JP3317188B2 - 化粧材 - Google Patents

化粧材

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JP3317188B2
JP3317188B2 JP12594597A JP12594597A JP3317188B2 JP 3317188 B2 JP3317188 B2 JP 3317188B2 JP 12594597 A JP12594597 A JP 12594597A JP 12594597 A JP12594597 A JP 12594597A JP 3317188 B2 JP3317188 B2 JP 3317188B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築物の内装用の
床タイル等に用いられる化粧材に関するものである。さ
らに詳しくは、柔軟性、表面硬度、反り等の物性面にお
いて従来のポリ塩化ビニル樹脂製の化粧材と同等の性能
を有しつつ、ポリ塩化ビニル樹脂を含有しないので燃焼
時の有害物質発生の問題もなく、しかも安定した高い層
間密着性を有し耐久性にも優れ、簡便且つ安定的に製造
可能な化粧材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、住宅や店舗、オフィスビル等の内
装用の床タイルとしては、柔軟で加工し易くしかも安価
なポリ塩化ビニル樹脂製のものが最も多用されていた。
しかしながら、ポリ塩化ビニル樹脂は燃焼時に塩化水素
やダイオキシン等の毒性物質を発生するので、火災時の
問題や使用後の焼却処分による環境汚染問題等が指摘さ
れ、内装材としての使用が問題視される様になってお
り、ポリ塩化ビニル樹脂に代わる材質のものでポリ塩化
ビニル樹脂製のものと同等の性能を有する化粧材の出現
が望まれていた。
【0003】係る問題点に鑑み、本発明者らは既に、ア
クリレート系共重合体樹脂を主成分とするバッカー層の
上にアイオノマー樹脂層が積層された化粧材を提案した
(特願平7−337841号)。これは、アイオノマー
樹脂がポリ塩化ビニル樹脂と非常に近い機械的・熱的特
性を有することを利用したもので、ポリ塩化ビニル樹脂
製化粧材と同等の性能が得られることは勿論、同一の製
造設備を使用して従来通りの工程で製造可能であり、ま
た燃焼時の有害物質発生の問題もないという優れた利点
を有するものである。
【0004】しかしながら、係る化粧材は、上記した数
々の利点を有する一方、アイオノマー樹脂とアクリレー
ト系共重合体樹脂との熱接着性が必ずしも十分ではない
為に、屡々密着不良を発生し易いという欠点をも有する
ものであった。この問題点に関して本発明者らは、層間
にプライマー層を設けることで密着性の向上を試みた
が、アイオノマー樹脂とアクリレート系共重合体樹脂と
の双方に対して十分な密着性を示すプライマーは得られ
ていない。
【0005】そこで、アイオノマー樹脂層の裏面に、ア
イオノマー樹脂との接着性に優れた印刷インキを使用し
て絵柄を印刷し、この印刷インキとアクリレート系共重
合体樹脂との双方に対して十分な密着性を示すプライマ
ー層を介して、アイオノマー樹脂層とバッカー層とを積
層することにより、十分な密着強度を有する化粧材が得
られることを見出した。なお、アイオノマー樹脂との接
着性に優れた印刷インキとしては、2液硬化型ウレタン
樹脂系インキが最も好適であった。
【0006】しかしながら、上記方法によっても、絵柄
層はその意匠により、印刷インキの着肉面積や着肉量が
異なるので、結果的に層間密着性も異なってくる。従っ
て、絵柄の意匠の違いや、絵柄層の印刷インキの硬化剤
添加量や着肉量のバラツキ等の為に、十分な層間密着性
を有する化粧材の安定的な製造が困難であった。また、
絵柄層の印刷の工程においても、2液硬化型の印刷イン
キを使用する為に、印刷現場での調液や粘度管理等が煩
雑で作業性が悪く、絵柄の色調や上記した層間密着性等
にバラツキを生じ易い一因となっていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した従
来技術の問題点に鑑みなされたものであり、各種物性面
において従来のポリ塩化ビニル樹脂製の化粧材と同等の
性能を有しつつ、燃焼時の有害物質発生の問題がなく、
しかも安定した高い層間密着性を有し耐久性にも優れ、
簡便且つ安定的に製造可能な化粧材を提供しようとする
ものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の化粧材は、1層
以上のアイオノマー樹脂層が、アクリレート系共重合体
樹脂を主成分とするバッカー層の上に積層されてなる化
粧材において、前記アイオノマー樹脂層と、前記バッカ
ー層との間に、第1プライマー層と、第2プライマー層
とが、順次挟持されてなることを特徴とするものであ
る。
【0009】また、本発明の化粧材は、前記第1プライ
マー層が、2液反応型ウレタン系樹脂を主成分とする樹
脂であり、前記第2プライマー層が、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体樹脂、オレフィン系樹脂、またはそれらの
混合物を主成分とする樹脂であることを特徴とするもの
である。
【0010】また、本発明の化粧材は、前記第1プライ
マー層と、第2プライマー層との間に、絵柄層が挟持さ
れてなることを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、詳
細に説明する。
【0012】本発明の化粧材は、図1に例示する様に、
1層以上のアイオノマー樹脂層11、12と、アクリレ
ート系共重合体樹脂を主成分とするバッカー層5との間
に、第1プライマー層2と、第2プライマー層4との2
層のプライマー層を、順次挟持してなるものであって、
必要に応じて適宜の層間に絵柄層3が設けられる。な
お、アイオノマー樹脂層11、12は、図1の例では2
層であるが、1層のみであっても良いし、3層以上の任
意の数の層を積層することも可能である。また、アイオ
ノマー樹脂層11の表面には、必要に応じてエンボス加
工による凹部6が設けられていても良い。
【0013】本発明に使用されるアイオノマー樹脂と
は、一般に有機及び無機の成分が共有結合とイオン結合
によって結合されている樹脂のことである。本発明に特
に好ましく使用されるアイオノマー樹脂としては、共重
合体の分子間を金属イオンで架橋した樹脂が挙げられ、
この場合の共重合体としてはアクリレート系共重合体、
例えばエチレン−メタクリル酸共重合体などが挙げられ
る。金属イオンとしては、例えばナトリウム、カリウ
ム、マグネシウム、亜鉛等のイオンが挙げられる。
【0014】アイオノマー樹脂を得るには、例えば、カ
ルボキシル基を側鎖に有する単量体(例えばアクリル
酸)を共重合させたエチレン系のポリマーに、ナトリウ
ム、カリウム、マグネシウム又は亜鉛等の金属の水酸化
物、アルコキシド又は低級脂肪酸塩等を適当量添加して
酸基を中和する方法が挙げられる。これにより、分子鎖
に沿って分布するカルボキシル陰イオンが分子鎖間に存
在する金属陽イオンと静電的に結合して一種の架橋を形
成し、共重合体の分子間を金属イオンで完全に又は部分
的に架橋した構造のアイオノマー樹脂が得られる。
【0015】本発明に好ましく使用されるアイオノマー
樹脂は、上述の共重合体樹脂であるため、その共重合組
成によってシートの硬さが任意に選択でき、また金属イ
オンによる架橋結合は加熱により結合力が弱められ、冷
却すると結合力が回復するというポリ塩化ビニル樹脂と
非常に良く似た性質を有するので、熱ラミネーション及
びエンボス加工により製造されていた例えば従来の塩化
ビニル製の化粧材の製造設備を使用し、従来通りの工程
で製造可能であるという利点がある。
【0016】本発明の化粧材は、表面側の樹脂層が上述
のアイオノマー樹脂からなるが、このアイオノマー樹脂
層11、12はアイオノマー樹脂に必要に応じて適当な
添加剤を添加したものを、例えば押出し法、カレンダー
法又はインフレーション法等の適宜の方法で、シート状
に成形することにより得られる。アイオノマー樹脂層1
1、12の総厚は、本発明において特に限定されるもの
ではないが、通常は100〜1000μm程度の厚さが
適当である。
【0017】但し、上記アイオノマー樹脂層11、12
を1層のみから構成した場合には、その厚みの為に印刷
適性やコーティング適性が劣り、2層のプライマー層
2、4や絵柄層3の形成の作業効率が悪いので、アイオ
ノマー樹脂層11、12は少なくとも2層から構成する
ことが好ましい。その際、印刷やコーティングを行う最
下層のアイオノマー樹脂層12の厚みは、50〜200
μm程度の範囲から選択することが好ましい。
【0018】最下層のアイオノマー樹脂層12の下面に
は、第1プライマー層2、絵柄層3及び第2プライマー
層4が順次形成される。なお、絵柄層3は必要に応じて
形成されるものであって、その形成位置は必ずしも2層
のプライマー層2、4の間に限定されず、例えばアイオ
ノマー樹脂層12と第1プライマー層2との間や、第2
プライマー層4の下面であっても良く、またアイオノマ
ー樹脂層11、12が2層以上から構成される場合に
は、その任意の層間であっても良いし、これらのうち複
数の箇所に設けることもできる。
【0019】しかしながら、図1に示した例の様に、絵
柄層3を2層のプライマー層2、4の間に設けた構成と
することが、最も好ましい。その理由は、一般にアイオ
ノマー樹脂は印刷インキ等に対する接着性に乏しいの
で、アイオノマー樹脂層11、12の表面に直接絵柄層
3を設ける構成とすると、目的の化粧材に必要な層間密
着性を得るためには、絵柄層3を構成する印刷インキに
は特にアイオノマー樹脂に対する密着性に優れたものを
選択する必要があるので、印刷インキの選択の幅が狭く
なり、意匠的にも制約されてしまう。これに対し、プラ
イマー層2、4は一般に、他の材質に対する接着性に富
む物質からなるものであるから、その間に絵柄層3を設
けた構成とすれば、任意の一般の印刷インキを使用して
も十分な密着性を得ることができるからである。
【0020】第1プライマー層2は、アイオノマー樹脂
層12と、絵柄層3及び/又は第2プライマー層4との
密着性を確保する目的で設けられるもので、化粧材とし
て実用に耐える接着力を有するものであれば、使用する
プライマーの種類は特に限定されないが、特にアイオノ
マー樹脂層12との密着性に十分留意して選択する必要
があり、アイオノマー樹脂と化学的な結合を生成し得る
材質を使用することが好ましい。
【0021】具体的には、例えばイソシアネート系硬化
剤を含有する2液反応型ウレタン系樹脂を主成分とする
樹脂を使用すると、硬化剤に含まれるイソシアネート基
が、アイオノマー樹脂に含まれる未架橋のカルボキシル
基等の活性水素基と反応して、化学的に強固な結合を形
成し、優れた密着性が得られるので非常に好適である。
【0022】また、アイオノマー樹脂層12の下面に、
第1プライマー層2の形成に先立ち、例えばコロナ放電
処理やグロー放電処理、電子線照射処理、イオンビーム
照射処理、プラズマ処理、オゾン処理等の表面処理を施
すと、これによって樹脂表面に形成された水酸基やカル
ボキシル基等の活性水素基の作用により、第1プライマ
ー層2との間により強固な密着性が得られるので、非常
に好適である。
【0023】絵柄層3に使用する印刷インキの種類は特
に限定されず、従来より係る化粧材に使用されている任
意の印刷インキを使用することができる。具体的には、
例えばポリ塩化ビニル樹脂系、塩化ビニル−酢酸ビニル
共重合体樹脂系、ブチラール系、アクリル系、ウレタン
系、ポリエステル系、エポキシ系、アルキド系、ポリア
ミド系等のバインダー樹脂に、有機又は無機の染料又は
顔料や、必要に応じて体質顔料、充填剤、粘着付与剤、
分散剤、消泡剤、安定剤その他の添加剤を適宜添加し、
適当な希釈溶剤で所望の粘度に調整してなる、従来公知
の任意の印刷インキが使用可能である。
【0024】絵柄層3は、第1プライマー層2と第2プ
ライマー層4との間に設けることが最も好ましいこと
は、既に前述した通りであるが、それ以外の箇所に設け
ることを妨げるものでは勿論ない。但し、アイオノマー
樹脂層11、12の表面に直接設ける場合には、アイオ
ノマー樹脂との密着性に優れた印刷インキを選択して使
用する必要があり、具体的には2液反応型ウレタン系印
刷インキ等を使用することが好ましい。また、印刷前
に、アイオノマー樹脂層11、12の印刷すべき表面
に、前述したコロナ放電処理等の表面処理を施すことが
好ましい。
【0025】第2プライマー層4は、上記第1プライマ
ー層2及び/又は絵柄層3とバッカー層5との密着性を
確保する目的で設けられるもので、化粧材として実用に
耐える接着力を有するものであれば、使用するプライマ
ーの種類は特に限定されないが、バッカー材5との接着
は通常、熱ラミネーション法により行うので、熱により
接着性を発現するホットメルト型の材質であることが好
ましい。具体的には、例えばエチレン−酢酸ビニル共重
合体樹脂(EVA)、オレフィン系樹脂、またはそれら
の混合物を主成分とした樹脂等が好ましく、特に30〜
50℃で溶解する性質を有するものが好ましい。
【0026】また特に、前記オレフィン系樹脂として、
末端に例えば水酸基、アミノ基又はカルボキシル基等の
官能基を有する樹脂を使用すると、これら官能基が、第
1プライマー層2及び/又は絵柄層3を構成する樹脂
や、バッカー層5を構成するアクリレート系共重合体樹
脂に含有される、水酸基やカルボキシル基、カルボニル
基等の極性官能基との間に、水素結合やアミド結合、エ
ステル結合等の化学結合を生成し、接着性を飛躍的に向
上することができるので好適である。
【0027】第1プライマー層2や絵柄層3の形成方法
は特に限定されず、従来公知の任意の塗工方法や印刷方
法を適宜適用して形成することができる。具体的には、
塗工方法としては例えばグラビアコート法、ロールコー
ト法、ナイフコート法、エアナイフコート法、バーコー
ト法、ディップコート法、キスコート法、スプレーコー
ト法、ダイコート法等、印刷方法としては例えばグラビ
ア印刷法、オフセット印刷法、凸版印刷法、スクリーン
印刷法、転写印刷法、静電印刷法、無版印刷法等が適用
可能であるが、化粧材の分野ではグラビア印刷法が最も
一般的である。
【0028】第2プライマー層4の形成方法としても、
上記した各種の塗工方法や印刷方法を適用することも可
能であるが、上記した様に一般に第2プライマー層4と
してはホットメルト型の材質が使用されるから、ホット
メルトコーティング法によるのが最も適当である。すな
わち、樹脂の固形分比NVを5〜30%程度に調整した
塗液を加温させながら塗工する。塗工方法は、上掲した
従来公知の任意の手段を任意に適用して行うことができ
る。
【0029】各プライマー層2、4の塗布量は、0.1
〜10g/m2 程度が適当であるが、勿論これに限定は
されない。
【0030】バッカー層5に使用するアクリレート系共
重合体樹脂としては、例えばエチレン−アクリル酸メチ
ル共重合体樹脂(EMA)、エチレン−アクリル酸エチ
ル共重合体樹脂(EEA)、エチレン−メタクリル酸共
重合体樹脂(EMAA)、エチレン−アクリル酸共重合
体樹脂(EAA)、アイオノマー樹脂、またはそれらの
混合物等の樹脂が挙げられる。この様な共重合体樹脂
は、共重合組成によりシートの硬さが任意に変えられる
利点があるので、本発明の化粧材に使用するのに適当で
ある。
【0031】特に、シートの硬さと柔軟性とのバランス
を考慮すると、エチレン−アクリル酸メチル共重合体樹
脂(EMA)を使用することが最も好ましい。バッカー
層5はアクリレート系共重合体樹脂を主成分とするもの
であるが、必要に応じて適当な添加剤を含有させること
は任意である。バッカー層5の厚みは特に限定されず任
意であるが、化粧材全体の厚み等を考慮すると、通常2
〜5mm程度の厚さが適当である。
【0032】次に、本発明の化粧材の製造方法について
以下に簡単に説明するが、この製造方法は基本的には、
従来のポリ塩化ビニル樹脂製の化粧材の製造方法と大き
く異なるものではない。また、以下の説明は図1に示す
実施の形態の場合についてのものであるが、その他の実
施の形態の場合にも、構成上の変更点に従って工程を適
宜変更するだけで、基本的には略同一の工程に従って製
造することができる。
【0033】まず、下側のアイオノマー樹脂層12を構
成すべきアイオノマー樹脂シートの裏面に、グラビアコ
ート法等によってプライマーを全面に塗工して第1プラ
イマー層2を形成し、次いでその塗工面上にグラビア印
刷法等によって印刷インキを所望の絵柄状に印刷して絵
柄層3を形成し、更にその印刷面上にグラビアコート法
等によってプライマーを全面に塗工して第2プライマー
層4を形成する。
【0034】次に、この第1プライマー層2、絵柄層3
及び第2プライマー層4を裏面に形成した上記アイオノ
マー樹脂層シートの表面側に、上側のアイオノマー樹脂
層11を構成すべきアイオノマー樹脂シートを配置させ
る一方、裏面側にはバッカー層5を構成すべきアクリレ
ート系共重合体樹脂層を主成分とする樹脂シートを配置
させて、これら全層を熱ラミネーション法により同時に
貼り合わせて一体化した積層体を作製する。熱ラミネー
ションの方法としては一般に、枚葉による多段プレス方
式か、又は熱ロールを使用した連続熱ラミネーション方
式が採用され、本発明の化粧材の製造にはいずれの方式
も適用可能であるが、連続熱ラミネーション方式の方が
生産性に優れ好適である。
【0035】出来た積層体の表面には、意匠性の向上又
は滑り止め等の目的で、エンボスを施して凹部6を形成
してもよい。エンボスを施す方法としては、凹凸面を有
するエンボス版又はエンボスロールを使用して加熱しつ
つ加圧する、従来公知のエンボス方法を用いることがで
きる。なお、エンボスは上述の熱ラミネーションとは別
工程で行うこともできるが、熱ラミネートと同時に行う
と、製造工程が短縮でき、熱エネルギーの無駄も低減で
きて、生産性が向上し製造原価が低減できるので有利で
ある。
【0036】本発明の化粧材は上述の様に、熱ラミネー
ション法により容易に製造することが出来るが、その製
造設備としては、例えば熱ラミネーション及びエンボス
加工により製造される従来のポリ塩化ビニル樹脂製の化
粧材の製造設備等をそのまま適用することも可能であ
り、製造工程にも大きな変更はないから、新規設備投資
の必要もなく容易且つ安価に製造可能である。
【0037】
【実施例】厚さ80μmのアイオノマー樹脂シート(三
井デュポンポリケミカル社製、商品名「HIMIRAN
1602」)の裏面にコロナ放電処理を施し、該処理面
に、イソシアネート系硬化剤を3%添加した2液反応型
ウレタン系プライマー(東洋インキ製造社製、商品名ラ
ミスターメジウム)を、グラビアコート法により乾燥後
の塗布量1g/m2 に塗工して第1プライマー層を形成
し、次いでウレタン系印刷インキ(東洋インキ製造社
製、商品名ラミスター)を使用してグラビア印刷法によ
り印刷して絵柄層を形成した。続いて、上記印刷面上
に、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)を主
成分とするプライマー(大日精化社製、商品名TMR−
2686)を、グラビアコート法により乾燥後の塗布量
1g/m2に塗工して、第2プライマー層を形成した。
【0038】次に、プライマー層及び絵柄層を形成した
上記アイオノマー樹脂シートの表面側に、厚さ200μ
mのアイオノマー樹脂シート(三井デュポンポリケミカ
ル社製、商品名「HIMIRAN1706」)を、また
上記アイオノマー樹脂シートの裏面のプライマー塗布面
側に、エチレン−アクリル酸メチル樹脂(EMA)を主
成分(EMA/フィラー=3/7重量比)とした厚さ3
mmのバッカーシートを、ラミネート温度120℃の条
件で連続ラミネーション方式により積層して貼り合わせ
ると同時に、出来た積層シートの表面にエンボスロール
をラミネート温度と同じ120℃で加圧してエンボスを
施し、凹凸模様を付与することにより、本発明の化粧材
を作製した。
【0039】上記化粧材のアイオノマー樹脂層とバッカ
ー層との間の層間密着強度を測定したところ、約3kg
f/inchであり、しかも絵柄層の面積率や着肉量等
の差による層間密着強度のバラツキも殆どなく、床タイ
ル用として十分な強度を有していることが確認された。
【0040】
【発明の効果】以上詳細に説明した様に、本発明の化粧
材は、1層以上のアイオノマー樹脂層と、アクリレート
系共重合体樹脂を主成分とするバッカー層とを、第1プ
ライマー層と、第2プライマー層との2層のプライマー
層を介して積層したことにより、プライマー層に求めら
れる、アイオノマー樹脂に対する接着性と、アクリレー
ト系共重合体樹脂に対する熱接着性という2種類の機能
を、2層のプライマー層に分担させることができるの
で、プライマーの選択の幅が広がると共に、絵柄層の面
積率や着肉量等の影響を受けることなく、従来の1層の
プライマー層では実現困難であった安定した高い層間密
着性を、容易に実現することができる。
【0041】以て、例えば柔軟性や表面硬度、反り等の
物性面において従来のポリ塩化ビニル樹脂製の化粧材と
同等の性能を有しつつ、ポリ塩化ビニル樹脂を含有しな
いので火災時や焼却処分時等の燃焼時に塩化水素やダイ
オキシン等の有害物質を発生することもなく、従来のポ
リ塩化ビニル樹脂製の化粧材と同一の製造設備を使用し
て同様の製造工程で簡便かつ安定的に製造可能であり、
しかも安定した高い層間密着性を有し耐久性にも優れた
化粧材を提供することができるという優れた利点を有す
るものである。
【0042】特に、第1プライマー層を2液反応型ウレ
タン系樹脂を主成分とする樹脂から形成し、なおかつ第
2プライマー層を、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹
脂、オレフィン系樹脂、またはそれらの混合物を主成分
とする樹脂から形成することにより、第1プライマー層
の2液反応型ウレタン系樹脂を主成分とする樹脂は、そ
の含有するイソシアネート硬化剤の作用によりアイオノ
マー樹脂と強固な接着を形成する一方、第2プライマー
層のエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、オレフィン系
樹脂、またはそれらの混合物を主成分とする樹脂は、前
記第1プライマー層や通常印刷インキの絵柄層との接着
性は勿論、バッカー層のアクリレート系共重合体との熱
接着性にも優れるので、従来のポリ塩化ビニル樹脂製の
化粧材と同一の熱ラミネーション法によって、安定した
高い層間密着性を有する化粧材を安定的に製造すること
ができるという優れた利点を有するものである。
【0043】また特に、絵柄層を第1プライマー層と第
2プライマー層との間に挟持した構成としたことによ
り、絵柄層を構成する印刷インキとして、特に他の樹脂
に対する接着性の劣るアイオノマー樹脂との密着性の制
約を受けることなく、広い範囲から選択することが可能
となり、1液型の印刷インキも使用可能であるから作業
性の向上や品質の安定化が可能である他、絵柄層の面積
率や着肉量等によって層間密着強度が影響を受けること
もないので、絵柄の意匠に何ら制約を受けることなく、
安定した高い層間密着性を有する化粧材を安定的に製造
することができるという優れた利点を有するものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の化粧材の実施の形態を示す側断面図で
ある。
【符号の説明】
11、12‥‥アイオノマー樹脂層 2‥‥第1プライマー層 3‥‥絵柄層 4‥‥第2プライマー層 5‥‥バッカー層 6‥‥凹部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI E04F 15/16 E04F 15/16 A (56)参考文献 特開 平8−254004(JP,A) 特開 平10−286930(JP,A) 特開 平8−13740(JP,A) 特開 平3−157237(JP,A) 実開 平2−100857(JP,U) 特表 平9−504584(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 33/00 B32B 27/00 B32B 27/28 B32B 27/30 B32B 27/40 E04F 15/16

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1層以上のアイオノマー樹脂層が、アクリ
    レート系共重合体樹脂を主成分とするバッカー層の上に
    積層されてなる化粧材において、前記アイオノマー樹脂
    層と、前記バッカー層との間に、第1プライマー層と、
    第2プライマー層とが、順次挟持されてなることを特徴
    とする化粧材。
  2. 【請求項2】前記第1プライマー層が、2液反応型ウレ
    タン系樹脂を主成分とする樹脂であり、前記第2プライ
    マー層が、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、オレフ
    ィン系樹脂、またはそれらの混合物を主成分とする樹脂
    であることを特徴とする請求項1に記載の化粧材。
  3. 【請求項3】前記第1プライマー層と、第2プライマー
    層との間に、絵柄層が挟持されてなることを特徴とする
    請求項1又は2に記載の化粧材。
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