JP3319482B2 - 耐蝕性銅基合金材 - Google Patents
耐蝕性銅基合金材Info
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Description
延され又はその後に冷間で抽伸若しくは圧延された管
状,板状,棒状の耐蝕性銅基合金材に関するものであ
る。
0〜40重量%含有する一般的な黄銅(JIS C26
00,JIS C2680,JIS C2700,JI
S C2720,JIS C2801が該当し、以下
「一般黄銅」という)からなるものや耐蝕性黄銅である
アドミラルティ黄銅(JIS C4430,CDA C
44300,CDA C44400,CDA C445
00等が該当する),ネーバル黄銅(JIS C462
1,JIS C4640,CDA C46500,CD
A C46600,CDA C46700等が該当す
る)からなるものがよく知られている。なお、アドミラ
ルティ黄銅やネーバル黄銅は、基本的に、錫を多量に添
加させることによって、或いは砒素,燐,アンチモンの
何れかを更に添加して、これと錫との相乗効果によっ
て、脱亜鉛腐食を防止せんとするものである。
は、何れも、熱間及び冷間での加工性と耐蝕性とを共に
満足させるものではなく、充分な耐蝕性を有する薄肉管
状の抽伸材等を得ることが極めて困難であった。
680,JIS C2700,JIS C2720)
は、熱間・冷間での加工性に優れるものの、耐蝕性に問
題があり、例えば温水,汚染水,海水中で著しい脱亜鉛
腐食を生じるため、これを原材料とする押出材,抽伸材
等は、かかる液体を扱う機器(弁等)の構成素材として
使用できない。
量%以上)の錫が添加されており、砒素,アンチモン,
燐との相乗効果とも相俟って、或る程度の耐蝕性を有す
るが、一般黄銅と同様に、温水,汚染水,海水中では脱
亜鉛腐食を生じ易く、これを原材料とする押出材,抽伸
材等は、かかる液体を扱う機器の構成素材として使用で
きない。また、熱間での加工性は比較的良好であるが、
錫が多量に含有されているため、冷間での加工性が悪
く、例えば薄肉管状の抽伸材を製造する場合等にあって
は、極めて不経済である。すなわち、銅濃度が低い場
合、錫を0.5重量%以上添加すると、錫の固溶硬化及
び錫濃度の高いβ相の存在によって、冷間加工性が低下
し、硬く且つ脆い錫リッチなγ相(Cu−Zn−Sn系
の金属間化合物)が存在して、その濃度が増すに従っ
て、γ相も増加するため、冷間での加工性も急速に悪く
なり、薄肉管の冷間抽伸性等に重大な悪影響を及ぼし、
歩留りの悪化及び製造工程数の増加による大幅なコスト
アップにつながる。
特に砒素,燐,アンチモンの何れかを添加したもので
は、上記した液体に対しても良好な耐脱亜鉛腐食性を示
す。しかし、錫を極めて多量(0.8重量%以上)に含
有し且つ銅含有量が多いため、熱間での加工性に劣り、
つまり熱間変形能に乏しいため、所定の材形状に熱間加
工する際にクラックを生じ易く、熱間での変形抵抗も高
い。すなわち、錫を多量に添加すると、α単相組織をな
すアドミラルティ黄銅では、熱間変形能を著しく阻害す
ることになり、且つ熱間変形抵抗を高める。したがっ
て、例えば薄肉管状の押出材を製造する場合に、所定の
薄肉寸法にまで押出成形することができず、極めて歩留
りが悪く、製造工程も増加して、コストアップにつなが
る。しかも、高価な錫を多量に含有することから材料コ
ストが高く、また多量の錫含有による固溶硬化に起因し
て冷間加工性も悪い。
もので、熱間及び冷間での加工性を高めて、薄肉管状等
の所定の材形状に安価に製造でき、耐蝕性を要求される
機器の構成材としても好適に使用することができる耐蝕
性銅基合金材を提供することを目的とするものである。
明の耐蝕性銅基合金材は、銅62.0〜69.0重量
%及びアンチモン0.02〜0.15重量%を含有し且
つ残部が亜鉛及び不可避不純物からなる金属組成をなす
銅基合金、銅62.0〜69.0重量%、アンチモン
0.02〜0.15重量%及び錫0.1〜0.5重量%
未満を含有し且つ残部が亜鉛及び不可避不純物からなる
金属組成をなす銅基合金、銅61.0〜69.0重量
%、アンチモン0.02〜0.15重量%、錫0.1〜
0.5重量%及びニッケル0.1〜0.8重量%を含有
し且つ残部が亜鉛及び不可避不純物からなる金属組成を
なす銅基合金、又は銅62.0〜69.0重量%、ア
ンチモン0.02〜0.15重量%、錫0.1〜0.5
重量%及び燐0.02〜0.1重量%を含有し且つ残部
が亜鉛及び不可避不純物からなる金属組成をなす銅基合
金を熱間で押出若しくは圧延され又はその後に冷間で抽
伸若しくは圧延された管状,板状,棒状のものであっ
て、かかる管状,板状,棒状材を、470〜600℃で
30分〜2時間加熱した後、その加熱温度より50℃以
上降温されるまで又は450℃となるまで、3℃/分以
下の冷却速度で冷却させることを条件として熱処理する
ことによって、残留するβ相を消滅させると共に粒界で
の元素の局部的な偏在を解消し且つ粒内及び粒界での各
元素の濃度分布を均一化させた金属組織となした耐蝕性
銅基合金材を提案するものである。
62.0〜69.0重量%とし、原材料合金において
61.0〜69.0重量%とした理由は次の通りであ
る。すなわち、黄銅の熱間押出材又は熱間圧延材におい
てα相が多くなるのは、一般に、銅含有量が62重量%
以上の場合である。但し、後述する如く、ニッケルを含
有する場合は、これとの相乗効果により、銅含有量が6
2.0重量%未満であっても、61.0重量%以上であ
れば、安定したα単相組織を得ることが可能である。一
方、銅含有量を必要以上に多くすると、α相を容易に得
ることができるため、耐蝕性及び冷間加工性を向上させ
ることができる反面、熱間変形能が低下する。この熱間
変形能の低下は、特に、錫,アンチモンの含有量が増す
に従って顕著となる。また、熱間での変形抵抗は、銅含
有量が増大するに従って高くなり、熱間での加工に大き
な制約を受けることになる。これらの点から、銅の含有
量は62.0〜69.0重量%とし、ニッケルを含有す
る場合には61.0〜69.0重量%とした。特に、安
定した且つ優れた耐蝕性が得られ、熱間加工性,冷間加
工性,経済性を更に向上させるためには、銅含有量を6
2.5〜65.5重量%としておくことが好ましい。
性を向上させるために添加される。本発明者が実験,研
究したところによれば、熱処理により安定したα相組織
が得られ且つアンチモンの偏析(アンチモンの局部的な
偏在)が解消される場合、アンチモンによって、充分良
好な(耐粒界腐食性も含めた)耐蝕性が得られることが
判明した。しかし、アンチモンの含有量が0.02重量
%未満では顕著な耐蝕性向上が認められず、逆に、含有
量が0.15重量%を超えると、熱間での変形能が著し
く低下する。このような点から、アンチモンの含有量は
0.02〜0.15重量%とした。
蝕性銅基合金材とするために添加される。冒頭で述べた
アドミラルティ黄銅では錫を0.8重量%以上であり、
ネーバル黄銅では0.5重量%以上添加しているが、本
発明者が実験,研究したところによれば、錫の含有量が
0.5重量%未満であっても、0.1重量%以上添加す
ると、アンチモン或いはニッケル,燐の添加との相乗作
用と熱処理によって低融点金属である錫,アンチモンの
偏在(偏析)を解消すれば、耐蝕性に充分効果があり、
安定且つ優れた耐蝕性材料となり得ることが判明した。
逆に、錫を0.5重量%以上添加すると、錫による固溶
硬化と同時に非平衡であるが、実際の熱間押出材等に非
常に脆く硬い錫濃度の高いCu−Zn−Sn系の金属間
化合物であるγ相がマトリックスに析出し、冷間加工性
を阻害する。かかる冷間加工性の悪化は、錫濃度が高く
なればなる程、顕著となる。また、γ相の析出、特にそ
の析出形態(例えば、押出方向に長く連続して析出した
場合等)によっては、耐蝕性を大きく低下させる。さら
に、低融点金属である錫,アンチモンを含有する合金に
ついては、鋳造段階で錫,アンチモンの偏析或いは局部
的な偏在が生じ易いため、銅濃度との兼ね合いもある
が、錫を0.5重量%以上添加させると、熱間での変形
能が低下し(特に銅濃度が64重量%以上となると著し
く低下する)、熱間加工での歩留りが悪化する。また、
熱間での変形抵抗も高める。また、錫は非常に高価であ
るので、その経済的効果も含めて、錫の含有量は0.1
〜0.5重量%未満とした。
効果によって、耐蝕性を向上させ、より安定した耐蝕性
材とすることができ、且つ機械的性質を改善するために
添加される。ニッケルの作用は、亜鉛当量が負であるた
め、その添加量を増すに従ってα相組織が多くなる。し
たがって、ニッケルを添加することによって、銅含有量
を61.0重量%程度にまで少なくしても、β相の増加
を阻止しうると共に、低融点金属であるアンチモン,錫
の偏析を緩和し、アンチモン,錫をより有効に耐蝕性に
活用させる役目をする。さらに、安定したα単相組織で
あるにも拘わらず、機械的強度の高い合金材が得られ
る。このような効果は、ニッケルの添加量が0.1重量
%未満ではさほど期待できないし、かといって、0.8
重量%を超えて添加しても、耐蝕性,機械的強度の面で
さほど向上する訳でもなく、寧ろ、経済性からすれば問
題がある。このような理由から、ニッケルの含有量は
0.1〜0.8重量%とした。
耐脱亜鉛腐食性の更なる向上を図るために添加する。か
かる耐蝕性の向上は、燐の添加量が0.02重量%未満
ではさほど期待できない。逆に、燐を0.1重量%を超
えて添加すると、燐が粒界へ偏析し易くなり、粒界腐
食,応力腐食,クラックを生じる虞れがあり、感受性が
高くなる。ところで、燐をニッケルと共に添加すると、
燐とニッケルとの金属間化合物を形成する。このため、
燐又はニッケルの一方を添加した場合に比して、耐蝕性
向上への寄与率が極めて低くなる。しかも、上記金属間
化合物の形成によって、冷間加工性が阻害される。この
ような点から、燐の含有量を0.02〜0.1重量%と
し、燐とニッケルとを共添させないようにした。
常、700〜800℃の高温条件下で行われるため、そ
の押出材,圧延材(又は、熱間押出,圧延後に、更に、
冷間抽伸若しくは冷間圧延した抽伸材,圧延材)は、非
平衡状の組織となり、耐蝕性に悪影響を与えるβ相が残
留する虞れがある。同時に、低融点金属であるアンチモ
ン,錫,燐は、結晶粒界で偏析し易く、局部的な偏在を
生じる。その結果、耐蝕性が低下することになる。
記銅基合金〜を原材料とする熱間押出材,熱間圧延
材,冷間抽伸材,冷間圧延材に、更に適当な熱処理を施
しておくことによって、銅基合金材の耐蝕性を向上させ
ることを提案する。
って、残留するβ相を消滅させ、粒界での元素の局部的
な偏在を解消し、粒内及び粒界での各元素の濃度分布を
均一化させることにより、飛躍的に耐粒界腐蝕性を含め
た耐蝕性を高めることができ、同時に、粒界でアンチモ
ン,錫,燐の濃度が高くなることによる延性の低下を防
止することができるようにしたのである。
熱間,冷間加工後に、470〜600℃で30分〜2時
間加熱した後、その加熱温度より50℃以上降温される
まで又は450℃となるまで、3℃/分以下の冷却速度
で冷却させる条件で行うことが好ましく、かかる条件で
熱処理することによって、銅基合金材の耐蝕性を飛躍的
に向上させ得る。
ろによると、加熱温度が600℃を超えるとβ相の消滅
は却って困難となり、且つエネルギ的にも無駄であり、
逆に、470℃未満であると、粒界での元素の局部的な
偏在の解消及びβ相消滅に多くの時間を要することが判
明した。さらに、加熱時間が30分未満では上記した熱
処理効果が然程発揮されない。逆に、加熱時間が2時間
を超えても上記した熱処理効果は殆ど変わらず、経済的
に無駄である。また、加熱後の冷却条件次第では、より
安定したα単相材を得ることができること、及びアンチ
モン,錫,燐の各元素をより安定した結晶粒界,粒内に
均一に分布させ得ることも判明し、種々の実験データ等
から、加熱後、材料温度が加熱温度より50℃以上降温
されるまで又は450℃となるまでは、その冷却速度を
3℃/分以下としておくことが最適であると結論した。
(外径220mm,長さ420mmの円柱形状のもの)
を熱間(750℃)で押出加工して、外径60mm,肉
厚3mmの管状押出材A〜H(各2本)を得た。また、
A〜H(各2本のうちの1本)を更に得て冷間抽伸し
て、外径50mm,肉厚2mmの管状抽伸材a〜hを得
た。そして、A〜Gについては押出後、又a〜gについ
ては抽伸後、30分間550℃に保持し、その後、2℃
/分の冷却速度で450℃まで徐冷した上、空冷した。
H,hはE,eと同一の合金組成をなすものであるが、
これらについては上記と異なる条件で熱処理した。すな
わち、Hについては押出後、hについては抽伸後、30
分間550℃に保持し、その後、4℃/分の冷却速度で
450℃まで徐冷した上、空冷した。なお、鋳塊つまり
原材料合金の組成上、A,B,a,bは前記に該当
し、C,D,c,dは前記に該当し、E,F,H,
e,f,hは前記に該当し、G,gは前記に該当す
る。
塊(外径220mm,長さ420mmの円柱形状のも
の)を熱間(750℃)で押出加工して、管状押出材I
〜O(各2本)を得た。この押出形状は上記実施例と同
一(外径60mm,肉厚3mm)であるが、I,Jにつ
いては、上記寸法に熱間で押し出したところ、その途中
で押出不能となり且つクラックが生じたので、押出条件
を緩和した(外径75mm,肉厚5mm)。しかし、こ
の場合にも一部にクラックを生じた。また、K〜O(各
2本のうちの1本)を更に冷間抽伸して、上記実施例と
同一(外径50mm,肉厚2mm)の管状抽伸材k〜o
を得た。l〜nについては、抽伸時にクラックを生じ
た。さらに、I,J(各2本のうちの1本)を、これら
については上記した如くクラックが生じていたが、その
まま冷間抽伸して、外径60mm,肉圧3.5mmの管
状抽伸材i,jを得た。そして、O,oについては、上
記実施例と同一条件で熱処理した。すなわち、Oについ
ては押出後、oについては抽伸後、30分間550℃に
保持し、その後、2℃/分の冷却速度で450℃まで徐
冷した上、空冷した。また、i〜nについては、抽伸
後、470℃,2時間の条件で一般的な焼鈍を行い、空
冷した。なお、原材料合金の組成上、I,iは「CDA
C44400」にいうアンチモン含有のアドミラルテ
ィ黄銅に相当し、J,jは「CDA C44500」に
いう燐含有のアドミラルティ黄銅に相当し、K,kは
「JIS C2700」又は「JIS C2680」に
いう一般黄銅に相当し、L,lは「JIS C462
1」にいうネーバル黄銅に相当し、M,mは「CDA
C46500」にいう砒素含有のネーバル黄銅に相当
し、N,nは「CDA C46600」にいうアンチモ
ン含有のネーバル黄銅に相当する。
「ISO 6509」に定める方法により脱亜鉛腐蝕試
験を行ったところ、表3及び表4に示す如き結果(最大
脱亜鉛腐蝕深さ)が得られた。なお、この脱亜鉛腐蝕試
験にあっては、A〜O,a〜oから採取した各試料を、
暴露試料表面が押出材,抽伸材の押出し方向に対して直
角となるようにしてフェノール樹脂材に埋込み、試料表
面をエメリー紙により1200番まで研磨した後、これ
を純水中で超音波洗浄して乾燥した。かくして得られた
被腐蝕試験試料を、1.0%の塩化第2銅2水和塩(C
uCl2 ・2H2O)の水溶液(12.7g/l)中に
浸漬し、75℃の温度条件下で24時間保持した後、水
溶液中から取出して、その脱亜鉛腐蝕深さの最大値を測
定した。
の正方形柱状(20mm×20mm)の試験片を切出し
て、各試験片について750℃で熱間圧縮試験(圧縮率
60%)を行い、その変形能を目視判断すると共に、圧
縮率20%での変形抵抗を測定した。その結果は、表3
及び表4に示す通りである。なお、変形能は、試験片の
側面におけるクラックの状態から目視により判断したも
ので、クラックが全く生じなかったものを○、小さなク
ラックが生じたものを△、大きなクラックが生じたもの
を×とした。
るように、本発明に係るA〜H,a〜hは、熱間加工性
についてはアドミラルティ黄銅I,Jより優れ、一般黄
銅Kと同等の加工性を有するものであり、冷間加工性に
ついても、ネーバル黄銅l〜nよりも優れたものであ
る。しかも、適当な熱処理を施しておくことにより、比
較例において最も耐蝕性に優れるアドミラルティ黄銅
I,J,i,jと同等若しくはそれ以上の耐脱亜鉛腐食
性を有するものである。特に、組成が同一であるE,e
とH,hとを比較してみれば分かるように、冒頭で述べ
た条件で熱処理することによって、耐蝕性を飛躍的に向
上させ得ることが理解される。また、表3からも理解さ
れるように、熱間での変形能,変形抵抗についての良好
性も担保されている。
に、本発明によれば、薄肉管等の所望形状の熱間押出
材,熱間圧延材,冷間抽伸材,冷間圧延材を、歩留りが
悪くならず且つ製造工程が徒に増加することなく、容易
に且つ安価に提供することができる。しかも、適当な熱
処理を施しておくことによって、耐蝕性を飛躍的に向上
させることができる。したがって、本発明の耐蝕性銅基
合金材によれば、従来の黄銅系合金材では使用できなか
った(或いは、使用させた場合に、耐蝕性の点で大きな
問題を生じていた)温水,汚染水,海水等を扱う分野に
まで、その用途を拡大することができる。
Claims (4)
- 【請求項1】銅62.0〜69.0重量%及びアンチモ
ン0.02〜0.15重量%を含有し且つ残部が亜鉛及
び不可避不純物からなる金属組成をなし、熱間で押出若
しくは圧延され又はその後に冷間で抽伸若しくは圧延さ
れたものを、470〜600℃で30分〜2時間加熱し
た後、その加熱温度より50℃以上降温されるまで又は
450℃となるまで、3℃/分以下の冷却速度で冷却さ
せることを条件として熱処理して、残留するβ相を消滅
させると共に粒界での元素の局部的な偏在を解消し且つ
粒内及び粒界での各元素の濃度分布を均一化させた金属
組織となしたことを特徴とする耐蝕性銅基合金材。 - 【請求項2】銅62.0〜69.0重量%、アンチモン
0.02〜0.15重量%及び錫0.1〜0.5重量%
未満を含有し且つ残部が亜鉛及び不可避不純物からなる
金属組成をなし、熱間で押出若しくは圧延され又はその
後に冷間で抽伸若しくは圧延されたものを、470〜6
00℃で30分〜2時間加熱した後、その加熱温度より
50℃以上降温されるまで又は450℃となるまで、3
℃/分以下の冷却速度で冷却させることを条件として熱
処理して、残留するβ相を消滅させると共に粒界での元
素の局部的な偏在を解消し且つ粒内及び粒界での各元素
の濃度分布を均一化させた金属組織となしたことを特徴
とする耐蝕性銅基合金材。 - 【請求項3】銅61.0〜69.0重量%、アンチモン
0.02〜0.15重量%、錫0.1〜0.5重量%及
びニッケル0.1〜0.8重量%を含有し且つ残部が亜
鉛及び不可避不純物からなる金属組成をなし、熱間で押
出若しくは圧延され又はその後に冷間で抽伸若しくは圧
延されたものを、470〜600℃で30分〜2時間加
熱した後、その加熱温度より50℃以上降温されるまで
又は450℃となるまで、3℃/分以下の冷却速度で冷
却させることを条件として熱処理して、残留するβ相を
消滅させると共に粒界での元素の局部的な偏在を解消し
且つ粒内及び粒界での各元素の濃度分布を均一化させた
金属組織となしたことを特徴とする耐蝕性銅基合金材。 - 【請求項4】銅62.0〜69.0重量%、アンチモン
0.02〜0.15重量%、錫0.1〜0.5重量%及
び燐0.02〜0.1重量%を含有し且つ残部が亜鉛及
び不可避不純物からなる金属組成をなし、熱間で押出若
しくは圧延され又はその後に冷間で抽伸若しくは圧延さ
れたものを、470〜600℃で30分〜2時間加熱し
た後、その加熱温度より50℃以上降温されるまで又は
450℃となるまで、3℃/分以下の冷却速度で冷却さ
せることを条件として熱処理して、残留するβ相を消滅
させると共に粒界での元素の局部的な偏在を解消し且つ
粒内及び粒界での各元素の濃度分布を均一化させた金属
組織となしたことを特徴とする耐蝕性銅基合金材。
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- 1993-12-30 JP JP35255693A patent/JP3319482B2/ja not_active Expired - Lifetime
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