JP3310822B2 - ポンプ - Google Patents

ポンプ

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JP3310822B2
JP3310822B2 JP16739595A JP16739595A JP3310822B2 JP 3310822 B2 JP3310822 B2 JP 3310822B2 JP 16739595 A JP16739595 A JP 16739595A JP 16739595 A JP16739595 A JP 16739595A JP 3310822 B2 JP3310822 B2 JP 3310822B2
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suction
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聡明 青木
和芳 宮川
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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  • Control Of Non-Positive-Displacement Pumps (AREA)
  • Details Of Reciprocating Pumps (AREA)
  • Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)
  • Control Of Positive-Displacement Pumps (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複合サイクル発電
プラントに適用される給水ポンプ等の共通の吸込口から
流体を吸い込み、個別の吐出口からそれぞれ流体を吐出
する2以上の羽根車を有するポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】中型及び大型の給水ポンプにおいては、
制御上の要求により流量を減少させて行くと、ポンプ効
率の減少と流量の減少の相乗効果によって内部流体の温
度が上昇し、最終的にはキャビテーション(羽根車内部
での流体の気化)現象が発生して、揚水不能、回転体の
振動増大及び焼き付き発生が生起する。このために、従
来より系統上に必要な流量が減少した際にもポンプを通
過する流れが必要最小流量を下回らぬように吐出系統に
バイパスラインが設置されている。
【0003】共通の吸込口から流体を吸い込み独立した
個別の2系統以上の羽根車と吐出口を有し各吐出口から
流体を吐出するポンプの場合には、全ての吐出系統に個
々にバイパスラインを設けている。例えば、図5に示す
ように、共通の吸込口と独立した2系統の羽根車を備え
たポンプ20に前記独立した2系統の羽根車より吐出さ
れる2個の独立した吐出口22a,22bを設け、同吐
出口22a,22bにそれぞれ接続され吐出流量制御弁
26a,26bを有する吐出側ライン25a,25b
に、バイパス弁24a,24bを有するバイパスライン
23a,23bがそれぞれ接続されている。
【0004】また、共通の吸込口から流体を吸い込み、
独立した個別の2系統以上の羽根車と吐出出口を有し、
各吐出から流体を吐出する型式のポンプの場合に、全て
の吐出系統にバイパスラインを設ける前記の技術に代え
て、1系統の吐出系統にのみバイパスラインを設け、他
の吐出系統の吐出流れの1部を吸込系統へ戻すことによ
って対応している場合もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】共通の吸込口から流体
を吸い込み、2系統以上の独立した個別の羽根車と吐出
口を有し各吐出口から流体を吐出するポンプの全ての吐
出系統に個々にバイパスラインを設ける前記の従来の技
術では、全ての吐出系統にバイパス弁をもつバイパスラ
インを必要とし、構造が複雑となり製造コストが嵩むこ
とになる。
【0006】また、共通の吸込口から流体を吸い込み、
2系統以上の独立した個別の羽根車と吐出口を有し各吐
出口から流体を吐出するポンプの1系統の吐出系統にの
みバイパスラインを設け、他の吐出系統の吐出流れの1
部を吸込系統へ戻すようにした前記の従来の技術では、
吸込系統へ戻す各流路に弁を設けて流量を制御しない限
り、個々の系統の流れの要求量にかかわらず一定量の必
要最小流量分を常時加えて流してやる必要があり、ポン
プの大型化や動力の損失を招いていた。
【0007】本発明は、共通の吸込口から流体を吸い込
み、個別の吐出口からそれぞれ流体を吐出する2以上の
羽根車を有するポンプにおける前記の問題点を解決しよ
うとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】(1)本発明は、共通の
吸込口から流体を吸い込み、個別の吐出口からそれぞれ
流体を吐出する2以上の羽根車を有するポンプにおい
て、1部の羽根車の吐出側と吸込側とを連通するように
同ポンプのポンプケーシングを穴加工して形成された
路と、前記一部の羽根車の吐出側と吸込側の流体の温度
差に応じて前記流路を流れる流体の流量を調節する手段
とを設けたことを特徴とするポンプ。
【0009】(2)また、本発明は、前記(1)のポン
プにおいて、前記流量調節手段が表面と裏面とに接触す
る流体の温度差により変形する板材であることを特徴と
する。
【0010】本発明では、以上のように、一部の羽根車
の吐出側と吸込側とを連通するように同ポンプのポンプ
ケーシングを穴加工して形成された流路を設け、この流
路中に、表面と裏面とに接触する流体の温度差により変
形する板材等の羽根車の吐出側と吸込側の流体の温度差
に応じて前記流路を流れる流体の流量を調節する手段が
設けられているので、そのような簡単な構成の装置によ
って、流量が多く前記一部の羽根車の吸込側と吐出側の
温度差が小さい場合には、前記流量を調節する手段によ
って前記吐出側と吸込側を連通する流路を流れる流体の
流量は絞られ、吐出側から吸込側への流体の戻りを最小
(場合によっては0)とし、余分な戻り流量の排除によ
り、ポンプ動力を低く抑えることができる。
【0011】この状態において、系統への必要流量が減
ると、吐出弁の閉操作等で当該系統の吐出側への流量が
抑えられ、効率の低下と吐出流れの減少により吐出側流
体の温度が上昇し始める。吐出側の流体温度がさらに上
昇して吸込側との温度差が大きくなると、前記流量を調
節する手段によって、吐出側と吸込側とを連通する流路
を通って吐出側から吸込側への流体の流れが増大する。
従って、当該系統の羽根車を通過する流体の流量が実質
的に増大し、流体温度の上昇を防ぐことが可能になる。
また、この際吸込側へ流出した高温流体の1部は他系統
の羽根車を通り、他系統の吐出ライン(場合によっては
そのバイパスライン)へ排出され、ポンプ内部の流体の
過度の温度上昇を防ぐことができる。
【0012】以上の通り、本発明では、簡単な装置によ
って、吐出される流体の流量が減少しても、羽根車を通
過する流体の流量を自動的に増加させてポンプ内部の流
体の温度の上昇が防止され、キャビテーションの発生を
防止することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態を、図1な
いし図4によって説明する。ポンプケーシング1内に
は、羽根車2a,2bを取付けた主軸3が設けられ、羽
根車2a,2bの間には、流体をポンプケーシング内に
送り込む吸込ノズル4と同吸込ノズル4に連通しポンプ
ケーシング1内の主軸3のまわりに設けられて羽根車2
a,2bの流体を供給する吸込室11が設けられてお
り、吸込ノズル4と吸込室11によって羽根車2a,2
bに共通の吸込口が構成されている。
【0014】羽根車2a,2bの吐出側は、それぞれポ
ンプケーシング1の主軸3のまわりに設けられた低圧吐
出室10a、高圧吐出室10bに連通している。前記低
圧吐出室10aはポンプケーシング1から流体を吐出す
る低圧吐出ノズル5に連通し、また前記高圧吐出室10
bは、ポンプケーシング1から流体を吐出する高圧吐出
ノズル6に連通しており、低圧吐出室10aと低圧吐出
ノズル5及び高圧吐出室と高圧吐出ノズル6は、羽根車
2a,2bによってそれぞれ流体を吐出する個別の吐出
口を形成している。
【0015】前記羽根車2bは、図1に示すように複数
段(2段)設置されており、前記高圧吐出室10bは最
終段の羽根車2bの吐出側に連通している。
【0016】図3に示すように、前記低圧吐出ノズル5
は、吐出流量制御弁16をもちバイパスラインを備えて
いない低圧の吐出ライン12に接続され、また、前記高
圧吐出ノズル6は、吐出流量制御弁17をもつ高圧の吐
出ライン13に接続され、同吐出ライン13の吐出流量
制御弁17の上流側の部分には、バイパス弁15をもつ
バイパスライン14が接続されている。
【0017】前記低圧吐出室10aと前記吸込室11と
の間には、ポンプケーシング1を穴加工して形成され両
者を連通する連通流路7が設けられており、同連通流路
7の出口部の吸込室11内の部分には、表面と裏面とに
接触する流体の温度差による熱膨張差によって変形して
連通流路7の吸込室11への出口を開閉して連通流路7
を流れる流体の流量を調節する流量制御板が設けら
れ、同流量制御板の1端は押えボルト9を介して吸込
室11の内壁に取り付けられている。この流量制御板
は、低圧吐出室10aと吸込室11との間の流体温度差
が小さい時には連通流路7の吸込室11への出口を閉
じ、前記流体温度差が高くなると図2に矢印Aで示すよ
うに変形して連通流路7の吸込室11への出口の開度を
徐々に大きくするように構成されている。
【0018】なお、図1ないし図3中矢印は流体の流れ
る方向を示す。
【0019】本実施例の形態において、低圧吐出室10
a、低圧吐出ノズル5を経て吐出ライン12へ吐出され
る流体の流量が多いときには、吸込室11と低圧吐出室
10aの流体の温度差が小さく、流量制御板8は連通流
路7の吸込室11への出口を閉じ、低圧吐出室10aか
ら連通流路7を通って吸込室11へは流体が流れない。
【0020】低圧吐出ノズル5を流れる流量が吐出流量
制御弁16で制御されて少なくなって来ると、ポンプ効
率の減少と流量の減少の相乗効果によって低圧吐出室1
0a内の流体温度が上昇し始める。このようにして、昇
温した低圧吐出室10aの流体温度は、昇温していない
吸込室11の流体温度に比べて高くなるために、熱膨張
差により流量制御板8が変形し、連通流路7の吸込室1
1への出口の開度が大きくなり、連通流路7を通って低
圧吐出室10aから吸込室11へ流れる流体の流量が増
加する。
【0021】これによって、羽根車2aを通過する流量
は実質的に増大することとなり、流体温度の上昇を防
ぎ、キャビテーションの発生を防止することができる。
また、連通流路7を通って吸込室11へ流出した低圧吐
出室10aからの高温の流体の1部は、他系統の羽根車
2bを通って他系統の吐出側ライン13へ吐出されるこ
ととなり、ポンプ内部の流体の温度上昇を防ぐことがで
きる。
【0022】また、本実施例は、バイパス弁をもつバイ
パスラインは高圧の吐出ライン13にのみ設けられてい
るので、構成を簡単にすることができる。
【0023】ちなみに、ポンプの内部流体温度上昇は、
ポンプ外部への放熱が全く無いとした時、下記の数1で
示される。
【0024】
【数1】
【0025】ポンプにおいては、通常この温度(ΔT)
を10〜20℃以下にしているので、低圧吐出室10a
と吸込室11との流体の温度差が10〜20℃になった
時に、図4に示す最小流量QM が流れるように流量制御
板8の形状、熱膨張差による変形度等を設定すれば良
い。
【0026】
【0027】
【発明の効果】本発明は、共通の吸込口から流体を吸い
込み、個別の吐出口からそれぞれ流体を吐出する2以上
の羽根車を有するポンプにおいて、1部の羽根車の吐出
側と吸込側とを連通するように同ポンプのポンプケーシ
ングを穴加工して形成された流路と、表面と裏面に接触
する温度差により変形する板等の前記一部の羽根車の吐
出側と吸込側の流体の温度差に応じて前記流路を流れる
流体の流量を調節する手段とを設けたので、以上に説明
したように、本発明は、簡単な構成の装置によって吐出
される流体の流量が減少しても羽根車を通過する流体の
流量を自動的に増大させて、ポンプ内部の流体の温度の
上昇を防ぎ、キャビテーションの発生を防止して揚水不
能、回転体の振動増大及び焼き付きの発生を防ぐことが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係るポンプの全体図で
ある。
【図2】前記実施の形態の要部の拡大図である。
【図3】前記実施の形態におけるポンプまわりの系統図
である。
【図4】ポンプ性能と温度上昇、最小流量の関係を示す
図である。
【図5】従来のポンプまわりの系統図である。
【符号の説明】
1 ポンプケーシング 2a,2b 羽根車 3 主軸 4 吸込ノズル 5 低圧吐出ノズル 6 高圧吐出ノズル 7 連通流路 8 流量制御板 9 押えボルト 10a 低圧吐出室 10b 高圧吐出室 11 吸込室 12,13 吐出ライン 14 バイパスライン 15 バイパス弁 16,17 吐出流量制御弁
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−128597(JP,A) 特開 昭54−137701(JP,A) 特開 昭57−32098(JP,A) 特開 昭63−215868(JP,A) 実開 平4−95859(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F04D 13/14 F04D 1/10 F04D 15/00 F04B 23/04 F04B 49/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 共通の吸込口から流体を吸い込み、個別
    の吐出口からそれぞれ流体を吐出する2以上の羽根車を
    有するポンプにおいて、1部の羽根車の吐出側と吸込側
    とを連通するように同ポンプのポンプケーシングを穴加
    工して形成された流路と、前記一部の羽根車の吐出側と
    吸込側の流体の温度差に応じて前記流路を流れる流体の
    流量を調節する手段とを設けたことを特徴とするポン
    プ。
  2. 【請求項2】 前記流量を調節する手段が表面と裏面と
    に接触する流体の温度差により変形する板材であること
    を特徴とする請求項1に記載のポンプ。
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