JP3319872B2 - 半導体記憶装置 - Google Patents

半導体記憶装置

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JP3319872B2
JP3319872B2 JP10939394A JP10939394A JP3319872B2 JP 3319872 B2 JP3319872 B2 JP 3319872B2 JP 10939394 A JP10939394 A JP 10939394A JP 10939394 A JP10939394 A JP 10939394A JP 3319872 B2 JP3319872 B2 JP 3319872B2
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  • Metal-Oxide And Bipolar Metal-Oxide Semiconductor Integrated Circuits (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体記憶装置に関
し、より特定的には、随時書込読出可能な記憶装置(S
RAM:Static Random Access Memory )を含む半導体
記憶装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から半導体記憶装置の1つとして、
SRAMが知られている。このSRAMは、DRAM
(Dynamic Random Access Memory)に比較してリフレッ
シュ動作が不要であり記憶状態が安定しているという利
点を有する。
【0003】図14は、CMOS(Complementary Meta
l Oxide Semiconductor )型のSRAMメモリセルの等
価回路図である。図14を参照して、このメモリセル
は、負荷として1対の負荷トランジスタ105、106
を有し、それ以外に1対のドライバトランジスタ10
1、102と、1対のアクセストランジスタ103、1
04とで構成されている。
【0004】1対の負荷トランジスタ105、106の
各ソースはVCC電源110に接続されており、各ドレイ
ンは各々記憶ノードN1、N2に接続されている。
【0005】1対のドライバトランジスタ101、10
2と1対のアクセストランジスタ103、104とは、
MOSトランジスタよりなっている。1対のドライバト
ランジスタ101、102の各ソース領域はGND(接
地電位)111に接続されている。またドライバトラン
ジスタ101のドレイン領域は記憶ノードN1に接続さ
れており、ドライバトランジスタ102のドレイン領域
は記憶ノードN2に接続されている。さらにドライバト
ランジスタ101のゲートは記憶ノードN2に接続され
ており、ドライバトランジスタ102のゲートは記憶ノ
ードN1に接続されている。
【0006】アクセストランジスタ103の1対のソー
ス/ドレイン領域の一方は記憶ノードN1に接続されて
おり、1対のソース/ドレイン領域の他方はビット線1
07に接続されている。またアクセストランジスタ10
4の1対のソース/ドレイン領域の一方は記憶ノードN
2に接続されており、1対のソース/ドレイン領域の他
方はビット線108に接続されている。またアクセスト
ランジスタ103、104のゲートはワード線109に
各々接続されている。
【0007】以下、従来のCMOS型のSRAMのメモ
リセル構造について説明する。図15は、従来のSRA
Mのメモリセル構造を示す概略断面図である。また図1
6〜図20は、従来のSRAMのメモリセル構造を下層
から順に5段階に分割して示した平面構造図である。
【0008】具体的には、図16が基板に形成された1
対のドライバトランジスタ250a、250bと1対の
アクセストランジスタ250c、250dとの構成を示
している。また図17は、引出し配線層213a、21
3bおよびグランド配線層213cの構成を示してい
る。また図18と図19とは、1対の負荷トランジスタ
250e、250fおよび電源配線の構成を示してお
り、図20はビット線225a、225bの構成を示し
ている。
【0009】なお、図15は、図16〜図20の矢印B
−B線に沿う断面に対応している。まず図15と図16
とを参照して、シリコン基板201の表面に所望の形状
で分離酸化膜203aが形成されている。このシリコン
基板301の表面に1対のドライバトランジスタ250
a、250bと、1対のアクセストランジスタ250
c、250dとが形成されている。
【0010】ドライバトランジスタ250aは、1対の
ソース/ドレイン領域205、205と、ゲート絶縁層
203bと、ゲート電極層209cとを有している。1
対のソース/ドレイン領域205、205は、n型の拡
散領域よりなり、チャネル領域を規定するように互いに
間隔を有して形成されている。ゲート電極層209c
は、ゲート絶縁層203bを介在してチャネル領域と対
向するように形成されている。
【0011】ドライバトランジスタ250bは、1対の
ソース/ドレイン領域205、205と、ゲート絶縁層
(図示せず)と、ゲート電極層209dとを有してい
る。このドライバトランジスタ250bの1対のソース
/ドレイン領域205、205は、n型の拡散領域より
なり、チャネル領域を規定するように互いに間隔を有し
て形成されている。ゲート電極層209dは、ゲート絶
縁層を介在して、このチャネル領域と対向するように形
成されている。
【0012】アクセストランジスタ250cは、1対の
ソース/ドレイン領域205、205と、ゲート絶縁層
(図示せず)と、ゲート電極層209bとを有してい
る。このアクセストランジスタ250cの1対のソース
/ドレイン領域205、205は、n型の拡散領域より
なり、チャネル領域を規定するように互いに間隔を有し
て形成されている。ゲート電極層209bは、ゲート絶
縁層を介在してチャネル領域と対向するように形成され
ている。
【0013】アクセストランジスタ250dは、1対の
ソース/ドレイン領域205、205と、ゲート絶縁層
207と、ゲート電極層209aとを有している。この
アクセストランジスタ250dの1対のソース/ドレイ
ン領域205、205は、n型の拡散領域よりなり、チ
ャネル領域を規定するように互いに間隔を有して形成さ
れている。ゲート電極層209aは、ゲート絶縁層20
7を介在してチャネル領域と対向するように形成されて
いる。
【0014】アクセストランジスタ250c、250d
のゲート電極層209a、209bは、行方向(矢印X
方向)に配置された各メモリセル領域M.C.のゲート
電極層と一体に形成され、ワード線を構成している。
【0015】ドライバトランジスタ250aのドレイン
領域205は、アクセストランジスタ250cのソース
/ドレイン領域の一方と同一の不純物領域により形成さ
れている。またドライバトランジスタ250bのドレイ
ン領域205は、アクセストランジスタ250dのソー
ス/ドレイン領域の一方と同一の不純物領域により形成
されている。
【0016】次に図15と図17とを参照して、1対の
ドライバトランジスタ250a、250bと1対のアク
セストランジスタ250c、250dとを覆うように、
シリコン基板201の表面全面に第1の絶縁層211が
形成されている。この第1の絶縁層211には、各アク
セストランジスタ250c、250dのソース/ドレイ
ン領域の一方に達するコンタクトホール211a、21
1bが形成されている。
【0017】このコンタクトホール211aを通じてア
クセストランジスタ250dのソース/ドレイン領域の
一方と接するように引出し配線層213aが形成されて
いる。またコンタクトホール211bを通じてアクセス
トランジスタ250cのソース/ドレイン領域と接する
ように引出し配線層213bが形成されている。
【0018】また、絶縁層211には、各ドライバトラ
ンジスタ250a、250bの各ソース領域に達するコ
ンタクトホール211c、211cが形成されている。
このコンタクトホール211c、211cを通じてドラ
イバトランジスタ250a、250bの各ソース領域と
接するようにグランド配線層213cが形成されてい
る。このグランド配線層213cは、行方向(矢印X方
向)に配置された各メモリセル領域M.C.のグランド
配線層213cと一体となるように、行方向に延びて形
成されている。
【0019】図15と図18とを参照して、引出し配線
層213a、213bと、グランド配線層213cとを
覆うように第2の絶縁層215が第1の絶縁層211の
表面全面に形成されている。第1および第2の絶縁層2
11、215には、ドライバトランジスタ250aのゲ
ート電極層209cとドライバトランジスタ250bの
ドレイン領域205との双方に達するコンタクトホール
215aが形成されている。また第1および第2の絶縁
層211、215には、ドライバトランジスタ250b
のゲート電極層209dとドライバトランジスタ250
aのドレイン領域205との双方に達するコンタクトホ
ール215bも形成されている。
【0020】このコンタクトホール215aを通じてド
ライバトランジスタ250aのゲート電極層209cと
ドライバトランジスタ250bのドレイン領域205と
の双方に接するように、第1の半導体層217aが形成
されている。またコンタクトホール215bを通じてド
ライバトランジスタ250bのゲート電極層209dと
ドライバトランジスタ250aのドレイン領域205と
の双方に接するように第1の半導体層217bが形成さ
れている。この第1の半導体層217a,217bはと
もに列方向(矢印Y方向)に延びる部分を有している。
この第1の半導体層217a、217bは、各々n型の
不純物が導入されたドープト多結晶シリコン膜により形
成されている。
【0021】なお、この第1の半導体層217a、21
7bは負荷トランジスタのゲート電極となる部分であ
る。
【0022】図15と図19とを参照して、第1の半導
体層217a、217bを覆うように第2の絶縁層21
5の表面全面に第3の絶縁層219が形成されている。
この第3の絶縁層219には、第1の半導体層217a
に達する孔219aが、また第1の半導体層217bに
達する孔219bが各々形成されている。この孔219
aを通じて第1の半導体層217aに接するように、か
つ孔219bを通じて第1の半導体層217bに接する
ように第2の半導体層221が形成されている。
【0023】この第2の半導体層221は、メモリセル
領域M.C.内を行方向(矢印X方向)に横断する部分
と、その部分からL字状に枝分かれした部分とを有す
る。この枝分かれしたL字状の部分は各メモリセル領域
M.C.毎に2つずつあり、各部分は第1の半導体層2
17a、217bと各々接続されている。
【0024】第1の半導体層217a、217bと第2
の半導体層221とにより、1対の負荷トランジスタ2
50f、250fが形成されている。第1の半導体層2
17bは、負荷トランジスタ250fのゲート電極層を
構成し、第1の半導体層217aは負荷トランジスタ2
50eのゲート電極層を構成している。また第2の半導
体層221は、負荷トランジスタ250e、250fの
ソース/ドレイン領域221b、221aとチャネル領
域221cとを構成している。
【0025】第1の半導体層217a、217bと積層
方向に対向する部分であって、L字状に枝分かれした部
分の列方向(矢印Y方向)に延びる部分がチャネル領域
221cとなる。また、L字状に枝分かれした部分の行
方向(矢印X方向)に延びる部分であって、第1の半導
体層217a、217bに接続される部分がドレイン領
域221aとなる。さらに負荷トランジスタ250e、
250fのソース領域は、第2の半導体層221の行方
向に延在する部分がソース領域221bとなる。またこ
の行方向に延在する部分は、メモリセルアレイ領域の外
部より電源を供給するための電源配線の役割もなす。
【0026】負荷トランジスタ250e、250fは、
ドライバトランジスタと逆導電型でなければならない。
このため、負荷トランジスタ250e、250fは、p
チャネルTFTのトランジスタであり、ゆえに第2の半
導体層221は、p型の不純物が導入されたドープト多
結晶シリコン膜よりなっている。
【0027】この第2の半導体層221は、行方向(矢
印X方向)に配置された各メモリセル領域M.C.の第
2の半導体層と一体となるように、行方向に延びて形成
されている。
【0028】図15と図20とを参照して、第2の半導
体層221を覆うように第3の絶縁層219の表面全面
に第4の絶縁層223が形成されている。この第4の絶
縁層223には、引出し配線層213a、213bの各
々に達するスルーホール223a、223bが形成され
ている。このスルーホール223aを通じて引出し配線
層213aに接するようにビット線225aが形成され
ている。またスルーホール223bを通じて引出し配線
層213bに接するようにビット線225bが各々形成
されている。
【0029】このビット線225a、225bはアルミ
ニウム合金よりなっている。またビット線225a、2
25bは、列方向(矢印Y方向)に配置された各メモリ
セル領域M.C.のビット線と一体となるように、列方
向に延びて形成されている。
【0030】
【発明が解決しようとする課題】従来のSRAMのメモ
リセル構造では、(1)カラム電流、(2)ノイズ、
(3)寄生p−n接合および配線抵抗によって、メモリ
セル動作の安定が図れないという問題点があった。以
下、そのことについて詳細に説明する。
【0031】 (1) カラム電流による読出動作の不安定性 (i) 図21は、SRAMのメモリセルアレイ内の等
価回路の一部を示す図である。図21を参照して、デー
タの読出時にワード線WLが活性化(High、つまり選
択)されるとアクセストランジスタ103と104とが
ONする。アクセストランジスタ104のソース/ドレ
インは各々記憶ノードの“L”とビット線負荷を経由し
てVCCとに接続されている。この記憶ノード“L”とV
CCとは電位差が大きいため、アクセストランジスタ10
4がONされると図中矢印で示す方向へ、いわゆるカラ
ム電流が流れる。
【0032】一方、アクセストランジスタ103もON
するが、ソース/ドレインは各々記憶ノードの“H”お
よびVCCに接続されており、双方の電位差は小さい。こ
のためアクセストランジスタ103側にはカラム電流は
ほとんど流れない。
【0033】このようにカラム電流Iは、ワード線WL
が活性化したとき、VCC→ビット線負荷→ビット線→ア
クセストランジスタ104→記憶ノード“L”→ドライ
バトランジスタ102→GNDという経路で流れる。
【0034】従来のSRAMメモリセル構造では、図2
2に示すようにドライバトランジスタのソース領域とG
NDとを接続するグランド配線層213cは行方向(矢
印X方向)に延びている。また、このグランド配線層2
13cはメモリセルアレイの端部において接地されてい
る。このため、任意のワード線が活性化された場合、図
23に示すように選択されたワード線に接続された各メ
モリセルからカラム電流I1 、I2 、…、In-1 、In
が生じ、このカラム電流は1本のグランド配線層213
c中をGNDへ向かって流れる。
【0035】図24は、図23に示すように行方向に配
置された各メモリセルの位置とグランド配線層の電位と
の関係を示すグラフである。図23と図24とを参照し
て、メモリセル内の1対のドライバトランジスタの一方
のソース領域(点S1 )と他方のソース領域(点S2
との間にはグランド配線層213cの配線抵抗Rがあ
る。このため、グランド配線層213cを流れるカラム
電流によって点S1 と点S2 との間には(配線抵抗R)
×(カラム電流)の電位差、すなわちソース電位差が生
じる。
【0036】特に、メモリセルM.C.1はGNDに最
も近い位置にある。このため、メモリセルM.C.1内
にあるグランド配線層213cの点S2 から点S1
は、同一ワード線に接続された各メモリセルから生じた
すべてのカラム電流(I1 +I 2 +…+In-1 +In
が流れる。つまり、グランド配線層213cの点S2
ら点S1 には1本のグランド配線層213c中で最も大
きなカラム電流が流れる。このため、このメモリセル
M.C.1のソース電位差は、同一ワード線が接続され
たメモリセルの中で最も大きくなる。
【0037】このように1つのメモリセル内における1
対のドライバトランジスタのソース電位差が大きくなる
と、以下のように記憶データが破壊され、データが反転
するおそれが生じる。
【0038】図23を参照して、点S1 に示すドライバ
トランジスタ101のソース領域の電位が0V、点S2
に示すドライバトランジスタ102のソース電位が1.
7Vであると仮定する。またドライバトランジスタ10
1のドレインが接続される記憶ノードN1が“H”の電
位で3.0V、ドライバトランジスタ102のドレイン
領域が接続される記憶ノードN2が“L”の電位で0V
であると仮定する。ワード線が活性化されデータの読出
が始まると、記憶ノードN1 が“H”であるため、ドラ
イバトランジスタ102がONしてカラム電流I1 が流
れるが、記憶ノードN2 の電位はソース電位S2 と同電
位になる。ところが記憶ノードN2 の電位がソース電位
2 と同じ1.7Vまで上がると、ドライバトランジス
タ101がONして、記憶ノードN1 の電位が下がって
しまうという記憶データの破壊、ひいては誤った読み出
しが起こってしまう。
【0039】(ii) また、カラム電流が生じるとグラ
ンド配線層213cの配線抵抗により、グランド配線層
213cの電位は図24に示すようにGNDから遠い位
置ほど高くなる。特にメモリセルM.C.n は最もGN
Dから離れた位置にある。このため、メモリセルM.
C.n のソース電位は、同一ワード線が接続されたメモ
リセルの中で最も高くなる。
【0040】SRAMのメモリセルは一方の記憶ノード
を“L”とし、他方の記憶ノードを“H”とすることで
データをストアする。しかし、ソース電位が上昇してい
ると、データ読出の際に“L”レベルの記憶ノードは接
続されているソース電位まで上昇するので、“H”レベ
ルの記憶ノードとの電位差が小さくなってしまう。すな
わち、“L”の記憶ノード電位が“H”に近づくことに
なる。この場合、双方の記憶ノードが“H”とみなさ
れ、ストアされたデータが破壊される恐れが生じる。
【0041】このように、従来のSRAMのメモリセル
構造では、データの読出時にカラム電流が生じた場合
に、GNDに最も近いメモリセルにおいては、記憶デー
タが破壊され、データが反転するおそれが生じ、またG
NDから最も離れたメモリセルにおいては、記憶データ
が破壊されるおそれが生じる。したがって、従来のSR
AMのメモリセルでは、データ読出時にカラム電流が生
じた場合に安定した読出動作を得ることができない。
【0042】(2) ノイズによる動作不安定性 素子の微細化を図る場合、スケーリング則に従って電源
電位も低くなる。このため、SRAMのメモリセルに与
えられるHighとLow の電位自体が低くなり、これに伴っ
て、各メモリセルの記憶ノードにおける“H”および
“L”の電位差も小さくなる。ゆえに、ノイズによって
“H”と“L”との電位に微小な変動が生じた場合に
は、その“H”と“L”との識別が困難となり、メモリ
セルのデータの読出が難しくなる。
【0043】またデータの書込についても、ノイズによ
る電位の変動によって、各記憶ノードに“H”と“L”
とが反転して書込まれるおそれが生じ、データの書込を
安定に行なうことが難しくなる。
【0044】したがって、従来のSRAMのメモリセル
構造では、メモリセルのデータの読出および書込を安定
に行なうことが難しく、安定した動作を得ることができ
ない。
【0045】(3) 寄生p−n接合および配線抵抗に
よる動作の不安定性 (i) 電源電位は、通常、メモリセルアレイの外部よ
りメモリセルアレイ内の各メモリセルに供給される。こ
の供給経路は、電源電位からメモリセルアレイまでは低
抵抗のアルミニウム配線層であり、メモリセルアレイ内
では、図25に示すように電源配線である第2の半導体
層221である。
【0046】従来のSRAMのメモリセル構造では、こ
の第2の半導体層221は、上述したように行方向(矢
印X方向)に延在しているため、メモリセルアレイ内に
おいては図26に示すように配置されている。
【0047】図26を参照して、第2の半導体層221
は行方向(矢印X方向)に延在し、行方向に配置された
各メモリセルM.C.に接続されている。この第2の半
導体層221は、メモリセルアレイ外部に配線されたア
ルミニウム配線層307aに接続され、このアルミニウ
ム配線層307aは電源321に接続されている。
【0048】この第2の半導体層221とアルミニウム
配線層307aとの接続部P1 は図27に示すような構
成を有している。
【0049】図27は、図26の接続部P1 を拡大して
示す概略断面図である。図27を参照して、アルミニウ
ム配線層307aは図20に示すビット線225a(2
25b)と同一レイヤーにより形成される。このため、
アルミニウム配線層307aと第1の導電層301aと
を接続するための第1の開口315aは、スルーホール
223a(223b)と同一のエッチング工程により形
成される。
【0050】仮に、アルミニウム配線層307aを第1
の導電層301aに接続せずに、直接第2の半導体層2
21に接続するとすれば、第1の孔315aの代わりに
アルミニウム配線層307aと第2の半導体層221と
を接続するための孔を形成する必要がある。しかし、こ
のアルミニウム配線層307aと第2の半導体層221
とを接続するための孔の深さDb は、スルーホール22
3a(223b)の深さDa に比べて非常に小さい。
【0051】具体的には、スルーホール223a(22
3b)の深さDa が1.0〜1.5μmであった場合、
アルミニウム配線層307aと第2の半導体層221と
を接続するための孔の深さDb は、0.2〜0.4μm
となる。このため、アルミニウム配線層307aと第2
の半導体層221とを接続するための孔をスルーホール
223a(223b)と同一のエッチング工程で形成し
ようとすると、このエッチングにより第2の半導体層2
21に突抜けが生じてしまう。つまり、このエッチング
により、アルミニウム配線層307aと、第2の半導体
層221とを接続するための孔が第2の半導体層221
の上部表面を露出するにとどまらず、この第2の半導体
層221を突抜けてしまう。よって、この突抜けを生じ
た孔を介して、アルミニウム配線層307aを第2の半
導体層221に接続すると接続不良が生じてしまい、電
気的信頼性が損われる。
【0052】そこで実際の配線構造では、アルミニウム
配線層307aは、第2の半導体層221と直接接続さ
れずに、第1の導電層301aに接続される。第1の導
電層301aは、引出し配線層213a(213b)と
同一のレイヤーにより形成される。この第1の導電層3
01aは、第2の孔311を介して第2の導電層303
に接続され、さらに第3の孔313を介して第2の半導
体層221に接続される。
【0053】第2の導電層303は、図18に示す第1
の半導体層217a(217b)と同一レイヤーにより
形成される。この第1の半導体層217a(217b)
は図15に示すようにn型のMOSトランジスタ250
c(250d)のn型不純物領域205と接続されるた
め、n型の不純物が導入されたドープト多結晶シリコン
よりなる。このため、第2の導電層303も、n型の不
純物が導入されたドープト多結晶シリコンより形成され
る。
【0054】これに対して、第2の半導体層221はp
型のTFTのソース/ドレイン領域を構成する層である
ため、p型の不純物が導入されたドープト多結晶シリコ
ンよりなる。このため、図27において、第1の半導体
層303と第2の半導体層221とが接続されるP2
において寄生p−n接合ができる。この寄生p−n接合
の発生は電源配線中に数百kΩから数MΩの高抵抗がで
きたと同様の結果をもたらす。それゆえ、.図26にお
いて、電源321の電位はこの寄生p−n接合により低
下してしまい、各メモリセルに達する電源電位は低いも
のとなる。
【0055】(ii) また負荷トランジスタとして使わ
れるpチャネルTFTを低消費型素子として作成する場
合には、このpチャネルTFTにはfA(10-15 A)
オーダのOFF電流が要求される。このOFF電流はシ
リコン基板に作成される通常のMOSトランジスタなみ
である。pチャネルTFTにおいてこのOFF電流値を
実現する方法として、TFTのチャネルおよびソース/
ドレイン領域を構成するドープト多結晶シリコン層(第
2の半導体層221)をたとえば10〜40nmの膜厚
に薄膜化する方法がある。ところが、ドープト多結晶シ
リコン層を薄膜化すると、このドープト多結晶シリコン
層よりなる第2の半導体層221が高抵抗となる。この
第2の半導体層は電源配線の役割をなすため、結果とし
て、電源配線が高抵抗となってしまう。それゆえ、電源
321の電位は、電源配線の配線抵抗により低下してし
まい、各メモリセルに達する電源電位は低いものとな
る。
【0056】以上の(i)、(ii)の寄生p−n接合お
よび配線抵抗により、電源電位が低下した場合、メモリ
セルの記憶ノードの“H”の電位が低くなる。このた
め、記憶ノードの“H”と“L”との電位の識別が困難
となり、データの読出が難しくなる。したがって、従来
のSRAMのメモリセルにおいては、動作の不安定性が
生じてしまう。
【0057】それゆえ、本発明の目的は、安定した動作
を実現できるSRAMのメモリセル構造を提供すること
である。
【0058】
【0059】
【課題を解決するための手段】本発明の一の局面に従う
半導体記憶装置は、1対の負荷トランジスタをメモリセ
ル領域内に有するスタティック型メモリセルを備えた半
導体記憶装置であって、半導体基板と、負荷トランジス
タとを備えている。半導体基板は、主表面を有してい
る。負荷トランジスタは、半導体基板の主表面上方に形
成されている。また負荷トランジスタは、互いに絶縁さ
れて積層された第1の半導体層と第2の半導体層とを有
する薄膜トランジスタからなっている。第2の半導体層
は第1の半導体層と対向する領域をチャネル領域として
規定するように互いに間隔を有して形成された1対のソ
ース/ドレイン領域を有している。また第2の半導体層
は、行列状に配置された複数のメモリセル領域内におい
て、行方向および列方向に延びて網目状に形成され、メ
モリセルの各々と接続されている。上記一の局面の好ま
しい半導体記憶装置は、ドライバトランジスタと、アク
セストランジスタと、絶縁層と、グランド配線層と、引
出し配線層とをさらに備えている。半導体基板は主表面
を有している。ドライバトランジスタは、半導体基板の
主表面に所定の距離を隔てて形成された1対のソース/
ドレイン領域を有している。アクセストランジスタは、
半導体基板の主表面に所定の距離を隔てて形成された1
対のソース/ドレイン領域を有している。絶縁層は、ド
ライバトランジスタとアクセストランジスタとを覆うよ
うに形成され、かつその上部表面に開口され、ドライバ
トランジスタのソース領域に達する第1の孔とアクセス
トランジスタのソース/ドレイン領域に達する第2の孔
とを有している。グランド配線層は第1の孔を通じてド
ライバトランジスタのソース領域と接続するように絶縁
層の上部表面に直接接して形成されている。引出し配線
層は、第2の孔を通じてアクセストランジスタのソース
/ドレイン領域と接続するように、かつ絶縁層の上部表
面に直接接するようにグランド配線層と所定の距離を隔
てて形成されている。またグランド配線層は、行列状に
配置された複数のメモリセル領域内において、引出し配
線層の四方を取囲むように行方向および列方向に延びて
網目状に形成され、かつメモリセルの各々に接続されて
いる。
【0060】本発明のさらに他の局面に従う半導体記憶
装置は、フリップフロップ回路を構成する1対の第1導
電型のドライバトランジスタおよび1対の第2導電型の
負荷トランジスタをメモリセル領域内に有するスタティ
ック型メモリセルを備えた半導体記憶装置であって、半
導体基板とドライバトランジスタと第1の絶縁層とグラ
ンド配線層と第2の絶縁層と負荷トランジスタとを備え
ている。半導体基板は主表面を有している。ドライバト
ランジスタは、半導体基板の主表面に所定の距離を隔て
て形成された1対のソース/ドレイン領域を有してい
る。第1の絶縁層は、ドライバトランジスタを覆うよう
に形成され、かつドライバトランジスタのソース領域に
達する第1の孔を有している。グランド配線層は、第1
の孔を通じてドライバトランジスタのソース領域と接続
するように絶縁層上に形成されている。第2の絶縁層
は、グランド配線層を覆うように形成されている。負荷
トランジスタは、第2の絶縁層上に形成されている。ま
た負荷トランジスタは互いに絶縁されて積層された第1
の半導体層と第2の半導体層を有する薄膜トランジスタ
からなっている。第2の半導体層は第1の半導体層と対
向する領域をチャネル領域として規定するように互いに
間隔を有して形成された1対のソース/ドレイン領域を
有している。グランド配線層と第2の半導体層とは、行
列状に配置された複数のメモリセル領域内において、互
いに行方向および列方向に延びて網目状に形成され、行
方向および列方向に配置された各メモリセルの第2の半
導体層と一体化されている。グランド配線層の行方向に
延びる部分と第2の半導体層の行方向に延びる部分とが
積層方向に対向している。グランド配線層の列方向に延
びる部分と第2の半導体層の列方向に延びる部分とが積
層方向に対向している。
【0061】
【0062】
【0063】
【作用】本発明の一の局面に従う半導体記憶装置では、
第2の半導体層は行列状に配置された複数のメモリセル
領域内において行方向および列方向に延びて網目状に形
成されている。このため、1つのメモリセルに電源から
電流を供給するに際して、その電流は、第2の半導体層
の各行に分流してそのメモリセルに達することが可能と
なる。よって、第2の半導体層の1行当りに供給される
電流量が少なくなり、寄生抵抗、配線抵抗による電位低
下が緩和される。したがって、そのメモリセルにおいて
電源電位の低下が緩和されるため、安定したデータの書
込が可能となる。上記一の局面の好ましい半導体記憶装
置では、グランド配線層が行方向および列方向に延びて
網目状に形成されている。このため、1つのワード線が
選択されて、そのワード線に接続された各メモリセルか
らカラム電流が生じても、このカラム電流は行方向のみ
ならず列方向へ分流してGNDに達する。カラム電流を
1行のみならず多数行に分流させることができるため、
1行に流れるカラム電流量は小さくすることができる。
このため、1つのメモリセル内におけるソース電位差
(ソース間の配線抵抗×電流)を小さくできる。したが
って、記憶データの反転を防止でき、安定した読出動作
を得ることができる。 また引出し配線層の四方をグラン
ド配線層が取囲むように形成されている。このため、た
とえばビット線が接続される引出し配線層は、安定な接
地レベルを有するグランド配線層との間で大きな容量を
持つことになり、ノイズによる影響を受けにくくなる。
したがって、ノイズによって記憶データの読出が困難に
なることも防止され、安定した動作を得ることができ
る。
【0064】本発明のさらに他の局面に従う半導体記憶
装置では、グランド配線層と第2の半導体層とは、行列
状に配置された複数のメモリセル領域内において、互い
に行方向および列方向に延びて網目状に形成されてい
る。またグランド配線層の行方向および列方向に延びる
部分と第2の半導体層の行方向および列方向に延びる部
分とが互いに積層方向に対向している。このように、グ
ランド配線層と第2の半導体層とは、行方向のみならず
列方向にも積層方向に対向している。このため、第2の
半導体層は、安定な接地レベルを有するグランド配線層
との間で大きな容量を有する。よって、ノイズによる影
響を受けにくくなる。したがって、ノイズによって記憶
データの読出が困難になることも防止され、安定した動
作を得ることができる。
【0065】
【実施例】以下、本発明の実施例について図を用いて説
明する。
【0066】図1は、本発明の実施例におけるSRAM
のメモリセル構造を示す概略断面図である。また図2〜
図6は、本発明のSRAMのメモリセル構造を下層から
順に5段階に分割して示した平面構造図である。
【0067】具体的には、図2が基板に形成されたドラ
イバトランジスタ50a、50bとアクセストランジス
タ50c、50dとの構成を示している。また図3は引
出し配線層13a、13bおよびグランド配線層13c
の構成を示している。また図4と図5とは、1対の負荷
トランジスタ50e、50fの構成および電源配線の構
成を示しており、図6はビット線の構成25a,25b
を示している。
【0068】なお、図1は図2〜図6のA−A線に沿う
断面に対応している。図1と図2とを参照して、ドライ
バトランジスタ50a、50bとアクセストランジスタ
50c、50dとは、従来のSRAMのメモリセル構造
におけるドライバトランジスタとアクセストランジスタ
との構成とほぼ同様であるためその説明は省略する。
【0069】次に図1と図3とを参照して、ドライバト
ランジスタ50a、50bとアクセストランジスタ50
c、50dとを覆うように第1の絶縁層11がシリコン
基板1の表面全面に形成されている。この第1の絶縁層
11には、アクセストランジスタ50c、50dのソー
ス/ドレイン領域5,5の一方に達するコンタクトホー
ル11a、11bが各々形成されてる。この各コンタク
トホール11a、11bを通じて、アクセストランジス
タ50d、50cの各ソース/ドレイン領域5、5に接
するように引出し配線層13a、13bが形成されてい
る。この引出し配線層13a、13bは第1の絶縁層1
1の上部表面に接して形成されている。
【0070】また第1の絶縁層11には、ドライバトラ
ンジスタ50a、50bの各ソース領域5に達するコン
タクトホール11cが形成されている。このコンタクト
ホール11cを通じてドライバトランジスタ50a、5
0bのソース領域に接するようにグランド配線層13c
が形成されている。このグランド配線層13cは、第1
の絶縁層11の上部表面に接して形成されている。
【0071】グランド配線層13cは、1つのメモリセ
ル領域M.C.(一点鎖線で囲む領域)内において、行
方向(矢印X方向)および列方向(矢印Y方向)に延び
る部分を有している。具体的には、グランド配線層13
cは1つのメモリセル領域内の中央を行方向に横断する
部分と、その部分の両端部から列方向へ延びる部分とを
有している。
【0072】このグランド配線層13cは、行列状に配
置された複数のメモリセル領域M.C.により構成され
るメモリセルアレイ内において、その行方向および列方
向に延びた部分が相互に一体化されることにより、網目
状に形成されている。さらにグランド配線層13cは、
引出し配線層13a、13bの四辺を取囲むように網目
状に形成されている。
【0073】またグランド配線層13cは、引出し配線
層13a、13bと同一のレイヤーにより形成される。
【0074】図1と図4とを参照して、引出し配線層1
3a、13bとグランド配線層13cとを覆うように第
2の絶縁層15が第1の絶縁層11の表面全面に形成さ
れている。第1および第2の絶縁層11、15には、ド
ライバトランジスタ50aのゲート電極層9cとアクセ
ストランジスタ50dのソース/ドレイン領域5の他方
とに達するコンタクトホール15aが形成されている。
このコンタクトホール15aを通じて、ドライバトラン
ジスタ50aのゲート電極層9cとアクセストランジス
タ50dのソース/ドレイン領域5の他方とに接するよ
うに、第1の半導体層17aが形成されている。
【0075】また第1および第2の絶縁層11、15に
は、ドライバトランジスタ50bのゲート電極層9dと
アクセストランジスタ50cのソース/ドレイン領域5
の他方とに達するコンタクトホール15bが形成されて
いる。このコンタクトホール15bを通じて、ドライバ
トランジスタ50bのゲート電極層9dとアクセストラ
ンジスタ50cのソース/ドレイン領域5の他方とに接
するように、第1の半導体層17bが形成されている。
【0076】この第1の半導体層17a、17bは、列
方向(矢印Y方向)に延びる部分を有し、かつn型の不
純物が導入されたドープト多結晶シリコン膜よりなって
いる。また第1の半導体層17a、17bは負荷トラン
ジスタのゲート電極層となる部分である。
【0077】図1と図5とを参照して、第1の半導体層
17a、17bとを覆うように、第3の絶縁層19が第
2の絶縁層15の表面全面に形成されている。この第3
の絶縁層19には、第1の半導体層17a、17bの各
々に達する孔19a、19bが形成されている。この孔
19a、19bの各々を通じて第1の半導体層17a、
17bに接するように第2の半導体層21が形成されて
いる。
【0078】第2の半導体層21は、負荷トランジスタ
のドレイン領域21aと、ソース領域21bと、チャネ
ル領域21cとを有している。第1の半導体層17a、
17bの列方向に延びる部分と対向する第2の半導体層
21の行方向に枝分かれして延びる部分がチャネル領域
21cとして規定されている。またチャネル領域21c
を挟むように所定の距離を隔てて第1の半導体層17a
と接続される側がドレイン領域21aとされ、それと逆
側がソース領域21bとされる。このソース領域21b
は、メモリセルアレイ内を行方向に横断する部分と一体
化されており、電源電位を供給する配線としての役割も
なす。この第2の半導体層21は、pチャネルTFTの
ソース/ドレイン領域21a、21bが形成されるた
め、p型の不純物が導入されたドープト多結晶シリコン
よりなっている。
【0079】第2の半導体層21は、1つのメモリセル
領域M.C.(一点鎖線で囲む領域)内の中央を行方向
(矢印X方向)に横断する部分と、その部分から列方向
(矢印Y方向)に枝分かれする部分と、その枝分かれし
た部分からさらに行方向に枝分かれして第1の半導体層
17a(17b)と接続される部分とを有する。この第
2の半導体層21は、行列状に配置された複数のメモリ
セル領域M.C.よりなるメモリセルアレイ内におい
て、その行方向および列方向に延びた部分が相互に一体
化されることにより、網目状に形成されている。
【0080】図1と図6とを参照して、第2の半導体層
21を覆うように第3の絶縁層19の表面全面に第4の
絶縁層23が形成されている。第2、第3および第4の
絶縁層15、19、23には、引出し配線層13a、1
3bに達するスルーホール23a、23bが各々形成さ
れている。この各スルーホール23a、23bを通じて
引出し配線層13a、13bの各々に接するように互い
に列方向(矢印Y方向)に延びるビット線25a、25
bが形成されている。このビット線25a、25bは、
引出し配線層13a、13bを介在して、アクセストラ
ンジスタ50c、50dのソース/ドレイン領域に接続
されている。このビット線25a、25はアルミニウム
合金により形成されている。
【0081】図7は、本発明の実施例におけるSRAM
のメモリセル構造のグランド配線層および引出し配線層
の構成を概略的に示す平面図である。
【0082】図7を参照して、本発明の実施例における
SRAMのメモリセル構造では、グランド配線層13c
が行方向および列方向に延びて網目状に形成されてい
る。このため、1つのワード線が選択されてそのワード
線に接続された各メモリセルからカラム電流が生じて
も、このカラム電流は行方向のみならず列方向へも分流
してGNDに達する。このようにカラム電流を矢印
A 、SB で示すように多数行に分流させることができ
るため、1行当りに流れるカラム電流量を小さくするこ
とができる。1行当りに流れるカラム電流量が小さくな
るため、この(カラム電流量)×(ソース間の配線抵
抗)で表わされるソース電位差も小さくすることができ
る。したがって、記憶データの反転を防止でき、安定し
た動作を得ることが可能となる。
【0083】また、本発明の実施例におけるSRAMの
メモリセル構造では、グランド配線層13cが、引出し
配線層13a、13bの四辺を取囲むように形成されて
いる。これに対して、従来例においては、図22に示す
ように引出し配線層13a、13bの2辺がグランド配
線層と対向しているだけである。それゆえ、本実施例で
は、ビット線25a、25bが接続される引出し配線層
13a、13bは、安定な接地レベルを有するグランド
配線層13cとの間で、従来例より大きな容量を持つこ
とになる。
【0084】このように、たとえばビット線電位を有す
る引出し配線層が、安定な接地レベルを有するグランド
配線層との間で容量を持つことによって、ビット線電位
がノイズによる影響を受けにくくなる。このことは、た
とえば特開平5−174578号公報に記載されてい
る。以上より、本発明の実施例においては、従来例と比
較して、引出し配線層13a、13bがグランド配線層
13cとの間で大きな容量を持つため、ノイズによって
ビット線電位が変動することは抑制される。このため、
記憶データの読出が困難になることは防止され、安定し
た動作を得ることができる。
【0085】図8は、本発明の実施例におけるSRAM
のメモリセル構造の第2の半導体層の構成を概略的に示
す平面図である。
【0086】図8を参照して、本発明の実施例における
SRAMのメモリセル構造では、第2の半導体層21
は、メモリセルアレイ内において、網目状に形成されて
いる。このため、メモリセルの動作を安定して行なうこ
とが可能となる。以下、そのことについて詳細に説明す
る。
【0087】図9は、第2の半導体層をメモリセルアレ
イ内において網目状に配置した場合の第2の半導体層の
抵抗を示す回路図である。上述したように、第2の半導
体層は、pチャネルTFTのチャネル領域、ソース/ド
レイン領域を構成するため、p型の不純物が導入された
ドープト多結晶シリコンよりなっている。ここでは、第
2の半導体層は、電源321から電源電位を伝えるアル
ミニウム配線層307aに図27で示したと同様の構成
により接続されている。このため、電源321から第2
の半導体層に電源電位を伝えるまでに寄生p−n接合部
を通過しなければならない。図中Rpnは寄生p−n接合
の抵抗、r1 、r2 はそれぞれ第2の半導体層の行方向
(矢印X方向)、列方向(矢印Y方向)の各抵抗を示し
ている。
【0088】ここで第2の半導体層21は、行方向に3
2セル分接続されており、その各々に同時にデータの書
込が行なわれると仮定する。この場合、書込時には各セ
ル当り最大1μAの電流が流れるとして、列方向に接続
される段数(行数)と、電源電位が一番低下すると思わ
れる最終行の電源線杭打ち部21pから最も離れたメモ
リセルの点Qの電位との関係をシミュレーションした。
その結果を図10に示す。
【0089】図10を参照して、メモリセルの段数が3
0段以下では、電位の低下は非常に大きく、データの書
込が難しいと予想される。ところが、段数が100段程
度接続されていれば、点Qにおける電位の低下は低く抑
えられる。これは、網目状配線の段数を増やすほど、電
源321から供給される32μAの電流が各段に分流
し、1段当りに供給される電流量が減るため、寄生抵
抗、配線抵抗による電位低下を免れるからである。接続
段数が10段以下になると点Qの電位は非常に下がり、
特に従来のような網目状配線を行なわない場合、すなわ
ち段数1の場合は書込ができないメモリセルが生じてし
まう。
【0090】なお、このシミュレーションでは、p−n
接合による寄生抵抗を1MΩ、第2の半導体層のシート
抵抗を500Ω/□と仮定した。
【0091】上記のシミュレーション結果より、第2の
半導体層を網目状に構成することにより、メモリセルに
供給される電源電位の低下は低く抑えられる。このた
め、電源電位の低下によるメモリセルの記憶ノードの
“H”の電位の低下が防止され、“H”と“L”との電
位の識別が容易となり、データの読出が容易となる。し
たがって、安定した動作を実現することが可能となる。
【0092】図11は、グランド配線層と第2の半導体
層との構成を概略的に示す平面図である。図11を参照
して、本発明の実施例におけるSRAMのメモリセル構
造では、グランド配線層13cと第2の半導体層21と
は、行方向(矢印X方向)に延びる部分のみならず列方
向(矢印Y方向)に延びる部分でも積層方向に対向して
いる。これに対して、従来例では、図12に示すよう
に、グランド配線層213cは、第2の半導体層221
と行方向に延びる部分でのみしか積層方向に対向してい
ない。
【0093】このため、本発明の実施例では、従来例に
比較して、第2の半導体層21は、安定な接地レベルを
有するグランド配線層13cとの間で大きな容量を有す
ることとなる。よって、第2の半導体層に与えられる電
源電位は、上述したようにノイズによる影響を受けにく
くなる。したがって、ノイズよって記憶データの読出が
困難になることも防止され、安定した動作を得ることが
できる。
【0094】また、本発明の実施例では、図5に示すよ
うに、負荷トランジスタ50e、50fのチャネル領域
21cは、第1の半導体層17a、17bの列方向(矢
印Y方向)に延びる部分と第2の半導体層21の行方向
(矢印X方向)に延びる部分とが交差する領域により規
定されている。このため、負荷トランジスタのドレイン
−ソース間でリーク電流が生じ難いという利点を有す
る。以下、そのことについて詳細に説明する。
【0095】図18と図19とを参照して、従来例にお
いては、負荷トランジスタ250e、250fのチャネ
ル領域221cは、第2の半導体層221の列方向(矢
印Y方向)に延びる部分に構成されている。つまり、列
方向に延びるチャネル領域221cと、第1の半導体層
217a、217bの列方向に延びる部分とが互いに対
向している。
【0096】このような構成の場合、第2の半導体層2
21のパターニングにおいて、図13に示すように第2
の半導体層221がレイアウトどおりの寸法、形状に形
成できないと、負荷トランジスタのチャネル領域221
cにゲート電極層217と対向しない領域が生じてしま
う。また、この対向しない領域221dによりドレイン
領域221とソース領域221bとが接続された構成と
なってしまう。
【0097】このようにゲート電極層217と対向しな
い領域は、ゲート電極によって制御し難い領域である。
このため、TFTの動作時において、ドレイン領域22
1とソース領域221bとの間で矢印T方向に沿ってリ
ーク電流が生じてしまう。リーク電流が生じた場合に
は、素子全体での消費電流が増大してしまう。
【0098】これに対して、本発明の実施例においては
上述したように、負荷トランジスタ50e、50fのチ
ャネル領域21cは、第1の半導体層17a、17bの
列方向に延びる部分と第2の半導体層21の行方向に延
びる部分とにより規定される。このため、第2の半導体
層21の寸法、形状が設計どおりに形成されなくても、
ゲート電極部17a、17bと対向しないチャネル領域
部によってソース領域21bとドレイン領域21aとが
連結されることはない。つまりソース領域21bとドレ
イン領域21aとの間には、必ずゲート電極により制御
可能なチャネル領域が存在する。よって、ドレイン領域
21aとソース領域21bとの間でリーク電流が生じる
ことはない。したがって、素子全体での消費電流の増大
を抑制することができる。
【0099】
【0100】
【0101】
【発明の効果】本発明の一の局面に従う半導体記憶装置
では、第2の半導体層は行方向および列方向に延びて網
目状に形成されている。このため、メモリセルにおける
寄生抵抗、配線抵抗による電位低下が緩和される。した
がって、そのメモリセルにおいて電源電位の低下が緩和
されるため安定したデータの書込が可能となる。上記一
の局面の好ましい半導体記憶装置では、グランド配線層
が行方向および列方向に延びて網目状に形成されてい
る。このため、1つのメモリセル内におけるソース電位
差を小さくでき、記憶データの反転を防止でき、安定し
た動作を得ることができる。 また、引出し配線層の四方
をグランド配線層が取囲むように形成されている。この
ため、ノイズによって記憶データの読出が困難になるこ
とは防止され、安定した動作を得ることができる。
【0102】本発明のさらに他の局面に従う半導体記憶
装置では、グランド配線層と第2の半導体層が互いに行
方向および列方向に延びて網目状に形成されており、グ
ランド配線層の行方向および列方向に延びる部分と第2
の半導体層の行方向および列方向に延びる部分とが積層
方向に互いに対向している。このように、グランド配線
層と第2の半導体層とは、行方向のみならず列方向にも
積層方向に対向している。このため、ノイズによって記
憶データの読出が困難になることは防止され、安定した
動作を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例におけるSRAMのメモリセ
ル構造を概略的に示す断面図である。
【図2】 本発明の実施例におけるSRAMのメモリセ
ル構造の1対のドライバトランジスタと1対のアクセス
トランジスタとの構成を概略的に示す平面図である。
【図3】 本発明の実施例におけるSRAMのメモリセ
ル構造の引出し配線層とグランド配線層との構成を概略
的に示す平面図である。
【図4】 本発明の実施例におけるSRAMのメモリセ
ル構造のTFTのゲート部の構成を概略的に示す平面図
である。
【図5】 本発明の実施例におけるSRAMのメモリセ
ル構造の1対の負荷トランジスタのソース/ドレイン領
域、チャネル領域との構成を示す概略平面図である。
【図6】 本発明の実施例におけるSRAMのメモリセ
ル構造のビット線の構成を概略的に示す平面図である。
【図7】 本発明の実施例におけるSRAMのメモリセ
ル構造の引出し配線層とグランド配線層との構成を概略
的に示す平面図である。
【図8】 本発明の実施例におけるSRAMのメモリセ
ル構造の第2の半導体層の構成を概略的に示す平面図で
ある。
【図9】 本発明の実施例におけるSRAMのメモリセ
ル構造の第2の半導体層の抵抗を示す回路図である。
【図10】 図9に示す回路図において行数と点Qにお
ける電位との関係を示すシミュレーション結果である。
【図11】 本発明の実施例におけるSRAMのメモリ
セル構造のグランド配線層と第2の半導体層との関係を
示す概略平面図である。
【図12】 従来のSRAMのメモリセル構造のグラン
ド配線層と第2の半導体層との関係を示す概略平面図で
ある。
【図13】 従来のSRAMのメモリセル構造におい
て、第2の半導体層が所定の寸法、所定の形状に形成さ
れない場合の弊害を説明するための概略平面図である。
【図14】 一般的なSRAMのメモリセルの回路図で
ある。
【図15】 従来のSRAMのメモリセル構造を概略的
に示す断面図である。
【図16】 従来のSRAMのメモリセル構造の1対の
ドライバトランジスタと1対のアクセストランジスタと
の構成を概略的に示す平面図である。
【図17】 従来のSRAMのメモリセル構造の引出し
配線層とグランド配線層との構成を概略的に示す平面図
である。
【図18】 従来のSRAMのメモリセル構造の1対の
負荷トランジスタのゲート電極部の構成を概略的に示す
平面図である。
【図19】 従来のSRAMのメモリセル構造の1対の
負荷トランジスタのソース/ドレイン領域とチャネル領
域との構成を概略的に示す平面図である。
【図20】 従来のSRAMのメモリセル構造のビット
線の構成を概略的に示す平面図である。
【図21】 SRAMのメモリセル内をカラム電流が流
れることを説明するためのメモリセルの回路図である。
【図22】 従来のSRAMのメモリセル構造の引出し
配線層とグランド配線層との構成を概略的に示す平面図
である。
【図23】 選択されたワード線方向に接続される各メ
モリセルにおいて生じたカラム電流がグランド配線層を
伝ってGNDに達する様子を説明するための概略回路図
である。
【図24】 図23に示すグランド配線層の各メモリセ
ルの位置における電位を示すグラフである。
【図25】 従来のSRAMのメモリセル構造の第2の
半導体層の構成を概略的に示す平面図である。
【図26】 従来のSRAMのメモリセル構造の第2の
半導体層の抵抗を示す概略回路図である。
【図27】 図26のP1 点におけるアルミニウム配線
層と第2の半導体層との接続構造を説明するための概略
断面図である。
【符号の説明】
1 シリコン基板、50a、50b ドライバトランジ
スタ、50c、50dアクセストランジスタ、11 第
1の絶縁層、13a、13b 引出し配線層、13c
グランド配線層、15 第2の絶縁層、17a、17b
第1の半導体層、19 第3の絶縁層、21 第2の
半導体層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山形 整人 兵庫県伊丹市瑞原4丁目1番地 三菱電 機株式会社 ユー・エル・エス・アイ開 発研究所内 (72)発明者 小猿 邦彦 兵庫県伊丹市瑞原4丁目1番地 三菱電 機株式会社 ユー・エル・エス・アイ開 発研究所内 (56)参考文献 特開 平6−216345(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/8244 H01L 21/8238 H01L 27/092 H01L 27/10 H01L 27/11

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1対の負荷トランジスタをメモリセル領
    域内に有するスタティック型メモリセルを備えた半導体
    記憶装置であって、 主表面を有する半導体基板と、 前記半導体基板の主表面上方に形成された負荷トランジ
    スタとを備え、 前記負荷トランジスタは互いに絶縁されて積層された第
    1の半導体層と第2の半導体層とを有する薄膜トランジ
    スタからなり、 前記第2の半導体層は、前記第1の半導体層と対向する
    領域をチャネル領域として規定するように互いに間隔を
    有して形成された1対のソース/ドレイン領域を有して
    おり、 かつ行列状に配置された複数のメモリセル領域内におい
    て行方向および列方向に延びて網目状に形成され、前記
    メモリセルの各々に接続されている、半導体記憶装置。
  2. 【請求項2】 前記半導体基板の主表面に所定の距離を
    隔てて形成された1対のソース/ドレイン領域を有する
    ドライバトランジスタと、 前記半導体基板の主表面に所定の距離を隔てて形成され
    た1対のソース/ドレイン領域を有するアクセストラン
    ジスタと、 前記ドライバトランジスタと前記アクセストランジスタ
    とを覆うように形成され、かつその上部表面に開口され
    て前記ドライバトランジスタのソース領域に達する第1
    の孔と前記アクセストランジスタのソース/ドレイン領
    域に達する第2の孔とを有する絶縁層と、 前記第1の孔を通じて前記ドライバトランジスタのソー
    ス領域と接続するように前記絶縁層の上部表面に直接接
    して形成されるグランド配線層と、 前記第2の孔を通じて前記アクセストランジスタのソー
    ス/ドレイン領域と接続するように、かつ前記絶縁層の
    上部表面に直接接するように前記グランド配線層と所定
    の距離を隔てて形成された引出し配線層とをさらに備
    え、 前記グランド配線層は、行列状に配置された複数のメモ
    リセル領域内において、前記引出し配線層の四方を取囲
    むように行方向および列方向に延びて網目状に形成さ
    れ、かつ前記メモリセルの各々に接続されている、請求
    項1に記載の半導 体記憶装置。
  3. 【請求項3】 フリップフロップ回路を構成する1対の
    第1導電型のドライバトランジスタおよび1対の第2導
    電型の負荷トランジスタをメモリセル領域内に有するス
    タティック型メモリセルを備えた半導体記憶装置であっ
    て、 主表面を有する半導体基板と、 前記半導体基板の主表面に所定の距離を隔てて形成され
    た1対のソース/ドレイン領域を有するドライバトラン
    ジスタと、 前記ドライバトランジスタを覆うように形成され、かつ
    前記ドライバトランジスタのソース領域に達する第1の
    孔を有する第1の絶縁層と、 前記第1の孔を通じて前記ドライバトランジスタのソー
    ス領域と接続するように前記絶縁層上に形成されるグラ
    ンド配線層と、前記グランド配線層を覆うように形成さ
    れた第2の絶縁層と、 前記第2の絶縁層上に形成された負荷トランジスタとを
    備え、 前記負荷トランジスタは互いに絶縁されて積層された第
    1の半導体層と第2の半導体層とを有する薄膜トランジ
    スタからなり、 前記第2の半導体層は、前記第1の半導体層と対向する
    領域をチャネル領域として規定するように互いに間隔を
    有して形成された1対のソース/ドレイン領域を有して
    おり、 前記グランド配線層と前記第2の半導体層とは、行列状
    に配置された複数のメモリセル領域内において、互いに
    行方向および列方向に延びて網目状に形成されており、 前記グランド配線層の行方向に延びる部分と前記第2の
    半導体層の行方向に延びる部分とが積層方向に対向して
    おり、 前記グランド配線層の列方向に延びる部分と前記第2の
    半導体層の列方向に延びる部分とが積層方向に対向して
    いる、半導体記憶装置。
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