JP3316790B2 - 車両用電源供給装置 - Google Patents
車両用電源供給装置Info
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は車両用電源供給装置
に関し、特に車載の電源部から車両の各部に設けられて
いる負荷に電源を供給する車両用電源供給装置に適用し
て好適なものである。
に関し、特に車載の電源部から車両の各部に設けられて
いる負荷に電源を供給する車両用電源供給装置に適用し
て好適なものである。
【0002】
【従来の技術】従来の車両用電源供給装置では、一般に
図9に示すように、車体のエンジンルーム内に設けられ
たバッテリ1から出る電力は、バッテリ1の近傍に設け
られた図示しないヒューズボックスに収容されたヒュー
ジブルリンク2、及びエンジンルーム内に配索されたバ
ッテリ電源線L1を介して運転席のイグニッションキー
スイッチ3に至り、このイグニッションキースイッチ3
の各ポジションに応じて運転席のカウルサイド内側に配
された図示しないヒューズボックス内のヒューズ4a〜
4c及び電源線L1a〜L1cを介して車両内の各部に
設けられている各負荷に供給されると共に、バッテリ1
の近傍に設けられた図示しないヒューズボックスに収容
されたヒューズ5及びバッテリ電源線L2を介して常時
電源供給を必要とする例えば時計6などの負荷にも供給
されるようになっている。
図9に示すように、車体のエンジンルーム内に設けられ
たバッテリ1から出る電力は、バッテリ1の近傍に設け
られた図示しないヒューズボックスに収容されたヒュー
ジブルリンク2、及びエンジンルーム内に配索されたバ
ッテリ電源線L1を介して運転席のイグニッションキー
スイッチ3に至り、このイグニッションキースイッチ3
の各ポジションに応じて運転席のカウルサイド内側に配
された図示しないヒューズボックス内のヒューズ4a〜
4c及び電源線L1a〜L1cを介して車両内の各部に
設けられている各負荷に供給されると共に、バッテリ1
の近傍に設けられた図示しないヒューズボックスに収容
されたヒューズ5及びバッテリ電源線L2を介して常時
電源供給を必要とする例えば時計6などの負荷にも供給
されるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した車
両用電源供給装置において、エンジンルーム内に配索し
たバッテリ電源線L1及びL2は車両の走行中に絶え間
ない振動を受け、これらが車体の角部等に接触している
と、その絶縁被覆が損傷してその部分と車体との間にシ
ョート、断続ショート、リークなどの電源線異常が生じ
るようになる。
両用電源供給装置において、エンジンルーム内に配索し
たバッテリ電源線L1及びL2は車両の走行中に絶え間
ない振動を受け、これらが車体の角部等に接触している
と、その絶縁被覆が損傷してその部分と車体との間にシ
ョート、断続ショート、リークなどの電源線異常が生じ
るようになる。
【0004】このような、ショート、断続ショート、リ
ークが生じた場合、ヒューズ5は比較的溶断しやすい構
成になっているので問題ないが、ヒュージブルリンク2
はこのような僅かな電流の増加では発熱が少ないので、
異常であってもヒュージブルリンク2の溶断によって回
路遮断できない。このため、例えば図中×で示す箇所に
おいて電源線に絶縁被覆の損傷があると、この箇所で電
線と車体との接触によるスパークが発生し、最終的には
絶縁被覆が発煙するまで至る可能性がある。
ークが生じた場合、ヒューズ5は比較的溶断しやすい構
成になっているので問題ないが、ヒュージブルリンク2
はこのような僅かな電流の増加では発熱が少ないので、
異常であってもヒュージブルリンク2の溶断によって回
路遮断できない。このため、例えば図中×で示す箇所に
おいて電源線に絶縁被覆の損傷があると、この箇所で電
線と車体との接触によるスパークが発生し、最終的には
絶縁被覆が発煙するまで至る可能性がある。
【0005】特にヒュージブルリンクの後段には一般に
1つの電線のみが接続されるのではなく、発煙特性の異
なるすなわち電線サイズの異なる複数の電線が接続され
るため、これらの電線のうちのいずれかにショート、断
続ショート又はリークが生じた場合に、電線の種類によ
ってはその電線を発煙から保護することができるとは限
らない問題があった。
1つの電線のみが接続されるのではなく、発煙特性の異
なるすなわち電線サイズの異なる複数の電線が接続され
るため、これらの電線のうちのいずれかにショート、断
続ショート又はリークが生じた場合に、電線の種類によ
ってはその電線を発煙から保護することができるとは限
らない問題があった。
【0006】例えば図10の曲線FLCに示すような溶
断特性を有するヒュージブルリンクの後段に、図の曲線
L1及びL2に示すような発煙特性を有する2本の電線
a及びbが接続されていた場合に、ショート、断続ショ
ート又はリークにより曲線FLCよりも大きな電流が流
れた場合にはヒュージブルリンクが溶断して電線a及び
bの発煙は防止されるが、電線bに例えば断続ショート
により図中点線で示すような領域の電流が流れたときに
はヒュージブルリンクは溶断せずに電線bは発煙してし
まうことになる。
断特性を有するヒュージブルリンクの後段に、図の曲線
L1及びL2に示すような発煙特性を有する2本の電線
a及びbが接続されていた場合に、ショート、断続ショ
ート又はリークにより曲線FLCよりも大きな電流が流
れた場合にはヒュージブルリンクが溶断して電線a及び
bの発煙は防止されるが、電線bに例えば断続ショート
により図中点線で示すような領域の電流が流れたときに
はヒュージブルリンクは溶断せずに電線bは発煙してし
まうことになる。
【0007】かかる課題を解決するため従来、バッテリ
直後の電線電流を検出すると共に電装品に流れている電
流の総和を検出し、バッテリ直後の電線電流が電装品電
流の総和よりも一定値以上大きかった場合に異常電流が
流れていると判断してバッテリ直後の電線中に設けた遮
断器を作動させることにより、ワイヤハーネスの噛込
み、干渉等による異常電流によって生じる火災を未然に
防ぐ火災予防装置が提案されている(特開昭60−20
3551号公報参照)。
直後の電線電流を検出すると共に電装品に流れている電
流の総和を検出し、バッテリ直後の電線電流が電装品電
流の総和よりも一定値以上大きかった場合に異常電流が
流れていると判断してバッテリ直後の電線中に設けた遮
断器を作動させることにより、ワイヤハーネスの噛込
み、干渉等による異常電流によって生じる火災を未然に
防ぐ火災予防装置が提案されている(特開昭60−20
3551号公報参照)。
【0008】しかしながらこの火災予防装置では、異常
電流が発生した場合にバッテリ直後に設けた遮断器によ
って全てのワイヤハーネスへの電源供給を停止するよう
になされているため、実際には異常電流が流れていない
ワイヤハーネスに対しても電源が供給されなくなってし
まう不都合があった。またバッテリ直後の電線電流と電
装品電流の総和とを比較して異常電流が流れているか否
かを判断しているため、異常電流が流れている候補箇所
は電装品全体に亘り、その箇所を特定することは実際上
困難になる問題があった。
電流が発生した場合にバッテリ直後に設けた遮断器によ
って全てのワイヤハーネスへの電源供給を停止するよう
になされているため、実際には異常電流が流れていない
ワイヤハーネスに対しても電源が供給されなくなってし
まう不都合があった。またバッテリ直後の電線電流と電
装品電流の総和とを比較して異常電流が流れているか否
かを判断しているため、異常電流が流れている候補箇所
は電装品全体に亘り、その箇所を特定することは実際上
困難になる問題があった。
【0009】さらに遮断器や電装品に流れている電流の
総和を検出するための部品が新たに必要となるため、構
成が複雑化する問題もあった。
総和を検出するための部品が新たに必要となるため、構
成が複雑化する問題もあった。
【0010】本発明は以上の点を考慮してなされたもの
で、比較的簡易な構成により電源線の発煙を効率的に防
止し得ると共に、異常電流の発生箇所を特定することも
容易な車両用電源供給装置を提案しようとするものであ
る。
で、比較的簡易な構成により電源線の発煙を効率的に防
止し得ると共に、異常電流の発生箇所を特定することも
容易な車両用電源供給装置を提案しようとするものであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明により成された請求項1に記載の車両用電源供給
装置は、図1の基本構成図に示すように、電源部16、
17に電源線を介して接続された電源供給対象に電源部
16、17の電源を供給する車両用電源供給装置におい
て、ヒュージブルリンクFL1〜FLn及び電源線開閉手
段R1〜Rnを介して電源線により電源部16、17に接
続されている電源供給対象の当該電源線を流れる電流I
1の大きさを検出する電流検出手段20と、当該検出電
流が、ヒュージブルリンクFL1〜FLnを溶断すること
なくかつ電源線を発煙させるような異常電流であるか否
かを検知する異常電流検知手段21A−1と、当該異常
電流検知手段21A−1によって異常電流が検知された
とき、電源線開閉手段R1〜Rnに制御信号を出力して電
源線開閉手段R1〜Rnを開放することにより、電源線開
閉手段R1〜Rnと電源供給対象とを接続する電源線の電
流を遮断する電流遮断手段21A−2とを備えると共
に、電源線開閉手段R1〜Rnを介さずに電源部16、1
7に接続されている電源供給対象の電源線のうち発煙が
生じやすい区間に配索された電源線に、発煙防止処理が
施された発煙防止電源線200を用いるようにする。
本発明により成された請求項1に記載の車両用電源供給
装置は、図1の基本構成図に示すように、電源部16、
17に電源線を介して接続された電源供給対象に電源部
16、17の電源を供給する車両用電源供給装置におい
て、ヒュージブルリンクFL1〜FLn及び電源線開閉手
段R1〜Rnを介して電源線により電源部16、17に接
続されている電源供給対象の当該電源線を流れる電流I
1の大きさを検出する電流検出手段20と、当該検出電
流が、ヒュージブルリンクFL1〜FLnを溶断すること
なくかつ電源線を発煙させるような異常電流であるか否
かを検知する異常電流検知手段21A−1と、当該異常
電流検知手段21A−1によって異常電流が検知された
とき、電源線開閉手段R1〜Rnに制御信号を出力して電
源線開閉手段R1〜Rnを開放することにより、電源線開
閉手段R1〜Rnと電源供給対象とを接続する電源線の電
流を遮断する電流遮断手段21A−2とを備えると共
に、電源線開閉手段R1〜Rnを介さずに電源部16、1
7に接続されている電源供給対象の電源線のうち発煙が
生じやすい区間に配索された電源線に、発煙防止処理が
施された発煙防止電源線200を用いるようにする。
【0012】以上の構成において、この車両用電源供給
装置では、異常電流の検出箇所及び電流遮断箇所はヒュ
ージブルリンクFL1〜FLn及び電源線開閉手段R1〜
Rnが設けられている電源線に限定される。従って、異
常電流が検出されたとしても全ての電源供給対象(負
荷)への電流が遮断されるわけではなく、ヒュージブル
リンクFL1〜FLn及び電源線開閉手段R1〜Rnが設け
られている電源線に限られ、かつこの電流遮断は既存の
電源線開閉手段R1〜Rnによってなされる。具体的に
は、ヒュージブルリンクFL1〜FLnにより保護されて
いるはずの電源線に、断続ショートのようにヒュージブ
ルリンクFL1〜FLnは溶断しないが電源線が発煙して
しまうような異常電流が流れた場合、電流検出手段20
及び異常電流検知手段21A−1によってこのような異
常電流が流れていることが検知され、電流遮断手段21
A−2によってその異常電流が流れている電源線への電
流が遮断される。
装置では、異常電流の検出箇所及び電流遮断箇所はヒュ
ージブルリンクFL1〜FLn及び電源線開閉手段R1〜
Rnが設けられている電源線に限定される。従って、異
常電流が検出されたとしても全ての電源供給対象(負
荷)への電流が遮断されるわけではなく、ヒュージブル
リンクFL1〜FLn及び電源線開閉手段R1〜Rnが設け
られている電源線に限られ、かつこの電流遮断は既存の
電源線開閉手段R1〜Rnによってなされる。具体的に
は、ヒュージブルリンクFL1〜FLnにより保護されて
いるはずの電源線に、断続ショートのようにヒュージブ
ルリンクFL1〜FLnは溶断しないが電源線が発煙して
しまうような異常電流が流れた場合、電流検出手段20
及び異常電流検知手段21A−1によってこのような異
常電流が流れていることが検知され、電流遮断手段21
A−2によってその異常電流が流れている電源線への電
流が遮断される。
【0013】また既存の電源線開閉手段R1〜Rnが設け
られておらずかつ発煙が生じやすい区間に配索された電
源線は、異常電流を検知したとしても電源線開閉手段が
無いので電流を遮断することができない。しかしこのよ
うな電源線は発煙防止処理が施された発煙防止電源線2
00となっているので、ショートや断続ショートによる
発煙は生じない。
られておらずかつ発煙が生じやすい区間に配索された電
源線は、異常電流を検知したとしても電源線開閉手段が
無いので電流を遮断することができない。しかしこのよ
うな電源線は発煙防止処理が施された発煙防止電源線2
00となっているので、ショートや断続ショートによる
発煙は生じない。
【0014】かくして、異常電流の発生箇所を限定し得
ると共に異常電流が発生したときにも既存の電源線開閉
手段R1〜Rnによって異常電流を遮断できるので、比較
的簡易な構成により電源線の発煙を効率的に防止し得る
と共に、異常電流の発生箇所を特定することも容易とな
る。
ると共に異常電流が発生したときにも既存の電源線開閉
手段R1〜Rnによって異常電流を遮断できるので、比較
的簡易な構成により電源線の発煙を効率的に防止し得る
と共に、異常電流の発生箇所を特定することも容易とな
る。
【0015】また請求項2に記載の車両用電源供給装置
は、図1の基本構成図に示すように、電流検出手段20
はそれぞれヒュージブルリンクFL1〜FLn及び電源線
開閉手段R1〜Rnを介して電源部16、17に接続され
ている複数の電源供給対象の各ヒュージブルリンクFL
1〜FLn及び電源線開閉手段R1〜Rnに対して電源部1
6、17側に配索された当該複数の負荷の共通電源線を
流れる電流の大きさを検出し、異常電流検知手段21A
−1は当該共通電源線からの検出電流に基づいて異常電
流を検知するようにした。
は、図1の基本構成図に示すように、電流検出手段20
はそれぞれヒュージブルリンクFL1〜FLn及び電源線
開閉手段R1〜Rnを介して電源部16、17に接続され
ている複数の電源供給対象の各ヒュージブルリンクFL
1〜FLn及び電源線開閉手段R1〜Rnに対して電源部1
6、17側に配索された当該複数の負荷の共通電源線を
流れる電流の大きさを検出し、異常電流検知手段21A
−1は当該共通電源線からの検出電流に基づいて異常電
流を検知するようにした。
【0016】以上の構成において、共通電線で異常電流
が検知されたということは、それぞれヒュージブルリン
クFL1〜FLnで保護されている複数の電源供給対象
(負荷)の電源線のうちのいずれかで断続ショート等に
起因する異常電流が発生していることを表す。従って、
1つの電流検出手段20で複数の電源線の異常を一括し
て検出できるようになる。
が検知されたということは、それぞれヒュージブルリン
クFL1〜FLnで保護されている複数の電源供給対象
(負荷)の電源線のうちのいずれかで断続ショート等に
起因する異常電流が発生していることを表す。従って、
1つの電流検出手段20で複数の電源線の異常を一括し
て検出できるようになる。
【0017】また請求項3に記載の車両用電源供給装置
は、図1の基本構成図に示すように、さらに、異常電流
検知手段21A−1により異常電流が検知されたとき、
共通電源線からそれぞれ分岐した位置に設けられている
複数の電源線開閉手段R1〜Rnを順次開閉させ、このと
き異常電流検知手段21A−1による異常電流の検知の
有無を監視することにより、異常電流の発生箇所を特定
する異常箇所特定手段21A−3を設けるようにした。
は、図1の基本構成図に示すように、さらに、異常電流
検知手段21A−1により異常電流が検知されたとき、
共通電源線からそれぞれ分岐した位置に設けられている
複数の電源線開閉手段R1〜Rnを順次開閉させ、このと
き異常電流検知手段21A−1による異常電流の検知の
有無を監視することにより、異常電流の発生箇所を特定
する異常箇所特定手段21A−3を設けるようにした。
【0018】以上の構成において、例えば複数の電源線
開閉手段R1〜Rnのうち、電源線開閉手段R1と電源供
給対象(負荷)とを接続する電源線で異常電流が発生し
ていたとすると、電源線開閉手段R1が閉成状態のとし
たときには共通電源線上で異常電流が検知されるが、電
源線開閉手段R1が開放状態のとしたときには共通電源
線上で異常電流が検知されないので、異常電流の発生箇
所を特定することができる。
開閉手段R1〜Rnのうち、電源線開閉手段R1と電源供
給対象(負荷)とを接続する電源線で異常電流が発生し
ていたとすると、電源線開閉手段R1が閉成状態のとし
たときには共通電源線上で異常電流が検知されるが、電
源線開閉手段R1が開放状態のとしたときには共通電源
線上で異常電流が検知されないので、異常電流の発生箇
所を特定することができる。
【0019】また請求項4に記載の車両用電源供給装置
は、発煙防止電源線200は導体部を補強部材により被
覆して構成するようにした。
は、発煙防止電源線200は導体部を補強部材により被
覆して構成するようにした。
【0020】以上の構成において、車両の走行中に絶え
間ない振動を受け電源線が車体の角部等に接触しても、
導体部が補強材に保護されているので、導体部を形成す
る絶縁被覆が損傷することがなくなり、この結果当該電
源線のショートや断続ショートが防止される。
間ない振動を受け電源線が車体の角部等に接触しても、
導体部が補強材に保護されているので、導体部を形成す
る絶縁被覆が損傷することがなくなり、この結果当該電
源線のショートや断続ショートが防止される。
【0021】また請求項5に記載の車両用電源供給装置
は、発煙防止電源線200は、エンジンルーム内に配索
された電源線に用いるようにする。
は、発煙防止電源線200は、エンジンルーム内に配索
された電源線に用いるようにする。
【0022】以上の構成において、エンジンルーム内に
配索された電源線を発煙防止電源線200とすること
で、特に振動や熱の点で電源線にとって過酷な状況にあ
る電源線の損傷ひいては当該電源線の発煙を未然に回避
できる。
配索された電源線を発煙防止電源線200とすること
で、特に振動や熱の点で電源線にとって過酷な状況にあ
る電源線の損傷ひいては当該電源線の発煙を未然に回避
できる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。 (1)全体構成 図2は本発明による車両用電源供給装置の一実施形態を
示し、車両の離れた部位に設けられた3つのジャンクシ
ョンボックス10、11及び12を有する。ジャンクシ
ョンボックス10はエンジンルーム内のバッテリ1近傍
に配されており、ジャンクションボックス11及び12
は例えば運転席近傍のカウルサイド等に配されている。
に基づいて説明する。 (1)全体構成 図2は本発明による車両用電源供給装置の一実施形態を
示し、車両の離れた部位に設けられた3つのジャンクシ
ョンボックス10、11及び12を有する。ジャンクシ
ョンボックス10はエンジンルーム内のバッテリ1近傍
に配されており、ジャンクションボックス11及び12
は例えば運転席近傍のカウルサイド等に配されている。
【0024】ここでジャンクションボックス10と、ジ
ャンクションボックス11及び12とは電源線13、1
4、15によって接続されており、電源部としてのバッ
テリ16や発電機17で発生された電源が電源線13、
14、15を通じてジャンクションボックス11及び1
2に供給される。
ャンクションボックス11及び12とは電源線13、1
4、15によって接続されており、電源部としてのバッ
テリ16や発電機17で発生された電源が電源線13、
14、15を通じてジャンクションボックス11及び1
2に供給される。
【0025】ジャンクションボックス10内には、電源
線開閉手段としての複数のリレー18、R1〜Rnが設け
られている。リレー18の入力側には小電流用のヒュー
ズ19が接続されていると共にリレーR1〜Rnの入力側
には大電流用のヒューズであるヒュージブルリンクFL
1〜FLnが接続されている。すなわちリレー18の出力
側には小電流で作動する負荷(図示せず)が接続され、
リレーR1〜Rnの出力側には例えばアンチロックブレー
キシステム(ABS)、エアコン(A/C)、デフォッ
ガ(DEF)、エアサスペンションシステム(A/
S)、ラジエタ(RAD)等の大電流で稼働する負荷が
接続されている。
線開閉手段としての複数のリレー18、R1〜Rnが設け
られている。リレー18の入力側には小電流用のヒュー
ズ19が接続されていると共にリレーR1〜Rnの入力側
には大電流用のヒューズであるヒュージブルリンクFL
1〜FLnが接続されている。すなわちリレー18の出力
側には小電流で作動する負荷(図示せず)が接続され、
リレーR1〜Rnの出力側には例えばアンチロックブレー
キシステム(ABS)、エアコン(A/C)、デフォッ
ガ(DEF)、エアサスペンションシステム(A/
S)、ラジエタ(RAD)等の大電流で稼働する負荷が
接続されている。
【0026】かかる構成に加えて、電源部16、17と
各ヒュージブルリンクFL1〜FLn及びリレーR1〜Rn
とを繋ぐ共通電源線上には電流検出手段としての電流セ
ンサ20が設けられている。この電流センサ20として
は、共通電源線に電流が流れることによって発生する電
流値に応じた大きさの磁束を検知することによって、そ
の共通電源線に流れる電流の大きさに応じた電圧の検知
信号を出力するように、例えばリングコアの磁路中にホ
ール素子のような磁気感応素子を設けた構成のものが使
用されている。
各ヒュージブルリンクFL1〜FLn及びリレーR1〜Rn
とを繋ぐ共通電源線上には電流検出手段としての電流セ
ンサ20が設けられている。この電流センサ20として
は、共通電源線に電流が流れることによって発生する電
流値に応じた大きさの磁束を検知することによって、そ
の共通電源線に流れる電流の大きさに応じた電圧の検知
信号を出力するように、例えばリングコアの磁路中にホ
ール素子のような磁気感応素子を設けた構成のものが使
用されている。
【0027】電流センサ20により得られた電流検出信
号S1は、各リレーR1〜Rn、18を制御するために設
けられているジャンクションボックス制御ユニット21
の演算制御部21Aに入力される。ジャンクションボッ
クス制御ユニット21は、例えばRAMやROMなどの
記憶部と予め定められたプログラムに従って動作する中
央処理ユニット(CPU)とからなるマイクロコンピュ
ータ構成の演算制御部21Aと、他のジャンクションボ
ックス11及び12の送受信部23B、26Bとの間で
多重通信ラインとしての信号伝送線100を介して信
号、データの授受を行う送受信部21Bとを有する。
号S1は、各リレーR1〜Rn、18を制御するために設
けられているジャンクションボックス制御ユニット21
の演算制御部21Aに入力される。ジャンクションボッ
クス制御ユニット21は、例えばRAMやROMなどの
記憶部と予め定められたプログラムに従って動作する中
央処理ユニット(CPU)とからなるマイクロコンピュ
ータ構成の演算制御部21Aと、他のジャンクションボ
ックス11及び12の送受信部23B、26Bとの間で
多重通信ラインとしての信号伝送線100を介して信
号、データの授受を行う送受信部21Bとを有する。
【0028】具体的には、演算制御部21A内のRAM
には、監視機能によって自身のボックスについて得られ
たデータと、送受信部21Bを通じて得られた他のボッ
クスについてのデータとを格納する所定エリアが形成さ
れ、この所定エリアに格納されたデータが演算制御部2
1Aでの各種の処理に供される。なお信号伝送線100
を伝送されるデータは、予め定めたフォーマットに従っ
て各ジャンクションボックス10〜12やカーコンピュ
ータの送受信部30B〜33Bによって時分割方式によ
り形成された時分割多重データである。
には、監視機能によって自身のボックスについて得られ
たデータと、送受信部21Bを通じて得られた他のボッ
クスについてのデータとを格納する所定エリアが形成さ
れ、この所定エリアに格納されたデータが演算制御部2
1Aでの各種の処理に供される。なお信号伝送線100
を伝送されるデータは、予め定めたフォーマットに従っ
て各ジャンクションボックス10〜12やカーコンピュ
ータの送受信部30B〜33Bによって時分割方式によ
り形成された時分割多重データである。
【0029】演算制御部21Aは電流検出信号S1に基
づいて共通電源線に異常電流が流れているか否か判断
し、異常電流が流れていると判断した場合には各リレー
R1〜Rnのコイルへの電圧の印加を停止することにより
当該リレーR1〜Rnを開放状態とし、異常電流に起因す
る各リレーR1〜Rnと負荷とを接続する電源線の発煙を
未然に回避するようになされている。ここで異常電流と
は、各リレーR1〜Rnと負荷とを接続する電源線に断続
ショート等が生じた場合に発生するヒュージブルリンク
FL1〜FLnを溶断することなくかつ電源線を発煙させ
るような電流をいう。
づいて共通電源線に異常電流が流れているか否か判断
し、異常電流が流れていると判断した場合には各リレー
R1〜Rnのコイルへの電圧の印加を停止することにより
当該リレーR1〜Rnを開放状態とし、異常電流に起因す
る各リレーR1〜Rnと負荷とを接続する電源線の発煙を
未然に回避するようになされている。ここで異常電流と
は、各リレーR1〜Rnと負荷とを接続する電源線に断続
ショート等が生じた場合に発生するヒュージブルリンク
FL1〜FLnを溶断することなくかつ電源線を発煙させ
るような電流をいう。
【0030】ジャンクションボックス10とジャンクシ
ョンボックス11を接続する電源線13は、そのままジ
ャンクションボックス11内のスイッチ群(複数のリレ
ーでなる)24のうちの所定のリレーに接続されている
と共にイグニッションスイッチ22を介して所定のリレ
ー及びジャンクションボックス制御ユニット23に接続
されている。
ョンボックス11を接続する電源線13は、そのままジ
ャンクションボックス11内のスイッチ群(複数のリレ
ーでなる)24のうちの所定のリレーに接続されている
と共にイグニッションスイッチ22を介して所定のリレ
ー及びジャンクションボックス制御ユニット23に接続
されている。
【0031】また電源線14はイグニッションスイッチ
22を介してスイッチ群のうちの所定のリレー及びジャ
ンクションボックス制御ユニット23に接続されてい
る。演算制御部23はイグニッションスイッチ22がど
のスイッチングポジションにあるかに応じてスイッチ群
24の中のリレーのオンオフを切り換え、当該スイッチ
群に接続されている複数の負荷(図示せず)のうちスイ
ッチングポジションに応じた負荷に選択的に電源を供給
する。
22を介してスイッチ群のうちの所定のリレー及びジャ
ンクションボックス制御ユニット23に接続されてい
る。演算制御部23はイグニッションスイッチ22がど
のスイッチングポジションにあるかに応じてスイッチ群
24の中のリレーのオンオフを切り換え、当該スイッチ
群に接続されている複数の負荷(図示せず)のうちスイ
ッチングポジションに応じた負荷に選択的に電源を供給
する。
【0032】また演算制御部23Aは当該イグニッショ
ンスイッチ22のポジション情報を信号伝送線100を
介して他の演算制御部21A、26Aにも伝送し、演算
制御部21A、26Aもイグニッションスイッチ22の
ポジションに応じて各負荷に選択的に電源を供給する。
ンスイッチ22のポジション情報を信号伝送線100を
介して他の演算制御部21A、26Aにも伝送し、演算
制御部21A、26Aもイグニッションスイッチ22の
ポジションに応じて各負荷に選択的に電源を供給する。
【0033】ジャンクションボックス10とジャンクシ
ョンボックス12を接続する電源線15はジャンクショ
ンボックス11内のスイッチ群(複数のリレーでなる)
25及びジャンクションボックス制御ユニット26に接
続されており、演算制御部26Aによってスイッチ群2
5の中のリレーのオンオフが切り換えられることによ
り、当該スイッチ群に接続されている複数の負荷(図示
せず)に選択的に電源が供給される。
ョンボックス12を接続する電源線15はジャンクショ
ンボックス11内のスイッチ群(複数のリレーでなる)
25及びジャンクションボックス制御ユニット26に接
続されており、演算制御部26Aによってスイッチ群2
5の中のリレーのオンオフが切り換えられることによ
り、当該スイッチ群に接続されている複数の負荷(図示
せず)に選択的に電源が供給される。
【0034】ここで信号伝送線100は、各ジャンクシ
ョンボックス10、11、12の制御ユニット21、2
3、26の他に、カーコンピュータを構成する複数の制
御部30〜33にも接続されている。なお図では多数の
制御部のうちの一部のみを示している。各制御部30〜
33はそれぞれ信号伝送線100とのデータの送受信を
行う送受信部30B〜33BとCPU30A〜33Aと
を有し、対応する負荷への電源の供給又は遮断を指令す
るための指令信号を信号伝送線100を介してジャンク
ションボックス10、11、12の制御ユニット21、
23、26に送信したり、対応する負荷に繋がる電源線
に異常電流が流れたことなどを信号伝送線100を介し
て制御ユニット21、23、26から受信する。
ョンボックス10、11、12の制御ユニット21、2
3、26の他に、カーコンピュータを構成する複数の制
御部30〜33にも接続されている。なお図では多数の
制御部のうちの一部のみを示している。各制御部30〜
33はそれぞれ信号伝送線100とのデータの送受信を
行う送受信部30B〜33BとCPU30A〜33Aと
を有し、対応する負荷への電源の供給又は遮断を指令す
るための指令信号を信号伝送線100を介してジャンク
ションボックス10、11、12の制御ユニット21、
23、26に送信したり、対応する負荷に繋がる電源線
に異常電流が流れたことなどを信号伝送線100を介し
て制御ユニット21、23、26から受信する。
【0035】例えばアンチロックブレーキシステム用の
制御部30は車速情報を入力し、CPU30Aによって
当該車速情報に基づいて車体の減速度とタイヤの回転を
検知し両方の減速度を比較して、タイヤの減速度が大き
くなるとホイルシリンダにかかる油圧を減らすことを指
令する制御信号をホイルシリンダ駆動部に送出すること
によりタイヤのロックを防ぐ。
制御部30は車速情報を入力し、CPU30Aによって
当該車速情報に基づいて車体の減速度とタイヤの回転を
検知し両方の減速度を比較して、タイヤの減速度が大き
くなるとホイルシリンダにかかる油圧を減らすことを指
令する制御信号をホイルシリンダ駆動部に送出すること
によりタイヤのロックを防ぐ。
【0036】メータ制御部31は車速及び燃料情報等を
入力し、これらの情報に基づいてスピードメータやフュ
ーエルゲージ等の各種メータを駆動するためのメータ駆
動指令信号を形成しこれをメータ駆動部に送出する。エ
アサスペンション制御部32はホイルシリンダから油圧
情報を入力し、当該情報に基づいてコンプレッサ制御信
号を形成しこれをコンプレッサに送出する。エアコン制
御部33は操作パネルからの温度設定情報等の操作信号
を入力すると共に室内温度情報を入力し、室内温度を設
定温度に近づかせるようなエアコン制御信号を形成す
る。
入力し、これらの情報に基づいてスピードメータやフュ
ーエルゲージ等の各種メータを駆動するためのメータ駆
動指令信号を形成しこれをメータ駆動部に送出する。エ
アサスペンション制御部32はホイルシリンダから油圧
情報を入力し、当該情報に基づいてコンプレッサ制御信
号を形成しこれをコンプレッサに送出する。エアコン制
御部33は操作パネルからの温度設定情報等の操作信号
を入力すると共に室内温度情報を入力し、室内温度を設
定温度に近づかせるようなエアコン制御信号を形成す
る。
【0037】そして制御部30〜33で形成された制御
信号は各制御対象に直接送出されると共に信号伝送線1
00を介して制御ユニット21、23、26にも送出さ
れ、各ジャンクションボックス10、11、12内のス
イッチが当該制御信号に応じてオンオフされることによ
り制御対象への電源の供給が制御される。
信号は各制御対象に直接送出されると共に信号伝送線1
00を介して制御ユニット21、23、26にも送出さ
れ、各ジャンクションボックス10、11、12内のス
イッチが当該制御信号に応じてオンオフされることによ
り制御対象への電源の供給が制御される。
【0038】ここでこの実施形態の電源供給装置におい
ては、上述したように、ヒュージブルリンクFL1〜F
Ln及びリレーR1〜Rnを介して各負荷に接続される電
源線の発煙は、これらの共通電源線を流れる電流を監視
し、断続ショート等に基づいて発生する、ヒュージブル
リンクFL1〜FLnは溶断しないが電源線は発煙してし
まうような異常電流を検知した場合にリレーR1〜Rnを
開放することにより電源線の発煙を防止する。
ては、上述したように、ヒュージブルリンクFL1〜F
Ln及びリレーR1〜Rnを介して各負荷に接続される電
源線の発煙は、これらの共通電源線を流れる電流を監視
し、断続ショート等に基づいて発生する、ヒュージブル
リンクFL1〜FLnは溶断しないが電源線は発煙してし
まうような異常電流を検知した場合にリレーR1〜Rnを
開放することにより電源線の発煙を防止する。
【0039】これに加えて、この電源供給装置では、図
中点線を付して示す電源線を、導体部を補強部材により
被覆して構成する(以下、このように補強部材で導体部
を補強した電源線をよろい電線と呼ぶ)ことにより、当
該電源線が車体との接触等によって傷つき、その結果当
該電線がショートや断続ショートしひいては発煙に至る
ことを未然に防止するようになされている。
中点線を付して示す電源線を、導体部を補強部材により
被覆して構成する(以下、このように補強部材で導体部
を補強した電源線をよろい電線と呼ぶ)ことにより、当
該電源線が車体との接触等によって傷つき、その結果当
該電線がショートや断続ショートしひいては発煙に至る
ことを未然に防止するようになされている。
【0040】このよろい電線はスタータモータ34とジ
ャンクションボックス10を接続する電源線、発電機1
7とジャンクションボックス10を接続する電源線、ジ
ャンクションボックス10とジャンクションボックス1
1を接続する電源線13、14、ジャンクションボック
ス10とジャンクションボックス12とを接続する電源
線15などに用いられている。換言すれば、リレーを介
さずに電源部に接続されている電源線のうち発煙が生じ
やすい区間に配索された電源線によろい電線を用いるよ
うにしている。
ャンクションボックス10を接続する電源線、発電機1
7とジャンクションボックス10を接続する電源線、ジ
ャンクションボックス10とジャンクションボックス1
1を接続する電源線13、14、ジャンクションボック
ス10とジャンクションボックス12とを接続する電源
線15などに用いられている。換言すれば、リレーを介
さずに電源部に接続されている電源線のうち発煙が生じ
やすい区間に配索された電源線によろい電線を用いるよ
うにしている。
【0041】よろい電線は、図3に示すように構成され
ている。すなわち、よろい電線200は複数の銅線20
0Aが塩化ビニル等でなる絶縁部材200Bにより被覆
されてなる導体部が、補強部材としてのスチールテープ
200Cにより被覆され、さらにスチールテープ200
Cが塩化ビニル等でなる絶縁部材200Dにより被覆さ
れて構成されている。これによりよろい電線200は外
力が作用しても、導体部が補強部材としてのスチールテ
ープ200Cによって守られので、ショートや断続ショ
ートは発生しない。
ている。すなわち、よろい電線200は複数の銅線20
0Aが塩化ビニル等でなる絶縁部材200Bにより被覆
されてなる導体部が、補強部材としてのスチールテープ
200Cにより被覆され、さらにスチールテープ200
Cが塩化ビニル等でなる絶縁部材200Dにより被覆さ
れて構成されている。これによりよろい電線200は外
力が作用しても、導体部が補強部材としてのスチールテ
ープ200Cによって守られので、ショートや断続ショ
ートは発生しない。
【0042】このようにこの実施形態の電源供給装置に
おいては、大電流が流れる電源線のうち、リレーが接続
されている電源線は電源線に異常電流が流れたときにリ
レーを開放することにより発煙を防止するようにし、リ
レーが接続されていない電源線は予め発煙防止処理が施
された電源線を用いることでショートや断続ショートが
起こらない構成としておくことで発煙を防止するように
している。
おいては、大電流が流れる電源線のうち、リレーが接続
されている電源線は電源線に異常電流が流れたときにリ
レーを開放することにより発煙を防止するようにし、リ
レーが接続されていない電源線は予め発煙防止処理が施
された電源線を用いることでショートや断続ショートが
起こらない構成としておくことで発煙を防止するように
している。
【0043】(2)異常電流の検出 次に、演算制御部21Aによる異常電流の検出処理につ
いて説明する。演算制御部21Aは、電流センサ20に
より検出された電流値を微分し、その微分波形に基づい
て異常電流を検出することにより、異常電流が生じてい
ることを正確かつ容易に検出することができるようにな
されている。
いて説明する。演算制御部21Aは、電流センサ20に
より検出された電流値を微分し、その微分波形に基づい
て異常電流を検出することにより、異常電流が生じてい
ることを正確かつ容易に検出することができるようにな
されている。
【0044】すなわち演算制御部21AのCPU(図示
せず)は、図4に示すように、SP0で異常電流検出処
理手順に入ると、ステップSP1において電流検出信号
S1に基づいて電流値I1を読み込む。次にステップS
P2において電流値を時間微分し、ステップSP3で微
分波形が正及び負に変動している期間がチャタリング期
間を超えているか否か判断し、超えている場合にはステ
ップSP4に移り異常電流が流れていると判断し、超え
ていない場合にはステップSP1に戻る。
せず)は、図4に示すように、SP0で異常電流検出処
理手順に入ると、ステップSP1において電流検出信号
S1に基づいて電流値I1を読み込む。次にステップS
P2において電流値を時間微分し、ステップSP3で微
分波形が正及び負に変動している期間がチャタリング期
間を超えているか否か判断し、超えている場合にはステ
ップSP4に移り異常電流が流れていると判断し、超え
ていない場合にはステップSP1に戻る。
【0045】ここでステップSP2において電流値を時
間微分するのは、電流値I1は種々の要因(例えば周囲
温度等)により定常電流値自体が上下にシフトする場合
が多く、ショートに起因する異常電流のように大きく電
流値が変動するものであればこれを検出できるが、特に
今回検出対象となっている断続ショートに起因する異常
電流のように比較的変動幅の小さいものは電流値I1の
様子からでは検出が困難なためである。これに対して微
分波形では、図5に示すように、たとえ電流値I1の定
常値が上下にシフトした場合でも、小刻みに変動する電
流(すなわち断続ショートに起因する異常電流)が零を
基準として正及び負に連続的に変動する微分波形として
現れるため、このような微分波形を検出することで異常
電流を正確かつ容易に検出することができる。
間微分するのは、電流値I1は種々の要因(例えば周囲
温度等)により定常電流値自体が上下にシフトする場合
が多く、ショートに起因する異常電流のように大きく電
流値が変動するものであればこれを検出できるが、特に
今回検出対象となっている断続ショートに起因する異常
電流のように比較的変動幅の小さいものは電流値I1の
様子からでは検出が困難なためである。これに対して微
分波形では、図5に示すように、たとえ電流値I1の定
常値が上下にシフトした場合でも、小刻みに変動する電
流(すなわち断続ショートに起因する異常電流)が零を
基準として正及び負に連続的に変動する微分波形として
現れるため、このような微分波形を検出することで異常
電流を正確かつ容易に検出することができる。
【0046】またステップSP3において微分波形が正
及び負に変動している期間がチャタリング期間を超えて
いるか否かを判断するのは、図5に示すように、リレー
R1〜Rnの閉成時及び開放時に電流波形に異常電流発生
時と同じような変動が現れ、この結果微分波形にも異常
電流発生時と同じように零を基準として正及び負に連続
的に変動する波形が現れるため、このチャタリングに起
因する微分波形を異常電流に起因する微分波形と識別す
る必要があるためである。ここでチャタリング期間t0
はリレーR1〜Rnのスイッチングの前後の短い時間に限
られるので、ステップSP3のような判断処理を行うこ
とによって容易にチャタリングと異常電流とを区別でき
る。
及び負に変動している期間がチャタリング期間を超えて
いるか否かを判断するのは、図5に示すように、リレー
R1〜Rnの閉成時及び開放時に電流波形に異常電流発生
時と同じような変動が現れ、この結果微分波形にも異常
電流発生時と同じように零を基準として正及び負に連続
的に変動する波形が現れるため、このチャタリングに起
因する微分波形を異常電流に起因する微分波形と識別す
る必要があるためである。ここでチャタリング期間t0
はリレーR1〜Rnのスイッチングの前後の短い時間に限
られるので、ステップSP3のような判断処理を行うこ
とによって容易にチャタリングと異常電流とを区別でき
る。
【0047】またリレーR1〜Rnのスイッチングの前後
では、図5(A)の電流波形からも明らかなように、ス
イッチオン時にはその電流値は増加し、スイッチオフ時
にはその電流値は減少し、一方異常電流時の電流値はほ
とんど変化しないので、この電流値を監視することでチ
ャタリングと異常電流とを区別するようにしてもよい。
では、図5(A)の電流波形からも明らかなように、ス
イッチオン時にはその電流値は増加し、スイッチオフ時
にはその電流値は減少し、一方異常電流時の電流値はほ
とんど変化しないので、この電流値を監視することでチ
ャタリングと異常電流とを区別するようにしてもよい。
【0048】次に演算制御部21AはステップSP5に
おいて異常箇所の特定処理を行う。すなわちこの実施形
態では、バッテリ16と各ヒュージブルリンクFL1〜
FLn及びリレーR1〜Rnとを繋ぐ共通電源線上の電流
値を検出し、当該電流値が異常電流であるか否かを検知
するようになされているため、異常電流がリレーR1〜
Rnと各負荷とを接続するn個の電源線のうちのどの電
源線が断続ショートしていることにより生じているのか
を知ることができない。
おいて異常箇所の特定処理を行う。すなわちこの実施形
態では、バッテリ16と各ヒュージブルリンクFL1〜
FLn及びリレーR1〜Rnとを繋ぐ共通電源線上の電流
値を検出し、当該電流値が異常電流であるか否かを検知
するようになされているため、異常電流がリレーR1〜
Rnと各負荷とを接続するn個の電源線のうちのどの電
源線が断続ショートしていることにより生じているのか
を知ることができない。
【0049】そこでこのステップSP5において次の項
で詳述する異常箇所の特定処理を行うことにより、リレ
ーR1〜Rnと各負荷とを接続するn個の電源線のうちの
どの電源線で断続ショートが起こっているかを特定し、
続くステップSP6において、異常箇所であると特定さ
れた電源線に対応するリレーR1、R2、……又はRnを
開放状態とすることにより、当該電源線への電流を遮断
する。この結果、断続ショート等に起因する異常電流が
発生した電源線の発煙を未然に回避することができる。
で詳述する異常箇所の特定処理を行うことにより、リレ
ーR1〜Rnと各負荷とを接続するn個の電源線のうちの
どの電源線で断続ショートが起こっているかを特定し、
続くステップSP6において、異常箇所であると特定さ
れた電源線に対応するリレーR1、R2、……又はRnを
開放状態とすることにより、当該電源線への電流を遮断
する。この結果、断続ショート等に起因する異常電流が
発生した電源線の発煙を未然に回避することができる。
【0050】(3)異常箇所の特定 次に上述した異常箇所の特定処理について説明する。こ
の特定処理は、演算制御部21AによってリレーR1〜
Rnのうちの1つのみを順次開放状態とし、どのリレー
R1〜Rnを開放状態としたときに異常電流が検出されな
くなったかを確認することにより行う。
の特定処理は、演算制御部21AによってリレーR1〜
Rnのうちの1つのみを順次開放状態とし、どのリレー
R1〜Rnを開放状態としたときに異常電流が検出されな
くなったかを確認することにより行う。
【0051】またこのとき、順次開放制御するリレーR
1〜Rnの優先順位を、アンチロックブレーキシステム
(ABS)やエアーサスペンション駆動部(A/S)等
の走行や安全性に関わる負荷に対応するリレーR1〜Rn
の開放が先に、エアコン(A/C)やデフォッガ(DE
F)等の快適性に関する負荷に対応するリレーR1〜Rn
の開放が後になるようにする。
1〜Rnの優先順位を、アンチロックブレーキシステム
(ABS)やエアーサスペンション駆動部(A/S)等
の走行や安全性に関わる負荷に対応するリレーR1〜Rn
の開放が先に、エアコン(A/C)やデフォッガ(DE
F)等の快適性に関する負荷に対応するリレーR1〜Rn
の開放が後になるようにする。
【0052】このようにこの実施形態の電源供給装置に
おいては、異常箇所を検出する優先順位として、走行や
安全性に関わる負荷に繋がる電源線の異常検出を、快適
性に関する負荷に繋がる電源線の異常検出よりも先とし
たことにより、走行や安全性に関わる負荷が作動不能と
なる前にその異常をいち早く検出できる。この結果、走
行や安全性に関して信頼性の高い電源供給装置を実現で
きる。
おいては、異常箇所を検出する優先順位として、走行や
安全性に関わる負荷に繋がる電源線の異常検出を、快適
性に関する負荷に繋がる電源線の異常検出よりも先とし
たことにより、走行や安全性に関わる負荷が作動不能と
なる前にその異常をいち早く検出できる。この結果、走
行や安全性に関して信頼性の高い電源供給装置を実現で
きる。
【0053】実際上、演算制御部21Aは、図6に示す
ような異常箇所特定処理ルーチンを実行することにより
電源線の異常箇所を特定する。すなわち先ず演算制御部
21AのCPUは、ステップSP5−1において、図示
しないメモリから図7に示すような優先順位情報を取り
込む。
ような異常箇所特定処理ルーチンを実行することにより
電源線の異常箇所を特定する。すなわち先ず演算制御部
21AのCPUは、ステップSP5−1において、図示
しないメモリから図7に示すような優先順位情報を取り
込む。
【0054】次にCPUはステップSP5−2において
内部カウンタのカウント値Nをリセットし、続くステッ
プSP5−3においてカウント値Nをインクリメント
し、続くステップSP5−4において当該カウント値N
がn(すなわち検査箇所の総数)に等しいか否か判断す
る。ここでカウント値Nがnに等しいということは検査
対象となる全ての電源線についての検査が終了したこと
を意味するのでステップSP5−8に移って当該異常箇
所特定処理ルーチンを終了する。
内部カウンタのカウント値Nをリセットし、続くステッ
プSP5−3においてカウント値Nをインクリメント
し、続くステップSP5−4において当該カウント値N
がn(すなわち検査箇所の総数)に等しいか否か判断す
る。ここでカウント値Nがnに等しいということは検査
対象となる全ての電源線についての検査が終了したこと
を意味するのでステップSP5−8に移って当該異常箇
所特定処理ルーチンを終了する。
【0055】これに対してステップSP5−4において
否定結果が得られるとステップSP5−5に移り、カウ
ント値Nに応じた優先順位の負荷に対応するリレーR1
〜Rnのみを開放状態とする。具体的には、カウント値
Nが「1」の場合にはアンチロックブレーキシステム
(ABS)が検査対象なので(図7参照)、アンチロッ
クブレーキシステムに対応するリレーR1〜Rnのみを開
放状態とし、カウント値Nが「2」の場合にはエアーサ
スペンション駆動部(A/S)が検査対象なので(図7
参照)、エアーサスペンション駆動部に対応するリレー
R1〜Rnのみを開放状態とする。
否定結果が得られるとステップSP5−5に移り、カウ
ント値Nに応じた優先順位の負荷に対応するリレーR1
〜Rnのみを開放状態とする。具体的には、カウント値
Nが「1」の場合にはアンチロックブレーキシステム
(ABS)が検査対象なので(図7参照)、アンチロッ
クブレーキシステムに対応するリレーR1〜Rnのみを開
放状態とし、カウント値Nが「2」の場合にはエアーサ
スペンション駆動部(A/S)が検査対象なので(図7
参照)、エアーサスペンション駆動部に対応するリレー
R1〜Rnのみを開放状態とする。
【0056】ステップSP5−6では異常電流が流れて
いるか否か判断し、異常電流が流れていない場合にはス
テップSP5−3に戻り次の優先順位の負荷に対応する
電源線について同様の処理を行う。これに対してステッ
プSP5−6において肯定結果が得られると、このこと
は異常箇所が現在の検査対象の電源線であったことを意
味し(すなわち異常箇所がその電源線に特定され)、こ
のときステップSP5−7に移りその電源線に対応する
リレーR1〜Rnを開放状態にしたままにする。
いるか否か判断し、異常電流が流れていない場合にはス
テップSP5−3に戻り次の優先順位の負荷に対応する
電源線について同様の処理を行う。これに対してステッ
プSP5−6において肯定結果が得られると、このこと
は異常箇所が現在の検査対象の電源線であったことを意
味し(すなわち異常箇所がその電源線に特定され)、こ
のときステップSP5−7に移りその電源線に対応する
リレーR1〜Rnを開放状態にしたままにする。
【0057】ここでリレーR1〜Rnの開閉は演算制御部
21Aから各リレーR1〜Rnの開閉駆動コイルに印加す
る電圧を変えることにより行ってもよいし、または演算
制御部21Aからの開閉制御信号を信号伝送線100を
介し該当するカーコンピュータ30〜33、……に一旦
伝送し、当該カーコンピュータ30〜33、……から直
接信号ライン(図示せず)を介して各リレーR1〜Rnの
開閉駆動コイルに印加する電圧を変えることにより行っ
てもよい。
21Aから各リレーR1〜Rnの開閉駆動コイルに印加す
る電圧を変えることにより行ってもよいし、または演算
制御部21Aからの開閉制御信号を信号伝送線100を
介し該当するカーコンピュータ30〜33、……に一旦
伝送し、当該カーコンピュータ30〜33、……から直
接信号ライン(図示せず)を介して各リレーR1〜Rnの
開閉駆動コイルに印加する電圧を変えることにより行っ
てもよい。
【0058】このように、バッテリ16と各ヒュージブ
ルリンクFL1〜FLn及びリレーR1〜Rnとを繋ぐ共通
電源線で異常電流が検出されたとき、その異常電流がリ
レーR1〜Rnと各負荷とを接続するn個の電源線のうち
のどの電源線が断続ショートしていることにより生じて
いるのかを容易かつ速やかに特定することができる。
ルリンクFL1〜FLn及びリレーR1〜Rnとを繋ぐ共通
電源線で異常電流が検出されたとき、その異常電流がリ
レーR1〜Rnと各負荷とを接続するn個の電源線のうち
のどの電源線が断続ショートしていることにより生じて
いるのかを容易かつ速やかに特定することができる。
【0059】(4)実施形態の動作 以上の構成において、この実施形態の車両用電源供給装
置では、異常電流の検出箇所及び電流遮断箇所はヒュー
ジブルリンクFL1〜FLn及びリレーR1〜Rnが設けら
れている電源線に限定される。そしてリレーR1〜Rnが
設けられておらずかつエンジンルーム内やジャンクショ
ンボックス間のように発煙が生じやすい区間に配索され
た電源線は、異常電流を検知したとしてもリレーR1〜
Rnが無いので電流を遮断することができないため、予
めよろい電線200が用いられており、ショートや断続
ショートによる発煙は生じない。
置では、異常電流の検出箇所及び電流遮断箇所はヒュー
ジブルリンクFL1〜FLn及びリレーR1〜Rnが設けら
れている電源線に限定される。そしてリレーR1〜Rnが
設けられておらずかつエンジンルーム内やジャンクショ
ンボックス間のように発煙が生じやすい区間に配索され
た電源線は、異常電流を検知したとしてもリレーR1〜
Rnが無いので電流を遮断することができないため、予
めよろい電線200が用いられており、ショートや断続
ショートによる発煙は生じない。
【0060】ここでヒュージブルリンクFL1〜FLnに
より接続されている電源線に、断続ショートのようにヒ
ュージブルリンクFL1〜FLnは溶断しないが電源線が
発煙してしまうような異常電流が流れると、この異常電
流が共通電源線に設けられた電流センサ20及び演算制
御部21Aにより検知される。
より接続されている電源線に、断続ショートのようにヒ
ュージブルリンクFL1〜FLnは溶断しないが電源線が
発煙してしまうような異常電流が流れると、この異常電
流が共通電源線に設けられた電流センサ20及び演算制
御部21Aにより検知される。
【0061】演算制御部21Aは異常電流が流れている
ことを検知すると、この異常電流が実際上どの電源線で
発生しているかを、当該各電源線に対応する複数のリレ
ーR1〜Rnを順次開閉させ、このときの異常電流の検知
の有無を監視することで特定する。因みに、このような
異常箇所の特定処理を行うことができるのも、異常電流
の検出箇所及び電流遮断箇所をヒュージブルリンクFL
1〜FLn及びリレーR1〜Rnが設けられている電源線に
限定しているためである。
ことを検知すると、この異常電流が実際上どの電源線で
発生しているかを、当該各電源線に対応する複数のリレ
ーR1〜Rnを順次開閉させ、このときの異常電流の検知
の有無を監視することで特定する。因みに、このような
異常箇所の特定処理を行うことができるのも、異常電流
の検出箇所及び電流遮断箇所をヒュージブルリンクFL
1〜FLn及びリレーR1〜Rnが設けられている電源線に
限定しているためである。
【0062】次に演算制御部21Aは、異常電流が発生
していると特定された電源線に対応するリレーR1〜Rn
を開放状態に制御する。この結果、ヒュージブルリンク
FL1〜FLn及びリレーR1〜Rnに接続されている電源
線に断続ショート等が生じても、当該電源線の発煙を確
実に防止することができる。
していると特定された電源線に対応するリレーR1〜Rn
を開放状態に制御する。この結果、ヒュージブルリンク
FL1〜FLn及びリレーR1〜Rnに接続されている電源
線に断続ショート等が生じても、当該電源線の発煙を確
実に防止することができる。
【0063】(5)実施形態の効果 以上の構成によれば、ヒュージブルリンクFL1〜FLn
及びリレーR1〜Rnを介して電源線により電源部に接続
されている電源供給対象の当該電源線については異常電
流の検出及び当該リレーR1〜Rnを用いた電流遮断を行
うと共に、リレーR1〜Rnを介さずに電源部に接続され
ている電源供給対象の電源線のうち発煙が生じやすい区
間に配索された電源線に発煙防止処理が施された電源線
200を用いるようにしたことにより、既存のリレーR
1〜Rnを有効に利用して、比較的簡易な構成により電源
線の発煙を効率的に防止し得ると共に、異常電流の発生
箇所を特定することも容易な車両用電源供給装置を実現
できる。
及びリレーR1〜Rnを介して電源線により電源部に接続
されている電源供給対象の当該電源線については異常電
流の検出及び当該リレーR1〜Rnを用いた電流遮断を行
うと共に、リレーR1〜Rnを介さずに電源部に接続され
ている電源供給対象の電源線のうち発煙が生じやすい区
間に配索された電源線に発煙防止処理が施された電源線
200を用いるようにしたことにより、既存のリレーR
1〜Rnを有効に利用して、比較的簡易な構成により電源
線の発煙を効率的に防止し得ると共に、異常電流の発生
箇所を特定することも容易な車両用電源供給装置を実現
できる。
【0064】(6)他の実施形態 なお上述の実施形態においては、電流センサ20を、ヒ
ュージブルリンクFL1〜FLn及びリレーR1〜Rnを介
して電源部に接続されている複数の負荷の各ヒュージブ
ルリンクFL1〜FLn及びリレーR1〜Rnに対して電源
部側に配索された共通電源線上に設けることにより、複
数の電源線の異常を一括して検知するようにした場合に
ついて述べたが、本発明はこれに限らず、ヒュージブル
リンクFL1〜FLnに接続された各電源線に一つずつ電
流センサを設けて各電源線の異常の有無をそれぞれの電
流センサからの電流検出結果に基づいて検知するように
してもよい。このようにした場合、電流センサの数は増
えるものの、上述した異常箇所の特定処理を省略するこ
とができる。
ュージブルリンクFL1〜FLn及びリレーR1〜Rnを介
して電源部に接続されている複数の負荷の各ヒュージブ
ルリンクFL1〜FLn及びリレーR1〜Rnに対して電源
部側に配索された共通電源線上に設けることにより、複
数の電源線の異常を一括して検知するようにした場合に
ついて述べたが、本発明はこれに限らず、ヒュージブル
リンクFL1〜FLnに接続された各電源線に一つずつ電
流センサを設けて各電源線の異常の有無をそれぞれの電
流センサからの電流検出結果に基づいて検知するように
してもよい。このようにした場合、電流センサの数は増
えるものの、上述した異常箇所の特定処理を省略するこ
とができる。
【0065】また上述の実施形態においては、図7に示
すように、リレーR1〜Rnのうちの1つのみを順次開放
状態とし、どのリレーR1〜Rnを開放状態としたときに
異常電流が検出されなくなったかを確認することによ
り、異常が生じている電源線を特定した場合について述
べたが、本発明はこれに限らず、例えば図8に示すよう
に、リレーR1〜Rnのうちの1つのみを順次閉成状態と
し、どのリレーR1〜Rnを閉成状態としたときに異常電
流が検出されたかを確認することにより、異常が生じて
いる電源線を特定するようにしてもよい。
すように、リレーR1〜Rnのうちの1つのみを順次開放
状態とし、どのリレーR1〜Rnを開放状態としたときに
異常電流が検出されなくなったかを確認することによ
り、異常が生じている電源線を特定した場合について述
べたが、本発明はこれに限らず、例えば図8に示すよう
に、リレーR1〜Rnのうちの1つのみを順次閉成状態と
し、どのリレーR1〜Rnを閉成状態としたときに異常電
流が検出されたかを確認することにより、異常が生じて
いる電源線を特定するようにしてもよい。
【0066】また上述の実施形態においては、電源線開
閉手段としてリレーR1〜Rnを用いた場合について述べ
たが、本発明はこれに限らず、例えば半導体スイッチ
や、インテリジェントパワースイッチなど種々のものを
用いることができる。
閉手段としてリレーR1〜Rnを用いた場合について述べ
たが、本発明はこれに限らず、例えば半導体スイッチ
や、インテリジェントパワースイッチなど種々のものを
用いることができる。
【0067】さらに上述の実施形態においては、リレー
R1〜Rnを介さずに電源部に接続されている電源供給対
象の電源線のうち発煙が生じやすい区間に配索された発
煙防止電源線として、図3に示すように、導体部200
A、200Bを補強部材200Cにより被覆したものを
用いた場合について述べたが、本発明の発煙防止電源線
はこれに限らず、例えば絶縁部材200Bを他の電源線
よりも肉厚にすることにより発煙に対する耐性を増した
構成とするようにしてもよく、要は他の電源線よりも耐
発煙性の高い電源線を用いるようにすればよい。
R1〜Rnを介さずに電源部に接続されている電源供給対
象の電源線のうち発煙が生じやすい区間に配索された発
煙防止電源線として、図3に示すように、導体部200
A、200Bを補強部材200Cにより被覆したものを
用いた場合について述べたが、本発明の発煙防止電源線
はこれに限らず、例えば絶縁部材200Bを他の電源線
よりも肉厚にすることにより発煙に対する耐性を増した
構成とするようにしてもよく、要は他の電源線よりも耐
発煙性の高い電源線を用いるようにすればよい。
【0068】
【発明の効果】以上説明したように請求項1に記載の発
明によれば、異常電流の検出箇所及び電流遮断箇所はヒ
ュージブルリンク及び電源線開閉手段が設けられている
電源線に限定され、電源線開閉手段が設けられておらず
かつ発煙が生じやすい区間に配索された電源線は発煙防
止電源線となっているので、比較的簡易な構成により電
源線の発煙を効率的に防止し得ると共に、異常電流の発
生箇所を特定することも容易な車両用電源供給装置を実
現できる。
明によれば、異常電流の検出箇所及び電流遮断箇所はヒ
ュージブルリンク及び電源線開閉手段が設けられている
電源線に限定され、電源線開閉手段が設けられておらず
かつ発煙が生じやすい区間に配索された電源線は発煙防
止電源線となっているので、比較的簡易な構成により電
源線の発煙を効率的に防止し得ると共に、異常電流の発
生箇所を特定することも容易な車両用電源供給装置を実
現できる。
【0069】また請求項2に記載の発明によれば、電流
検出手段によって、ヒュージブルリンク及び電源線開閉
手段を介して電源部に接続されている複数の電源供給対
象の各ヒュージブルリンク及び電源線開閉手段に対して
電源部側に配索された当該複数の電源供給対象の共通電
源線上の電流を検出するようにしたことにより、複数の
電源線の異常を1つの電流検出手段によって一括して検
出できるようになり、複数の電源供給対象に対応した複
数の電源線にそれぞれ電流検出手段を設ける場合と比較
して構成を簡易化できる。
検出手段によって、ヒュージブルリンク及び電源線開閉
手段を介して電源部に接続されている複数の電源供給対
象の各ヒュージブルリンク及び電源線開閉手段に対して
電源部側に配索された当該複数の電源供給対象の共通電
源線上の電流を検出するようにしたことにより、複数の
電源線の異常を1つの電流検出手段によって一括して検
出できるようになり、複数の電源供給対象に対応した複
数の電源線にそれぞれ電流検出手段を設ける場合と比較
して構成を簡易化できる。
【0070】また請求項3に記載の発明によれば、異常
電流検知手段により異常電流が検知されたとき、共通電
源線からそれぞれ分岐した位置に設けられている複数の
電源線開閉手段を順次開閉させ、このとき異常電流検知
手段による異常電流の検知の有無を監視することにより
異常電流の発生箇所を特定する異常箇所特定手段を設け
たので、複数の電源線の異常を1つの電流検出手段によ
って一括して検出した場合に、異常のある電源線を確実
かつ速やかに特定できるようになる。
電流検知手段により異常電流が検知されたとき、共通電
源線からそれぞれ分岐した位置に設けられている複数の
電源線開閉手段を順次開閉させ、このとき異常電流検知
手段による異常電流の検知の有無を監視することにより
異常電流の発生箇所を特定する異常箇所特定手段を設け
たので、複数の電源線の異常を1つの電流検出手段によ
って一括して検出した場合に、異常のある電源線を確実
かつ速やかに特定できるようになる。
【0071】また請求項4に記載の発明によれば、予め
導体部を補強部材により被覆しているので、導体部が補
強材に保護され、車両の走行中に絶え間ない振動を受け
電源線が車体の角部等に接触してもその絶縁被覆が損傷
することがなくなり、この結果、電源線開閉手段が接続
されていない電源線のショートや断続ショートが防止さ
れる。
導体部を補強部材により被覆しているので、導体部が補
強材に保護され、車両の走行中に絶え間ない振動を受け
電源線が車体の角部等に接触してもその絶縁被覆が損傷
することがなくなり、この結果、電源線開閉手段が接続
されていない電源線のショートや断続ショートが防止さ
れる。
【0072】また請求項5に記載の発明によれば、発煙
防止電源線を用いる箇所を、電源線開閉手段を介さずに
電源部に接続されている電源供給対象の電源線の中で
も、特に振動や熱の点で電源線にとって過酷な状況にあ
るエンジンルーム内の電源線に限定したことにより、発
煙防止の点で信頼性が高く、かつコストパフォーマンス
が良く、かつ軽量化の点で優れた車両用電源供給装置を
実現できる。因みに、発煙防止電源線は通常の電源線と
比べると、一般的に高価かつ重量が重くなるので、この
ように発煙防止電源線を用いる箇所を限定することによ
りコストパフォーマンス及び軽量化の点で優れたものと
することができるのである。
防止電源線を用いる箇所を、電源線開閉手段を介さずに
電源部に接続されている電源供給対象の電源線の中で
も、特に振動や熱の点で電源線にとって過酷な状況にあ
るエンジンルーム内の電源線に限定したことにより、発
煙防止の点で信頼性が高く、かつコストパフォーマンス
が良く、かつ軽量化の点で優れた車両用電源供給装置を
実現できる。因みに、発煙防止電源線は通常の電源線と
比べると、一般的に高価かつ重量が重くなるので、この
ように発煙防止電源線を用いる箇所を限定することによ
りコストパフォーマンス及び軽量化の点で優れたものと
することができるのである。
【図1】本発明による車両用電源供給装置の基本構成を
示す図である。
示す図である。
【図2】本発明による車両用電源供給装置の一実施の形
態を示す図である。
態を示す図である。
【図3】補強部材が用いられた電源線の構成を示す断面
図である。
図である。
【図4】異常電流検出の説明に供するフローチャートで
ある。
ある。
【図5】異常電流検出の説明に供する波形図である。
【図6】異常箇所特定処理の説明に供するフローチャー
トである。
トである。
【図7】異常箇所特定処理時の異常箇所検出の優先順位
を示す図表である。
を示す図表である。
【図8】他の実施形態による異常箇所検出の優先順位を
示す図表である。
示す図表である。
【図9】従来の装置の一例を示す図である。
【図10】電線の発煙の説明に供する電線の発煙特性及
びヒュージブルリンクの溶断特性を示す特性曲線図であ
る。
びヒュージブルリンクの溶断特性を示す特性曲線図であ
る。
16、17 電源部(バッテリ、発電
機) 20 電流検出手段(電流セン
サ) 21A−1 異常電流検知手段(演算
制御部) 21A−2 電流遮断手段(演算制御
部) 21A−3 異常箇所特定手段 200 発煙防止電源線(よろい
電線) 200A、200B 導体部(銅線、絶縁部
材) 200C 補強部材 FL1〜FLn ヒュージブルリンク R1〜Rn 電源線開閉手段(リレ
ー)
機) 20 電流検出手段(電流セン
サ) 21A−1 異常電流検知手段(演算
制御部) 21A−2 電流遮断手段(演算制御
部) 21A−3 異常箇所特定手段 200 発煙防止電源線(よろい
電線) 200A、200B 導体部(銅線、絶縁部
材) 200C 補強部材 FL1〜FLn ヒュージブルリンク R1〜Rn 電源線開閉手段(リレ
ー)
Claims (5)
- 【請求項1】 電源部に電源線を介して接続された電源
供給対象に前記電源部の電源を供給する車両用電源供給
装置において、 ヒュージブルリンク及び電源線開閉手段を介して電源線
により前記電源部に接続されている電源供給対象の当該
電源線を流れる電流の大きさを検出する電流検出手段
と、 当該検出電流が、前記ヒュージブルリンクを溶断するこ
となくかつ前記電源線を発煙させるような異常電流であ
るか否かを検知する異常電流検知手段と、 当該異常電流検知手段によって前記異常電流が検知され
たとき、前記電源線開閉手段に制御信号を出力して前記
電源線開閉手段を開放することにより、当該電源線開閉
手段と前記電源供給対象とを接続する前記電源線の電流
を遮断する電流遮断手段とを具えると共に、 電源線開閉手段を介さずに前記電源部に接続されている
電源供給対象の電源線のうち発煙が生じやすい区間に配
索された電源線に、発煙防止処理が施された発煙防止電
源線を用いることを特徴とする車両用電源供給装置。 - 【請求項2】 前記電流検出手段は、それぞれヒュージ
ブルリンク及び電源線開閉手段を介して前記電源部に接
続されている複数の電源供給対象の各ヒュージブルリン
ク及び電源線開閉手段に対して前記電源部側に配索され
た、当該複数の電源供給対象の共通電源線を流れる電流
の大きさを検出し、 前記異常電流検知手段は、当該共通電源線からの検出電
流に基づいて前記異常電流を検知することを特徴とする
請求項1に記載の車両用電源供給装置。 - 【請求項3】 前記車両用電源供給装置は、さらに、 前記異常電流検知手段により前記異常電流が検知された
とき、前記共通電源線からそれぞれ分岐した位置に設け
られている前記複数の電源線開閉手段を順次開閉させ、
このとき前記異常電流検知手段による異常電流の検知の
有無を監視することにより、前記異常電流の発生箇所を
特定する異常箇所特定手段を具えることを特徴とする請
求項2に記載の車両用電源供給装置。 - 【請求項4】 前記発煙防止電源線は、導体部を補強部
材により被覆して構成されていることを特徴とする請求
項1に記載の車両用電源供給装置。 - 【請求項5】 前記発煙防止電源線は、エンジンルーム
内に配索された電源線に用いられている ことを特徴とする請求項1又は請求項4に記載の車両用
電源供給装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21860496A JP3316790B2 (ja) | 1996-08-20 | 1996-08-20 | 車両用電源供給装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21860496A JP3316790B2 (ja) | 1996-08-20 | 1996-08-20 | 車両用電源供給装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1066245A JPH1066245A (ja) | 1998-03-06 |
JP3316790B2 true JP3316790B2 (ja) | 2002-08-19 |
Family
ID=16722567
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21860496A Expired - Fee Related JP3316790B2 (ja) | 1996-08-20 | 1996-08-20 | 車両用電源供給装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3316790B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
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---|---|---|---|---|
KR20030096613A (ko) * | 2002-06-17 | 2003-12-31 | 현대자동차주식회사 | 자동차용 정션 박스 |
JP6552585B2 (ja) * | 2017-12-05 | 2019-07-31 | 三菱電機株式会社 | 電力変換システム |
CN108521228A (zh) * | 2018-04-26 | 2018-09-11 | 湖北三江航天万峰科技发展有限公司 | 车载电源通用控制装置及方法 |
JP7173674B2 (ja) * | 2018-07-25 | 2022-11-16 | 東芝デジタルソリューションズ株式会社 | 充電制御装置、充電管理システム、方法及びプログラム |
CN111243217A (zh) * | 2020-03-09 | 2020-06-05 | 东风汽车集团有限公司 | 一种车辆消防远程监控系统 |
JP7494137B2 (ja) * | 2021-03-24 | 2024-06-03 | 株式会社東芝 | 半導体装置 |
-
1996
- 1996-08-20 JP JP21860496A patent/JP3316790B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH1066245A (ja) | 1998-03-06 |
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---|---|---|---|
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