JPH06279297A - ウィルス感染性除去方法およびその装置 - Google Patents

ウィルス感染性除去方法およびその装置

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JPH06279297A
JPH06279297A JP5089515A JP8951593A JPH06279297A JP H06279297 A JPH06279297 A JP H06279297A JP 5089515 A JP5089515 A JP 5089515A JP 8951593 A JP8951593 A JP 8951593A JP H06279297 A JPH06279297 A JP H06279297A
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JP
Japan
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virus
infectivity
removal
filtration filter
ultraviolet rays
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Withdrawn
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JP5089515A
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English (en)
Inventor
Takashi Tsuboi
崇 坪井
Naoki Yamamoto
直樹 山本
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 タンパクを含む水溶性溶液からウィルス感染
性の除去に際し、従来のものに比較して優れた除去性を
有するウィルス感染性除去方法およびその装置を提供す
る。 【構成】 タンパクを含む水溶性溶液を、まず濾過フィ
ルターで濾過し、次いで、濾過された液に紫外線で照射
するウィルス感染性除去方法およびその装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、血漿や血漿分画製剤、
あるいは細胞培養培地、バイオ医薬品等のタンパク共存
溶液をはじめとする、ウィルスが混入する可能性のある
溶液からのウィルス感染性の除去に際し、従来のものに
比較して優れた除去性を有するウィルス感染性除去方法
およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から用いられているウィルス感染性
の除去方法として、膜濾過法、カラム分画法、薬剤処理
法、加熱法、紫外線照射法等があり、大別すると、ウィ
ルス粒子の除去法と不活化法に分類される。実用に際し
ては、対象となるウィルスの性状、共存タンパク等の性
状に応じて適切な方法が選択されている。
【0003】紫外線照射法は、大部分のウィルスに対し
て適用が可能であり、薬剤等他の物質の添加を必要とし
ないなどの長所がある一方、多量の溶液の処理には不適
であり、また、不活化効果に対する信頼度も低く、工業
化を目指す上で実用的に困難であった。膜濾過法は様々
な工業プロセスにおいて実用化されており、従来は製造
の最後工程において、除菌フィルターとして用いられる
ことが多かった。タンパクの変性が少なく、比較的粒子
径の大きなウィルスは効率よく除去できるという長所を
有する一方、粒子径の小さなウィルスの除去を困難とす
るという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の欠点である(1)膜濾過法における粒子径の小さなウ
ィルス除去の困難性、および(2)紫外線照射法におけ
る効果的な大量処理の困難性を解決することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の欠点
を解決するため鋭意研究の結果、ウィルスの感染性を有
する溶液は、膜濾過の履歴を受けた後に紫外線の照射を
行うと、紫外線の照射による不活性効果が大巾に向上す
るという実験事実を見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0006】すなわち、本発明は、タンパクを含む水溶
性溶液を、まず濾過フィルターで濾過し、次いで、濾過
された液に紫外線を照射することを特徴とするウィルス
感染性除去方法およびその装置である。
【0007】本発明において、濾過フィルターは蛋白質
が透過するものであればどのような素材でもかまわな
い。例えば、PVDF、グラスファイバー、セルロース
エステル等を素材とするフィルターが市販されている
が、特にセルロース系高分子を素材としたものは、タン
パク透過性に優れ好ましい。
【0008】本発明に用いる市販の濾過フィルターは、
その性能が管理、保証されており、その平均孔径は、濾
過の対象となる溶液の性状に応じて適切な孔径が好まし
い。特開昭61−254202号、特開昭61−274
707号に代表される再生セルロース膜は、その透水量
により求められた平均孔径15,35,75nmのフィ
ルターが市販されている。透水量による平均孔径は、下
記数1により導かれた。
【0009】
【数1】 例えば、平均孔径35nmのフィルターであれば、B型
肝炎ウィルスの平均対数除去率LRV=6というよう
に、その性能が把握、管理され、一定の基準値に合格し
たものだけが出荷されている。ここで対数除去率LRV
は、除去前の感染価をI0 、除去後の感染価をI1 とす
ると、LRV=log.I0 /I1 により導かれる。
【0010】本発明は、ウィルスの感染性を有する溶液
が膜濾過の履歴を受けた後、紫外線照射による不活化効
果が大巾に向上するという実験事実に基づくものであ
る。この紫外線照射によるウィルス不活化効果の飛躍的
な向上は、溶液中のウィルス凝集体、あるいは細胞培養
上清由来の溶液であれば、微細な細胞断片等の要因が不
活化を阻害していたが、これらウィルス凝集体あるいは
細胞断片等が濾過フィルターにより除去されたことによ
るものであろうと推察される。さらに、濾過フィルター
によるウィルス粒子の効果的な除去という点で、濾過フ
ィルターの平均孔径は75nm以下であることが好まし
い。また、紫外線照射によるウィルスの不活化効果を考
慮すると、紫外線の最大吸収波長は380nm以下であ
ることが好ましい。
【0011】濾過フィルターを通過してきた濾液を、さ
らに紫外線照射による不活化処理を行う場合、紫外線の
照射条件が一定に制御されていることが望ましい。そこ
で、濾液の流路にレギュレーターを取り付け、流速が一
定値を保つようにした。すなわち、紫外線照射による不
活化処理を一定の時間受けるようにした。
【0012】
【実施例】以下、図面にしたがい本発明の実施例につい
て説明する。 (実施例1)本発明の装置は、70cm×70cm×1
20cmのスチール製の外枠の中に収納されており、内
部の概略図を図1に示した。TCID50=109 のシン
ドビスウィルスの感染性を保持する10%FCSを含有
するダルベッコMEM溶液200mlを、ポリエチレン
製の試料用バッグ1に封入した。該バッグ1は、試料溶
液の容量に応じて3000mlまでのバッグが準備可能
である。
【0013】試料用バッグ1と濾過フィルター2を連結
するシリコンチューブは、鉗子によりあらかじめ遮断し
てあるため、準備が整うまで試料溶液が次の工程に流れ
出すことはない。濾過フィルターとして、透水量により
求めた平均孔径が75nmの銅アンモニア法再生セルロ
ース中空糸膜を用いた。フィルター濾液はシリコンチュ
ーブ9を通り、自動的に石英チューブ3内へ流れ込むシ
ステムになっている。
【0014】石英チューブ3は厚さ2mmの石英板によ
り構成され、試料溶液は1mm×1mmの正方形の断面
を流れるよう設計している。石英チューブから5cmの
距離には、254nmに最大吸収波長を有する15wの
紫外線ランプ6が、石英チューブ3をはさんで2本取り
付けられている。さらに、その外側には、反射鏡7が取
り付けられ、紫外線が反射して石英チューブに集まるよ
うに設計している。紫外線照射装置部の断面図を図2に
示した。
【0015】図1の4は流量調節バルブであり、そのバ
ルブの開閉の程度により、流速が制御されている。紫外
線照射により、石英チューブ内の溶液の温度上昇が問題
となる場合には、温調システムを取り付け、温度上昇を
防ぐことも可能である。なお、図1において、5は試料
回収用バッグである。
【0016】109 の感染価を有するシンドビスウィル
ス液の平均孔径75nmの濾過フィルター通過後の濾液
を、一部サンプリングを行い、感染性を測定したところ
108.8 であった。さらに、紫外線照射により得られ
た、本装置を用いた最終的な感染性除去溶液である図1
の回収試料溶液の感染性は103.8 であった。
【0017】なお、シンドビスウィルスの感染性測定法
として、BHK−21細胞を宿主細胞とするTCID50
法を採用した。さらに詳しくは、96穴マイクロプレー
ト上に10%FCSを含有するダルベッコMEM溶液
に、トリプシン処理を施したBHK−21細胞を浮遊さ
せた細胞浮遊液100μlを各ウェルに分注し、1ウェ
ル当り1×104 個の細胞が入るよう、あらかじめ細胞
濃度を調整した。さらに、シンドビスウィルス液を10
倍階段に希釈し、各希釈液を100μlずつ細胞の入っ
たウェル上に加えた。希釈液添加後5日目の細胞変性効
果の有無を顕微鏡下に肉眼で判定し、AMERICAN
JOURNAL OF HYGIENEVOL.27
MAY 1938の理論にしたがいTCID50値を算
出した。結果を表1に示す。 (実施例2)TCID50=108 の感染価を有する日本
脳炎ウィルス(JEV)の感染性を保持する10%FC
Sを含有するダルベッコMEM溶液200mlを、図1
のポリエチレン製バッグ1に封入し、以下、実施例1の
手法にしたがい、本装置を用いて感染性の除去を行っ
た。ただし、濾過フィルター2として、透水量より求め
た平均孔径が35nmの銅アンモニア法再生セルロース
中空糸膜を用いた。濾過フィルター通過直後の濾液を一
部サンプリングを行い、感染性を測定したところ、10
3.8 であった。
【0018】さらに、紫外線照射により得られた、本装
置を用いた最終的な感染性除去溶液である回収溶液の感
染性は<100.5 であり、感染性は検出されなかった。
なお、シンドビスウィルスの感染性測定法は、実施例1
の手法にしたがった。結果を表2に示す。 (比較例1)本装置を構成する濾過フィルター装置部と
紫外線照射装置部を切りはなし、実施例1で用いたTC
ID50=109 のシンドビスウィルス液を、濾過フィル
ター装置を用いずに直ちに紫外線照射装置による不活化
処理を行った。不活化処理直後のシンドビスウィルスの
感染性は106.5 であった。結果を表1にあわせて示
す。
【0019】表1からもわかるように、濾過によるウィ
ルス感染性は変化がほとんどないにもかかわらず、紫外
線照射の効果が、本発明では、LRV=5であるのに対
し、従来技術である膜濾過を行わずに紫外線照射を行っ
た場合の効果はLRV=2.5であり、本発明により、
飛躍的に向上したことがわかる。したがって、膜にウィ
ルス除去性能が実質的になくても、紫外線照射による不
活化効果が増加することがわかる。 (比較例2)本装置を構成する濾過フィルター装置部と
紫外線照射装置部を切りはなし、TCID50=108.0
のJEVをまず最初に紫外線照射装置を用いて不活化処
理を行い、直ちに濾過フィルター装置を用いて濾過を行
った。紫外線照射による不活化処理直後のJEVの感染
性は106.8 であり、さらに、濾過後の感染性は10
2.5 であった。本装置を構成する2つの装置部を逆に組
み合わせた場合には、感染性が残存した。結果を表2に
あわせて示す。
【0020】表2からわかるように、濾過によるウィル
ス粒子除去と紫外線照射による不活化は、ウィルス感染
性除去に関し、相加効果ではなく相乗効果として働き、
比較例ではウィルス感染性が残存したのに対し、実施例
ではウィルス感染性が測定感度以下であることがわか
る。したがって、膜濾過によりウィルスの除去効果があ
る場合には、さらに紫外線照射による不活化処理を組み
合わせることにより、相乗効果的にウィルス感染性の低
下をもたらすことがわかる。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】
【発明の効果】本発明により、溶液中のウィルス感染性
除去に関し、膜濾過の効果と紫外線照射による不活化効
果の各々単独での効果の和よりも、少なくとも1桁以上
の優れた効果が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の装置の構成を示す概略図である。
【図2】図1の紫外線照射装置部の横断面図である。
【符号の説明】 1 試料用バッグ 2 濾過フィルター 3 石英チューブ 4 流量調節バルブ 5 試料回収用バッグ 6 紫外線ランプ 7 反射鏡 8,9 シリコンチューブ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タンパクを含む水溶性溶液を、まず濾過
    フィルターで濾過し、次いで、濾過された液に紫外線を
    照射することを特徴とするウィルス感染性除去方法。
  2. 【請求項2】 濾過フィルターが平均孔径75nm以下
    のものである請求項1記載のウィルス感染性除去方法。
  3. 【請求項3】 紫外線の最大吸収波長が380nm以下
    である請求項1または2記載のウィルス感染性除去方
    法。
  4. 【請求項4】 濾過フィルター装置と紫外線を照射する
    装置からなり、タンパクを含む水溶性溶液が濾過フィル
    ター装置で濾過され、濾過された液が紫外線を照射する
    装置により照射処理されるように配置されていることを
    特徴とするウィルス感染性除装置法。
  5. 【請求項5】 濾過フィルターが平均孔径75nm以下
    のものである請求項4記載のウィルス感染性除去装置。
  6. 【請求項6】 紫外線の最大吸収波長が380nm以下
    である請求項4または5記載のウィルス感染性除去装
    置。
JP5089515A 1993-03-25 1993-03-25 ウィルス感染性除去方法およびその装置 Withdrawn JPH06279297A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998030230A1 (fr) * 1997-01-09 1998-07-16 Yoshitomi Pharmaceutical Industries, Ltd. Compositions proteinees et procede de production
JP2003536057A (ja) * 2000-06-09 2003-12-02 ビヨ・メリウー きわめて大量の試料から分析用試料を調製する濾過手段の使用方法
JP2009077707A (ja) * 1995-07-14 2009-04-16 Sartorius Stedim Biotech Gmbh 血液製剤中の汚染物質を不活性化する方法

Cited By (4)

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JP4792590B2 (ja) * 2000-06-09 2011-10-12 ビヨ・メリウー きわめて大量の試料から分析用試料を調製する濾過手段の使用方法

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