JP3310356B2 - スギ花粉症抗原の不活性化装置 - Google Patents

スギ花粉症抗原の不活性化装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はスギ花粉症抗原を不活性
化させるユニットに関するもので、更に詳しく述べると
スギ花粉に含まれるアレルゲンに紫外線を照射すること
によって不活性化し人体に無害なものとするためのスギ
花粉症抗原不活性化装置に関するものである。
【0002】
【従来技術】花粉は室内にも浮遊しており従来いわゆる
静電方式のフィルター等による空気清浄器にて花粉を除
去する方法が用いられていた。
【0003】しかし、この方式では物理的に花粉を捕捉
するだけでフィルター交換時やフィルターリーク時には
逆に部屋中に花粉を再浮遊させてしまう危険があった。
【0004】本発明は花粉を物理的に捕捉するのみなら
ず花粉更に言えば花粉に含まれるアレルゲンを不活性化
させる事によって一度捕捉した花粉を人体に無害なもの
に変えてしまう方法を見いだし具体的な装置として完成
したものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】花粉アレルゲンを不活
性化させる装置として簡便かつ実用化の可能性の高い装
置が望まれる。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は紫外線の殺
菌、ウイルスの不活化に注目し、紫外線の波長、照射エ
ネルギーが花粉に与える影響について研究した。その結
果、波長254nm±10の紫外線をある一定照射エネルギー
以上花粉に与えてやれば、花粉アレルゲンが人体に無害
なもの即ち花粉症患者のスギ花粉アレルゲン抗体価を低
下させる事を発見し、その具体的な照射装置の発明に到
達した。
【0007】すなわちスギ花粉1mgをスライドグラス
に載せ照度1.3mW/cmの紫外線ランプ(波長2
54nm±10)を照射すればある一定時間以上照射し
た花粉は紫外線を全く照射しなかったコントロール及び
照射時間の少なかった花粉に比べ有意に花粉症患者の血
清抗体価を低下させた
【0008】本実験を更に詳細に述べれば、紫外線を照
射した花粉試料を生理食塩液中(1ml)に20℃ 24時間
浸せきし膨潤させ0.45μmのメンブランフィルターにて
ろ過(濾液にはアレルゲンが含有されている)、一方花
粉症患者より採取した血液より血清成分を分離し、生理
食塩水にて2倍に希釈したものと先ほどの濾液をそれぞ
れ0.7ml及び0.3ml混ぜ合せELISA法によって抗体価を測
定した。この結果を図3に示した。
【0009】次にどの様に紫外線を花粉に照射するかに
ついて検討を重ねた。実験で得られた必要最小紫外線照
射量を確保するためには、強力な照度で長時間紫外線を
照射しなければならず、先ずフィルターにて花粉を捕捉
し固定する必要性が示唆された。
【0010】花粉は殺菌、タバコの煙等に比しかなり大
きく直径40μm程度の大きさである為、通常の高性能
フィルターや帯電フィルターの様な微小孔フィルターは
必ずしも必要ではない。
【0011】又、フィルター面に固定された花粉に紫外
線を与えるためにできるだけフィルター面に近づけて好
ましくは3cm以下に紫外線ランプ設置するだけでなく、
紫外線ランプ背面部にステンレス又は更に反射効率の高
いアルミ板を使用した反射板構造を有する装置とするの
が好ましい。又、空気を供給する手段としてシロッコフ
ァンを採用した。(図1)。
【0012】本発明ユニットによって、必要十分以上の
紫外線照射量をフィルター面に捕捉された花粉に与える
事ができるのみならず、粗フィルター(30μm)を使
用する事によって、フィルターの目詰まりを起こす事な
く長時間連続運転が可能となり、フィルター交換、清掃
作業の手間が著しく省略できた。当然乍ら、フィルター
交換時による花粉の再浮遊に関しては花粉が無害となっ
ているため人体には全く影響を与えない。
【0013】
【実施例1】以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的
に説明する。
【0014】(実施例ー1)図1に本発明の一態様の一
部破断の斜視図を示す。
【0015】紫外線ランプ1は波長254nm±10、照度1.3
mW/cm2のU字管孔径20μmの除塵フィルター2との距離
が2cm接近して設置されている。紫外線ランプの後方
にはアルミニウム製反射板4が紫外線ランプを囲むよう
に取り付けられ紫外線エネルギーを効率よく除塵フィル
ター面に供給できるようになっている。
【0016】室内の空気は空気吸引口5よりファン3に
よって取り付けられ除塵フィルター2に供給されるがフ
ァンの位置は吸引側、吐出側どちらにあっても良い。空
気中に含まれる花粉は除塵フィルター面上に捕捉され紫
外線ランプによってアレルゲンが不活性化される。花粉
を除去された空気は空気吐出口6から再び室内に吐出さ
れる。
【0017】次に図2に示すような装置を使用してスギ
花粉へ紫外線照射が与える影響について研究した。スギ
花粉8を1mg採りスライドグラス9上に載せ紫外線ラ
ンプ1’を照度1.3mW/cm2が得られるまでスライドグラ
スに近づけた。この時のスライドグラスと紫外線ランプ
間の距離は2cmであった。この時、紫外線ランプの熱
による影響を取り除くためにスライドグラスを4℃の保
冷材10に載せ照射時間をそれぞれ10秒から3分まで
紫外線を照射した。
【0018】得られたサンプル及び全く紫外線を照射し
なかった同量のサンプルを生理食塩液中にて膨潤させシ
リンジにて孔径0.45μmのメンブランフィルターにて濾
過し、予め用意したスギ花粉症患者血清に混注した。
【0019】ELOSA法によって抗体価を測定しその結果
を図3に示した。スギ花粉症患者の血清の抗体価は6.88
IU/mlであったが、紫外線照射時間約50秒を超えたス
ギ花粉によるサンプルから抗体価は徐々に低下している
のが観察された。従って、1.3mW/cm2×50sec 1mW・
min/cm2以上の紫外線照射量を与えるとスギ花粉
中のアレルゲンが不活性化させる事が証明できた。
【0020】
【発明の効果】スギ花粉による花粉症の患者は多くその
対策が要望されている。本発明は室内に入り込んだスギ
花粉を除去するのみならず、スギ花粉症抗原を積極的に
不活性化させ、より安全且つ快適な生活を提供するのに
有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスギ花粉症抗原不活性化装置の一態様
を示す一部破断の斜視図である。
【図2】スギ花粉に紫外線を照射する実験装置の外観図
を示す。
【図3】スギ花粉症患者の血清の抗体価とスギ花粉に紫
外線を照射する時間との関係を示す。
【符号の説明】
1、1’ 紫外線ランプ 2、除塵フィルター 3、ファン 4、反射板 5、空気吸引口 6、空気吐出口 7、操作パネル 8、スギ花粉 9、スライドグラス 10、保冷材
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−258617(JP,A) 特開 平4−117960(JP,A) 特開 平1−168312(JP,A) 特開 昭61−29357(JP,A) 実開 平2−45749(JP,U) 実開 平4−61538(JP,U) 実開 昭61−164932(JP,U) 実開 平2−96143(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61L 2/10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フィルターに集されたスギ花粉に波長
    254nm±10の紫外線を照射エネルギー1.0mW
    ・min/cm以上に照射するように構成したスギ花
    粉症抗原の不活性化装置。
  2. 【請求項2】 孔径30μm以下のフィルターを有し、
    フィルター面に波長254nm±10を含む紫外線を
    1.0mW・min/cm以上照射し、フィルター面
    に花粉を含んだ空気を供給するためのファン又はポンプ
    を有したスギ花粉症抗原の不活性化装置。
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