JP3320878B2 - 燃焼センサ - Google Patents

燃焼センサ

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JP3320878B2 JP34810193A JP34810193A JP3320878B2 JP 3320878 B2 JP3320878 B2 JP 3320878B2 JP 34810193 A JP34810193 A JP 34810193A JP 34810193 A JP34810193 A JP 34810193A JP 3320878 B2 JP3320878 B2 JP 3320878B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、燃焼用空気を強制的に
取り込んで燃焼する燃焼器(例えば、強制排気式燃焼
器)の燃焼状態を検知するための燃焼センサに関する。
【0002】
【従来の技術】一酸化炭素中毒の原因である不完全燃焼
は、主に燃焼器の給排気系不良や、排気の漏洩による室
内酸欠状態という2つの要因により生じる。そこで、従
来から燃焼器には燃焼用ファンの風量低下等を検知する
燃焼センサが設けられている。こうした燃焼センサの技
術に関して、本出願人は先に特願平4−358213に
おいて、給排気系不良であっても室内酸欠であっても高
精度に燃焼状態を検出する技術を出願している。
【0003】これは、図8に示すように、通常時は、多
数の炎口14が形成されたバーナプレート15の周りを
筒状ガード17で囲んで、バーナプレート15上で全一
次燃焼を行ない、この火炎の状態を熱電対19で検出す
るものである。徐々に不完全燃焼が始ると、バーナプレ
ート15は、最初は筒状ガード17により二次空気の影
響を受けないので火炎が安定しているが、ある時点で酸
素不足になった火炎が急激にリフトを起こし、その結
果、火炎の内炎を検出することとなった熱電対19起電
力が大きく低下する。この熱電対19起電力の変化を利
用して、室内の酸欠であっても給排気系不良による風量
低下であっても確実に不完全燃焼が検知できるという特
徴を有するものである。給湯器にこの燃焼センサ10を
組み込んだ時の、空気比(理論空気量に対する実際の空
気量の比)λに対する熱電対19の起電力および一酸化
炭素濃度の関係は、図9に示すように、空気比λ(図9
ではファン回転数)が減少すると一酸化炭素濃度は急増
し、火炎の素早いリフトにより熱電対19の起電力は急
減するという特性を示す。そのため、この燃焼センサ1
0は、一酸化炭素濃度が高くなる前に熱電対19の起電
力が設定値以下になりガス流路を閉じることができると
いう優れたものである。(なお、後の説明の都合上、図
9では2種類のガスについて特性を記載した) 給湯器燃焼時の空気比λは燃焼用空気を供給するファン
の回転数に比例するので、図9の横軸はファンの回転数
に置き換えてあり、またこのことにより、燃焼センサ1
0は風量低下を検知するセンサとしても利用することが
できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ファン
により強制的に燃焼用空気を取り込む燃焼機器にこれら
の安全装置を組み込んでも、ガス種の違いにより、同一
仕様の場合には不完全燃焼を判定できにくいという問題
が生じていた。その内容および理由について説明する。
燃焼機器等に使用されるガスグループには、一般的に大
別してプロパンガスと都市ガスの2種類が、産業用や家
庭用として供給利用されている。そして都市ガスは、さ
らに様々なガス種があり、13Aとか6C等の呼称で呼
ばれるとともに、それらのガス種に対応した燃焼機器が
販売され、その燃焼機器は違うガス種間においては仕様
が異なるためそのままでは使用できない。10数種類に
及ぶこうしたガス種全てについて、仕様が異なる構成部
品の供給および調整は、多大の手間とコストを要するの
で、燃焼機器の販売業者にあっては、常に構成部品の共
通化および仕様の共通化が問題となっている。上記の理
由により、例えばプロパンガスと13Aガスとにおい
て、同一仕様で従来の燃焼センサ10を使用すると、空
気比λに対する熱電対検出起電力特性に大きな差がで
る。図9にその一例を示す。図9は、実験により得られ
たグラフで、横軸に燃焼用空気を供給するファンの回転
数を表し、縦軸に熱電対起電力を表す。燃焼時の空気比
λは前述したようにファンの回転数に比例するので、横
軸は空気比λと置き換えても同じである。これによれ
ば、13Aガスより得られた熱電対起電力特性は、プロ
パンガスより得られた熱電対起電力特性に比べて10m
Vの地点で約1300回転だけ高回転側へずれた特性と
なっている。ところが同じように13Aガスとプロパン
ガスとにおいて一酸化炭素濃度の特性を比較すると約1
000回転のずれしかない。従って、この燃焼センサ1
0を組み込んだ燃焼機器において、13Aガスの仕様の
ままで燃焼制御の設定値を決定しようとしても(具体的
には、一酸化炭素濃度が高くなる前に、熱電対起電力が
急激に変化して判定のしきい値が大きく変化するように
なる領域すなわち熱電対起電力で約10mV付近を利用
する)、その差が大きいために両ガスで同一設定値を決
定することができない。すなわち、13Aガスの熱電対
起電力変化が大きくなる10mV付近では、プロパンガ
スの一酸化炭素濃度が危険濃度を超えており、安全装置
としての機能をはたせないのである。本発明の燃焼セン
サは上記課題を解決し、燃料ガスがプロパンガスであっ
ても13Aガスであっても、ガス種に対してその仕様を
変更することなく確実に不完全燃焼を検知することを目
的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の燃焼センサは、燃焼用空気を強制的に取り込んで燃
焼する燃焼器に組み込まれる燃焼センサであって、複数
の炎口を形成したバーナプレートを有する予混合バーナ
と、このバーナプレートを囲んで火炎外周部からの二次
空気の接触を妨げる筒状ガードと、上記筒状ガードの壁
面に挿通され火炎の形成位置に応じた検知信号を出力す
る炎検知素子とを備えるとともに、上記バーナプレート
の炎口の一部に、その炎口から二次空気を噴出するため
の空気供給路を設けたことを要旨とする。
【0006】
【作用】上記構成を有する本発明の燃焼センサにおいて
は、バーナプレートの炎口の一部から二次空気を噴出
し、残りの他の炎口からは、燃料ガスと燃焼用一次空気
との混合気を噴出する。そして、空気だけで燃料ガスが
噴出しない二次空気部分を残し、バーナプレートを囲う
筒状ガードの壁面にわたって、すりばち状の火炎が形成
される。これは、一部の炎口より噴出する二次空気の拡
散の影響によるもので、二次空気のみが噴出される炎口
を起点に、筒状ガードの壁面に近づくにつれて二次空気
の供給(影響)が少なくなるため、徐々に火炎長が長く
なっている。また、その火炎は、筒状ガードにより外部
からの新たなる二次空気との接触を妨げられて、混合気
と炎口の一部に供給された二次空気のみにより燃焼が行
なわれる。つまり、外部から二次空気が供給されて火炎
が乱されることがない。そのため、筒状ガード内に形成
された火炎は非常に安定しており、この火炎の形成位置
に応じた検知信号を炎検知素子が出力する。給排気系の
不良により燃焼用空気量が減少したときには、予混合バ
ーナの空気比が低下すると共に二次空気の供給量も減少
する。このため、火炎の長さが噴出方向に長くなると共
に火炎の温度が下がる。火炎は、火炎長が長くなること
により、火炎表面と噴出する二次空気との接触面積が増
えるので、空気比が低下しても、全体がリフトしてしま
うことがない。そのため、火炎はある時点から急激にリ
フトして形状が変化するということはなく、火炎温度が
低下すると共にその形成位置が徐々に変化していくの
で、炎検知素子は火炎温度の高い外炎から火炎温度の低
い内炎の温度を検知するようになる。上記理由により炎
検知素子の出力はなめらかに低下する。つまり、燃焼用
空気量の変動に対して火炎温度が低下すると共に火炎形
成位置が確実に変化し、この結果炎検知素子の出力が変
化する。そして、上記したように火炎がリフトしないで
燃焼が安定するのに加えて火炎温度が低下し火炎形成位
置の変化も徐々に起こることから、ガス種が異なっても
炎検知素子の出力特性のばらつきが少なくなり、ガス種
に対する同一仕様が可能になる。また、室内が酸欠状態
である場合には、予混合バーナの空気比は一定であって
も燃焼に寄与する酸素量が実質的に低下していることか
ら、燃焼速度が低下して火炎形成位置は上記したと同じ
ように、火炎が途中でリフトすることもなく徐々に変化
する。これらの結果、この燃焼センサは、炎検知素子の
出力に基づけばガス種が異なっても、ガス種に対して同
一仕様のまま不完全燃焼を確実に防止することができ
る。
【0007】
【実施例】以上説明した本発明の構成・作用を一層明ら
かにするために、以下本発明の燃焼センサの好適な実施
例について説明する。図1は、一実施例としての燃焼セ
ンサの概略構成を表す。燃焼センサ1は、後述する強制
排気式(FE式)ガス給湯器の燃焼室内でメインバーナ
に隣り合って設けられるもので、縦方向に配置されて上
端を開口した円筒体2と、この円筒体2の途中に装着さ
れ複数の炎口3を形成するバーナプレート4とで予混合
バーナ5を構成すると共に、円筒体2の上部が外部の新
たなる二次空気の接触を妨げる筒状ガード6となってい
る。
【0008】バーナプレート4は、中央部に二次空気の
みを噴出する炎口3aを備え、その炎口3aへは円筒体
2の外部から空気パイプ20により二次空気が供給され
る。残りの他の炎口3からは、燃料ガスと燃焼用一次空
気との混合気が噴出され、その混合気は円筒体2の下部
に設けられた燃料ノズル22と空気取り入れ口24とに
より供給される。そして、炎口3より噴出された混合気
は、給湯器のメインバーナ31(図7に示す)から火移
りして燃焼し、炎口3aから筒状ガード6の壁面にわた
って、すりばち状の火炎を形成する。そして、火炎長は
筒状ガード6の内壁面に近づくにつれて、その噴出方向
に向かって徐々に長くなっている。これは筒状ガード6
中心部付近では、炎口3aより噴出する二次空気の圧力
で混合気が周辺部に押され噴出速度が抑えられると同時
にその影響で燃焼速度が速くなっているが、一方、筒状
ガード6の内壁面に近づくと二次空気の供給が少なくな
っていき燃焼速度が遅くなるためである。また、バーナ
プレート4の中心部(すりばち状火炎の底部)は二次空
気のみが噴出する炎口3aであるので火炎は形成されな
い。筒状ガード6には、横方向から熱電対9が装着さ
れ、その受熱部9aが火炎を検知するように位置付けら
れている。この熱電対9は、給湯器の燃焼コントローラ
(図示略)に接続され、熱電対9の起電力に応じてメイ
ンバーナのガス流路に設けた電磁弁または調整弁を開閉
制御するように構成されている。つまり、熱電対9の起
電力に応じてガス流量を調整し、熱電対9の起電力が所
定レベル以下になったときにはガス流路を閉じるように
動作する。なお、熱電対9の起電力でマグネット安全弁
を吸着保持してガス流路を開状態に維持する構成であっ
てもよい。
【0009】さて、図示しない熱交換器のフィン閉塞
や、燃焼室に燃焼用空気を送り込むファン能力低下によ
り燃焼用空気の風量が減少すると、予混合バーナ5の空
気比が低下する。このため、炎口3aと筒状ガード6の
間に形成されていた火炎は、例えば図2に示すように火
炎の長さが噴出方向に長くなっていく。そして、火炎
は、火炎長が長くなることにより、火炎表面と噴出する
二次空気との接触面積が増えるので、空気比が低下して
も、全体がリフトしてしまうことがない。そのため、火
炎はある時点から急激にリフトして形状が変化するとい
うことはなく、その形成位置が徐々に変化していくの
で、熱電対9の受熱部9aが火炎温度の高い外炎から火
炎温度の低い内炎の温度を検知するようになる。上記理
由により熱電対起電力はなめらかに低下する。この燃焼
センサ1は、燃焼が安定することと火炎形成位置の変化
が確実であることとにより、ガス種が異なっても炎検知
素子の出力特性のばらつきが少なくなるので、ガス種に
対する同一仕様が可能になる。
【0010】このように風量が減少すると、一酸化炭素
濃度が急激に増加するにもかかわらず、熱電対9の起電
力は図3に示すように、ほぼ一定の勾配で減少する。こ
の特性図は実験により得られたもので、横軸は燃焼室に
燃焼用空気を送り込むファンの回転数(rpm)を、実
線と一点鎖線は熱電対の起電力(mV)を、破線は器具
排気中の一酸化炭素濃度(ppm)を表す。ガス種はプ
ロパンガスと13Aガスの異なるガス種について実験を
行ない、比較のため従来例(一点鎖線)と本実施例(実
線)とを並べて記載している(従来例は図9と同じ特性
図である)。なお、この器具は従来例と同じように、風
量および空気比λがファンの回転数に比例する構成にな
っている。特性図から分かるように、熱電対の起電力と
ファン回転数との関係は、起電力が10mV付近では、
13Aガスでは従来例とあまり変化がみられないのに対
して、プロパンガスにおいては本実施例の起電力特性が
高回転数側へ移動している。従って、例えばこの燃焼セ
ンサ1を熱電対起電力が10mVにて作動する(熱電対
起電力が変化する領域を利用してガス流路を閉じる)よ
うに設定すると、従来は前述したように一酸化炭素濃度
がプロパンガスにおいては既に危険量に達しておりこの
設定は使用できなかったが、本実施例では安全量となっ
ている。つまり、13Aガスばかりでなくプロパンガス
においても、この燃焼センサ1は、一酸化炭素濃度が高
くなる前に熱電対9の起電力が設定値以下になりガス流
路を閉じることができるのである。
【0011】なお、このような特性を示す理由について
は、おおむね下記のように考えられる。プロパンガスは
13Aガスと比較して燃焼速度が速く、風量の低下に対
しても、その火炎は敏感にリフトしやすい。従って、二
次空気を導入していない従来の構成では、風量が低下し
ていくと、ある時点で急激に火炎がリフトして熱電対起
電力が変化する。しかも、プロパンガスと13Aガスと
では風量が低下すると、上記理由によりリフトする風量
領域が違うので、熱電対起電力特性の差が大きいが、本
実施例の場合にはバーナプレート4の炎口3の一部(炎
口3a)に二次空気を導入しているため、徐々に火炎長
が変化して熱電対起電力が変化するため、両ガスの特性
の差は目立たないのである。
【0012】次に、室内の酸素濃度の低下による不完全
燃焼を防止する作動について説明する。室内の酸素濃度
が低下すると、風量(空気比)が同じであっても燃焼に
寄与する酸素量が減少するために、燃焼速度が遅くな
る。この結果、前述した給排気系不良による燃焼用空気
の風量低下の場合と同じように、徐々に火炎長が長くな
る。したがって、例えば図4に酸素濃度の低下に対する
一酸化炭素濃度および熱電対起電力との関係を示すが、
この場合も同じように燃焼状態を検出することができ
る。即ち、この特性図は実験により得られたもので横軸
を酸素濃度としているが、特性図から分かるように、一
酸化炭素濃度は室内酸素濃度が18.5%以下にまで低
下して急激に上昇するのに対し、熱電対9の起電力は酸
素濃度低下に対してリニアに減少する。従って、この場
合においてはガス種における設定値の違いはあまり問題
とならず、どのガス種においても、一酸化炭素濃度が上
昇するまでに熱電対9の起電力は十分低下しているた
め、安全レベルで確実にガス流路を閉じることができ
る。
【0013】次に、予混合バーナの形状の変形例につい
て説明する。例えば、図5に示すように、U字状に形成
されたスロート11を中継して横向きに配置すること
で、熱交換器からのドレン等による落下物詰まりを防止
するようにしてもよい。さらに、図6に示すように、V
字状に形成されたスロート12を中継して傾斜させて配
置すると共に、筒状ガード6先端に落下物防止板13を
設けるようにしてもよい。また、この落下物防止板13
はメインバーナからの火移りを補助する火移り板として
も作用する。
【0014】次に、燃焼センサ1をガス給湯器内に組み
込んだ構成の一例を示す。図7は、FE式ガス給湯器の
燃焼室30内を上方から視た概略構成図である。燃焼室
30内には、偏平な複数のメインバーナ31が並設さ
れ、それらのスロート32先端に一次空気量調整用のダ
ンパ33が設けられ、ノズル台34に設けられた各ガス
ノズル35から燃料ガスが供給される。このノズル台3
4へのガス流路には能力(燃焼量)を調整するための比
例制御弁やガス流路を開閉する電磁弁(以上図示略)が
設けられる。また、燃焼室30の下部にはシロッコファ
ン(図示略)が設けられ、燃焼用空気を燃焼室30に供
給しメインバーナ31でブンゼン燃焼を行い、この燃焼
熱で熱交換器(図示略)を加熱して出湯するよう構成さ
れている。
【0015】燃焼センサ1は、このメインバーナ31に
並設され、共通のノズル台34に設けたガスノズル36
から燃料ガスが供給される。従って、別個にガス流路を
設けることなく簡易な構造となっている。なお、バーナ
プレート4への二次空気の導入は、空気パイプ20によ
り燃焼室30内の空気が供給されるが、別個に外部(図
示略)から供給してもよい。また、能力が大の場合と小
の場合とでは、メインバーナ31の空気比の設定が異な
るが、燃焼センサ1においてもそれに応じて空気比が変
更され、実際のメインバーナ31の燃焼状態に即した燃
焼検出を実施することができる。
【0016】以上説明した実施例においては、熱電対9
の起電力が所定値以下に減少したときにガス流路を閉じ
るものであったが、さらに、ガス流路を閉じる前にファ
ンの回転数を調整するようにしてもよい。つまり、排気
ダクト(図示略)からの逆風やフィン閉塞等により空気
比が低下したときには、ファンの回転数を増大させれば
燃焼器を停止させることなく使用できるケースがある。
そこで、熱電対9の起電力が予め設定したレベルにまで
低下したときに、ファンの回転数を増大すると共に所定
の回転数に達しても起電力の回復が得られないとき、つ
まり空気比が増大しないときにガス流路を閉じて器具を
停止させるのである。また、ファンの回転数を増大させ
てから所定期間経過しても起電力が回復しない場合にガ
ス流路を閉じるようにしてもよい。
【0017】また、熱電対9の起電力が常に一定値にな
るようにファン回転数を制御してもよい。つまり熱電対
9の起電力をフィードバック制御因子としてファンの回
転数を制御するのである。この場合、ファンの回転数が
所定範囲内に収まらない場合にはガス流路を閉じて不完
全燃焼を防止する。こうした熱電対9の起電力に基づく
制御は、燃焼センサ1が風量不足や酸欠状態を、ガス種
によらず確実に検出するがゆえに(特性図参照)可能で
ある。なお、燃焼開始時においては熱電対9の起電力が
安定するまで制御動作を行わないようにする。
【0018】以上本発明の実施例について説明したが、
本発明はこうした実施例に何等限定されるものでなく、
例えば、熱電対9に代えて火炎電流を検出するフレーム
ロッド等の素子を用いてもよく、本発明の要旨を逸脱し
ない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿
論である。また、給湯器に限らずファンヒータ等の燃焼
器にも適用できる。さらに、酸欠が心配されない外置き
タイプの器具においても、風量低下を検知するセンサと
して用いることができる。
【0019】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の燃焼セン
サによれば、ガス種が異なっても同一仕様のままで燃焼
状態を検知し、燃焼器の給排気不良や室内の酸欠からく
る不完全燃焼を確実に検知することができるという優れ
た効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例としての燃焼センサの概略構成図であ
る。
【図2】風量低下時における火炎の状態を表す説明図で
ある。
【図3】風量の変動に対する熱電対の起電力、CO濃度
特性を表すグラフである。
【図4】酸素濃度の変動に対する熱電対の起電力、CO
濃度特性を表すグラフである。
【図5】他の実施例の燃焼センサの概略構成図である。
【図6】他の実施例の燃焼センサの概略構成図である。
【図7】ガス給湯器に燃焼センサを組み込んだ状態の燃
焼室を表す説明図である。
【図8】従来の燃焼センサの概略構成図である。
【図9】従来の燃焼センサの風量の変動に対する熱電対
の起電力、CO濃度特性を表すグラフである。
【符号の説明】
1,10 燃焼センサ 5 予混合バーナ 6,17 筒状ガード 9,19 熱電対 20 空気パイプ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃焼用空気を強制的に取り込んで燃焼す
    る燃焼器に組み込まれる燃焼センサであって、 複数の炎口を形成したバーナプレートを有する予混合バ
    ーナと、このバーナプレートを囲んで火炎外周部からの
    二次空気の接触を妨げる筒状ガードと、上記筒状ガード
    の壁面に挿通され火炎の形成位置に応じた検知信号を出
    力する炎検知素子とを備えるとともに、 上記バーナプレートの炎口の一部に、その炎口から二次
    空気を噴出するための空気供給路を設けたことを特徴と
    する燃焼センサ。
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