JPH06182753A - 粉体、粒体および水よりなる混合物の配合または調整法 - Google Patents

粉体、粒体および水よりなる混合物の配合または調整法

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JPH06182753A
JPH06182753A JP3136935A JP13693591A JPH06182753A JP H06182753 A JPH06182753 A JP H06182753A JP 3136935 A JP3136935 A JP 3136935A JP 13693591 A JP13693591 A JP 13693591A JP H06182753 A JPH06182753 A JP H06182753A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 セメントのような粉体、細骨材などの粒体お
よび水からなる混合物に関して的確な流動性その他の物
性を予測ないし制御し、その配合計画を決定せしめ、適
切な混合調整を図る。 【構成】 粉体、粒体および水による混合物に関し、粉
体、水比を変化させた複数の各混合物の流動性を測定
し、それら測定値の相互関係を二次式によって求めて限
界値を有する等流動統一配合系を決定し、目的の流動性
を有する混合物を選択する。 【効果】 セメントなどの粉体と細骨材などの粒体およ
び水からなる混合物について流動性その他の特性値を予
測、制御し、配合計画を決定し、又与えられた条件下に
おいて最高状態の混合物を的確に得しめる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の目的】本発明は粉体、粒体および水よりなる混
合物の調整法に係り、粉体、粒体(更に塊状体をも含
む)および水(減水剤などを含有したものを含む)から
なる混合物についての合理的且つ的確な流動性その他の
物性を粒体固有の物性および粉体ペーストの流動性によ
り予測ないし制御し、またその配合計画を決定し、適切
な混合調整を図ろうとするものである。
【0002】
【産業上の利用分野】粉体、粒体(塊状物を含む)およ
び水または水に減水剤(高性能減水剤を含む)や増粘剤
その他の液体または溶解性添加剤を配合した液状物(以
下代表的に水という)との混合物(モルタル、コンクリ
ート等)を調整するに当ってその配合計画を決定し、又
その硬化前および硬化後における特性を予測、制御する
技術。
【0003】
【従来の技術】モルタルまたはコンクリートあるいはこ
れらに準じたような各種の粉体、粒状材(細骨材)、塊
体(粗骨材)および水を用いた複合混合物は各種土木、
建築あるいは各種鉱工業などに広く利用されており、こ
のような混合物の配合については上記モルタルやコンク
リートなどに関しては粒体、塊体についての材料特性を
JISによる吸水率や細骨材についての単位容積重量を
絶乾基準として採用し、統計的手法や多くの試し練りに
より目的に沿った計画配合を求めるのが一般的であっ
て、適宜に添加剤や繊維材などを添加した場合において
も基本的には同じ関係である。
【0004】このような従来一般の技術的状態におい
て、本発明者等は、モルタルまたはコンクリートの物性
変化と材料特性との因果関係を明かにし、科学的、定量
的な配合設計方法を樹立することを目的として下記のよ
うな基本的提案をなした。 特開昭59−131164号 特開昭60−139407号 特開昭62−121360号 特開昭63−284469号 特開昭63−314465号 特開平1−249306号
【0005】即ち、コンクリートないしモルタルに用い
られる細骨材表面における吸着水の定量化に関する試験
測定法あるいはそのような試験測定結果を利用した混合
物の調整に関する一連の手法ないし装置に関するもの
で、前記のような粒子ないし粉体表面に付着介在する水
に関して、毛細管現象的に粉粒間に保留停滞されたもの
と、粉粒表面に吸着されたものとに区分して考察し、特
にその後者について定量的に試験し測定しようとするも
ので、しかも複数個の試料に対し同一遠心力条件による
能率的な測定が可能であり、それだけに上記したような
コンクリートやモルタルなどの調整に関し、従来の漫然
として同じ水と理解し、把握されているものを区分して
理解し、しかもその測定結果を夫々の条件下に即応して
定量的に得しめるものであることからその混練、調整上
画期的な改善結果を得しめているものである。
【0006】又このような混合物についてその流動性が
成形性ないし充填性について重要な要因をなすことは明
かで、斯うした流動性の測定についてはJISR520
1においてセメントの物性試験方法としてフロー値の測
定が規定されている。即ち上記のような混合物について
フローテーブル上において流動性をその展開直径または
面積として求めるものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記したような各種混
練物の計画的な調整をなすに当っては分離ブリージング
性ないしワーカビリティ、圧送性、締固め性等の物性が
必要であることは周知の通りであるが、これらの物性は
水セメント比や砂セメント比が同じであっても得られた
混練物の特性は種々に変動することが一般である。更に
斯うした混練物を密実に充填成形するためには振動その
他の圧密処理を加えることが一般的であるが、そうした
振動その他の圧密処理に際して混練物の示す挙動ないし
変化はJIS規定による同じ測定値のものであっても大
幅に異っていることが殆んどである。又厚層にコンクリ
ート打ちをなし或いは型枠を縦形としてコンクリートを
打設充填した場合において打設充填された生コンクリー
トまたはモルタルの示す様相は種々に変動したものとな
る。
【0008】又本発明者等は斯かる混練のための配合水
を分割し、その特定範囲における一部を均等に細骨材へ
付着させてからセメントを添加して1次混練し、あるい
はセメントを適当な量の水の添加された状態で混合して
から砂を添加して1次混練し、次いで残部の水を加えて
2次混練することにより、ブレージングや分離が少く、
しかもワーカビリティにおいて優れた混練物を得しめ、
又それによって得られる成形体の強度その他を同じ配合
条件において相当に高めることのできる有利な技術を開
発し業界の好評を得ているが、そうした新技術を採用し
ても細骨材が異なることによって具体的に得られた混練
物における前記したような諸効果の程度が種々に異った
ものとなる。
【0009】このような課題を解決すべく本発明者等に
よって提案された前記先願技術においては、粒子表面に
おける吸着液と、そうでないものとを区分するだけでな
く、その吸着液に関して定量的な解明を図るものであっ
て、頗る有効な手法と言える。然し、この技術に関して
具体的な測定をなし、その結果を用いてコンクリートや
モルタルの調整をなした多数の結果について仔細を検討
したところ、夫々のモルタルやコンクリートなどの調整
において、なおそれなりの的確性を有し得ない傾向が認
められた。即ちこれらの実験結果によると、細骨材のよ
うな骨材類と粉体間の相互干渉性(セメントと骨材間の
なじみ)および骨材(細骨材を含む)の制御を確保する
ことが容易でない。つまりこれら資材の表面粗度、材
質、形状、表面吸着力等は、従来のJIS規定などで解
明できない骨材の性質がコンクリートやモルタルの分離
ブリージング性、ワーカビリティ、圧送性、締固め性な
どに大きく関与しているものと推定されるが、このよう
な関係を的確に解明し、合理的な混練物を得るための精
度向上が一段と望まれている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は上記したような
実情に鑑み検討を重ねて創案されたものであって、この
種混合物(モルタルなど)におけるフロー値の2乗は水
セメント比(W/C)に比例し、しかもこの関係は砂セ
メント比(S/C)一定の条件下において法則性を有す
ることを確認し、更に一定のS/Cと求められる流動性
に対し最小水量となる配合、あるいは一定のW/Cと求
められる流動性に対し最小セメント量となる配合の如き
が予測し得ること、等流動を示すW/CとS/Cの関係
が二次式として精度高く求め得ることの如きを知見し、
加うるにこれらの結果から等流動統一配合系混合物につ
いての解析を重ね、その配合と流動性に関する法則性の
如き具体的材料の特性値により混合物についての実験を
必要とせずに流動性の特定された配合予測値を求めるこ
とに成功したものであって、以下の如くである。
【0011】(1) 粉体、粒体および水よりなる混合物を
調整するに当り、それら粉体と水による粉体、水比を変
化させた複数個の各混合物について流動性をフローテー
ブルにより測定し、これら測定値の相互関係を二次式に
より求めて限界値を有する等流動統一配合系を決定し、
目的の流動性を有する前記混合物を該等流動統一配合系
中より選択することを特徴とする粉体、粒体および水よ
りなる混合物の配合または調整法。
【0012】(2) 粉体、粒体および水により混合物を調
整するに当り、等流動で粉体・粒体比を一定とした配合
系において、前記粒体の水中最密充填単位容積により該
粒体の体積分を差引いた空隙自由水率を上記粒体の相対
総表面積で除算した粒体の自由水平均膜厚さと、該混合
物中の基本流動水を前記粒体の微粒分体積で除算した微
粒分体積濃度とにおいて成立する原点を通る直線比例関
係を利用し該粒体のもつ固有の特性値および前記粉体ペ
ーストの流動特性値により前記混合物の流動性、強度に
ついての物性を予測し、該混合物の配合条件を決定する
ことを特徴とする粉体、粒体および水よりなる混合物の
配合および調整法。
【0013】(3) 前記(1) 項または(2) 項に記載の混合
物の配合または調整をなすに当り、その粒状物として砂
利その他の塊状体をも添加混合することを特徴とする粉
体、粒体および水よりなる混合物の配合または調整法。
【0014】(4) 前記(1) 項ないし(3) 項に記載の混合
物の配合または調整をなすに当り、その粉体、粒体比を
それぞれ変化させた複数個の各混合物を得るために同じ
粉体、水比を得る水を分割し、その一部を添加して1次
混合してから残部を添加して2次混合することを特徴と
する粉体、粒体および水よりなる混合物の配合または調
整法。
【0015】
【作用】粉体、粒体および水よりなる混合物を調整する
に当り、粉体と水による粉体、水比を変化させた複数個
の混合物における流動性をフローテーブルにより測定
し、これら測定値の相互関係を二次式により求めること
により限界値を有する等流動配合系を決定する。
【0016】上記したような等流動統一配合系により目
的の流動性をもった混合物を適宜に選択し調整せしめ
る。
【0017】前記のように等流動で粉体、粒体比を一定
とした配合系において、粒体の水中最密充填単位容積よ
り該粒体の体積分を差引いた実質的な空隙自由水率を上
記粒体の相対総表面積で除算した粒体の平均水厚さと該
混合物中の基本流動水を前記粒体の微粉分体積で除算し
た微粒分体積濃度とにおいて成立する直線的比例関係が
得られる。
【0018】該直線的比例関係を利用し該粒体のもつ固
有の特性値と粉体ペーストの流動性により等流動統一配
合系の二次式における各係数が求められ、これらによっ
て目的混合物の流動性、強度についての物性を予測せし
め、このような予測により該混合物の配合条件を決定さ
せる。
【0019】粒状物として砂利その他の塊状体をも添加
混合物することによりコンクリートに関しても上記関係
により配合条件を決定させる。
【0020】粉体、粒体比を変化させた複数個の各混合
物を得るために同じ粉体、水比を得る水を分割し、その
一部による1次混合してから残部を添加した2次混合を
なすことにより物性的に優れた混合物を調整する分割練
りに関しても該混合物の配合条件を有利に決定せしめ
る。
【0021】
【実施例】上記したような本発明について更に説明する
と、本発明者等は上述したような砂の如き粒体、セメン
トのような粉体および水から成る混合物について、その
配合、混練によって得られる混合物ないし該混合物によ
って成形された製品の特性などを的確に予測し、その適
切な配合設計を決定しあるいは計画配合条件を解析して
合理的な混合物を企画ないし調整し、更には具体的製品
を得ること(以下これらを総合して調整法という)につ
いて多くの実地的検討を重ねると共に推考を重ねた。
【0022】即ちこのような混合物に関しては従来から
各方面において多くの検討、研究がなされ、示方配合、
現場配合などに関し土木学会やJIS規格などに種々の
規定ないし標準示方が示されてはいるが、上限または下
限を規定し、或いは充分な安全性を採ってそれなりに広
い範囲を規定するものであって、結局は試し練りによっ
て決定すべきこととなることは上述の如くで、各種文献
にも記載されている通りである。然しこの試し練りによ
るときの困難さ、不合理さは前述のように明確である。
【0023】本発明者はこのような実情を打開すること
によついて検討した結果、上述のような天然または人工
の各種砂や粒状スラグ、それら砂の基準的粒度組成を有
するように調整されたガラス玉その他の粒体とセメント
などの粉体および水を用いた混合物に関して、該混合物
における骨格的組織ないし機能を果す細骨材、即ち前記
粒体の実態を解明すべく、準備した細骨材は次の表1に
示すような山砂(A) 、川砂(B) 、砕砂(C) 、川砂(D) 、
山砂(E) およびこの砕砂(F) から0.6mm以下をカットし
た砕砂(F) 0.6とガラス球砂の8種であり、これらの各
細骨材についてJIS規定による物性は次の表1におい
てそれぞれ示す通りのものである。
【0024】
【表1】
【0025】又これらの細骨材について、見掛比重、絶
乾嵩比重S max および水中での単位容積重量(嵩比重:
以下単重という)、Sw maxおよび絶乾空隙率εD 、水中
での空隙率εW と実質的な空隙率εβ〔εβ=(1−Sw
max/ρSD+Sw max・β/100)/1000)×10
0(但しβは細骨材についての限界相対吸着水率)〕は
次の表2に示す如くである。
【0026】
【数1】
【0027】
【表2】
【0028】然して上記したような各細骨材を用い、モ
ルタルを混練調整したものについて、用いた粉体のみに
よるペースト(S/C=0)と共に、その流動性(FL
値)を測定した結果は、砂セメント比(S/C)が低い
ものにおいてはW/Cが高まるに従い流動性が略整然と
上昇するものであるのに対し、S/Cが5以上となると
その上昇状態が乱れることが確認された。即ち一例とし
て前記した表1、表2の砕砂(C) を用いて調整したペー
スト(S/C=0)およびモルタル(S/C=1〜6)
についてのW/CとFL値との関係を要約して示してい
るのが図1であって、S/C=3までのものは全く整然
とした上昇関係を示すものであるのに対し、S/C=4
のものにおいては若干の乱れが認められ、S/C=6の
ものにあっては相当に乱れ、整然たる曲線を求めること
ができないことが知られた。
【0029】又この図1に示した結果について、その縦
軸のFL値を展開面積としたSFL(cm2 )とし、各S
/Cにおける実測回帰とW/C=A0 +A1 ・SFL、
0=B0 +B1 ・(S/C)、A1 =C0 ・e
(Cl.S/C)による回帰係数より求めた計算値との関係をB
1 ・(S/C)=3.92として示したのが図2のモルタ
ル流動状態図であって、前記のように縦軸がモルタルの
フロー面積SFLとし、W/Cを横軸にとり、実測値を
プロットした後各S/Cを直線で結んだものである。即
ちこの図2によれば縦軸がフロー面積SFLとされたこ
とにより図表上直線として示すことができるが、この図
2においては実測値による結果と計算値による結果との
間にずれが生ずることはS/C=1.96、S/C=2.9
4の何れの場合においても明かである。即ち計算値によ
る予測線の勾配が決定するA1 項は略一致するものと言
えるが、SFL=0の点におけるW/C値を決定するA
0 項が各S/Cにおいて異っている。
【0030】そこで前述した(A) 〜(C) の各細骨材につ
いて普通ポルトランドセメントを用いた場合と、中庸熱
セメントにフライアッシュを加えたものにより実測によ
って求めた実測回帰式線(図2における点線の場合)の
0 の値(AOJ)と任意の実測値4点(S/C=0.98
と3.92のW/CとSFLの値各2点宛)から予測した
0 の値(AOK)との比率を下記にする補正比率で算出
し、S/Cとの関係で示すと図3の如くなる。
【0031】
【数2】
【0032】然して実測値の内のS/C=0.98および
3.92の任意の2点づつのW/CとSFLの値(合計4
点)を用い、上記混合物(砕砂モルタル)に対する係数
0、B1 、C0 、C1 を求めて上式のA0 、A1 を算
出して式を決定し、予測線を描くと図2中の破線とな
り、S/C=1.96、2.94、5.88の実測との間のず
れが若干認められる結果となった。
【0033】同様に表1、表2の山砂A、川砂Bおよび
砕砂Cを用いた各混合物(モルタル)について同様に計
算し、実測値と予測線のずれ度合(補正比率)を各S/
C毎にプロットしたものが図3であるが、統一的でな
い。即ち各S/Cによって補正比率が変化し、特にS/
C=6付近においては変化の様相が異ると共に、用いた
細骨材および粉体の如何によっても相当にばらつくもの
である。
【0034】そこで、前記した細骨材Cについて、等流
動性、即ち等フロー値(FL)またはそれから求められ
る等フロー面積(SFL)を示す各S/CにおけるW/
Cの値をプロットしたものが図4であり、その関係は何
れの等フロー値(FL)または等フロー面積(SFL)
に関してもS/Cの2次式であることが判明し、一般式
は次のように表わすことができる。
【0035】
【数3】
【0036】つまり、上記した(2) 式によるときは、ペ
ーストを含む数種類のモルタルのS/CとW/Cを変化
させた試料をフロー試験により流動性を測定し、これに
より実験係数を決定すれば一定範囲内のすべての配合の
フロー値が精度よく予測できる。
【0037】然してこの図4においてはS/C=4まで
は略整然とした関係を示すがS/Cが5.88と6に近い
ものにおいては外れたものとなる。又このような結果を
前記した図2の場合と同様に縦軸をSFL(cm2 )と
し、2次回帰式より求めた値と各S/Cにおける実測回
帰の関係(W/Cの一般式は上記と同じ)は図5の如く
であって、S/C=0〜4の範囲では2次回帰式による
計算値と実測回帰の値が略整合するものの、S/C=5.
88の場合にはやはり若干ずれたものとなる。なおこの
図5における破線は、実測値のうちS/C=0.98およ
び3.92の任意の2点づつのW/CとSFLの値(S/
C=0の場合も含めて6点)を用い、係数K00、K10
11、K02、K12を求め、上記した(2)式の係数A0
1 、A2 を算出し、式を決定して求めた予測線であ
り、実測線と略整合する。
【0038】更にこの図5に示した場合と同様に、その
細骨材としては前記した表1、表2の細骨材(B) を用い
た混合物については図6に示す如くであって、図5と同
様であるが、ずれた状態はそれなりに異ったものであ
る。即ちこれら図5、図6の状態は前述した図2の状態
よりもずれの状態は少くなるが、S/Cが6程度となる
と、どうしてもずれたものとなることが知られた。
【0039】又前記した図6までのものは何れも従来か
ら一般的に採用されている一括練りの場合であるが、こ
れらとは別に本発明者側において開発した分割練方式
(配合水を1次、2次に分割し、1次水に細骨材に対し
均等状に付着せしめた後にセメント粉を添加混合して造
殻せしめてから2次水を添加して再び混合する方式)に
よって前記した表1、表2の細骨材(D) を用いて調整し
た結果を要約して示しているのが図7であって、この場
合にはS/C=5.76と6に近い場合においても殆んど
整合した関係となるものである。
【0040】更にこれら図5〜図7のものとは別の砕砂
を用い、プレーンモルタルと減水剤添加モルタルについ
て、同様に実測し、SFLとW/Cの関係を示したのが
図8であり、この場合においてもS/Cが0〜4の範囲
において何れも略整合した関係をなすことは明らかであ
って、添加剤によっても変動を来すものでないことが確
認された。なおこの図8における上下の1点鎖線はJI
S規定によるフローテーブルでの測定限界を示すもので
ある。
【0041】前記したプレーンまたは減水剤入り、ある
いは一括練り、分割練りに関する図5〜図8のような関
係は等流動性を有するS/CとW/Cとの間において2
次式の関係となることが明らかであり、従って等流動性
の配合値が予測算出でき、図9、図10のような等流動
配合状態図を作成することができる。
【0042】つまり、上記したような混合物(モルタ
ル)について本発明者等により的確な解明をなすべき採
用したこの等流動配合状態図は図9、図10に示す如く
であって、モルタルの単位体積当りの水W、セメント
C、細骨材Sの各容積量を、セメントペースト(C+
W:図示左端の位置)から次第に細骨材を多くして細骨
材のみ(図示右端)の水中単位容積量まで、全ての配合
量を図示することができる。すなわち、横軸に細骨材の
粒子間隔である、ゆるみ率ΨS を、縦軸に細骨材・セメ
ント・水の絶対容積を採ったものである。各材料の1m
3 当りに占める容積量(リットル/m3 )と、混合物中
に含まれる細骨材の絶乾重量を Sw max で除した値を1
から差引いた値ΨS (ゆるみ率)との関係で示したもの
であって、緩み率ΨS は次の(3) 式のように表わすこと
ができる。
【0043】
【数4】
【0044】前記した図9にはJIS規定によるフロー
での測定下限であるフロー値(FL)が100mmのセメ
ントペーストを基準としたモルタルの等流動配合状態図
を示すが、このFL100の場合、セメント量(C)は
約610リットル、水(W)は約390リットルの点が
原点(P100)となることが示されている。このC:
610リットル、W:390リットルの点は、前述した
モルタル流動状態図のセメントペーストのフロー面積
(SFL)とW/Cの理論値より求めたフロー値100mm
の点に相当し、W/C約20%を示している。この点
は、遠心力試験においてセメントペーストを約200G
の遠心力で脱水した時の含水率に相当し、粉体を媒体と
した細骨材の遠心力試験における細骨材の吸着水率で一
定となる約200Gの点とほぼ一致している。したがっ
て、この点をセメントの拘束する吸着水率αの原点と考
え、セメントの限界吸着水率α0 とすることができる。
【0045】このような図9に対し、図10はフロー値
が300mmのセメントペーストを基準としたモルタルの
等流動配合状態図を示し、この図10の状態図における
ペーストは、ポルトランドセメント量(C)が約410
リットル、水量(W)が約590リットルの点が原点P
300となることを示している。このC:410リット
ル、W:590リットルの点は、W/C約45%の点で
あり、一般的なフローテーブルの測定上限300mmの限
界点を示している理論配合値である。また、W/C約4
5%のペーストは普通のポルトランドセメントの配合限
界点であると思われる。すなわち、ペーストのW/Cを
大きくして行くとブリージング率は次第に大きくなり、
内部ブリージング試験によれば、W/Cが約45%にな
ると、これ以上加水しても投入した水は殆どブリージン
グ水となり、W/C約45%付近がポルトランドセメン
トの保水限界と考えられる。
【0046】以上のような結果として、流動性および保
水の関係からポルトセメントペーストは20〜45%の
範囲で統一的な流動性を持っているものと認められる。
また、前述した図5〜8のモルタルの流動状態図よりセ
メントペーストの流動性SFLとW/Cの関係はセメン
トペーストの流動勾配をαF とすれば下式のようにな
る。
【0047】
【数5】
【0048】細骨材の配合状態については、前記した図
9、図10において、Ψs が0(図示上右端)は新たに
知見された細骨材の定量特性値を示すものであり、各記
号については以下の如くである。
【0049】
【数6】
【0050】前記した図9の等流動モルタル配合状態図
において、モルタルの流動状態図より2次式によって求
められたFL100の等流動配合量をW/CとS/Cよ
り求めて各材料の配合量を表わしたが以下の如くであ
る。
【0051】1) 細骨材(S)は、S/Cが大きくなる
に伴いΨs 100(即ち細骨材量0でセメントのみ)の
容積量0点からΨs 0線上のSw max の点に向けて直線
状に変化する。また、(β)、(β1im )、(Q0 )、
1v量もこれに比例して変化する。
【0052】2) セメント量CK は、S/Cが大きくな
るに従い図示左端のΨs 100線上におけるFL100
の点(P100)から、右端下部Ψs 0・細骨材Sが0
の点に向けて曲線を描き、セメント量最低点を形成し、
この細骨材の統一配合における限界配合ライン(1)に
達する。
【0053】3) 固体量(Cv +Sv )は、上記した点
P100よりS/Cが大きくなるに従い曲線を描き、最
大(Cv +Sv )値、すなわち、単位水量最低点を経た
後、急激に曲率を変化させて減少し、既述の配合限界ラ
イン(1)に達する。
【0054】4) 前記した図9の等流動FL 100の
配合状態において、点P100から出発する100(S
v +Cv )曲線の上部が等流動を付与するために必要な
単位水量である。
【0055】従来では一定W/Cのセメントペーストに
乾いた状態の細骨材が混合された場合、細骨材にペース
ト中の流動に必要な水が吸収されるため、流動性が悪く
なることから吸水率の概念があり、したがって細骨材が
固有しているその吸水率(JIS吸水率)を求めるの
に、表乾状態の細骨材を準備し、フローコーンによって
測定すると共に絶乾状態の測定をもなし、それらの差か
ら得るようにしている。また、等流動モルタルの単位水
量の変化に関しては、定量的な理論は未だ確立されてい
ない現状にある。
【0056】これに対し前記したFL100の等流動配
合状態図である図9によれば、配合水の働きを分類して
下記の如く定量的に特定できる。
【0057】
【数7】
【0058】以上のような関係となり、等流動モルタル
には従来の概念に無かった「基本流動水(細骨材の自由
水)」が存在し、この基本流動水の程度が該モルタルの
物性、特にワーカビリテーなどに関して決定的な地位を
有することが知られた。
【0059】図10のフロー300の等流動配合状態図
によれば、セメントペーストは、Ψs 100、FL30
0の点P・300を基点として300・CV および30
0(Cv +Sv )の各曲線は前述した図12のP・10
0を基点とした各曲線にほぼ並行しているが単位セメン
ト量最低点および単位水量最低点〔配合限界ライン
(2)・・・・(2)〕は、Ψs の大きい方にずれている。
【0060】また、セメントの拘束する限界吸着水α0
・C300 は、フロー100の限界吸着水α0 ・C100
線にほぼ並行して図表上その下部に存在する。この曲線
α0・C300 と、300(Cv +Sv )線に囲まれた水
量CFWはモルタル中のセメントペーストの流動性を決定
し、モルタルのフロー値を形成する単位水量である。
【0061】したがって、各配合における単位体積の各
材料は下記のとおりとなる。
【0062】
【数8】
【0063】流動に必要な単位水量を自由水WF とすれ
ば、
【0064】
【数9】
【0065】となり、自由水WF は粉体の性質によって
定まるペーストの自由水CFW、と細骨材の物理的性質に
よって定まる細骨材の自由水(基本流動水)SFWの和と
なり、流動性、ブリージング等モルタルの物性を的確に
判断せしめる。
【0066】細骨材の吸着水状態については整然たる関
係が確認される。即ちよく分散した絶乾細骨材を用い、
細骨材・粉体比を変化させた一定の水・粉体比を有する
モルタルを所定の脱水処理条件で脱水した後のモルタル
の保水率は処理条件の何れであっても一定の整然たる関
係を採ることが確認された。
【0067】即ち、1例として粗粒率が2.40で、吸水
率Qが1.03%、実積率67.9%の砕砂を用い、上記の
ように一定の水・粉体比によるモルタルを各種調整し、
遠心力法、圧力差法および内部ブリージング法による脱
水処理をなした結果を、該モルタルの保水率WZ /Cを
縦軸に採り、横軸にS/Cを採ってプロットしたのが図
11であって、何れの脱水処理によるものも整然とした
角度θ1 、θ2 、θ3による直線勾配が得られる。この
勾配は細骨材の表面が拘束する吸着水であるから細骨材
の相対吸着水率βA とする。
【0068】即ち、前記βA は、同一骨材であっても、
粉体の材質、比表面積、脱水強さなどによって変化する
が、一定条件下で法則性を有する。例えば遠心力脱水の
場合、約200G以上、10分以上では遠心力強さ、処
理時間の如何に拘わらずβAは略一定となり、圧力差法
においても0.5kg/cm2 以上の圧力差で15分以上の処
理時間を採った場合には略一定状態となる。同様に内部
ブリージング法においては1.5時間以上で略一定とな
る。
【0069】前記図1の場合は遠心力法が438G、3
0分、圧力差法が0.6kg/cm2 で20分間、内部ブリー
ジング法は2時間の結果によるものであるが、前記
θ1 、θ2 、θ3 による相関係数は遠心力法と圧力差法
が何れも0.993、内部ブリージング法は0.982であ
って、何れも充分に措信し得るものであることが確認さ
れた。即ちこのような何れかの方法を適宜に採用して前
記βA を求めるものである。
【0070】細骨材の前記したような吸着水状態図は良
く分散させた細骨材を篩分けて数種類のF.Mの異なる
試料を作成し、更に各試料ごとに限界吸着水率βを測定
し、これを縦軸となし、また、各試料を篩分けて各篩目
ごとに試料の表面積を球として計算したもの(Sm)の総
和を横軸に採って図12のように図表化することができ
る。これによれば表面積(Sm)の大きいもの程βは直線
的に大きくなり、また、表面積0のY折片の所でも一定
量のβ値となり、この点が細骨材内部の吸水率を示すも
ので、これを開孔内部吸水率Q0 (従来のJIS吸水率
に相当する)とする。このときのtan θは細骨材の形状
係数βK である。したがって
【0071】
【数10】
【0072】の関係がある。このβ1im は表面吸着水で
あって従来なかった概念であり、細骨材が拘束する表面
吸着水である。
【0073】細骨材の相対総表面積は、開孔内部吸水率
0 が細骨材体積の中に入ると考え、Sm は前述のよう
に篩分けした細骨材を球としてみなして求めた表面積で
あるが、ここで岩石の組成に関する吸着水はQ0 中に入
ると考え、細骨材の表面に吸着する限界表面吸着水の厚
さを一定とすると、表面吸着水率β1im は材質に関係な
く細骨材の表面積に比例する。したがって、表面吸着率
β1im の3乗根は限界表面吸着水厚さとなる。
【0074】また、真球に近い硝子球の表面積を既知と
し表面吸着水率を測定すると、この3乗根は限界表面吸
着水厚さとなる。したがって、篩分けをした細骨材を球
と見なした表面積Sm と同様のSm を有する硝子球の表
面積を標準表面積とすれば、両者の間には
【0075】
【数11】
【0076】の関係がある。SmHは、細骨材の単位容積
当りの相対総表面積である。本実施例では、標準表面積
のβK を0.001として計算した。
【0077】本発明者等は粗粒率F.Mが1.53から
3.5、空隙率が32.7から40.7の範囲にある、砕砂お
よび川砂の10数種類による、水中最密単位容積重量試
験等、各種細骨材試験およびポルトランドセメントを
粉体とした遠心力による、各吸着状態図作成試験ならび
に同細骨材、セメントを使用したモルタルによる流動
状態図作成試験の結果として、各細骨材、モルタルの配
合状態を得、これを解析して次のような法則性を発見し
た。また、これら等を応用してモルタルの等流動統一配
合を予測できる技術を確立した。
【0078】(a) 細骨材とモルタル間には図13のよう
に流動法則性がある。即ち一定範囲の等流動モルタルに
おいて細骨材・セメント比が一定の場合「細骨材の自由
水平均膜厚rHβ(εβ/SmH)と、基本流動水微粒分
体積比(SFW/S1V)との間には、原点を通る直線比例
関係が存在し、下式のような流動係数δ0 を形成する。
という細骨材とモルタル間における流動法則性を知見し
た。
【0079】
【数12】
【0080】なお上式において、条件は以下の如くであ
る。 注 一定範囲の等流動モルタル;統一配合系のモルタ
ル、すなわち、2次式の範囲に入るモルタルで、次のも
のは範囲外と考える。 イ)、分離しているモルタル ロ)、細骨材とセメントペーストの間において科学反応
を生じているもの ハ)、フロー試験において質量が大きく15回落下時に
フロー面積に影響を及ぼすような比重の大きい細骨材 ニ)、著しく角張りが大きくフロー試験に影響を及ぼす
細骨材 等の範囲外のモルタルまたは材料に関しては、補正係数
を定めて使用できるもの、または全く範囲外の扱いとす
べきものがある。 注 細骨材の自由水平均膜厚rHβ(εβ/SmH
は、細骨材の水中最密充填より、該細骨材の体積と吸着
水βを差引いた、細骨材の空隙自由水率εβを、上記細
骨材の相対総表面積SmHで除した値。 注 基本流動水微粒分体積比(SFW/S1V)は、モル
タル中の自由水の一部であり、細骨材に係わる基本流動
水SFWを、該細骨材の吸着水βを含む微粒分体積S1v
除した値。(実施例では細骨材微粒分は0.15mm以下と
したが、)例えば0.1〜0.6mmを微粒分の最大径として
も略同様な結果が得られる。
【0081】前記したような流動係数δ0 は、前述した
図14などに明らかなようにフロー面積SFLと線形で
比例し、かつ、線形δF 及びKは砂およびセメントの表
面積に関して直線形で比例し、図15、図16の如く、
係数δm1・δm2・δm3・δm4が得られる。なおこれらの
図15、図16に示したものは普通ポルトランドセメン
トを用いた一括練りの場合であるが、その他のセメント
を用い、分割練りその他の混練方法を採用した場合にお
いても同様に得られる。
【0082】前記したような等流動配合状態図より10
00リットルのモルタルの各材料の量は以下のようにな
る。
【0083】
【数13】
【0084】即ち、これを展開、整理すると2次式とな
り、実験式と符号し、材料特性値のみで予測配合が決定
される。
【0085】なお、前記した図13に代え図17の様
に、相対総表面積を微粒分の表面積(SmH1 )として同
様な解析展開しても、該図17のY切片Aがある程度で
略同程度の予測配合が決定される。
【0086】本発明によるものの具体的な調整例につい
て説明すると、本発明者等が用いた細骨材の物性は次の
表3に示す如くである。
【0087】
【表3】
【0088】前記の砕砂および川砂と普通ポルトランド
セメントを用い、各種配合のモルタルを準備し、別に上
述したような本発明方法に従って理論計算して得られた
理論計算線を施した図表において、上記のように準備さ
れた各モルタルのSFLとW/C値との関係をプロット
したのが図18と図19および図20である。
【0089】即ち、図18は表3における砕砂を用いた
モルタルについてのものであるが、S/C=6以外のも
のはその実測値が何れも殆ど理論計算線に合致してお
り、従ってこのような図表により該砕砂とポルトランド
セメントによる如何なるモルタルに関しても、少なくと
もS/C=4までに関しては略的確にその特性を予測し
正確に目的のモルタルを得ることのできることが知られ
た。
【0090】又図19は前記した表3の川砂(C)を用
いたモルタルについて、図18の場合と同様に各種モル
タルを一括練りにより準備して得られた実測値を、理論
計算線の施された図表にプロットしたものであるが、こ
の場合においてもS/C=3までは略理論計算線に合致
した実測値が得られており、S/C=4のものにおいて
も殆ど理論計算線にそったものとなっていて、図18の
場合と同様に略的確な特性値の予測をなし得ることが知
られた。
【0091】更に図20は前記した表3の川砂(D)を
用いたモルタルについて、図18、19の場合と同様に
各種モルタルを一括練りにより準備して得られた実測値
を、理論計算線の施された図表にプロットしたものであ
るが、この場合においてはS/C=4までは略理論計算
線に合致した実測値が得られており、S/C=6のもの
以外は図18の場合と同様に略的確な特性値の予測をな
し得ることが知られた。
【0092】前記した表3の砕砂(B)を用い、これに
20mm以下の粗骨材(G)を配合し、普通ポルトランド
セメントと単位水量が最小となるS/C=2.75による
砂セメント比に従うと共にモルタル流動性が230mmと
なる水量によってコンクリートを調整した。得られたコ
ンクリートについてブリージング率を測定した結果は、
ΨG =50のものは2.90%、ΨG =40のものは1.9
9%、ΨG =30では1.50%であって、前記S/Cを
上記以外の1.0〜2.0あるいは3.0〜4.0としかつモル
タルの流動性を230mmとした比較例の場合のブリージ
ング率3.11〜4.78%に比すれば少なくとも2分の1
以下に低減し得ることが知られた。
【0093】上記のように砕砂(B)による等流動性を
有する単位水量最少S/Cが2.75であることが知ら
れ、これを採用することにより品質的に優れたコンクリ
ートが得られることが明らかになったので、具体的なコ
ンクリートとして必要な流動性(コンクリートフロー値
等)は前記のような単位水量最少S/CにおいてΨG
選ぶことにより適宜に得られる。即ちコンクリートフロ
ー値が500mmのコンクリートを得るためのΨG は46
%と求められ、このΨG によって実施したところブリー
ジング率が2.5%で施工性および耐久性の何れもが良好
なコンクリートを得ることができた。
【0094】又コンクリートフロー値が600mmである
ことを必要とする場合においても前記砕砂(B)による
等流動性をもった単位水量最少S/Cが2.75であるこ
とから、該S/C条件下で、前記コンクリートフロー値
600mmを得るためのΨG は約60%と特定されること
となり、このΨG 60%により実施したところブリージ
ング率は4.8%であって、施工性、耐久性の何れもが良
好であることを確認した。
【0095】更に前記したような砕砂(B)と粗骨材お
よび普通ポルトランドセメントによりコンクリートフロ
ー値が400mmのコンクリートを得る場合のΨG は31
%と求められ、このΨG によってコンクリートを調整し
たときにおいてはブリージング率が1.5%で施工性、耐
久性が該条件において最高状態であった。
【0096】即ちこれらのコンクリートに関する実施例
によるときは従来においては砂利:砂のバランスを決
め、この砂利:砂のバランスにおいて単位水量を変え、
コンクリートの流動性を選ぶことによって目的のコンク
リートを得ようとするものであるが、この場合において
は単位水量が目的の流動性に対して最少となるものでな
く、成程ブリージング率はΨG が高くなることによって
高い値を示すとしても同じΨG 条件下でのブリージング
率は一般的に本発明の場合の2〜2.5倍であって、必然
的に得られるコンクリートの品質(耐久性)が良好とな
らないのに対し本発明の場合においては常に施工性およ
びコンクリートの特性を解明予測し、この予測値に対す
る偏差も非常に少ないコンクリートを得しめることが確
認された。
【0097】
【発明の効果】以上説明したような本発明によるときは
セメント類などの粉体と砂その他の粒体および水よりな
るこの種混合物に関して的確な流動性その他の物性を予
測ないし制御せしめ、その配合設計や計画を適切に決定
し、与えられた条件下において常に最高状態の混合物を
調整し得るものであって、工業的にその効果の大きい発
明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】砕砂モルタルのW/Cとフロー値との関係を示
した図表である。
【図2】図1のものの回帰係数より求めた値と各S/C
における実測回帰のフロー面積との関係を示した図表で
ある。
【図3】配合関数式の補正比率とS/Cの関係を示した
図表である。
【図4】砕砂の等フローW/CとS/Cの関係を示した
図表である。
【図5】2次回帰式により求めた値と各S/Cにおける
実測回帰の関係を示した図表である。
【図6】2次回帰式により求めた値と各S/Cにおける
実測回帰の関係を一括練りの場合について示した図表で
ある。
【図7】図6と同じ関係を分割練りの場合について示し
た図表である。
【図8】プレーンおよび減水剤添加モルタルについての
流動状態図である。
【図9】フロー値100mmの場合の等流動統一配合系モ
ルタルの状態図である。
【図10】フロー値300mmの場合の図9と同様な等流
動統一配合系モルタルの状態図である。
【図11】WZ /CとS/Cの関係を示した図面であ
る。
【図12】細骨材の比表面積との関係における吸着状態
図である。
【図13】基本流動水微粒分体積比と自由水平均膜厚と
の関係を示した図表である。
【図14】各S/Cにおけるフロー面積(SFL)とδ
0 との関係を示した図表である。
【図15】係数KとS/Cの関係を示した図表である。
【図16】δF とS/Cの関係を示した図表である。
【図17】図13に代え相対総表面積を微粒分の表面積
として同様に解析した図表である。
【図18】砕砂を用いたモルタルの実測値と理論計算線
との関係を示した流動状態図である。
【図19】表3の川砂(C)を用いたモルタルの実測値
と理論計算線との関係を示した流動状態図である。
【図20】表3の川砂(D)を用いた各モルタルの一括
練りによる実測値と理論計算線との関係を示した図表で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小沢 一雅 東京都文京区本駒込3−5−7−701 (72)発明者 門倉 智 神奈川県横浜市港南区港南台4−5−24− 405

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粉体、粒体および水よりなる混合物を調
    整するに当り、それら粉体と水による粉体、水比を変化
    させた複数個の各混合物について流動性をフローテーブ
    ルにより測定し、これら測定値の相互関係を二次式によ
    り求めて限界値を有する等流動統一配合系を決定し、目
    的の流動性を有する前記混合物を該等流動統一配合系中
    より選択することを特徴とする粉体、粒体および水より
    なる混合物の配合または調整法。
  2. 【請求項2】 粉体、粒体および水により混合物を調整
    するに当り、等流動で粉体・粒体比を一定とした配合系
    において、前記粒体の水中最密充填単位容積より該粒体
    の体積分を差引いた空隙自由水率を上記粒体または微粒
    分の相対総表面積で除算した粒体の自由水平均膜厚さ
    と、該混合物中の基本流動水を前記粒体の微粒分体積で
    除算した微粒分体積比とにおいて成立する直線比例関係
    を利用し該粒体のもつ固有の特性値および前記粉体ペー
    ストの流動特性値により前記混合物の流動性、強度につ
    いての物性を予測し、該混合物の配合条件を決定するこ
    とを特徴とする粉体、粒体および水よりなる混合物の配
    合および調整法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の混合物の配合
    または調整をなすに当り、その粒状物として砂利その他
    の塊状体をも添加混合することを特徴とする粉体、粒体
    および水よりなる混合物の配合または調整法。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3に記載の混合物の配合
    または調整をなすに当り、その粉体、粒体比をそれぞれ
    変化させた複数個の各混合物を得るために同じ粉体、水
    比に得る水を分割し、その一部を添加して1次混合して
    から残部を添加して2次混合することを特徴とする粉
    体、粒体および水よりなる混合物の配合または調整法。
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