JP3314046B2 - 有機エレクトロルミネッセンス素子の駆動方法及び有機エレクトロルミネッセンス素子の駆動装置 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子の駆動方法及び有機エレクトロルミネッセンス素子の駆動装置

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JP3314046B2
JP3314046B2 JP06792099A JP6792099A JP3314046B2 JP 3314046 B2 JP3314046 B2 JP 3314046B2 JP 06792099 A JP06792099 A JP 06792099A JP 6792099 A JP6792099 A JP 6792099A JP 3314046 B2 JP3314046 B2 JP 3314046B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は有機EL(エレクト
ロルミネッセンス)などの発光素子を発光させるための
駆動方法および駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図13に、従来の有機EL素子の駆動方
法を示す。この図13の駆動方法は、単純マトリックス
駆動方式と呼ばれるもので、陽極線A1 〜Am と陰極線
B1 〜Bn をマトリックス(格子)状に配置し、このマ
トリックス状に配置した陽極線と陰極線の各交点位置に
発光素子E1,1 〜Em,n を接続し、この陽極線または陰
極線のいずれか一方を一定の時間間隔で順次選択して走
査するとともに、この走査に同期して他方の線を駆動源
たる電流源521 〜52m でドライブしてやることによ
り、任意の交点位置の発光素子を発光させるようにした
ものである。
【0003】前記駆動源によるドライブ方法には、陰極
線走査・陽極線ドライブ、陽極線走査・陰極線ドライブ
の2つの方法があるが、図13は、陰極線走査・陽極線
ドライブの場合を示しており、陰極線B1 〜Bn に陰極
線走査回路51を接続するとともに、陽極線A1 〜Am
に電流源521 〜52m からなる陽極線ドライブ回路5
2を接続したものである。陰極線走査回路51は、スイ
ッチ531 〜53n を一定時間間隔で順次アース端子側
へ切り換えながら走査していくことにより、陰極線B1
〜Bn 対してアース電位(0V)を順次与えていく。ま
た、陽極線ドライブ回路52は、前記陰極線走査回路5
1のスイッチ走査に同期してスイッチ541 〜54m を
オン・オフ制御することにより陽極線A1 〜Am に電流
源521〜52m を接続し、所望の交点位置の発光素子
に駆動電流を供給する。
【0004】例えば、発光素子E2,1 とE3,1 を発光さ
せる場合を例に採ると、図示するように、陰極線走査回
路51のスイッチ531 がアース側に切り換えられ、第
1の陰極線B1 にアース電位が与えられている時に、陽
極線ドライブ回路52のスイッチ542 と543 を電流
源側に切り換え、陽極線A2 とA3 に電流源522 と5
23 を接続してやればよい。このような走査とドライブ
を高速で繰り返すことにより、任意の位置の発光素子を
発光させるとともに、各発光素子があたかも同時に発光
しているように制御するものである。
【0005】走査中の陰極線B1 以外の他の陰極線B2
〜Bn には電源電圧と同電位の逆バイアス電圧VCCを印
加してやることにより、誤発光を防止している。なお、
前記図13では、駆動源として電流源521 〜52m を
用いたが、電圧源を用いても同様に実現することができ
る。
【0006】ところで、各交点位置に接続された発光素
子E2,1 〜Em,n のそれぞれは、図14にその等価回路
を示すように、ダイオード特性からなる発光エレメント
Eと、これに並列接続された寄生容量Cとで表すことが
できるが、前述した従来の駆動方法では、この等価回路
中の寄生容量Cのために次のような問題があった。
【0007】すなわち、図15(A)(B)は、前記図1
3中の陽極線A1 に接続された発光素子E1,1 〜E1,n
部分だけを抜き出し、それぞれの発光素子E1,1 〜E1,
n を前記寄生容量Cだけを用いて図示したものである
が、陰極線B1 の走査時に陽極線A1 がドライブされて
いない場合には、(A)に示すように、現在走査中の陰
極線B1 につながれた発光素子E1,1 の寄生容量C1,1
を除く他の発光素子E1,2 〜E1,n の寄生容量C1,2 〜
C1,n は、各陰極線B2 〜Bn に与えられた逆バイアス
電圧VCCによって図示のような向きに充電されている。
【0008】次に、走査位置が陰極線B1 から次の陰極
線B2 に移った際に、例えば発光素子E1,2 を発光させ
るために陽極線A1 をドライブすると、このときの回路
状態は(B)に示すようなものとなり、発光させるべき
発光素子E1,2 の寄生容量C1,2 が充電されるだけでな
く、他の陰極線B3 〜Bn に接続された発光素子E1,3
〜E1,n の寄生容量C1,3 〜C1,n に対しても矢印で示
すような向きに電流が流れ込んで充電が行なわれる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、発光素子
は、その両端の電圧が規定値以上に立ち上がらない限
り、正常な発光を行なうことができない。従来の駆動方
法の場合、前記図15(A)(B)に示したように、陰極
線B2 に接続された発光素子E1,2 を発光させるために
陽極線A1 をドライブすると、発光させるべき発光素子
E1,2 の寄生容量C1,2 だけでなく、陽極線A1 に接続
された他の発光素子E1,3 〜E1,n の寄生容量C1,3 〜
C1,n に対しても充電が行なわれ、これらすべての発光
素子の寄生容量の充電が完了するまでは、陰極線B2 に
つながれた発光素子E1,2 の両端電圧は規定値以上に立
ち上がることができない。
【0010】このため、従来の駆動方法の場合、前記寄
生容量のため、発光するまでの立ち上がり速度が遅く、
高速走査ができないという問題があった。また、陽極線
に接続されたすべての発光素子の寄生容量を充電してや
らねばならないため、各陽極線に接続するドライブ用の
駆動源の電流容量も大きなものとせざるを得ず、回路の
小型化という点からも一考の余地があった。
【0011】前記問題は、発光素子の数が増えれば増え
るほど大きくなる。特に、発光素子として有機ELを用
いた場合、有機ELは面発光のために前記寄生容量Cが
大きく、前記問題はさらに顕著なものとなる。本発明
は、上記のような問題を解決するためになされたもの
で、その目的とするところは、駆動電流の供給開始から
発光するまでの立ち上がり速度が速く、高速走査を行な
うことができるとともに、駆動源の小型化が可能な発光
素子の駆動方法と駆動装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明では次のような手段を採用した。すなわち、
請求項1記載の発明は、マトリックス状に配置した走査
線とドライブ線の各交点位置に接続した有機エレクトロ
ルミネッセンス素子を単純マトリックス駆動方式により
駆動する有機エレクトロルミネッセンス素子の駆動方法
において、任意の走査線の走査と次の走査線の走査との
間に、リセット期間を設け、当該リセット期間に、前記
素子の寄生容量に充電された電荷を放電することを特徴
とするものである。
【0013】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載の発明においてマトリックス状に配置した陽極線と陰
極線の各交点位置に素子を接続し、前記陽極線と陰極線
のいずれか一方の側を前記走査線とするとともに他方の
側を前記ドライブ線とすることを特徴とするものであ
る。
【0014】また、請求項3記載の発明は、マトリック
ス状に配置した複数本の走査線とドライブ線の各交点位
置に接続された素子と、前記複数の走査線のうちの走査
すべき走査線を選択する走査回路と、前記走査線の走査
に同期して前記複数の走査線のうち所望のドライブ線に
駆動源を接続するドライブ回路と、前記走査回路及び前
記ドライブ回路を制御する発光制御回路とを有する有機
エレクトロルミネッセンス素子の駆動装置であって、前
記発光制御回路は、任意の走査線の走査と次の走査線の
走査との間に設けられたリセット期間に前記走査線及び
前記ドライブ線をリセット電位に接続させ、該リセット
電位に接続された走査線及びドライブ線の交点位置に接
続された素子の寄生容量に充電された電荷を放電させる
よう制御したことを特徴とするものである。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。図1〜図4に、本発明に係
る第1の駆動方法を示す。この第1の駆動方法は、走査
が次の陰極線へ移る際に、すべての陰極線とすべての陽
極線を一度アース電位(0V)に落としてリセットする
ようにした場合の例である。
【0016】図1〜図4において、A1 〜A256 は陽極
線、B1 〜B64は陰極線、E1,1 〜E256,64は各交点位
置につながれた発光素子、1は陰極線走査回路、2は陽
極線ドライブ回路、3は陽極リセット回路、4は発光制
御回路である。
【0017】陰極線走査回路1は、各陰極線B1 〜B64
を順次に走査するための走査スイッチ51 〜564を備え
ている。各走査スイッチ51 〜564の一方の端子は電源
電圧からなる逆バイアス電圧VCC(例えば、10V)に
接続されているとともに、他方の端子はアース電位(0
V)にそれぞれ接続されている。
【0018】陽極ドライブ回路2は、駆動源たる電流源
21 〜2256 と、各陽極線A1 〜A256 を選択するため
のドライブスイッチ61 〜6256 とを備えており、任意
のドライブスイッチをオンすることにより、当該陽極線
に対してドライブ用の電流源21 〜2256 を接続する。
【0019】また、陽極リセット回路3は、陽極線A1
〜A256 をアース電位(0V)へリセットするためのシ
ャントスイッチ71 〜7256 を備えている。
【0020】なお、これらの走査スイッチ51 〜564、
ドライブスイッチ61 〜6256 およびシャントスイッチ
71 〜7256 のオン・オフは、発光制御回路4によって
制御される。
【0021】次に、前記図1〜図4を参照して、第1の
駆動方法による発光動作について説明する。なお、以下
に述べる動作は、陰極線B1 を走査して発光素子E1,1
とE2,1 を光らせた後、陰極線B2 に走査を移して発光
素子E2,2 とE3,2 を光らせる場合を例に採って説明す
る。また、説明を分かり易くするために、光っている発
光素子についてはダイオード記号で示し、光っていない
発光素子についてはコンデンサ記号で示した。また、陰
極線B1 〜B64に印加する逆バイアス電圧VCCは、装置
の電源電圧と同じ10Vとした。
【0022】まず、図1では、走査スイッチ51が0V
側に切り換えられ、陰極線B1が走査されている。他の
陰極線B2〜B64には、走査スイッチ52〜564により逆
バイアス電圧10Vが印加されている。さらに、陽極線
A1とA2には、ドライブスイッチ61と62によって電流
2122が接続されている。また、他の陽極線A3〜
A256には、シャントスイッチ73〜7256によって0V
が与えられている。
【0023】したがって、図1の場合、発光素子E1,1
とE2,1のみが方向にバイアスされ、電流源2122
から矢印のように駆動電流が流れ込み、発光素子E1,
1とE2,1のみが発光している。この図1の状態では、
コンデンサにハッチングして示した発光素子は、それぞ
れ図のような極性の向きに充電された状態となってい
る。この図1の発光状態から図4の発光素子E2,2と
E3,2が発光する状態に走査を移行する際に、以下の
ようなリセット制御が行われる。
【0024】すなわち、走査が図1の陰極線B1 から図
4の陰極線B2 に移行する前に、まず、図2に示すよう
に、すべてのドライブスイッチ51 〜564をオフすると
ともに、すべての走査スイッチ51 〜564とすべてのシ
ャントスイッチ71 〜7256を0V側に切り換え、陽極
線A1 〜A256 と陰極線B1 〜B64のすべてを一旦0V
にシャントし、0Vによるオールリセットをかける。こ
の0Vへのオールリセットが行なわれると、陽極線と陰
極線のすべてが0Vの同電位となるので、各発光素子に
充電されていた電荷は図中の矢印で示すようなルートを
通って放電し、すべての発光素子の充電電荷が瞬時のう
ちに0となる。
【0025】前記のようにして、すべての発光素子の充
電電荷を0にした後、図3に示すように、陰極線B2 に
対応する走査スイッチ52 のみを0V側に切り換え、陰
極線B2 の走査を行なう。これと同時に、ドライブスイ
ッチ62 と63 のみを電流源22 と23 側に切り換える
とともに、シャントスイッチ71 ,74 〜7256 をオン
し、陽極線A1 ,A4 〜A256 に0Vを与える。
【0026】上記スイッチの切り換えによって陰極線B
2 の走査が行なわれると、前述したようにすべての発光
素子の充電電荷は0とされているので、次に発光させる
べき発光素子E2,2 とE3,2 には、図3中に矢印で示し
たような複数のルートで充電電流が一気に流れ込み、そ
れぞれの発光素子の寄生容量Cが瞬時に充電される。
【0027】すなわち、発光素子E2,2 には、電流源2
2 →ドライブスイッチ62 →陽極線A2 →発光素子2,2
→走査スイッチ52 のルートで充電電流が流れ込むとと
もに、走査スイッチ51 →陰極線B1 →発光素子E2,1
→発光素子E2,2 →走査スイッチ52 のルート、走査ス
イッチ53 →陰極線B3 →発光素子E2,3 →発光素子E
2,2 →走査スイッチ52 のルート、・・・、走査スイッ
チ564→陰極線B64→発光素子E2,64→発光素子E2,2
→走査スイッチ52 のルートからも同時に充電電流が流
れ込み、発光素子E2,2 はこれら複数の充電電流によっ
て瞬時に充電されて発光し、図4に示す定常状態に瞬時
に移行する。
【0028】また、発光素子E3,2 には、電流源23 →
ドライブスイッチ63 →陽極線A3→発光素子3,2 →走
査スイッチ52 の通常のルートで充電電流が流れ込むと
ともに、走査スイッチ51 →陰極線B1 →発光素子E3,
1 →発光素子E3,2 →走査スイッチ52 のルート、走査
スイッチ53 →陰極線B3 →発光素子E3,3 →発光素子
E3,2 →走査スイッチ52 のルート、・・・、走査スイ
ッチ564→陰極線B64→発光素子E3,64→発光素子E3,
2 →走査スイッチ52 のルートからも同時に充電電流が
流れ込み、発光素子E2,2 はこれら複数の充電電流によ
って瞬時に充電されて発光し、図4に示す定常状態に瞬
時に移行する。
【0029】以上述べたように、第1の駆動方法は、次
の走査に移行する前に、陰極線と陽極線のすべてを一旦
アース電位である0Vに接続してリセットするようにし
たので、次の走査線に切り換えられた際に、切り換えら
れた走査線上の発光素子を瞬時に発光させることができ
る。
【0030】なお、前記発光させるべき発光素子E2,2
、E3,2 以外の他の発光素子についても、図3中に矢
印で示したようなルートでそれぞれ充電が行なわれる
が、これらの充電方向は逆バイアス方向であるので、発
光素子E2,2 、E3,2 以外の他の発光素子が誤発光する
おそれはない。
【0031】前記図1〜図4の例では、駆動源として電
流源21 〜2256 を用いた場合を示したが、電圧源を用
いても同様に実現することができる。
【0032】図5〜図8に、本発明に係る第2の駆動方
法を示す。この第2の駆動方法は、次の陰極線へ走査が
移る前に、陰極線と陽極線のすべてを一度電源電圧VCC
=10Vにリセットするようにした場合の例である。こ
のリセット方法を実現するために、図5〜図8の回路で
は、ドライブスイッチ61〜6256 として3点切換スイ
ッチを用い、第1の接点は開放とし、第2の接点は電流
源21 〜2256 に、第3の接点は電源電圧VCC=10V
にそれぞれ接続したものである。なお、このドライブス
イッチ61 〜6256 以外の他の部分の回路構成は、前述
した第1の駆動方法の場合と同じであるので、その説明
は省略する。
【0033】次に、前記図5〜図8を参照して、第2の
駆動方法による発光動作について説明する。なお、以下
に述べる動作は、前述した第1の駆動方法と同様に、陰
極線B1を走査して発光素子E1,1とE1,2を光らせ
た後、陰極線B2に走査を移して発光素子E2,2とE
3,2を光らせる場合を例に採る。まず、図5では、走
査スイッチ51が0V側に切り換えられ、陰極線B1が走
査されている。他の陰極線B2〜B64には、走査スイッ
チ52〜564により逆バイアス電圧10Vが印加されて
いる。さらに、陽極線A1とA2には、ドライブスイッチ
61と62によって電流源2122が接続されている。ま
た、他の陽極線A3〜A256には、シャントスイッチ73
〜7256によって0Vが与えられている。
【0034】したがって、図5の場合、発光素子E1,1
とE2,1のみが方向にバイアスされ、電流源2122
から矢印のように駆動電流が流れ込み、発光素子E1,
1とE2,1のみが発光している。この図5の状態では、
コンデンサにハッチングして示した発光素子は、それぞ
れ図のような極性の向きに充電された状態となってい
る。この図5の発光状態から図8の発光素子E2,2と
E3,2が発光する状態に走査を移行する際に、以下の
ようなリセット制御が行われる。
【0035】すなわち、走査が図5の陰極線B1 から図
8の陰極線B2 に移行する前に、まず、図6に示すよう
に、すべてのシャントスイッチ71 〜7256 をオフする
とともに、すべての走査スイッチ51 〜564と、すべて
のドライブスイッチ61 〜5256 を10V側に切り換
え、陽極線A1 〜A256 と陰極線B1 〜B64のすべてを
一旦10Vにシャントし、10Vによるオールリセット
をかける。この10Vへのオールリセットが行なわれる
と、陽極線と陰極線のすべてが10Vの同電位となるの
で、各発光素子に充電されていた電荷は図中の矢印で示
すようなルートを通って放電し、すべての発光素子の充
電電荷が瞬時のうちに0となる。
【0036】前記のようにして、すべての発光素子の充
電電荷を0にした後、図7に示すように、陰極線B2 に
対応する走査スイッチ52 のみを0V側に切り換え、陰
極線B2 の走査を行なう。これと同時に、ドライブスイ
ッチ62 と63 を電流源22と23 側に切り換えるとと
もに、他のドライブスイッチ61 ,64 〜6256 につい
ては開放端側に切り換える。さらに、シャントスイッチ
71 ,74 〜7256 をオンし、陽極線A1 ,A4 〜A25
6 に0Vを与える。
【0037】上記スイッチの切り換えによって陰極線B
2 の走査が行なわれると、前述したようにすべての発光
素子の充電電荷は0とされているので、次に発光させる
べき発光素子E2,2 とE3,2 には、図7中に矢印で示し
たような複数のルートで充電電流が一気に流れ込み、そ
れぞれの発光素子の寄生容量Cが瞬時に充電される。
【0038】すなわち、発光素子E2,2 には、電流源2
2 →ドライブスイッチ62 →陽極線A2 →発光素子2,2
→走査スイッチ52 のルートで充電電流が流れ込むとと
もに、走査スイッチ51 →陰極線B1 →発光素子E2,1
→発光素子E2,2 →走査スイッチ52 のルート、走査ス
イッチ53 →陰極線B3 →発光素子E2,3 →発光素子E
2,2 →走査スイッチ52 のルート、・・・、走査スイッ
チ564→陰極線B64→発光素子E2,64→発光素子E2,2
→走査スイッチ52 のルートからも同時に充電電流が流
れ込み、発光素子E2,2 はこれら複数の充電電流によっ
て瞬時に充電されて発光し、図8に示す定常状態に瞬時
に移行する。
【0039】また、発光素子E3,2 には、電流源23 →
ドライブスイッチ63 →陽極線A3→発光素子3,2 →走
査スイッチ52 の通常のルートで充電電流が流れ込むと
ともに、走査スイッチ51 →陰極線B1 →発光素子E3,
1 →発光素子E3,2 →走査スイッチ52 のルート、走査
スイッチ53 →陰極線B3 →発光素子E3,3 →発光素子
E3,2 →走査スイッチ52 のルート、・・・、走査スイ
ッチ564→陰極線B64→発光素子E3,64→発光素子E3,
2 →走査スイッチ52 のルートからも同時に充電電流が
流れ込み、発光素子E2,2 はこれら複数の充電電流によ
って瞬時に充電されて発光し、図8に示す定常状態に瞬
時に移行する。
【0040】以上述べたように、第2の駆動方法は、次
の走査に移行する前に、陰極線と陽極線のすべてを一旦
電源電圧である10Vに接続してリセットするようにし
たので、次の走査線に切り換えられた際に、切り換えら
れた走査線上の発光素子を瞬時に発光させることができ
る。
【0041】なお、前記発光させるべき発光素子E2,2
、E3,2 以外の他の発光素子についても、図3中に矢
印で示したようなルートでそれぞれ充電が行なわれる
が、これらの充電方向は逆バイアス方向であるので、発
光素子E2,2 、E3,2 以外の他の発光素子が誤発光する
おそれはない。
【0042】前記図5〜図8の例では、駆動源として電
流源21 〜2256 を用いた場合を示したが、電圧源を用
いても同様に実現することができる。
【0043】図9〜図12に、本発明に係る第3の駆動
方法を示す。この第3の駆動方法は、次の陰極線へ走査
が移る前に、すべての陰極線B1 〜B64を10Vにオー
ルリセットするとともに、陽極線A1 〜A256 について
は次の発光に備えてプリセットするようにした場合の例
である。なお、回路構成自体は前述した第2の駆動方法
の場合と同じであるので、その説明は省略する。
【0044】次に、前記図9〜図12を参照して、第3
の駆動方法による発光動作について説明する。なお、以
下に述べる動作は、前述した第1および第2の駆動方法
と同じく、陰極線B1 を走査して発光素子E1,1 とE1,
2 を光らせた後、陰極線B2に走査を移して発光素子E
2,2 とE3,2 を光らせる場合を例に採る。
【0045】まず、図9では、走査スイッチ51が0V
側に切り換えられ、陰極線B1が走査されている。他の
陰極線B2〜B64には、走査スイッチ52〜564により逆
バイアス電圧10Vが印加されている。さらに、陽極線
A1とA2には、ドライブスイッチ61と62によって電流
2122が接続されている。また、他の陽極線A3〜
A256には、シャントスイッチ73〜7256によって0V
が与えられている。
【0046】したがって、図9の場合、発光素子E1,1
とE2,1のみが方向にバイアスされ、電流源2122
から矢印のように駆動電流が流れ込み、発光素子E1,
1とE2,1のみが発光している。この図9の状態では、
コンデンサにハッチングして示した発光素子は、それぞ
れ図のような極性の向きに充電された状態となってい
る。この図9の発光状態から図12の発光素子E2,2
とE3,2が発光する状態に走査を移行する際に、以下
のようなリセット制御が行われる。
【0047】すなわち、走査が図9の陰極線B1 から図
12の陰極線B2 に移行する前に、まず、図10に示す
ように、すべての走査スイッチ51 〜564を10V側に
切り換え、オールリセットをかける。さらに、陽極線に
ついては、次に発光させるべき発光素子E2,2 とE2,3
に対応するドライブスイッチ62 と63 のみを10V側
に接続してプリセットし、他のドライブスイッチ61 ,
64 〜6256 については開放端側に接続する。また、シ
ャントスイッチ71 , 74 〜7256 をオンし、0Vに接
続する。
【0048】この陽極線B1 〜B64の10Vへのオール
リセットと、陽極線A2 ,A3 の電源電圧10Vへのプ
リセットが行なわれると、各発光素子に充電されていた
電荷は図中の矢印で示すようなルートを通って充放電
し、次に発光させるべき陽極線A2 とA3 に接続された
発光素子E2,1 〜E2,64、E3,1 〜E3,64の充電電荷が
瞬時のうちに0となる。
【0049】前記のようにして、発光素子E2,1 〜E2,
64とE3,1 〜E3,64の充電電荷を0にした後、図11に
示すように、走査スイッチ52 を0V側に切り換え、陰
極線B2 の走査を行なう。これと同時に、ドライブスイ
ッチ62 と63 を電流源22と23 側に切り換える。
【0050】上記スイッチの切り換えによって陰極線B
2 の走査が行なわれると、発光させるべき発光素子E2,
2 とE3,2 には、図11中に矢印で示したような複数の
ルートで充電電流が一気に流れ込み、それぞれの発光素
子の寄生容量Cが瞬時に充電される。
【0051】すなわち、発光素子E2,2 には、電流源2
2 →ドライブスイッチ62 →陽極線A2 →発光素子2,2
→走査スイッチ52 のルートで充電電流が流れ込むとと
もに、走査スイッチ51 →陰極線B1 →発光素子E2,1
→発光素子E2,2 →走査スイッチ52 のルート、走査ス
イッチ53 →陰極線B3 →発光素子E2,3 →発光素子E
2,2 →走査スイッチ52 のルート、・・・、走査スイッ
チ564→陰極線B64→発光素子E2,64→発光素子E2,2
→走査スイッチ52 のルートからも同時に充電電流が流
れ込み、発光素子E2,2 はこれら複数の充電電流によっ
て瞬時に充電されて発光し、図12に示す定常状態に瞬
時に移行する。
【0052】また、発光素子E3,2 には、電流源23 →
ドライブスイッチ63 →陽極線A3→発光素子3,2 →走
査スイッチ52 の通常のルートで充電電流が流れ込むと
ともに、走査スイッチ51 →陰極線B1 →発光素子E3,
1 →発光素子E3,2 →走査スイッチ52 のルート、走査
スイッチ53 →陰極線B3 →発光素子E3,3 →発光素子
E3,2 →走査スイッチ52 のルート、・・・、走査スイ
ッチ564→陰極線B64→発光素子E3,64→発光素子E3,
2 →走査スイッチ52 のルートからも同時に充電電流が
流れ込み、発光素子E2,2 はこれら複数の充電電流によ
って瞬時に充電されて発光し、図12に示す定常状態に
瞬時に移行する。
【0053】以上述べたように、第3の駆動方法は、次
の走査に移行する前に、すべての陰極線を10Vにリセ
ットするとともに、陽極線は次の発光に備えてプリセッ
トしたので、次の走査線に切り換えられた際に、切り換
えられた走査線上の発光素子を瞬時に発光させることが
できる。
【0054】なお、前記発光させるべき発光素子E2,2
、E3,2 以外の他の発光素子についても、図11中に
矢印で示したようなルートでそれぞれ充電が行なわれる
が、これらの充電方向は逆バイアス方向であるので、発
光素子E2,2 、E3,2 以外の他の発光素子が誤発光する
おそれはない。
【0055】また、前記第3の駆動方法は、すべての陰
極線を10Vにリセットするようにしたが、これに代え
てすべての陰極線を0Vにリセットしてもよい。
【0056】また、前記図9〜図12の例は、駆動源と
して電流源21 〜2256 を用いた場合を示したが、電圧
源を用いても同様に実現することができる。ところで、
前述した図3、図7、図10の各図を参照すれば明らか
なように、本発明の駆動方法によるときは、次の走査に
移った際、次に発光させるべき発光素子E2,2 とE3,2
は、電流源22 ,23 だけから充電されるだけでなく、
逆バイアス電圧を与えられた陰極線B1 、B3 〜B64か
ら陽極線A2 、A3 に接続された他の発光素子を通じて
も同時に充電される。このため、陽極線に接続された発
光素子の数が多い場合には、この他の発光素子を介した
充電電流だけによっても発光素子E2,2とE3,2 は短時
間ではあるが発光することができる。したがって、この
ような場合には、他の発光素子を介した充電電流による
発光継続時間よりも短い周期で陰極線を走査すれば、陽
極ドライブ回路2の電流源21 〜2256 を不要とするこ
とができる。
【0057】さらに、前記例は、陰極走査・陽極ドライ
ブ方式の場合を例にとって説明したが、陽極走査・陰極
ドライブ方式でも同様に実施できることは当然である。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1〜請求項
3記載の発明によるときは、発光させるべき発光素子の
両端電圧を瞬時に発光可能な電位まで立ち上がらせるこ
とができ、発光素子を瞬時に発光させることができる。
【0059】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の駆動方法の第1ステップの説明
図である。
【図2】本発明の第1の駆動方法の第2ステップの説明
図である。
【図3】本発明の第1の駆動方法の第3ステップの説明
図である。
【図4】本発明の第1の駆動方法の第4ステップの説明
図である。
【図5】本発明の第2の駆動方法の第1ステップの説明
図である。
【図6】本発明の第2の駆動方法の第2ステップの説明
図である。
【図7】本発明の第2の駆動方法の第3ステップの説明
図である。
【図8】本発明の第2の駆動方法の第4ステップ説明図
である。
【図9】本発明の第3の駆動方法の第1ステップの説明
図である。
【図10】本発明の第3の駆動方法の第2ステップの説
明図である。
【図11】本発明の第3の駆動方法の第3ステップの説
明図である。
【図12】本発明の第3の駆動方法の第4ステップの説
明図である。
【図13】従来の駆動方法の説明図である。
【図14】発光素子の等価回路を示す図である。
【図15】従来の駆動方法における走査移行時の充放電
状態の説明図である。
【符号の説明】
1 陰極線走査回路 2 陽極線ドライブ回路21 〜2256 電流
源(駆動源) 3 陽極リセット回路 4 発光制御回路 51 〜564 走査スイッチ 61 〜6256 ドライブスイッチ 71 〜7256 シャントスイッチ A1 〜A256 陽極線(ドライブ線) B1 〜B64 陰極線(走査線) E1,1 〜E256,64 発光素子 VCC 電源電圧
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−301355(JP,A) 特開 平3−35289(JP,A) 特開 昭60−86595(JP,A) 特開 昭60−247298(JP,A) 特開 昭63−168998(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G09G 3/20

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マトリックス状に配置した走査線とドラ
    イブ線の各交点位置に接続した有機エレクトロルミネッ
    センス素子を単純マトリックス駆動方式により駆動する
    有機エレクトロルミネッセンス素子の駆動方法におい
    て、任意の走査線の走査と次の走査線の走査との間に、
    リセット期間を設け、当該リセット期間に、前記素子の
    寄生容量に充電された電荷を放電することを特徴とする
    有機エレクトロルミネッセンス素子の駆動方法。
  2. 【請求項2】 マトリックス状に配置した陽極線と陰極
    線の各交点位置に素子を接続し、前記陽極線と陰極線の
    いずれか一方の側を前記走査線とするとともに他方の側
    前記ドライブ線とすることを特徴とする請求項1記載
    有機エレクトロルミネッセンス素子の駆動方法。
  3. 【請求項3】 マトリックス状に配置した複数本の走査
    線とドライブ線の各交点位置に接続された素子と、前記
    複数の走査線のうちの走査すべき走査線を選択する走査
    回路と、前記走査線の走査に同期して前記複数の走査線
    のうち所望のドライブ線に駆動源を接続するドライブ回
    路と、前記走査回路及び前記ドライブ回路を制御する発
    光制御回路とを有する有機エレクトロルミネッセンス素
    子の駆動装置であって、前記発光制御回路は、任意の走
    査線の走査と次の走査線の走査との間に設けられたリセ
    ット期間に前記走査線及び前記ドライブ線をリセット電
    位に接続させ、該リセット電位に接続された走査線及び
    ドライブ線の交点位置に接続された素子の寄生容量に充
    電された電荷を放電させるよう制御したことを特徴とす
    る有機エレクトロルミネッセンス素子の駆動装置。
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