JP3320408B2 - インクジェット記録ヘッド - Google Patents

インクジェット記録ヘッド

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JP3320408B2
JP3320408B2 JP2000293025A JP2000293025A JP3320408B2 JP 3320408 B2 JP3320408 B2 JP 3320408B2 JP 2000293025 A JP2000293025 A JP 2000293025A JP 2000293025 A JP2000293025 A JP 2000293025A JP 3320408 B2 JP3320408 B2 JP 3320408B2
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勇治 秋山
史博 後藤
英彦 神田
仁 杉本
美由紀 松原
弘光 平林
規文 小板橋
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インク滴を吐出するた
めのインクジェット記録ヘッドに関し、詳しくは、濃度
の異なる複数のインクを吐出するインクジェット記録ヘ
ッドに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のインクジェット記録方式は、一般
に、記録ヘッドに設けられた複数のインク吐出口から記
録データ信号に基づいてインクを吐出し、インク液滴を
用紙等の被記録材に付着させて記録するものである。こ
の記録方式は、例えば、プリンタやファクシミリあるい
は複写機などの記録部に用いられている。
【0003】以上の装置における吐出方式としては、イ
ンクを吐出させるため、吐出口近傍のインク路内に発熱
素子(電気熱エネルギー変換素子ともいう)を設け、こ
の発熱素子に電気信号を印加することによりインクを局
所的に加熱して気泡を生成し、この気泡によるインクの
圧力変化によって吐出口からインクを吐出させる方式や
圧電素子などの電気機械変換素子を用いる方式が知られ
ている。
【0004】この種の吐出方式を用いた場合の中間調表
現方式としては、一定サイズのインクドットを記録し、
この記録ドットの単位面積当りの数を制御して中間調を
表現するドット密度制御法、あるいは記録ドットのサイ
ズを制御して中間調を表現するドット径制御法が一般的
に知られるものである。
【0005】ここで、後者のドット径制御法は、記録ド
ットのサイズを微妙に変更するための複雑な制御が必要
となる等の制約があるため、一般的には前者のドット密
度制御法が用いられていることが多い。
【0006】また、インク吐出方式として、上記電気熱
変換素子によるものを用いた場合、この方式にかかる記
録ヘッドは製造が比較的容易であり、また、高密度化が
可能であるため解像度の高い記録が可能である等の利点
を有するが、圧力変化量を制御することが比較的困難な
ため記録ドットの径を変調することができず、このため
ドット径制御法を用いることができない。
【0007】このように、ドット密度制御法が用いられ
ることが多いが、この中間調表現の2値化手法の代表的
なものの1つとして、組織的ディザ法が知られている。
しかし、この方法は階調数がマトリクスサイズによって
制限されるという問題がある。すなわち、階調数を多く
するためにはマトリクスサイズを大きくする必要がある
が、マトリクスサイズを大きくすると1つのマトリクス
で構成される記録画像の1画素が大きくなって解像力を
損なうなどの問題を生ずる。
【0008】また、2値化手法の代表的なものの他の手
法として、誤差拡散法などの条件付決定型ディザ法が知
れられている。これは前述した組織的ディザ法が、入力
画素に無関係なしきい値を用いて2値化する独立決定型
ディザ法であるのに対し、入力画素の周辺画素を考慮し
てしきい値を変化させる方法である。この誤差拡散法に
代表される条件付決定型ディザ法は、階調性と解像力の
両立性が良く、また原画像が印刷画像の場合、記録画像
にモアレパターンが発生することが極めて少ないなどの
長所がある。しかし、その反面、画像明部で粒状性が目
立ち易く、画質の評価が低くなるという問題を有してい
る。この問題は、特に記録密度の低い記録において顕著
となる。
【0009】上述した粒状性を目立たなくするため、色
の薄いインク(以下、淡インクともいう)と濃いインク
(以下、濃インクともいう)をそれぞれ吐出する2個の
記録ヘッドを設け、画像の明部から中間調部分は淡イン
クで記録ドットを形成し、中間調部分から暗部までは濃
インクで記録ドットを形成するような記録方式が提案さ
れている。
【0010】このような、同一色について複数の濃度の
異なる濃淡インクを用いた濃淡多値記録法によれば、多
値化するに従って特にハイライト部の階調性が良くな
り、ドットによる粒状感が低減し、高画質化することが
可能となる。これは、ハイライト部に濃度の低い(淡
い)インクを打ち込むことによって単ドットのノイズ感
をなくしているからである。
【0011】図1は濃淡記録方式にかかるインクジェッ
ト記録装置の一従来例を示す概略斜視図である。
【0012】この図において、キャリッジ706には、
ブラック,シアン,マゼンタ,イエローの各インクにつ
いて濃および淡インクを貯留した8個のインクタンク7
01および、上記4色の濃および淡のインクをそれぞれ
吐出するための8個のマルチヘッド702が搭載されて
いる。
【0013】これらマルチヘッド702それぞれに配設
される吐出口を1図中z方向(紙面側)から見たものを
図2に示す。
【0014】各インク色についての濃,淡インクKk
,Ku ,Ck ,Cu ,Mk ,Mu ,Yk および
Yu それぞれの吐出口801は、図中矢印Y方向に沿
って平行に配列されている。この配列は例えば図のXY
平面上で多少の傾きを持っていても良く、この場合に
は、ヘッド702が進行方向Xに進んで行くのに対し、
各吐出口の吐出はそれぞれタイミングをずらしながら行
うことになる。
【0015】再び図1を参照する。図において、参照番
号703は紙送りローラを示し補助ローラ704ととも
に記録用紙707に一定の強力を付与しながら図の矢印
の方向に回転し、記録用紙707をy方向に随時搬送す
る。また、参照番号705は給紙ローラを示し記録紙7
07の給紙を行うとともに、ローラ703および704
と同様、記録紙707に一定の強力を付与する機能も果
たす。キャリッジ706は、非記録時あるいはマルチヘ
ッド702の吐出回復処理を行うときには図中破線で示
す位置(ホームポジションh)にあり、キャップ等、不
図示の回復機構によって所定の処置がなされている。
【0016】記録開始前、ホームポジションhにあるキ
ャリッジ706は、記録開始命令があると、キャリッジ
ガイド軸708に沿ってx方向に移動を開始する。この
移動に伴ない、リニアエンコーダ709が読み取るキャ
リッジの位置信号に基づいてマルチヘッド702のn個
の吐出口801から記録信号に応じてそれぞれ4色の濃
淡のインクを吐出することにより、記録紙707上に記
録ヘッドの吐出口配列幅Dだけの記録を行う。この記録
走査により記録紙上には、濃ブラックインク,淡ブラッ
クインク,濃シアンインク,淡シアンインク,濃マゼン
タインク、淡マゼンタインク,濃イエローインク,淡イ
エローインクの順でインクが着弾してドットが形成され
る。記録紙の端部までの記録が終了すると、キャリッジ
706は逆方向の移動によってホームポジションhに戻
り、上記と同様にして再びx方向への記録を行う。ま
た、前回の記録が終了してから次の記録が始まる前まで
に、紙送りローラ703が矢印方向への回転することに
より、上記記録幅だけy方向への紙送りが行われる。こ
のようにしてキャリッジ706の1走査毎にマルチヘッ
ドの幅だけの記録と紙送りを繰り返すことにより、記録
紙上の記録が完成する。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上の
ような濃淡インクを用いた記録方式の場合、以下のよう
な解決すべき課題を有している。
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】れぞれ濃度の異なるインクを吐出する複
数の吐出口を、別々の記録ヘッドに形成した従来の記録
ヘッドを用いる場合には、それぞれの記録ヘッドを装着
する際の装着誤差に起因して吐出されるインクについて
相互に着弾位置ずれを生ずることがあり、適正な濃度の
高品位画像を記録することができない場合があった。
【0024】本発明は、上記課題に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、濃度の異なるインク
を用いる場合にそれらの吐出インクの着弾位置ずれのな
い記録を行なうことを可能とするインクジェット記録ヘ
ッドを提供することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】そのために本発明では、
インクを吐出するための複数の吐出口が形成された吐出
口面を有するインクジェット記録ヘッドであって、該記
録ヘッドが用いられる装置において走査方向に走査され
てインクを吐出するインクジェット記録ヘッドにおい
て、前記吐出口面は、濃インクを吐出するための複数の
第1の吐出口と前記濃インクよりも濃度の低い淡インク
を吐出するための複数の第2の吐出口とをそれぞれ色の
異なるインクごとに有し、前記複数の第1の吐出口と前
記複数の第2の吐出口とは、前記走査方向とは異なる方
向に同一直線状に配置されて吐出口列を形成するととも
に、該吐出口列が前記色の異なるインクごとに走査方向
配列されたこと特徴とする。
【0026】
【作用】以上の構成によれば、記録ヘッドの吐出口面
は、濃インクを吐出するための複数の第1の吐出口と前
記濃インクよりも濃度の低い淡インクを吐出するための
複数の第2の吐出口とをそれぞれ色の異なるインクごと
有し、前記複数の第1の吐出口と前記複数の第2の吐
出口とは、前記走査方向とは異なる方向に同一直線状に
配置されて吐出口列を形成するとともに、該吐出口列が
前記色の異なるインクごとに走査方向に配列されるの
で、濃淡インク間および異なる色のインク間で、縦横の
レジストのズレがなくなり、複数の吐出口から吐出され
るインクの着弾位置のずれを生ずることがなくなる。ま
た、複数の吐出口を別々の吐出口面(通常の場合、別々
の記録ヘッド)に形成した場合に生じ得る、それぞれの
吐出口面の取り付け誤差もしくは装着誤差による着弾位
置ずれをなくすことができる。
【0027】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細
に説明する。 (実施例1)図2は本発明の一実施例にかかるインクジ
ェット記録装置の要部構成を示す斜視図である。また、
図3は図2に示すインクジェット記録装置で用いられる
記録ヘッドの模式的斜視図である。
【0028】記録ヘッド12は、図3に示すように、濃
インクを吐出する吐出口2の列と淡インクを吐出する吐
出口2の列とを一体に設け、キャリッジ23に装着され
る。記録用紙やプラスチック薄板等からなる被記録材P
は搬送ローラ(不図示)により、記録ヘッド12と対向
する面に搬送され、また、この搬送ローラと排紙ローラ
21との協働により図中、矢印方向に搬送される。キャ
リッジ23はガイドシャフト22によりその移動が案内
される。キャリッジ23は駆動ベルト24を介したキャ
リッジモータ25の駆動により上記ガイドシャフト22
に沿って往復運動が可能となる。記録ヘッド12の内部
でインク吐出口2に連通するインク路にはインク吐出に
利用される熱エネルギーを発生する発熱素子(電気熱変
換素子ともいう)が設けられている。
【0029】キャリッジ23の移動経路に沿って設けら
れるエンコーダ(不図示)の読取りタイミングに従い、
上記発熱素子を記録信号に基づいて駆動し、これによ
り、被記録材Pにインクを吐出して記録を行う。この
際、吐出されるインクは、後述されるように、濃インク
と淡インクとがリアルタイムで調整されたものとして吐
出される。
【0030】記録領域以外に設定されたキャリッジ23
のホームポジションHPには、キャップ部26を備えた
回復ユニットが配設されている。記録を行わない時には
キャリッジ23をホームポジションHPへ移動させてキ
ャップ部26のキャップによって、その対応する記録ヘ
ッド12の吐出口形成面1(図3参照)を覆い、インク
溶剤蒸発を防止し、これに起因するインクの増粘あるい
は塵,ほこりなどの異物の付着などによる吐出口2の目
詰まりを防止する。
【0031】上記キャップ部26は、これに対して記録
ヘッド12から吐出を行うことにより、吐出頻度の低い
インク吐出口の吐出不良や目詰まりを解消する等のため
に利用されたり、キャップ状態で不図示のポンプを動作
させて吐出口2からインクを吸引し、増粘インクを除去
するために利用される。また、キャップ部26に隣接し
てワイピング用ブレードを配設することにより、記録ヘ
ッド12の移動に伴なってその吐出口形成面1をクリー
ニングすることもできる。
【0032】ホームポジションHPの近傍には、さらに
インク供給の比率を制御する供給制御ユニットCS1お
よびCS2が設けられ、これにより、後述のように色剤
無しインクと色剤入りインクとの供給比率が制御され
る。記録ヘッド12はその移動によって、供給口8およ
び7を供給制御ユニットCS1およびCS2の所定部位
を接続する。
【0033】図3は記録ヘッド12を吐出口形成面1側
から見た模式的斜視図であり、図4は記録ヘッド12の
インク吐出口近傍の構造を模式的に示す部分破断斜視図
である。
【0034】記録ヘッド12はその吐出口形成面1に開
口した複数の吐出口2を有し、その吐出口2に連通した
インク路3には、前述の発熱素子4が各々配設されてい
る。図3および図4の中の矢印yはキャリッジ23の走
査方向を示す。
【0035】各々のインク路3は、吐出口2として開口
する一端とは反対側の端部で共通にインク室5に連通し
ている。インク室5はそれぞれ濃インク用および淡イン
ク用に個別に設けられる。
【0036】各共通インク室5には、複数のインクタン
ク(不図示)から直接にまたは供給制御ユニットCS1
およびCS2を介し、さらに、記録ヘッド12のインク
供給口6,7および8を通って供給される。本実施例で
は、供給口6を通って色剤入りインクが、供給口7およ
び8を通ってそれぞれ色剤入りインク、および色剤無し
インクが供給される。また、供給インクのうち供給口6
を介して供給されたインクは濃インクであり、供給口7
および8を介して供給されたインクはインク室5で混
合,撹拌され淡インクとなる。
【0037】CS1およびCS2による色剤入りインク
と色剤無しインクの供給比率の制御は、手動式の弁を用
いる。これにより、ユーザーが所望の供給比率を設定で
きる。この構成は、濃淡インクの濃淡の度合いがある一
定の時間継続する場合に特に有効である。
【0038】なお、CS1およびCS2は、供給口8お
よび7とそれぞれジョイントし、供給口6は記録中、常
に複数のインクタンクのうち、色剤入りのインクを充填
したインクタンク(不図示)と連結している。
【0039】以上のようにして供給される濃,淡インク
で記録を行うことでユーザーの要求や目的とする画質に
忠実な濃淡度を有した画像を得ることができる。 (実施例1の変形例)本変形例は、カラーインクジェッ
ト記録装置に本発明を適用した例を示すものであり、図
5〜図11を参照して本例の装置について説明する。
【0040】図5は、本例にかかるカラーインクジェッ
ト記録装置の要部構成を示す斜視図であり、基本的には
上記実施例1と同様の動作を行うものである。
【0041】また、図6は、図5の装置で用いられる記
録ヘッドを吐出口形成面側から見た模式的斜視図であ
る。
【0042】図5に示すように、キャリッジ23には、
図6に示すように、C(シアン),M(マゼンタ),Y
(イエエロー),K(ブラック)の4色の記録ヘッド1
2C,12M,12Yおよび12Kが搭載されており
(図5では不図示)、各々の記録ヘッドにはそれぞれの
インク色の濃インクを吐出する吐出口列と淡インクを吐
出する吐出口列とが形成されている。さらに、キャリッ
ジ23には、各々の記録ヘッドに供給されるインクを貯
留したインクタンク13Y,13M,13Cおよび13
Kが搭載される。
【0043】一般に、濃淡インクを用いて記録を行う場
合、濃インクドットと淡インクドットの着弾位置のずれ
も非常に重要であり、ドットのずれによって濃度が変化
する場合もある。これに対して、上記実施例1や本変形
例のように濃淡異なる濃度のインクに対応する吐出口を
1つの記録ヘッドに一体に形成し、その内部で濃,淡イ
ンクを分割することにより縦横のレジストのズレがなく
なるため着弾位置に起因する濃度階調のずれの心配がな
いという利点を有することができる。
【0044】図7および図8は、図6に示す記録ヘッド
の詳細な構造を示すそれぞれ斜視図および分解斜視図で
ある。
【0045】図7に示すように、本例においてもインク
供給口6を通って濃インクとして色剤入りインクが供給
され、また、供給口7および8を介してそれぞれ色剤入
りインクおよび色剤無しインクが供給される。ここで、
供給口6を通ったインクは濃インク用共通インク室に供
給され、供給口7および8を通ったインクは淡インク用
共通インク室で混合,撹拌され、それぞれ、個々の吐出
口列から濃または淡インクとして吐出口2から吐出され
る。
【0046】本例では、供給口8を介して供給される色
剤無しインクのインクタンクCITは図5で示される通
りキャリッジ23のホームポジションHPの上部に配置
され、これにより、キャリッジ23がホームポジション
HPにあるとき、供給率制御ユニットCSによってその
供給量が制御された色剤無しインクが、接続した供給口
8を介して供給される。供給口6,7を介して供給され
る色剤入りのインクのインクタンクは前述したように記
録ヘッドと共にキャリッジ23に搭載される。
【0047】上記インクタンク配置構成は、色剤入りイ
ンクのインクタンクの数が2つ以上になったときに有効
であり、また、上述のように色剤無しインクタンクCI
Tに対し、記録ヘッドは、ホームポジションにあるとき
にいわゆるピットイン方式で接続され(不図示)、濃淡
インクの濃淡度を調整するため、色剤無しインクが供給
口8から供給される。
【0048】図8において、配線基板200の一端は、
電気熱変換素子が配設されるヒータボード100の配線
部分と相互に接続され、さらに配線基板200の他端部
には、本装置からの電気信号を受けるための複数個のパ
ッドが設けられている。このことにより本体装置からの
電気信号は、それぞれの電気熱エネルギー変換素子に駆
動パルスとして印加される。
【0049】配線基板200の裏面を平面で支持する金
属製の支持体300は、インクジェットユニットの底板
となる。押えばね500は、溝付天板1300のインク
吐出口近傍の領域を線状に弾性的に押圧するため、略U
字形状に折り曲げ形成した部分とベースプレートに設け
た逃げ穴を利用して引っかける爪と、バネに作用する力
をベースプレートで受ける一対の後脚を有している。こ
の弾性力によりヒータボード100と溝付天板1300
とを圧接が可能となる。溝付天板1300にはオリフィ
スプレート部1301と各インク供給口へと導く流路部
材1500が一体的に形成されている。支持体に対する
配線基板200の取付けは、接着剤等による貼着で行わ
れる。
【0050】溝付天板1300の上部には、インク供給
部材600が配設される。インク供給部材600は、モ
ールド成形で形成され、裏面側の2本のピン(不図示)
を支持体300の穴1901,1902にそれぞれ貫通
突出させ、これを熱融着することにより支持体300に
固定される。インク供給部材600は、上述の供給口口
6,7および8にそれぞれ対応した供給管2200a,
2200bおよび2200cを一体に備え、このうち供
給管2200aは、部材600の中央部の供給管220
0dと連通し、供給管2200bおよび2200cはと
もに供給管2200eに連通する。そして、供給管22
00dは天板1300の流路部材1500の供給口15
00に連通し、供給管2200eは供給口1500bに
連通する。なお、参照符号700はそれぞれの供給口
6,7および8に取付けられるフィルタである。
【0051】オリフィスプレート部1301とインク供
給部材600との隙間は均一に形成されている。封止剤
は、インク供給部材600の上部封止剤注入口から注入
され、ワイヤボンディングを封止すると同時にオリフィ
スプレート部1301とインク供給部材600との隙間
を封止、さらに支持基盤300に設けられた溝310を
通り、オリフィスプレート部1301と支持基盤300
前端部との隙間を完全に封止する。
【0052】図9は、上述した溝付天板1300をヒー
タボード100との接合面側から見た斜視図である。
【0053】共通インク室は上述したように濃インク
用,淡インク用に2個設けられており、これらの共通イ
ンク室5a,5bは壁10によって仕切られている。各
供給口インク室5a,5bにはインクが供給されるため
の供給供給口20aと20bが設けられている。
【0054】この各液室を仕切る壁10とヒータボード
100との接合面には溝30が設けられる。この溝30
は、溝付天板1300の外周部と連通し、これにより、
溝付天板1300をヒータボードに圧接して密着させた
後、その外周部が、前述したように封止剤で封止される
ことを可能とする。すなわち、この際、上記溝に沿っ
て、封止剤が浸透していき、溝付天板とヒータボードの
隙間を埋めていく。このように、従来の記録ヘッドで用
いられていた技術的工程で、共通インク室を完全に分離
することができる。この溝の構造は封止剤の物性により
異なり、それぞれに対応した形状にする必要がある。こ
の結果、共通インク室を複数室に分離することにより、
各インク吐出口に異なったインクを供給することができ
る。
【0055】図10および図11は、4つの記録ヘッド
を用いる場合のその配設構成の他の例を示すものであ
る。
【0056】図10は、C,M,Y,Kの4色の記録ヘ
ッドをフレーム枠3000で一体的に組立てた4ヘッド
一体インクジェットカートリッジ(IJC)の構造を示
す分解斜視図である。4つの記録ヘッドはフレーム30
00内に所定の間隔で取付けられ、しかも吐出口配列方
向のレジストも調整された状態で固定される。参照符号
3100はフレームのカバーであり、同符号3200は
4つの記録ヘッドの配線基盤200に設けられたパッド
と本体装置からの電気信号をつなぐためのコネクタを兼
ねるカバーである。
【0057】図11は上記4ヘッド一体インクジェット
カートリッジを、それぞれ対応するインクタンクととも
にキャリッジに搭載したときの様子を示したものであ
る。
【0058】なお、上記実施例ではシアン,マゼンタ,
イエロー,ブラックの4色についてそれぞれ濃淡インク
を備えたカラー記録装置についても説明したが、インク
の染料濃度も濃淡の2種類に限定するものではなく、3
種類以上にしても良い。この場合、色の濃淡インク間の
ドット濃度の差を小さくでき、薄いインクと濃いインク
の切換え部分で階調の再現が線形にならず疑似輪郭が生
じ易くなる傾向を少なくできる。また、記録された画像
の粒状性の変化や色調の変化がインク切換え部分で発生
して不自然な画像となる場合について、低濃度インク,
中濃度インク,高濃度インクを用いるなどすることによ
り、これを防止できる。
【0059】また、上記実施例1およびその変形例で
は、インク供給率制御ユニットCSとして手動式の弁を
用いたが、これに限られず電磁弁を用いることもでき
る。これによれば、より短い時間スケールでのインク供
給比率のリアルタイム制御が可能となり、記録動作中
(キャリッジ移動中)における淡インクの濃度補正をす
ることができる。 (実施例2)本実施例2も上記実施例と同様、淡インク
を混合により生成する構成に関するものである。
【0060】図12は、本例にかかるインクジェット記
録装置の斜視図であり、ここで図2に示した要素と同様
の要素には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0061】図において、キャリッジ23には、図1
3,図14にてそれぞれその詳細が後述される記録ヘッ
ド12およびインクタンク13が搭載される。このよう
に本例では、記録ヘッドに対するインクの供給は、全て
キャリッジ上に搭載されるインクタンクからなされる。
【0062】図13は本例の記録ヘッドを示す斜視図で
ある。
【0063】本例の記録ヘッドは、上記実施例1および
その変形例の図3,図7に示す構成とほぼ同様のもので
ある。構造において異なる点は、前記実施例では、供給
管が3個設けられたいたのに対し、濃,淡インク用の供
給管2200aおよび2200bのみを設けることであ
る。すなわち、本例においては、後述されるように、混
合によって生成される淡インクは既にインクタンク内で
の混合によって生成される。
【0064】図14は本実施例のインクタンクの構成を
模式的に示す分解斜視図である。
【0065】インクタンク容器130の内側のほぼ中央
付近に容器130を2分するよう容器内を斜めに横断す
る仕切板13Cが設けられる。これによって、第1イン
ク室13aと第2インク室13bとに仕切られる。第1
インク室13aおよび第2インク室13b内には、それ
ぞれインクを供給保持するためのインク吸収部材14a
および14bが挿入されている。このインク吸収部材1
4としては、スポンジに代表されるウレタンフォームな
どを用いる。容器130にインク吸収部材14a,14
bを挿入した後、蓋15を圧接させ、インクタンク13
が完成する。インクタンク容器130と蓋15との接合
は、機密性を確保し生産性を得るため、熱溶着,超音波
溶着あるいは高周波溶着などの、双方の材料を溶融して
接合する方式が好ましい。
【0066】ここで、蓋15には、濃淡インクそれぞれ
を記録ヘッドに供給するため、前記記録ヘッドの濃イン
クおよび淡インクの各供給管2200a,2200bが
挿入されるための穴15a,15bが開口されている。
また13a,13bはタンク内を大気圧状態に維持する
ための大気連通孔である。
【0067】図15は、蓋15の平面図を示し、仕切板
13cを組合わされた状態で示すものである。
【0068】図15に示すように、上記穴15a,15
bのうち、穴15bは仕切板13cによって2つの部分
に分けられ、第1インク室13aと第2インク室13b
に対する開口面積比を異ならせている。
【0069】なお、本例では穴15bの開口面積比を変
える仕切りとして、斜めの仕切板を用いたが、この方式
に限るものでなく、例えば階段状の仕切りでも良い。
【0070】以上のように構成されるインクタンク13
の第1インク室13aには濃インクを、第2インク室1
3bには色剤の含まれていない無色のインク(以下、ク
リアインクともいう)注入された後、前述の記録ヘッド
12と供給管2200a,2200bを介して接合す
る。
【0071】図16は、記録ヘッド12とインクタンク
13とが接合された状態における接合部分の詳細を示す
断面図であり、上記穴15bにおける接合状態を示す。
【0072】記録ヘッド12の供給管2200bの接続
部先端には、インクタンク内に挿入されたインク吸収部
材と同様のスポンジ1400が組込まれており、このス
ポンジ1400とインクタンクの各室におけるインク吸
収部材(スポンジ)14aおよび14bとは当接した状
態にある。また、スポンジ1400の記録ヘッド側端面
は、メッシュフィルタ700と当接する。フィルタ70
0は異物の記録ヘッド内への侵入を防ぐ目的で配設され
ている。記録ヘッド12とインクタンク13とが接合さ
れると、穴15aで接続する供給管2200aを介して
濃インクが記録ヘッド側へ供給され、図16に示す穴1
5bで接続する供給管2200bを介して濃インクとク
リアインクの比が1:2の淡インクが記録ヘッド12側
へ供給される。
【0073】すなわち、図16に示す穴15bにおける
接続部では、穴15bが仕切板13cによって分けられ
る開口面積の比に応じて第1インク室13aから濃イン
クが、第2インク室13bから淡インクがそれぞれ供給
され、供給された双方のインクはヘッド接続部のスポン
ジ1400内で混色され、均一な所定濃度の淡インクと
なってインク供給管2200bを介し記録ヘッド12の
共通インク室に供給される。
【0074】なお、本実施例では、第1の穴15aは、
濃インクを100%供給する構成としたが、この第1の
穴15aにおいて第2の穴15bと同様に、インク室の
仕切りが横断するようにしそれぞれのインク室のインク
を混合して供給することもできる。
【0075】また、本例では、濃インク,淡インクの2
種類のインク供給構造を示したが、供給にかかる穴の数
を増し、第1インク室13aと第2インク室13bに対
応する穴の面積比を各穴毎に変えることによって、複数
の濃度のインクを生成することも可能である。
【0076】以上のようにして供給される濃,淡インク
で、記録を行った場合、記録中にインクタンク内のイン
ク残量が少なくなると、色調が極端に変化するため、ユ
ーザーはこの変化に気づき易く、インクタンク13の交
換の時期を正確に知ることができる。これにより、電気
熱変換素子4の表面にインクがない状態で駆動するいわ
ゆる空だき等を防止でき、記録ヘッド12の長寿命化を
図ることが可能となるとともに、インクの残量を電気的
あるいは機械的に検知する必要がないため記録装置全体
のコストを低く抑えることが可能となる。
【0077】なお、上記実施例では単色インクを例に説
明してきたが、特にこれに限定するものでなく、シア
ン,マゼンタ,イエロー,ブラック等の複数の異なる色
のそれぞれ濃淡インクを備えたカラー記録装置にも適用
できることは勿論である。
【0078】この場合において、その装置構成は、上記
実施例1の変形例で示した図5,図6,図8,図9,図
10および図11と同様の構成とすることができる。こ
れら図に示す構成と異なる構成は、上述から明らかなよ
うに、インクタンクおよびインク供給にかかるものであ
る。以下、これに関連する図を示し簡単に説明する。
【0079】図17は図8と同様の構造を示す。
【0080】図において、インク供給管2200a,2
200bに内部にはフィルタ700が設けられており、
さらに、フィルタ700より外側にスポンジ1400が
組込まれている。また、インク供給部材600は、供給
管2200a,2200bに対応する供給管2200
d,2200eを一体に備える。
【0081】図18は、図17に示した記録ヘッドを
C,M,Y,Kの4色のインクに対応してフレーム枠3
000で一体的に組立てた4ヘッド一体インクジェット
カートリッジ(IJC)の構造を示すものであり、図1
0と同様の構造を示す。
【0082】図19は上記4ヘッド一体インクジェット
カートリッジをキャリッジに搭載したときの様子を示し
たものであり、図11と同様の構成を示す。このタンク
においても、前述と同様の仕切板13cがその内部に設
けられている。
【0083】これにより、本実施例においてもタンクに
設けられた穴の面積比に応じて濃度を定めることが可能
となる。 (実施例2の変形例)図20は、上述した実施例2の変
形例にかかるインクタンク構造を示す分解斜視図であ
る。
【0084】本変形例のインクタンク13は、2つのイ
ンク室13a′,13b′であって、インク吸収部材を
充填した負圧発生部と、この負圧発生部と各仕切板13
g′,13h′で仕切られそれらの仕切板の底部の開口
部13i′を介して連通するインク収容部13e′,1
3f′とからなる。このようなインクンタク13を用い
ることにより、インクの使用効率を高めるとともに、イ
ンク吸収部材14a′,14b′のインクが使われた
後、インク収容部13e′,13f′からのインクが供
給され始めると、一定の水頭圧でインク供給圧が維持さ
れるため、より均一なインクの供給および混合による調
整が可能となる。さらに、気液交換用の開口部13i′
の高さをインク供給用穴15a′,15b′より高くす
ることによって、動作中の負圧を維持しつつ、キャリッ
ジの停止時に記録ヘッドに正圧が作用する構造が可能と
なり、第1インク室と第2インク室との色が拡散によっ
て混色することを防ぐことができる。
【0085】実験の結果、開口部13i′の高さ2mm
以上10mm以下で、記録ヘッドのインク吐出口部分で
0〜+10mmAgの水頭圧が作用することが確かめら
れている。この水頭圧であれば、吐出口近傍にインクメ
ニスカスを維持することができ、キャリッジの停止中に
インクが流出するというトラブルを回避できる。
【0086】なお、本実施例においても、実施例1に述
べたのと同様インクの色数は、特に上記実施例に限定さ
れるものではない。 (その他の実施例)また、上記実施例2およびその変形
例では、同色の濃、または淡インクをインクタンク内部
の仕切りによる面積比で得る方法を説明したが、インク
を混合によって得る例はこれに限られない。例えば、図
21に示すように、インクタンクの第1インク室13
a″に黄、第2インク室13b″に赤のインクを注入
し、3つの供給用穴15a″,15b″,15c″を配
置すると、第1供給用穴15a″で黄、第2供給用穴1
5b″ではオレンジ、第3供給用穴15c″からは赤を
得ることが可能となる。
【0087】以上のように、同色の濃淡のみでなく、異
なった色を1つのタンク内の2つのインク室にそれぞれ
注入することによって2色の中間色を得ることもでき
る。 (実施例3)以下に示す実施例は、記録画像において検
出される濃度に応じて、濃度の異なるそれぞれのインク
の供給比率を変化させ、これにより吐出インクの濃度を
制御する構成に関するものである。
【0088】(記録装置構成)図22は本実施例による
グレイスケール画像の記録が可能なインクジェット記録
装置の構成を示すブロック図である。
【0089】図において、符号301はCCD等により
原稿画像を光学的に読取る構成あるいはホストコンピュ
ータやビデオ機器等から画像輝度信号(RGB)を入力
する構成を有する画像入力部を示し、符号302は各種
パラメータの設定および記録介しを支持する各種キーを
備えている操作部を示す。符号303はROM中の各種
プログラムに従って本記録装置全体を制御するCPUを
示す。符号304は制御プログラム,エラー処理プログ
ラム等の本記録装置を動作させるためのプログラム等を
格納しているROMを示す。このROMにおいて、符号
304aは後述する入出力γ変換回路の処理で参照する
ための入出力γ変換テーブル、符号304dは後述の濃
淡振り分け回路の処理で参照するための濃淡振り分けテ
ーブル、符号304eは上述の各種プログラムを格納す
るプログラム群をそれぞれ示している。符号405はR
OM中の各種プログラムのワークエリアおよびエラー処
理時の一時退避エリアとして用いられるRAMを示す。
そして、符号306は後述する画像信号処理を行う処理
部を示し、符号307は記録時に画像信号処理部で処理
した画像信号に基づいてドット画像を形成するプリンタ
部を示す。符号308は後述するインク混合,補給工程
においてインク混合比率および補給動作を制御するイン
ク混合制御部を示す。符号309は本装置内のアドレス
信号,データ制御信号等を伝送するバスラインを示して
いる。
【0090】(画像信号処理部)次に、図22に示した
画像信号処理部306の詳細について説明する。
【0091】図23は本実施例の画像信号処理回路の一
例を示すブロック図である。
【0092】レッドの画像濃度信号R,グリーンの画像
濃度信号G,ブルーの画像濃度信号Bを、それぞれ輝度
信号変換回路321で輝度信号329Yに変換される。
このRGB画像信号から輝度信号への変換は、次式に従
って行われる。
【0093】
【数1】Y=0.30R+0.59G+0.11B ヒストグラム処理回路322では輝度信号329Yに基
づき画像の輝度分布を求める。この輝度分布状態からイ
ンクの混合比率判定回路323により混合比率が決定さ
れ、インク混合制御回路324から制御信号が出力され
る。
【0094】一方、輝度信号329Yは、入力γ補正回
路325で画像濃度信号330Kに変換され、出力γ補
正回路326でγ補正が行われる。これにより得られる
画像濃度信号331Kは濃淡振り分け回路327で染料
濃度が高い濃ブラックの画像濃度信号332Kk と染
料濃度が低い淡ブラックの画像濃度信号332Ku と
に振り分けられる。
【0095】図24(a)および(b)は濃淡振り分け
回路で用いられるテーブルの一例を説明する図である。
【0096】図24(a)は、単一濃度のインクを用い
て通常の2値記録を行う場合のテーブルを示す。濃淡2
種の濃度のインクを用いた場合には、図24(b)に示
す変換テーブルが用いられる。
【0097】これらのテーブルは、画像濃度信号値と記
録後の画像の光学反射濃度値とが比例線形関係を示すよ
うに設定されている。この濃淡振り分けテーブルに基づ
く濃淡振り分け回路により濃淡信号が得られる。濃淡そ
れぞれに振り分けられた各画像濃度信号332Kk ,
332Ku は2値化回路で2値化され、各インクジェ
ットユニットの吐出信号とされる。
【0098】図25,図26(a)および(b)は画像
の輝度分布の状態を示した説明図である。
【0099】図25に示す分布の画像は低輝度から高輝
度まで画像のデータがある場合を示している。また、図
26(a)に示す分布の画像は低輝度側へデータが集中
している場合、図26(b)に示す分布の画像は高輝度
側へデータが集中している場合をそれぞれ示している。
【0100】図27はインクの染料濃度と記録画像の反
射濃度の関係を示す線図である。
【0101】(プリンタ部)図28は上記プリンタ部3
07を構成するインクジェット記録装置の要部構成を示
す斜視図である。
【0102】淡ブラックのインクを吐出する吐出口列
と、濃ブラックのインクを吐出する吐出口列を有するイ
ンクジェットユニット370はキャリッジ371に搭載
される。インクジェットユニット370の対応吐出口列
へのインク供給はサブインクタンク378uおよび37
8kからなされる。また、インクジェットユニット37
0への制御信号等は、フレキシブルケーブル379を介
して送信される。
【0103】被記録材の搬送やキャリッジ371の移動
等の記録に関する動作は図2,図5等で説明した構成と
同様なのでその説明は省略する。
【0104】装置の左右位置にはそれぞれインク充填ポ
ンプ380および384とこれらのインク充填ポンプに
インクを供給するメインインクタンク(インクカートリ
ッジ)383および387が配設される。回復ユニット
があるホームポジション側(図中、左側)においては、
キャリッジ371に搭載されるサブタンク378uおよ
び378kに対して、供給管381を介してクリアイン
クの充填を行い、これと反対側の位置においては同一の
サブタンクにインクの充填を行う。
【0105】(インク充填ポンプの構成)図29はサブ
インクタンクへインクを充填するためのインク充填ポン
プの構成図を示す。同図は装置右側に配置されるポンプ
384を示す。
【0106】同図に示すように、ポンプ384は濃,淡
インクそれぞれについてのポンプ構成を備える。供給管
385と一体になったピストン389u,389kがサ
ブインクタンク378u,378kとの接続動作に伴な
って図中矢印a方向に移動するに伴ない、インク室38
4u,384k内のインクは供給管385を介して図中
矢印b方向に供給される。この際、ピストン389u,
389kの矢印a方向への移動量、すなわちサブタンク
を搭載したキャリッジ371の移動量を制御することに
よりインク供給量を調整できる。
【0107】矢印a方向の力が解除されると、ばね38
7の力によりピストンは所定位置に戻るとともに、供給
管386u,386kを介したインクがインク室384
u,384k内に充填される。
【0108】図30は、装置の左側に配置され、クリア
インクを上記サブタンクに供給するためのポンプ構成を
示し、図29に示す構成と同様であるためその説明を省
略する。ただし、図を比較して明らかなようにピストン
の所定移動量に対するインク供給は異なっている。
【0109】図31は上記充填ポンプの供給管の供給路
構成を示す図である。
【0110】図31(a)は供給管先端に供給路がある
場合、図31(b)は供給管先端側面に供給路がある場
合をそれぞれ示す。
【0111】(サブインクタンクの構成)図32(a)
および(b)はサブインクタンク378の要部構成を示
す模式的断面図である。
【0112】サブインクタンク378からのインク蒸発
を防止するため、図32(a)に示す構成ではボール部
材3112によって供給口3111を密閉可能とし、図
32(b)に示す構成では弁3118によって供給口3
117を密閉可能としたものである。
【0113】図32(a)においてサブインクタンク3
78にインクを供給する際にインク充填ポンプの供給管
が供給口3111に挿入されると、ボール部材3112
は供給管により押し下げられ、供給口3111が開放さ
れる。インク供給が終了し、供給管が引き抜かれると、
ボール部材3112は、ばね3113による力により押
し戻され供給口は再び密閉される。
【0114】図32(b)においては、サブインクタン
ク378にインクを供給する際にインク充填ポンプの供
給管が供給口3117に挿入されると、弁3118は供
給管により押し下げられ、供給口3117が開放され
る。インク供給が終了し、供給管が引き抜かれると、弁
3118はばね3119による力により押し戻され供給
口は再び密閉される。
【0115】図33(a)および(b)はサブインクタ
ンク378にインクを供給するための供給口とこのイン
ク供給の際にインク水位を一定量に保つためオーバフロ
ーしたインクを排出するための排出口を有した構造のも
のである。
【0116】サブインクタンク378内のインク蒸発を
防止するため、図33(a)に示す構成はボール部材3
125によって供給口3124,排出口3123を密閉
可能とし、図33(b)は弁3133によって供給口3
132,排出口3131を密閉可能とする構成を示す。
【0117】図33(a)において、サブインクタンク
にインクを供給する際にインク充填ポンプの供給管と排
出インクチューブが供給口3124,排出口3123に
挿入されると、ボール部材3123,3125は供給
管、排出インクチューブにより押し下げられ、供給口お
よび排出口が開放される。インク供給が終了し、供給
管,排出インクチューブが引き抜かれると、ボール部材
3123,3125はばね3126による力により押し
戻され供給口および排出口は再び密閉される。
【0118】図33(b)において、サブインクタンク
にインクを供給する際にインク充填ポンプの供給管と排
出インクチューブが供給口に挿入されると、弁は供給
管,排出インクチューブにより押し下げられ、供給口3
131および排出口3133が開放される。インク供給
が終了し、供給管,排出インクチューブが引き抜かれる
と、弁3133はばね3134による力により押し戻さ
れ供給口および排出口は再び密閉される。
【0119】(記録ヘッド)本例の記録ヘッドは、例え
ば図17に示す構造とほぼ同様の構造であり、従って、
その説明は省略する。また、記録ヘッドの溝付天板も、
濃,淡インクについて供給インク室を有する図9に示す
構造と同様のものであり、これについてもその説明は省
略する。
【0120】(インク吐出口列の構成および画像形成
例)図34は、記録ヘッドのインク吐出口例をその吐出
口形成面側から見た図である。
【0121】本図では、上記各実施例と同様、同一記録
ヘッド内にブラックインクについて濃インク用,淡イン
ク用の吐出口列を設ける。
【0122】すなわち、記録ヘッド370には、濃ブラ
ックのインクを吐出する吐出口列371Kk および淡
ブラックのインクを吐出する吐出口列371Ku が設
けられる。各色の吐出口列371Ku ,371Kk は
360dpiの密度で32個の吐出口を有し、各色間は
共通インク室の壁により8ピッチ分の間隔がある。
【0123】図35は本例の画像形成過程を示す模式図
である。以下の説明では各色間の上記間隔は無いものと
して説明する。
【0124】第N+1行目に着目すると、第1走査目で
濃ブラックによる記録と所定量の被記録材の搬送動作
(ラインフィード、以下LFと略す)が行われ、第2走
査目で淡ブラックによる記録とLFが行われ、第N+1
行の画像が完成する。各走査記録後のLF量は記録ドッ
トの32ドット分の幅であり2回の走査記録により32
ドット幅分の画像が記録されることになる。
【0125】上記記録過程においては一度に全色の記録
を行わないためににじみ等による画像劣化も少なく良好
な画像が得られる。
【0126】本実施例のように共通インク室を分割し、
同一吐出口形成面に異なる濃度のインクを吐出するイン
ク吐出口を備えた記録ヘッドを用いることで、記録ヘッ
ドの数を減らすことができ、装置の小型化が可能とな
る。また本実施例に用いた記録ヘッドは同一吐出面に安
価に異なる濃度の吐出口列を精度良く形成することがで
きるため従来装置のような高度な装置精度や複雑な補正
制御が不要となり装置の低価格化も可能である。
【0127】また、吐出口配列は、インク吐出タイミン
グ補正等の観点から各吐出口列が同一直線上に配列した
方が好ましいが、本実施例に限定されることなく各色吐
出口列を横並びに配列したり、千鳥状に配列したりして
も良い。また、必要に応じて吐出口の数を濃度毎に変え
ることで、記録速度の向上も可能となる。
【0128】(インク供給動作)図36は、本例の濃度
変更にかかるインク供給処理を示すフローチャートであ
る。
【0129】本例の処理は、主に、図23に示したヒス
トグラム処理322,インク混合比率判定323および
インク混合制御324により実行される。
【0130】すなわち、本処理が始動されステップS1
30で記録データから画像分布を検知すると、ステップ
S131では、ヒストグラム処理322が検出する、記
録すべき画像の濃度分布に基づいて出力されるインク混
合比率判定323からの信号によりインク濃度を変更す
るか否かを判断する。
【0131】インク濃度を変更する場合、まず、キャリ
ッジ371を装置左側へ移動させポンプ380の供給管
381とサブタンク378u,378kとを接続させる
(ステップS132,S133,S134)。この際、
混合すべきクリアインクの量に応じたキャリッジの移動
量の制御を行う(ステップS135)。
【0132】このクリアインクの供給を終了すると、装
置右側へキャリッジ371を移動させ、同様の制御によ
って濃,淡インクの供給を行い、サブタンク378u,
378k内で上記クリアインクと混合させ所望濃度の
濃,淡インクをそれぞれ得る(ステップS136〜S1
39)。
【0133】上記濃度変更にかかるインク供給処理を終
了すると、キャリッジ371を所定位置に移動させ記録
動作を待機する(ステップS140〜S142)。 (実施例3の変形例)上述した実施例3についても、前
述した各実施例と同様、4色のインクを用いたカラーイ
ンクジェット記録装置に適用することができる。
【0134】図37〜図42は、このカラーインクジェ
ット記録装置に実施例を適用した場合を説明する図であ
り、以下、上記実施例3とは異なる点等についてのみ説
明する。
【0135】図37において、ROM484には、入出
力γ変換回路の処理で参照するための入出力γ変換テー
ブル484a,色補正(マスキング)回路の処理で参照
するマスキング係数484b,黒生成およびUCR回路
の処理で参照する黒生成およびUCRテーブル484
c,濃度振り分け回路の処理で参照するための濃淡振り
分けテーブル484d、および各種プログラム484e
が構成される。
【0136】図38に、本例の画像信号処理部を示す。
【0137】レッドの画像信号R,グリーンの画像信号
G,ブルーの画像信号Bは入力γ補正回路494でシア
ンの画像濃度信号,マゼンタの画像濃度信号,イエロー
の画像濃度信号に変換される。色補正(マスキング)回
路495,黒生成・UCR(下色除去)回路496で色
処理を施した後、シアン,マゼンタ,イエロー,ブラッ
クの新たな画像濃度信号に変換される。次に、出力γ補
正回路497でγ補正が行われたシアン,マゼンタ,イ
エロー,ブラックの画像濃度信号は濃淡振り分け回路4
98で染料濃度が高い濃シアン,濃マゼンタ,濃イエロ
ー,濃ブラックの画像濃度信号と染料濃度が低い、淡シ
アン,淡マゼンタ,淡イエロー,淡ブラックの画像濃度
信号に振り分けられる。
【0138】図39は本実施例のカラーインクジェット
記録装置の要部構成を示す斜視図である。
【0139】図28に示した構成と異なる点は、装置左
右に配置されるポンプ520および521は、それぞれ
不図示の移動機構によって移動し、キャリッジ511上
のサブタンク518Y,518M,518C,518K
に接続できるように設けられる。
【0140】図40は、本例の記録ヘッドユニットのイ
ンク吐出口列をその吐出口形成面側から見た図である。
【0141】本例では同一記録ヘッド内に濃インク用,
淡インク用の各インク吐出口列を有し、イエロー,マゼ
ンタ,シアン,ブラックのインクに対応したインクジェ
ットユニットを用いている。
【0142】図41は本例による画像形成過程を示す模
式図である。
【0143】第N+1行目に着目すると、第1走査目で
濃ブラック,濃シアン,濃マゼンタ,濃イエローによる
記録とLFが行われ、第2走査目で淡ブラック,淡シア
ン,淡マゼンタ,淡イエローによる記録とLFが行わ
れ、2回の走査記録により画像が完成する。各走査記録
後のLF量は64ドット幅分であり、2回の走査記録に
より64ドット幅分の画像が記録される。
【0144】本構成においても、先の実施例同様、一度
に全色の記録を行わないためにじみ等による画像劣化も
少なく良好な画像が得られる。さらに、実際のインクジ
ェットユニットにおいては、各色間にブランクがあるた
め、各色の記録走査のつまぎ位置は本図説明のように各
色一致せず、異なった位置となり結果として記録走査の
つなぎ筋の発生を緩和させる効果も得られる。
【0145】また、本例で説明した構成によれば、吐出
回復動作時に発生しやすい混色の緩和にも効果がある。
特に濃度の低いインク(淡インク)の吐出口列を上側に
濃度の高いインク(濃インク)を下側に配列することで
吐出回復動作での吸引動作後のインク垂れ込みによるイ
ンク混色を防止できる。
【0146】図42は、本例の濃度変更にかかるインク
供給処理を示すフローチャートである。
【0147】本例の処理が図36に示す処理と本質的に
異なる点は、サブタンクへのインク供給をした後、各記
録ヘッドからのインク吸引に行うことである(ステップ
S238〜S240)。 (実施例3の他の変形例)図43は他の変形例にかかる
カラーインクジェット記録装置の要部構成を示す斜視図
である。
【0148】本例の装置は、装置の左側に濃,淡インク
供給用ポンプ651とクリアインク供給用ポンプ655
aおよび655bを設ける。図から明らかなように、各
色のインクは一体の供給ブロック650aの移動によっ
て同一タイミングで供給される。これに対し、クリアイ
ンクは、各インク色のサブタンクに順次に供給される。
【0149】本発明は、特にインクジェット記録方式の
中でも熱エネルギーを利用して飛翔的液滴を形成し、記
録を行うインクジェット方式の記録ヘッド、記録装置に
おいて優れた効果をもたらすものである。
【0150】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式はいわゆるオンデマンド
型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能である
が、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)
が保持されているシートや液路に対応して配置されてい
る電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越
える急速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号
を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギー
を発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさ
せて、結果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体
(インク)内の気泡を形成できるので有効である。この
気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液体(イン
ク)を吐出させて、少なくとも一つの滴を形成する。こ
の駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成
長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体(イン
ク)の吐出が達成でき、より好ましい。
【0151】このパルス形状の駆動信号としては、米国
特許第4463359号明細書、同第4345262号
明細書に記載されているようなものが適している。な
お、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許
第4313124号明細書に記載されている条件を採用
すると、さらに優れた記録を行うことができる。
【0152】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組み合わせ構成(直線状液流路または直角液流路)の
他に熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開
示する米国特許第4558333号明細書、米国特許第
4459600号明細書を用いた構成としてもよい。加
えて、複数の電気熱変換体に対して、共通するスリット
を電気熱変換体の吐出部とする構成を開示する特開昭5
9−123670号公報や熱エネルギーの圧力波を吸収
する開孔を吐出部に対応させる構成を開示する特開昭5
9−138461号公報に基づいた構成とすることもで
きる。
【0153】加えて、装置本体に装着されることで、装
置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給
が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あ
るいは記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが設けら
れたカートリッジタイプの記録ヘッドを用いてもよい。
【0154】また、本発明の記録装置の構成として設け
られる、記録ヘッドに対しての回復手段、予備的な補助
手段等を付加することは本発明の効果を一層安定できる
ので好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、
記録ヘッドに対してのキャッピング手段、クリーニング
手段、加圧あるいは吸引手段、電気熱変換体あるいはこ
れとは別の加熱素子あるいはこれらの組み合わせによる
予備加熱手段、記録とは別の吐出を行う予備吐出モード
を行うことも安定した記録を行うために有効である。
【0155】さらに、記録装置の記録モードとしては黒
色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッ
ドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによってで
もよいが、異なる色の複色カラー、または混色によるフ
ルカラーの少なくとも一つを備えた装置とすることもで
きる。
【0156】以上説明した本発明実施例においては、イ
ンクを液体として説明しているが、室温やそれ以下で固
化するインクであって、室温で軟化するもの、もしくは
液体であるもの、あるいは上述のインクジェット方式で
はインク自体を30℃以上70℃以下の範囲内で温度調
整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあるように温
度制御するものが一般的であるから、使用記録信号付与
時にインクが液状をなすものであればよい。
【0157】加えて、積極的に熱エネルギーによる昇温
をインクの固形状態から液体状態への状態変化のエネル
ギーとして使用せしめることで防止するか、またはイン
クの蒸発防止を目的として放置状態で固化するインクを
用いるかして、いずれにしても熱エネルギーの記録信号
に応じた付与によってインクが液化し、液状インクとし
て吐出するものや、記録媒体に到達する時点では既に固
化し始めるもの等のような、熱エネルギーによって初め
て液化する性質のインクの使用も本発明には適用可能で
ある。このような場合インクは、特開昭54−5684
7号公報あるいは特開昭60−71260号公報に記載
されるような、多孔質シート凹部または貫通孔に液状ま
たは固形物として保持された状態で、電気熱変換体に対
して対向するような形態としてもよい。本発明において
は、上述した各インクに対して最も有効なものは、上述
した膜沸騰方式を実行するものである。
【0158】さらに加えて、本発明に係る記録装置の形
態としては、上述のようなワードプロセッサやコンピュ
ータ等の情報処理機器の画像出力端末として一体または
別体に設けられるものの他、リーダ等と組み合わせた複
写装置、さらには送受信機能を有するファクシミリ装置
の形態を採るものであっても良い。
【0159】図44は本発明の記録装置をワードプロセ
ッサ、パーソナルコンピュータータ、ファクシミリ装
置、複写装置としての機能を有する情報処理装置に適用
した場合の概略構成を示すブロック図である。図中、5
201は装置全体の制御を行なう制御部で、マイクロプ
ロセッサ等のCPUや各種I/Oポートを備え、各部に
制御信号やデータ信号等を出力したり、各部よりの制御
信号やデータ信号を入力して制御を行なっている。52
02はディスプレイ部で、この表示画面には各種メニュ
ーや文書情報およびびイメージリーダ5207で読み取
ったイメージデータ等が表示される。5203はディス
プレイ部5202上に設けられた透明な感圧式のタッチ
パネルで、指等によりその表面を押圧することにより、
ディスプレイ部5202上での項目入力や座標位置入力
等を行なうことができる。
【0160】5204はFM(Frequency M
odulation)音源部で、音楽エディタ等で作成
された音楽情報をメモリ部5210や外部記憶装置52
12にデジタルデータとして記憶しておき、それらメモ
リ等から読み出してFM変調を行なうものである。FM
音源部5204からの電気信号はスピーカ部5205に
より可聴音に変換される。プリンタ部5206はワード
プロセッサ、パーソナルコンピュータ、ファクシミリ装
置、複写装置の出力端末として、本発明に係る記録装置
が適用されたものである。
【0161】5207は原稿データを光電的に読み取っ
て入力するイメージリーダ部で、原稿の搬送経路途中に
設けられており、ファクシミリ原稿や複写原稿の他、各
種原稿の読み取りを行う。5208はイメージリーダ部
や5207で読み取った原稿データのファクシミリ送信
や、送られてきたファクシミリ信号を受信して復号する
ファクシミリ送受信部であり、外部とのインターフェー
ス機能を有する。5209は通常の電話機能や留守番電
話機能等の各種電話機能を有する電話部である。521
0はシステムプログラムやマネージャプログラムおよび
その他のアプリケーションプログラム等や文字フォント
および辞書等を記憶するROMや、外部記憶装置521
2からロードされたアプリケーションプログラムや文字
情報を記憶するためのRAM、さらにはビデオRAM等
を含むメモリ部である。
【0162】5211は文書情報や各種コマンド等を入
力するキーボード部である。5212はフロッピィディ
スクやハードディスク等を記憶媒体とする外部記憶装置
で、この外部記憶装置5212には文字情報や音楽ある
いは音声情報,ユーザのアプリケーションプログラム等
が格納される。
【0163】図45は図44に示す情報処理装置の外観
図である。図中、5301は液晶等を利用したフラット
パネルディスプレイで、各種メニューや図形情報および
文書情報等を表示する。このディスプレイ5301上に
はタッチパネルが設置されており、このタッチパネルの
表面を指等で押圧することにより座標入力や項目指定入
力を行うことができる。5302は装置が電話機として
機能するときに使用されるハンドセットである。
【0164】キーボード5303は本体と脱着可能にコ
−ドを介して接続されており、各種文字情報や各種デー
タ入力を行うことができる。また、このキーボード53
03には各種機能キー5304等が設けられている。5
305はフロッピィディスクの挿入口である。
【0165】5307はイメージリーダ部5207で読
み取られる原稿を載置する用紙載置部で、読み取られた
原稿は装置後部より排出される。またファクシミリ受信
等においては、インクジェットプリンタ5306により
記録される。
【0166】なお、上記ディスプレイ5301はCRT
でもよいが、強誘電性液晶を利用した液晶ディスプレイ
等のフラットパネルが望ましい。小型、薄型化に加え軽
量化が図れるからである。上記情報処理装置がワードプ
ロセッサとして機能する場合、図44においてキーボー
ド部5211から入力された文字情報が制御部5201
により文書処理プログラムに従って処理され、プリンタ
部5206に画像として出力される。上記情報処理装置
がパーソナルコンピュータとして機能する場合、キーボ
ード部5211から入力された各種データが制御部52
01によりアプリケーションプログラムに従って計算処
理され、プリンタ部5206に計算結果が画像として出
力される。ファクシミリ装置の受信機として機能する場
合、通信回線を介してファクシミリ送受信部5208か
ら入力したファクシミリ情報が制御部5201により所
定のプログラムに従って受信処理され、プリンタ部52
06に受信画像として出力される。
【0167】また、複写装置として機能する場合、イメ
ージリーダ部5207によって原稿を読取り、読み取ら
れた原稿データが制御部5201を介してプリンタ部5
206に複写画像として出力される。なお、ファクシミ
リ装置の送信機として機能する場合、イメージリーダ部
5207によって読み取られた原稿データは、制御部5
201により所定のプログラムに従って送信処理された
後、ファクシミリ送受信部5208を介して通信回線に
送信される。なお、上述した情報処理装置は図46に示
すようにインクジェットプリンタを本体に内蔵した一体
型としてもよく、この場合は、よりポータブル性を高め
ることが可能となる。同図において、図45と同一機能
を有する部分には、対応する符号を付した。
【0168】以上説明した多機能型情報処理装置に本発
明の記録装置を適用することによって、高品位の記録画
像を得ることができるため、上記情報処理装置の機能を
さらに向上させることが可能となる。
【0169】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、記録ヘッドの吐出口面は、濃インクを吐出す
るための複数の第1の吐出口と前記濃インクよりも濃度
の低い淡インクを吐出するための複数の第2の吐出口と
をそれぞれ色の異なるインクごとに有し、前記複数の第
1の吐出口と前記複数の第2の吐出口とは、前記走査方
向とは異なる方向に同一直線状に配置されて吐出口列を
形成するとともに、該吐出口列が前記色の異なるインク
ごとに走査方向に配列されるので、濃淡インク間および
異なる色のインク間で、縦横のレジストのズレがなくな
り、複数の吐出口から吐出されるインクの着弾位置のず
れを生ずることがなくなる。また、複数の吐出口を別々
の吐出口面(通常の場合、別々の記録ヘッド)に形成した
場合に生じ得る、それぞれの吐出口面の取り付け誤差も
しくは装着誤差による着弾位置ずれをなくすことができ
る。
【0170】この結果、画質に優れた記録を小型かつ簡
潔な構成の装置で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット記録装置の一従来例を示す概略
斜視図である。
【図2】本発明の実施例1にかかるインクジェット記録
装置の斜視図である。
【図3】図2に示す装置で用いられる記録ヘッドの模式
的斜視図である。
【図4】上記記録ヘッドのインク吐出部の構造を模式的
に示す部分斜視図である。
【図5】実施例1の変形例にかかるカラーインクジェッ
ト記録装置の概略斜視図である。
【図6】上記記録ヘッドの吐出口配列を被記録材側から
見た模式的斜視図である。
【図7】上記変形例の記録ヘッドの模式的斜視図であ
る。
【図8】上記記録ヘッドの構成を示す分解斜視図であ
る。
【図9】上記記録ヘッドに用いる溝付天板を説明する斜
視図である。
【図10】4記録ヘッド一体のインクジェットユニット
の構成を示す分解斜視図である。
【図11】4記録ヘッド一体のインクジェットユニット
とインクタンクのキャリッジ装着状態を示す斜視図であ
る。
【図12】本発明の実施例2にかかるインクジェット記
録装置の概略斜視図である。
【図13】上記装置で用いられる記録ヘッドの模式的斜
視図である。
【図14】図12に示す装置で用いられるインクタンク
の構造を示す模式的分解斜視図である。
【図15】上記インクタンクのインク供給用穴を模式的
に示す説明図である。
【図16】上記記録ヘッドと上記インクタンクとの接合
部の部分断面図である。
【図17】上記記録ヘッドの構造を示す分解斜視図であ
る。
【図18】上記記録ヘッドと一体としたインクジェット
ユニットの構成を示す分解斜視図である。
【図19】上記4ヘッド一体のインクジェットユニット
とインクタンクのキャリッジ装着状態を示す斜視図であ
る。
【図20】本発明の実施例2の変形例にかかるインクタ
ンクの構造を示す模式的分解斜視図である。
【図21】さらに他の変形例にかかるインクタンクの構
造を模式的に示す分解斜視図である。
【図22】本発明の実施例3にかかるインクジェット記
録装置の構成を示すブロック図である。
【図23】図22に示すインク混合制御部の詳細を示す
ブロック図である。
【図24】(a)および(b)は、濃淡振り分けテーブ
ルを示す模式図である。
【図25】記録データの輝度信号分布を示す図である。
【図26】(a)および(b)は、記録データの輝度信
号分布を示す図である。
【図27】染料濃度に対する画像濃度の関係を示す線図
である。
【図28】上記実施例3にかかるインクジェット記録装
置の概略斜視図である。
【図29】図28に示すインク充填ポンプの模式的断面
図である。
【図30】図28に示すインク充填ポンプの模式的断面
図である。
【図31】(a)および(b)は、上記インク充填ポン
プにおけるインク供給管の二例を示す模式図である。
【図32】(a)および(b)は、図28に示すサブイ
ンクタンクの模式的断面図である。
【図33】(a)および(b)は、上記サブインクタン
クの構造の他の例を示す模式的断面図である。
【図34】図28に示す記録ヘッドの吐出口配列を示す
模式的正面図である。
【図35】上記記録ヘッドを用いた記録方法を示す模式
図である。
【図36】本発明の実施例3における濃度変更にかかる
インク充填処理のフローチャートである。
【図37】上記実施例3の変形例にかかるインクジェッ
ト記録装置の構成を示すブロック図である。
【図38】図37に示す画像信号処理部およびインク混
合制御部の詳細を示すブロック図である。
【図39】上記変形例にかかるインクジェット記録装置
の斜視図である。
【図40】図39に示すインクジェット記録装置で用い
られる記録ヘッドの吐出口配列を示す模式的正面図であ
る。
【図41】上記記録ヘッドを用いた記録方法を示す模式
図である。
【図42】上記変形例における濃度変更にかかるインク
充填処理のフローチャートである。
【図43】本発明の実施例3の他の変形例にかかるイン
クジェット記録装置の斜視図である。
【図44】本発明を適用したインクジェット記録装置を
用いて構成される情報処理システムを示すブロック図で
ある。
【図45】上記システムにおける情報処理装置の一例を
示す斜視図である。
【図46】上記情報処理装置の他の例を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
2 吐出口 6,7,8 インク供給口 12,12K,12C,12M,12Y,370,51
0K,510C,510M,510Y,640Y,64
0M,640C,640K 記録ヘッド 13,13K,13C,13M,13Y インクタンク 13a,13b インク室 13c 仕切板 14a,14b,1400 インク吸収部材 15a,15b,15a′,15b′,15a″,15
b″,15c″ インク供給用穴 303,483 CPU 306,486 画像信号処理部 308,488 インク混合制御部 378u,378k,518Y,518M,518C,
518K,648Y,648M,648C,648K
サブタンク 380,384,520,521,651,655a,
655b インク充填ポンプ CS,CS1,CS2 インク供給率制御ユニット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 後藤 史博 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 神田 英彦 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 杉本 仁 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 松原 美由紀 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 平林 弘光 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 小板橋 規文 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−119856(JP,A) 特開 平3−244550(JP,A) 特開 平5−24208(JP,A) 特開 昭58−179655(JP,A) 特開 昭59−198162(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを吐出するための複数の吐出口が
    形成された吐出口面を有するインクジェット記録ヘッド
    であって、該記録ヘッドが用いられる装置において走査
    方向に走査されてインクを吐出するインクジェット記録
    ヘッドにおいて、 前記吐出口面は、濃インクを吐出するための複数の第1
    の吐出口と前記濃インクよりも濃度の低い淡インクを吐
    出するための複数の第2の吐出口とをそれぞれ色の異な
    るインクごとに有し、 前記複数の第1の吐出口と前記複数の第2の吐出口と
    は、前記走査方向とは異なる方向に同一直線状に配置さ
    れて吐出口列を形成するとともに、該吐出口列が前記色
    の異なるインクごとに走査方向に配列されたこと特徴と
    するインクジェット記録ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記インクジェット記録ヘッドは、熱エ
    ネルギーを利用してインクに気泡を生成し、該気泡の生
    成に基づいてインクを吐出することを特徴とする請求項
    1に記載のインクジェット記録ヘッド。
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