によりマンガンを含む廃
棄物、例えば使用済み乾電池、古鉄材などから、元の資
源である二酸化マンガンを再生することができる。更
に、この処理法で得られる沈着した二酸化マンガンは、
高品位であるため、乾電池、鉄、釉薬、ガラスなどの製
造原料として有効に利用することができる。
棄物、例えば使用済み乾電池、古鉄材などから、元の資
源である二酸化マンガンを再生することができる。更
に、この処理法で得られる沈着した二酸化マンガンは、
高品位であるため、乾電池、鉄、釉薬、ガラスなどの製
造原料として有効に利用することができる。
【図1】微生物の生育状態及びマンガンイオンの除去効
果を示す図である。
果を示す図である。
【図2】本発明による水中のマンガンの除去効果を示す
図である。
図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C22B 47/00 C22B 47/00 //(C12N 1/12 (C12N 1/12 C12R 1:89) C12R 1:89) (C12N 1/20 (C12N 1/20 C12R 1:01) C12R 1:01) (72)発明者 加藤 義重 茨城県つくば市小野川16番3 工業技術 院 資源環境技術総合研究所内 (72)発明者 丸山 明彦 茨城県つくば市東1丁目1番3 工業技 術院 生命工学工業技術研究所内 (72)発明者 東原 孝規 茨城県つくば市東1丁目1番3 工業技 術院 生命工学工業技術研究所内 (72)発明者 金井 豊 茨城県つくば市東1丁目1番3 工業技 術院 地質調査所内 (72)発明者 臼井 朗 茨城県つくば市東1丁目1番3 工業技 術院 地質調査所内 (72)発明者 三浦 裕行 北海道札幌市北区あいの里3条7丁目5 −32 (72)発明者 伊藤 孝 茨城県水戸市文京1−1 愛宕住宅1− 303 (72)発明者 田代 英俊 東京都武蔵野市境南町1−22−2 シエ ロビスタ203号 審査官 坂崎 恵美子 (56)参考文献 特開 昭59−177198(JP,A) Journal of Indust rial Microbiology, Vol.16(5),p.267−273 (1996) C.R.Acad.Sci.,Se r.3,Vol.310(7),p.273− 278(1990) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 1/12 C12N 1/20 C22B 47/00 C02F 3/34 BIOSIS/CA/WPIDS(ST N)
Claims (3)
- 【請求項1】 セデセア属 FERM P-17064菌株および/
またはシュワネラ属FERM P-17220菌株からなるマンガン
酸化細菌と藻類が共生した微生物共生体。 - 【請求項2】 藻類がオシラトリア(Ocillatoria)な
どの藍藻、ナビキュラ(Navicula)などの珪藻およびウ
ロトリックス(Ulothrix)などの緑藻を含むものであ
る、請求項1記載の微生物共生体。 - 【請求項3】 請求項1または2記載の微生物共生体
を、マンガンを含有する水と接触させることにより、マ
ンガンを酸化沈殿させ、水中のマンガンを除去すること
を特徴とする、実質的に有機物を添加しない水処理方
法。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11273599A JP3321591B2 (ja) | 1998-12-28 | 1999-04-20 | 新規微生物、微生物共生体、培養方法及びこれを用いた水処理方法 |
US09/470,147 US6350605B1 (en) | 1989-12-28 | 1999-12-22 | Microorganisms, microbial symbionts, their culture methods, and methods for treating manganese-containing water using them |
CA 2291929 CA2291929C (en) | 1998-12-28 | 1999-12-24 | Novel microorganisms, microbial symbionts, their culture methods, and methods for treating manganese-containing water using them |
DE1999163410 DE19963410A1 (de) | 1998-12-28 | 1999-12-28 | Neue Mikroorganismen, mikrobielle Symbionten, Verfahren zu ihrer Züchtung und Verfahren zum Behandeln von manganhaltigem Wasser unter deren Verwendung |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10-377190 | 1998-12-28 | ||
JP37719098 | 1998-12-28 | ||
JP11273599A JP3321591B2 (ja) | 1998-12-28 | 1999-04-20 | 新規微生物、微生物共生体、培養方法及びこれを用いた水処理方法 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000008260A Division JP3321592B2 (ja) | 1998-12-28 | 2000-01-17 | 新規微生物の培養方法及びこれを用いた水処理方法 |
JP2000008255A Division JP3188924B2 (ja) | 1998-12-28 | 2000-01-17 | 新規微生物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000245437A JP2000245437A (ja) | 2000-09-12 |
JP3321591B2 true JP3321591B2 (ja) | 2002-09-03 |
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ID=26451834
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11273599A Expired - Lifetime JP3321591B2 (ja) | 1989-12-28 | 1999-04-20 | 新規微生物、微生物共生体、培養方法及びこれを用いた水処理方法 |
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---|---|
US (1) | US6350605B1 (ja) |
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DE (1) | DE19963410A1 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006248818A (ja) * | 2005-03-09 | 2006-09-21 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | 新規ヨウ素製造法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4580674B2 (ja) * | 2004-04-13 | 2010-11-17 | 裕子 石栗 | 微細な高純度金属酸化物の製造方法 |
US7776795B2 (en) * | 2008-04-18 | 2010-08-17 | E.I. Du Pont De Nemours And Company | Identification, characterization, and application of Shewanella putrefaciens (LH4:18), useful in microbially enhanced oil release |
CN101367575B (zh) * | 2008-10-06 | 2010-04-14 | 首都师范大学 | 一种资源化处理镉污染废水的方法 |
BRPI1007643A2 (pt) * | 2009-05-22 | 2016-02-23 | Du Pont | método para alterar a molhabilidade de uma superfície revestida com hidrocarboneto, método para recuperação de petróleo a partir de um reservatório, composição para aprimorar a recuperação de petróleo e shewanella sp" |
US9029123B2 (en) | 2009-05-22 | 2015-05-12 | E I Du Pont De Nemours And Company | Altering the interface of hydrocarbon-coated surfaces |
JP5736592B2 (ja) * | 2011-03-04 | 2015-06-17 | 国立大学法人広島大学 | 金属の回収方法及び回収装置 |
CN102517231B (zh) * | 2011-12-14 | 2013-06-19 | 重庆理工大学 | 锰氧化微生物的分离、筛选方法 |
CN103013886B (zh) * | 2012-12-26 | 2014-07-09 | 常州大学 | 一种藻毒素降解菌的原生质体制备与再生 |
CN103091272B (zh) * | 2013-01-16 | 2015-01-14 | 中国科学院东北地理与农业生态研究所 | 一种利用大肠杆菌生长od值检测污水中锰含量的方法 |
CN109517757B (zh) * | 2018-11-27 | 2020-08-07 | 广西大学 | 一株锰氧化嗜水气单胞菌ds02及其应用 |
CN113599518B (zh) * | 2021-08-09 | 2023-04-07 | 上海市第十人民医院 | 一种复合声敏剂及其制备方法 |
-
1999
- 1999-04-20 JP JP11273599A patent/JP3321591B2/ja not_active Expired - Lifetime
- 1999-12-22 US US09/470,147 patent/US6350605B1/en not_active Expired - Fee Related
- 1999-12-24 CA CA 2291929 patent/CA2291929C/en not_active Expired - Fee Related
- 1999-12-28 DE DE1999163410 patent/DE19963410A1/de not_active Ceased
Non-Patent Citations (2)
Title |
---|
C.R.Acad.Sci.,Ser.3,Vol.310(7),p.273−278(1990) |
Journal of Industrial Microbiology,Vol.16(5),p.267−273(1996) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006248818A (ja) * | 2005-03-09 | 2006-09-21 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | 新規ヨウ素製造法 |
JP4590535B2 (ja) * | 2005-03-09 | 2010-12-01 | 独立行政法人産業技術総合研究所 | 新規ヨウ素製造法 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
DE19963410A1 (de) | 2000-08-31 |
JP2000245437A (ja) | 2000-09-12 |
CA2291929C (en) | 2004-12-14 |
US6350605B1 (en) | 2002-02-26 |
CA2291929A1 (en) | 2000-06-28 |
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