JP3191227B2 - 粉体と液体による非分離性混合物調整方法 - Google Patents

粉体と液体による非分離性混合物調整方法

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JP3191227B2 JP32256292A JP32256292A JP3191227B2 JP 3191227 B2 JP3191227 B2 JP 3191227B2 JP 32256292 A JP32256292 A JP 32256292A JP 32256292 A JP32256292 A JP 32256292A JP 3191227 B2 JP3191227 B2 JP 3191227B2
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靖郎 伊東
利雄 廣瀬
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  • Preparation Of Clay, And Manufacture Of Mixtures Containing Clay Or Cement (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明における用語の定義については以下
の如くである。
【0002】「スラリー化基点」: ペーストまたはモルタルにおける粉粒間の空隙が完全状
態に液体またはペーストで充満され施工に必要な流動性
を呈しはじめる配合状態。
【0003】「液体粉体分離発生基点」:上記のような
スラリー化基点から更に液体またはペーストが増加し、
静置または振動時に構成材料が分離を発生しはじめる配
合状態。
【0004】「一次回帰式の勾配値」:最少二乗法によ
り求められる一次式の係数の中で1変数量に対する原則
値の増加または減少を表す直線の勾配項。
【0005】「等流動統一配合系限界点」:同一のフロ
ー値のような流動性を有する砂セメント比の異なるモル
タル配合において、砂等の粒体が最大限に配合され単位
セメント量が最も少ない状態のモルタルとして使用でき
る限界の配合。
【0006】「弱拘束水膜(厚)」:モルタル中の砂の
自由水を砂の単位面積当たりの厚さで表現した数値。
【0007】「自由水平均膜(厚)」:砂自体の特性値
で、砂が水中で最大密度に締固められた状態の砂の単位
面積当たり平均水膜厚さ(εβ/smH )。
【0008】「砂の自由水」:モルタルの単位水量より
セメントの拘束水、自由水および砂の強拘束水を差し引
いた水量。
【0009】
【産業上の利用分野】本発明は粉体と液体による非分離
性混合物調整方法に係り、等流動モルタルの現象解析に
より得た知見を基に、セメント、フライアッシュ、スラ
グ等の粉体、細骨材中の微粒分および該微粒分を除いた
細骨材のそれぞれの表面がこれらと液体よりなる混練物
の品質に影響を及ぼしている固体の拘束水を細骨材の拘
束水膜厚などによって求め、前記拘束水と混練物より分
離されてしまう液体との境界から分離発生基点を求め、
その該分離発生基点と前記混練物のスラリー化基点との
範囲内において粉体、粒体および液体並びにこれらに適
宜塊状体を用いてなる混練物の配合を精度高く予測、決
定、調整し、更には与えられた材料条件下でより高品質
の混練物を得ようとするものである。
【0010】
【従来の技術】セメントなどの粉体を用い水のような液
体と混合したペースト、これに砂などの粒材をも配合し
たモルタル、更に砂利その他の粒状材をも配合したコン
クリートは今日における土木建築において不可欠の材料
であり、従ってこのような粉体と液体との混合物を調整
することについては従来から広く実施され、またその調
整法についても種々の技術が開発されている。
【0011】即ち、添加物、混合の程度、添加の順序な
どに関して各種の手法が提案され、それらの技術はセメ
ント自体についての開発などとも相俟ってそれなりの効
果を発揮し、得られる製品の強度その他の特性を向上し
つつある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このように
して得られたペースト、モルタルまたはコンクリートに
よる製品において、その品質が必ずしも安定したものと
ならないことは周知の如くであって、強度その他が相当
にばらついたものとなることは不可避である。従来にお
いてはこのようなばらつきは天然産出の砂などを用いる
ものであることからやむを得ないこととされ、あるいは
当り外れの如く理解されているが、このようなことは合
理性を有しないことは当然である。
【0013】前記したような品質的不安定、ばらつきは
例えば強度に関し、製品形態の大小に拘わらず、結果的
に保証し得るものは最低値であることから充分な安全性
を採って配合、混練その他の設計条件を決定することが
必要であって、ばらつきの大きいものではこの最低値が
相当に低いものとならざるを得ず、前記した配合などに
関する設計条件が相当に不利なものとならざるを得な
い。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は上記したような
従来技術における課題を解決することについて検討を重
ねた結果、前述したようなばらつきの主体は要するに前
記のような混合物における材料分離と言うことができ、
分離現象を有効解消して安定な混合物を得るための条件
として流動性良好スラリー化基点と液体粉体分離発生基
点の存することを確認し、これらの基点の範囲内におい
て混合物を調整することにより前記課題の有効な解消を
図ったものであって、以下の如くである。
【0015】 粉体と液体またはこれらに粒状材や塊
状材その他の添加物をも加えて混合物を調整するに当
り、該混合物における配合条件を変化させた複数の混合
物を準備し、それらの混合物を混合するミキサーの回転
数を順次変化させたときの攪拌トルクを測定し、該攪拌
トルクとミキサー回転数から得られる1次式の流動勾配
が液体粉体比との関係で求められる流動性良好スラリー
化基点および液体粉体の分離発生基点とを求め、これら
の流動性良好スラリー化基点と液体粉体分離発生基点と
の範囲内における配合条件により前記混合物の配合条件
を決定することを特徴とする粉体と液体による非分離性
混合物調整方法。
【0016】 複数の混合物を混合するミキサーとし
て攪拌手段が自転しながら公転するようにしたものを用
い、該ミキサーにおける自転数と公転数の積を積算回転
数として求め、該積算回転数をミキサー回転数とするこ
とを特徴とする前記に記載の粉体と液体による非分離
性混合物の調整方法。
【0017】 液体・粉体系におけるスラリー化基点
および分離発生基点からモルタルにおける細骨材の吸着
水を考慮したその液体・粉体・細骨材系固有の各細骨材
・粉体比毎の非分離性液体・粉体比の範囲を等流動統一
配合系限界点との関係で求め、該非分離性液体・粉体比
範囲内における配合条件で前記流体・粉体・細骨材系混
合物の配合条件を決定することを特徴とする粉体と液体
またはこれらと粒状材や塊状材その他の添加物による非
分離性混合物調整方法。
【0018】 細骨材中の微粉体を除いた粒体につい
ての弱拘束水膜厚を該細骨材の自由水平均膜厚から求
め、配合状態図における座標系よりその液体・粉体・細
骨材系固有の非分離限界配合範囲を求め、該非分離限界
配合範囲内における配合条件で前記細骨材を用いた液体
・粉体とによる配合条件を決定することを特徴とする粉
体と液体またはこれらと粒状材や塊状材その他の添加物
による非分離性混合物調整方法。
【0019】 液体・粉体系におけるスラリー化基点
および分離発生基点からモルタルにおける細骨材の吸着
水を考慮したその液体・粉体・細骨材系固有の各細骨材
・粉体比範囲を前記液体粉体比がそれぞれ変化した各混
合物を得るに当たり、目的の液体粉体比を得るための液
体量を分割し、その一部を混合して1次混合してから残
部を添加して2次混合することを特徴とする前記また
はの何れかに記載の粉体と液体またはこれらと粒状材
や塊状材その他の添加物による非分離性混合物の調整方
法。
【0020】
【作用】粉体と液体またはこれらに粒状材や塊状材その
他の添加物をも加えて混合物を調整するに当り、該混合
物における配合条件を変化させた複数の混合物を準備
し、それらの混合物を混合するミキサーの回転数を順次
変化させたときの攪拌トルクを測定し、該攪拌トルクと
ミキサー回転数から得られる1次式の流動勾配が液体粉
体比との関係を検討することにより流動性良好スラリー
化基点と液体粉体の分離発生基点とが求められる。
【0021】前記のようにして求められる流動性良好ス
ラリー化基点と液体粉体の分離発生基点との範囲内にお
ける配合条件により目的とする混合物の配合条件を選ぶ
ことにより流動性が良好で、しかも液体粉体の分離を殆
んど生じない混合物を得しめる。即ち型内や目的部分に
対して的確に打設施工でき、しかも液体粉体の分離が生
じないことからばらつきのない安定な製品成形体を得し
める。
【0022】混合のためのミキサーとして攪拌手段が自
転しながら公転するようにしたものを用いることにより
円筒状をなすミキサー容器内に投入された材料の全般に
対しできるだけ均等な攪拌状態を形成する。即ち公転す
ることにより攪拌手段がミキサー容器内の全般において
順次に位置せしめられることになり、しかもこのように
して順次に位置せしめられる夫々の位置において攪拌手
段が自転することにより目的の混合状態を均一状に形成
する。
【0023】
【実施例】上記したような本発明によるものについて、
その仔細を説明すると、本発明者等は粉体の代表として
粉状の普通ポルトランドセメントを用い、また液体とし
て代表的に水を用い、それらの水セメント比(W/C)
を種々に変化させた次の表1に示すような各混合物につ
いて、その攪拌羽根が次の表2に示すような条件で公転
しながら自転する円筒型ミキサーで混合した。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】然して上記のようなミキサーにおける回転
数としては、その公転および自転の何れもが攪拌に寄与
するものであることは明かであることからして自転速度
に公転速度を乗じた積算回転数を採用し、この積算回転
数を順次に変化させたときの攪拌トルク(電流値)を測
定した結果は前記表1の如くであるが、このような測定
結果の中で代表的にW/Cが26%、28%、30%お
よび32%のときの攪拌トルクとミキサー回転速度(前
記積算回転数)の関係は図1の如くなる。
【0027】ところで、この図1のような関係から求め
られる1次式中の勾配項の値を前述した表1の結果につ
いてW/Cとの関係で整理し図示すると図2の如くな
る。即ちこの図2に示されるようにW/Cが28%から
次第に上昇することによって流動勾配が、特にW/Cが
30%以上で急激に低下し、同様に測定した水のみの流
動勾配線e──eに近接してこの場合にはW/C=32
%前後のA点に達するが、このA点からは流動勾配が横
這い状態となる傾向を示すことが知られた。
【0028】また、前記A点経過後において横這い状態
となった勾配は再び低下してW/C=37%付近で前記
水のみの流動勾配線e──e以下における反転B点を示
し、このB点よりW/Cが上昇するならば水を用いた場
合の流動勾配線e──eを若干上廻る位置で横這い状態
を示すことを確認した。
【0029】即ち、上記のように水粉体比(W/C)を
順次に変化せしめた混合物の混合時において求められる
前記A点は粉体ペーストが流動性を次第に良好スラリー
化した基点と言うことができ、これに対し前記B点とこ
のペーストにおける材料が水の増加に伴って分離現象を
発生し始める基点とみることができる。従ってこのよう
なセメントペーストの調整時においてはこのような流動
性良好スラリー化基点Aと分離現象発生基点Bの範囲内
とすることにより流動性が良好で、しかも分離を発生す
ることのないペーストが得られるものと推定され、事実
多くの実地検討によってもこのことが確認された。
【0030】なお前記した図2のものは粉体の代表とし
て普通ポルトランドセメントを用いた場合であるが、普
通ポルトランドセメント以外の各種セメントについて上
記同様にスラリー化基点Aおよび分離発生基点BをW/
C値として求めた結果は次の表3の如くであって、セメ
ントの性状が異なってもそれぞれ同様な関係が成立する
ものであることを確認した。
【0031】
【表3】
【0032】前記した図2や表3のものはセメント単味
によるペーストの場合であるが、本発明者等が別に検討
したセメント単味以外の場合においても上述したところ
と同様な流動性良好スラリー化基点および分離現象発生
基点は粉体の種類または混和剤の添加量または種類の如
何によって変化するとしても略同様に求めることができ
る。
【0033】即ち、図3は前記したような図1、図2の
場合のプレーン値3200の普通ポルトランドセメント
の一部をプレーン値4000の高炉スラグに代えた場合
を示すものであって、セメント単味の場合の同図(a)
のものに対しその30%をスラグに変えた場合には同図
(b)のようになり、また50%をスラグとした場合は
同図(c)、更に70%をスラグとした場合は同図
(d)のようになるが、そうした何れの場合においても
スラリー化基点Aおよび分離現象発生基点Bを求めるこ
とができる。
【0034】また、図4は高性能減水剤マイテイを添加
した場合を示すもので、同図(a)の普通セメントによ
るプレーンペーストに対し、同図(b)はマイテイを1
%添加した場合、同図(c)はマイテイ2%添加、同図
(d)はマイテイ3%添加の場合を示すものであるが、
それらの何れの場合においてもスラリー化基点Aおよび
分離現象発生基点Bを求め得ることは図示の通りであ
る。
【0035】また、本発明者等は前記のようにして求め
られる流動性良好スラリー化基点Aおよび分離現象発生
基点Bを用いてモルタルなどの流動性が保持され、しか
も分離を発生しない限界的配合範囲を求めることについ
て検討した。即ち細骨材としてM砂を用いたモルタルの
水セメント比(W/C)と砂セメント比(S/C)との
関係は図5に示す如くであって、この図5においてαB
は砂の有している水であり、α0 はその中の強く粉体に
吸着された遠心力試験によって求められる水量、α1
軽度の附着水であって、それらα0 とα1 の合計された
ものが前記αBである。なお粉体ペーストが最小フロー
(FL=100mm)となるW/Cが粉体の強拘束水α0
となり、αB−α0 =α1 であることは図示の如くであ
る。
【0036】然して前記したような図1〜図2における
M砂を用いた基点Aおよび基点Bは普通ポルトランドセ
メントペーストの場合であるから図5においてS/C=
0の縦軸上において図示のように求められ、これらのA
点、B点と統一配合系限界点との間の範囲が適当な流動
性を有し、しかも分離を発生しない限界配合範囲とな
り、B点と前記限界点を結ぶ直線と前記砂の保有する水
αBとはθの角度を採っている。
【0037】このようなM砂と普通ポルトランドセメン
トを用いたものに対して、別にA〜F砂を用い、同じく
普通ポルトランドセメントを用いた従来一般の一括練り
の場合における等流動統一配合系限界点は次の表4の如
くである。
【0038】
【表4】
【0039】また前記表4の場合と同じA〜F砂を用い
ると共に普通ポルトランドセメントを用いて本発明者等
の開発した分割練り方式(配合を1次と2次に分割し、
1次水として限定された配合水量で混合してから残部配
合水を添加して2次混合する方式)で混練したときの等
流動統一配合系限界点は次の表5の如くであって、表4
と比較して検討することによって明らかなように分割練
り方式の方が有利であることが確認された。なお、この
ような分割練りによるモルタルと一括練りモルタルにつ
いての流動性を前記したM砂とフライアッシュセメント
を用いた場合について要約すると図16の如くであっ
て、分割練りの方が少ないW/Cにより優れた流動性を
示し、有利な混練方法であることは明らかである。
【0040】
【表5】
【0041】また上記のようにして求められた図5の限
界的配合範囲を別に図6として示す流動状態図座標にお
いて各S/C(砂・粉体比)におけるW/C(水粉体
比)とフロー面積の関係において求めると図示のような
太い1点鎖線の範囲となり、このような2曲線で囲まれ
た範囲の配合がモルタルの限界配合範囲となる。
【0042】なお上記のようなモルタルに用いられる砂
においてはそれなりの微粒粉体が附着含有することは不
可避であり、このような微粒粉体(S1 )として0.15
mm以下の微粒粉体が含有する水量の変化に伴う流動性を
フローテーブルによって測定し、それらを水・微粒粉体
比(W/S1 )とフロー面積の座標上で見ると図7のよ
うになり、水・微粒粉体比が30%の域よりずれること
により分離を生ずる。
【0043】即ち水・微粒粉体比が30%以上の域にお
いては分離を生じ、このように分離の生ずるW/S1
30%以下では微粉粉体の弱拘束水率となる。
【0044】砂の界面に拘束される弱拘束水より前記し
たような砂の微粒粉体S1 の弱拘束水を差引いて求めら
れる砂粒体(前記0.15mm以上の砂粒体)の弱拘束水を
該砂粒体の比表面積で除算し、これを弱拘束水膜厚ts0
とすると、この弱拘束水膜厚ts0は砂粒体の自由水平均
膜厚γHβL (εβL /Sm 0 )と係数A、B、Cに
よる2次式で求められることは図8に示す通りであり、
この2次式の係数A、B、Cは砂の角張り等の形状、使
用する粉体の種類や混和剤の有為などによって変るもの
である。
【0045】然して砂微粉体の弱拘束水膜厚tsfは、砂
微粉体の性質が砂の種類に拘わらず同一として扱うこと
ができるものであるから略一定値となる。セメント等の
粉体についての弱拘束水膜tcは前記した攪拌トルクお
よびペーストのフロー測定等の試験によって求められ
る。
【0046】即ち、砂粒体の弱拘束水膜ts0と、試験で
求めた使用粉体(セメント等)の弱拘束水膜厚(tc)
および定数値である砂微粒粉体の弱拘束水量、強拘束水
量をM砂に関して図式化すれば図9の如くなり、限界と
なる配合が容易に予測決定される。
【0047】上記した図9の関係はM砂についてのもの
であるが、斯かる関係はその他の細骨材についても同様
に求めることができ、例えば前記したA〜F砂について
それらの特性値より水中実質空隙膜率(γH βL)が得ら
れ、該γH βL より粉体分弱拘束水膜厚(tso)が求め
られ、このtso値より図9の分離発生基点を求める状態
図上の交点のΨβ値が次の表6のように得られる。
【0048】
【表6】
【0049】然して具体的に前記A、B、E砂について
前記図9と同様に得られた限界配合状態図(計算値)を
作成すると共に実際に混練物を調整してその分離発生基
点の配合条件を求めた結果をこの限界配合状態図にプロ
ットすると図10〜図12の▲点の如くであった。
【0050】即ちこれら図10〜図12によるときは計
算でもとめられた予測値と実際に混練物を調整して求め
られた測定値との間に殆どずれがないことになり、本発
明によって精度の高い予測が得られることが明らかであ
る。
【0051】また、上記のような本発明によるものはす
べて数式化することができると共に電算機によって計算
操作するに適したものであることが明らかであって、混
練物構成材料の特性値をインプットする程度で目的の分
離発生基点を求めることができ、更に該混練物のスラリ
ー化基点を求めることができる。即ちこれらにより夫々
の混練物における配合条件をコンピュータ化によって高
精度且つ容易に得ることができる。
【0052】更にコンクリートについては上記した関係
をスランプ値と粗骨材の間隔係数(ΨG )の関係を前記
したA砂を用いた場合について上記した分離発生基点モ
ルタル、スラリー化基点モルタルと共にこれらの範囲を
外れたモルタルについて測定した結果を要約して示すと
図13の如くであって、分離発生基点モルタルの相関係
数は98.6%、97.3%であり、スラリーは基点モルタ
ルはB砂が97.1%、C砂が95.2%である。これらに
対しそれ以外の比較例によるものの相関係数は72.0〜
89.8%であって、本発明により相関係数を充分に高く
得しめることはA砂についての図13のものと同様であ
る。
【0053】
【発明の効果】以上説明したような本発明によるときは
この種セメント等の粉体と水などの液体より成る混合物
の調整をなすに当り適当な流動性を確保しながら、しか
も分離現象を有効に防止し、好ましい成形と安定且つ均
一にして高精度な品質を得しめることができるものであ
って、工業的にその効果の大きい発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】セメントペーストについての攪拌トルク(電流
値)と積算回転数(rpm )との関係を示した図表であ
る。
【図2】普通セメントの水セメント比(W/C)と粘性
トルク試験結果を要約して示した図表である。
【図3】セメントとスラグによる混合ペーストについて
の粘性トルク試験結果を示した図表である。
【図4】減水剤を添加したセメントペーストについての
粘性トルク試験結果を示した図表である。
【図5】トルク最小となる点AおよびBのW/Cと限界
配合点を示した図表である。
【図6】砕砂モルタルにおけるW/CとSFLのDFl
の実測結果および限界配合範囲を示した図表である。
【図7】砂における微粒粉体の限界水量実測結果を示し
た図表である。
【図8】細骨材粒子の弱拘束水膜厚(ts0)と自由水平
均膜厚γHβL の関係を示した図表である。
【図9】砕砂モルタルについての限界配合状態図であ
る。
【図10】A砂モルタルについての予測限界配合状態と
実測測定結果についての図表である。
【図11】B砂モルタルについての図10と同様な予測
値と実測値との関係を示した図表である。
【図12】E砂について図10、図11と同様に予測値
と実測値の関係を示した図表である。
【図13】A砂を用いたモルタルについて粗骨材(砕
石)を配合したコンクリートについて本発明によるもの
とその比較例の関係を示した図表である。
【図14】B砂を用いたモルタルによるコンクリートに
ついての図13と同様に本発明範囲によるものとその比
較例によるものとを要約して示した図表である。
【図15】C砂を用いたモルタルによるコンクリートに
ついて図13、図14と同様に本発明範囲によるものと
その比較例によるものとを要約して示した図表である。
【図16】M砂を用いたモルタルの混練方法の如何によ
る流動性の変化を要約して示した図表である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小沢 一雅 東京都文京区本駒込3─5─7─701 (72)発明者 門倉 智 神奈川県横浜市港南区港南台4─5─24 ─405 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B28C 7/04 B28C 5/12

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粉体と液体またはこれらに粒状材や塊状
    材その他の添加物をも加えて混合物を調整するに当り、
    該混合物における配合条件を変化させた複数の混合物を
    準備し、それらの混合物を得るためのミキサーにおける
    回転数を順次変化させたときの攪拌トルクを測定し、該
    攪拌トルクとミキサー回転数から得られる1次式の流動
    勾配が液体粉体比との関係で求められるスラリー化基点
    および液体粉体の分離発生基点とを求め、これらのスラ
    リー化基点と液体粉体分離発生基点との範囲内における
    配合条件により前記混合物の配合条件を決定することを
    特徴とする粉体と液体による非分離性混合物調整方法。
  2. 【請求項2】 複数の混合物を混合するミキサーとして
    攪拌手段が自転しながら公転するようにしたものを用
    い、該ミキサーにおける自転数と公転数の積を積算回転
    数として求め、該積算回転数を順次に変化させたときの
    攪拌トルク(電流値)を基準として液体と粉体との比率
    を変えた攪拌トルクとの一次回帰式の勾配値と流体・粉
    体比から粉体固有のスラリー化基点と液体粉体の分離発
    生基点を求めることを特徴とする請求項1に記載の粉体
    と液体による非分離性混合物の調整方法。
  3. 【請求項3】 液体・粉体系におけるスラリー化基点お
    よび分離発生基点からモルタルにおける細骨材の吸着水
    を考慮したその液体・粉体・細骨材系固有の各細骨材・
    粉体比毎の非分離性液体・粉体比の範囲を等流動統一配
    合系限界点との関係で求め、該非分離性液体・粉体比範
    囲内における配合条件で前記流体・粉体・細骨材系混合
    物の配合条件を決定することを特徴とする粉体と液体ま
    たはこれらと粒状材や塊状材その他の添加物による非分
    離性混合物調整方法。
  4. 【請求項4】 細骨材中の微粉体を除いた粒体について
    の弱拘束水膜厚を該細骨材の自由水平均膜厚から求め、
    配合状態図における座標系よりその液体・粉体・細骨材
    系固有の非分離限界配合範囲を求め、該非分離限界配合
    範囲内における配合条件で前記細骨材を用いた液体・粉
    体とによる配合条件を決定することを特徴とする粉体と
    液体またはこれらと粒状材や塊状材その他の添加物によ
    る非分離性混合物調整方法。
  5. 【請求項5】 液体・粉体系におけるスラリー化基点お
    よび分離発生基点からモルタルにおける細骨材の吸着水
    を考慮したその液体・粉体・細骨材系固有の各細骨材・
    粉体比範囲を前記液体粉体比がそれぞれ変化した各混合
    物を得るに当たり、目的の液体粉体比を得るための液体
    量を分割し、その一部を混合して1次混合してから残部
    を添加して2次混合することを特徴とする請求項3また
    は4の何れかに記載の粉体と液体またはこれらと粒状材
    や塊状材その他の添加物による非分離性混合物の調整方
    法。
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