JP3312701B2 - 内視鏡のアングル操作ワイヤ取り付け構造 - Google Patents

内視鏡のアングル操作ワイヤ取り付け構造

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内視鏡(カテーテルを
含む)におけるアングル操作ワイヤの取り付け構造に関
する。
【0002】
【従来の技術】内視鏡は、屈曲している体腔内に挿入し
易くしかも観察に際して先端の向きを観察個所に対して
任意に変えることが要求されるために先部を自由に曲げ
ることができるようにしてある。そのために可撓管部の
先部にアングル操作ワイヤの先端を取り付け、後方柄部
でそのアングル操作ワイヤを操作するようになってい
る。
【0003】そこで、頭部にアングル操作ワイヤの先端
を取り付ける構造は、その取り付け個所が容易に外れな
いように堅固に取り付けなければならず、また、それに
よって頭部の径が大きくならないように従来より色々な
工夫が施されており、それらには、実公平3ー524
83号、特公平3ー10327号、特公平3ー72
291号等の技術がある。
【0004】上記の技術は、図10に示す如く、アン
グル操作ワイヤ6の先端にストッパ7を取り付け、先端
部本体8の外周面に形成した凹部9にストッパ9を固定
させ、最先端の節輪を先端部本体の後端に嵌合させた構
造である。つぎに、の技術は、図11に示す如く、ア
ングル操作ワイヤ10の先端部にその側方に突出するス
トッパ部11を形成し、先端部本体12の外周面に形成
した溝13にアングル操作ワイヤ10の先端部分を嵌入
してストッパ部11を先端部本体12の外周面から突出
させると共に最先端の節輪を先端部本体の後端に嵌合さ
せ、節輪の前端部にストッパ部11を当接させた構造で
ある。
【0005】つぎに、の技術は、図12に示す如く、
頭部を構成する管状部材14の管壁部に、これを貫く切
欠溝15a、15bを形成し、この切欠溝15a、15
bにアングル操作ワイヤ16a、16bとこのアングル
操作ワイヤ16a、16bを案内するワイヤガイドの少
なくとも一方の先端を嵌め込んで切欠溝15a、15b
に固着剤17を充填して固着させた構造である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記各従来
技術によると、およびの技術は、アングル操作ワイ
ヤの先端にストッパ部を必要とし、しかもその取り付け
構造はアングル操作時にアングル操作ワイヤを強力に引
いたときにストッパ部が抜けないように強力に取り付け
てなければならないという問題があり、さらに、小さい
先端部本体の外周面に凹部を形成しなければならないと
いう細かく精巧な作業が要求されるという問題がある。
【0007】さらに、ストッパ部を設けるために固定個
所が大きくなって先端部本体が太くなってしまい、その
結果、径の太い内視鏡になってしまうという問題があ
る。また、の技術は、これもやはり、管状部材に切欠
溝を形成しなければならないという細かく精巧な作業が
要求されるという問題があると共にこの切欠溝に嵌めた
アングル操作ワイヤもしくはワイヤガイドの先端を固着
剤で固着しなければならないために取り付けの堅固さに
問題があり、固着面積を大きくするためには必要以上に
太いワイヤを使用することになり、必要なだけの太さの
ワイヤを使用することができず、そのために内視鏡の径
が太くなる結果となっていまう問題となり、また固着個
所が小さくて弱いとアングル操作ワイヤが抜けてしまう
ことがあり、その修理作業は内視鏡の解体を伴うために
大変な作業となる。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで本発明は、内視鏡
の先部にアングル操作ワイヤを取り付け、そのアングル
操作ワイヤの後端を操作することにより内視鏡の先部の
湾曲操作をするようにした内視鏡のアングル操作ワイヤ
取り付け構造において、アングル操作ワイヤを螺旋状に
複数回巻いて筒状体を形成し、この筒状体を内視鏡の先
端硬性部の先端に先端側から嵌めて外周面に所定の面積
をもって面固着させたことを特徴とする。
【0009】
【作用】以上の構成によると、筒状体を内視鏡の先端硬
性部の先端から嵌めて固着させるだけでアングル操作ワ
イヤを取り付けることができ、これによって内視鏡を丈
夫にしかも細く仕上げることができることになる。
【0010】
【実施例】以下に本発明の一実施例を図面を用いて説明
する。図1はアングル操作ワイヤを螺線状に複数回巻い
た状態の一例を示す説明図、図2は筒状体に成形した状
態の説明図、図3は内視鏡の先端硬性部にアングル操作
ワイヤを取り付ける状態の説明図、図4は内視鏡の先端
硬性部にアングル操作ワイヤを取り付けた状態の説明図
である。
【0011】図において、1はアングル操作ワイヤであ
り、図1に示す如く中央部付近で互いに反対方向に複数
回螺線に巻いて螺線部1aを形成し、その螺線部1aを
図2に示す如く固定させて筒状体2を形成してある。な
お、このアングル操作ワイヤによる螺線部1aの形成の
仕方はどのような巻き方でもよく、例えば、図6に示す
如く、二本にして一緒に同方向に巻いてもよく、また、
図7に示す如く、複数本を一緒に巻いたものや図8に示
す如く二段に重ねて巻いて構成してもよい。
【0012】アングル操作ワイヤ1の材質はステンレス
スチール等の金属、人工繊維もしくは天然繊維等であ
り、螺線部1aは隣接する螺線同志が互いに密着してい
てもしていなくてもよい。筒状体2の形状に保持する方
法はその材質によっても異なり、モールド加工、接着
剤、はんだ付け、ろう付け、レーザー等による溶着等に
よって所定の径の筒状体2に仕上げる。また、モールド
加工等によって柱状体にし、その中心を繰り抜いて筒状
体2に形成してもよい。
【0013】なお、この筒状体2は図示のように必ずし
も両端まで同一径の筒状体である必要はなく、他に例え
ば両端の径が異なる円錐台形状や紡錘形状等のような形
状でもよい。このような筒状体2を図4に示すように内
視鏡の先端硬性部3の先端外周に嵌め、モールド加工、
接着剤、はんだ付け等により両者を一体に構成する。
【0014】筒状体2を嵌める先端硬性部3には、図3
に示す如く、アングル操作ワイヤ1を通す通孔3aを設
け、その通孔3aに連続させる溝3bを形成してアング
ル操作ワイヤ1を内視鏡後部のアングル操作ワイヤ操作
部に導いている。さらに、図5に示す如く、先端硬性部
3の後部に、湾曲部を構成する連結した節輪の最先端の
節輪4を嵌合させて可撓管部を一体に連続させる。
【0015】このようにして先端硬性部3の先端に筒状
体2を固着されたアングル操作ワイヤ1の両端は、内視
鏡の柄部まで延びて図示しない通常の操作装置に連結さ
れる。そして、先端硬性部3および/もしくは先端硬性
部3を除いた湾曲部、それに続く可撓管部の外周面に外
被5を被せて一体に構成する。なお、筒状体を内視鏡の
先端硬性部に先端側から装着させるために新しいアング
ル操作ワイヤに交換するに際し、内視鏡全体を分解する
ことなく先端硬性部に先端側から筒状体を嵌め、新しい
アングル操作ワイヤの後端を交換される古いアングル操
作ワイヤに連結して古いアングル操作ワイヤを操作部側
から引き抜くことにより新しいアングル操作ワイヤに交
換装着させることができる。
【0016】なお、以上の説明は内視鏡によって行った
が、カテーテルにおいてもまったく同様であり、図示は
しないが、カテーテル本体の先端に上記筒状体を嵌めて
モールド加工等によって一体に構成する。カテーテル本
体に固着した筒状体からのアングル操作ワイヤの両端
は、カテーテルの後部まで延ばして通常の操作装置に連
結される。
【0017】以上の如く、内視鏡やカテーテルのいずれ
の場合においてもアングル操作ワイヤ1を巻いて形成し
た所定の径の筒状体2を先端部に嵌合固着するだけで、
筒状体2の内周面が先端硬性部3の外周面に所定の面積
をもって面固着されることになる。なお、上記各実施例
は2方向アングルの場合で説明したが、図9に示す如
く、4方向アングルの場合もアングルワイヤを組み合わ
せることにより全く同様に構成することができる。
【0018】
【発明の効果】以上詳細に説明した本発明によると、ア
ングル操作ワイヤの一部を螺線状に複数回巻いて筒状体
を形成し、この筒状体を内視鏡の先端硬性部の先部に嵌
めて固着させるだけでアングル操作ワイヤを取り付ける
ことができるために、特に細いことが要求される内視鏡
において、アングル操作ワイヤの取り付け個所が太くな
ることがなく全体を細径に仕上げることができる効果が
ある。
【0019】また、筒状体を内視鏡の先端硬性部に先端
側から装着させることができるためにアングル操作ワイ
ヤを交換するに際し、内視鏡全体を分解することなく新
しいアングル操作ワイヤに交換することができることに
なる効果を有する。さらに、固着個所が面接触であるた
めに固着状態が確実であり、アングル操作ワイヤに強力
な引張力がかかっても外れることがないという効果を有
する。
【0020】その結果、より細いアングル操作ワイヤを
使用することができることになり、内視鏡の径を細く仕
上げることが可能となる。また、筒状体を内視鏡の先端
硬性部に嵌めて固着させるだけであるために、他の部品
を必要とせずしかも取り付け作業が簡単に行える効果を
有する。また、アングル操作ワイヤの取り付けに際して
はんだ付けの必要がないために、従来使用が不可能であ
ったステンレススチールのワイヤの使用が可能となり、
耐久性が向上する効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】アングル操作ワイヤを螺線状に巻いた状態の一
例を示す説明図である。
【図2】筒状体に形成した状態の説明図である。
【図3】先端硬性部にアングル操作ワイヤを取り付ける
状態の説明図である。
【図4】先端硬性部にアングル操作ワイヤを取り付けた
状態の説明図である。
【図5】先端硬性部に湾曲部を取り付けた状態の説明図
である。
【図6】アングル操作ワイヤの巻き方の例を示す説明図
である。
【図7】アングル操作ワイヤの巻き方の例を示す説明図
である。
【図8】アングル操作ワイヤの巻き方の例を示す説明図
である。
【図9】アングル操作ワイヤの巻き方の例を示す説明図
である。
【図10】従来例を示す説明図である。
【図11】他の従来例を示す説明図である。
【図12】他の従来例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 アングル操作ワイヤ 2 筒状体 3 先端硬性部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 1/00 - 1/32 G02B 23/24 - 23/26

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内視鏡の先部にアングル操作ワイヤを取
    り付け、そのアングル操作ワイヤの後端を操作すること
    により内視鏡の先部の湾曲操作をするようにした内視鏡
    のアングル操作ワイヤ取り付け構造において、 アングル操作ワイヤを螺旋状に複数回巻いて筒状体を形
    成し、この筒状体を内視鏡の先端硬性部の先端に先端側
    から嵌めて外周面に所定の面積をもって面固着させたこ
    とを特徴とする内視鏡のアングル操作ワイヤ取り付け構
    造。
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