JP3311083B2 - 顕微鏡観察のための微調整装置 - Google Patents

顕微鏡観察のための微調整装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は顕微鏡観察のための微
調整装置に関し、例えば生体細胞等の微小な試料を顕微
鏡観察する際に、試料を非接触に微調整するための装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】通常の光学顕微鏡を使用して、様々な方
向から試料を観察しようとする際、光学顕微鏡の光学的
設計の制約により、任意の方向における試料の像を結像
するのが困難な場合がある。一般に光学顕微鏡は、光学
系の光軸方向に垂直をなすステージ面に載置された資料
の像が結像されるように設計されている。
【0003】図15に概略的に示した一般的な顕微鏡1
3は、資料を載置すべきステージ15を移動させるため
に、機械的なX−Yステージ駆動機構17及びZステー
ジ駆動機構19を採用している。
【0004】X−Yステージ駆動機構17は、対物レン
ズ21の光軸(Z軸)に垂直な水平面(X−Y平面)に
沿って試料を移動させ、X−Y平面における試料の任意
の部分を視野内に設定することができる。試料を光軸方
向に移動させるためのZ軸ステージ駆動機構19は、焦
点調節に利用され、通常の方法では光軸方向に沿った面
(Z−Y平面、Y−Z平面)における試料の観察に用い
ることはできない。
【0005】また一般に、生体細胞などの微小試料は、
生理食塩水などの液体と共にスライドグラス(図示せ
ず)上に滴下され、カバーグラスにより固定された状態
で観察される。従って、試料を観察できる方向はカバー
グラスの垂直上方からの方向のみに制限され、試料が固
定されれば他の方向から観察するのは困難である。
【0006】微小な試料を任意の方向から観察するため
に、微小試料を顕微鏡下で微調整(マイクロマニピュレ
ーション)する技術として、機械的なマイクロマニピュ
レータ(微調整装置)が公知である。
【0007】図16に概略的に示した公知のマイクロマ
ニピュレータ23は、上述したような光学顕微鏡13の
ステージ15と組み合わされている。ステージ15上に
は、それぞれホルダー25,27に支持された針29や
ホールドピペット31などの微小操作器具が可動に設置
されている。試料を含む液体(図示せず)は、微小器具
の先端において、ステージ15上に滴下されている。
【0008】ホールドピペット31はガラス管など管空
状の部材からなる。ホールドピペット31にビニール管
33を通じて接続された微小圧力調整器35がホールド
ピペット31中の液体を吸引することにより、ホールド
ピペット31の先端で試料を捕捉できる。
【0009】微小操作器具を支持するホルダー25、2
7は、その駆動機構37,39によりX−Y−Z方向に
駆動可能である。ホルダー駆動機構37,39は、観察
者の手元に置かれたコントローラ41により駆動命令を
与えられる。コントローラ41は、ジョイスティックや
つまみなどの手動操作要素を有し、この手動操作の動作
は油圧や電気信号によりホルダー駆動機構37,39に
伝達され、その結果ホルダー25、27が駆動される。
従って観察者がコントローラ41の手動操作要素を操作
することにより、微小操作器具をX軸方向、Y軸方向、
Z軸方向などの目的に応じた方向に粗微動させ、所定の
位置に位置決めすることができる。この結果、ステージ
15上の試料を保持操作および回転操作、即ち微調整す
ることができる。
【0010】しかしながら、機械的なマイクロマニピュ
レータにおいて微小操作器具の所望の粗微動のために手
動操作要素を正確に操作するには熟練した技術が要求さ
れる。 これは実際上には困難な要求である。更に、生
体細胞など柔軟な試料に硬い微小操作器具を直接に接触
させるために、試料が損傷、変形または破壊される危険
性がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】既に検討したように、
任意の方向からの試料の観察は、一般的な光学顕微鏡で
実現することは非常に困難である。この困難を解消する
ために上述のような機械的なマイクロマニピュレータを
用いることは、その操作の困難性に加えて試料の損傷、
変形または破壊の危険性のために実用的ではない。
【0012】この発明の目的は、試料を顕微鏡下で任意
の方向から観察するために試料を非接触に微調整するこ
とができ、操作が容易であり、試料に対する悪影響も少
ない微調整装置を提供することがある。
【0013】
【課題を達成するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、容器内の液体に含まれた試料を、液体を
通る光軸を有する顕微鏡光学系により観察する際に試料
を微調整するための装置であって、顕微鏡光学系の光軸
と平行な光軸を有し、試料に対して第1のレーザービー
ムを収束させるための第1の光学系と、第1の光学系の
光軸に対して直交する光軸を有し、試料に対して第2の
レーザービームを収束させる第2の光学系と、第1と第
2とのレーザービームの相対強度を調整する調整手段
と、を備える顕微鏡観察のための微調整装置を提供す
る。
【0014】
【作用】本発明に係わる微調整装置は、観察すべき試料
をレーザービームにより捕捉するための光トラッピング
技術に基づいている。光学特性の異なる二つの物体間の
境界における反射や屈折により光ビームの進行方向が変
化したり物体による光の吸収のために光の強度が減衰す
ると、光ビームが運動量を有するために進行方向の変化
量に応じた力、即ち光圧力が生じる。この光圧力の絶対
量は非常に小さい。しかし高い空間的コヒーレント性を
有するレーザービームを収束させることにより、大きな
光エネルギーを局所的に集中させることができる。その
結果、微小な試料を捕捉可能な大きさの光圧力を発生さ
せることができる。
【0015】更に本発明によれば、光軸が直交する二つ
のレーザービームを試料に集束させ、且つそれらの相対
強度を制御することにより、試料を回転制御することが
できる。
【0016】
【実施例】図1乃至図4を参照して、本発明の各実施例
に共通な原理について説明する。図1は屈折率の異なる
微小試料に入射光LBO が入射した場合の光圧力の発生
の原理を示す。入射光LBO は、微小試料の表面におい
て屈折光LBD と反射光LBR とに分離する。ここで微
小試料が球であると仮定すると、微小試料の動径方向に
屈折による力ベクトルFD と反射による力ベクトルFR
とが互いに逆向きに発生する。また微小試料による入射
光LBO の吸収がある場合は、入射光LBO と同じ方向
に吸収による力ベクトルFA が発生する。これらの力の
強度関係は、入射光LBO の入射角度や微小試料の内外
における屈折率の差異、微小試料における入射光LBO
の吸収率等に依存する。
【0017】図2は、レーザービーム200を開口の大
きなレンズ204により微小試料202上に集光させた
場合の光トラッピングの原理を示す。いま、レーザービ
ーム200のうち微小試料202の右端におけるビーム
成分LBA に着目する。このビーム成分LBA が試料2
02に入射する際には、試料表面には力ベクトルFA1
作用する。ビーム成分LBA が試料から射出する際に
は、試料表面に力ベクトルFA2が作用する。これら2つ
の力ベクトルFA1とFA2をベクトル加算すると、力ベク
トルFA (=FA1+FA2)が試料202に作用する。試
料202の屈折率分布が点対称であり、ビーム成分LB
A とLBB の強度が等しければ、力ベクトルFA とFB
の合力ベクトルFは水平成分が打ち消された鉛直方向の
上向きの力となる。このような関係が光軸と平行なあら
ゆる断面で成り立てば、光圧力に生じた合力により試料
は上方に持ち上げられることになり、この力と重力とが
釣り合った状態で試料202が捕捉されることになる。
【0018】本発明は基本的に光圧力を利用するもので
あるが、光軸が直交する二つのレーザービームを試料に
集光させることにより試料に対して回転方向に働く力を
生み出すものである。
【0019】図3において本発明の作用を説明する。図
2で説明した関係と同様に、一つのレーザービーム20
0を開口の大きいレンズ204により微小試料202へ
集光させることにより、微小試料202がトラッピング
された状態において、レーザービーム200と光軸が直
交する他の一つのレーザービーム206をレンズ208
により微小試料202に集光させる。
【0020】図3ではレンズ208の開口が小さく、微
小試料202に対するレーザービーム206の入射角度
が小さくなる場合を想定する。開口の大きいレンズ20
4を用いる場合は、レーザービーム200の周辺成分の
屈折による微小試料202を引き込む力が強く働く。対
照的に、開口の小さいレンズ208を用いる場合は、反
射や吸収により微小試料202を押し出す力の方が強く
なる。レーザービーム206のうち微小試料202の下
端におけるビーム成分LBC に着目すると、レーザービ
ーム成分LBC が微小試料202に入射する表面と射出
する表面においてそれぞれ力ベクトルFC1とFC2が働
き、これら二つの力ベクトルFC1とFC2をベクトル加算
した合力ベクトルFC (=FC1+FC2)が試料202に
作用する。同様にレーザービーム206のうち微小試料
202の上端におけるビーム成分LBD によれば、力ベ
クトルFD1とFD2との合力ベクトルが微小試料202に
作用する。
【0021】図2と同様に、試料202の屈折率分布が
点対称でありビーム成分LBC とLBD の強度が等しい
条件によれば、合力ベクトルFC とFD の合力ベクトル
Fは鉛直成分が打ち消されて水平方向に微小試料202
を押し出す力として作用することになる。
【0022】この場合、レーザービーム200による光
圧力と重力との均衡状態が変化し、新たな均衡状態が生
じる。即ち、レーザービーム200による光圧力は、レ
ーザービーム206による微小試料202を押し出す力
ベクトルFと逆向きに微小試料202を引き戻す力とし
て働く。その結果、微小試料202は、破線202′で
示すように、その重心がレーザービーム200の光軸か
らずれた位置で安定する。
【0023】更にこの場合、微小試料202によるレー
ザービーム200の吸収により回転方向に力ベクトルF
R が生じる。その原理を図4に示す。球状の微小試料2
02がレーザービーム200の光軸からずれた位置(図
3の破線202´)に捕捉されている場合、レーザービ
ームの左半分の吸収による合力ベクトルFL と右半分の
吸収による合力ベクトルFR とが発生する。
【0024】ここで正確には、微小試料202により光
子が吸収された時点で力が発生するので、光が通過して
いる全ての部分で力が発生するが、図4ではそれらの力
を一点で発生する合力ベクトルFL およびFR に代表さ
せてある。
【0025】微小試料202を回転させるには力のモー
メントが必要である。上述の条件の場合、合力ベクトル
L とFR とにより、それぞれモーメント NL ×FL ,NR =rR ×FR が発生し、全体ではモーメント NA =NL +NR =rL ×FL +rR ×FR =rL F´L +rR ×F´R が発生する。上式において、×はベクトルの外積を表わ
す演算子である。
【0026】図4ではモーメントNL を垂直上向きのベ
クトルを意味する記号”丸囲みの・”で表わす。またモ
ーメントNR は垂直下向きのベクトルを意味する記号”
丸囲みの×”で表わす。微小試料202の光の吸収量を
考えると、NL とNR とではNL の方が大きいので、全
体のモーメントNL は紙面に対して垂直上向きとなり、
微小試料202に対しては左回りの回転力が働くことに
なる。
【0027】本発明はこのような原理に基づいて対称物
を回転制御することにより、開口の大きいレンズ204
を利用して高解像度な顕微鏡像を任意の方向から観察で
きる装置を構成する。
【0028】図3では開口の小さなレンズ208により
微小試料202を押し出す力を生じさせる場合について
説明した。代替的に、レンズ208を開口の大きいレン
ズに代えることにより、微小試料202を引き付ける力
を利用してもよい。
【0029】図5は、本発明の第1実施例を示す。レー
ザ光源210から発せられたレーザービームLBO は、
ビームエキスパンダ212によりビーム径が拡大され、
次いでハーフミラー214により二つのビームに分割さ
れる。その一方のレーザービームLB1 は第1の顕微鏡
鏡筒216内のハーフミラー218により対物レンズ2
20に導かれ、水槽222内の液体222a中の微小試
料202をトラッピングする。
【0030】また、微小試料の像は、第2の顕微鏡鏡筒
224内の対物レンズ226及び接眼レンズ228を通
じてテレビカメラ230の受光面に結像され、テレビモ
ニタ232の画面に映像化される。
【0031】ハーフミラー214により分割された他方
のレーザービームLB2 は、ターレット234に支持さ
れた何れか一つのNDフィルタを通過した後に、顕微鏡
鏡筒216内のミラー218により対物レンズ220に
導かれる。ここで対物レンズ220は、対物レンズ22
6と光軸が直交するように配置されている。その結果、
対物レンズ226により既にトラッピングされている微
小試料に対して、光圧力が加えられる。
【0032】図6に示すように、ターレット234に
は、その回転方向に沿って、透過率が異なる複数のND
フィルタ234aが配置されている。モータドライバ2
38により駆動制御されるモータ236がターレット2
34の回転位置を制御し、その回転位置に対応した一つ
のNDフィルタ234aにより、レーザービームの光強
度が調整される。
【0033】水槽222は、微小試料を探索すべき方向
である水平方向に移動可能なように、XYステージ24
2の上に載置されている。XYステージ242は、モー
タドライバ238により駆動制御されるX軸モータ24
2a、Y軸モータ242bにより自動制御されることが
好ましい。
【0034】対物レンズ226は対物レンズホルダ24
4により保持され、ホルダ244は対物レンズ駆動機構
246により光軸方向に駆動制御される。モータドライ
バ238及び対物レンズ駆動機構246は、コントロー
ラ248からの指令信号により動作制御される。コント
ロールボックス等の遠隔操作手段250は、ジョイステ
ィック、つまみ等を備え、観察者の指令をコントローラ
248に伝えるユーザインタフェースとして働く。
【0035】第1実施例の装置の観察者による操作は以
下の通りである。i)レーザ光源210を発振させない状
態で、ステージ242を水平方向へ、対物レンズ226
を鉛直方向へそれぞれ粗微動させながら、顕微鏡像をT
Vモニタ232で観察し、目的とする試料を対物レンズ
226の視野内に収める。
【0036】ii) 次にレーザ光源210を発振させる
が、レーザービームLB2 を透過率0のNDフィルタ2
34aで遮断し、レーザービームLB1 だけを利用して
微小試料をトラッピングする。
【0037】iii)微小試料をトラッピングしたら、その
状態で対物レンズ220の結像面付近に微小試料を移動
させ、ターレット234を回転させて適宜なNDフィル
タ234aを選択し、透過率を調節することにより、レ
ーザービームLB2 を適当な強度で微小試料に照射す
る。
【0038】以上により、レーザービームLB2 の強度
に応じた速度で微小試料が回転するので、観察者は微小
試料を任意の方向から観察することができる。必要に応
じてレーザービームLB2 を透過率0のフィルタ234
aで再び遮断し、所望の角度方向から微小試料を観察す
ればよい。
【0039】代替的に、レーザービームLB2 の強度を
調整する機構として、NDフィルタを支持したターレッ
ト234に代えて、液晶板を利用した透過率可変フィル
タ等を用いてもよい。
【0040】本実施例は、レーザービームLB1 により
微小試料を光トラッピングすると共に、レーザービーム
LB1 の光軸と直交する方向から第2の連続発振レーザ
ービームLB2 を試料へ照射することにより、微小試料
を対物レンズ220及び対物レンズ226の光軸を含む
面内で連続回転させるものである。本実施例は、以下の
理由により、装置構成が比較的に簡便であるという効果
を有する。
【0041】第2のレーザービームLB2 を収束させる
ための対物レンズ220が小さな開口を有するため、対
物レンズ220の作動距離が長くなる。その結果、対物
レンズ220と、大きな開口を有して作動距離が短い対
物レンズ226との光軸を直交させながら微小試料を捕
捉する構成を容易に実現できる。
【0042】またターレット234を備えることによ
り、第2のレーザービームの光強度が変更可能であり、
微小試料の回転速度を制御できる。図7は本発明の第2
実施例を示す。本実施例は、第1実施例におけるレーザ
ービームLB2 をシャッタ動作させることにより、微小
試料の向きを僅かづつ変化させながら逐次に画像を出力
するものである。第1実施例と同様な参照符号を付した
構成要素は、特に断らない限り、第1実施例のそれと同
様な作用を有する。
【0043】第1実施例と同様に、ハーフミラー214
を通過したレーザービームLB1 により、微小試料が捕
捉される。ハーフミラー214により反射されたレーザ
ービームLB2 は、回転光チョッパ252を通過する。
【0044】図8に示すように、回転光チョッパ252
は、レーザービームLB2 を遮断するための羽根を有
し、モータドライバ256により制御されたモータ25
4により定速度で回転されることにより、光シャッタ動
作を果たす。その結果、微小試料はレーザービームLB
2 が照射されている間に回転し、レーザービームLB2
の照射が止むと静止する。モータドライバ256は、コ
ントローラ248からの指令信号により制御される。
【0045】代替的に、図8の光チョッパ252におけ
る羽根の間に、レーザービームLB2 の強度を調整する
ためのNDフィルタを設けてもよい。或いは第1実施例
と同様に、レーザービームLB2 の光路上に、複数のN
Dフィルタを支持したターレットを設けることにより、
レーザービームLB2 の強度を可変調整可能としてもよ
い。
【0046】再度図7を参照すると、レーザービームL
2 により微小試料が静止されている間に、TVカメラ
230に入力された映像信号は、フレームメモリ装置2
58内のビデオA/D変換器(図示せず)によりディジ
タル画像信号に変換され、フレームメモリ装置258内
のフレームメモリ(図示せず)に記録される。
【0047】TVカメラ230は、1フレーム1/30
秒の通常のビデオ周期で連続的に画像を入力する。フレ
ームメモリ装置258内のビデオA/D変換器は、TV
カメラ230のフレーム周期とは非同期に1フレームの
画像をA/D変換する。
【0048】回転光チョッパ252の光シャッタ動作に
より微小試料を回転操作し、フレームメモリ装置258
内に微小試料のディジタル画像信号を入力するまでの一
連の操作は、TVカメラ230のフレーム周期の数倍乃
至数十倍程度の周期で行われる。
【0049】図9は、上述のタイミングの関係を表すチ
ャートを示す。フレームメモリ装置258に記録された
ディジタル画像信号はフレームメモリ装置258内のビ
デオD/A変換器により所定のアナログビデオ信号に変
換され、TVモニタ232に表示される。
【0050】コントローラ248は、第1実施例と同様
に、モータドライバ238及び対物レンズ駆動機構24
6に制御指令信号を与えることにより、微小試料を捕捉
する際のステージ242の操作及び対物レンズ226の
焦点操作を実行する。
【0051】第2実施例のコントローラ248は、第1
実施例と異なる二つの機能を有する。第一に、コントロ
ーラ248は、チョッパ用モータドライバ256とフレ
ームメモリ258にも制御指令信号を与え、微小試料を
回転させながら画像を入力する際のタイミング制御を実
行する。
【0052】第二に、コントローラ248は、TVモニ
タ232、フレームメモリ258及び後述の外部記憶装
置260と共に、画像記録再生装置を構成する。即ち、
コントローラ248は、フレームメモリ装置258から
の画像データを外部記憶装置260に記録及び保存さ
せ、その保存された画像データを検索し、且つTVモニ
タ232に表示させる。ここで外部記憶装置260の記
録媒体としては、磁気ディスク、光磁気ディスク、磁気
テープなどのディジタル記録媒体が用いられる。
【0053】第2実施例によれば、光チョッパ252を
用いてレーザービームLB2 を所定のタイミングでシャ
ッタ操作することにより、微小試料を逐次的に所定の角
度づつ回転させながら、各々の角度方向において結像さ
れた顕微鏡画像を表示すると共に、この画像をディジタ
ル的に記録、保存することができる。
【0054】この場合、多方向から見た微小試料の像が
外部記憶装置260に自動的に入力されてディジタル的
に保存されるので、顕微鏡観察終了後も、任意の角度方
向から見た画像を検索して再生させることができる。更
に、多方向から見たディジタル画像を用いて、CT再構
成などの様々な画像処理技術にも有益な画像を提供でき
る。
【0055】第2実施例におけるレーザービームLB2
のシャッタ機構は、光チョッパに代えて、電気光学効果
を利用したポッケルスセルあるいはカーセル等を用いて
もよい。
【0056】図10は第3実施例を示す。この実施例
は、レーザービームLB2 により微小試料を水平方向に
押し出すための二つの光学系を対向させて配置すること
により、微小試料の回転方向を切り替えるものである。
二つの光学系の各々は、第1または第2実施例における
レーザービームLB2 のための光学系と同様である。
【0057】図10において、第1及び第2実施例と同
様な構成要素については同様な参照符号を付して示す。
第1実施例と同様に、ハーフミラー214を通過するレ
ーザービームLB1 により微小試料が捕捉される。
【0058】TVカメラ230からの映像信号は、第1
または第2実施例と同様にTVモニタやフレームメモリ
に入力される。ハーフミラー214により反射されたレ
ーザービームLB2 はミラー262により反射され、可
動ミラー264へ向かう。可動ミラー264は、ミラー
方向制御機構266により、ミラー262の反射光路上
の位置と、符号264′で示すようにミラー262の反
射光路から外れた位置とに選択的に位置することができ
る。
【0059】ここで可動ミラー264がミラー262の
反射光路上に位置する場合、レーザービームLB2 は、
可動ミラー264により反射され、図示の左側の顕微鏡
鏡筒268a内に導かれる。次で、ミラー270aで反
射され、既に捕捉されている微小試料に対し、対物レン
ズ272aにより集光される。
【0060】一方、可動ミラー264がミラー262の
反射光路上から外れた位置264′に位置する場合、レ
ーザービームLB2 はミラー274により反射され、図
示の右側の顕微鏡鏡筒268b内に導かれて、ミラー2
70b及び対物レンズ272bにより微小試料に集光さ
れる。左顕微鏡鏡筒268aの対物レンズ272aと右
顕微鏡鏡筒268bの対物レンズ272bとは、同一軸
上で対向している。
【0061】顕微鏡鏡筒224の対物レンズ226の焦
点操作、ステージ244の操作、及びレーザービームL
2 の強度制御は、第1または第2実施例と同様な機構
及び制御系により実行されるが、図10では図示の簡略
化のために、それらの図示を省略する。また、ミラー方
向制御機構266に対する制御指令も上述の制御系によ
り実行される。
【0062】本実施例によれば、レーザービームLB2
を同一軸上で対向する対物レンズ272aと272bと
の何れかに導くことにより、微小試料に対して異なる方
向からレーザービームLB2 を照射することができる。
【0063】ここで対物レンズ226により集光される
レーザービームLB1 と、対物レンズ272aまたは2
72bにより集光されるレーザービームLB2 との光圧
力の関係を考えると、異なる方向からレーザービームL
2 を照射することにより、微小試料の回転方向が変わ
ることが解る。従って、観察者の所望により微小試料の
回転方向を選択することができ、より自由度の高い微小
操作が可能となる。
【0064】図11は第4実施例を示す。本実施例は、
微小試料の捕捉に用いられるレーザービームLB1 の空
間特性分布を非点対称とし、更にこの非点対称な空間特
性分布を回転制御することにより、微小試料をレーザー
ビームLB1 の光軸に対して回転制御する自由度を加え
たものである。
【0065】第1及び第2実施例と同様な構成要素につ
いては同様な参照符号を付して示す。TVカメラ230
からの映像信号は、第1または第2実施例と同様にTV
モニタやフレームメモリに入力される。
【0066】ハーフミラー214を通過したレーザービ
ームLB1 は、矩形フィルタ276を通過して顕微鏡鏡
筒224に導かれる。図12に示すように、矩形フィル
タ276は、その中心に矩形状の開口276aを有し、
レーザービームLB1 の空間強度分布を光軸に対して非
点対称な楕円状の分布に変換する。
【0067】レーザービームLB1 は楕円状の空間強度
分布に変換された状態で対物レンズ226により微小試
料上に集光され、微小試料が捕捉される。矩形フィルタ
276がモータ278により回転制御されることによ
り、レーザービームLB1 の楕円状強度分布も回転す
る。その結果、後述する原理に基づいて、微小試料は対
物レンズ226の光軸に対して垂直な直面で回転制御さ
れる。
【0068】ハーフミラー214で反射されたレーザー
ビームLB2 は、ミラー216と対物レンズ220によ
り微小試料上に集光され、第1実施例と同様に微小試料
を押し出す力を発生させる。それと同時に、対物レンズ
220及び対物レンズ226の光軸を含む面内で微小試
料を回転させる。
【0069】顕微鏡鏡筒224の対物レンズ226の焦
点操作、ステージ244の操作、及びレーザービームL
2 の強度制御は、第1または第2実施例と同様な機構
及び制御系により実行されるが、図11では図示の簡略
化のために、それらの図示を省略する。また、モータ2
78に対する制御指令も上述の制御系により実行され
る。
【0070】非点対称に変換された空間的特性分布を有
するレーザービームにより、非点対称な屈折率分布を有
する試料を捕捉することによって、試料を回転制御する
ことが可能になる。本実施例によれば、この原理に基づ
いて、微小試料の捕捉に用いられるレーザービームLB
1 により、微小試料をレーザービームLB1 の光軸に対
して回転制御することができる。
【0071】図13を参照して、上述の原理について更
に詳しく説明する。図11に示すような空間的に細長い
楕円形のレーザービームをレンズで集光し、屈折率分布
に異方性のある試料、例えば偏平な形状を有する試料に
照射すると、レーザ光と試料の長軸方向が一致するよう
な状態で試料が捕捉される。これは、レーザービームの
異方性に起因して、捕捉力も異方性を有することになる
結果、非点対称の屈折率分布を有する試料にとって上述
したような捕捉状態が力学的に安定になるためである。
従って、レーザービームの強度分布の長軸方向を回転さ
せると、それに伴って捕捉された試料も回転することに
なる。本実施例は、このような原理に基づいて微小試料
をレーザービームLB1 の光軸に対して回転させる自由
度を提供する。
【0072】図14に示すように、本実施例は、微小試
料に対してレーザービームLB2 を利用した対物レンズ
244の光軸244aに垂直な軸に対する回転操作と、
対物レンズ222の光軸220aに対する回転操作とが
可能であり、結果的に3次元的に全ての方向制御が可能
である。従って観察者は、微小試料をあらゆる方向から
観察することできる。
【0073】本発明は中心対称な屈折率分布を有する試
料に対しては適応が難しい。しかしながら、殆どの場
合、生体細胞などの微小物体は、その形状や内部構造に
より屈折率分布に異方性を有するので、本発明の適用範
囲は広いことが明らかである。
【0074】
【発明の効果】本発明の微小調整装置は、以下のような
効果を有する。 i)レーザによる光圧力は、生体細胞などの微小試料を
捕捉するのに好都合な大きさの力(レーザ強度1mWに
つきpN)を有するので、顕微鏡下で試料を微小操作す
るのに適している。しかも、捕捉力の制御は光強度の制
御により簡単に実行できる。
【0075】ii)対象物に非接触に微調整することが
できる上に、対象物に対して影響の少ない波長を選択す
ることにより、試料の機械的な損傷は殆ど生じない。ま
た、試料を捕捉するための第1のレーザービームに対し
て直交する第2のレーザービームを試料上に集光するこ
とにより、第1及び第2のレーザービームを含む面内に
おいて微小試料を回転制御することが可能にある。従っ
て、第1のレーザービームと共軸な光学顕微鏡により、
微小試料を任意の方向から観察することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光圧力の発生の原理を示すベクトル図である。
【図2】光トラッピングの原理を示すベクトル図であ
る。
【図3】微小試料の光圧力による移動の原理を示すベク
トル図である。
【図4】微小試料の光圧力による回転の原理を示すベク
トル図である。
【図5】本発明の第1実施例に係る微小操作装置を模式
的に示す図である。
【図6】図5の装置に使用されるNDフィルタを支持し
たターレットを示す平面図である。
【図7】第2実施例に係る装置を模式的に示す図であ
る。
【図8】図7の装置に使用される光チョッパを示す平面
図である。
【図9】図7の装置における光シャッタのタイミング
と、テレビカメラの露光のタイミングと、フレームメモ
リ装置のD/A変換のタイミングとの関係を示すタイミ
ングチャートである。
【図10】第3実施例に係る装置を模式的に示す図であ
る。
【図11】第4実施例に係る装置を模式的に示す図であ
る。
【図12】図11の装置に使用される矩形フィルタを示
す平面図である。
【図13】図11の装置による試料の回転制御の原理を
示す光路図である。
【図14】図11の装置による試料の回転動作を模式的
に示す図である。
【図15】従来の光学顕微鏡を示す側面図である。
【図16】従来の機械的な微調整装置を光学顕微鏡と共
に示す正面図である。
【符号の説明】
202…試料、222…水槽(容器)、LB1 …第1の
レーザービーム、LB2…第2のレーザービーム、23
4…NDフィルタターレット(調整手段)、252…光
チョッパ(調整手段)、276…矩形フィルタ(調整手
段)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−91545(JP,A) 特開 平5−2137(JP,A) 特開 平5−2136(JP,A) 特開 平5−296914(JP,A) 特開 平5−88107(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 21/32

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器内の液体に含まれた試料を、液体を
    通る光軸を有する顕微鏡光学系により観察する際に試料
    を微調整するための装置であって、 顕微鏡光学系の光軸と平行な光軸を有し、試料に対して
    第1のレーザービームを収束させるための第1の光学系
    と、 第1の光学系の光軸に対して直交する光軸を有し、試料
    に対して第2のレーザービームを収束させる第2の光学
    系と、 第1と第2とのレーザービームの相対強度を調整する調
    整手段と、を備える顕微鏡観察のための微調整装置。
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