JP3316759B2 - 投影露光方法及び装置、並びに素子製造方法 - Google Patents

投影露光方法及び装置、並びに素子製造方法

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    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
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    • G03F7/70358Scanning exposure, i.e. relative movement of patterned beam and workpiece during imaging

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  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Liquid Crystal (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば半導体素子又は
液晶表示素子等をフォトリソグラフィ工程で製造する際
に使用される投影露光方法及び装置に関し、特に、スリ
ット状の照明領域に対してマスク及び感光基板を同期し
て走査することによりそのマスクのパターンを逐次感光
基板上に露光する所謂スリットスキャン露光方式の投影
型露光方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】超LSI等の半導体素子又は液晶表示素
子等をフォトリソグラフィ工程で製造する際に、フォト
マスク又はレチクル(以下、「レチクル」と総称する)
のパターンを投影光学系を介して感光材が塗布された基
板(ウエハ、ガラスプレート等)上に露光する投影露光
装置が使用されている。半導体素子を例に取ると、従来
の投影露光装置としては、ステップ・アンド・リピート
方式でレチクルのパターン像を順次ウエハの各ショット
領域にそれぞれ一括転写するステッパーが主流であった
が、最近は、所謂スリットスキャン露光方式の投影露光
装置が注目されるようになってきた。
【0003】このスリットスキャン露光方式の投影露光
装置は、投影光学系の投影倍率をβとして、細長い矩
形、円弧状又は六角形状等(以下、「スリット状」とい
う)の照明領域に対して所定の走査方向にレチクルを速
度Vで走査し、その照明領域と投影光学系に関して共役
な露光領域に対してその走査方向と共役な方向にウエハ
を速度β・Vで走査することにより、レチクルのパター
ン像を逐次ウエハ上の露光フィールド(ショット領域)
に転写露光するものである。このようなスリットスキャ
ン露光方式が注目されている理由は、以下のようなもの
である。
【0004】第1の理由は、最近益々半導体デバイスの
パターンの微細化及びデバイスサイズの拡大が同時に進
み、ステッパーによってパターンを形成しようとすると
巨大な投影光学系が必要となり、装置の製造コストが巨
額となると共に装置サイズも極めて大きなものになり、
実用性に乏しくなるからである。また、第2の理由は、
投影光学系の投影像の歪み、像面の平坦度及び非点収差
等がデバイスパターンの微細化と共に限界にまで達し、
必要な性能が得にくくなっているからである。これに関
して、スリットスキャン露光方式においては、投影光学
系による投影領域の内のスリット状の露光領域のみを用
いて露光するので、同一の投影光学系を用いたステッパ
ーに比べてフィールドサイズが21/2 倍まで拡大でき
る。逆にスリットスキャン露光方式でステッパーと同一
のフィールドサイズを持つためには、投影光学系として
はフィールドサイズが1/21/2 倍の小型の光学系を使
用できるため、レンズ性能の改善がステッパーに比べて
容易になる。
【0005】また、他の理由として、投影光学系として
例えば凹面反射鏡を有する反射屈折系を使用する場合に
は、露光フィールドの内で良好な特性が得られる領域
が、円弧状の狭い領域に限られるため、レチクルのパタ
ーン全体をウエハ上に露光するためには、スリットスキ
ャン露光方式が必要になる。一般に、投影露光装置にお
いては、ウエハに塗布されたフォトレジスト等の感度に
より適正な露光量(露光エネルギー)が定められている
ため、例えばステッパーでは露光光として連続光を使用
する場合には露光光の照射時間、又はパルス光を使用す
る場合には照射するパルス数により露光量制御を行って
いた。同様に、スリットスキャン露光方式の場合でも露
光量制御を行う必要があり、露光光として連続光を使用
する場合には、スリット状の照明領域の走査方向の幅を
一定として、レチクル及びウエハの走査速度及び露光光
の減光率等の調整によりウエハ上の各点での露光量を適
正露光量に制御していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、そのスリッ
トスキャン露光方式の投影露光装置において、露光光の
光源としてエキシマレーザ等のパルス光源を用いる場合
には、パルス光毎のエネルギーのばらつきが大きいた
め、ウエハ上の各点に対して露光されるパルス数を少な
くしつつ、パルス露光毎のエネルギーの積算値を適正露
光量に対して許容できるばらつきの範囲内に収めること
は従来は困難であった。
【0007】図8(a)は、ウエハ上で走査方向をx方
向とした場合の或る時点での位置xにおける積算露光量
分布E(x)の一例を示し、積算露光量分布E(x)が
図8(a)であるときの、ウエハ上の走査方向の位置x
におけるスリット状の露光領域の露光量分布I(x)の
一例を図8(b)に示す。図8(a)及び(b)では便
宜上、ウエハが静止していて、その上をx軸の正の方向
にスリット状の露光領域が移動していくものとして表し
ている。図8(b)において、露光量分布I(x)は走
査方向に台形状をなしており、x21≦x<x22の区間で
21(x)のように立ち上がり、x22≦x<x23の区間
でI22(x)のように一定値A0 をとり、x23≦x<x
24の区間でI27(x)のように立ち下がる。台形の両側
の幅W1及びW3 の傾斜部の間に幅W2 の平坦な部分が
ある。スリット状の露光領域がx軸上の値の小さな位置
から次第に正の方向に走査され、露光量分布I(x)が
図8(b)のような状態のときに、積算露光量分布E
(x)は図8(a)のようになっている。
【0008】図8(a)において、x<x21の部分では
露光が終了し、積算露光量は理想的には一定値E0 とな
り、x21≦x<x22の区間ではE21(x)のようにな
り、x 22≦x<x23の区間ではE22(x)のようにな
り、x23≦x<x24の区間ではE 23(x)で表される。
露光が一定の走査速度で行われ、各パルス発光毎の露光
エネルギー(パルスエネルギー)が一定時間毎に一定の
値に設定できる場合には、図8(a)のように理想的な
積算露光量が得られるようにできる。しかしながら、実
際に光源としてエキシマレーザ光源を用いる場合には、
パルスエネルギーがパルス毎にばらつき、積算パルス数
を少なくした露光では所定の積算露光量が得られない。
【0009】具体的に、図8(b)において或るパルス
発光では露光量分布がI21(x),I22(x),I
23(x)のようになって、平坦な部分が理想的な露光量
0 になっても、次のパルス発光では、露光量分布がI
25(x),I26(x),I27(x)となり、平坦な部分
の露光量がA0 と異なってしまう。例えばパルスエネル
ギーのばらつきが、±7%あった場合、ウエハ上の各露
光点に対する積算パルス数を50パルス以上にしない
と、露光量制御精度を±1%以内にすることはできな
い。そのため、レジスト感度を高くしたり、光源のパル
スエネルギー又は光学系での光の伝達効率を改善するこ
とにより、ウエハの露光面でのパルス毎の露光エネルギ
ー密度を上げても、パルス数に下限があることにより、
露光時のレチクル及びウエハの走査速度を上げることが
できない。
【0010】一方、走査速度を一定とした場合に、エキ
シマレーザ光源のメンテナンス費用を下げるために露光
パルス数を減らそうとしても、パルス数に下限がある場
合には、パルス数を減少させることができない。本発明
は斯かる点に鑑み、スリットスキャン露光方式で露光を
行う際に、積算露光量の制御精度を高めることを目的と
する。
【0011】また、本発明は、スリットスキャン露光方
式で露光を行う際に、露光光としてパルス発光毎のエネ
ルギーのばらつきの大きいパルス光源を使用する場合
に、少ないパルス数で必要な露光量制御精度を得ること
ができるようにすることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明による第1の投影
露光装置は、露光ビームに対してマスク(R)と基板
(W)とを移動することによって、マスク(R)のパタ
ーンを用いて基板(W)を走査露光する投影露光装置で
あって、走査露光のために、マスク(R)と基板(W)
とを同期移動させる移動手段(14,18,21)と、
その移動手段による基板(W)の移動中であって、かつ
基板(W)上の一つの露光フィールドの露光を開始する
前に、その露光ビームのエネルギーを安定させるために
露光ビームの発射を開始するビーム源(1)とを備えた
ものである。
【0013】また、本発明による第2の投影露光装置
は、露光ビームに対してマスク(R)と基板(W)とを
移動することによって、マスク(R)のパターンを用い
て基板(W)を走査露光する投影露光装置であって、露
光ビームを発射するビーム源(1)と、その走査露光の
ために、マスク(R)と基板(W)とを同期移動させる
移動手段(14,18,21)と、その移動手段による
基板(W)の移動中であって、かつ基板(W)上の一つ
の露光フィールドの露光開始前に、ビーム源(1)から
発射される露光ビームのエネルギー調整を行う調整手段
(10)とを備えたものである。
【0014】次に、本発明による第1の投影露光方法
は、露光ビームに対してマスクと基板とを移動すること
によって、そのマスクのパターンを用いてその基板を走
査露光する投影露光方法において、その基板上の一つの
露光フィールドを走査露光するためのその基板の助走中
であって、かつその露光フィールドの露光を開始する前
に、その露光ビームのエネルギーを安定させるためにビ
ーム源からの露光ビームの発射を開始するものである。
【0015】また、本発明による第2の投影露光方法
は、露光ビームに対してマスクと基板とを移動すること
によって、そのマスクのパターンを用いてその基板を走
査露光する投影露光方法において、その基板上の一つの
露光フィールドを走査露光するためのその基板の助走中
であって、かつその露光フィールドの露光を開始する前
に、その露光ビームのエネルギー調整を行うものであ
る。
【0016】また、本発明による素子製造方法は、本発
明のいずれかの投影露光装置を用いて基板を露光するリ
ソグラフィ工程を含むものである。これらの場合、一例
としてビーム源(1)としては露光ビームをパルス発振
するものが使用される。
【0017】
【作用】上記の本発明によれば、基板(W)上の露光フ
ィールドに対する露光が開始されるときには、ビーム源
(1)から発射される露光ビームのエネルギーが安定し
ているため、基板(W)に対する積算露光量の制御精度
を高めることができる。また、上記の本発明によれば、
基板(W)上の露光フィールドに対する露光が開始され
る前に、ビーム源(1)から発射される露光ビームのエ
ネルギーを調整するようにしているので、基板(W)上
の露光フィールドが開始されるときには、所望エネルギ
ーの露光ビームを安定して供給することができるため、
基板(W)に対する積算露光量の制御精度を高めること
ができる。
【0018】また、ビーム源が露光ビームをパルス発振
するような場合にも、基板(W)上の露光フィールドの
露光が開始されるときには、所望エネルギーの露光ビー
ムを安定して供給することができ、基板(W)に対する
積算露光量の制御精度を高めることができる。
【0019】
【実施例】以下、本発明の一実施例につき図1〜図7を
参照して説明する。本実施例は、露光光の光源としてエ
キシマレーザ光源よりなるパルス光源を使用する、スリ
ットスキャン露光方式の投影露光装置に本発明を適用し
たものである。図1は本実施例の投影露光装置の構成を
示し、この図1において、エキシマレーザ光源1は、K
rFエキシマレーザ光(波長:248nm)を発生する
と共に、発振スペクトルの幅を狭帯化し、スペクトルの
中心を一定値に安定化する機構を備えている。エキシマ
レーザ光源1は、露光制御系10からの制御指令によ
り、パルスレーザ光を発生すると共に、パルス光毎の出
力エネルギーの平均値を指定されたレベルに設定する。
エキシマレーザ光源1から出力されたパルスレーザ光I
Lは、ミラー2で反射されてビーム整形光学系3に入射
し、ビーム整形光学系3によりビームの断面形状が細長
い矩形から正方形に近い形に変えられる。
【0020】ビーム整形光学系3から射出されたパルス
レーザ光ILは、ミラー4で反射されてビーム一様化光
学系5に入射する。ビーム一様化光学系5は、フライア
イレンズや振動ミラー等を組み合わせた公知の光学系に
より構成され、入射するレーザ光の強度分布を一様にす
ると共に、レーザ光の干渉縞による照度むらを平均化に
より打ち消す機能を持っている。ビーム一様化光学系5
から射出されたパルスレーザ光は、反射率の低いビーム
スプリッター6に入射し、ビームスプリッター6を透過
したパルスレーザ光は、リレーレンズ6を経て1対のそ
れぞれ平板状のレチクルブラインド8A及び8Bに一様
な強度で入射する。
【0021】また、図1の紙面に垂直な方向にも1対の
それぞれ平板状のレチクルブラインドが配置されている
が、この1対のレチクルブラインドについては後述す
る。それら2枚のレチクルブラインド8A,8Bで挟ま
れたスリット状の細長い領域の像が、リレーレンズ1
1、ミラー12及びメインコンデンサーレンズ13を介
して、レチクルR上に投影される。レチクルブラインド
8A,8BによりレチクルR上に設定されるスリット状
に細長い形状の照明領域27の長手方向は、図1の紙面
に垂直な方向である。その照明領域27内のレチクルR
のパターンにパルスレーザ光ILが均一な照度分布で照
射される。
【0022】この場合、レチクルブラインド8A,8B
で挟まれた領域のレチクルR上への投影は1以下の投影
倍率で行うことが望ましい。また、レチクルR上でレチ
クルブラインド8A及び8Bのエッジの像に所定のぼけ
幅を与えるように、レチクルブラインド8A,8Bの配
置面は、レチクルRのパターン形成面(下面)の共役面
から所定量だけデフォーカスされており、そのデフォー
カス量を図示省略されて調整機構により変化できるよう
になっている。また、レチクルブラインド8A及び8B
は、それぞれ駆動部9A及び9Bにより照明光学系の光
軸方向に出し入れできるようになっている。露光制御系
10が駆動部9A及び9Bの動作を制御する。
【0023】また、ビームスプリッター6で反射された
光は集光レンズ25により光電検出器26の受光面に集
められて、光電変換される。光電検出器26の出力信号
は露光制御系10に供給される。光電検出器26の出力
信号は、ウエハW上に入射するパルスレーザ光毎の露光
エネルギーに比例した値を持っているため、露光制御系
10では、その光電検出器26の出力信号を積算するこ
とにより、ウエハW上での積算露光量を算出することが
できる。
【0024】レチクルRはレチクルステージ14上に真
空吸着又は他の機械的手段により固定され、レチクルス
テージ14は、レチクルガイド15上を投影光学系PL
の光軸AXに垂直で図1の紙面に平行なx方向に1次元
的に走査される。レチクルステージ14上の一端に移動
鏡16が固定され、外部のレチクル側レーザ干渉計17
からのレーザビームが移動鏡16で反射され、レーザ干
渉計17はレチクルステージ14のx方向の位置を常時
モニターしている。レーザ干渉計17で検出された座標
位置はステージ制御系18に供給され、ステージ制御系
18は、レチクルステージ18の走査速度及び走査のタ
イミングを制御する。前述のレチクルブラインド8A,
8Bは、レチクルRの走査方向に垂直なエッジの像を作
るレチクルブラインドである。すなわち、レチクルブラ
インド8A,8Bは走査方向に垂直な方向と共役な方向
に延びた直線状のエッジを有する。
【0025】レチクルR上の照明領域27内のパターン
の像は投影光学系PLを介してウエハW上の露光フィー
ルド(ショット領域)内に投影される。スリット状の照
明領域27と投影光学系PLに関して共役なウエハW上
の領域がスリット状の露光領域28である。ウエハWは
ウエハホルダー19上に真空吸着等で固定され、ウエハ
ホルダー19は、ウエハWを投影光学系PLの光軸に平
行なz方向に位置決めするZステージ20上に載置さ
れ、Zステージ20は、ウエハWを投影光学系PLの光
軸に垂直な2次元平面(この平面の座標系をx軸及びy
軸とする)内で位置決めするXYステージ21上に載置
されている。XYステージ21は、スリットスキャン露
光時にウエハWをx方向に走査し、Zステージ20はウ
エハWのフォーカシングを行う。また、図示省略する
も、ウエハWの傾斜角を調整するレベリングステージ、
及びウエハWの表面のz方向の位置(フォーカス位置)
や傾斜角を計測するためのセンサーが設けられている。
また、レチクルRとウエハWとの位置関係を検出するア
ライメントセンサーも存在するが、本実施例の説明とは
あまり関係が無いため図示省略している。
【0026】また、Zステージ20上の一端に移動鏡2
2が固定され、外部のウエハ側レーザ干渉計23からの
レーザビームが移動鏡22で反射され、レーザ干渉計2
3はZステージ20(ウエハW)のx方向及びy方向の
位置を常時モニターしている。レーザ干渉計23で検出
された座標位置はステージ制御系18に供給され、ステ
ージ制御系18は、XYステージ21の走査速度及び走
査のタイミングを制御する。また、装置全体の動作を制
御する主制御系24が、露光制御系10及びステージ制
御系18の動作を制御する。
【0027】スリットスキャン露光方式でレチクルR上
のパターン像を逐次ウエハW上の感光材に投影するに
は、投影光学系PLの投影倍率をβとして(βは例えば
1/4)、レチクルステージ14をx方向に沿ったDR
方向に速度Vで等速走査するのと同期して、ウエハWが
載置されたZステージ20を、−x方向に沿ったDW方
向に速度β・Vで等速走査する。また、レチクルRを−
x方向に走査するときには、ウエハWはx方向に走査さ
れる。このように、レチクルRとウエハWとを反対向き
に完全に同期してそれぞれ等速で走査しつつ、エキシマ
レーザ光源1を一定時間間隔で発光させると、ウエハW
上の感光材にレチクルRのパターン像が逐次投影され
る。
【0028】レチクルステージ14及びウエハ側のZス
テージ20の同期した定速走査を可能とするため、レー
ザ干渉計17及び23の計測データが使用される。ま
た、それぞれのステージとしては、例えばリニアモータ
駆動とエアガイドとの組み合わせのような定速走査が容
易な機構が用いられている。レチクルステージ14とウ
エハ側のZステージ20とは、主制御系24から発生さ
れてステージ制御系18を経た制御信号によりそれぞれ
位置及び速度が制御される。また、露光制御系10は光
電検出器26の検出信号を積算し、主制御系24の指示
によりエキシマレーザ光源1にパルス出力のトリガー及
び平均パルスエネルギーの設定値を供給する演算により
算出された位置(詳細後述)に設定する。
【0029】以下では、スリットスキャン露光方式で露
光を行う際に、レチクルRを照明領域27に対してDR
方向(x方向)に走査し、ウエハWをDW方向(−x方
向)に走査するものとして説明する。この場合、本例で
は露光中に下側のレチクルブラインド8Bの位置を光軸
に垂直なa方向に所定範囲内で移動させる。これによ
り、レチクルR上の照明領域27は、走査方向の後側の
エッジ部がx方向に沿ったb方向に移動し、ウエハW上
の露光領域28は、ウエハWの走査方向(DW方向)の
後側のエッジ部がx方向にΔxだけ移動する。このよう
な露光領域28の走査方向の後側のエッジ部の移動によ
り、少ないパルス数でウエハW上の積算露光量を目標露
光量に設定する。また、本例ではウエハWがx方向に間
隔dだけ移動する毎にエキシマレーザ光源1のパルス発
光が行われるように、パルス発光の周期を設定する。
【0030】次に、ウエハW上での露光領域28に対す
る走査方向はx方向であるため、露光中におけるウエハ
W上での位置xにおける積算露光量E(x)の分布は、
理想的な状態では図2(a)の分布関数E21(x),E
22(x)及びE23(x)のようになり、露光が終了した
領域での積算露光量は目標露光量E0 となる。また、積
算露光量の分布が図2(a)の場合の、1パルス分の位
置xにおける露光量I(x)の分布は、図2(b)の分
布関数I21(x),I22(x)及びI23(x)のように
走査方向に台形状になる。この場合、ウエハWが静止し
ており、その上を図1の露光領域28がx方向に次第に
移動(走査)していくものとして図示している。x21
x<x22の範囲である露光量I(x)の立ち上がり領域
においては、積算露光量E(x)はE21(x)のように
なり曲線のように見えるが、詳細に見ると滑らかな曲線
ではない。
【0031】図3は、位置xが図2の位置x21の付近で
の積算露光量E(x)の詳細な分布を示しており、−x
方向に間隔dだけウエハ側のZステージ20が移動する
(即ち、x方向に露光領域28が間隔dだけ移動する)
毎にパルス露光がなされるので、間隔d毎に積算露光量
E(x)の分布が折れ曲がる。具体的に、積算露光量E
(x)は、位置x21まではEk-1(x)であり、位置x21
から間隔dだけ変化する毎に、Ek(x),Ek+1(x),
k+2(x),…のように変化する。
【0032】図4は、ウエハW上での露光領域28の移
動の様子を示し、この図4において、1つの露光フィー
ルドEA内には、普通は少なくとも1個のLSIが含ま
れる。ウエハWが静止した座標系では、スリットスキャ
ン露光時に露光領域28はx軸の正の方向に進むので、
露光フィールドEA内で最初に露光領域28による露光
が終了した領域を第1の積算露光量算出区間S1 とす
る。この場合、露光領域28がx方向に間隔dずつ移動
する毎にパルス発光が行われるため、第1の積算露光量
算出区間S1 から露光領域28をほぼ間隔d毎に区切っ
た積算露光量算出区間S2,S3,S4,…の順に、次第に露
光が終了する。
【0033】スリット状の露光領域28の走査方向の幅
を間隔dのM倍(Mは例えば20程度の整数)とする
と、露光領域28は、或るパルス発光の時点には、ほぼ
M個の積算露光量算出区間Si-M 〜Si-1 の露光区間に
またがっており、次のパルス発光の時点には、ほぼ積算
露光量算出区間Si-M+1 〜Si の露光区間32にまたが
る。
【0034】露光後は露光フィールドEA内の積算露光
量分布をできるだけ一様にするが、その為に、図1のレ
チクルブラインド8A,8Bによる露光領域28では、
露光フィールドEAより走査方向に広い領域を照明し、
図1のレチクルR上に配置したレチクルRと同期して移
動する遮光板(図示省略)により、レチクルR上の転写
対象とする回路パターン以外の領域を遮蔽するようにし
ても良い。即ち、レチクルブラインド8A,8Bとは別
のレチクルブラインドにて、露光領域28による露光部
を制限するようにしても良い。別のレチクルブラインド
のタイプとしては、レチクルRの上面又は下面に近接し
て設置するプロキシミティブラインドやレンズ系で投影
する投影型ブラインドが考えられる。投影型ブラインド
の場合はレチクルブラインド8A,8Bの近くに置か
れ、レチクルRのパターン形成面に対して厳密に共役な
面に設定される。レチクルブラインド8A,8Bはこの
共役関係から少しずらせて、レチクルRのパターン形成
面での投影像がぼけるような位置に配置される。本例で
は、走査露光中において露光が始まる側(走査方向の前
側)の露光領域28のエッジ部28aに対応したレチク
ルブラインド8Aの位置は走査中は動かないが、露光が
終了する側(走査方向の後側)の露光領域28のエッジ
部28bに対応するレチクルブラインド8Bはパルス毎
に位置を変えて、これにより露光後のウエハW上の走査
方向の積算露光量を一様化する。
【0035】次に、本実施例による露光量制御の動作の
一例を図7のフローチャートを用いて説明する。ウエハ
W上の1つの露光フィールドEAにスリットスキャン露
光方式でレチクルRのパターン像を露光するには、先ず
図7のステップ101において、図1のレチクルステー
ジ14及びウエハ側のZステージ20の位置をそれぞ
れ、所定の露光領域に対応した位置に対して走査の助走
分だけ離れた位置に設定してから、助走の走査を始め
る。その後、ステップ102でエキシマレーザ光源1の
パルス発光を開始させ、パルスエネルギーを安定させ
て、ステップ103でパルス発光毎のパルスエネルギー
の平均値を目標とする平均パルスエネルギーに設定す
る。
【0036】この場合、エキシマレーザ光源1のパルス
エネルギー出力を一定値に設定するようにするだけでも
よいし、レーザ光のパワーを減光フィルターにより減衰
させて、パルスエネルギーの平均値を所定の値に設定し
てもよい。このパルスエネルギーの設定値は、ウエハW
上の一点を露光するときの目標パルス数M0 と、ウエハ
W上の感光材への目標積算露光エネルギーの密度をレー
ザのパルスエネルギーの積算露光量に換算した値E0
を用いて、E0 /M0 により求められる。
【0037】その後、ステップ104で、ウエハ側のZ
ステージ20とレチクルステージ14とが所定の位置関
係でそれぞれ安定した走査速度で同期して走査されるよ
うになる。この場合、本例の露光制御系10は、図4に
示すウエハW上の露光フィールドEAを、パルス発光毎
に露光領域28が相対的に移動する間隔dで走査方向に
分割した積算露光量算出区間S1 〜SQ に対応したアド
レスを有するメモリを備えている。
【0038】そのメモリには、j番目の積算露光量算出
区間Sj (j=1〜Q)毎にそれぞれ積算露光量E
(j)が記憶される。積算露光量E(j)は厳密には1
つの区間で一定値ではないが、その区間の中央部の値、
端部の値又は平均値等を代表値として用いる。また、そ
のメモリには、j番目の積算露光量算出区間Sj の露光
が終わるときのレチクルブラインド8Bの目標位置a
(j)を記憶できるだけの容量もある。これらの積算露
光量算出区間の数Qは、図4の露光フィールドEAの走
査方向の長さL1 と1パルス当たりに走査される間隔d
とを用いて、次式により表される。但し、[A]は数A
を超えない整数を表す。
【0039】Q=[L1 /d]+1 (1) なお、既に露光が終わった積算露光量算出区間のデータ
を捨てるようにすれば、実際に必要な積算露光量算出区
間は露光領域28内に含まれている区間であるため、露
光制御系10内のメモリで記憶するべき積算露光量算出
区間の個数Qは、図4の露光領域28の走査方向の幅を
2 として、次式でも良い。
【0040】Q=[L2 /d]+1 (2) レチクルブラインド8Bの目標位置a(j)は標準値か
らの偏差であり、初期には標準値に設定するので、ステ
ップ105において、パルス数カウンタ中の変数iをリ
セット(i=0)すると共に、全ての目標位置a(j)
を0とする。同時に全ての積算露光量E(j)の初期値
も0とする(j=1〜Q)。次に、ステップ106で、
図4の露光領域28がウエハW上の露光フィールドEA
内に入る。
【0041】そこで、ステップ107で、直前のパルス
発光位置からウエハWがx方向に間隔dだけ移動した時
点で1パルスの発光を行う。そして、図1の光電検出器
26の光電変換信号を露光制御系10に供給し、露光制
御系10ではその光電変換信号からパルスエネルギーp
i を算出する。その次のステップ108では、パルス数
カウンタで変数iの値を1つ増加させる。
【0042】そして、ステップ109では変数iが上限
値Qになっているかどうかを判断し、上限値Qになって
いなければステップ110に進み、上限値Qになってい
ればステップ117に進む。ステップ110では、i番
目までのウエハW上の積算露光量算出区間S1 〜Si
対する積算露光量E(j)を計算する。ここで、1パル
ス分の露光における露光領域28の走査方向の露光量分
布に対応した定数の組A(k)を導入する。この定数の
組A(k)(k=1,2,3,…,M)は、図6の曲線
35〜37に示すように台形状をなし、その幅はMであ
り、これが1パルス露光での露光領域28の走査方向の
幅に相当する。この定数の組みA(k)は露光領域28
内の照度分布を予め測定しておいて設定することもでき
るし、ウエハWと同一面又は共役な面に強度分布のモニ
ターを設けてその出力から得ることもできる。1パルス
露光における実際の露光量分布はパルスエネルギーpi
に比例するので、pi・A(i+j−1)と表され、積算
露光量E(j)は、それ以前の積算露光量E(j)にこ
の値を加えた値となる。
【0043】次のステップ111では、走査方向の後側
のレチクルブラインド8Bの位置を位置a(i+1)に
設定するように、露光制御系10より駆動部9Bに指令
を出し、次のパルス発光までにレチクルブラインド8B
の移動を完了させる。レチクルブラインド8Bは、パル
ス発光と次のパルス発光との間に移動しなければならな
いので、ピエゾ素子又はモータ等の駆動部とリニアエン
コーダ等の位置センサーとを用いて高速で駆動される。
【0044】次のステップ112では、パルス数カウン
タの変数iが(M−m2 )より小さいかどうか判断され
る。ここで数m1 とm2 とについて説明する。図5は積
算露光量E(j)を示し、図5において、ウエハW上の
i番目の積算露光量算出区間Si のi番目の露光が行わ
れるとき、1パルス分の露光幅に対応した数Mだけ前の
(i−M)番目の積算露光量算出区間以前の区間では積
算露光が終了している。また、露光が始まり、まだ露光
が終了していない積算露光量算出区間は、(i−M)番
目からi番目までであり、積算露光量E(j)は折れ線
34に示すように右下がりになっている。
【0045】露光が終了する(i−M)番目の積算露光
量算出区間より右側の区間で、露光が終了する区間を基
準としてm1 番目からm2 番目の積算露光量算出区間に
おける積算露光量E(i−M+m1 ),E(i−M+m
1 +1),…,E(i−M+m2 )が、目標とする積算
露光量α0 からどれだけ離れているかによりレチクルブ
ラインド8Bの位置a(j+1)を決定する。
【0046】再び図7のフローチャートに戻って説明す
る。ステップ112で、(i<M−m2 )の場合は、積
算パルス数がまだ少なく、レチクルブラインド8Bの位
置a(i+1)を初期値から変えないことを意味してお
り、ステップ115に進む。一方、ステップ112で
(M−m2 ≦i)と判断された場合、積算露光量に応じ
てレチクルブラインド8Bの位置a(i+1)を初期値
より変更するだけパルス数が重なったことを意味し、ス
テップ113に進む。
【0047】ステップ113では、(i−M+m1 )番
目から(i−M+m2 )番目の積算露光量算出区間の平
均の積算露光量を平均した値を求めてαとし、これと目
標値α0 との差に比例定数Kを掛けた値より、レチクル
ブラインド8Bの目標位置a(i+m1 )を計算する。
即ち、次式が成立する。 a(i+m1 )=K(α−α0) (3) この比例定数Kは、露光むらが最小になるように、計算
又は経験により定められる。これにより、例えば図2
(b)において、その前のパルス発光の平坦部の露光量
がレベルA1 に低下して、図2(a)の積算露光量が曲
線31Aで示すように設計値よりも低下している場合に
は、次のパルス発光までにレチクルブラインド8Bを移
動させて、図2(b)においてパルス発光毎の露光量分
布の走査方向の後側のエッジをaA方向に開いて露光を
行う。逆に、その前のパルス発光の平坦部の露光量がレ
ベルA2 に上昇して、図2(a)の積算露光量が曲線3
1Bで示すように設計値よりも上昇している場合には、
次のパルス発光までにレチクルブラインド8Bを移動さ
せて、図2(b)においてパルス発光毎の露光量分布の
走査方向の後側のエッジをaB方向に閉じて露光を行
う。これにより、パルスエネルギーがばらついても、積
算露光量が均一化される。
【0048】次のステップ115ではパルス発光の時間
間隔だけ時間が経過したかどうかを判断し、経過してい
ればステップ107に戻る。経過していなければステッ
プ116で時間待ちを行ってステップ115に戻る。一
方、ステップ109で、(i=Q)となった場合、ステ
ップ117へ進むが、ステップ117では露光制御系1
0より主制御系24を介してステージ制御系18に指令
を送り、ウエハ側のZステージ20とレチクルステージ
14との動作を停止させる。それに続くステップ118
では、ウエハW上の1つの露光フィールド分の走査露光
が終了し、積算露光量の各値は露光制御系10から主制
御系24に送られて記憶され、目標とする積算露光量に
対する差分が算出され、必要とする制御精度又は一様性
を越える場合は警告又はエラーの出力を投影露光装置の
表示部に出力する。1つの露光フィールド分の露光が終
了すると次の露光フィールドへの露光を行うべく、次の
動作が始まる。
【0049】以上の実施例においてはスリットスキャン
露光方式の走査を一つの方向のみとしたが、逆向きの走
査も行う。その場合は、レチクルブラインド8Bは標準
位置に固定したままで、他方のレチクルブラインド8A
の位置を制御する。また、以上の実施例において、図4
の露光フィールドEAの端部の境界部では、レチクルブ
ラインド8A,8Bとは別のレチクルブラインドで露光
対象とするパターン以外の領域を覆うものとした。その
他に、レチクルブラインド8A又は8Bを露光フィール
ドEAの境界部でレチクルの走査と同期して、レチクル
の走査方向と反対向きにレチクルの走査速度と同じ速さ
で移動すると、ウエハW上ではレチクルブラインド8A
又は8Bの像が静止するので、これをもって露光領域を
制限してもよい。
【0050】以上の実施例の説明においては、走査方向
に垂直なエッジの影を作るレチクルブラインド8A,8
Bのみについて述べたが、走査方向に平行なエッジの影
を作るレチクルブラインドがあった方が望ましい。しか
し、後者のレチクルブラインドはパルス発光毎に移動す
る必要がなく、ウエハ上の露光フィールドの走査方向と
直交する方向の幅や位置を変えた場合にのみ、位置が調
整できれば良い。従って、それら走査方向に平行なエッ
ジの影を作るためのレチクルブラインドの位置は、図1
のレチクルブラインド8A,8Bの付近で、レチクルR
のパターン形成面に対して共役な位置に設定することが
望ましい。このようなレチクルブラインドを用いること
により、レチクルRの露光領域周辺の遮光帯幅を狭く
し、レチクルRの遮光帯の製作が容易になる。
【0051】また、以上の実施例においては、レチクル
ブラインド8A,8Bは投影型としたが、例えばレチク
ルRの上面又は下面に近接して配置した可動の遮光板よ
りなるプロキシミティ型のレチクルブラインドを、それ
ら投影型のレチクルブラインドの代わりに使用しても良
い。また、本発明はエネルギー変動のあるパルス光源を
用いたスリットスキャン露光方式の露光装置に対して適
用すると最も効果を発揮するが、水銀ランプのような連
続発光型であっても、強度変動の大きな光源がある場合
には、そのような連続発光型の光源を用いたスリットス
キャン露光方式の投影露光装置にも本発明を同様に適用
することができる。この場合、一定パルス間隔というパ
ラメータはなくなり、一定時間毎の走査幅で区切られた
露光区間で図4のパルス毎の積算露光量算出区間S1,S
2,…を置き換えれば良い。
【0052】また、パルス光源を使用した上記の実施例
において、パルス毎に進む露光領域毎の積算露光量算出
区間に対応した積算露光量のメモリーを持つものとした
が、複数のパルスに対応した区間に対して積算露光量を
設定するようにしてもよい。このように、本発明は上述
実施例に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で
種々の構成を取り得ることは勿論である。
【0053】なお、上述の実施例の投影露光装置は、例
えば図1及び図4に示すように、マスク(R)上の照明
領域内のパターンの像を投影光学系(PL)を介して基
板(W)上に投影し、その照明領域に対してマスク
(R)を所定方向に走査するのと同期して、その照明領
域と共役な露光領域に対して基板(W)を所定方向に走
査することにより、マスク(R)のパターンの像を逐次
基板(W)上に露光する走査型の投影露光装置におい
て、パルス光源(1)と、パルス光源(1)からのパル
ス光でマスク(R)を照明する照明光学系(3,5,
7,11,13)と、その照明光学系によるマスク
(R)上の照明領域を所定形状(27)に制限すると共
に、所定形状の照明領域(27)のマスク(R)の走査
方向の一方又は両側のエッジ部の位置を所定の範囲で任
意の位置に設定する可変視野絞り(8A,8B)とを有
するものである。
【0054】また、上述の実施例の露光装置は、そのパ
ルス光毎のエネルギーを検出する露光エネルギー検出手
段(6,25,26)と、この露光エネルギー検出手段
の検出信号より、基板(W)上の露光領域を基板(W)
の走査方向に所定間隔で区分した一連の積算露光量算出
区間(S1,S2,S3,…)毎の積算露光量を算出する積算
露光量演算手段(10)と、基板(W)の目標積算露光
量とその積算露光量演算手段により算出されたそれら一
連の積算露光量算出区間の各々の積算露光量との差に応
じて、可変視野絞り(8A,8B)を介して所定形状の
照明領域(27)のマスク(R)の走査方向の一方又は
両側のエッジ部の位置を露光中に変化させる制御手段
(24)とを有するものである。
【0055】この場合、その制御手段(24)は、基板
(W)の目標積算露光量とその積算露光量演算手段によ
り算出されたそれら一連の積算露光量算出区間の各々の
積算露光量との差に応じて、可変視野絞り(8A,8
B)を介して所定形状の照明領域(27)のマスク
(R)の走査方向に対して後側のエッジ部(エッジ部2
8bの共役像)の位置を露光中に変化させることが望ま
しい。
【0056】上記実施例の露光装置では、例えば図4に
示すように、基板(W)が静止している座標系で考える
と、所定形状の照明領域(27)と共役な基板(W)上
の露光領域(28)がパルス発光毎に順次走査方向(x
方向)にずれていく。パルス毎の露光領域(28)の移
動量をdとすると、基板(W)上の領域を例えば走査方
向にそれぞれ幅dの一連の積算露光量算出区間(S1,S
2,S3,…)に分割し、露光エネルギー検出手段(6,2
5,26)の検出信号を露光領域(28)内で積算する
ことにより、一連の積算露光量算出区間(S1,S2,S3,
…)毎にパルス発光毎のそれまでの積算露光量を算出す
る。
【0057】そして、積算露光量算出区間(S1,S2,S
3,…)毎に、それぞれ露光領域(28)による露光が終
了してしまう前に、そのときの積算露光量と目標とする
積算露光量との差を求め、この差が設計値より大きいと
きには、可変視野絞り(8A,8B)を介して露光領域
(28)の走査方向の後側のエッジ部(28b)の位置
を開くようにする。一方、そのときの積算露光量と目標
とする積算露光量との差が設計値より小さいときには、
可変視野絞り(8A,8B)を介して露光領域(28)
の走査方向の例えば後側のエッジ部(28b)の位置を
閉じるようにする。これにより、パルス発光毎のパルス
エネルギーがばらついても、基板(W)上の各露光点で
の積算露光量を少ないパルス数で目標とする積算露光量
に対して許容範囲内に収めることができる。
【0058】また、可変視野絞り(8A,8B)を介し
て露光領域(28)の走査方向の両側のエッジ部(28
a,28b)の位置を変える、即ち露光領域(28)の
幅を変えることによっても、積算露光量を制御すること
ができる。但し、露光領域(28)の走査方向に対して
後側のエッジ部(28b)の位置を変える方が、制御は
容易である。
【0059】更に、上述の実施例によれば、スリットス
キャン露光方式の投影露光装置において、露光領域を制
限する可変視野絞りの走査方向に対応する方向の位置を
露光中の積算露光量に基づいて制御するようにしている
ため、少ないパルス数で積算露光量の制御精度を高める
ことができる。また、可変視野絞りを介して所定形状の
照明領域のマスクの走査方向に対して後側のエッジ部の
位置を露光中に変化させる場合には、制御が容易であ
る。
【0060】
【発明の効果】本発明によれば、スリットスキャン露光
方式で露光を行う際に、積算露光量の制御精度を高める
ことができる。また、本発明によれば、特にスリットス
キャン露光方式の投影露光装置に、エキシマレーザのよ
うなパルス発振の開始時のエネルギーばらつきが大きい
露光ビームを用いる場合にも、基板に対する積算露光量
の制御精度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の投影露光装置を示す構成図
である。
【図2】(a)はウエハ上での理想的な積算露光量分布
を示す図、(b)はウエハ上での1パルス当たりの露光
量分布を示す図である。
【図3】図2(a)の位置x21付近での積算露光量分布
を示す拡大図である。
【図4】ウエハの露光フィールドEA上のパルス発光毎
の積算露光量算出区間及び1パルス当たりのスリット状
の露光領域28を示す平面図である。
【図5】積算露光量算出区間に対する積算露光量の関係
を示す図である。
【図6】1パルス当たりの露光量分布に対応して露光制
御系10内に記憶されている定数の組A(k)を示す図
である。
【図7】実施例でスリットスキャン露光方式で露光を行
う場合の動作の一例を示すフローチャートである。
【図8】(a)は従来技術でウエハ上での理想的な積算
露光量分布を示す図、(b)は従来技術でウエハ上での
1パルス当たりの露光量分布を示す図である。
【符号の説明】
1 エキシマレーザ光源 3 ビーム整形光学系 5 ビーム一様化光学系 8A,8B レチクルブラインド R レチクル PL 投影光学系 W ウエハ 10 露光制御系 14 レチクルステージ 18 ステージ制御系 20 ウエハのZステージ 21 XYステージ 23 主制御系 26 光電検出器 27 スリット状の照明領域 28 スリット状の露光領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−177314(JP,A) 特開 平2−177416(JP,A) 特開 平2−229423(JP,A) 特開 昭60−158449(JP,A) 特開 平4−69660(JP,A) 特開 平3−196512(JP,A) 特開 平4−25830(JP,A) 特開 平5−62876(JP,A) 特開 平2−177414(JP,A) 特開 昭63−81882(JP,A) 特開 昭63−213927(JP,A) 特開 平4−196513(JP,A) 特開 平2−65222(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/027 G03F 7/20

Claims (18)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 露光ビームに対してマスクと基板とを移
    動することによって、前記マスクのパターンを用いて前
    記基板を走査露光する投影露光装置において、 前記走査露光のために、前記マスクと前記基板とを同期
    移動させる移動手段と、 前記移動手段による前記基板の移動中であって、かつ前
    記基板上の一つの露光フィールドの露光を開始する前
    に、前記露光ビームのエネルギーを安定させるために前
    記露光ビームの発射を開始するビーム源とを備えたこと
    を特徴とする投影露光装置。
  2. 【請求項2】 前記基板の移動中かつ前記露光フィール
    ドの露光開始前に、前記露光ビームのエネルギー調整を
    行う調整手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1
    に記載の投影露光装置。
  3. 【請求項3】 露光ビームに対してマスクと基板とを移
    動することによって、前記マスクのパターンを用いて前
    記基板を走査露光する投影露光装置において、 前記露光ビームを発射するビーム源と、 前記走査露光のために、前記マスクと前記基板とを同期
    移動させる移動手段と、 前記移動手段による前記基板の移動中であって、かつ前
    記基板上の一つの露光フィールドの露光開始前に、前記
    ビーム源から発射される露光ビームのエネルギー調整を
    行う調整手段とを備えたことを特徴とする投影露光装
    置。
  4. 【請求項4】 前記調整手段は、前記ビーム源の出力調
    整を行うことを特徴とする請求項2又は3に記載の投影
    露光装置。
  5. 【請求項5】 前記調整手段は、前記ビーム源から発射
    された露光ビームのエネルギーをフィルタを用いて調整
    することを特徴とする請求項2又は3に記載の投影露光
    装置。
  6. 【請求項6】 前記ビーム源は、前記露光ビームをパル
    ス発振することを特徴とする請求項2又は3に記載の投
    影露光装置。
  7. 【請求項7】 前記調整手段は、パルス発振毎にパルス
    エネルギーの平均値が目標とする平均パルスエネルギー
    となるように調整を行うことを特徴とする請求項6に記
    載の投影露光装置。
  8. 【請求項8】 前記移動手段は、前記基板の移動中かつ
    前記露光フィールドの露光開始前に、前記マスクと前記
    基板の移動速度を所定の走査速度に設定することを特徴
    とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の投影露光装
    置。
  9. 【請求項9】 前記基板の移動方向に関する前記露光ビ
    ームの強度分布は、その端部に傾斜部を有することを特
    徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の投影露光
    装置。
  10. 【請求項10】 前記強度分布は、ほぼ台形状であるこ
    とを特徴とする請求項9に記載の投影露光装置。
  11. 【請求項11】 前記ビーム源から発射された露光ビー
    ムのエネルギーを検出する検出手段をさらに備えたこと
    を特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の投
    影露光装置。
  12. 【請求項12】 前記マスク上のパターン領域以外の領
    域を遮蔽する遮蔽部材をさらに備えたことを特徴とする
    請求項1〜11のいずれか一項に記載の投影露光装置。
  13. 【請求項13】 前記遮蔽部材は、前記マスクと同期し
    て移動することを特徴とする請求項12に記載の投影露
    光装置。
  14. 【請求項14】 前記移動手段は、前記マスクと前記基
    板との各々をリニアモータを用いて移動することを特徴
    とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の投影露光
    装置。
  15. 【請求項15】 前記基板の移動中であって、かつ前記
    基板上の一つの露光フィールドの露光開始前は、前記基
    板の助走走査中であることを特徴とする請求項1〜14
    のいずれか一項に記載の投影露光装置。
  16. 【請求項16】 請求項1〜15のいずれか一項に記載
    の投影露光装置を用いて基板を露光するリソグラフィ工
    程を含む素子製造方法。
  17. 【請求項17】 露光ビームに対してマスクと基板とを
    移動することによって、前記マスクのパターンを用いて
    前記基板を走査露光する投影露光方法において、 前記基板上の一つの露光フィールドを走査露光するため
    の前記基板の助走中であって、かつ前記露光フィールド
    の露光を開始する前に、前記露光ビームのエネルギーを
    安定させるためにビーム源からの露光ビームの発射を開
    始することを特徴とする投影露光方法。
  18. 【請求項18】 露光ビームに対してマスクと基板とを
    移動することによって、前記マスクのパターンを用いて
    前記基板を走査露光する投影露光方法において、 前記基板上の一つの露光フィールドを走査露光するため
    の前記基板の助走中であって、かつ前記露光フィールド
    の露光を開始する前に、前記露光ビームのエネルギー調
    整を行うことを特徴とする投影露光方法。
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