JP3317293B2 - 導波管・伝送線路変換器 - Google Patents

導波管・伝送線路変換器

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JP3317293B2
JP3317293B2 JP35230299A JP35230299A JP3317293B2 JP 3317293 B2 JP3317293 B2 JP 3317293B2 JP 35230299 A JP35230299 A JP 35230299A JP 35230299 A JP35230299 A JP 35230299A JP 3317293 B2 JP3317293 B2 JP 3317293B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロ波、ミリ
波帯の電力を変換する導波管・伝送線路変換器に関す
る。
【0002】
【従来の技術】導波管により伝送される電力と、ストリ
ップ線路により伝送される電力とを相互に変換可能な導
波管・伝送線路変換器については、公開特許公報「特開
平10−126114:給電線変換器」に記載されたも
の等が一般に知られている。図13に、従来技術による
導波管・伝送線路変換器300の斜視図を、図14に、
同変換器300の断面図(a),(c)、及び、底面の
平面図(b)をそれぞれ示す。
【0003】誘電体基板4の一方の面にはストリップ線
路3が、他方の面には導波管2の開口部と接続される接
地金属層5が、それぞれ設けられている。誘電体基板4
は、短絡導波管ブロック9と導波管2とで挟み込む様に
して固定されている。導波管2内の電界が強い位置にス
トリップ線路3を挿入した時に高い電力変換効率が得ら
れるため、短絡導波管ブロック9の短絡面とストリップ
線路3との距離は、導波管管内波長λの約1/4に設定
されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来技術による導波管
・伝送線路変換器300においては、導波管2と高周波
回路とを接続する際、ストリップ線路3はこの高周波回
路が形成される基板平面上に位置するため、短絡導波管
ブロック9が高周波回路から凸部として垂直に突き出す
形になる。特に、マイクロ波を取り扱う場合には、この
凸部の高さ(λ/4)が2cmを超える場合も有り、この
短絡導波管ブロック9が高周波回路の小型化の阻害要因
となっている。
【0005】一方、ミリ波等の高い周波数帯を取り扱う
場合には、導波管2、短絡導波管ブロック9、及び、ス
トリップ線路3の各間における僅かな位置ずれが生じて
も変換器300の整合特性は劣化してしまうため、高い
電力変換効率を得るためには、これらの部品を1/10
0mm程度の高い位置精度で固定する必要がある。しかし
ながら、上記の従来の構造では、特に、短絡導波管ブロ
ック9と導波管2とをこのように高い精度で固定するこ
とは難しく、従来の構造は、導波管・伝送線路変換器を
量産する上での阻害要因となっている。
【0006】本発明は、上記の課題を解決するために成
されたものであり、その目的は、高い電力変換効率を維
持しつつ、小型化及び量産の容易な導波管・伝送線路変
換器を実現することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めには、以下の手段が有効である。即ち、第1の手段
は、導波管により伝送される電力と、ストリップ線路に
より伝送される電力とを相互に変換可能な導波管・伝送
線路変換器において、導波管の開口部に位置する切り込
みを入れた短絡板(金属板)と、導波管内にこの短絡板
より一定距離離して略平行に設けられた整合素子と、短
絡板と整合素子との間に位置する誘電体基板とを備え、
短絡板の切り込みに配置されたストリップ線路と整合素
子とを、互いに接近して配置することにより互いに電磁
的に結合することである。
【0008】
【0009】
【0010】また、第2の手段は、上記の第1の手段
おいて、ストリップ線路が付設されている誘電体基板の
ストリップ線路が付設されている面とは反対側の面に、
導波管の開口部と接合される接地金属層を設けることで
ある。
【0011】
【0012】また、第3の手段は、上記の第1又は第2
の手段において、短絡板、又は、短絡金属層の切り込み
に配置されたストリップ線路を複数本設けることであ
る。
【0013】また、第4の手段は、上記の第1乃至第3
の何れか1つの手段において、ストリップ線路が付設さ
れている誘電体基板と高周波回路が形成されている回路
板とを一体成形することである。また、第5の手段
は、上記の第1乃至第4のいずれか1つの手段におい
て、ストリップ線路の整合素子と重なっている長さによ
って、インピーダンスを制御することを特徴とすること
である。また、第6の手段は、上記の第1乃至第5のい
ずれか1つの手段において、整合素子のストリップ線路
と平行な長さによって、共振周波数を制御することであ
る。また、第7の手段は、上記の第1乃至第6のいずれ
か1つの手段において、ストリップ線路と整合素子との
間隔は0.01λg 〜0.20λg である(ただし、λ
g はストリップ線路と整合素子との間に存在する誘電体
内における波長である)ことである。また、第8の手段
は、上記の第1乃至第7のいずれか1つの手段におい
て、短絡金属板又は短絡金属層とストリップ線路との間
隔は0.03λg 〜0.06λg である(ただし、λg
は間隔に存在する媒体の内部における波長である)こと
である。以上の手段により、前記の課題を解決すること
ができる。
【0014】
【作用及び発明の効果】本発明の手段によれば、短絡板
又は短絡金属層の切り込みに配置されたストリップ線路
と整合素子とは、互いに接近して配置されて互いに電磁
的に結合し、この両者の電磁的結合により、電力の変換
が行われる。従って、従来の導波管・伝送線路変換器に
おいて構成上不可欠であった短絡導波管ブロック9が必
要なくなる。このため、高周波回路の基板平面上からお
よそλ/4突き出ていた前記の凸部がなくなり、導波管
・伝送線路変換器を平面化(小型化)することが可能と
なる。
【0015】また、短絡導波管ブロック9が無くなった
ため、前記の様に特に困難であった短絡導波管ブロック
9と導波管2との間の、λ/4という制約を伴う高精度
な相対的位置決めの問題もなくなり、製造が容易とな
る。
【0016】また、本発明の手段によれば、ストリップ
線路の導波管に対する挿入長でインピーダンス整合を図
ることができ、更に、整合素子の大きさや、ストリップ
線路との間隔により伝送・変換される周波数帯域を決定
することができる。例えば、導波管断面形状の長手方向
における整合素子の幅が広いと、周波数帯域の幅も広く
なり、整合素子のこれと垂直方向の幅は、遮断周波数を
決める。また、整合素子のストリップ線路との間隔(間
に介在する誘電体基板の厚さ)が狭いと周波数帯域の幅
が狭くなり、この間隔を広くすると周波数帯域の幅も広
くなる。したがって、これらのパラメータを適切に調整
することにより、所望の周波数で損失の少ない導波管・
伝送線路変換器を実現することが可能となる。
【0017】また、本発明の接地金属層により、ストリ
ップ線路が付設されている誘電体基板と導波管とを容
易、かつ、確実に密着固定することが可能となる。その
ため、電力損失の少ない導波管・伝送線路変換器を実現
することができる。また、本発明のスルーホールに金属
等の導体を埋め込めば、短絡金属層と導波管とを確実に
同電位にすることができる。これにより、更に電力損失
の少ない導波管・伝送線路変換器を実現することができ
る。また、ストリップ線路の整合素子と重なっている長
さによって、インピーダンスを変化させて、変換器にお
ける入力と出力のインピーダンス整合を図ることが可能
となる。また、整合素子のストリップ線路と平行な長さ
によって、共振周波数を変化させることができるので、
共振周波数の調整が容易となる。また、ストリップ線路
と整合素子との間隔を0.01λg 〜0.20λg とす
ることで、変換器における損失を低くすることができ
る。また短絡金属板又は短絡金属層とストリップ線路と
の間隔を0.03λg 〜0.06λg とすることで、変
換器における損失を低くすることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的な実施例に
基づいて説明する。 (第1実施例)図1に本実施例の導波管・伝送線路変換
器100の斜視図を、図2に本導波管・伝送線路変換器
100の断面図(a),(c),(d)、及び、底面の
平面図(b)をそれぞれ示す。
【0019】誘電体基板4の一方の面には、ストリップ
線路3が設けられ、その反対側の面には、導波管2の側
壁の厚さとほぼ同じ幅の長方形の接地金属層5が設けら
れている。これらの導体(ストリップ線路3、接地金属
層5)は、フォトエッチング等の製法により、形成され
たものである。
【0020】短絡板1には、誘電体基板4の平面形状
(長方形)と略合同の切り込みが設けられている。誘電
体基板4は、短絡板1の切り込みと嵌合し、かつ、接地
金属層5が、溶接又は半田付け等により導波管2の開口
部と密着固定されることにより、導波管2の開口部に固
定されている。
【0021】導波管2の開口部の内部には、誘電体基板
7が設置されており、この誘電体基板7は、誘電体基板
4及び短絡板1と密着して固定されている。この誘電体
基板7の、上記ストリップ線路3とは反対側の面の中央
には、略正方形の金属層がフォトエッチングにより形成
されている。以下、このような金属層をその機能より
「整合素子6」と呼ぶ。この整合素子6は、ストリップ
線路3に接近して設けられているため、両者は互いに電
磁的に結合されている。
【0022】以上の構成により、従来の導波管・伝送線
路変換器300において、高周波回路の基板平面上から
およそλ/4突き出ていた凸部がなくなり、導波管・伝
送線路変換器を平面化(小型化)することが可能となっ
た。また、従来、特に困難であった短絡導波管ブロック
9と導波管2との間の、λ/4という制約を伴う高精度
な相対的位置決めの問題もなくなり、製造が容易となっ
た。
【0023】また、本実施例の導波管・伝送線路変換器
100の構成によれば、ストリップ線路の導波管に対す
る挿入長でインピーダンス整合を図ることができ、更
に、整合素子の面積で伝送・変換される周波数帯域を決
定することができるため、所望の周波数で損失の少ない
導波管・伝送線路変換器を実現することが可能となっ
た。図9に、ストリップ線路3の導波管2に対する挿入
長ρと入力側電圧定在波比との関係を示す。ただし、ス
トリップ線路挿入長ρは、図2(a)に示すように、ス
トリップ線路3と整合素子6とが導波管2の短辺に平行
な方向において重なる長さである。図9の横軸は、この
ストリップ線路挿入長ρを導波管2の短辺に平行な整合
素子長Lで正規化した値ρ/L(以下、正規化ストリッ
プ線路挿入長という)を示している。ストリップ線路長
ρを、0.11L≦ρ≦0.28L、又は、0.45L
≦ρ≦0.73Lの範囲に設定することにより、入力側
電圧定在波比を1.5以下とすることができる。このよ
うに、ストリップ線路長ρによって入力側電圧定在波比
を制御できる。即ち、変換器における入力、出力のイン
ピーダンス整合が実現できる。図10に、整合素子長L
と共振周波数fとの関係を示す。ただし、図10の横軸
は、整合素子長Lを所定整合素子長L0 で正規化した値
L/L0 (以下、正規化整合素子長という)を示し、図
10の縦軸は、共振周波数fを所定共振周波数f0 で正
規化した値f/f0 (以下、正規化共振周波数という)
を示している。なお、整合素子長がL0 の時の共振周波
数がf0 である。整合素子長Lを長くするに従い、共振
周波数fは低下しており、整合素子長Lで共振周波数f
を制御できることが理解される。本実施例の導波管・伝
送線路変換器100の構成によれば、ストリップ線路3
と整合素子6との導波管2の管軸方向における間隔d
(図2(a)に示す誘電体基板4と誘電体基板7との厚
さの合計)を0.01λg ≦d≦0.20λg の範囲と
しても、低損失な特性を実現することができる。ただ
し、λg は誘電体内における伝搬波長である。また、誘
電体基板4及び誘電体基板7の比誘電率を1〜10とし
ても低損失な特性を実現することができる。短絡板1と
ストリップ線路3との間隔に関しては、ストリップ線路
3の電磁界が乱れず、しかも、その間隔からの電力漏洩
が抑えられるように、その間隔を0.03λg 〜0.0
6λg とすると、低損失な特性を実現できる。図11に
導波管・伝送線路変換器100の反射量、透過量の周波
数特性を示す。所望する所定周波数f0 で反射量−40
dB以下、透過損失0.3dB以下と低損失な特性とな
っていることが分かる。なお、図11は、ストリップ線
路挿入長ρを0.18L、整合素子長Lを0.5λg
ストリップ線路3と整合素子6との導波管2の管軸方向
の間隔dを0.05λg 、誘電体基板4と誘電体基板7
の比誘電率を共に2.2、短絡板1とストリップ線路3
との間隔を0.04λgとしたときの特性である。
【0024】尚、本実施例においては、誘電体基板4
は、図1及び図2に示すが如く短絡板1の切り込みと略
合同形状に形成されているが、誘電体基板4は、高周波
回路が形成されている回路基板、或いは、誘電体基板7
と一体成形されていても良い。例えば、誘電体基板4を
高周波回路が形成されている回路基板及び誘電体基板7
と一体成形することにより、電力変換効率を劣化させる
ことなく、導波管・伝送線路変換器100の小型化、低
コスト化、量産化をより容易に実現することが可能とな
る。
【0025】(第2実施例)図3に本実施例の導波管・
伝送線路変換器110の斜視図を、図4に本導波管・伝
送線路変換器110の断面図(a),(c),(d)、
及び、底面の平面図(b)をそれぞれ示す。本導波管・
伝送線路変換器110の導波管2、ストリップ線路3、
整合素子6、誘電体基板7の各位置関係は、第1実施例
の導波管・伝送線路変換器100の各々の位置関係と同
じである。従って、本導波管・伝送線路変換器110
は、第1実施例の導波管・伝送線路変換器100と略同
等の変換機能を持つ。
【0026】しかしながら、本導波管・伝送線路変換器
110は、導波管・伝送線路変換器100の短絡板1が
持つ導波管短絡面を誘電体基板上に形成された短絡金属
層11により構成している点が、第1実施例の導波管・
伝送線路変換器100とは大きく異なっている。
【0027】即ち、本導波管・伝送線路変換器110
(図3、図4)の誘電体基板4には、その一方の面に短
絡金属層11が形成されている。この短絡金属層11
は、ストリップ線路3を配置するための切り込みを備
え、短絡金属層11とストリップ線路3は、誘電体基板
4の同一面上に一定の間隔をおいて配置されている。
【0028】誘電体基板4のもう一方の面には、接地金
属層5が導波管2の開口部の断面形状と略合同形状に形
成されており、短絡金属層11と接地金属層5及び導波
管2とは、誘電体基板4の周囲に設けられたスルーホー
ル8に埋め込まれている金属により、同電位に保たれて
いる。また、導波管・伝送線路変換器100と同様に、
誘電体基板7の一方の面には、整合素子6が設けられて
おり、もう一方の面は、誘電体基板4と接着固定されて
いる。図3に示すように、スルーホール8のうち、スト
リップ線路3の両脇にある2つのスルーホール8a、8
bの位置は、インピーダンス整合に影響する。図12
に、ストリップ線路3の両脇にある2つのスルーホール
8a、8bの位置gと入力側反射量との関係を示す。位
置gは、図3に示すように、導波管2の長辺に平行な方
向における短絡金属層11の端とスルーホール8a、8
bの端との間隔gで定義されている。短絡金属層端−ス
ルーホール端間隔gを0.01λg 〜0.12λg に設
定することにより、反射量を−20dB以下に低下させ
ることができる。なお、本実施例においても、第1実施
例と同様に、図9、図10、図11に示す特性が得られ
る。即ち、第1実施例と同様に、ストリップ線路長ρに
よって入力側電圧定在波比を制御でき、従って、変換器
における入力、出力のインピーダンス整合が実現でき
る。また、整合素子長Lで共振周波数fを制御できる。
さらに、ストリップ線路3と整合素子6との導波管2の
管軸方向における間隔d(図4(a)に示す誘電体基板
4と誘電体基板7との厚さの合計)を0.01λg ≦d
≦0.20λg の範囲としても、低損失な特性を実現す
ることができる。また、誘電体基板4及び誘電体基板7
の比誘電率を1〜10としても低損失な特性を実現する
ことができる。さらに、短絡板1とストリップ線路3と
の間隔に関しては、0.03λg 〜0.06λg とする
と、低損失な特性を実現できる。
【0029】誘電体基板4は、導波管2の外側向きに拡
張することができるので、その拡張部分には、高周波回
路や平面アンテナを形成することができる。即ち、本導
波管・伝送線路変換器110の構成によれば、導波管・
伝送線路変換器110の一部(誘電体基板4、ストリッ
プ線路3、短絡金属層11、接地金属層5など)を高周
波回路や平面アンテナを形成するためのフォトエッチン
グ工程と同時に同一の工程において形成することができ
るため、高周波回路や平面アンテナと導波管・伝送線路
変換器とを組み合わせた回路を構成する場合には、生産
工程が削減・簡略でき、生産コストが低減できる。
【0030】(第3実施例)図5に本実施例の導波管・
伝送線路変換器120の斜視図を、図6に本導波管・伝
送線路変換器120の断面図(a),(c)、及び、底
面の平面図(b)をそれぞれ示す。本導波管・伝送線路
変換器120は、第2実施例の導波管・伝送線路変換器
110の誘電体基板7をその構成要素より除外し、整合
素子6を誘電体基板4の接地金属層5が形成されている
面と同じ面に形成したものである。
【0031】即ち、本導波管・伝送線路変換器120の
誘電体基板4の一方の面には、短絡金属層11が形成さ
れており、この短絡金属層11は、ストリップ線路3を
配置するための切り込みを備えている。短絡金属層11
とストリップ線路3は、誘電体基板4の同一面上に一定
の間隔をおいて配置されている。
【0032】誘電体基板4のもう一方の面には、接地金
属層5が導波管2の開口部の断面形状と略合同形状に形
成されており、短絡金属層11と接地金属層5及び導波
管2とは、誘電体基板4の周囲に設けられたスルーホー
ル8に埋め込まれている金属により、同電位に保たれて
いる。また、誘電体基板4の接地金属層5が形成されて
いる面には、整合素子6が設けられている。
【0033】このように導波管・伝送線路変換器120
を構成することにより、導波管2を除いた導波管・伝送
線路変換器120の殆ど全てを高周波回路や平面アンテ
ナと同じ基板(誘電体基板4)上に構成することが出
来、その製造工程も高周波回路や平面アンテナを形成す
るためのフォトエッチング工程と同一の工程において実
現することができる。
【0034】また、導波管・伝送線路変換器120の構
成によれば、整合素子6を形成する際の位置誤差も全く
考慮する必要が無くなるため、量産は大幅に容易とな
る。したがって、高周波回路や平面アンテナと導波管・
伝送線路変換器とを組み合わせた回路を構成する場合に
は、第2実施例の導波管・伝送線路変換器110の場合
よりも更に生産工程が削減・簡略でき、生産コストが低
減できる。なお、本実施例においても、第1実施例、第
2実施例と同様に、図9、図10、図11に示す特性が
得られる。即ち、第1実施例、第2実施例と同様に、ス
トリップ線路長ρによって入力側電圧定在波比を制御で
き、従って、変換器における入力、出力のインピーダン
ス整合が実現できる。また、整合素子長Lで共振周波数
fを制御できる。さらに、ストリップ線路3と整合素子
6との導波管2の管軸方向における間隔d(図6(a)
に示す誘電体基板4厚さ)を0.01λg ≦d≦0.2
0λg の範囲としても、低損失な特性を実現することが
できる。また、誘電体基板4の比誘電率を1〜10とし
ても低損失な特性を実現することができる。さらに、短
絡金属層11とストリップ線路3との間隔に関しては、
0.03λg 〜0.06λg とすると、低損失な特性を
実現できる。また、第2実施例と同様に、図12に示す
特性が得られる。即ち、短絡金属層端−スルーホール端
間隔gを0.01λg 〜0.12λg に設定することに
より、反射量を−20dB以下に低下させることができ
る。
【0035】(第4実施例)以上の第1乃至第3実施例
では、どの導波管・伝送線路変換器においても、ストリ
ップ線路3は、1本しか設けられていなかったが、スト
リップ線路3は、例えば、図7の導波管・伝送線路変換
器140のように、導波管短絡面上に複数本設けても良
い。図7にストリップ線路3を導波管短絡面上に複数本
(2本)設けた導波管・伝送線路変換器140の斜視図
を、図8に本導波管・伝送線路変換器140の断面図
(a),(c),(d)、及び、底面の平面図(b)を
それぞれ示す。尚、第2実施例の図3、4、第3実施例
の図5、6において、同様に、複数本のストリップ線路
3を設ける構成が適用できるのは、自明である。
【0036】本導波管・伝送線路変換器140は、第1
実施例の導波管・伝送線路変換器100の短絡板1に切
り込みを2つ左右対象に設け(平面図(b))、各切り
込みにストリップ線路3をそれぞれ1本ずつ配置する構
成にしたものと考えることができる。即ち、本導波管・
伝送線路変換器140は、短絡板1に設けられた切り込
みの数、及び、ストリップ線路3の本数以外の点では、
導波管・伝送線路変換器100と同様の構造をしてい
る。
【0037】このように導波管短絡面上に複数本のスト
リップ線路3を設けることにより、導波管・伝送線路変
換器を、1本の導波管2により伝送される電力を複数本
のストリップ線路3により伝送される電力に分岐・変換
するマイクロ波分岐器や、複数本のストリップ線路3に
より伝送される電力を1本の導波管2により伝送される
電力に合成・変換するマイクロ波合成器として使用する
ことも可能となる。
【0038】なお、本導波管・伝送線路変換器140に
おいては、短絡板1に設けられた切り込みとストリップ
線路3とが、おのおの2つずつ有り、かつ、それぞれ1
対1に対応しているが、上記の各実施例において、短絡
板1や短絡金属層11に設ける切り込みの数は、複数個
でもよく、また、切り込みとストリップ線路3とは、必
ずしも1対1に対応している必要はない。
【0039】尚、上記の第2及び第3実施例において
は、接地金属層5は、導波管2の開口部の形状(導波管
2の断面形状)と略合同に形成されているが、接地金属
層5は、更に導波管2の内側方向に広がって形成されて
いても良い。例えば、第3実施例の導波管・伝送線路変
換器120における接地金属層5の形状は、接地金属層
5と整合素子6との間隔が一定以上に保たれており、導
波管2の開口部の断面領域を含んでいれば任意である。
【0040】また、上記の実施例において、整合素子6
は、長方形であったが、整合素子6の形状には、特に制
約はなく、円形、リング形状などでも良い。
【0041】また、上記の各実施例においては、特に言
及しなかったが、導波管の内部には、誘電体等を充填し
ても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の導波管・伝送線路変換器100の
斜視図。
【図2】第1実施例の導波管・伝送線路変換器100の
断面図(a),(c),(d)、及び、底面の平面図
(b)。
【図3】第2実施例の導波管・伝送線路変換器110の
斜視図。
【図4】第2実施例の導波管・伝送線路変換器110の
断面図(a),(c),(d)、及び、底面の平面図
(b)。
【図5】第3実施例の導波管・伝送線路変換器120の
斜視図。
【図6】第3実施例の導波管・伝送線路変換器120の
断面図(a),(c)、及び、底面の平面図(b)。
【図7】第4実施例の導波管・伝送線路変換器140の
斜視図。
【図8】第4実施例の導波管・伝送線路変換器140の
断面図(a),(c),(d)、及び、底面の平面図
(b)。
【図9】第1実施例の導波管・伝送線路変換器100の
正規化ストリップ線路挿入長と電圧定在波比との関係を
測定して得られた特性図。
【図10】第1実施例の導波管・伝送線路変換器100
の正規化整合素子長と正規化共振周波数との関係を測定
して得られた特性図。
【図11】第1実施例の導波管・伝送線路変換器100
の正規化周波数と反射量、透過量との関係を測定して得
られた特性図。
【図12】第2実施例の導波管・伝送線路変換器110
の正規化短絡金属層端−スルーホール端間隔と反射量と
の関係を測定して得られた特性図。
【図13】従来技術の導波管・伝送線路変換器300の
斜視図。
【図14】従来技術の導波管・伝送線路変換器300の
断面図(a),(c)、及び、底面の平面図(b)。
【符号の説明】
1 … 短絡板 2 … 導波管 3 … ストリップ線路 4,7 … 誘電体基板 5 … 接地金属層 6 … 整合素子 8 … スルーホール 11 … 短絡金属層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 俊明 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41 番地の1 株式会社豊田中央研究所内 (56)参考文献 特開 平8−139504(JP,A) 特開 平2−171006(JP,A) 特開 平11−112209(JP,A) 特開 平2−223201(JP,A) 米国特許5793263(US,A) 独国特許出願公開4208058(DE,A 1) 仏国特許出願公開2462787(FR,A 1) IEEE Antennas.Pro pag.Soc.Int.Symp., 1997,2530−2533 古川,マイクロ波ストリップ線路 (1),雑誌エレクトロニクス,昭和50 年2月号,pp.185−191 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01P 5/107

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導波管により伝送される電力と、ストリ
    ップ線路により伝送される電力とを相互に変換可能な導
    波管・伝送線路変換器であって、 前記導波管の開口部に位置する切り込みを入れた短絡板
    と、 前記導波管内に、前記短絡板より一定距離離して略平行
    に設けられた整合素子と、 前記短絡板と前記整合素子との間に位置する誘電体基板
    と を備え、 前記切り込みに配置された前記ストリップ線路と、前記
    整合素子とが、互いに接近して配置されることにより互
    いに電磁的に結合されることを特徴とする導波管・伝送
    線路変換器。
  2. 【請求項2】 前記ストリップ線路が付設されている誘
    電体基板は、 前記ストリップ線路が付設されている面とは反対側の面
    に、前記導波管の開口部と接合される接地金属層を有す
    ることを特徴とする請求項1に記載の導波管・伝送線路
    変換器。
  3. 【請求項3】 前記切り込みに配置された前記ストリッ
    プ線路を複数本有することを特徴とする請求項1又は請
    求項2に記載の導波管・伝送線路変換器。
  4. 【請求項4】 前記ストリップ線路が付設されている誘
    電体基板と高周波回路が形成されている回路基板は、一
    体成形されていることを特徴とする請求項1乃至請求項
    のいずれか1項に記載の導波管・伝送線路変換器。
  5. 【請求項5】 前記ストリップ線路の前記整合素子と重
    なっている長さによって、インピーダンスを制御するこ
    とを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に
    記載の導波管・伝送線路変換器。
  6. 【請求項6】 前記整合素子の前記ストリップ線路と平
    行な長さによって、共振周波数を制御することを特徴と
    する請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の導波
    管・伝送線路変換器。
  7. 【請求項7】 前記ストリップ線路と前記整合素子との
    間隔は0.01λg 〜0.20λg である(ただし、λ
    g は前記ストリップ線路と前記整合素子との間に存在す
    る誘電体内における波長である)ことを特徴とする請求
    項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の導波管・伝送
    線路変換器。
  8. 【請求項8】 前記短絡金属板又は前記短絡金属層と前
    記ストリップ線路との間隔は0.03λg 〜0.06λ
    g である(ただし、λg は前記間隔に存在する媒体の内
    部における波長である)ことを特徴とする請求項1乃至
    請求項7のいずれか1項に記載の導波管・伝送線路変換
    器。
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