JP3310939B2 - 金属製締結部材およびその製造方法 - Google Patents

金属製締結部材およびその製造方法

Info

Publication number
JP3310939B2
JP3310939B2 JP31138998A JP31138998A JP3310939B2 JP 3310939 B2 JP3310939 B2 JP 3310939B2 JP 31138998 A JP31138998 A JP 31138998A JP 31138998 A JP31138998 A JP 31138998A JP 3310939 B2 JP3310939 B2 JP 3310939B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
shaft
nut
fastening member
metal fastening
groove
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP31138998A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH11241713A (ja
Inventor
豊 永山
Original Assignee
永山電子工業株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 永山電子工業株式会社 filed Critical 永山電子工業株式会社
Priority to JP31138998A priority Critical patent/JP3310939B2/ja
Priority to CA002254634A priority patent/CA2254634C/en
Priority to US09/201,489 priority patent/US6139237A/en
Priority to IT1998MI002727A priority patent/IT1304120B1/it
Priority to AU97200/98A priority patent/AU755572B2/en
Priority to GB9828232A priority patent/GB2334317B/en
Priority to DE19859208A priority patent/DE19859208B4/de
Priority to FR9816219A priority patent/FR2773198B1/fr
Publication of JPH11241713A publication Critical patent/JPH11241713A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3310939B2 publication Critical patent/JP3310939B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16BDEVICES FOR FASTENING OR SECURING CONSTRUCTIONAL ELEMENTS OR MACHINE PARTS TOGETHER, e.g. NAILS, BOLTS, CIRCLIPS, CLAMPS, CLIPS OR WEDGES; JOINTS OR JOINTING
    • F16B37/00Nuts or like thread-engaging members
    • F16B37/04Devices for fastening nuts to surfaces, e.g. sheets, plates
    • F16B37/048Non-releasable devices
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21DWORKING OR PROCESSING OF SHEET METAL OR METAL TUBES, RODS OR PROFILES WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21D53/00Making other particular articles
    • B21D53/24Making other particular articles nuts or like thread-engaging members

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、中空の軸部の一
方端から外方へ張出すフランジ部を有する、Tナットや
リベット等の金属製締結部材、および、そのような金属
製締結部材の製造方法に関し、特に、フランジ部とは反
対側の軸部の端部においてかしめが予定された比較的薄
肉の部分を含む金属製締結部材およびその製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】軸部にかしめが予定された薄肉部を有す
る従来のTナットとして、たとえば特開平4−3416
06号公報あるいは特開平6−323315号公報に示
されたものがある。
【0003】上記特開平4−341606号公報に記載
のTナット11は、図40(a)(b)に示す形状を有
し、たとえば鉄系の金属板を板金加工することにより一
体に得られるもので、軸部12およびこの軸部12の第
1の端部から外方へ張出すフランジ部13を備える。
【0004】軸部12は外径が一様な中空の筒状をな
し、その第1の端部とは反対側の第2の端部において、
かしめ予定部分14を有し、かつ、かしめ予定部分14
を除く雌ねじ形成部15の内周面上には、雌ねじ15a
が形成されている。かしめ予定部分14は、雌ねじ形成
部15が形成された部分に比べて肉薄とされる。これに
より、雌ねじ15aを形成する場合、ねじ切りを軸部1
2の第1の端部側あるいは第2の端部側のいずれからで
も行なうことができる。
【0005】フランジ部13には、フランジ部13の外
周縁の一部を外方から内方へ向かって押しつぶすことに
より形成れた2個の爪16が、180度対向して、軸
部12の第2の端部に向かって突出するように設けられ
ている。フランジ部13の外周縁には、爪16が形成さ
れた結果、断面ほぼ半円の切欠き17が残されている。
【0006】このようなTナット11は、たとえば図4
2(a)に示すように使用される。すなわち、図42
(a)を参照して、予め貫通孔18が設けられた、樹脂
材料や木材からなる固着対象物19に、まず軸部12が
挿入され、この状態で、かしめ機により、かしめ予定部
分14にかしめ加工が施され、固着対象物19の一方の
面側においてかしめ部分14aが形成される。このとき
同時に、爪16の固着対象物19の他方の面に食込む状
態とされる。このようにして、Tナット11の固着対象
物19への固定が完了する。
【0007】特開平6−323315号公報に記載のT
ナット31は、図41(a)(b)に示す形状を有し、
上記Tナット11と同様に、たとえば鉄系の金属板を板
金加工することにより一体に得られるもので、軸部32
およびこの軸部32の第1の端部から外方へ張出すフラ
ンジ部33を備え、前記軸部32の内周には雌ねじ36
が形成された雌ねじ形成部分35を有し、かつかしめ予
定部分34を有している。Tナット31の構造がTナッ
ト11の構造と異なるのは、フランジ部33の外周部
に、第1の端部から第2の端部へ向く方向に延びる2対
の爪37および38,39および40がフランジ部33
の径方向に対向して配置され、フランジ部33が全体と
して実質的に八角形の形状をなしている点である。
【0008】このようなTナット31は、通常、「ホッ
パーフィードTナット」と呼ばれている。なぜなら、T
ナット1は、これを固着対象物に固着するためのナット
固着機に備える供給トラックに沿って円滑に移動させる
ことができ、Tナットを自動的に供給することができる
ためである。なお、ホッパーフィードTナットの一形式
の詳細は、たとえば、英国特許第1,157,734号
明細書に記載されている。
【0009】図41(b)には、上述したような供給ト
ラック43が想像線で示されている。供給トラック43
は、互いに対向するように対称的に配置された、断面C
字状の1対の案内レール44および45を備える。これ
ら案内レール44および45の各々によってフランジ部
33が受入れられ、かつ、これら案内レール44および
45の間に爪37〜40を位置させながら、Tナット3
1が所定の姿勢で供給トラック43に沿って移動され
る。供給トラック43は、図示しないが、しばしば曲げ
られ、それによって、Tナット1を所望の姿勢にもたら
し、図示しない固着対象物に設けられた穴に軸部32が
整列するようにされる。
【0010】このようなTナット31は、たとえば、図
42(b)に示すように、Tナット11の場合と同様の
態様で用いられる。すなわち、固着対象物19の貫通孔
18に、Tナット31の軸部32が挿入され、この状態
で、かしめ機によりかしめ予定部分34にかしめ加工が
施され、固着対象物19の一方面側においてかしめ部分
34aが形成される。このとき同時に、爪37〜40が
固着対象物19の他方面に食込む状態とされる。
【0011】このようなTナット31の取付状態におい
て、Tナット31が固着対象物19に対して回転するこ
とを爪37〜40が禁止するとともに、フランジ部33
とかしめ部分34aとが固着対象物19を挟むことによ
って、Tナット31が貫通孔18から抜けることを禁止
する。したがって、Tナット31は、固着対象物19に
対して強固に固定されるとともに、その固定状態は、半
永久的に維持される。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】記従来のTナット1
1およびTナット31のいずれの場合も、一旦固着対象
物19にかしめ固定されてしまうと、その固着強度が極
めて高いため、固着対象物19への固着を解除して取り
外すことが困難になる。このことは、Tナット11ある
いはTナット31を適用した製品の強度を高く保持する
という意味においては好ましいことである。
【0013】しかしながら、その製品自体が用済みとな
って、固着対象物19を構成する材料を回収してリサイ
クル使用するためには、Tナット11あるいはTナット
31を固着対象物19から取り外して分離する必要があ
る。このリサイクル使用は、固着対称物19を構成する
材料が樹脂の場合に特に強く要請されるものであり、固
着対象物19に一旦かしめ固定した製品の用済み後のリ
サイクル使用において、固着対称物19の分離回収を容
易に行なえるTナットの実現が望まれていた。
【0014】このような、リサイクル使用のための分離
回収の容易化に対する要請は、固着対象物にかしめ固定
される金属製締結部材であれば、Tナットに限らず、リ
ベット等のように軸部内周面に雌ねじを設けない部材で
あっても同様に存在した。
【0015】上記従来の問題点を解消するため本発明
は、かしめ固定状態での固着対象物に対する固着強度を
損なうことなく、製品の用済み後において、固着対象物
から容易に分離可能な、かしめ予定部を備えた金属製締
結部材の構造およびその製造方法を提供することを目的
とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記従来の課題を解決す
る本発明の金属製締結部材は、筒条の軸部および該軸部
の第1の端部から外方へ張出すフランジ部を備え、前記
軸部は、前記第1の端部とは逆の第2の端部においてか
しめが予定されたかしめ予定部と、該かしめ予定部に連
続し前記第の端部側に延びる軸本体部とを有する、一
体の金属材料からなる金属製締結部材であって、前記か
しめ予定部のかしめにより折り曲げられる領域よりも前
記フランジ部側の、前記軸部の周をなす略環状の領域内
に、被固着対象部材へのかしめ固定状態にある使用状態
において作用する軸方向力に対しては破断しない強度を
保持するとともに、軸方向に所定の大きさ以上の引っ張
り力を作用させることにより破断して、前記軸部を2つ
に分離することを可能にする、前記軸部の肉厚を部分的
に薄くした薄肉部を設けたものである。
【0017】このような構造を有する本発明の金属製締
結部材によれば、固着対象物にかしめ固定された状態に
おいて、軸部に設けられた薄肉部に、軸部の中心軸方向
に引っ張り応力を作用させるような治具を用いることに
より、この部分で破断させて金属製締結部材を容易に2
つに分離させることができる。その結果、フランジ部と
かしめ部とによって固着対象物の上下面から挟み付けて
固定されていた金属製締結部材は、固着対象物から容易
に取り外し可能になる。
【0018】このように、固着対象物からの取り外しが
容易に行なえることにより、本発明の金属製締結部材を
かしめ固定した製品が用済みとなった後において、当該
製品を構成する固着対称物の分離回収を容易に行なうこ
とができ、リサイクル使用を促進することができるとい
う特有の効果を有する。
【0019】また、本発明の金属製締結部材を固着対象
物にかしめ固定した状態においては、フランジ部に設け
られた爪が固着対象物に埋め込まれることなどにより強
固に固定され、また、当該固着対象物が構成要素となる
製品の使用時において雄ねじを螺合して締結した状態
で、当該雄ねじの締結力は、主として雌ねじ形成部に圧
縮応力として作用する。そのため、通常金属製締結部材
の軸部には大きな引っ張り応力は発生しない。したがっ
て、軸部に薄肉部を設けることによる強度の低下に起因
して、実質的な固着強度の劣化を生じることはない。
【0020】薄肉部を設ける手段として、たとえば、前
記軸部の前記略環状の領域内の外周面および内周面の少
なくともいずれかに、部分的に前記軸部の肉厚が薄くな
るように、周方向に延びるように設けられた溝を有す
る。このような溝は、全周に渡って連続して設けられて
もよく、また、少なくとも一部において不連続部を有す
るように設けてもよい。薄肉部を設ける他の手段とし
て、前記軸部の前記略環状の領域内の外周面および内周
面の少なくともいずれかに、周方向に断続的に点在する
窪みを設けてもよい。
【0021】前記溝は、前記かしめ予定部と前記軸本体
部との境界近傍の前記軸部の内周および外周の少なくと
も一方に設けられることが好ましい。また、前記溝が、
前記かしめ予定部と前記軸本体部との境界近傍の前記軸
部の内周および外周の両方に、互いに略対向するように
設けてもよい。
【0022】このように、薄肉部が、前記かしめ予定部
と前記雌ねじ形成部との境界近傍の前記軸部外周に設け
られている。このような構造を有することにより、かし
め予定部のほぼ全長にわたってかしめのための曲げの対
象とすることができる。また、前記かしめ予定部と前記
雌ねじ形成部との境界の段差部において最も肉厚の薄い
部分が形成されるため、固着対象物からの取り外し時に
おいて比較的破断を生じさせやすく、リサイクルのため
の回収時の分離作業が容易となり、好都合である。
【0023】さらに、薄肉部がこのような位置に設けら
れていることにより、固着対象物にかしめ固定された状
態で、次のような手法で金属製締結部材を固着対象物か
ら取り外すことができる。すなわち、かしめられた第2
の端部側から円柱状の治具を圧入するとともに、この治
具の上端をハンマー等で打ちつけることにより、当該治
具の下端が雌ねじ形成部の上端を押し付ける。その押付
け力により軸部に作用する張力によって、薄肉部が設け
られた最も肉厚が薄い部分に大きな引っ張り応力が作用
し、この部分で破断が生じて金属製締結部材が2つに分
離される。その結果、分離された第1の端部側半分、す
なわち雌ねじ形成部およびフランジ部を含む部分は、治
具の下端部によって下方へ押し下げられ、固着対象物か
ら取り外される。その後治具を上方へ引き抜くことによ
り、当該治具と締まり嵌めの嵌合状態にある第2の端部
側半分は、治具とともに固着対象物から分離される。
【0024】また、本発明の金属製締結部材の薄肉部
は、かしめられた状態において曲げ変形が生じる部分よ
りも前記雌ねじ形成部側寄りの位置の、前記かしめ予定
部の外周および内周のいずれか一方または両方に設ける
ことも可能である。このような位置に薄肉部を設けるこ
とによっても、上述の請求項2の構造の場合と同様の手
法で、円柱状の治具を用いて、固着対象物からの金属製
締結部材の取り外しを行なうことができる。
【0025】さらに、本発明の金属製締結部材の薄肉部
は、雌ねじ形成部の前記軸部外周に設けることも可能で
ある。この場合には、固着対象物にかしめ固定された状
態で、かしめ部またはフランジ部と固着対象物の面との
当接部に楔状の治具を食い込ませることなどによって、
軸部に引っ張り応力を作用させることにより凹部に破断
を生じさせて、金属製締結部材を2つに分離し、固着対
象物から取り外すことができる。
【0026】この場合において、雌ねじ形成部の内周の
一部において、軸部が延びる方向に所定の幅に渡って窪
んだ、雌ねじが形成されていない比較的薄肉の領域を設
けた構造とし、この比較的薄肉の領域の外周に薄肉部を
形成することもできる。この場合、薄肉部は、比較的浅
くかつ細いものであっても,その部分の最小肉厚を十分
小さくできるため、リサイクルのための回収時に容易に
取り外すことを可能にするという目的を達成可能であ
る。
【0027】また、上述のような薄肉部を設ける代わり
に、雌ねじ形成部に対して相対的に、かしめ予定部の内
外径を縮小または拡大するように成形することにより、
軸部の径方向に引き延ばされて形成された、かしめ予定
部と雌ねじ形成部との境界の全周にわたる環状の薄肉部
を有する構造によっても、固着対象物にかしめ固定され
た状態で、かしめ部またはフランジ部と固着対象物の面
との当接部に楔状の治具を食い込ませることなどによっ
て、軸部に引っ張り応力を作用させ、環状の薄肉部に破
断を生じさせて、金属製締結部材を2つに分離し、固着
対象物から取り外すことができる。
【0028】本発明の金属製締結部材の好ましい実施例
においては、前記溝が、所定幅の略平坦な底面を有す
る。このように、溝が所定幅の略平坦な底面を有するこ
とにより、プレス成形において加工動作がわずかに変動
したとしても、溝の底面の幅が多少ばらつく程度であっ
て、その深さにはほとんどばらつきを生じることがな
い。その結果、所望の軸部の最小肉厚を安定して得るこ
とができる。また、かしめ予定部がかしめられた状態に
おいて、かしめにより折り曲げられた部分のフランジ側
の端部位置が、溝の底面の位置と重複するように設定し
易くなる。このように、かしめにより折り曲げられた部
分のフランジ側の端部位置と、溝の底面の位置とを重複
させることによって、回収時の分離作業において比較的
容易に切り離しを行なうことができるという利点があ
る。
【0029】本発明は、前記軸本体部の内周の少なくと
も一部の領域に雌ねじが形成された、いわゆるTナット
に好適に適用される。このようなTナットの場合には、
前記軸本体部の内周の一部において、前記軸部が延びる
方向に所定の幅に渡って窪んだ、雌ねじが形成されてい
ない比較的薄肉の領域を有する構造とし、前記溝を、該
比較的薄肉の領域の前記軸部の外周または内周に設ける
ことも可能である。
【0030】軸部に薄肉部を形成するさらに他の手段と
して、前記軸本体部に対して相対的に、前記かしめ予定
部の内外径を少なくとも部分的に縮小または拡大するよ
うに成形することにより、前記軸部の径方向に引き延ば
されて形成された、前記かしめ予定部と前記軸本体部と
の境界において周方向に延びるように設けられた薄肉部
を有する構造としてもよい。
【0031】本発明の金属製締結部材の製造方法は、筒
条の軸部および該軸部の第1の端部から外方へ張出すフ
ランジ部を備え、前記軸部は、前記第1の端部とは逆の
第2の端部においてかしめが予定されたかしめ予定部
と、該かしめ予定部に連続し前記第2の端部側に延びる
軸本体部とを有する、一体の金属材料からなる金属製締
結部材の製造方法であって、金属板の前記フランジ部と
なるべき部分の中心部を、該金属板の一方の主面側へ膨
出させることにより、前記軸部となるべき膨出部を形成
する工程と、前記膨出部の先端面部に貫通穴を形成する
工程と、前記膨出部の前記かしめ予定部を形成する部分
に相当する先端部の肉厚を、前記軸本体部を形成する部
分に相当する基部の肉厚より薄くするとともに、前記先
端部の内径を前記基部の内径よりも小さくする工程
(A)と、前記基部の肉厚をほぼ維持しながら、前記先
端部の外径と前記基部の外径とを近づけるように、前記
先端部および前記基部の少なくとも一方を径方向に変形
させる工程(B)とを備える。
【0032】本発明の好ましい実施例においては、前記
工程(B)は、前記先端部と前記基部との境界近傍の略
環状の領域の少なくとも内周に、周方向に延びる溝が形
成されるように行なわれる。また、本発明の他の好まし
い実施例においては、前記工程(B)は、前記先端部と
前記基部との境界近傍の略環状の領域の内周および外周
の両方に、周方向に延びる溝が形成されるように行なわ
れる。
【0033】前記工程(A)は、好ましくは、前記基部
の変形を規制しながら、前記先端部の外径および内径を
縮小する工程を含む。また、前記工程(B)は、好まし
くは、前記先端部の変形を規制しながら、前記基部の外
径および内径を縮小する工程を含む。さらに、前記工程
(B)の後、前記先端部に対して、前記軸部の中心軸方
向の押圧力を作用させる工程をさらに備えることが好ま
しい。
【0034】このような工程を備えることにより、本発
明の金属製締結部材の製造方法によれば、リサイクル使
用の際の取り外しを容易にするための薄肉部を備えた金
属製締結部材を、製造コストを増加させることなく、ま
た量産性を損なうことなく効率的に製造することを可能
にする。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面に基づいて説明する。
【0036】(実施の形態1)本発明の実施の形態1に
おけるTナット51は、図1(a)(b)に示すよう
に、その軸部12およびフランジ部13の形状は、図4
0を用いて説明された特開平4−341606号公報に
記載の従来のTナット11と基本的に同一であるため、
共通の構成要素については同一の参照番号を付して、そ
の詳細な説明を省略する。
【0037】本実施の形態のTナット51が上記従来の
Tナット11と異なるのは、かしめ予定部14と雌ねじ
形成部15との境界部の軸部12外周に、その全周にわ
たって、環状の環状溝20を設けている点である。この
環状溝20の横断面形状は、たとえば図3(a)(b)
(c)にそれぞれ拡大して示すようなU字状,V字状あ
るいはコの字状など、Tナットの材質や、それに伴う加
工特性、あるいは引っ張り強度6などの機械的特性に応
じて適宜選定される。
【0038】このような構造を有する本発明のTナット
51は、図4(a)に示すように、予め貫通孔18が設
けられた、樹脂材料や木材からなる固着対象物19に、
まず軸部12が挿入され、この状態で、かしめ機によ
り、かしめ予定部分14にかしめ加工が施され、固着対
象物19の一方の面側においてかしめ部分14aが形成
される。このとき同時に、爪16の固着対象物19の他
方の面に食込む状態とされ、Tナット51は固着対象物
19に対して強固に固定される。
【0039】固着対象物19が構成要素となる製品にお
いては、Tナット51がかしめ固定された状態で、その
雌ねじ形成部15の雌ねじに雄ねじを螺合して締結する
ことにより、他の部材が固着対象物19に接合される。
雌ねじ形成部15の雌ねじに雄ねじを締結した状態で、
当該雄ねじの締結力は、主として雌ねじ形成部15に圧
縮力として作用する。そのため、通常Tナットの軸部に
は大きな引っ張り応力は発生しない。したがって、軸部
に環状溝を設けることによる強度の低下に起因して、実
質的な固着強度の劣化を生じることはない。
【0040】次に、Tナット51がかしめ固定された固
着対象物19が構成する製品が用済みあるいは寿命を終
えて、リサイクル使用のために回収される際に、Tナッ
ト51を固着対象物19から分離する手法について、図
5を参照しながら説明する。
【0041】まず、図5(a)に示すように、Tナット
51のかしめ部14a側から、かしめ予定部14のかし
める前の状態での内径よりもわずかに大きな外形を有す
る円柱状の治具170の下端側を圧入する。治具170
の下端が、かしめ予定部14と雌ねじ形成部15との境
界の段差部に当接した状態で、治具170の上端をハン
マー等で打ち付けて、図5(a)に示す力Fを作用させ
る。この力Fにより、かしめ予定部14と雌ねじ形成部
15との境界の環状溝20を設けた軸部外周位置の、肉
厚が最も薄くなっている箇所に応力集中が生じて大きな
引っ張り応力が発生しする。その結果環状溝20におい
て破断が生じ、Tナット51が図5(b)に示すように
2つに分割され、治具170の下端によって、雌ねじ形
成部15およびフランジ部13を含むTナット51の下
半分が押し下げられ、固着対象物19から取り外され
る。かしめ部14aを含むTナット51の上半分は、治
具170を上方へ引き抜く際に、治具170に嵌合され
た状態で、固着対象物19の貫通孔18から取り外され
る。
【0042】このように、本実施の形態のTナット51
によれば、固着対象物19からの取り外しが容易に行な
えることにより、Tナット51をかしめ固定した製品が
用済みとなった後において、当該製品を構成する固着対
称物の分離回収を容易に行なうことができ、固着対象物
19のリサイクル使用を促進することができる。
【0043】また、本実施の形態のTナット51におい
ては、環状溝20がかしめ予定部14と雌ねじ形成部1
5との境界に設けられているため、かしめ予定部14の
ほぼ全長にわたってかしめの曲げの対象とした場合にお
いても、上述のような治具170による取り外しの手法
が適用できる。また、前記かしめ予定部と前記雌ねじ形
成部との境界の段差部において最も肉厚の薄い部分が形
成されるため、固着対象物からの取り外し時において、
その部分への応力集中がより顕著となって比較的破断を
生じさせやすく、リサイクルのための回収時の分離作業
が容易となり、好都合である。このようなリサイクル使
用のための回収は、特に固着対象物19がプラスチック
からなる場合に、より強く要請される。
【0044】(実施の形態2)本発明の実施の形態2に
おけるTナット61は、図2(a)(b)に示すよう
に、その軸部32およびフランジ部33の形状は、図4
1を用いて説明された特開平6−323315号公報に
記載の従来のTナット31と基本的に同一であるため、
共通の構成要素については同一の参照番号を付して、そ
の詳細な説明を省略する。
【0045】本実施の形態のTナット61が上記従来の
Tナット31と異なるのは、かしめ予定部34と雌ねじ
形成部35との境界部の軸部32外周に、その全周にわ
たって、環状の環状溝50を設けている点である。ま
た、このTナット61の構造は、そのフランジ部33が
実質的に八角形をなすとともに、フランジ部33の外周
部に、第1の端部から第2の端部へ向く方向に延びる2
対の爪37および38,39および40がフランジ部3
3の径方向に対向して配置された、いわゆる「ホッパー
フィードTナット」である点を除いて、上記実施の形態
1におけるTナット51と同様である。したがって、環
状溝50の横断面形状についても、環状溝20の場合と
同様に、たとえば図3(a)(b)(c)にそれぞれ拡
大して示すようなU字状,V字状あるいはコの字状な
ど、Tナットの材質や、それに伴う加工特性、あるいは
引っ張り強度6などの機械的特性に応じて適宜選定され
る。
【0046】また、固着対象物19の貫通孔18へのか
しめ固定の態様も、図4(b)に示すように、2対の爪
37,38,39および40が固着対象物19の下面側
からより奥深くまで食い込んで、その抜け止めの効果が
より強固であることを除いて、上記実施の形態1のTナ
ット11の場合と同様である。したがって、固着対象物
19のリサイクル使用に際しての取り外しにおいても、
図5に示した実施の形態1の場合と同様に、治具170
を用いた手法を適用することができる。
【0047】(実施の形態3)上記各実施の形態のTナ
ット51,61においては、環状溝20,50を、かし
め予定部14,34と雌ねじ形成部15,35との境界
近傍の軸部12,32外周に設けていたが、そのような
環状溝20,50を設ける位置はそれに限られるもので
はない。より具体的には、図6(a)に2点鎖線で示す
ように、かしめ予定部14,34の開放端側の一部のみ
がかしめにより曲げられる場合には、環状溝20,50
を、かしめ予定部14,34と雌ねじ形成部15,35
との境界よりもかしめ予定部14,34側に設けてもよ
い。このような位置に環状溝を設けた場合においても、
図5を参照して説明した手法で固着対象物19からの取
り外しを行なうことが可能である。
【0048】また、このようにかしめ予定部14に環状
溝を設ける場合には、軸部12,32の外周ではなく、
図6(b)に示すように軸部12,32の内周に設けて
も、あるいは図6(c)に示すように軸部12,32の
内外周の両側に対向させて設けても、同様の効果を発揮
させることができる。
【0049】(実施の形態4)上記各実施の形態におい
ては、環状溝20,50を、かしめ予定部14,34と
雌ねじ形成部15,35との境界近傍あるいはかしめ予
定部14,34の軸部12,32外周に設けていたが、
そのような環状溝20,50を設ける位置はそれに限ら
れるものではなく、図7(a)に示すように、環状溝2
0,50を雌ねじ形成部15,35の外周に設けること
も可能である。
【0050】このように環状溝20,50を雌ねじ形成
部15,35の外周に設ける場合には、図5に示したよ
うな取り外し手法は適用できないが、この場合には、固
着対象物19にかしめ固定された状態で、かしめ部14
a,34aまたはフランジ部13,33と固着対象物1
9の面との当接部に楔状の治具を食い込ませることなど
によって、軸部に引っ張り応力を作用させ,環状溝に破
断を生じさせて、Tナットを2つに分離し、固着対象物
から取り外すことができる。
【0051】本実施の形態のように、環状溝20,50
を雌ねじ形成部15,35の外周に設ける場合には、変
形例として、図7(b)に示すように、雌ねじ形成部1
5,35の内周の一部において、軸部が延びる方向に所
定の幅に渡って窪んだ、雌ねじが形成されていない比較
的薄肉の領域15b,36bを設けた構造とし、この比
較的薄肉の領域15b,36bの外周に環状溝20,5
0を形成することもできる。この場合、環状溝20,5
0は、比較的浅くかつ細いものであっても,その部分の
最小肉厚を十分小さくできるため、リサイクルのための
回収時に容易に取り外すことを可能にするという目的を
達成可能である。
【0052】上記実施の形態3および4のいずれの場合
においても、環状溝の横断面形状は、図3(a)(b)
(c)にそれぞれ拡大して示すような形状を適宜適用可
能である。また、上記各実施の形態においては、フラン
ジ13,33の形状として、丸形、八角形としたが、軸
部12,32に環状溝20,50を形成することによっ
てリサイクル使用のための分離や取り外しを容易にする
という本発明の技術思想は、フランジが他のいかなる形
状を有していたとしても同様に適用可能であることは、
言うまでもない。
【0053】(実施の形態5)以上説明した実施の形態
においては、すべて、軸部12,32に環状溝20,5
0を形成することによって、部分的に環状の薄肉部を形
成したが、環状の薄肉部を形成する手段として、図8
(a)(b)に示すように、かしめ予定部34の内外径
を縮小するように絞ることにより、軸部32の径方向に
引き延ばすことにより、かしめ予定部34と雌ねじ形成
部35との境界の全周にわたる環状の薄肉部70を形成
することも可能である。
【0054】このような構造によっても、固着対象物に
かしめ固定された状態で、かしめ部またはフランジ部と
固着対象物の面との当接部に楔状の治具を食い込ませる
ことなどによって、軸部に引っ張り応力を作用させ、環
状の薄肉部に破断を生じさせて、Tナットを2つに分離
し、固着対象物から取り外すことができる。
【0055】また、図8に示した構造では、かしめ予定
部34の内外径を縮小するように絞ることにより、軸部
32の径方向に引き延ばすこととしたが、逆に、かしめ
予定部34の内外径を拡大するように成形することによ
り、軸部32の径方向に引き延ばすことによっても、同
様の目的を達成する環状の薄肉部を形成可能することが
できる。すなわち、雌ねじ形成部35に対して相対的
に、かしめ予定部34の内外径を縮小または拡大するよ
うに成形して、軸部32の径方向に引き延ばされた環状
の薄肉部を、かしめ予定部34と雌ねじ形成部35との
境界の全周にわたって形成すればよい。
【0056】(実施の形態6)次に、本発明の実施の形
態6のナット81の構造を、図9(a)を参照して説明
する。図9(a)において、上記実施の形態2のTナッ
ト61と同一または対応する要素については、図2
(a)と同じ参照番号を付して、その説明を省略する。
【0057】本実施の形態は、米国特許第5,618,
144号公報に示されたTナットに本発明を適用したも
のである。本実施の形態のTナット81は、いわゆるリ
ベットタイプのTナットである点で上記各実施の形態の
Tナットと共通するが、そのかしめ予定部の形状が、他
の実施の形態とは異なっている。すなわち、本実施の形
態のTナット81は、図9(a)に示すように、軸部3
2のかしめ予定部134が、雌ねじ形成部35の内径よ
りも大きな内径と、雌ねじ形成部35の外径よりも大き
な外径とを有している。
【0058】かしめ予定部134と雌ねじ形成部35と
の境界近傍の軸部32外周には、上記実施の形態2の場
合と同様の環状溝50が、その全周にわたって形成され
ている。この環状溝50の目的、具体的形状、リサイク
ル使用に際しての取り外し方法については、実施の形態
2における環状溝50に関する説明がそのまま適用可能
である。
【0059】図9(b)には、本実施の形態の一変形例
のTナット91の構造を示している。この変形例のTナ
ット91は、軸部32のかしめ予定部134が、雌ねじ
形成部35の内径よりも大きな内径と、雌ねじ形成部3
5の外径よりも大きな外径とを有している点で、図9
(a)に示したTナット81と共通する。Tナット91
がTナット81と異なるのは、かしめ予定部134と雌
ねじ形成部35との境界近傍の軸部32外周に、環状溝
50に代えて、上記実施の形態5の場合と類似の環状の
薄肉部70が設けられている点である。
【0060】Tナット91の環状の薄肉部70は、かし
め予定部34の内外径を拡大するように絞って、軸部3
2の径方向に引き延ばすことにより、形成可能である。
この環状の薄肉部70を有することによる作用は、上記
実施の形態5において説明したTナット81の環状の薄
肉部70の場合と同様である。
【0061】なお、上記実施の形態1〜6において、本
発明を軸部の内周面に雌ねじを形成したTナットに適用
した構造例を示したが、いずれの実施の形態において
も、かしめ予定部を除く軸本体部の内周面に雌ねじを形
成しない状態で、リベットとして使用することが可能で
あることは言うまでもない。
【0062】(実施の形態7)次に、本発明の実施の形
態7のTナット101の構造について、図10(a)に
基づいて説明する。本実施の形態のTナット101は、
図10(a)に示すように、その軸部32およびフラン
ジ部33の形状は、上記実施の形態2のTナット61と
基本的に同一であるため、図10(a)において、上記
実施の形態2のTナット61と同一または対応する要素
については、図2(a)と同じ参照番号を付して、その
説明を省略する。
【0063】本実施の形態のTナット101が上記実施
の形態2のTナット61と異なるのは、軸部32の外周
に設けられた環状の環状溝150aに加えて、この環状
溝150aとほぼ対向する位置の軸部32内周にも、環
状溝150aよりも横断面の大きい、略V字状の環状の
環状溝150bを設けた点である。この環状溝150
は、かしめ予定部34と雌ねじ形成部35との境界に形
成されており、環状溝150aと環状溝150bとが対
向する位置において、軸部32の肉厚が最も薄くなって
いる。したがって、板材の下穴にかしめ固定された状態
から、図5(a)(b)に示した方法と同様に板材から
取り外す場合には、この肉厚が最も薄くなった部分で軸
部32が破断して分離することにより、容易に回収され
る。
【0064】図10(b)には、Tナット101の雌ね
じ形成部35に対応する軸本体部135の内周面に雌ね
じを形成していない点を除いて、Tナット101と同一
の構造を有するリベット111の縦断面が示されてい
る。このリベット111は、たとえば、複数枚の板材を
重ねてボルトで締結する場合において、ボルトを通すた
めの強化された穴として使用することができる。このよ
うな構造を有するリベット111は、Tナット101と
同様に、板材の下穴にかしめ固定されて使用され、取り
外しの際には、やはり図5(a)(b)に示した方法と
同様に破断させて、容易に回収することができる。
【0065】次に、Tナット101あるいはリベット1
11のような構造を有する金属製締結部材の、かしめ予
定部34および環状溝150a,150bを形成する方
法について、図11〜図14を用いて説明する。
【0066】上述のTナット101あるいはリベット1
11は、次のように製造される。図11を参照して、た
とえば鉄系材料からなる、長手の帯状の金属板201が
用意される。この金属板201は、矢印202で示すよ
うに、その長手方向に所定のピッチずつ間欠的に順送り
されながら、各停止位置において、それぞれ所望の加工
が施される。
【0067】まず、金属板201には、フランジ部33
となるべき部分203の位置を決めるため、当該部分2
03の周囲に切込み204が形成される。これら切込み
204は、部分203に対して以後の種々の加工が施さ
れる間、部分203が金属板201の他の部分によって
保持された状態を維持するため、部分203の全周にわ
たって設けられるのではなく、部分203の周囲の複数
箇所と金属板201の残りの部分との間で変形可能な連
結部分が形成されるように設けられる。
【0068】次いで、上述したフランジ部33となるべ
き部分203の中心部を、金属板201の下方主面側へ
膨出させるべく、金属板201に対して絞り加工が施さ
れる。この絞り加工は、複数段階に分けて実施され、そ
の最終段階である、図11に示した加工ステーション
[a]において、軸部32となるべき膨出部205が形
成される。なお、このような膨出部205は、切込み2
04によって囲まれた部分203の材料の一部をもって
形成されるので、切込み204の間隔は拡げられる。
【0069】次に、加工ステーション[b]において膨
出部205の先端面部に貫通穴206が設けられた後、
図11に示した加工ステーション[c]〜[g]におい
て、かしめ予定部34に対応する比較的肉薄の先端部2
21が形成される。図12には、加工ステーション
[a]〜[c]において施される加工の詳細が、図13
には、加工ステーション[d]〜[g]において施され
る加工の詳細がそれぞれ拡大して示されている。
【0070】図12および図13に示すように、金属板
201の下方には成形ダイ207が配置され、上方には
クランプダイ208が配置される。成形ダイ207およ
びクランプダイ208は、同期して、金属板201に対
して近接・離隔するようにされる。各加工ステーション
に関連して、成形ダイ207側にはノックアウト211
a〜211gが保持され、クランプダイ208側にはポ
ンチ212a〜212gが保持される。
【0071】各加工ステーションにおける加工に際して
は、成形ダイ207とクランプダイ208との間に金属
板201がクランプされた状態で、ノックアウト211
a〜211gの各々が膨出部205の下端面に当接しな
がら、ポンチ212a〜212gの各々が膨出部201
の内周側に突入される。このような成形ダイ207、ク
ランプダイ208、ノックアウト211a〜211gお
よびポンチ212a〜212gの動作が達成されるごと
に、金属板201が矢印202(図11)で示すように
順次間欠的に送られ、膨出部205の各々に対して順次
所望の加工が施される。
【0072】図12の最も左側に示した加工ステーショ
ン[c]では、膨出部205のかしめ予定部34に相当
する先端部221の外径を、雌ねじ形成部32あるいは
軸本体部132に相当する基部222の外径に比べて小
さくすることにより、先端部221の肉厚を基部222
の肉厚よりも薄くされる。より具体的には、成形ダイ2
07には、大径部223,傾斜部224および小径部2
25からなる鍛造面226が設けられていて、この鍛造
面226の大径部223によって基部222の拡大を規
制するとともに、ポンチ212cによって先端部221
の内径の縮小を規制しながら、鍛造面226の傾斜部2
24および小径部225によって先端部221の外径が
縮小されることにより、先端部221の肉厚を薄く絞ら
れる。
【0073】ここで、ポンチ212cの外径は、基部2
22の内径よりもわずかに大きく設定されている。その
結果として、鍛造面226の傾斜部224によって形成
される軸部32の外周面の段差部にほぼ対向する位置の
内周面にも、段差部が形成される。
【0074】また、先端部221の絞り加工に際して金
属板201の表面を損傷させることなく、滑らかにポン
チが打ち込まれるように、この加工ステーション[c]
で用いられるポンチ212cの先端が略半球状を有して
いる。そのために、加工ステーション[c]のみでの絞
り加工では先端部72の端面に湾曲形状が残る。そこ
で、次の加工ステーション[d]では、基部221の肉
厚および径を維持しながら、先端がほぼ円筒状のポンチ
212dによって、先端部221がほぼ円筒状になるよ
うに成形される。
【0075】この加工ステーション[d]では、図14
(a)に拡大して示すように、先端部221の内径Di1
は、基部222の内径Di2よりもわずかに小さくなるよ
うに、ポンチ212d自体の外周にも段差を有するよう
に設定され、軸部32の全長にわたってその内径を規制
するように設定される。以上のように、先端部221お
よび基部222の外径および内径が設定される結果とし
て、図14(a)に示すように、先端部221と基部2
22との境界の外周には段差部223が、内周には段差
部224が、ほぼ対向する位置に形成される。
【0076】なお、本実施の形態の加工ステーション
[c]および[d]においては、膨出部205の先端部
221の肉厚を基部222の肉厚より薄くする工程は、
先端部221の内径あるいは軸部32の全長にわたる内
径の縮小を規制しながら、膨出部205の先端部221
の外径を基部222の外径に比べて比較的小さくするこ
とによって行われたが、この工程は、その逆に、膨出部
205の先端部221の外径の拡大を規制しながら、膨
出部205の内径を、段差部224が形成しながら拡大
することによって行なうことも可能である。
【0077】次に、加工ステーション[e]〜[g]に
おいて、先端部221の内径Di1および肉厚を維持しな
がら、基部222の内径および外径を、その肉厚を維持
して徐々に減少させる。すなわち、加工ステーション
[f][g]に対応する図14(b)(c)における基
部222の内径Di3,Di4は、Di2>Di3>Di4と変化
し、図14(c)において拡大して示す加工ステーショ
ン[g]においては、先端部221および基部222の
外径はほぼ同一となり、基部222の内径Di4は先端部
221の内径Di1よりも小さくなる。
【0078】より具体的には、まず加工ステーション
[e]において、成形ダイ207には、上述した大径部
223より内径の小さい大径部231、傾斜部232お
よび小径部233からなる鍛造面234が設けられ、こ
の鍛造面234によって、基部222の外周面が内方へ
押圧される。ポンチ212eは、このとき、基部222
が不所望に変形することを防止する。
【0079】加工ステーション[f]および[g]にお
いても同様に、先端部221の径を維持しながら、成形
ダイ207の鍛造面によって基部222の外周面が内方
へ押圧され、加工ステーション[g]を経た時点で基部
222の外径が先端部221の外径とほぼ等しくなる。
すなわち、加工ステーション[g]においては、成形ダ
イ207には、ストレートな鍛造面235が設けられ、
この鍛造面235によって、基部222の外周面がさら
に内方へ押圧され、その結果として、膨出部205は、
ほぼ一様な外径を有するようにされる。加工ステーショ
ン[f]および[g]におけるポンチ212f,212
gも、上述した加工ステーション[e]のポンチ212
eと同様の機能を果たす。
【0080】以上のべたように、本実施の形態の順送プ
レス工程によれば、先端部221を比較的肉薄に形成す
るための変形の推移の結果として、軸部32の先端部2
21と基部222との境界近傍の軸部32外周には比較
的小さな環状溝150aが形成され、内周には、環状溝
150aよりも大きな横断面形状を有する環状溝150
bが形成される。
【0081】その後、図示しないが、フランジ部33と
なるべき部分203が金属板201から切り離される。
このようにして形成された個々のTナットの中間製品あ
るいはリベットは、その加工の途中で生じたバリを除去
するため、バレル研磨される。Tナット101を形成す
る場合には、次いで、軸部32となる基部222の内周
面上に、雌ねじ35を形成するための工程が実施され
る。
【0082】以上述べたような製造方法によれば、本実
施の形態のTナット101あるいはリベット111のか
しめ予定部34を、切削ではなく、塑性加工により形成
できる。よって、Tナット101あるいはリベット11
1の製造における軸部32となるべき膨出部205の形
成等のための塑性加工を含む一連の工程によって、この
ような成形加工を実施することができるとともに、回収
時の分離を容易にするための環状溝150a,150b
を同時に形成することができる。したがって、金属板2
01として長手の帯状のものを用いて、各工程を、その
帯状の金属板201を順送りダイに沿って送りながら実
施することができるので、ばらばらの状態となった中間
製品を取扱う煩雑さがなく、本実施の形態のTナット1
01やリベット111の製造を能率的に行なうことがで
きる。
【0083】次に、本実施の形態の一変形例のTナット
121およびリベット131の構造を、図15(a)
(b)を用いて説明する。これらのTナット121およ
びリベット131の構造が、図10(a)(b)に示さ
れたTナット101およびリベット111のぞれぞれと
異なるのは、かしめ予定部34と雌ねじ形成部35また
は軸本体部135との境界近傍の軸部32の内周に設け
られた環状溝150cが、所定幅のほぼ平坦な底面を有
している点である。軸部32の外周に設けられた環状溝
150aは、環状溝150cのほぼ平坦な底面のフラン
ジ33側の端部と対向するように位置している。
【0084】Tナット101およびリベット111の軸
部32内周の環状溝150bのように、横断面が略V字
形状に形成された場合には、その底部が線状に延びるこ
とになる。したがって、プレス成形におけるわずかな加
工動作の変動により、環状溝150bの深さにばらつき
が生じ易い。それに対して、Tナット121およびリベ
ット131の環状溝150cのように、所定幅のほぼ平
坦な底面を有する形状にすることにより、プレス成形に
おいて加工動作がわずかに変動したとしても、環状溝1
50cのほぼ平坦な底面の幅が多少ばらつく程度であっ
て、その深さにはほとんどばらつきを生じることがな
い。その結果、所望の軸部32の最小肉厚を安定して得
ることができる。また、かしめ予定部34がかしめられ
た状態において、かしめにより折り曲げられた部分のフ
ランジ側の端部位置が、環状溝150cの底面の位置と
重複するように設定し易くなる。このように、かしめに
より折り曲げられた部分のフランジ側の端部位置と、環
状溝150cの底面の位置とを重複させることによっ
て、回収時の分離作業において比較的容易に切り離しを
行なうことができるという利点がある。
【0085】このような環状溝150cを有するTナッ
ト121あるいはリベット131は、図13に対応する
図16に示す順送プレス工程により形成される。すなわ
ち、図16を用いて説明した加工ステーション[d]に
おいて、図17(a)に拡大して示すように、軸部32
の内周の段差部224の位置を、軸部32の外周の段差
部223の先端部221側の端部とほぼ対向するように
設定することにより形成可能である。これは、基部22
2の内径および外径を縮小する工程である加工ステーシ
ョン[e]〜[g]において、基部222の内周面の段
差部224に隣接する部分がほぼ平坦なまま残り、この
部分が環状溝150cの底面を構成することによるもの
である。加工ステーション[e]および[g]における
軸部32の先端部221近傍を、それぞれ図17(b)
および(c)に示している。
【0086】なお、本実施の形態の環状溝105a,1
05b,105cは、米国特許5,618,144号公
報に示されたTナットに適用することも可能である。す
なわち、たとえば図10(a)に示したTナット101
と同様の環状溝105a,105bを米国特許5,61
8,144号公報に示されたTナットに適用した場合の
Tナット141は、図18(a)に示すようになる。ま
た、このTナット141の雌ねじ形成部35の内周に雌
ねじを形成しないことにより、図18(b)に示すよう
なリベット151を構成することができる。また、図1
5(a)に示したTナット121と同様の環状溝105
a,105cを米国特許5,618,144号公報に示
されたTナットに適用した場合のTナット161は、図
19(a)に示すようになる。また、このTナット16
1の雌ねじ形成部35の内周に雌ねじを形成しないこと
により、図19(b)に示すようなリベット171を構
成することができる。
【0087】以上説明した各実施の形態においては、フ
ランジ部13,33の外周に爪16,37〜40を設け
た構造を示したが、フランジ部は爪のない平坦な形状で
あってもよい。また、フランジ部は、上記各実施の形態
のような大きさを有することを必ずしも必要とせず、固
着対象物に打ち込む際の係止部として機能する程度に、
わずかに軸本体部外周よりも外側へ突き出した形状を有
する金属製Tナットあるいはリベットも、本願発明に含
まれる。
【0088】(実施の形態8)次に、本発明の実施の形
態8のTナット181の構造を、図20(a)を参照し
て説明する。本実施の形態1のTナット181は、図2
0(a)および図21(a)に示すように、その形状
が、図10(a)を用いて説明された実施の形態7のT
ナット101と類似しているため、共通の構成要素につ
いては同一の参照番号を付して、その詳細な説明を省略
する。
【0089】本実施の形態のTナット181が上記実施
の形態7のTナット101と異なるのは、軸部32が、
雌ねじ形成部34のフランジ33側の端部近傍の全周に
段差部103を有し、この段差部103を境界として、
段差部103よりもかしめ予定部34側の先端側中空円
筒部104と、段差部3よりもフランジ部33側の、中
空円筒状の基端側拡大筒上部105とを備えている点の
みである。
【0090】このような構造のTナットによれば、軸部
32の先端側中空円筒部104に環状溝105a,15
0bを設けたことによる、上記Tナット101と同様の
効果に加えて、次のような効果を有する。すなわち、軸
部32に段差部103を設け、この段差部103よりも
フランジ部33側に基端側拡大筒上部105を設けるこ
とにより、かしめ予定部34と雌ねじ形成部35とを含
む先端側中空円筒部104を、比較的短くすることがで
きる。よって、軸部32が長い場合であっても、雌ねじ
形成部35の長さを必要以上に長くすることなく、JI
S規格等の標準規格に合致した必要最小限の長さに設定
することができる。したがって、タップによるねじ切り
工程における余分な加工工数が削減され、Tナットの生
産性を向上することができる。
【0091】本実施の形態の一変形例として、図20
(b)に示すTナット191のように、軸部32の先端
側中空円筒部104の形状を、図15(a)に示した実
施の形態7の変形例のTナット121と同様にした構造
を適用してもよい。このような構造により、Tナット1
21における環状溝150a,150cの効果と、段差
部103を設けたことによる上記効果とを併せ持つこと
ができる。
【0092】なお、本実施の形態のTナットのフランジ
は、Tナット181,191のような形状のものに限ら
れず、図21(b)に示すTナット201のように、図
1(b)に示したTナット51と同様のフランジ形状を
有するものであってもよいことは、言うまでもない。
【0093】(実施の形態9)次に、本発明の実施の形
態9のTナット211について、図22(a)を参照し
ながら説明する。本実施の形態のTナット201は、軸
部32の段差部103からフランジ部33側の基端側中
空円筒部105aの内周にも雌ねじが形成されている点
でのみ、上記実施の形態8のTナット181と異なって
いる。Tナット201のような構造にすることにより、
段差部103よりもかしめ予定部34側の雌ねじ形成部
35を、JIS規格などの標準規格に規定される許容範
囲内における必要最小限の長さとし、この雌ねじ形成部
35の雌ねじのみを規格の要請に応じた仕様で精密な雌
ねじに仕上げ、基端側中空円筒部105aの内周には、
規格よりも山径の大きな比較的粗い寸法の雌ねじを形成
することが可能になる。したがって、軸部が比較的長い
Tナットの雌ねじ形成が、雌ねじを形成する領域の全長
にわたって精密な雌ねじに仕上げていた従来のTナット
に比べて容易なものとなり、生産性の向上を図ることが
できる。また、基端側中空円筒部105aの内周にも雌
ねじが形成されることにより、ねじの強度が増すという
メリットもある。
【0094】本実施の形態の一変形例として、図22
(b)に示すTナット221のように、軸部32の先端
側中空円筒部104の形状を、図15(a)に示した実
施の形態7の変形例のTナット121と同様にした構造
を適用してもよい。このような構造により、Tナット1
21における環状溝150a,150cの効果と、段差
部103を設けたことによる上記効果とを併せ持つこと
ができる。
【0095】(実施の形態10)以上説明した各実施の
形態のTナットの雌ねじが形成された領域には、螺合さ
れるボルトの緩みを防止するためのロック手段として、
ねじ山の一部が不整化された部分を設けることが好まし
い。ねじ山の一部を不整化するため、たとえば図23
(a)(b)に示すように、Tナットの軸部212にお
ける雌ねじ形成部分216の外周面の一部を内方へ押し
潰して凹部217を形成する加工法を採用することがで
きる。凹部217は、たとえば180°の角度間隔をも
って2個設けられる。これらの凹部217は、雌ねじ形
成部分216の所定の箇所を1対の適当な工具で挟む状
態としながら、これらの工具を雌ねじ形成部分216に
向かって強く押圧することによって形成される。このよ
うな雌ねじの不整化部分218を設けることにより、螺
合されるボルトを比較的強く回さなければ、ボルトが通
過し得ないことになり、その結果として、螺合状態がロ
ックされ、ボルトの緩みが防止される。
【0096】(実施の形態11)上記各実施の形態にお
いては、いずれも、略八角形あるいは円形の比較的大き
なフランジを有し、かつ、そのフランジの外周に爪を設
けた形状を有するTナットあるいはリベットの構造例を
示したが、フランジは、必ずしも比較的大きいものに限
られず、また、爪を設けない場合もある。より具体的に
は、たとえば図24(a)に示すTナット231あるい
は図24(b)に示すリベット241のように、軸部3
2よりもわずかに大きな外径を有する比較的小さなフラ
ンジ133を有する構造にも、上記各実施の形態と同様
の考え方を適用可能である。図24(a)(b)におい
て、図10(a)(b)に示したTナット101あるい
はリベット111と共通する構成要素については、同一
の参照符合を付して、その詳細な説明を省略する。
【0097】(実施の形態12)次に、本発明の実施の
形態12のTナット251の構造について、図25
(a)(b)および図26(a)(b)を参照して説明
する。本実施の形態のTナット251が図10(a)に
示した上記実施の形態7のTナット101と異なるの
は、環状溝150a,150bが全周にわたって連続し
て設けられてはおらず、不連続部分を有している点のみ
である。このように、環状溝150a,150bに不連
続な部分を設けることによって、リサイクル使用のため
の取り外し時において、不連続部分に対向する位置の環
状溝150a,150bにおいて集中的に応力が作用し
て、その位置から破断が始まるため、比較的小さな引っ
張り力によって、取り外しのための分離を行なうことが
できる。
【0098】また、環状溝150a,150bの不連続
な部分は、1ヵ所には限られず、複数箇所において不連
続部分を設けてもよい。このように、環状溝150a,
150bの不連続部分を複数箇設ける場合において、不
連続部分の個数や、不連続部分の長さの全周長さに対す
る割合を適宜変更することにより、必要に応じて、この
部分の機械的強度を調節することができる。
【0099】本実施の形態を、軸部32の軸本体部13
5内周に雌ねじを形成しないリベット261に適用した
構造を、図27(a)(b)に示している。また、本実
施の形態を、図24(a)に示したTナット231と同
様の形状に適用したTナット271の構造を図28
(a)(b)に示している。さらに、本実施の形態を、
図24(b)に示したリベット241と同様の形状に適
用したリベット281の構造を図29(a)(b)に示
している。
【0100】なお、図30(a)(b),図31および
図32(a)(b)に示すリベット291,301のよ
うに、軸部32の外周およびに設けられる環状溝150
a,150bは、その不連続部分において段差を有する
ように形成されてもよい。
【0101】(実施の形態13)次に、本発明の実施の
形態13のTナット311について、図33(a)
(b)を参照して説明する。本実施の形態のTナット3
11は、リサイクル使用に際して取り外しを容易にする
ための軸部32の薄肉部の形成を、環状溝を設けること
なく、図33(a)(b)に示すように、軸部32の外
周のかしめ予定部34と目ね日形成部35との境界近傍
の略環状の領域内に、断続的に点在する複数の窪み15
0dを形成することによって実現している。このような
窪み150dは、軸部32の内周側に設けてもよく、ま
た、軸部32の内周および外周の両側に設けてもよい。
本実施の形態のTナット311によれば、形成する窪み
150dの大きさ、深さ、あるいは隣接する窪み150
d間の間隔等を適宜変更することによって、この部分の
機械的強度を必要に応じて調節することが可能である。
【0102】なお、図33(a)(b)には、Tナット
に本実施の形態を適用した構造を示したが、雌ねじ形成
部を有しないリベットにも同等に適用可能であることは
言うまでもない。また、図33(a)(b)では、爪を
設けた比較的大きなフランジ部を有する構造例を示して
いるが、図24に示した比較的小径のフランジを有する
Tナットやリベットにも同様に適用可能である。
【0103】(実施の形態14)次に、本発明の実施の
形態14のTナット321について、図34(a)を参
照して説明する。本実施の形態のTナット321の構造
は、その大部分が、図10(a)に示したTナット10
1の構造と共通する。本実施の形態のTナット321の
構造がTナット101の構造と異なるのは、軸部32の
かしめ予定部34と雌ねじ形成部35との境界近傍の内
周面に設けられた環状溝150bの内面において、周方
向に延びる皺状の小さな環状溝150eが形成され、さ
らに、かしめ予定部34の外径が、雌ねじ形成部35の
外径よりもわずかに小さくなるように形成されている点
である。本実施の形態の構造は、図10(b)に示した
リベット111にも同様に適用可能である。また本実施
の形態は、図34(b)に示すTナット331のよう
に、図24に示したTナット231あるいはリベット2
41のような金属製締結部材にも同様に適用可能であ
る。また、図35(a)(b)に示すリベット341,
351のように、図10(b)および図24(b)に示
したリベットにも同様ニ適用可能である。さらに、図1
5に示したTナット121やリベット131の環状溝1
50cのような、略平坦な底面を有する環状溝の内面
に、さらに皺状の小さな環状溝を設けてもよい。
【0104】このように、環状溝150b(あるいは1
50c)の内面にさらに小さな環状溝150eが形成さ
れていることにより、リサイクル使用時の取り外しの際
の破断による分離容易性を向上することができる。ま
た、かしめ予定部34の外径が、雌ねじ形成部35の外
径よりもわずかに小さくなるように形成されていること
により、固着対象物の下穴に挿入する際に、Tナット3
21と下穴との位置合せに多少誤差が生じたとしても、
比較的小さな径を有するかしめ予定部がガイドとしての
役割を果して、確実に下穴内に挿入することができる。
【0105】本実施の形態の皺状の小さな環状溝150
eは、たとえば、図13あるいは図16で示した加工ス
テーション[g]の次の工程として、下からノックアウ
トで突き上げるようにしてかしめ予定部34をさらに成
形する工程を備えることによって加工することができ
る。より具体的には、図36に示すように、加工ステー
ション[g]に隣接する加工ステーション[h]におい
て、ポンチ212hで基部222の内径を規制しなが
ら、ノックアウト211hの上端近傍の縮小径部211
xによって先端部221の内径が規制され、さらにノッ
クアウト211hの基部側211yの上端の段差部21
1zが先端部221の先端面を突き上げるようにして成
形される。この工程により、図37に拡大して示すよう
に、環状溝150b,150cの内面には皺状の小さな
環状溝150eが形成され、先端部221の外径は、基
部222の外径よりもわずかに縮小され、図34および
図35に示したようなTナットあるいはリベットの、か
しめ予定部近傍の形状が完成する。
【0106】図34および図35に示した本実施の形態
における、環状溝150b,150cの内面に設けられ
た小さな環状溝150eは、全周にわたって連続しても
うけられているが、図38(a)(b)に示すTナット
361,371および図39(a)(b)に示すリベッ
ト381,391のように、環状溝150b,150c
の内面において、一部に不連続部分を有するように皺状
の小さな環状溝150eを設けてもよい。
【0107】なお、上記各実施の形態の開示は例示に過
ぎないものであって、本発明の範囲を制限するものでは
なく、本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、
特許請求の範囲に均等の意味および範囲内でのすべての
変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の実施の形態1におけるTナッ
ト51の中央縦断面図、(b)は同Tナット51の斜視
図である。
【図2】(a)は本発明の実施の形態2におけるTナッ
ト61の中央縦断面図、(b)は同Tナット61の斜視
図である。
【図3】(a)(b)(c)はそれぞれ、本発明の各実
施の形態において設けられる環状溝20,50の横断面
形状の取りうる3つの態様、すなわち、U字状,V字状
あるいはコの字状の場合の環状溝20,50近傍を拡大
して示す断面図である。
【図4】(a)は本発明の実施の形態1におけるTナッ
ト51を固着対象物19の貫通孔18にかしめ固定した
状態の断面図、(b)は本発明の実施の形態2における
Tナット61を固着対象物19の貫通孔18にかしめ固
定した状態の断面図である。
【図5】(a)は、固着対象物19にかしめ固定された
本発明の実施の形態1におけるTナット51を、固着対
象物19から取り外す手法の一例において、治具170
をかしめ部14側から圧入した状態を示す断面図、
(b)は(a)に示す取り外し手法において、治具17
0の押しつけ力Fによって環状溝20で破断し、Tナッ
ト51が上下2つに分離した状態の断面図である。
【図6】(a)は、本発明の実施の形態3のTナットに
おける環状溝20,50の形成態様を示す部分断面図、
(b)(c)はそれぞれ、実施の形態3のTナットにお
ける環状溝20,50の形成態様の2つの変形例を示す
断面図である。
【図7】(a)は、本発明の実施の形態4のTナットに
おける環状溝20,50の形成態様を示す部分断面図、
(b)は、実施の形態4のTナットにおける環状溝2
0,50の形成態様の変形例を示す断面図である。
【図8】(a)は、本発明の実施の形態5のTナットに
おける環状の薄肉部70の形成態様を示す部分断面図、
(b)は、(a)に示したTナットにおける環状の薄肉
部70の近傍を拡大して示す断面図である。
【図9】(a)は本発明の実施の形態6のTナット81
の中央縦断面図、(b)は本発明の実施の形態6の変形
例のTナット91の中央縦断面図である。
【図10】(a)は、本発明の実施の形態7のTナット
101の中央縦断面図、(b)は、軸本体の内周面に雌
ねじを設けていないこと以外はTナット101と同様の
構造を有するリベット111の中央縦断面図である。
【図11】図10(a)に示したTナット101あるい
は図10(b)に示したリベット111を順送プレス工
程で形成するために、金属板201に対して順次施され
る加工状態を示す断面図である。
【図12】図11に示した加工状態のうち、加工ステー
ション[a]〜[c]において実施される加工の詳細を
示す拡大断面図である。
【図13】図11に示した加工状態のうち、加工ステー
ション[d]〜[g]において実施される加工の詳細を
示す拡大断面図である。
【図14】(a)(b)(c)はそれぞれ、図13にお
ける加工ステーション[d][f]および[g]におけ
る被加工部材の、かしめ予定部となる部分近傍を拡大し
て示す断面図である。
【図15】(a)は、本発明の実施の形態7の一変形例
のTナット121の中央縦断面図、(b)は、軸本体の
内周面に雌ねじを設けていないこと以外はTナット12
1と同様の構造を有するリベット131の中央縦断面図
である。
【図16】図15に示された実施の形態7のTナット1
21あるいはリベット131を形成する場合の、図11
に示した加工状態のうち、加工ステーション[d]〜
[g]において実施される加工の詳細を示す、図13に
対応する拡大断面図である。
【図17】(a)(b)(c)はそれぞれ、図16にお
ける加工ステーション[d][f]および[g]におけ
る被加工部材の、かしめ予定部となる部分近傍を拡大し
て示す断面図である。
【図18】(a)は、本発明の実施の形態7の他の変形
例のTナット141の中央縦断面図、(b)は、軸本体
の内周面に雌ねじを設けていないこと以外はTナット1
41と同様の構造を有するリベット151の中央縦断面
図である。
【図19】(a)は、本発明の実施の形態7のさらに他
の変形例のTナット161の中央縦断面図、(b)は、
軸本体の内周面に雌ねじを設けていないこと以外はTナ
ット161と同様の構造を有するリベット171の中央
縦断面図である。
【図20】(a)は、本発明の実施の形態8のTナット
181の中央縦断面図、(b)は、本発明の実施の形態
8の一変形例のTナット191の中央縦断面図である。
【図21】(a)は、図20(a)に示した本発明の実
施の形態8のTナット181(または191)の斜視
図、(b)は、本発明の実施の形態8の他の変形例のT
ナット201の斜視図である。
【図22】(a)は、本発明の実施の形態9のTナット
211の中央縦断面図、(b)は、本発明の実施の形態
9の一変形例のTナット221の中央縦断面図である。
【図23】(a)は、Tナットの雌ねじ形成部分の一部
に不整化部分を設けた構造を拡大して示す部分断面図、
(b)は(a)のX−X線断面図である。
【図24】(a)(b)はそれぞれ、本発明の実施の形
態11のTナット231およびリベット241の中央縦
断面図である。
【図25】(a)は、本発明の実施の形態12のTナッ
ト251の正面断面図、(b)は、同Tナット251の
部分断面背面図である。
【図26】(a)は、本発明の実施の形態12のTナッ
ト251の、図25(a)におけるY−Y線断面図、
(b)は、同Tナット251の斜視図である。
【図27】(a)は、本発明の実施の形態12の一変形
例であるリベット261の正面断面図、(b)は、同リ
ベット261の部分断面背面図である。
【図28】(a)は、本発明の実施の形態12の他の変
形例のTナット271の正面断面図、(b)は、同Tナ
ット271の部分断面背面図である。
【図29】(a)は、本発明の実施の形態12のさらに
他の変形例であるリベット281の正面断面図、(b)
は、同リベット281の部分断面背面図である。
【図30】(a)は、本発明の実施の形態12のさらに
他の変形例であるリベット291の正面断面図、(b)
は、同リベット291の部分断面背面図である。
【図31】図30に示したリベット291の斜視図であ
る。
【図32】(a)は、本発明の実施の形態12のさらに
他の変形例であるリベット301の正面断面図、(b)
は、同リベット301の部分断面背面図である。
【図33】(a)は、本発明の実施の形態13のTナッ
ト311の中央縦断面図、(b)は、同Tナット311
の斜視図である。
【図34】(a)は、本発明の実施の形態14のTナッ
ト321の中央縦断面図、(b)は、本発明の実施の形
態14の一変形例であるTナット331の中央縦断面図
である。
【図35】(a)は、本発明の実施の形態14のリベッ
ト341の中央縦断面図、(b)は、本発明の実施の形
態14の一変形例であるリベット351の中央縦断面図
である。
【図36】図34あるいは図35に示された実施の形態
14のTナットあるいはリベットを形成する場合におい
て、加工ステーション[g]に隣接して加工ステーショ
ン[h]を設けた状態の拡大断面図である。
【図37】図36に示された加工ステーション[h]に
おける、かしめ予定部34となる先端部221近傍を示
す部分拡大断面図である。
【図38】(a)は、本発明の実施の形態14のリベッ
ト361の中央縦断面図、(b)は、本発明の実施の形
態14の一変形例であるリベット371の中央縦断面図
である。
【図39】(a)(b)はそれぞれ、本発明の実施の形
態14の他の変形例のリベット381,391の中央縦
断面図である。
【図40】(a)は、特開平4−341606号公報に
示された、丸形フランジを有し、かつ、軸部にかしめが
予定された薄肉部を有する、従来のTナット11の中央
縦断面を示す断面図、(b)は、(a)に示したTナッ
ト11の斜視図である。
【図41】(a)は、特開平6−323315号公報に
示された、八角形フランジを有し、かつ、軸部にかしめ
が予定された薄肉部を有する、従来のTナット31の中
央縦断面を示す断面図、(b)は、(a)に示したTナ
ット31の斜視図である。
【図42】(a)は、図40に示された従来のTナット
11を、固着対象物19に挿入してかしめ固定した状態
を示す断面図、(b)は、図41に示された従来のTナ
ット31を、固着対象物19に挿入してかしめ固定した
状態を示す断面図である。
【符号の説明】
12,32 軸部 13,33 フランジ部 14,34 かしめ予定部 14a,34a かしめ部 15,35 雌ねじ形成部(軸本体部) 16,37,38,39,40 爪 18 貫通孔 19 固着対象物 20,50,150a,150c 環状溝 51,61,71,81,101,121,141,1
61 Tナット 70 環状の薄肉部 111,131,151,171,191 リベット 135 軸本体部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16B 37/00 - 37/16

Claims (21)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒条の軸部および該軸部の第1の端部か
    ら外方へ張出すフランジ部を備え、 前記軸部は、前記第1の端部とは逆の第2の端部におい
    てかしめが予定されたかしめ予定部と、該かしめ予定部
    に連続し前記第の端部側に延びる軸本体部とを有す
    る、一体の金属材料からなる金属製締結部材であって、 前記かしめ予定部のかしめにより折り曲げられる領域よ
    りも前記フランジ部側の、前記軸部の周をなす略環状の
    領域内に、被固着対象部材へのかしめ固定状態にある使
    用状態において作用する軸方向力に対しては破断しない
    強度を保持するとともに、軸方向に所定の大きさ以上の
    引っ張り力を作用させることにより破断して、前記軸部
    を2つに分離することを可能にするため、前記軸部の前
    記略環状の領域内の外周面および内周面の少なくともい
    ずれかに、部分的に前記軸部の肉厚が薄くなるように、
    周方向に延びるように設けられた溝を有する、金属製締
    結部材。
  2. 【請求項2】 前記溝が、全周に渡って連続して設けら
    れている、請求項1記載の金属製締結部材。
  3. 【請求項3】 前記溝が、少なくとも一部において不連
    続部を有するように設けられている、請求項記載の金
    属製締結部材。
  4. 【請求項4】 前記溝が、前記かしめ予定部と前記軸本
    体部との境界近傍の前記軸部の内周および外周の少なく
    とも一方に設けられている、請求項記載の金属製締結
    部材。
  5. 【請求項5】 前記溝が、前記かしめ予定部と前記軸本
    体部との境界近傍の前記軸部の内周および外周の両方
    に、互いに略対向するように設けられている、請求項
    記載の金属製締結部材。
  6. 【請求項6】 前記溝が、所定幅の略平坦な底面を有す
    る、請求項記載の金属製締結部材。
  7. 【請求項7】 前記軸部の内周に設けられた溝が所定幅
    の略平坦な底面を有し、前記軸部の外周に設けられた溝
    は、前記軸部の内周に設けられた溝の前記略平坦な底面
    と略対向するように設けられている、請求項記載の金
    属製締結部材。
  8. 【請求項8】 前記溝の内面において、周方向に延び
    る、前記溝よりも幅の小さい皺状の溝をさらに備えた、
    請求項記載の金属製締結部材。
  9. 【請求項9】 前記溝の横断面形状が、U字状,V字状
    およびコの字状のいずれかである、請求項記載の金属
    製締結部材。
  10. 【請求項10】 前記軸部の前記かしめ予定部が、前記
    軸本体部の内径よりも大きな内径を有し、かつ、前記軸
    本体部の外径と実質的に同一の外径を有する、請求項
    記載の金属製締結部材。
  11. 【請求項11】 前記軸部の前記かしめ予定部が、前記
    軸本体部の内径よりも大きな内径を有し、かつ、前記軸
    本体部の外径よりも大きな外径を有する、請求項記載
    の金属製締結部材。
  12. 【請求項12】 前記軸本体部の内周の少なくとも一部
    の領域に、雌ねじが形成されている、請求項記載の金
    属製締結部材。
  13. 【請求項13】 前記軸本体部の内周の一部において、
    前記軸部が延びる方向に所定の幅に渡って窪んだ、雌ね
    じが形成されていない比較的薄肉の領域を有し、前記溝
    が、該比較的薄肉の領域の前記軸部の外周または内周に
    設けられている、請求項12記載の金属製締結部材。
  14. 【請求項14】 前記溝は、前記軸本体部に対して相対
    的に、前記かしめ予定部の内外径を少なくとも部分的に
    縮小または拡大するように成形することにより、前記軸
    部の径方向に引き延ばされて形成された、前記かしめ予
    定部と前記軸本体部との境界において周方向に延びるよ
    うに設けられる、請求項1記載の金属製締結部材。
  15. 【請求項15】 筒条の軸部および該軸部の第1の端部
    から外方へ張出すフランジ部を備え、 前記軸部は、前記第1の端部とは逆の第2の端部におい
    てかしめが予定されたかしめ予定部と、該かしめ予定部
    に連続し前記第2の端部側に延びる軸本体部とを有す
    る、一体の金属材料からなる金属製締結部材の製造方法
    であって、 金属板の前記フランジ部となるべき部分の中心部を、該
    金属板の一方の主面側へ膨出させることにより、前記軸
    部となるべき膨出部を形成する工程と、 前記膨出部の先端面部に貫通穴を形成する工程と、 前記膨出部の前記かしめ予定部を形成する部分に相当す
    る先端部の肉厚を、前記軸本体部を形成する部分に相当
    する基部の肉厚より薄くするとともに、前記先端部の内
    径を前記基部の内径よりも小さくする工程(A)と、 前記基部の肉厚をほぼ維持しながら、前記先端部の外径
    と前記基部の外径とを近づけるように、前記先端部およ
    び前記基部の少なくとも一方を径方向に変形させる工程
    (B)とを備える、 金属製締結部材の製造方法
  16. 【請求項16】 前記工程(B)が、前記先端部と前記
    基部との境界近傍の略環状の領域の少なくとも内周に、
    周方向に延びる溝が形成されるように行なわれる、請求
    15記載の金属製締結部材の製造方法
  17. 【請求項17】 前記工程(B)が、前記先端部と前記
    基部との境界近傍の略環状の領域の内周および外周の両
    方に、周方向に延びる溝が形成されるように行なわれ
    る、請求項15記載の金属製締結部材の製造方法
  18. 【請求項18】 前記金属板は長手の帯状であり、前記
    膨出部を形成する前記工程、前記工程(A)、および前
    記工程(B)は、前記帯状の金属板を順送りダイに沿っ
    て送りながら実施される、請求項15記載の金属製締結
    部材の製造方法
  19. 【請求項19】 前記工程(A)は、前記基部の変形を
    規制しながら、前記先端部の外径および内径を縮小する
    工程を含む、請求項15記載の金属製締結部材の製造方
  20. 【請求項20】 前記工程(B)は、前記先端部の変形
    を規制しながら、前記基部の外径および内径を縮小する
    工程を含む、請求項15記載の金属製締結部材の製造方
  21. 【請求項21】 前記工程(B)の後、前記先端部に対
    して、前記軸部の中心軸方向の押圧力を作用させる工程
    をさらに備えた、請求項15記載の金属製締結部材の製
    造方法。
JP31138998A 1997-12-26 1998-10-30 金属製締結部材およびその製造方法 Expired - Lifetime JP3310939B2 (ja)

Priority Applications (8)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31138998A JP3310939B2 (ja) 1997-12-26 1998-10-30 金属製締結部材およびその製造方法
CA002254634A CA2254634C (en) 1997-12-26 1998-11-27 Metallic fastening member and fabrication method thereof
US09/201,489 US6139237A (en) 1997-12-26 1998-11-30 Metallic fastening member and fabrication method thereof
IT1998MI002727A IT1304120B1 (it) 1997-12-26 1998-12-17 Elemento metallico di fissaggio e metodo per la sua fabbricazione
AU97200/98A AU755572B2 (en) 1997-12-26 1998-12-18 Metallic fastening member and fabrication method thereof
GB9828232A GB2334317B (en) 1997-12-26 1998-12-21 Fastening member and fabrication method thereof
DE19859208A DE19859208B4 (de) 1997-12-26 1998-12-21 Metallisches Befestigungsteil und Verfahren zu seiner Herstellung
FR9816219A FR2773198B1 (fr) 1997-12-26 1998-12-22 Element de fixation metallique et son procede de fabrication

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9-360301 1997-12-26
JP36030197 1997-12-26
JP31138998A JP3310939B2 (ja) 1997-12-26 1998-10-30 金属製締結部材およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11241713A JPH11241713A (ja) 1999-09-07
JP3310939B2 true JP3310939B2 (ja) 2002-08-05

Family

ID=26566706

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31138998A Expired - Lifetime JP3310939B2 (ja) 1997-12-26 1998-10-30 金属製締結部材およびその製造方法

Country Status (7)

Country Link
JP (1) JP3310939B2 (ja)
AU (1) AU755572B2 (ja)
CA (1) CA2254634C (ja)
DE (1) DE19859208B4 (ja)
FR (1) FR2773198B1 (ja)
GB (1) GB2334317B (ja)
IT (1) IT1304120B1 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6854943B2 (en) 2002-06-27 2005-02-15 Nagayama Electronic Industry Co., Ltd. T-nut
US7189163B2 (en) 2003-06-09 2007-03-13 Nagayama Electronic Industry Co., Ltd. T-nut for hopper feeding having a projection
US7465136B2 (en) 2005-07-11 2008-12-16 Nigayama Electric Co., Ltd. Insert nut and insert t-nut

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3310934B2 (ja) * 1998-07-16 2002-08-05 永山電子工業株式会社 Tナット
US6511274B1 (en) * 1999-11-10 2003-01-28 Nagayama Electronic Industry Co., Ltd. Metal fastening member with separatable flaring cap
JP3313097B2 (ja) * 1999-11-10 2002-08-12 永山電子工業株式会社 金属製締結部材および砲弾用外装部材
JP5279320B2 (ja) * 2008-04-03 2013-09-04 愛三工業株式会社 燃料ポンプ
DE102008054807A1 (de) * 2008-12-17 2010-06-24 Hilti Aktiengesellschaft Ankerschiene
FI20095798A (fi) * 2009-07-17 2011-01-18 Ensto Sekko Oy Momenttiruuvin mutteri
JP5063826B1 (ja) * 2012-05-17 2012-10-31 永山電子工業株式会社 連鎖状tナット
AT17030U1 (de) * 2019-07-30 2021-03-15 Green Int Absturzsicherungs Gmbh Modulare Anschlageinheit sowie Verfahren zur Bildung einer derartigen Anschlageinheit

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4541761A (en) * 1983-09-26 1985-09-17 Usm Corporation Easily removed blind rivet
DE8402585U1 (ja) * 1984-01-30 1986-11-20 Dvg Deutsche Verpackungsmittel Gmbh, 8505 Roethenbach, De
JP2517493B2 (ja) * 1991-05-16 1996-07-24 永山電子工業株式会社 Tナット
JPH086739B2 (ja) * 1991-06-21 1996-01-29 永山電子工業株式会社 Tナット
JP2940898B2 (ja) * 1993-05-14 1999-08-25 永山電子工業 株式会社 Tナット
JP2547171B2 (ja) * 1993-10-27 1996-10-23 永山電子工業株式会社 Tナットの製造方法
US5503596A (en) * 1993-05-14 1996-04-02 Nagayama Electronic Industry Co., Ltd. Method of manufacturing tee nuts
JP2839472B2 (ja) * 1996-01-19 1998-12-16 永山電子工業株式会社 Tナット
JP3190264B2 (ja) * 1996-08-09 2001-07-23 有限会社金子金工所 Tナットの製造方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6854943B2 (en) 2002-06-27 2005-02-15 Nagayama Electronic Industry Co., Ltd. T-nut
US7189163B2 (en) 2003-06-09 2007-03-13 Nagayama Electronic Industry Co., Ltd. T-nut for hopper feeding having a projection
US7419343B2 (en) 2003-06-09 2008-09-02 Nagayama Electronic Industry Co., Ltd. T-nut for hopper feeding having a projection
US7465136B2 (en) 2005-07-11 2008-12-16 Nigayama Electric Co., Ltd. Insert nut and insert t-nut

Also Published As

Publication number Publication date
CA2254634A1 (en) 1999-06-26
JPH11241713A (ja) 1999-09-07
AU9720098A (en) 1999-07-15
DE19859208B4 (de) 2004-04-15
GB2334317B (en) 2002-02-20
IT1304120B1 (it) 2001-03-07
GB2334317A (en) 1999-08-18
CA2254634C (en) 2003-01-21
DE19859208A1 (de) 1999-07-01
GB9828232D0 (en) 1999-02-17
FR2773198A1 (fr) 1999-07-02
FR2773198B1 (fr) 2000-12-22
AU755572B2 (en) 2002-12-19
ITMI982727A1 (it) 2000-06-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6139237A (en) Metallic fastening member and fabrication method thereof
JP3310939B2 (ja) 金属製締結部材およびその製造方法
US6592311B2 (en) Double-ended self-attaching stud
US7303366B2 (en) Three part blind fastener
CA2137302C (en) Apparatus for making self-piercing nuts
US4701993A (en) Method of installing threaded fastener
US6081984A (en) Method of fastening members of an assembly
US5503596A (en) Method of manufacturing tee nuts
US10092940B2 (en) Method for forming a pressed component, method for manufacturing a pressed component, and die apparatus for forming a pressed component
JPH04505958A (ja) 強い離隔カラーを有するスエージファスナー
ZA200103614B (en) Blind fastener.
US3837208A (en) Method and apparatus for blind riveting
JP3467749B2 (ja) Tナットの製造方法
US7156596B2 (en) Blind rivet and fastening method
US3371572A (en) Locking bolt and locking means therefor
JP2667790B2 (ja) ブラインドファスナ、ブラインドファスナの製造方法およびブラインドファスナ製造用加工装置
EP0586221B1 (en) Method of manufacturing a screw washer and a mold for fabricating a screw washer
CN113102946A (zh) 一种灯笼型铆螺母生产工艺
EP1103732A2 (en) Swaged blind fastener
JP2547171B2 (ja) Tナットの製造方法
US8584343B2 (en) Method for the application of a joint or function element to planar material rivet connection
JP2646423B2 (ja) 打込み同時かしめ金具
AU661196B2 (en) Method of making a tubular body having a deformable internal skirt
GB2140891A (en) Swaged-in threaded fastener
CN117396284A (zh) 一种用于生产固定螺帽的螺母坯料和固定螺帽

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20020507

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080524

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090524

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090524

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100524

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100524

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110524

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110524

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120524

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130524

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140524

Year of fee payment: 12

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term