JP3315944B2 - 用水の処理方法 - Google Patents

用水の処理方法

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JP3315944B2 JP13723199A JP13723199A JP3315944B2 JP 3315944 B2 JP3315944 B2 JP 3315944B2 JP 13723199 A JP13723199 A JP 13723199A JP 13723199 A JP13723199 A JP 13723199A JP 3315944 B2 JP3315944 B2 JP 3315944B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、ボイラ、
空気調和設備、冷凍設備、製紙設備を代表とする水を使
用する設備に対する用水給水の処理方法に関し、詳しく
は、ボイラ、空気調和設備、冷凍設備、製紙設備内にお
けるスケールの発生を防止するための用水の処理方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、上記ボイラ、空気調和設
備、冷凍設備、製紙設備を代表とする水を使用する設備
に対する用水は、その硬度が高い場合には、イオン交換
塔に通じるか、沈殿剤等の薬剤を添加した後に濾過する
等の前処理を施して、用水中の硬度成分を除去すること
が行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の水処理にお
いては、例えば前記用水をイオン交換塔に通じて処理し
て給水する場合には、用水中のシリカは除去し難く、残
存する溶存固形物を確実に除去することは容易ではな
い。殊に、冷凍設備に用いる場合には、低温で極度に溶
解度が低下するシリカの析出を防止することが困難であ
る。また、ボイラ等の給水温度の上昇するものにおいて
は、前記用水を循環使用する関係上、溶存固形物の濃縮
は避け難く、循環水路壁への缶石の付着を防止するの
に、インヒビタ等の薬剤を循環使用中に用水に繰り返し
添加することが必要となる。また、循環中に用水をイオ
ン交換処理しようとすれば、イオン交換塔の負荷を極め
て高くするためにイオン交換体の洗浄回数が増す等、前
記用水の処理に多くの手間を要するという問題を有して
いる。さらに、冷凍設備においては、給水中に僅かのシ
リカが残存しても、冷却に伴ってその溶解度が低下して
シリカが析出することで、前記用水の結氷を誘起する核
を形成し、前記給水の過冷却を阻害するため、冷凍効率
を高めにくいという問題を有している。
【0004】そこで、本発明に係る用水の処理方法は、
上記各問題に鑑み、装置を大掛かりにすることなく、僅
かな薬剤の添加により溶存するシリカを主とする固形物
を簡便に除去する手段を提供する点にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】〔本発明の特徴構成〕 請求項1に係わる本発明の用水の処理方法の第1特徴構
成は、供給する用水中に両性の金属水酸基塩を添加又は
両性の金属水酸基塩を生成させた後、前記用水を氷点以
下に冷却して結氷させ、結氷した氷中の沈殿物を分離し
て、用水中のシリカを除去する点にある。
【0006】請求項2に係わる本発明の用水の処理方法
の第2特徴構成は、上記第1特徴構成における沈殿物を
分離するのに、結氷した氷を、冷却した用水から分離す
る点にある。
【0007】請求項3に係わる本発明の用水の処理方法
の第3特徴構成は、上記第1特徴構成における沈殿物を
分離するのに、前記結氷した氷を全て融解させた後、前
記冷却した用水を濾過して前記沈殿物を分離する点にあ
る。
【0008】請求項4に係わる本発明の用水の処理方法
の第4特徴構成は、上記第2特徴構成又は第3特徴構成
において添加する金属水酸基塩、アルミニウムの水酸
基塩である点にある。
【0009】請求項5に係わる本発明の用水の処理方法
の第5特徴構成は、上記第4特徴構成においてアルミニ
ウムの水酸基塩を用水に、可溶の範囲内で、アルミニウ
ム換算量にて0.3ppm以上溶解させる点にある。
【0010】請求項6に係わる本発明の用水の処理方法
の第6特徴構成は、記第2特徴構成又は第3特徴構成に
おいて添加する金属水酸基塩、亜鉛の水酸基塩である
点にある。
【0011】請求項7に係わる本発明の用水の処理方法
の第7特徴構成は、上記第6特徴構成において亜鉛の水
酸基塩を用水に、可溶の範囲内で、亜鉛換算量にて0.
5ppm以上溶解させる点にある。
【0012】〔特徴構成の作用及び効果〕 上記本発明に係わる用水の処理方法の第1特徴構成によ
れば、僅かの薬剤の添加と冷却とにより簡単に溶存する
シリカを分離することができる。つまり、両性の金属水
酸基塩は、析出すればシリカとの親和性が強く、シリカ
の結晶核となり易い、しかも、低温において溶解度が極
めて低いから、氷点近傍にまで冷却すれば容易に微細結
晶を析出する。従って、前記両性の金属水酸基塩を添加
又は生成させて、冷却することで、簡単に用水中のシリ
カを結晶として析出させることが可能になる。このシリ
カの析出が用水の結氷を誘起するから、用水中からシリ
カの分離が容易で、シリカ含有量の極めて低い用水を供
給することが容易となる。これは、用水中の溶存シリカ
は、種々の形態の結合体であり、その組成を明記するこ
とができず、従って、その溶解限度も明かにできない
が、シリカを多量に含有する地下水を、その氷点以下に
冷却すると、氷結した氷の中には、シリカが存在するこ
とが見出された。この氷中にシリカが存在する現象は、
前記用水中にSiO2 として40ppm以上溶存してい
る場合には顕著である。一般に、SiO2 として10p
pm程度の溶存量では、氷の中のシリカ分は検出されな
い場合が多いが、前記用水中に、アルミニウム或いは亜
鉛の水酸基塩等の両性の金属水酸基塩が共に溶存する場
合には、氷の中には前記シリカ分が存在することを発明
者は見出した。上記第1特徴構成は、この新知見に基づ
くものである。上述の両性の金属水酸基塩は、その金属
の陽イオン(アルミニウムの陽イオン或いは亜鉛の陽イ
オン等)と解離平衡状態にあり、前記金属の陽イオンを
溶存させるが、氷点近辺にまで冷却すると、前記金属水
酸基塩の溶解度が極度に低下する。その結果、前記用水
中に溶存する金属水酸基塩は過飽和となり、その析出が
起こり金属水酸化物の微細結晶を生成する。これら析出
した両性の金属水酸化物と溶存シリカ分との親和性が良
好であることから、前記金属水酸化物の微細結晶を核と
して、前記溶存シリカ分の析出が誘起される。このシリ
カ分の析出結晶を核として、過冷状態の用水が結氷する
ようになる。従って、比較的低濃度の溶存シリカであっ
ても、前記両性の金属水酸基塩との共存によって氷の中
にシリカ分が存在するようになるのである。
【0013】上記本発明に係わる用水の処理方法の第2
特徴構成によれば、氷内に取り込まれた沈殿物を、氷を
分離するのであるから、第1特徴構成における作用効果
を奏する中で、用水からの分離がさらに容易である。つ
まり、金属水酸基塩の結晶がシリカの結晶化を誘起し、
誘起されて析出するシリカの結晶が結氷の核となるか
ら、沈殿物は氷の中に取り込まれることになり、氷を分
離すれば、その核となっているシリカの結晶は同時に分
離されるのである。用水を冷却して氷点に近づければ、
簡単に結氷して氷が浮上するから、析出するシリカのほ
ぼ全量を簡単に用水から分離できるようになる。
【0014】上記本発明に係わる用水の処理方法の第3
特徴構成によれば、上記第1特徴構成の作用効果を奏す
る中で、沈殿物を氷内に取り込ませておいて、氷を融解
した後に分離するから、確実に前記沈殿物を分離でき
る。つまり、用水が結氷する際には、その結晶核として
固形物を取り込む。沈殿物が析出すれば、これが結晶核
として取り込まれるから、氷を融解すれば、その中の沈
殿物は濾別する事で容易に用水と分別できるのである。
【0015】上記本発明に係わる用水の処理方法の第4
特徴構成によれば、上記第2特徴構成又は第3特徴構成
の作用効果をさらに有効にする。つまり、アルミニウム
の水酸基塩は、解離してアルミニウム陽イオンを生成す
る。このアルミニウム陽イオンは、アルミニウム水酸化
物と平衡関係にあり、温度が低下すればアルミニウム水
酸化物の溶解度が極めて低くなるから、逐次過冷却の状
態でアルミニウム水酸化物として析出させることができ
る。このアルミニウム水酸化物の微細結晶とシリカとの
親和性が高いために、シリカ結晶の析出核となり易く、
低濃度の溶存シリカであっても析出させることが可能に
なる。これは過冷却の状態で析出させれば一層効果的で
ある。
【0016】上記本発明に係わる用水の処理方法の第5
特徴構成によれば、上記第4特徴構成の作用効果を奏し
ながら、薬剤添加量を極めて少なくできる。つまり、元
々溶解度の低いアルミニウムの水酸基塩を用水に可溶の
範囲内で溶解させるのであるから、前記アルミニウムの
水酸基塩は少量で済むのである。用水の冷却により析出
するアルミニウム水酸化物は微細結晶であるから、少量
であっても十分の数の結晶を生成する。従って、シリカ
を、これら微細結晶を核として析出させることが可能に
なる。尚、アルミニウムの水酸基塩のが用水に可溶の
範囲を超えると、薬剤添加時点から沈殿を生ずるから、
用水を冷却する際に過冷却状態を形成し難くなるから、
シリカ結晶析出の核となるべき微細結晶を析出させ難く
なる。また、前記アルミニウムの水酸基塩のがアルミ
ニウム換算量にて0.3ppm未満になれば、アルミニ
ウム水酸化物の可溶分の割合が高くなりすぎて、冷却に
伴い析出する割合が低くなり、その添加の効果を損なう
ようになるおそれがある。従って、アルミニウムの水酸
基塩の用水へのが過剰であっても、不足であっても、
その効果が減殺されるおそれがあるのである。
【0017】上記本発明に係わる用水の処理方法の第6
特徴構成によれば、上記第2特徴構成又は第3特徴構成
の作用効果をさらに有効にする。つまり、亜鉛の水酸基
塩は、解離して亜鉛の陽イオンを生成する。亜鉛陽イオ
ンは、亜鉛水酸化物と平衡関係にあり、温度が低下すれ
ば亜鉛水酸化物の溶解度が極めて低くなるから、逐次過
冷却の状態で亜鉛水酸化物として析出させることができ
る。この亜鉛水酸化物の微細結晶とシリカとの親和性が
高いために、シリカ結晶の析出核となり易く、低濃度の
溶存シリカであっても析出させることが可能になる。こ
れは過冷却の状態で析出させれば一層効果的である。
【0018】上記本発明に係わる用水の処理方法の第7
特徴構成によれば、上記第6特徴構成の作用効果を奏し
ながら、薬剤添加量を極めて少なくできる。つまり、元
々溶解度の低い亜鉛の水酸基塩を用水に可溶の範囲内で
溶解させるのであるから、前記亜鉛の水酸基塩は少量で
済むのである。用水の冷却により析出する亜鉛水酸化物
は微細結晶であるから、少量であっても十分の数の結晶
を生成する。従って、シリカを、これら微細結晶を核と
して析出させることが可能になる。尚、亜鉛の水酸基塩
が用水に可溶の範囲を超えると、薬剤添加時点から
沈殿を生ずるから、用水を冷却する際に過冷却状態を形
成し難くなり、シリカ結晶析出の核となるべき微細結晶
を析出させ難くなるおそれがある。また、前記亜鉛の水
酸基塩のが亜鉛換算量にて0.5ppm未満になれ
ば、亜鉛水酸化物の可溶分の割合が高くなりすぎて、冷
却に伴い析出する割合が低くなり、その効果を損なうよ
うになるおそれがある。従って、亜鉛の水酸基塩の用水
へのが過剰であっても、不足であっても、その効果が
減殺されるおそれがあるのである。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係わる用水の処理
方法の実施形態について以下に説明する。以下に説明す
る用水の処理方法は、ボイラ、空気調和設備、冷凍設
備、製紙設備を代表とする水を使用する設備に対する用
水を供給する用水の供給経路においてで氷点以下に冷却
することで前記用水中に溶存するシリカを主とする溶存
固形物を析出させて除去する用水の処理に関するものあ
り、前記供給経路内で冷却するに先立ち、氷点を超える
温度領域において、用水中にアルミニウム或いは亜鉛等
の両性の金属水酸基塩を添加又は金属水酸基塩を生成さ
るものである。その後に氷点以下に冷却することで、
前記溶存固形物を析出させて、析出した固形物を分別除
去するのである。
【0020】〔第一の実施の形態〕 前記析出した固形物を分別除去するのに、氷点以下に用
水を冷却して結氷した氷を除去して給水するのである。
つまり、シリカを主とする溶存固形物を含有する用水
に、アルミニウム或いは亜鉛等の両性の金属水酸基塩
を、氷点より高い温度で添加する。アルミニウムの水酸
基塩の添加量は、添加する温度における用水に可溶の限
界以下で、アルミニウム換算量にて0.3ppm以上で
ある。亜鉛の水酸基塩の添加量は、添加する温度におけ
る用水に可溶の限界以下で、亜鉛換算量にて0.5pp
m以上である。何れについても、その可溶の限界を超え
て添加すれば、添加時点に沈殿を生成するから、氷点近
傍で直ちにシリカ分の析出を招き、その後過冷却の状態
に移行するから、シリカ分等の溶存固形物の析出量を低
くするので、これより少ない添加量である方が好まし
い。また、上記下限量未満の添加量であれば、冷却後の
溶存可能量の割合が高くなり、過冷却の状態になり難く
なるから、前記金属水酸化物の微細結晶の析出量が少な
くなり、シリカ分の結晶核の数に不足を来すおそれがあ
るから、前記下限量以上であることが好ましい。このア
ルミニウム或いは亜鉛等の両性の金属水酸基塩を添加し
た後、前記用水を氷点以下に冷却する。前記用水を結氷
させる割合は、例えば前記用水の半量であってもよく、
また、前記用水量の三分の一であってもよく、固形物の
溶存量、シリカ分の組成並びに性状によって適宜定め
る。
【0021】前記用水の冷却に伴い、先ず金属水酸化物
が過飽和となって、過冷状態となる。その結果、前記金
属水酸化物の溶存状態が不安定となり、微細結晶を析出
する。この微細結晶の析出が、これと親和性のよい同じ
く過冷状態のシリカ分の析出を誘起する。前記シリカ分
が析出すると、その結晶を核として、前記用水が結氷す
る。従って、この氷を分別すれば、溶存固形分が少ない
用水を取り出せる。結氷させた状態で、下の水のみを給
水用に取り出してもよく、氷が細かい場合にはスクリー
ン或いはフィルタで濾別してもよい。以上の方法によれ
ば、元々用水への溶解度の低い両性の金属水酸基塩を、
前記用水中に溶解させるから、前記両性の金属水酸基塩
の添加量は少なく、後は冷却し、氷を分別するだけであ
るから、操作は簡便であり、薬剤添加量も少なくて済
み、設備としても大型のものを必要としない。冷熱源と
しては、廃冷熱を利用することも容易である。
【0022】〔第二の実施の形態〕 前記析出した固形物を分別除去するのに、氷点以下に用
水を冷却して結氷させ、その後昇温して結氷した氷を再
度融解し、氷を融解した後の用水を濾過して給水するの
である。つまり、シリカを主とする溶存固形物を含有す
る用水に、アルミニウム或いは亜鉛等の両性の金属水酸
基塩を、氷点より高い温度で添加する。アルミニウムの
水酸基塩の添加量は、添加する温度における用水に可溶
の限界以下で、アルミニウム換算量にて0.3ppm以
上である。亜鉛の水酸基塩の添加量は、添加する温度に
おける用水に可溶の限界以下で、亜鉛換算量にて0.5
ppm以上である。何れについても、その可溶の限界を
超えて添加すれば、添加時点に沈殿を生成するから、氷
点近傍で直ちにシリカ分の析出を招き、その後過冷却の
状態に移行するから、シリカ分等の溶存固形物の析出量
を低くするので、これより少ない添加量である方が好ま
しい。殊に、アルミニウム水酸化物、亜鉛水酸化物は、
両者共にそれぞれアルミニウム換算量、亜鉛換算量にて
10ppmを超えて用水に添加すると、水酸化アルミニ
ウム或いは水酸化亜鉛が軟泥質沈殿として用水中に沈殿
し、分別が困難になるから、少なくともこれらアルミ水
酸化物、亜鉛水酸化物両者の添加の上限はそれぞれアル
ミニウム換算量、亜鉛換算量にて10ppmとする。ま
た、上記下限量未満の添加量であれば、冷却後の溶存可
能量の割合が高くなり、過冷却の状態になり難くなるか
ら、前記金属水酸化物の微細結晶の析出量が少なくな
り、シリカ分の結晶核の数に不足を来すおそれがあるか
ら、前記下限量以上であることが好ましい。このアルミ
ニウム或いは亜鉛等の両性の金属水酸基塩を添加した
後、前記用水を氷点以下に冷却する。適宜結氷させた
後、再度昇温して氷を融解し、濾過後の水を給水するの
である。前記用水を結氷させる割合は、例えば前記用水
の全量であってもよく、その半量であってもよく、ま
た、前記用水量の三分の一であってもよく、固形物の溶
存量、シリカ分の組成並びに性状によって適宜定める。
前記用水の全量を結氷させれば、最も多く溶存固形物を
除去できる可能性があるが、氷結量を少なくすれば冷凍
熱量が少なくて済む利点がある。
【0023】前記用水の冷却に伴い、先ず両性の金属水
酸化物が過飽和となって、過冷状態となる。その結果、
前記金属水酸化物の溶存状態が不安定となり、微細結晶
を析出する。この微細結晶の析出が、これと親和性のよ
い同じく過冷状態のシリカ分の析出を誘起する。前記シ
リカ分が析出すると、その結晶を核として、前記用水が
結氷する。従って、この氷を融解させれば、氷の中に取
り込まれたシリカ分を主体とする溶存固形分が沈殿す
る。沈殿した固形分をフィルタで濾別すれば、溶存固形
分の少なくなった用水が得られる。以上の方法によれ
ば、元々用水への溶解度の低い両性の金属水酸基塩を、
前記用水中に溶解させるから、前記金属水酸基塩の添加
量は少なく、後は冷却し、常温に戻すだけであるから、
操作は簡便であり、薬剤添加量も少なくて済み、設備と
しても大型のものを必要としない。冷熱源としては、廃
冷熱を利用することも容易である。
【0024】
〔第一実施例〕
試験用水として原水をナトリウム基陽イオン交換体に接
触させてアルミニウム及び亜鉛の陽イオンを除去した試
験用水を用意して比較例とし、この実施例用に試験用水
1リットル当たりに亜鉛の水酸基塩を亜鉛換算量にて
1.2mg添加した試験用水を用意した。これらの試験
用水を夫々正確に1リットル計量し、各別に1リットル
のポリプロピレン製のビーカに満たして、−10℃に維
持した冷凍庫内に入れ、夫々庫内に冷凍保管した。半量
が氷結した時点で、前記ビーカを前記冷凍庫から取り出
し、夫々に、水と氷を分別し、水部と氷部とを夫々常温
に戻した後、固形分を最大透過径1ミクロンのフィルタ
で濾過して、夫々の濾過水を分析に供した。分析結果は
表1に示すとおりである。
【0025】
【表1】
【0026】表1に示すように、比較例においては、原
水、氷部、水部共に固形分は検出されず、実施例におい
てのみ、氷部に固形分が検出されている。同時に、シリ
カについては、比較例では氷部、水部についてほぼ均等
に検出されているに対し、実施例においては、氷部にお
ける検出量が減少し、全量が減少している。また、実施
例においては、氷結処理後には、亜鉛成分が、氷部、水
部共に検出されなくなっている。この実施例における試
験結果は、氷結処理により、亜鉛成分がおそらく亜鉛水
酸基塩として析出し、これと共に、シリカが晶出し、こ
れを核として氷結したことを窺わせる。この点を確認す
るために、実施例において分離した固形分をX線分析に
供したところ、前記固形分は、重量比でシリカを72
%、亜鉛を19%、カルシウムを7%含有していること
が判明した。従って、亜鉛の水酸基塩が溶存すること
で、シリカ、カルシウム等の溶解固形分の析出を促進
し、これを核として氷結が誘発されることが証明され
た。尚、実施例としては示していないが、同時に行った
実験によって、アルミニウムの水酸基塩の場合にも同様
の事実が判明している。
【0027】〔第二実施例〕 ナトリウム基陽イオン交換体に接触させてアルミニウム
及び亜鉛の陽イオンを除去した原水を用意し、その原水
に、塩化亜鉛と炭酸ソーダとを、水酸化亜鉛を生成させ
る当量比で、亜鉛として、0.5ppm、1.0pp
m、3.0ppmに相当する量を添加して、亜鉛の水酸
基塩に関する実施例用試験用水を用意し、前記原水に、
ポリ塩化アルミニウムを、水酸化アルミニウムを生成さ
せる当量比で、アルミニウムとして、0.3ppm、
0.5ppm、2.0ppmに相当する量を添加して、
アルミニウムの水酸基塩に関する実施例用試験用水を用
意した。尚、前記原水をそのまま比較例用の試験用水と
して用いた。何れの試験用水も、正確に1リットルを計
量し、夫々各別に1リットルのポリプロピレン製のビー
カに満たして、−10℃に維持した冷凍庫内に入れ、夫
々庫内に冷凍保管した。全量が氷結した後、前記ビーカ
を前記冷凍庫から取り出し、夫々を常温に戻した後、固
形分を最大透過径1ミクロンのフィルタで濾過して、夫
々の濾過水を分析に供した。分析結果は表2に示すとお
りである。
【0028】
【表2】 注・実-1:亜鉛を塩化亜鉛の形で炭酸ソーダと共に添
加。 添加量は水酸化亜鉛生成当量比で亜鉛として0. 5pp
m。 実-2:亜鉛を塩化亜鉛の形で炭酸ソーダと共に添加。 添加量は水酸化亜鉛生成当量比で亜鉛として1. 0pp
m。 実-3:亜鉛を塩化亜鉛の形で炭酸ソーダと共に添加。 添加量は水酸化亜鉛生成当量比で亜鉛として3. 0pp
m。 実-4:アルミニウムをポリ塩化アルミニウムの形で添
加。 添加量はアルミニウムとして0. 3ppm。 実-5:アルミニウムをポリ塩化アルミニウムの形で添
加。 添加量はアルミニウムとして0. 5ppm。 実-6:アルミニウムをポリ塩化アルミニウムの形で添
加。 添加量はアルミニウムとして2. 0ppm。
【0029】表2に示すように、亜鉛水酸基塩或いはア
ルミニウム水酸基塩が水中に生成し添加されるように、
亜鉛化合物或いはアルミニウム化合物と水酸基付与化合
物を添加することにより、結氷した氷の中に固形分が生
成しており、処理後の水の中の溶存シリカは減少してい
る。少なくとも、亜鉛水酸基塩であれば、亜鉛換算量に
て1.0ppm以上、アルミニウム水酸基塩であれば、
アルミニウム換算量にて0.5ppm以上の添加によ
り、溶存するシリカの量は半減できることが判った。
【0030】上記両実施例の結果は、両性の金属水酸基
塩である亜鉛の水酸基塩或いはアルミニウムの水酸基塩
を添加すれば、冷却によりシリカを主体とする溶存固形
物が析出することを示している。従って、用水中のシリ
カ分を除去することが可能であり、ボイラ、空気調和設
備、冷凍設備、製紙設備を代表とする水を使用する設備
に供給する用水を、これら設備の流水路内にシリカを主
とするスケールの形成を防止できるまでにシリカ分を含
有しないものにできることが明らかである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B01D 9/02 608 B01D 9/02 608A 615 615Z 617 617 C02F 1/44 C02F 1/44 E 5/00 610 5/00 610F 620 620C 5/02 5/02 B (72)発明者 小川 眞智子 大阪府大阪市中央区城見2丁目1番61号 東西化学産業株式会社内 (72)発明者 酒井 郁夫 兵庫県高砂市荒井町新浜二丁目1番1号 三菱重工業株式会社 高砂製作所内 (72)発明者 辻 清一 兵庫県高砂市荒井町新浜二丁目1番1号 三菱重工業株式会社 高砂製作所内 (72)発明者 山内 澄男 兵庫県高砂市荒井町新浜二丁目1番1号 三菱重工業株式会社 高砂研究所内 (56)参考文献 特開 平4−260494(JP,A) 特開 平7−185527(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C02F 1/22 B01D 9/02 C02F 5/00

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水を使用する設備に対する用水の処理方
    法であって、 前記用水中に両性の金属水酸基塩を添加又は両性の金属
    水酸基塩を生成させた後、前記用水を氷点以下に冷却し
    て結氷させ、結氷した氷中の沈殿物を分離して、用水中
    のシリカを除去する用水の処理方法。
  2. 【請求項2】 前記沈殿物を分離するのに、前記結氷し
    た氷を、前記冷却した用水から分離する請求項1記載の
    用水の処理方法。
  3. 【請求項3】 前記沈殿物を分離するのに、前記結氷し
    た氷を全て融解させた後、前記冷却した用水を濾過して
    前記沈殿物を分離する請求項1記載の用水の処理方法。
  4. 【請求項4】 前記金属水酸基塩、アルミニウムの水
    酸基塩である請求項2又は3に記載の用水の処理方法。
  5. 【請求項5】 前記アルミニウムの水酸基塩を前記用水
    に、可溶の範囲内で、アルミニウム換算量にて0.3p
    pm以上溶解させる請求項4記載の用水の処理方法。
  6. 【請求項6】 前記金属水酸基塩、亜鉛の水酸基塩
    ある請求項2又は3に記載の用水の処理方法。
  7. 【請求項7】 前記亜鉛の水酸基塩を前記用水に、可溶
    の範囲内で、亜鉛換算量にて0.5ppm以上溶解させ
    る請求項6記載の用水の処理方法。
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