JP3317564B2 - 光学素子 - Google Patents
光学素子Info
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- JP3317564B2 JP3317564B2 JP29956293A JP29956293A JP3317564B2 JP 3317564 B2 JP3317564 B2 JP 3317564B2 JP 29956293 A JP29956293 A JP 29956293A JP 29956293 A JP29956293 A JP 29956293A JP 3317564 B2 JP3317564 B2 JP 3317564B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、TV電話やTV会議シ
ステム等に用いられる表示装置と撮像装置が組み合わさ
った表示・撮像装置に用いられる光学素子に関するもの
である。
ステム等に用いられる表示装置と撮像装置が組み合わさ
った表示・撮像装置に用いられる光学素子に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、画像符号化技術等の通信技術の発
展より、遠隔地間を映像・音声通信網で結んだTV電話
やTV会議システム等の双方向映像通信が急速に普及し
てきている。今後は、ISDN網の充実と伝送網の高帯
域化等により、より高臨場感に溢れた映像がサービスで
きることが期待されている。
展より、遠隔地間を映像・音声通信網で結んだTV電話
やTV会議システム等の双方向映像通信が急速に普及し
てきている。今後は、ISDN網の充実と伝送網の高帯
域化等により、より高臨場感に溢れた映像がサービスで
きることが期待されている。
【0003】図8に、現在、双方向映像通信に用いられ
ている表示・撮像装置を示す。撮像装置2がCRTディ
スプレイ等の表示装置1の上面または側面にあり、使用
者5の撮像を行う。しかし、このような表示・撮像装置
を利用する使用者5は、通常、表示装置1を見ているた
め、撮像装置2で撮像を行っても、使用者5は撮像装置
2の方に視線を向けることはない。そのため、せっかく
の高臨場感溢れる映像が送信可能となっても、対話者同
志の視線が一致しない不自然な会話になるという欠点が
あった。
ている表示・撮像装置を示す。撮像装置2がCRTディ
スプレイ等の表示装置1の上面または側面にあり、使用
者5の撮像を行う。しかし、このような表示・撮像装置
を利用する使用者5は、通常、表示装置1を見ているた
め、撮像装置2で撮像を行っても、使用者5は撮像装置
2の方に視線を向けることはない。そのため、せっかく
の高臨場感溢れる映像が送信可能となっても、対話者同
志の視線が一致しない不自然な会話になるという欠点が
あった。
【0004】そこで、視線一致を実現した小型で安価な
表示・撮像装置を構成するため、微小な半透鏡を複数組
み合わせて半透鏡を構成する方法が考案された(特開平
4−150684号)。図9(a),(b)に多数の微
小半透鏡4を組み合わせて構成した半透鏡3′の構成例
の断面図を、図10にそのような微小半透鏡4を組み合
わせた半透鏡3′で構成した場合の表示・撮像装置の構
成図を示す。図中のθは微小半透鏡4の反射面の傾きを
示している。このように構成すると、図中に示したよう
に入射光の一部は角度2θ方向に反射されることにな
り、その方向に撮像装置2を配置すれば、表示装置1を
見ている使用者5の正面像を撮影することができ、対話
者同士の視線を一致させることができる。
表示・撮像装置を構成するため、微小な半透鏡を複数組
み合わせて半透鏡を構成する方法が考案された(特開平
4−150684号)。図9(a),(b)に多数の微
小半透鏡4を組み合わせて構成した半透鏡3′の構成例
の断面図を、図10にそのような微小半透鏡4を組み合
わせた半透鏡3′で構成した場合の表示・撮像装置の構
成図を示す。図中のθは微小半透鏡4の反射面の傾きを
示している。このように構成すると、図中に示したよう
に入射光の一部は角度2θ方向に反射されることにな
り、その方向に撮像装置2を配置すれば、表示装置1を
見ている使用者5の正面像を撮影することができ、対話
者同士の視線を一致させることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、微小半
透鏡は透過光に対しプリズムとして作用するため、図9
で示したような従来の半透鏡の構成では、表示画像を下
向きに屈折させることになる。その結果、上方から表示
画面をのぞき込んでも、表示画面から入ってくる光は少
なく画面が暗く見えることになる。数10インチから数
100インチサイズの表示装置を用いる場合には、この
ような現象が顕著となり、表示画面の中央から下方にか
けて輝度が大幅に低下する問題点があった。そのため、
TV会議システム等の大画面を必要とする表示・撮像装
置には、上記微小半透鏡を組み合わせた半透鏡を単純に
は適用できなかった。
透鏡は透過光に対しプリズムとして作用するため、図9
で示したような従来の半透鏡の構成では、表示画像を下
向きに屈折させることになる。その結果、上方から表示
画面をのぞき込んでも、表示画面から入ってくる光は少
なく画面が暗く見えることになる。数10インチから数
100インチサイズの表示装置を用いる場合には、この
ような現象が顕著となり、表示画面の中央から下方にか
けて輝度が大幅に低下する問題点があった。そのため、
TV会議システム等の大画面を必要とする表示・撮像装
置には、上記微小半透鏡を組み合わせた半透鏡を単純に
は適用できなかった。
【0006】本発明は、上記問題点を解決するためにな
されたものであり、その目的はTV電話やTV会議シス
テム等に用いられる表示装置と撮像装置が組み合わさっ
た表示・撮像装置において、表示画面の画質向上を可能
とする光学素子の実現を目指すことにある。
されたものであり、その目的はTV電話やTV会議シス
テム等に用いられる表示装置と撮像装置が組み合わさっ
た表示・撮像装置において、表示画面の画質向上を可能
とする光学素子の実現を目指すことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、入射光を反射させる反射率の高い傾斜面
を有する領域と入射光を透過させる反射率の低い領域で
ある2つの領域から構成され、該反射率の低い領域が該
反射率の高い領域間の凹部に設けられ、かつ該反射率の
低い領域が平坦となっている多数の微小半透鏡から成る
光学素子であって、前記反射率の高い領域が光吸収層と
反射層の2層構造になっている構成にすることを特徴と
する。
め、本発明は、入射光を反射させる反射率の高い傾斜面
を有する領域と入射光を透過させる反射率の低い領域で
ある2つの領域から構成され、該反射率の低い領域が該
反射率の高い領域間の凹部に設けられ、かつ該反射率の
低い領域が平坦となっている多数の微小半透鏡から成る
光学素子であって、前記反射率の高い領域が光吸収層と
反射層の2層構造になっている構成にすることを特徴と
する。
【0008】
【0009】上記光学素子においては、前記反射率の高
い傾斜面の側壁に遮光層を形成することが、より一層、
画質を向上させる点で好適である。
い傾斜面の側壁に遮光層を形成することが、より一層、
画質を向上させる点で好適である。
【0010】
【作用】本発明の光学素子では、被写体像を反射させる
ための反射率の高い傾斜面を有する領域間の凹部に設け
た反射率の低い領域を平坦化して、ここに入射する表示
光を屈折させずに透過させることにより、その透過光で
見る表示映像を表示装置の表示画面と同様な輝度分布で
見えるようにして輝度低下や輝度ムラを改善し、画質の
向上を図っている。
ための反射率の高い傾斜面を有する領域間の凹部に設け
た反射率の低い領域を平坦化して、ここに入射する表示
光を屈折させずに透過させることにより、その透過光で
見る表示映像を表示装置の表示画面と同様な輝度分布で
見えるようにして輝度低下や輝度ムラを改善し、画質の
向上を図っている。
【0011】また、上記に加えて反射率の高い領域を反
射層と光吸収層とで2層化したり、あるいは反射率の高
い領域の傾斜面の側壁へ遮光層を形成したりすることに
より、光学素子内部で迷光化した表示光の外部への出射
を抑えて、より一層、表示画面の画質を向上させる。
射層と光吸収層とで2層化したり、あるいは反射率の高
い領域の傾斜面の側壁へ遮光層を形成したりすることに
より、光学素子内部で迷光化した表示光の外部への出射
を抑えて、より一層、表示画面の画質を向上させる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を、図面を参照して詳
細に説明する。
細に説明する。
【0013】図1に本発明の光学素子の第1実施例であ
る半透鏡(微小半透鏡アレイ)3の断面図を、図2に本
実施例による光学素子を用いた表示・撮像装置の構成例
を示す。本実施例の半透鏡3の裏面(表示装置1側)は
平坦な面となっており、表示装置1の表示面と平行とな
っている。それに対し、半透鏡3の表面(使用者5側)
には、反射率の高い領域(反射領域3a)と反射率の低
い領域(透過領域3b)から成る微小半透鏡が例えば上
下に配列されている。反射率の高い反射領域3aは、被
写体(使用者5)の像を撮像装置2の方向へ反射するた
め、角度θだけ傾いた傾斜面となっており、表示装置1
の表示光を透過させる反射率の低い透過領域3bは、反
射領域3a間の凹部に設けられ、表示面と平行にするた
めその表面を平坦な領域にしてある。したがって、撮像
装置2は角度2θの方向に設置される。
る半透鏡(微小半透鏡アレイ)3の断面図を、図2に本
実施例による光学素子を用いた表示・撮像装置の構成例
を示す。本実施例の半透鏡3の裏面(表示装置1側)は
平坦な面となっており、表示装置1の表示面と平行とな
っている。それに対し、半透鏡3の表面(使用者5側)
には、反射率の高い領域(反射領域3a)と反射率の低
い領域(透過領域3b)から成る微小半透鏡が例えば上
下に配列されている。反射率の高い反射領域3aは、被
写体(使用者5)の像を撮像装置2の方向へ反射するた
め、角度θだけ傾いた傾斜面となっており、表示装置1
の表示光を透過させる反射率の低い透過領域3bは、反
射領域3a間の凹部に設けられ、表示面と平行にするた
めその表面を平坦な領域にしてある。したがって、撮像
装置2は角度2θの方向に設置される。
【0014】以上のような構成であるため、本実施例で
は、透過領域3bにおいて、屈折効果による表示光の曲
りがなく、表示光に関して出射光(透過光)が入射光に
対し平行となり、使用者5は表示装置1の輝度分布と同
様な輝度分布を有する表示画像を半透鏡(微小半透鏡ア
レイ)3を通して見ることができる。このため、画面の
輝度低下や輝度ムラが改善される。さらに、透過領域3
bは、反射領域3a間の凹部に形成されているが、これ
は、凸部に形成された場合には反射領域3aで反射され
た光の一部が透過領域3bを透過することにより屈折さ
れるため、光路差の相違による解像度の低下や色分布に
よる反射像の画質低下を招くことになるからである。
は、透過領域3bにおいて、屈折効果による表示光の曲
りがなく、表示光に関して出射光(透過光)が入射光に
対し平行となり、使用者5は表示装置1の輝度分布と同
様な輝度分布を有する表示画像を半透鏡(微小半透鏡ア
レイ)3を通して見ることができる。このため、画面の
輝度低下や輝度ムラが改善される。さらに、透過領域3
bは、反射領域3a間の凹部に形成されているが、これ
は、凸部に形成された場合には反射領域3aで反射され
た光の一部が透過領域3bを透過することにより屈折さ
れるため、光路差の相違による解像度の低下や色分布に
よる反射像の画質低下を招くことになるからである。
【0015】また、透過領域3bの幅wは、反射領域3
aの幅dとの間に w=d・tanθ・tan2θ という関係を満足させるのが好適である。透過領域3b
の幅wを大きくすることにより、表示画面輝度を明るく
することができるが、撮像装置2が反射像とともにこの
透過領域3bを通して表示画面もいっしょに撮像してし
まう。しかし、上記関係を満足している場合には、撮像
装置2の方向からこの微小半透鏡アレイ3を見た場合、
反射領域3aしか見えず、この反射領域3aの透過率が
十分小さいため、撮像装置2への表示装置1の表示画面
の映り込みを防止することができる。さらに、図中の反
射領域3aの上端で反射された光が隣接する反射領域3
aの側壁3cに妨害されず、多重反射による反射像の画
質低下を招かない。
aの幅dとの間に w=d・tanθ・tan2θ という関係を満足させるのが好適である。透過領域3b
の幅wを大きくすることにより、表示画面輝度を明るく
することができるが、撮像装置2が反射像とともにこの
透過領域3bを通して表示画面もいっしょに撮像してし
まう。しかし、上記関係を満足している場合には、撮像
装置2の方向からこの微小半透鏡アレイ3を見た場合、
反射領域3aしか見えず、この反射領域3aの透過率が
十分小さいため、撮像装置2への表示装置1の表示画面
の映り込みを防止することができる。さらに、図中の反
射領域3aの上端で反射された光が隣接する反射領域3
aの側壁3cに妨害されず、多重反射による反射像の画
質低下を招かない。
【0016】図3に本発明の第2実施例の光学素子であ
る微小半透鏡アレイの断面図を示す。本実施例では、微
小半透鏡アレイ3の裏面(図2の表示装置1側)は平坦
な面となっており、表示装置1の表示面と平行となって
いる。それに対し、微小半透鏡アレイ3の表面(使用者
側)では、反射率の高い領域(反射領域3a)が、被写
体(使用者)の像を図2の撮像装置2の方向へ反射する
ため、角度θだけ傾いた傾斜面となっており、傾斜面に
は光吸収層3eが反射層3dの直下にあるように構成さ
れている。さらに、表示装置1の表示光を透過させる反
射率の低い領域(透過領域3b)では、表示面と平行に
するため平坦な領域にしてある。上記の光吸収層3eに
は、黒色膜,例えば液晶ディスプレイのブラックストラ
イプに用いられる酸化クロム膜を用い、黒色膜をコーテ
ィングした後、クロムやアルミニウム等の金属膜をコー
ティングして反射層3dを形成し、図のような構造を形
成してある。
る微小半透鏡アレイの断面図を示す。本実施例では、微
小半透鏡アレイ3の裏面(図2の表示装置1側)は平坦
な面となっており、表示装置1の表示面と平行となって
いる。それに対し、微小半透鏡アレイ3の表面(使用者
側)では、反射率の高い領域(反射領域3a)が、被写
体(使用者)の像を図2の撮像装置2の方向へ反射する
ため、角度θだけ傾いた傾斜面となっており、傾斜面に
は光吸収層3eが反射層3dの直下にあるように構成さ
れている。さらに、表示装置1の表示光を透過させる反
射率の低い領域(透過領域3b)では、表示面と平行に
するため平坦な領域にしてある。上記の光吸収層3eに
は、黒色膜,例えば液晶ディスプレイのブラックストラ
イプに用いられる酸化クロム膜を用い、黒色膜をコーテ
ィングした後、クロムやアルミニウム等の金属膜をコー
ティングして反射層3dを形成し、図のような構造を形
成してある。
【0017】本実施例の光学素子の外見は図1で示した
第1実施例の光学素子と全く同じであるが、前述したよ
うに本実施例の反射領域3aの構造は、光吸収層3eの
上に反射層3dが形成された構造となっているところが
第1実施例と大きく異なる。本実施例の微小半透鏡アレ
イ3の反射領域3aに被写体方向から入射された光は反
射層3dである金属膜によって反射されるが、裏面から
入射された光は光吸収層3eである黒色膜層により反射
面の裏面では反射されないか、または反射光の光量が極
めて小さくなる。
第1実施例の光学素子と全く同じであるが、前述したよ
うに本実施例の反射領域3aの構造は、光吸収層3eの
上に反射層3dが形成された構造となっているところが
第1実施例と大きく異なる。本実施例の微小半透鏡アレ
イ3の反射領域3aに被写体方向から入射された光は反
射層3dである金属膜によって反射されるが、裏面から
入射された光は光吸収層3eである黒色膜層により反射
面の裏面では反射されないか、または反射光の光量が極
めて小さくなる。
【0018】ところで、図1で示した構造では表示光が
裏面からこの光学素子3へ入射されると、例えば図7に
示した光路、すなわち表示光が反射領域3aである反射
面の裏面で反射された後、再度裏面で全反射されて側壁
3cから出射する表示光により、表示画像の画質が低下
する場合がある。例えば、図2の表示・撮像装置のよう
に光学素子3を表示面の前方に設置した場合、表示画面
の上部を使用者が見ると、透過領域を平行に出射した表
示光と上記の光路を経た表示光の両方を同時に使用者は
見ることになり、表示画像が多重像化する。このような
光路の光に起因して起きる表示の多重像化は、反射面の
裏面での反射を抑えるか、側壁からの光の出射を抑えれ
ばよい。
裏面からこの光学素子3へ入射されると、例えば図7に
示した光路、すなわち表示光が反射領域3aである反射
面の裏面で反射された後、再度裏面で全反射されて側壁
3cから出射する表示光により、表示画像の画質が低下
する場合がある。例えば、図2の表示・撮像装置のよう
に光学素子3を表示面の前方に設置した場合、表示画面
の上部を使用者が見ると、透過領域を平行に出射した表
示光と上記の光路を経た表示光の両方を同時に使用者は
見ることになり、表示画像が多重像化する。このような
光路の光に起因して起きる表示の多重像化は、反射面の
裏面での反射を抑えるか、側壁からの光の出射を抑えれ
ばよい。
【0019】本実施例の微小半透鏡アレイ3では、反射
面の裏面での反射光の光量が光吸収層3eによって抑え
られるため、前記のような光路で出射する表示光量が低
減され、表示画像の多重像化が防止できることになる。
面の裏面での反射光の光量が光吸収層3eによって抑え
られるため、前記のような光路で出射する表示光量が低
減され、表示画像の多重像化が防止できることになる。
【0020】図4(a),(b)、図5(a),(b)
に本発明の第3実施例による別の微小半透鏡アレイ3の
断面図を示す。
に本発明の第3実施例による別の微小半透鏡アレイ3の
断面図を示す。
【0021】図4(a)は図1の第1実施例における透
過領域3bに反射防止層3fを形成した例であり、図5
(a)は図3の第2実施例における透過領域3bに反射
防止層3fを形成した例である。また、図4(b)およ
び図5(b)は、上記の図4(a)および図5(a)に
おいて、傾斜面に透過領域3aを形成する前に傾斜面に
も反射防止層3fの形成時に反射防止膜を形成するよう
にした例である。上記反射防止層3fの形成は、例えば
反射防止膜である誘電体多層膜をコーティングすること
で行える。図1で示した構造では、透過領域3bである
平坦な部分で使用者自身の像が反射され、表示面に表示
された画像とともに使用者自身の反射像が観察されるた
め、表示画像が多重化し、画質が劣化してしまう場合が
ある。しかしながら、本実施例では透過領域3bである
平坦な領域に反射防止層3fを形成してあるため、この
部分での反射が低減され、使用者自身の反射像の輝度を
低下できる。その結果、使用者が表示画面を見た際、自
分自身の反射像がほとんど見えなくなり、表示画像の画
質を改善できることになる。
過領域3bに反射防止層3fを形成した例であり、図5
(a)は図3の第2実施例における透過領域3bに反射
防止層3fを形成した例である。また、図4(b)およ
び図5(b)は、上記の図4(a)および図5(a)に
おいて、傾斜面に透過領域3aを形成する前に傾斜面に
も反射防止層3fの形成時に反射防止膜を形成するよう
にした例である。上記反射防止層3fの形成は、例えば
反射防止膜である誘電体多層膜をコーティングすること
で行える。図1で示した構造では、透過領域3bである
平坦な部分で使用者自身の像が反射され、表示面に表示
された画像とともに使用者自身の反射像が観察されるた
め、表示画像が多重化し、画質が劣化してしまう場合が
ある。しかしながら、本実施例では透過領域3bである
平坦な領域に反射防止層3fを形成してあるため、この
部分での反射が低減され、使用者自身の反射像の輝度を
低下できる。その結果、使用者が表示画面を見た際、自
分自身の反射像がほとんど見えなくなり、表示画像の画
質を改善できることになる。
【0022】また、反射防止層3fはその膜の性質上、
図4の(b)および図5の(b)に示したように微小半
透鏡アレイ3全体に渡って形成しても、反射領域3bに
は何も影響を及ぼすことはない。この場合には、図4
(a)および図5(a)に示した構造に比べ、選択コー
ティングやパターニングをする必要がなくなるため、作
製が容易になる利点を有する。図4(b)および図5
(b)では、反射防止層3fを最初に形成する構造を示
してあるが、反射防止膜を最後に形成し最表面上に反射
防止膜がある構造であっても同様な効果を得られること
は言うまでもない。さらに、図5(a),(b)に示す
ように、反射領域3aを光吸収層3eと反射層3dとで
2層化すれば、使用者自身の反射が低減するとともに表
示の多重像化も防止できる。
図4の(b)および図5の(b)に示したように微小半
透鏡アレイ3全体に渡って形成しても、反射領域3bに
は何も影響を及ぼすことはない。この場合には、図4
(a)および図5(a)に示した構造に比べ、選択コー
ティングやパターニングをする必要がなくなるため、作
製が容易になる利点を有する。図4(b)および図5
(b)では、反射防止層3fを最初に形成する構造を示
してあるが、反射防止膜を最後に形成し最表面上に反射
防止膜がある構造であっても同様な効果を得られること
は言うまでもない。さらに、図5(a),(b)に示す
ように、反射領域3aを光吸収層3eと反射層3dとで
2層化すれば、使用者自身の反射が低減するとともに表
示の多重像化も防止できる。
【0023】図6(a),(b)に本発明の第4実施例
による別の微小半透鏡アレイの断面図を示す。この実施
例では、反射領域3aが光吸収層と反射層の2層化には
なっておらず、その代りに反射領域3aの傾斜面の側壁
3c部に遮光層(3g,3h)を設けてある。微小半透
鏡アレイ3へ入射して迷光化した表示光は、図7で示し
たように側壁3cから出射するが、本実施例では遮光層
により出射が阻止される。その結果、表示画像の多重化
が防止できる。図6(a)では遮光層に酸化クロムの黒
色の遮光膜3gを用い、この遮光膜3gが容易にコーテ
ィングできるように側壁3cは垂直ではなく、若干傾い
て作製してある。図6(b)では黒色の遮光膜をコーテ
ィングしておらず、微小半透鏡アレイ3を形成時に側壁
3c面に微小な凹凸を形成し、散乱層3hを形成してあ
る。遮光層が散乱層3hであるため遮光できる光量は図
6(a)に比べて小さいが、コーティングを行う必要が
ないため、容易に作製できる利点を有する。
による別の微小半透鏡アレイの断面図を示す。この実施
例では、反射領域3aが光吸収層と反射層の2層化には
なっておらず、その代りに反射領域3aの傾斜面の側壁
3c部に遮光層(3g,3h)を設けてある。微小半透
鏡アレイ3へ入射して迷光化した表示光は、図7で示し
たように側壁3cから出射するが、本実施例では遮光層
により出射が阻止される。その結果、表示画像の多重化
が防止できる。図6(a)では遮光層に酸化クロムの黒
色の遮光膜3gを用い、この遮光膜3gが容易にコーテ
ィングできるように側壁3cは垂直ではなく、若干傾い
て作製してある。図6(b)では黒色の遮光膜をコーテ
ィングしておらず、微小半透鏡アレイ3を形成時に側壁
3c面に微小な凹凸を形成し、散乱層3hを形成してあ
る。遮光層が散乱層3hであるため遮光できる光量は図
6(a)に比べて小さいが、コーティングを行う必要が
ないため、容易に作製できる利点を有する。
【0024】以上、図3から図6までに示した構造の微
小半透鏡アレイでは、透過領域上の反射防止層および反
射層直下の光吸収層以外は前述のように図1で示した微
小半透鏡アレイと全く同一形状であるため、図2で示し
た表示・撮像装置の構造で本微小半透鏡アレイを用いた
場合、反射画像の画質や表示画像の輝度分布は図1で示
した光学素子と全く同等になる。上記実施例では、光吸
収膜および遮光膜として酸化クロムの黒色膜を用いた
が、透過率が極めて低く反射を抑えることが可能な膜で
あれば、酸化クロム以外の膜を用いても同様な効果を得
られることは、本発明の趣旨から言って、自明なことで
ある。
小半透鏡アレイでは、透過領域上の反射防止層および反
射層直下の光吸収層以外は前述のように図1で示した微
小半透鏡アレイと全く同一形状であるため、図2で示し
た表示・撮像装置の構造で本微小半透鏡アレイを用いた
場合、反射画像の画質や表示画像の輝度分布は図1で示
した光学素子と全く同等になる。上記実施例では、光吸
収膜および遮光膜として酸化クロムの黒色膜を用いた
が、透過率が極めて低く反射を抑えることが可能な膜で
あれば、酸化クロム以外の膜を用いても同様な効果を得
られることは、本発明の趣旨から言って、自明なことで
ある。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の光学素子
は、微小半透鏡間の凹部に反射率の低い透過領域を設
け、その透過領域を平坦にすることにより、すなわち表
示面と平行にすることにより、表示光の屈折を防止し、
表示画面の輝度低下、輝度ムラを改善することができる
利点を有する。
は、微小半透鏡間の凹部に反射率の低い透過領域を設
け、その透過領域を平坦にすることにより、すなわち表
示面と平行にすることにより、表示光の屈折を防止し、
表示画面の輝度低下、輝度ムラを改善することができる
利点を有する。
【0026】
【0027】また、反射層と光吸収層による反射傾斜面
の2層化、反射傾斜面への遮光層の形成により、反射傾
斜面の裏面および透過領域での反射が抑えられるため、
表示画像の多重化を防止でき、表示画面の画質を改善で
きる利点を有する。
の2層化、反射傾斜面への遮光層の形成により、反射傾
斜面の裏面および透過領域での反射が抑えられるため、
表示画像の多重化を防止でき、表示画面の画質を改善で
きる利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光学素子の第1実施例を示す半透鏡
(微小半透鏡アレイ)の断面図
(微小半透鏡アレイ)の断面図
【図2】上記実施例の光学素子を用いた表示・撮像装置
の構成例を示す図
の構成例を示す図
【図3】本発明の第2実施例による光学素子の断面図
【図4】(a),(b)は本発明の第3実施例による光
学素子(その1)の断面図
学素子(その1)の断面図
【図5】(a),(b)は本発明の第3実施例による光
学素子(その2)の断面図
学素子(その2)の断面図
【図6】(a),(b)は本発明の第4実施例による光
学素子の断面図
学素子の断面図
【図7】表示画像の多重化を説明するための光線追跡図
【図8】従来の表示・撮像装置の構成図
【図9】(a),(b)は微小半透鏡を組み合わせた従
来の半透鏡の断面図
来の半透鏡の断面図
【図10】微小半透鏡を組み合わせた従来の半透鏡を用
いて構成した場合の表示・撮像装置の構成図
いて構成した場合の表示・撮像装置の構成図
1…表示装置 2…撮像装置 3…半透鏡(微小半透鏡アレイ) 3a…反射率の高い反射領域 3b…反射率の低い透過領域 3c…側壁 3d…反射層 3e…光吸収層 3f…反射防止層 3g…遮光膜 3h…散乱層 5…使用者
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 酒井 重信 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日本電信電話株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−56423(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 5/00
Claims (2)
- 【請求項1】 入射光を反射させる反射率の高い傾斜面
を有する領域と入射光を透過させる反射率の低い領域で
ある2つの領域から構成され、該反射率の低い領域が該
反射率の高い領域間の凹部に設けられ、かつ該反射率の
低い領域が平坦となっている多数の微小半透鏡から成る
光学素子であって、 前記反射率の高い領域が光吸収層と反射層の2層構造に
なっている ことを特徴とする光学素子。 - 【請求項2】 請求項1記載の光学素子において、前記
反射率の高い傾斜面の側壁に遮光層を形成することを特
徴とする光学素子。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP29956293A JP3317564B2 (ja) | 1993-05-26 | 1993-11-30 | 光学素子 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12364693 | 1993-05-26 | ||
JP5-123646 | 1993-05-26 | ||
JP29956293A JP3317564B2 (ja) | 1993-05-26 | 1993-11-30 | 光学素子 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0743506A JPH0743506A (ja) | 1995-02-14 |
JP3317564B2 true JP3317564B2 (ja) | 2002-08-26 |
Family
ID=26460522
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29956293A Expired - Fee Related JP3317564B2 (ja) | 1993-05-26 | 1993-11-30 | 光学素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3317564B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4845336B2 (ja) | 2003-07-16 | 2011-12-28 | 株式会社半導体エネルギー研究所 | 撮像機能付き表示装置、及び双方向コミュニケーションシステム |
US7502085B2 (en) | 2005-04-26 | 2009-03-10 | Samsung Electronics Co., Ltd. | Display device having functional transparent plate in prismatic structure on retarder provided on polarizer above display panel assembly |
KR102640119B1 (ko) * | 2016-11-23 | 2024-02-23 | 엘지디스플레이 주식회사 | 표시장치 |
WO2022070863A1 (ja) * | 2020-09-29 | 2022-04-07 | ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社 | 表示装置 |
-
1993
- 1993-11-30 JP JP29956293A patent/JP3317564B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0743506A (ja) | 1995-02-14 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |