JP3318746B2 - アルミニウム合金の結晶粒度を推定する方法 - Google Patents
アルミニウム合金の結晶粒度を推定する方法Info
- Publication number
- JP3318746B2 JP3318746B2 JP25927399A JP25927399A JP3318746B2 JP 3318746 B2 JP3318746 B2 JP 3318746B2 JP 25927399 A JP25927399 A JP 25927399A JP 25927399 A JP25927399 A JP 25927399A JP 3318746 B2 JP3318746 B2 JP 3318746B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- crystal
- aluminum alloy
- grain size
- alloy
- molten
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Investigating Or Analyzing Materials Using Thermal Means (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はアルミニウム合金
の結晶粒度を推定する方法、より詳細にはアルミニウム
合金の結晶粒度を炉前で推定する方法に関する。
の結晶粒度を推定する方法、より詳細にはアルミニウム
合金の結晶粒度を炉前で推定する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム合金の鋳造に当たって、鋳
造されたアルミニウム合金の結晶粒の大きさ、組合わさ
り方等は、その材質の特性に密接な関係があるため、と
くにその結晶粒度を知ることが重要である。
造されたアルミニウム合金の結晶粒の大きさ、組合わさ
り方等は、その材質の特性に密接な関係があるため、と
くにその結晶粒度を知ることが重要である。
【0003】従来、アルミ合金鋳物の結晶粒度を測定す
るには、このアルミニウム合金鋳物の凝固後に、その一
部を試料として切断し、この切断面を研磨し、薬剤を塗
布して腐食させ、さらにこれを顕微鏡を用いて観察する
ことによっていた。
るには、このアルミニウム合金鋳物の凝固後に、その一
部を試料として切断し、この切断面を研磨し、薬剤を塗
布して腐食させ、さらにこれを顕微鏡を用いて観察する
ことによっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、アルミニウム
鋳物の鋳造前に、炉前でこの結晶粒度を即座に推定し判
断することはできなかった。
鋳物の鋳造前に、炉前でこの結晶粒度を即座に推定し判
断することはできなかった。
【0005】また、このように顕微鏡を用いて調べる従
来の方法においては、多くの過程を経過するために、人
為的な誤差の入ることも否めなかった。
来の方法においては、多くの過程を経過するために、人
為的な誤差の入ることも否めなかった。
【0006】これらの解決が求められていた問題を考慮
して、この発明の主目的は、アルミニウム合金の結晶粒
度を極めて簡単、迅速かつ正確に推定することができる
方法を提供することにある。
して、この発明の主目的は、アルミニウム合金の結晶粒
度を極めて簡単、迅速かつ正確に推定することができる
方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、この発明においては、アルミニウム合金の溶湯は凝
固する際に多数の結晶核から成長した結晶粒子が相互に
接触することによって凝固して行くことに着目したもの
である。
に、この発明においては、アルミニウム合金の溶湯は凝
固する際に多数の結晶核から成長した結晶粒子が相互に
接触することによって凝固して行くことに着目したもの
である。
【0008】アルミニウム合金の溶湯に結晶微細化剤と
して、例えば、Al−Ti,Al−B,Al−Ti−B
などを添加して作用させると、これらが結晶核として働
くために、アルミニウム合金の溶湯の凝固によって生ず
る結晶が極めて微細なものになる。しかも、この場合に
おけるアルミニウムの合金の溶湯の凝固には過冷却を伴
わない。それゆえ、アルミニウム合金の溶湯の初晶温度
は、通常の二元状態図に示される温度に一致する。
して、例えば、Al−Ti,Al−B,Al−Ti−B
などを添加して作用させると、これらが結晶核として働
くために、アルミニウム合金の溶湯の凝固によって生ず
る結晶が極めて微細なものになる。しかも、この場合に
おけるアルミニウムの合金の溶湯の凝固には過冷却を伴
わない。それゆえ、アルミニウム合金の溶湯の初晶温度
は、通常の二元状態図に示される温度に一致する。
【0009】他方、アルミニウム合金の溶湯に、上述の
ような添加物を加えない場合には、その凝固の過程にお
いて、供与された溶湯の結晶粒が微細になるものの場合
においては、その初晶温度は結晶微細化剤を添加したの
と同一である。しかしながら、結晶微細化剤を添加しな
かった溶湯の凝固によって生じた結晶粒が大きい場合に
は、結晶微細化剤を添加した溶湯の初晶温度よりも低温
度になる。
ような添加物を加えない場合には、その凝固の過程にお
いて、供与された溶湯の結晶粒が微細になるものの場合
においては、その初晶温度は結晶微細化剤を添加したの
と同一である。しかしながら、結晶微細化剤を添加しな
かった溶湯の凝固によって生じた結晶粒が大きい場合に
は、結晶微細化剤を添加した溶湯の初晶温度よりも低温
度になる。
【0010】従って、アルミニウム合金の溶湯に結晶微
細化剤を添加して測定した初晶温度と、結晶微細化剤を
加えることなく測定した初晶温度とを比較し、その初晶
温度の差異が小さければ小さいほどアルミニウム合金の
溶湯の結晶の粒度が微細であると推定することができ
る。
細化剤を添加して測定した初晶温度と、結晶微細化剤を
加えることなく測定した初晶温度とを比較し、その初晶
温度の差異が小さければ小さいほどアルミニウム合金の
溶湯の結晶の粒度が微細であると推定することができ
る。
【0011】以上に述べた推定手段を容易に行うため
に、この発明によれば、アルミニウム合金の溶湯の熱分
析によって、その熱冷却曲線等を測定するために、通常
使用されるそれ自体公知の熱電対を具備する溶湯の試料
採取容器を2個用意することと、その第一の容器に少量
の結晶微化剤を添加して、供与されたアルミニウム合金
の溶湯を注入してその初晶温度を測定することと、第二
の容器には何らの添加物を加えることなく同一のアルミ
ニウム合金の溶湯を注入してその初晶温度を測定するこ
とと、前記第一と第二の容器によってそれぞれ測定した
同一のアルミニウム合金の溶湯の初晶温度を比較し、そ
の温度差によってアルミニウム合金の結晶粒度を推定す
るのである。
に、この発明によれば、アルミニウム合金の溶湯の熱分
析によって、その熱冷却曲線等を測定するために、通常
使用されるそれ自体公知の熱電対を具備する溶湯の試料
採取容器を2個用意することと、その第一の容器に少量
の結晶微化剤を添加して、供与されたアルミニウム合金
の溶湯を注入してその初晶温度を測定することと、第二
の容器には何らの添加物を加えることなく同一のアルミ
ニウム合金の溶湯を注入してその初晶温度を測定するこ
とと、前記第一と第二の容器によってそれぞれ測定した
同一のアルミニウム合金の溶湯の初晶温度を比較し、そ
の温度差によってアルミニウム合金の結晶粒度を推定す
るのである。
【0012】
【実験例】電気炉を使用して5KgのAl−7.0%S
i合金を溶解し、その溶湯を720℃の温度に保持し、
微細化剤としてAl−5%−1%Bを選択した。
i合金を溶解し、その溶湯を720℃の温度に保持し、
微細化剤としてAl−5%−1%Bを選択した。
【0013】溶湯の熱冷却曲線を測定するための熱電対
を具備する試料採取容器に注入する前記合金の重量に対
して、それぞれ微細化剤を0.2%、0.4%および
0.6%加えたものと、微細化剤を無添加のものとに、
前記合金の溶湯を試料として注入して、それぞれの冷却
曲線によって初晶温度を測定した。
を具備する試料採取容器に注入する前記合金の重量に対
して、それぞれ微細化剤を0.2%、0.4%および
0.6%加えたものと、微細化剤を無添加のものとに、
前記合金の溶湯を試料として注入して、それぞれの冷却
曲線によって初晶温度を測定した。
【0014】その結果、微細化剤を添加した試料の初晶
温度は、すべて一定で、613℃であり、無添加のもの
は609.7℃であった。
温度は、すべて一定で、613℃であり、無添加のもの
は609.7℃であった。
【0015】次に、それぞれの試料採取容器において凝
固した試料を、その熱電対の近傍の部位で切断し、その
切断面を研磨して、試料の結晶粒度を従来の顕微鏡によ
る方法で調べた。
固した試料を、その熱電対の近傍の部位で切断し、その
切断面を研磨して、試料の結晶粒度を従来の顕微鏡によ
る方法で調べた。
【0016】結晶微細化剤を添加した試料採取容器で測
定した初晶温度をTL1とし、無添加の容器で測定した
初晶温度をTL2として、その結果を両者の温度差とと
もに示すと、表1の通りである。
定した初晶温度をTL1とし、無添加の容器で測定した
初晶温度をTL2として、その結果を両者の温度差とと
もに示すと、表1の通りである。
【0017】
【表1】
【0018】そこで、結晶微細化剤を添加した場合のア
ルミニウム合金の溶湯の初晶温度と、これを添加しない
場合のアルミニウム合金の溶湯の初晶温度との温度差を
△TLとして縦軸に、アルミニウム合金の結晶粒度(m
m)を横軸にとって示すと図1に示すとおりである。
ルミニウム合金の溶湯の初晶温度と、これを添加しない
場合のアルミニウム合金の溶湯の初晶温度との温度差を
△TLとして縦軸に、アルミニウム合金の結晶粒度(m
m)を横軸にとって示すと図1に示すとおりである。
【0019】以上の説明によって自明であるように、こ
の発明によれば、アルミニウム合金の溶湯を結晶微化剤
(Al−5%Ti−1%B)を添加した熱分析用試料採
取容器と、結晶微化剤を添加しない試料採取容器とに注
入し、両者の初晶温度を比較することによって、初晶温
度差の小さいほど供与されたアルミニウム合金の溶湯の
結晶が微細であると判断することが出来る。
の発明によれば、アルミニウム合金の溶湯を結晶微化剤
(Al−5%Ti−1%B)を添加した熱分析用試料採
取容器と、結晶微化剤を添加しない試料採取容器とに注
入し、両者の初晶温度を比較することによって、初晶温
度差の小さいほど供与されたアルミニウム合金の溶湯の
結晶が微細であると判断することが出来る。
【図1】この発明の方法による結晶微化剤を添加した第
一の試料採取容器と結晶微化剤を添加しない第二の試料
採取容器とに注入したアルミニウム合金の溶湯の初晶温
度の差と、結晶粒度との関係を示す線図である。
一の試料採取容器と結晶微化剤を添加しない第二の試料
採取容器とに注入したアルミニウム合金の溶湯の初晶温
度の差と、結晶粒度との関係を示す線図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 25/06 B22D 2/00 B22D 21/04 B22D 27/20 G01R 33/64
Claims (3)
- 【請求項1】(1)アルミニウム合金の溶湯を熱分析す
るために、熱電対を具備する第一と第二の2個の試料採
取容器を用意することと、 (2)前記第一の試料採取容器に少量のアルミニウム合
金の結晶微細化剤を添加して前記合金の溶湯を注入する
ことと、 (3)前記第二の試料採取容器に前記結晶微細化剤を添
加することなく前記合金の溶湯を注入することと、 (4)前記第一の試料採取容器に注入した前記合金の溶
湯と前記第二の試料採取容器に注入した前記合金の溶湯
とのそれぞれの初晶温度を測定することと、 (5)前記両初晶温度の差異を得ることとからなるアル
ミニウム合金の結晶粒度を測定する方法。 - 【請求項2】前記結晶微細化剤をAl−5%−1%Bと
する請求項1に記載の方法。 - 【請求項3】前記試料採取容器に加える結晶微細化剤の
添加量を前記アルミニウム合金の溶湯の添加量に対して
重量で約0.2乃至約0.6%とする請求項1に記載の
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25927399A JP3318746B2 (ja) | 1999-08-11 | 1999-08-11 | アルミニウム合金の結晶粒度を推定する方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25927399A JP3318746B2 (ja) | 1999-08-11 | 1999-08-11 | アルミニウム合金の結晶粒度を推定する方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001050920A JP2001050920A (ja) | 2001-02-23 |
JP3318746B2 true JP3318746B2 (ja) | 2002-08-26 |
Family
ID=17331812
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25927399A Expired - Fee Related JP3318746B2 (ja) | 1999-08-11 | 1999-08-11 | アルミニウム合金の結晶粒度を推定する方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3318746B2 (ja) |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
AU664534B2 (en) * | 1990-05-16 | 1995-11-23 | Metec Corporation | Method of determining the carbon equivalent, carbon content and silicon content of molten cast iron |
JPH05223759A (ja) * | 1991-05-10 | 1993-08-31 | Toyota Central Res & Dev Lab Inc | マグネシウム合金溶湯の結晶粒微細化判定装置 |
JPH06118037A (ja) * | 1992-10-08 | 1994-04-28 | Hitachi Metals Ltd | アルミニウム合金の引け性判定方法 |
JPH06264137A (ja) * | 1993-03-11 | 1994-09-20 | Nippon Steel Corp | 多結晶材料の材料組織制御条件決定法 |
JPH07209220A (ja) * | 1994-01-25 | 1995-08-11 | Nippon Light Metal Co Ltd | 金属溶湯の品質管理方法 |
-
1999
- 1999-08-11 JP JP25927399A patent/JP3318746B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2001050920A (ja) | 2001-02-23 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US4667725A (en) | Method for producing cast-iron, and in particular cast-iron which contains vermicular graphite | |
CA2379809C (en) | Semi-solid concentration processing of metallic alloys | |
Veldman et al. | Dendrite coherency of Al-Si-Cu alloys | |
Shabestari et al. | Assessment of the effect of grain refinement on the solidification characteristics of 319 aluminum alloy using thermal analysis | |
JP2510947B2 (ja) | 鋳鉄の溶湯中における球状化剤またはcv化剤の有無および片状黒鉛鋳鉄のチル化傾向を判別する方法とそれに使用する試料採取容器 | |
Djurdjevic et al. | Determination of rigidity point/temperature using thermal analysis method and mechanical technique | |
DK143916B (da) | Fremgangsmaade til termisk bestemmelse af carbonaekvivalentet af overeutektisk stoebejern | |
US4046509A (en) | Method for checking and regulating the conditions of crystallization in the solidification of melts | |
Mostafapoor et al. | Thermal analysis study on the grain refinement of Al–15Zn–2.5 Mg–2.5 Cu alloy | |
Djurdjevic et al. | Review of thermal analysis applications in aluminium casting plants | |
Mostafapoor et al. | Effects of Zr addition on solidification characteristics of Al–Zn–Mg–Cu alloy using thermal analysis | |
Samuel et al. | Some aspects of grain refining of Al-Si cast alloys | |
Nafisi et al. | Semi solid metal processing: The fraction solid dilemma | |
US3824837A (en) | Method of rapidly determining the solidus line of molten steel | |
JP3318746B2 (ja) | アルミニウム合金の結晶粒度を推定する方法 | |
Eskin | Effect of melt overheating on primary solidification in aluminium alloys | |
Leone et al. | The mechanism of grain refinement during solidification of Zn-Ti base alloys | |
JP2002505417A (ja) | 溶融金属の熱分析装置および方法 | |
Levi et al. | Interfacial phenomena and microstructure evolution during solidification of binary and ternary Al–Mg–Si alloys cast with titanium carbonitride | |
Khatibi et al. | Solidification and microstructure characterizations of eutectic aluminum‐silicon casting alloy with the addition of tin | |
Yao et al. | A quantitative study of microsegregation in aluminum–copper alloys | |
Bamberger et al. | Some observations on dendritic arm spacing in Al-Si-Mg and Al-Cu alloy chill castings | |
Fallet et al. | Influence of barium addition on the microstructure and the rheological behaviour of partially solidified Al–Cu alloys | |
JP3286839B2 (ja) | 鋳鉄及び銑鉄の溶湯の炭素含有量と硅素含有量との分析法 | |
JP2798725B2 (ja) | 固・液共存金属の固相率測定方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20020521 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080621 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090621 Year of fee payment: 7 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |