JP3318580B2 - 粉粒材の相対吸着液率測定方法およびその装置 - Google Patents

粉粒材の相対吸着液率測定方法およびその装置

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JP3318580B2
JP3318580B2 JP31809490A JP31809490A JP3318580B2 JP 3318580 B2 JP3318580 B2 JP 3318580B2 JP 31809490 A JP31809490 A JP 31809490A JP 31809490 A JP31809490 A JP 31809490A JP 3318580 B2 JP3318580 B2 JP 3318580B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の目的】
本発明は粉粒材の相対吸着液率測定方法およびその装
置に係り、水その他の液体とセメント粉などの粉体相互
あるいはこれらの粉体と砂類や粗骨材のような粒状体と
の混合物に関してそれら粉粒材の相対吸着液率を精度高
く測定せしめ得る方法および装置を提供しようとするも
のである。
【0002】
【産業上の利用分野】
セメント、フライアッシュ、高炉滓、シリカヒューム
等の粉体相互あるいはこれらの粉体と砂等の細骨材また
は粗骨材や繊維材のような骨材類を水その他の液体の存
在下で混合物として得るような場合において、それら資
料間で作用する相対的な基準吸着液率の定量的な測定技
術。
【0003】
【従来の技術】
セメントと砂その他の細骨材、更にはこれに粗骨材や
繊維材などを配合したモルタルまたはコンクリートを調
整するには水またはこれに収容の添加剤を配合した液体
を用いて混練することが必要である。同様のことは各種
窯業製品を製造し或いはその他の物理的、化学的製品を
得るための資料調整に関しても不可欠的に必要である
が、斯様な調整に際しては前記したような資料粉粒の液
体存在下における吸着現象(その反面における分散現
象)などがあり、所期する均斉な調整物を得ることがで
きないことは周知の通りである。このような現象はそう
した調整物を用いて得られる製品の強度や流動性、ブリ
ージングその他の特性を支配し、又該調整物の搬送その
他の荷役取扱いに影響する。同様のことは新しい配合調
整物のみならず、スラッジやヘドロその他においてもそ
れに混入した砂粒や繊維材その他の骨材的物質との間に
認められるところであって、その搬送、荷役あるいは貯
蔵などに関し種々の問題を有する。
【0004】 従ってこの吸着現象などに関してはそれなりに検討が
加えられているが、従来では単に理論的ないし定性的に
粒子間距離の関係として理解し、分散状態や凝集状態と
して検討しようとするものである。
【0005】 上記のような従来一般の技術的状態において、本発明
者等は特願昭58−5216号(特開昭59−131164号)や特願
昭58−245233号(特開昭60−139407号)のような提案を
なし、特にコンクリートないしモルタルに用いられる細
骨材表面における吸着液の定量化に関する試験測定法な
いしそのような試験測定結果を利用した調整に関する1
つの手法を提案した。即ちこれらの先願技術は前記のよ
うな粒子ないし粉体表面に付着介在する水などの液体に
関し、毛細管現象的に粉粒間に保留停滞されたものと粉
粒表面に吸着されたものに区分して考察し、特にその後
者について定量的に試験測定しようとするもので、しか
も複数個の試料について同一遠心力条件による能率的な
測定が可能であり、上記したようなコンクリートやモル
タルなどの調整に関し従来の漫然として同じ液分と理解
把握されているものを区分して理解し、しかもその測定
結果を夫々の条件下に相応して定量的に得しめるもので
あることからその混練、調整上画期的な改善結果を得し
めている。
【0006】 更に本発明者等は特願昭61−256789号(特開昭63−11
1014号公報)において上記したような粉体、液体および
骨材より成る混合物に関し、その粉体に対する骨材の比
率を変えた複数の試料を準備し、これらの試料に対し遠
心力を作用させた脱液処理を夫々行い、前記粉体に対す
る骨材の比率を変化させるに伴い直線的に傾斜変化する
粉体の保液率を測定し、この傾斜直線と前記粉体に対す
る骨材の比率変化に従い形成される勾配(tanθ1)
を、上記混合物における骨材の相対吸着液率(骨材の含
液量を骨材量で除した値)として求めることを提案し、
上記したような技術的課題の解決を図っている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前記したような従来の一般的な技術は、JIS規定の如
きにより細骨材に関し、例えば表面乾燥飽水状態による
吸水率と粗粒率、実績率等の測定データを用いて上記し
たような混練物等の液分を把握調整しようとするもので
あって、具体的な混練物の調整に当ってはその物性を的
確に把握し制御することができない。即ちこのような混
練物に関しては分離ブリージング性ないしワーカビリテ
ィ、圧送性、締固め性等の物性が重要であることは周知
の通りであるが、これらの物性は同じ砂であってもセメ
ントが異ることによってその特性が異り、又反対にセメ
ントが同じであっても砂が異ることにより得られた混練
物の特性はやはり変動する。更に斯うした混練物を密実
に充填成形するためには振動処理を加えることが一般的
であるが、そうした振動処理に際して混練物の示す挙動
ないし変化は同じJIS規定による測定値のものであって
も大幅に異っていることが殆んどである。又厚層にコン
クリート打ちをなし或いは型枠を縦形としてコンクリー
トを打設または充填した場合において打設、充填された
生コンクリートまたはモルタルの示す様相も変動したも
のとなる。
【0008】 又本発明者等は斯かる混練のための配合水を分割し、
その一部を均等に細骨材へ附着させてからセメントを添
加して一次混練し、次いで残部の水を加えて二次混練す
ることにより、ブリージングや分離が少く、しかもワー
カビリティにおいて優れた混練物を得しめ、又それによ
って得られる成形体の強度その他を同じ配合条件で相当
に高めることのできる有利な技術を開発し業界の好評を
得ているが、そうした新技術を採用しても細骨材が異る
ことによって具体的に得られる混練物における前記した
ような諸効果の程度は種々に異ったものとなる。
【0009】 このような問題点を解決すべく本発明者等によって提
案された前記特願昭58−5216号や特願昭58−245233号の
先願技術では粒子表面における吸着液と、そうでないも
のとを区分するだけでなく、その吸着液に関して定量的
な解明を図るものであって、頗る有効な手法と言える。
【0010】 又上記先願特願昭61−256789号(特開昭63−111014号
公報)のものは前記した先願技術の課題を更に解決し、
そのばらつきを縮減するが、これらの技術についての検
討をなすに当って各試料の附着液ないし吸着液率を的確
に測定することは容易でない。特にこの技術においては
前記混合物に関して粉体と骨材の比率変化に従って形成
される勾配の如きを求めることがベースをなしているか
ら複数個の試料について測定することが必要であり、し
かもその精度を高めるためにはできるだけ試料数の多い
ことが測定結果の正確性を担保する所以である。
【0011】 又具体的な試験測定に当っては個人差などの排斥され
ることは勿論のこと夫々に与えられる試験条件を量など
と共に速度、時間などを前述のような多数の試料につい
て総てを均一に与えることが必要であり、僅かの差異で
あっても測定結果に微妙に影響し、精度や予測結果に誤
差を来す。
【0012】 更に大量の細骨材を必要とするコンクリート工業の如
きにおいては順次に用いられる砂などの天然資材の性状
が微妙に変化せざるを得ず、斯様な資材に関し短時間内
に測定することが高精度の管理をなす上において不可欠
であるところ水などの液体との関係における特性を短時
間に解明することは困難であって、それなりの量の集合
体としての砂などに関しては各部において材料の性状、
その他が変動しサンプル数も相当に多数とすることが必
要であり、上記したような困難で、しかも正確性の保証
された測定をその都度実施することが的確な結果を得し
める所以であるところ前記したような精度、均一性を確
保し、しかもその時々において作業の進行に即応した短
時間内の試験測定結果を得ることは至難であり、測定頻
度の向上することが最も必要とされている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記したような実情に鑑み検討を重ねた結
果、液分の気散を防止するための密閉容器中におえる試
料室内部の空気圧力が遠心力試験中に変化して試験条件
を乱し、測定誤差の原因となっていることを確認し、こ
のような誤差原因を解消して的確な試験測定を得しめる
ことに成功したものであって、以下の如くである。
【0014】 (1)セメント、フライアッシュなどの粉状材と砂その
他の骨材などの粒状材に水その他の液体を添加混合した
粉粒材試料を上部試料収容室に収容せしめ、該収容室の
下部に濾過材を介してスポンジ、綿類などの保液材を装
填した濾液収容室を配設した開放状態の容器を準備し、
該容器を回転部体に傾動可能として設け、上記保液材と
粉粒材の間に粉粒材や保液材を有しない空気分離層を保
持した条件下で前記回転部体の回転による遠心力で上記
試料中の液体分を同一空気圧力条件下において分離する
と共に上記粒状材または粒状材の相対吸着液率を求める
ことを特徴とする粉粒材の相対吸着液率測定方法。
【0015】 (2)セメント、フライアッシュなどの粉状材と砂その
他の骨材などの粒状材に水その他の液体を添加混合した
粉粒材試料を上部試料収容室に収容せしめ、該収容室の
下部に濾過材を介してスポンジ、綿類などの保液材を装
填した濾液収容室を配設した開放状態の容器を準備し、
これら容器を回転部体に傾動可能として設け、上記保液
材と粉粒材の間に粉粒材や保液材を有しない空気分離層
を保持した条件下で前記回転部体の回転による遠心力に
より前記試料中の液体分を該試料と同一空気圧力条件下
で分離すると共に上記粒状材または粒状材の相対吸着液
率を求め、しかも前記粉状材と粒状材との比率を変化さ
せるに伴い直線的に傾斜変化する保液率を測定し、該傾
斜直線と上記粒状材、粒状材の比率変化に従い形成され
る勾配を求めることを特徴とする粉粒材の相対吸着液率
測定方法。
【0016】 (3)セメント、フライアッシュなどの粉状材と砂その
他の骨材などの粒状材に水その他の液体を添加混合した
試料の一定量を収容する収容室を有し、該収容室の下部
に濾過材を介して保液材を装填した濾液収容室を添設し
た複数個の開放状態の容器と、原動機構によって駆動さ
れる回転部体とを有し、該回転部体の周側に複数個の試
料設定部を配設し、それら試料設定部に前記容器を装脱
可能に受入れる容器受入部体を傾動自在に設け、上記保
液材と粉粒材の間に実質的に粉粒材や保液材を有しない
空気分離層を保持し、前記容器の頂部と濾液収容室に実
質的に同一空気圧とするための圧力調整部を形成し、前
記回転部体の回転による遠心力を上記容器内試料に作用
せしめた場合に生ずる液体移動時に該試料中液体分を同
一空気圧力条件下で分離し、前記濾液収容室に移行させ
るようにしたことを特徴とする粉粒材の相対吸着液率測
定装置。
【0017】
【作用】
セメント、フライアッシュなどの粉状材と砂その他の
骨材などの粒状材に水その他の液体を添加混合した粉粒
材試料を上部試料収容室に収容せしめ、該収容室の下部
に濾過材を介してスポンジ、綿類などの保液材を装填し
た濾液収容室を配設した開放状態の容器を準備し、該容
器を回転部体に傾動可能として設けることにより該回転
部体の回転により遠心力で液体分を分離する。
【0018】 上記のように試料を装入し準備された容器を回転部体
に傾動可能として設け、上記濾過材と濾液収容室内濾液
との間に空気分離層を確保した条件下で前記回転部材回
転時において容器に遠心力が作用し、同じ傾斜状態が自
動的に得られ抵抗ないし無理な応力の少い条件で円滑な
回転試験条件を形成する。
【0019】 前記したような回転部体の回転による遠心力で前記試
料中の液体分を該試料の同一空気圧条件下で分離するこ
とにより遠心力および空気圧の同じ条件下での液体分分
離が図られる。
【0020】 上記のように試料量、遠心力および空気圧の同じ条件
下で複数の容器内各試料を試験測定することにより、複
数の試料に対し同一条件による測定結果を短時間内に得
しめる。
【0021】 セメント、フライアッシュなどの粉状材と砂その他の
骨材などの粒状材に水その他の液体を添加混合した試料
を上記収容室内に濾過材を配して収容せしめた複数個の
容器を準備することにより前記したように配合条件を変
えた複数の試料を同時に調整準備することができる。
【0022】 上記のように遠心力および空気圧の同じ条件下で複数
の容器内各試料を試験測定することにより、複数の試料
に対し同一条件による測定結果を短時間内に得しめる。
【0023】 濾過材と濾液収容室内濾液との間に粉粒材や保液材の
存在しない空気分離層を確保した条件下で回転部体の回
転による遠心力により試料中の液体分を同一空気圧力条
件下で分離することにより前記回転を停止した後におい
て遠心力の停止した条件下でも保液材などを伝って分離
された液体分を逆流することを防止し、的確な分離測定
効果を得しめる。
【0024】 セメント、フライアッシュなどの粉状材と砂その他の
骨材などの粒状材に水その他の液体を添加混合した試料
の一定量を濾過材を介し保液材を装填した濾過収容室上
に添設した複数個の容器と、原動機構によって駆動され
る回転部体とを有し、該回転部体の周側に複数個の試料
設定部を配設することにより、単一設備において複数個
の試料を同時にセットせしめる。上記のように濾過収容
室に保液材を装填したことにより遠心力作用の低減ない
し停止した条件下においても受入れられた液体などの分
布が大幅に乱れるようなことを防止する。
【0025】 前記した試料設定部に前記容器を装脱可能に受入れる
容器受入部体を傾動自在に設けることにより試料の装入
された容器を簡易迅速に回転部体へ装着セットせしめ、
しかも該回転部体の回動時に容器が容器受入部体と共に
傾動して機構的に無理のない回転作動および遠心力付与
を図る。
【0026】 前記容器の頂部と前記濾液収容室に実質的に同一空気
圧条件とするための圧力調整部を形成することにより回
転部体回転による遠心力を容器内試料に作用せしめた場
合に生ずる液体移動時に該試料中液体分を同一空気圧力
条件下で分離し濾液収容室に移行させる。
【0027】
【実施例】
上記したような本発明について更に説明すると、本発
明者等は前記したような混練物に関して前記した細骨材
や粗骨材などによる物性変化を解明し、安定した品質の
混練物を得るため、骨材類について相対吸着水率等を精
度高く的確に得しめ、従ってその測定結果を利用して目
的とする混練物を合理的且つ高精度に調整することに成
功したことは前記した先願、特願昭61−256789号(特開
昭63−111014号公報)の如くである。
【0028】 即ちこの先願技術によるときは細骨材などに関して相
対吸着水率や脱水条件を変化させても変動しない相対基
準吸着水率の如き新しいデータを提供することができ、
粉体とそうした骨材を用いた混練物について合理的な解
明をなさしめ得る。
【0029】 然してこのような技術に従って前記相対吸着水率を求
めるには複数個の試料について同一条件で液分を分離す
ることが必要である、斯うした関係を適切に満足する試
験測定をなすために本発明者等は前記したような試料に
ついて少なくとも同じ試験条件で液分を分離するために
該試料を容器に収容密封して遠心力処理することについ
て仔細な検討を重ねてきたが、合理的な試験測定である
に拘わらず、測定結果において必ずしも好ましい精度を
得ることができない傾向が残る。即ち、特に遠心力条件
のみならず、試料量その他の試験条件が若干異なること
によってそれなりに変動し、従って具体的な試験測定に
当たってはそれらの試験条件のすべてについて同一性が
要求される。
【0030】 このように精度が充分に確保されない事由について更
に検討を加えた結果、容器内における試料に対し遠心力
作用中およびその前後において圧力変動が生ずるものと
推定され、この圧力変化によって折角整然たる条件で形
成されていた試験状態に少なくとも部分的な乱れが生ず
るものと判断された。そこで本発明においてはこのよう
な検討結果に基づき、先ず図1に示すような装置を提案
するもので、機台20上に処理室30が設けられ、該処理室
30には回転部体たる回転盤22が水平状として機台20内に
設けられた原動機構2の回転軸23に取付けられている。
又該回転部体22にはその周側に複数個の試料設定部26を
凹入して配設し、これらの試料設定部26の両側に軸支部
25,25を対設して容器受入部体24が傾動自在に設けられ
ている。
【0031】 前記した容器受入部体24に対しては容器10がその下部
を装脱自在に設けられ、該容器10の1例についての構成
は別に図2と図3に示す如くである。即ち図2にその組
付け状態を示し、又図3に分解して示すように中間筒体
15と底部体16および蓋部体17より成り、大気開放部であ
る保液材の存在しない空気分離層16aを有する底部体16
には適宜にカラー18を内装する(カラー18部分を底部体
16と一体に形成してもよい)と共にスポンジ、脱脂綿の
如き綿類などの保液材19を充填し、カラー18とこの保液
材19上に図3の右側に示すような孔あき金属板14と金網
材13および濾紙などの濾過材12を介装して中間筒体15を
螺合締着し、このような中間筒体15内に粉状材と粒状材
および水などの液体による混合物11を一定量装入したも
ので、蓋部体17としては開孔17aの穿設された外気と容
器内とが連通したものを用いる。混合物11における液分
が少く流動性の乏しい場合には図4に示すように蓋部体
17のないものでもよい。
【0031】 上記のように容器10の頂部を開放部とし、濾液収容室
を形成する底部体16の一部に大気開放部である保液材の
存在しない空気分離層16aを形成した容器10は回転部体2
2の回転時に試料中液分を分離し濾液収容室に移行させ
る場合において中間筒体15および底部体16内を同一空気
圧条件となし、液体の分離を円滑化すると共に液体の逆
流などをなからしめることができる。
【0032】 然し本発明によるものは容器10に関して大気開放部を
形成することを必ずしも要件とするものではない。即ち
本発明において遠心力処理に当り、容器10における試料
たる混合物11の周囲(特に上下)を実質的に同じ空気圧
条件とするものであって、このためには大気圧と正確に
合致した空気圧条件とすることを必要とするものではな
く、図5に示すようにOリングのようなシール材20を用
いて容器10内を外気と遮断するようにしたものにおいて
も混合11の上下における空気圧連通手段31を容器10内に
設け、あるいは第6図に示すように空気圧連通手段32を
容器10外に設けることにより混合物11の上下両端部を連
通させるならば前記したような液体分の逆流現象などを
的確に阻止し遠心力作用による整然たる分離作用を収容
された混合物11の全般において的確に実現することがで
きる。
【0033】 本発明において用いる粉状材としてはポルトランドセ
メント類、アルミナセメント、マグネシアセメント、石
こう類、消石灰などの石灰類、高炉スラグ、膨脹セメン
トなどの特殊セメント、フライアッシュ、シリカヒュー
ム、石粉その他の無機または有機質の凝結、充填ないし
増量目的などで用いられる各種粉状体がある。なお粗骨
材を被測定材とする場合においてはこのような粉体と共
に砂その他の細骨材もこの粉状材として採用することが
好ましい。
【0034】 又、粒状材としては川砂や海砂、山砂、砕砂などの細
骨材、砂利、砕石などの粗骨材、金属繊維、無機繊維な
どの繊維材、遮音や断熱あるいは耐火性、原子力の遮断
ないし吸収性、軽量性、重量性などを附与するために用
いられる各種骨材類などがある。
【0035】 更に液体としては水が代表的であるが、これに減水
剤、増粘剤、急結剤、プラスチック類などの各種助剤な
いし添加剤の1種または2種以上を混合したものが広く
用いられる。
【0036】 なお上記したような各材料を用い混合して調整される
試料は本発明において、少なくともその充填条件におい
て通気性のない状態のものとして準備される。即ち通気
性のある充填試料においては遠心力を作用させて液体分
離を行ってもその作用が均等に得られず処理結果が不均
一になる傾向が認められた。これに対し当該充填条件で
通気性のない状態として容器中に充填された試料におい
ては全体が均等状態に液体分離される。
【0037】 又密閉容器中においては遠心力作用による液体の移動
に伴う体積減少により容器内挿入試料上部における空間
が減圧され容器内試料の上下間に圧力差が生じて試験結
果にばらつきの生ずることが知られ、前記したような通
気性試料を用い、これらの関係をも本発明によって有効
に解決されるものである。
【0038】 更にこのような本発明によるときは試料量や容器内試
料の高さ(厚み)などの試験条件に変動があっても変動
の少ないことが確認され、このことは試験測定を容易に
すると共に得られた測定データの利用上頗る有利である
ことは明らかである。従って本発明者等は上記した図1
〜図4のような遠心力を利用した装置を用い、特に多数
の試料であっても好ましい管理条件下で的確に測定結果
を求めることができた。勿論コンパクトな設備で効率的
に粉粒材などの液分の分離測定をなすことが可能であ
る。容器10として、具体的に用いたものは内径5cmφで
高さが11.5cmの塩化ビニル中間筒体15を用い、径0.15mm
の金属線による金網13と濾紙12および厚さ1.6mmの孔あ
き打抜き鉄板14とを介装したものを採用したが、本発明
は勿論このような特定の容器に限定されるものではな
い。
【0039】 前記したような装置によって実施した本発明方法によ
る若干の具体的測定例およびその比較例について説明す
ると以下の如くである。
【0040】 先ず本発明者等が相対吸着水率を求めるべく準備した
粒状材のJISによる物性およびそのフルイ分け試験結果
は次の表1の如くである。
【0041】
【表1】
【0042】 上記砕砂を用い、先ず比較例として、前記先願(特開
昭59−131164号および特開昭63−111014号)の技術に従
い、中間筒体15に対し底部体16と蓋部体17をOリングお
よび粘着テープにより完全密閉状態として300g、250gお
よび200gの各ペーストおよびモルタル(S/C=1〜3)
を容器10内に装入し30分間、438Gの遠心力試験を夫々実
施し、しかもその測定結果からその粉状材と粒状材との
比率を変化させるに伴い直線的に傾斜変化する保液率を
求め、該傾斜直線と上記粉状材、粒状材の比重変化に伴
い形成される勾配βを求めた結果は次の表2の如くであ
って、ペーストおよびモルタルのW/Cについては55%と
したものを採用した。
【0043】 なおこの表2において、W1は容器10内への充填試料
量、W2は遠心処理後の容器10をも含んだ重量、W3は容器
10の重量である。
【0044】
【表2】
【0045】 即ち、このような表2の結果によると、S/Cの変化に
よってW1、W2、W3の如きが変化することは当然である
が、本発明者等の技術において枢要なβ値において用い
られた試料の量如何で2.76から4.03と大きく異なってお
り、このようなことからして試料量、容器内試料高さな
どを一定にして試験すべきものとされていたことは前述
の如くである。
【0046】 このような比較例の結果に対し、本発明に従い、同じ
く中間筒体に対して底部体と蓋部体を用いたが、これら
底部体と蓋部体とを密閉することなく、即ち、Oリング
や粘着テープによる密閉シールを施すことなしに開放状
態で実施した結果は次の表4の如くであって、ペースト
のW/C、W1、W2およびW3については夫々表3のものと同
じである。
【0047】
【表3】
【0048】 即ち、この表3の結果を前記表2のものと比較する
と、用いられる試料量や試料厚さ(高さ)の変動に拘わ
らずβ値において3.01〜3.16と第2表の場合の数十分の
1に低減しており、標準偏差も0.644%から0.0751%と
1桁近く低減し、変動係数も19.32%から2.43%と同じ
く1桁近い低下があって、有効な測定結果の得られるも
のであることが確認された。つまりこの程度であると実
質的には試料量の変化などによる影響は殆どないものと
言える。
【0049】 又このものについて繰返し5回に亘って同様な試験を
実施し、標準偏差および変動係数を求めたが、標準偏差
は0.065〜0.082%の範囲内であり、又変動係数は2.32〜
2.56%であって、充分に措信し得るものであることが知
られた。
【0050】 更に底部体および蓋部体に関して完全開放状態として
実施した場合について同様に試験した結果は別に次の表
4に示す如くであって、β値および標準偏差や変動係数
においては若干劣るとしても、第2表の結果に比すれば
なお大幅な改善結果を得しめていることが確認された。
【0051】
【表4】
【0052】 又図5に示した容器10内に空気圧連通手段31を設けた
ものについて前記した表4の場合と同様に試験測定する
操作を5回悔返して実施し、標準偏差を求めた結果は0.
062〜0.081%で、変動係数は2.30〜2.52%であった。
【0053】 更に図6に示した容器10外に空気圧連通手段32を設け
たものについても同様に表4のような試験測定を行った
データを5回宛実施し、標準偏差を求めた結果は0.063
〜0.085%で、変動係数は2.30〜2.63%であった。
【0054】 即ちこれら図5、6に示すような容器を用いた場合に
おいても前記した表4の場合と全く同様に精度の高い試
験測定をなし得ることを知った。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したような本発明によるときは、粉粒材にお
ける相対吸着水率を標準偏差および変動率の少い高精度
に試験測定することを可能ならしめ、又試料量や遠心力
作用停止時における大幅な試験状態の乱れなどの影響を
受けることの殆どないデータが得られ、それによってこ
の種粉粒材に関して合理的且つ信頼度の高い解明、予測
ないし企画設計を適切且つ容易に得しめるものであるか
ら工業的にその効果の大きい発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による装置全般の構成関係を示した側面図であ
る。
【図2】 その容器についての組付け状態の断面図である。
【図3】 その分解状態の断面図である。
【図4】 完全開放型とした本発明実施形態の断面図である。
【図5】 密閉型でしかも容器における試料上下を実質的に同一圧
力条件とするようにした1実施態様についての断面図で
ある。
【図6】 図5とは別の実施態様についての断面図である。
【符号の説明】
10……容器 11……粉粒材(試料) 12……濾過材 13……金網材 14……孔あき金属板 15……中間筒体 16……濾液収容室 16a……空気分離層 17……蓋部体 17a……その開孔 18……カラー 19……スポンジ、綿類などの保液材 20……機器 22……回転盤 23……回転軸 24……容器受入部 25……軸支部 26……試料設定部 30……回転部体 31……空気圧連通手段 32……空気圧連通手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡村 甫 千葉県浦安市弁天6―519 三井タウン ハウス2―E―4 (72)発明者 小沢 一雅 東京都文京区本駒込3丁目5番7号701 (72)発明者 門倉 智 神奈川県横浜市港南区港南台4丁目5番 24号405 (56)参考文献 特開 昭59−131164(JP,A) 特開 昭63−111014(JP,A) 実開 昭58−48350(JP,U) 実公 昭56−41795(JP,Y2)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セメント、フライアッシュなどの粉状材と
    砂その他の骨材などの粒状材に水その他の液体を添加混
    合した粉粒材試料を上部試料収容室に収容せしめ、該収
    容室の下部に濾過材を介してスポンジ、綿類などの保液
    材を装填した濾液収容室を配設した開放状態の容器を準
    備し、該容器を回転部体に傾動可能として設け、上記保
    液材と粉粒材の間に粉粒材や保液材を有しない空気分離
    層を保持した条件下で前記回転部体の回転による遠心力
    で上記試料中の液体分を同一空気圧力条件下において分
    離すると共に上記粒状材または粒状材の相対吸着液率を
    求めることを特徴とする粉粒材の相対吸着液率測定方
    法。
  2. 【請求項2】セメント、フライアッシュなどの粉状材と
    砂その他の骨材などの粒状材に水その他の液体を添加混
    合した粉粒材試料を上部試料収容室に収容せしめ、該収
    容室の下部に濾過材を介してスポンジ、綿類などの保液
    材を装填した濾液収容室を配設した開放状態の容器を準
    備し、これら容器を回転部体に傾動可能として設け、上
    記保液材と粉粒材の間に粉粒材や保液材を有しない空気
    分離層を保持した条件下で前記回転部体の回転による遠
    心力により前記試料中の液体分を該試料と同一空気圧力
    条件下で分離すると共に上記粒状材または粒状材の相対
    吸着液率を求め、しかも前記粉状材と粒状材との比率を
    変化させるに伴い直線的に傾斜変化する保液率を測定
    し、該傾斜直線と上記粒状材、粒状材の比率変化に従い
    形成される勾配を求めることを特徴とする粉粒材の相対
    吸着液率測定方法。
  3. 【請求項3】セメント、フライアッシュなどの粉状材と
    砂その他の骨材などの粒状材に水その他の液体を添加混
    合した試料の一定量を収容する収容室を有し、該収容室
    の下部に濾過材を介して保液材を装填した濾液収容室を
    添設した複数個の開放状態の容器と、原動機構によって
    駆動される回転部体とを有し、該回転部体の周側に複数
    個の試料設定部を配設し、それら試料設定部に前記容器
    を装脱可能に受入れる容器受入部体を傾動自在に設け、
    上記保液材と粉粒材の間に実質的に粉粒材や保液材を有
    しない空気分離層を保持し、前記容器の頂部と濾液収容
    室に実質的に同一空気圧とするための圧力調整部を形成
    し、前記回転部体の回転による遠心力を上記容器内試料
    に作用せしめた場合に生ずる液体移動時に該試料中液体
    分を同一空気圧力条件下で分離し、前記濾液収容室に移
    行させるようにしたことを特徴とする粉粒材の相対吸着
    液率測定装置。
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