JP3318104B2 - 電子写真記録装置の定着装置 - Google Patents

電子写真記録装置の定着装置

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JP3318104B2
JP3318104B2 JP05608894A JP5608894A JP3318104B2 JP 3318104 B2 JP3318104 B2 JP 3318104B2 JP 05608894 A JP05608894 A JP 05608894A JP 5608894 A JP5608894 A JP 5608894A JP 3318104 B2 JP3318104 B2 JP 3318104B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ファクシミリ,複写
機,プリンタ等に適用可能な電子写真記録装置の定着装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真記録方式の定着装置における記
録紙の分離方式の一つに、分離爪方式がある。この分離
爪方式は、簡単でかつ低コストに構成できるために、従
来より広く採用されている。
【0003】この種の技術としては、特開平4−291384
号公報,実開平5−8574号公報,特開平4−316076号公
報記載のものがある。
【0004】特開平4−291384号公報の技術は、記録紙
の進入に連動して加熱ローラに分離爪を当接するように
構成することにより、分離爪による加熱ローラ周面の摩
耗および寿命の低下を防止できるようにしたものであ
る。
【0005】実開平5−8574号公報の技術は、分離爪を
定着ローラから軸方向に移動させることにより、定着ロ
ーラの部分的な摩耗を抑制して、長寿命化を図ったもの
である。
【0006】特開平4−316076号公報の技術は、定着カ
バー側に分離爪を設置し、定着ローラへの当接の際に切
欠き部によって精度良く位置決めさせることにより、分
離爪によって定着ローラに傷を付けることを防止したも
のである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記従来の分
離爪方式によれば、分離爪が常に定着ローラと接してい
るために定着ローラ表面のテフロンコーティングを徐々
に削り取っていき、最終的には素管が露呈してしまう恐
れがある。また、この露呈した部分にはトナーが入り込
み易くなるため、異常画像(定着オフセット)が発生する
恐れもある。
【0008】また、前述の特開平4−291384号公報によ
れば、結局は同じ位置に分離爪が当接することになるた
め、摩耗防止効果はそれほど望むことはできない。さら
に、実開平5−8574号公報によれば、定着ローラの寿命
が延びたにもかかわらず、分離爪は同じものを使用する
ため分離爪交換が必要となり、メンテナンスフリーには
ならない。また、分離爪が移動の際に定着ローラ上を引
きずるようになるために軸方向に削れが生じる可能性が
ある。さらにまた、特開平4−316076号公報によれば、
正確に分離爪を当てることで分離爪のカバーの閉め方に
よる設置具合の差はなくなるが、閉めたときの定着ロー
ラの傷を防ぐだけで定着ローラの長寿命化はそれほど望
めない。
【0009】本発明は、このような課題を解決すること
で、定着ローラの局部摩耗を防止し、かつ分離爪のサー
ビス交換をなくすことができるメンテナンスフリーの電
子写真記録装置の定着装置を提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、請求項1に係る発明は、未定着画像を担持した記録
紙を、互いに対向して配設された定着ローラと加圧ロー
ラに挟持して定着工程を行い、前記定着ローラの表面に
当接するように配設された分離爪により定着後の記録紙
を剥離,排紙する電子写真記録装置の定着装置におい
て、複数の前記分離爪をそれぞれ回動可能に支持しかつ
前記定着ローラの軸方向に対し平行に配設された分離爪
支柱と、前記定着ローラの軸方向に対し平行に配設され
かつスライドするスライド軸と、このスライド軸上に対
し同軸に配設した円柱状の突起部と、この突起部の側面
に形成されたテーパ部と、前記スライド軸の一端に表面
が当接するカム状のギヤと、このギヤに回転を伝達する
駆動系と、前記スライド軸の他端を常時押す方向に付勢
して一端を前記ギヤの表面に当接させるコイルバネとを
備えており、前記分離爪を2つで1対のペアとし、一方
の分離爪が定着ローラに当接しているとき、他方の分離
爪は前記突起部上に位置して定着ローラから離間した状
態にあり、前記ギヤの回転でスライドした突起部の移動
とともに、一方の分離爪がテーパ部を介して突起部に移
動して他方の分離爪が突起部を下り定着ローラに当接す
るように前記分離爪および前記突起部を配置したことを
特徴とする。
【0011】請求項2に係る発明は、請求項1に係る発
明において、記録紙の排紙を検知する排紙センサを有
し、電子写真記録部における作像動作が終了して排紙が
検知されたときに前記ギヤに動力を伝達して定着ローラ
に当接させる分離爪を交替させるように前記駆動系を制
御することを特徴とする。
【0012】請求項3に係る発明は、請求項1に係る発
明において、記録紙の排紙を検知する排紙センサと、こ
の排紙センサの検知信号をカウントするカウンタとを有
し、前記カウンタが所定枚数をカウントしたときに前記
ギヤに動力を伝達して定着ローラに当接させる分離爪を
交替させるように前記駆動系を制御することを特徴とす
る。
【0013】請求項4に係る発明は、請求項1に係る発
明において、記録紙の排紙を検知する排紙センサと、排
紙後の時間をカウントするタイムカウンタとを有し、前
記タイムカウンタが所定時間をカウントしたときに前記
ギヤに動力を伝達して定着ローラに当接させる分離爪を
交替させるように前記駆動系を制御することを特徴とす
る。
【0014】請求項5に係る発明は、請求項1に係る発
明において、記録紙の排紙を検知する排紙センサを有
し、電子写真記録装置のファクシミリ機能によって受信
した着信データを出力する際の作像動作が終了して排紙
が検知されたときに前記ギヤを定着ローラに当接させる
分離爪を交替させるように前記駆動系を制御することを
特徴とする。
【0015】請求項6に係る発明は、請求項1〜5のい
ずれか1項に係る発明において、前記分離爪の回動時に
前記各分離爪の先端部を摺擦する可撓性スクレーパを設
置したことを特徴とする。
【0016】
【作用】前述の手段により、電子写真記録方式を採用し
たプリンタ,複写機,ファクシミリ等の機器において、
画像定着後の記録紙を排紙するごとに、あるいは所定の
枚数を排紙するごとに、さらには所定時間の経過ごとに
スライド軸を移動させる。その結果、突起部上に分離爪
を移動させて定着ローラより離間させるとともに、突起
部上にあった分離爪を定着ローラに当接させ、定着ロー
ラに当接する分離爪の交替および当接位置の変更がなさ
れる。さらに、突起部が円柱体の側面にテーパ部を形成
した形状となっているため、分離爪はテーパ部を摺動し
て突起部を上下するようになる。
【0017】また、可撓性スクレーパを分離爪に当接さ
せたことにより、分離爪が突起部上に移動したとき、可
撓性スクレーパが分離爪の先端部に付着した未定着トナ
ー等の異物を掻き落とす。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図面を参照
しながら詳細に説明する。
【0019】図1は電子写真記録方式を採用した普通紙
複写機(PPC)の構成図であり、1は感光体ベルト、2
は帯電器、3は露光部、4は現像器、5は給紙カセッ
ト、6は記録紙、7は転写器、8は定着器、9は廃トナ
ーカートリッジ、10は除電器、11は排紙コロ、12は排紙
センサを示す。
【0020】感光体ベルト1を帯電器2でプリチャージ
した後、露光部3で光書き込みをして静電潜像を形成す
る。この静電潜像に現像器4でトナーを付けて現像す
る。そして、給紙カセット5内部より搬送された記録紙
6に対し転写器7がトナー像を転写させ、さらに定着器
8がトナー像を記録紙6に熱定着させる。熱定着がなさ
れた記録紙6は排紙コロ11より外部に排出される。ま
た、記録紙6が排紙コロ11を通過する際、排紙センサ12
が記録紙6の通過を検知する。一方、感光体ベルト1に
残留したトナーは廃トナーカートリッジ9によって掻き
落とされて回収され、残留電荷は除電器10が光を照射す
ることで除去される。
【0021】図2は定着器8の構成図であり、13は定着
ローラ、14は表面に耐熱性ゴムが被覆された加圧ロー
ラ、15は定着ローラ13の内部に配設したヒータ、16は分
離爪を示す。図2に示すように、定着ローラ13と加圧ロ
ーラ14とは圧接した状態にあり、分離爪16の先端は定着
ローラ13の表面に当接している。
【0022】定着ローラ13と加圧ローラ14とのニップ部
を通り、挟持,定着された記録紙6は、分離爪16に接触
することにより定着ローラ13から剥離する。剥離した記
録紙6は、排紙コロ11に挟持されることにより、熱定着
時のカールが除去されて装置外に排出される。排出の有
無は排紙センサ12によって検知される。
【0023】図3は本発明の第1実施例における定着ロ
ーラから分離爪が離間,当接を行うための機構を示す構
成図であり、17は分離爪16を支持する分離爪支柱、18は
定着ローラ13の回転軸方向にスライド可能なスライド軸
を示す。このスライド軸18の中部はU字型に形成されて
おり、スライド軸18の両端部における軸方向と前記U字
型における軸方向とは平行である。
【0024】19は、定着ローラ13の回転軸と同軸上で、
かつ一端部に設置された第1ギヤ、20は第1ギヤ19に噛
合しかつ中心部に一方向クラッチ22が圧入された第2ギ
ヤ、21は第2ギヤ20と同軸に設けられた第3ギヤ、22は
一方向クラッチ、23は第2,第3ギヤ20,21を同軸に支
持する回転軸を示す。図3において、第2ギヤ20がD方
向に回転するときには、一方向クラッチ22により第2ギ
ヤ20のみ回転し、C方向に回転するときには第3ギヤ21
は第2ギヤ20に連動して回転する。24は、第3ギヤ21に
噛合し、かつ表面にスライド軸18の一端が当接する第4
ギヤを示す。この第4ギヤ24は、図3に示すように肉厚
部と肉薄部とを有するカム形状となっており、回転によ
ってスライド軸18を押圧する。
【0025】また、25はスライド軸18の他端を常時押す
方向に付勢する圧縮コイルバネを示す。さらに、分離爪
支柱17には4枚の分離爪16,16,16,16が設置されてお
り、これら4枚の分離爪16,16,16,16は、定着ローラ
13の両端部に2枚ずつ配置されている。以下、これら分
離爪16,16,16,16について、定着ローラ13の一端部か
ら他端部の方向に対して順に分離爪16a,16b,16c,16d
と称することにする。なお、分離爪支柱17は定着ローラ
13の回転軸に対して平行に配置されている。
【0026】図4はスライド軸18の構成図であり、26
は、スライド軸18に同軸で、かつスライド軸18の軸径よ
りも長い径を有する円柱体の突起部を示し、この突起部
26の両側面にはテーパ部26a,26b形成されている。ま
た、突起部26はスライド軸18上に2箇所形成されてい
る。さらに、図3に示すように、スライド軸18は定着ロ
ーラ13の回転軸に対して平行に配置されており、スライ
ド軸18のスライド動作に応じて、1つの突起部26上に2
枚の分離爪16b(16d)と分離爪16a(16c)が交互に乗り上げ
る。
【0027】図3の場合においては、スライド軸18の一
端が第4ギヤ24の肉厚部の位置に当接しているため、ス
ライド軸18は図中G方向に最も大きく移動している。こ
のとき、分離爪16b,16dが突起部26,26の中央に乗り上
げており、一方、分離爪16a,16cは、図5(a)に示すよ
うにテーパ部26a側のスライド軸18上に位置し、定着ロ
ーラ13表面に当接している。なお、分離爪16は、つる巻
きバネ27によって定着ローラ13側に常時付勢されてい
る。さらに、第4ギヤ24を半回転させると、スライド軸
18の一端が第4ギヤ24の肉薄部の位置に当接し、圧縮コ
イルバネ25によるスライド軸18の他端への押圧により、
スライド軸18は図中H方向に最も大きく移動する。この
とき、分離爪16b,16dは、テーパ部26bを摺動してスラ
イド軸18上に位置し、定着ローラ13の表面に当接する。
一方、分離爪16a,16cは、テーパ部26a上を摺動して、
図5(b)に示すように突起部26,26の中央に乗り上げ、
同時に定着ローラ13表面から離間する。
【0028】図6は本発明の第1実施例の動作を示すフ
ローチャートであり、以下、図3および図6を参照しな
がら第1実施例の動作について説明する。
【0029】画像記録動作を開始すると(S1-1)、定着
ローラ13が加圧ローラ14と共に回転を開始する。通常の
画像記録動作中は、定着ローラ13はA方向に回転を行
う。定着ローラ13がA方向に回転すると、第2ギヤ20に
回転が伝達されて第2ギヤ20が回転するが、圧入された
一方向クラッチ22により第2ギヤ20の回転が回転軸23に
伝達されず、第3ギヤ21は回転しない。よって第4ギヤ
24にも回転が伝達されないために、第4ギヤ24によって
スライド軸18は押圧されない。一方、定着ローラ13は加
圧ローラ14と共に回転し、そのニップ部において記録紙
6が挟持,加圧されてトナー像が熱定着され、定着後、
記録紙6は、分離爪16によって剥離されて外部に排紙さ
れる。
【0030】排紙センサ12により記録紙6の排出、すな
わち排紙センサ12の出力がオンからオフに切り替わった
ことが検出されると(S1-2のYes)、感光体ベルト1,定
着ローラ13,現像ローラ4a(図1参照)等を駆動させて
いるメインモータ(図示せず)をストップさせる(S1-
3)。次に、メインモータを逆回転させて第1ギヤ19をB
方向に回転させる(S1-4)。第1ギヤ19が図中B方向に
回転すると、それに連動して第2ギヤ20が図中C方向に
回転し、この第2ギヤ20とともに第3ギヤ21が回転する
ため第4ギヤ24も図中F方向に回転する。この第4ギヤ
24の回転によって、スライド軸18が押圧されて定着ロー
ラ13の回転軸方向にスライドし、前述したように分離爪
16が定着ローラ13表面から離間および当接することで、
定着ローラ13に当接する分離爪16が交替される。
【0031】分離爪16の交替がなされた後、メインモー
タをストップさせ(S1-5)、次の作像動作まで待機する
(S1-6)。
【0032】このように構成した第1実施例によれば、
作像動作終了の度に分離爪16a,16bの対、および分離爪
16c,16dの対が、定着ローラ13への当接位置を変えて交
互に交替されるために、定着ローラ13の局部摩耗を防止
するとともに、分離爪16のサービス交換をなくすことが
できる。
【0033】図7は本発明の第2実施例の定着器の制御
プロセスを示すフローチャートであり、以下、図3およ
び図7を参照しながら第2実施例の動作について説明す
る。
【0034】第1実施例においては、作像動作終了の度
に分離爪16a,16bの対、および分離爪16c,16dの対の定
着ローラ13への当接位置を変えて交互に交替するもので
あったが、それに対し第2実施例では、図示しない排紙
カウンタを設け、分離爪16の交替を所定の排紙枚数に達
したときに行うようにしたものである。
【0035】画像記録動作を開始し(S2-1)、各画像形
成プロセスを経て画像を記録した記録紙6を外部に排紙
し(S2-2)、記録紙6を排紙するごとに排紙センサ12が
検知信号を発生する。その検知信号の発生数が排紙カウ
ンタ(図示せず)に記憶され(S2-3)、感光体ベルト1,
定着ローラ13,現像ローラ4a(図1参照)等を駆動させ
ているメインモータ(図示せず)をストップさせる(S2-
4)。
【0036】次に、排紙枚数が500枚に達したか否かを
判別し(S2-5)、500枚に達したときには(S2-5のYes)、
排紙カウンタをクリアにし(S2-6)、メインモータを逆
回転させてスライド軸18を定着ローラ13の回転軸方向に
スライドさせて、第1実施例と同様に分離爪16の交替を
行う(S2-7)。そして、分離爪16の分離,当接がなされ
た後、メインモータをストップさせ(S2-8)、次の作像
動作まで待機する(S2-9)。なお、500枚に達していない
場合は(S2-5のNo)、そのまま次の作像動作まで待機す
る(S2-9)。
【0037】このように構成した第2実施例によれば、
所定枚数ごとに分離爪16a,16bの対、および分離爪16
c,16dの対が、定着ローラ13への当接位置を変えて交互
に交替されるために、第1実施例と同様に定着ローラ13
の局部摩耗を防止するとともに、分離爪16のサービス交
換をなくすことができる。さらに、第1実施例よりも、
メインモータをストップさせる回数が減るために、コピ
ー速度を増大できる。
【0038】図8は本発明の第3実施例の定着器の制御
プロセスを示すフローチャートであり、以下、図3およ
び図8を参照しながら第3実施例の動作について説明す
る。
【0039】第2実施例においては、分離爪16の離間,
当接を所定の排紙枚数に達したときに行うように制御す
るものであったが、それに対し第3実施例では、図示し
ないタイムカウンタを設け、分離爪16の交替を所定の時
間が経過したときに行うようにしたものである。
【0040】画像記録動作を開始し(S3-1)、各画像形
成プロセスを経て画像を記録した記録紙6を外部に排紙
し(S3-2)、この記録紙6が排紙されるごとに排紙セン
サ12が検知信号を発生する。排紙センサ12の出力がオン
からオフに切り替わったことが検出されると、感光体ベ
ルト1,定着ローラ13,現像ローラ4a(図1参照)等を
駆動させているメインモータ(図示せず)をストップさせ
る(S3-3)とともに、排紙センサ12がトリガとなって、
タイムカウンタ(図示せず)がカウントを開始する(S3-
4)。
【0041】次に、タイムカウンタが24時間を計時した
か否かを判別し(S3-5)、24時間を計時したときには(S
3-5のYes)、タイムカウンタをクリアにし(S3-6)、メイ
ンモータを逆回転させて、スライド軸18を定着ローラ13
の回転軸方向にスライドさせて、第1実施例と同様に分
離爪16の交替を行う(S3-7)。そして、分離爪16の離
間,当接がなされた後、メインモータをストップさせ
(S3-8)、次の作像動作まで待機する(S3-9)。なお、24
時間を計時していない場合は(S3-5のNo)、そのまま次
の作像動作まで待機する(S3-9)。
【0042】このように構成した第3実施例によれば、
第1実施例と同様に、定着ローラ13の局部摩耗を防止す
るとともに、分離爪16のサービス交換をなくすことがで
きる。さらに、第2実施例と同様にコピー速度を増大で
きる。
【0043】以上、普通紙複写機(PPC)に係る定着器
に基づき説明してきたが、前記第1実施例の定着器は、
普通紙ファクシミリにも使用可能である。
【0044】図9は普通紙ファクシミリ装置の全体の構
成を示すブロック図である。図9において、読み取り部
は、読み取り走査部30,読み取り処理部31,ラインメモ
リ32,およびラインメモリ制御部33で構成されている。
【0045】読み取り走査部30で読み取られた画像情報
は、読み取り処理部31を経て、一旦ラインメモリ32に記
憶される。MPU41は、情報圧縮/復元部36のモードに
応じて、ラインメモリ32から画像情報の読み出しを行い
ながら1ラインの画像情報を圧縮し、冗長度を除去し、
データバスを通して、再度RAM37に蓄積する。このR
AM37を送信バッファとして利用し、再び通信制御部38
を経てモデム39に送出する。モデム39で変調された信号
は、網制御部40を通って回線へ送り出される。
【0046】逆に回線から受信した画像情報は、網制御
部40を通過してモデム39で復調され、通信制御部38を経
てデータバスに出力され、RAM37に蓄積される。この
RAM37は受信バッファとして利用され、順次、MPU
41は、情報圧縮/復元部36のモードに応じて、RAM37
から画像情報の読み出しを行いながら1ラインの画像情
報を復元し、データバスを介して一時ラインメモリ32に
入力させる。そして再度ラインメモリ32から呼び出さ
れ、記録処理部35を経て記録走査部34により画像情報と
して再生される。
【0047】画像情報については、網制御部40,通信制
御部38を単に通過するだけであるが、通信制御情報は通
信制御部38の中で判読理解されて、伝送制御,誤り制御
などの実行処理を行い、ジャーナル情報が必要な場合に
は不揮発性の機能を持たせたRAMに記憶される。
【0048】また、網制御のための呼出し信号などは網
制御部40で処理される。さらに情報圧縮,復元を要しな
い画像情報は、読み取り処理部31,ラインメモリ32から
直接データバスを経てRAM37など外部に取り出され、
画像処理や画像通信を行うことが可能である。さらにま
た、画像処理された情報や画像合成された情報を直接入
力したり、また、画像情報へ重畳を行ってラインメモリ
32へ記憶して記録再生することも可能である。ラインメ
モリ32は情報圧縮/復元部36と分離して使用できると同
時に、読み取り走査,記録走査とは無関係に、圧縮した
情報を復元してラインメモリ32経由で出力するという利
用形態も考えられる。なお、全体のシステム制御、およ
び情報の流れの管理,通信制御,網制御の総轄コントロ
ールはMPU41で行われる。
【0049】システム制御の主たる処理は、パネル部42
によりマンマシンインターフェイスに関する制御と、機
構制御部43による読み取り部,記録部の機械的構成に関
連する制御である。
【0050】パネル部42は、パネルスイッチとパネル表
示の種類と形式により、インターフェイス44,45を介し
入力端子数や制御方式を設定するものである。また、機
構制御部43は、読み取り部,記録部の方式と機械的構成
により、ドライバ,センサの種類と数量が決定し、制御
も同様にして決定する。
【0051】図10は図3に示した定着器を採用した普通
紙ファクシミリにおける分離爪の交換動作の制御を示す
フローチャートである。なお、説明を容易にするため
に、図10にかかる構成を第4実施例と称することにし、
以下、図3および図10を参照しながら第4実施例の動作
について説明する。
【0052】受信待機状態時に(S4-1)、相手先より送
信データを着信すると(S4-2のYes)、記録走査部34(図
9参照)からデータの出力を行う(S4-3)。データが記録
紙に転写され、ファクシミリ装置外へ排出されるとき、
排紙センサ12がオンからオフの状態になったことが検知
されると、感光体ベルト1,定着ローラ13,現像ローラ
4a(図1参照)等を駆動させているメインモータ(図示せ
ず)をストップさせる(S4-4)。以下、図6に示すフロー
チャートを参照しながら説明した第1実施例と同様に、
メインモータを逆回転させて(S4-5)、分離爪16を離
間,当接させ、メインモータをストップさせて(S4-
6)、次の作像動作まで待機する(S4-7)。
【0053】このように構成した第4実施例によれば、
着信データの出力終了の度に分離爪16a,16bの対、およ
び分離爪16c,16dの対が、定着ローラ13への当接位置を
変えて交互に交替されるために、定着ローラ13の局部摩
耗を防止するとともに、分離爪16のサービス交換をなく
すことができる。
【0054】なお、前述した第4実施例は、図10と第1
実施例にかかる図6とを比較すればわかるように、記録
紙の排紙が完了した後の処理(ステップS4-3以後の処
理)は第1実施例に一致する。また、第4実施例におけ
る記録紙の排紙が完了した後の処理は、前記第2,第3
実施例の処理、すなわち図7に示すところのステップS
2-3以後の処理、または図8に示すところのステップS3
-3以後の処理を適用してもよい。
【0055】図11は図3に示す第1実施例の構成に対し
て、分離爪の先端部の清掃機能を付加した要部構成を示
す構成図であり、50はポリウレタンゴム製のスクレーパ
を示す。図11に示すように、スクレーパ50は、一端が定
着器8の本体に固定されており、他端が分離爪16の先端
部に当接している。
【0056】図11(a)は定着ローラ13が通常回転をして
いるときの状態を示すものであり、スクレーパ50の先端
と分離爪16との間に若干の距離がある。また、このとき
は、分離爪16の先端が定着ローラ13に当接しているた
め、分離爪16の先端部に未定着トナー等が残留しやすい
状況にある。
【0057】図11(b)は、作像動作が終了し、分離爪16
を交替したときの状態を示すものであり、分離爪16の回
動によりスクレーパ50の先端と分離爪16との距離が小さ
くなる。その際、分離爪16の先端部をスクレーパ50の先
端が摺接することにより、分離爪16の先端部に付着した
異物が掻き落とされるこのような構成により、分離爪16
先端へのトナー堆積が防止可能となり、分離爪16におけ
る記録紙6を剥離させる機能を維持することができる。
【0058】図12はスライド軸の突起部の他構成を示す
構成図である。この他構成は、図4に示す突起部26の構
成が円柱体の両側面にテーパ部26a,26bを形成したもの
であるのに対し、中央部にテーパ部26c,26dを形成した
ものである。このように構成しても、図4に示す突起部
26と同様な効果を奏する。
【0059】
【発明の効果】以上、説明した通りに構成された本発明
によれば、次に記載する効果を奏する。
【0060】請求項1,2記載の構成によれば、作像動
作の度に分離爪の対が定着ローラへの当接位置を変えて
交互に交替されるために、定着ローラの局部摩耗を防止
するとともに、分離爪のサービス交換をなくすことがで
きる。
【0061】請求項3,4記載の構成によれば、請求項
1記載の構成による効果を奏するとともに、メインモー
タをストップさせる回数が減るために、コピー速度を増
大できる。
【0062】請求項5記載の構成によれば、着信データ
の出力終了の度に分離爪の対、および分離爪の対が、定
着ローラへの当接位置を変えて交互に交替されるため
に、定着ローラの局部摩耗を防止するとともに、分離爪
のサービス交換をなくすことができる。
【0063】請求項6記載の構成によれば、分離爪の対
が定着ローラへの当接位置を変えて交互に交替されるた
め、定着ローラの局部摩耗を防止するとともに、分離爪
のサービス交換をなくすことができる。また、分離爪先
端へのトナー堆積を防止して、記録紙分離性能を長期間
安定させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電子写真記録方式を採用した普通紙複写機(P
PC)の構成図である。
【図2】定着器の構成図である。
【図3】本発明の第1実施例における定着ローラから分
離爪が離間,当接を行うための機構を示す一部断面を含
む構成図である。
【図4】スライド軸および突起部の斜視図である。
【図5】スライド軸のスライドによる分離爪の動作を示
す説明図である。
【図6】本発明の第1実施例の動作を示すフローチャー
トである。
【図7】本発明の第2実施例の定着器の制御プロセスを
示すフローチャートである。
【図8】本発明の第3実施例の定着器の制御プロセスを
示すフローチャートである。
【図9】普通紙ファクシミリ装置の全体の構成を示すブ
ロック図である。
【図10】図3に示した定着器を採用した普通紙ファク
シミリにおける分離爪の交替動作の制御を示すフローチ
ャートである。
【図11】図3に示す第1実施例の構成に対して、分離
爪の先端部の清掃機能を付加した要部構成を示す構成図
である。
【図12】スライド軸の突起部の他構成を示す斜視図で
ある。
【符号の説明】
1…感光体ベルト、 2…帯電器、 3…露光部、 4
…現像器、 5…給紙カセット、 6…記録紙、 7…
転写器、 8…定着器、 9…廃トナーカートリッジ、
10…除電器、 11…排紙コロ、 12…排紙センサ、
13…定着ローラ、14…加圧ローラ、 15…ヒータ、 1
6,16a,16b,16c,16d…分離爪、 17…分離爪支柱、
18…スライド軸、 19…第1ギヤ、 20…第2ギヤ、
21…第3ギヤ、 22…一方向クラッチ、 23…回転
軸、 24…第4ギヤ、 25…圧縮コイルバネ、 26…突
起部、 26a,26b,26c,26d…テーパ部、 27…つる巻
きバネ、 30…読み取り走査部、 31…読み取り処理
部、 32…ラインメモリ、 33…ラインメモリ制御部、
34…記録走査部、 35…記録処理部、 36…情報圧縮
/復元部、 37…RAM、 38…通信制御部、 39…モ
デム、 40…網制御部、41…MPU、 42…パネル部、
43…機構制御部、 44,45…インターフェイス、 50
…スクレーパ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 15/20

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 未定着画像を担持した記録紙を、互いに
    対向して配設された定着ローラと加圧ローラに挟持して
    定着工程を行い、前記定着ローラの表面に当接するよう
    に配設された分離爪により定着後の記録紙を剥離,排紙
    する電子写真記録装置の定着装置において、複数の前記分離爪をそれぞれ回動可能に支持しかつ前記
    定着ローラの軸方向に対し平行に配設された分離爪支柱
    と、前記定着ローラの軸方向に対し平行に配設されかつ
    スライドするスライド軸と、このスライド軸上に対し同
    軸に配設した円柱状の突起部と、この突起部の側面に形
    成されたテーパ部と、前記スライド軸の一端に表面が当
    接するカム状のギヤと、このギヤに回転を伝達する駆動
    系と、前記スライド軸の他端を常時押す方向に付勢して
    一端を前記ギヤの表面に当接させるコイルバネとを備え
    ており、 前記分離爪を2つで1対のペアとし、一方の分離爪が定
    着ローラに当接しているとき、他方の分離爪は前記突起
    部上に位置して定着ローラから離間した状態にあり、前
    記ギヤの回転でスライドした突起部の移動とともに、一
    方の分離爪がテーパ部を介して突起部に移動して他方の
    分離爪が突起部を下り定着ローラに当接するように前記
    分離爪および前記突起部を配置し たことを特徴とする電
    子写真記録装置の定着装置。
  2. 【請求項2】 録紙の排紙を検知する排紙センサを
    し、電子写真記録部における作像動作が終了して排紙が
    検知されたときに前記ギヤに動力を伝達して定着ローラ
    に当接させる分離爪を交替させるように前記駆動系を制
    御することを特徴とする請求項1記載の電子写真記録装
    置の定着装置。
  3. 【請求項3】 録紙の排紙を検知する排紙センサと、
    この排紙センサの検知信号をカウントするカウンタとを
    有し、前記カウンタが所定枚数をカウントしたときに前
    ギヤに動力を伝達して定着ローラに当接させる分離爪
    を交替させるように前記駆動系を制御することを特徴と
    する請求項1記載の電子写真記録装置の定着装置。
  4. 【請求項4】 録紙の排紙を検知する排紙センサと、
    排紙後の時間をカウントするタイムカウンタとを有し、
    記タイムカウンタが所定時間をカウントしたときに前
    ギヤに動力を伝達して定着ローラに当接させる分離爪
    を交替させるように前記駆動系を制御することを特徴と
    する請求項1記載の電子写真記録装置の定着装置。
  5. 【請求項5】 録紙の排紙を検知する排紙センサを
    し、電子写真記録装置のファクシミリ機能によって受信
    した着信データを出力する際の作像動作が終了して排紙
    が検知されたときに前記ギヤを定着ローラに当接させる
    分離爪を交替させるように前記駆動系を制御することを
    特徴とする請求項1記載の電子写真記録装置の定着装
    置。
  6. 【請求項6】 前記分離爪の回動時に前記各分離爪の先
    端部を摺擦する可撓性スクレーパを設置したことを特徴
    とする請求項1〜5のいずれか1項記載の電子写真記録
    装置の定着装置。
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