JP3309363B2 - 光導波路・光ファイバ接続方法および接続装置 - Google Patents

光導波路・光ファイバ接続方法および接続装置

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JP3309363B2
JP3309363B2 JP03886294A JP3886294A JP3309363B2 JP 3309363 B2 JP3309363 B2 JP 3309363B2 JP 03886294 A JP03886294 A JP 03886294A JP 3886294 A JP3886294 A JP 3886294A JP 3309363 B2 JP3309363 B2 JP 3309363B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光ファイバ通信や光セ
ンサシステムで使用される光部品を構成する光導波路と
光ファイバとの接続方法および接続装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、信号光を分配したり、スイッチン
グ等の処理を行う機能を持つ平面光導波路デバイスの適
用領域が拡大しつつある。しかし、現行の光ファイバを
用いた通信系において、上述した平面光導波路の機能を
利用するためには、光ファイバとのインタフェース(入
出力)部を構成する必要がある。
【0003】従来、この入出力部は平面に一直線上に配
列したファイバ・アレイ・ブロックと導波路端面との位
置合わせによって構成されていた。この位置合わせ工程
を調芯実装工程と呼び、その調芯実装装置の概念的概略
を図8に、また、調芯実装工程の従来のフロー図を図9
に示す。
【0004】図8中、21は平面光導波回路、22は平
面導波回路のコア端面、23は接続用光ファイバ・アレ
イ・ブロック、24は出力モニタあるいは光入力用光フ
ァイバ・アレイ・ブロックであり、x,y,zは光ファ
イバ・アレイ・ブロック23の並進座標軸、α,β,γ
は光ファイバ・アレイ・ブロック23の回転座標軸をそ
れぞれ示す。かかる装置において多芯の光ファイバ・ア
レイ・ブロック23を実装するには、図9に示すよう
に、まず、被接続部品である平面導波回路22および光
ファイバ・アレイ・ブロック23を調芯実装装置にセッ
トし(ステップS−110)、光ファイバ・アレイ・ブ
ロック23の回転座標軸α,β,γを合わせ(ステップ
S−111)、さらに光ファイバ・アレイ・ブロック2
3の並進座標軸x,y,zを合わせる(ステップS−1
12)。ここで、1個所の出力をモニタしながら(ステ
ップS−113)、光ファイバ・アレイ・ブロック23
の並進座標軸x,y,zを微動させるピークサーチ動作
を行い(ステップS−114)、最大出力を記録するよ
うにする(ステップS−115)。次に、多ポートをモ
ニタする(ステップS−116)。さらに、必要なポー
トは測定済みかどうかを判断して(ステップS−11
7)、測定してない場合にはステップS−116を繰り
返す。そして、全てのポートが測定済みの場合には各ポ
ートの出力値が妥当かどうかを判断する(ステップS−
118)。ここで、各ポートの出力値が妥当でない場合
には角度ずれが大かどうかを判断し(ステップS−11
9)、角度ずれが大の場合にはステップS−111に戻
り、角度ずれが大でない場合にはステップS−112に
戻る。そして、各ポートの出力値が妥当になった後、接
続を行い、平面導波回路22と光ファイバ・アレイ・ブ
ロック23とを接続し(ステップS−120)、接続済
み部品を取り外す(ステップS−121)。
【0005】かかる実装工程において、ステップS−1
17〜S−119の各判断項目(中、ひし型で示す)の
判定論理には様々な論理が用いられている。例えば必要
ポート数は実装する光ファイバ・アレイ・ブロックのフ
ァイバポート数(n=1〜32)が代入され、ステップ
S−118の〈各ポート出力値は妥当か?〉の項目に
は、光ファイバ・アレイ・ブロック23の両端ポートの
出力値の差が最小(min)であるか?等の論理が用い
られる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】図9のフローが全て人
手によって進行するものであれ、電子計算機等で自動化
されるものであれ、かかる手順は所要時間が長いので、
部品の接続を効率よく行うために、この短縮化が待ち望
まれていた。また、接続作業を短縮化するために図8で
示される平面導波回路22の両側に接続する光ファイバ
・アレイ・ブロックを同時に調芯する装置も提案されて
いるが工程フローは図9と同様で望ましい最適化は図れ
なかった。
【0007】本発明の目的は、このような事情に鑑み、
以上述べた従来の平面光導波路への光ファイバ接続工程
において繁雑な調芯繰り返し作業を簡略化して調芯作業
時間を大幅に短縮化する接続方法のおよびそれを応用し
た実接続装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成する本発
明の第1の態様は、単数あるいは複数の光ファイバを備
えた光ファイバ・アレイ・ブロックと平面光導波路チッ
プとを接続し固定する光導波路・光ファイバ接続方法に
おいて、予め測定された、前記光ファイバ・アレイ・ブ
ロックのファイバコア位置の配列データおよび前記平面
光導波路チップの光導波路コア位置の配列データを基
に、計算機上で接続工程を模擬動作し、得られた模擬的
な位置合わせ結果から各ポートの光損失計算値を求める
工程と、当該光損失計算値を比較して、なるべく間隔が
開いており、かつ、接続損失の小さな2つのポートを調
芯用ポートとして選択する工程と、実装装置を用い、前
記調芯用ポートの出力をモニタして前記光ファイバ・ア
レイ・ブロックと前記平面光導波路チップとの位置合わ
せを行ない、その結果に基づいて全てのポートの光損失
を測定する工程と、当該測定で得られた各ポートの光損
失と、前記各ポートの光損失計算値とを比較する工程と
を備えることを特徴とする。
【0009】本発明の第2の態様は、単数あるいは複数
の光ファイバを備えた光ファイバ・アレイ・ブロックと
平面光導波路チップとを両者の相対位置を位置合わせ微
動可能に固定する固定手段と、当該両者の接続部を通る
光のパワーの最大値を検出し得る検出手段と、当該検出
手段からのデータに基づいて前記固定手段を制御する制
御手段とを備え、前記光ファイバ・アレイ・ブロックと
前記平面光導波路チップとを接続し固定する光導波路・
光ファイバ接続装置であって、予め測定された、前記光
ファイバ・アレイ・ブロックのファイバコア位置の配列
データおよび前記平面光導波路チップの光導波路コア位
置の配列データを取り込むデータ入力手段と、当該配列
データに基づいて実装を模擬動作させ、得られた模擬的
な位置合わせ結果から各ポートの光損失計算値を求める
手段と、当該光損失計算値を比較して、なるべく間隔が
開いており、かつ、接続損失の小さな2つのポートを調
芯用ポートとして選択する手段と、当該調芯用ポートの
出力をモニタして前記光ファイバ・アレイ・ブロックと
前記平面光導波路チップとの位置合わせを行ない、その
結果に基づいて全てのポートの光損失を測定する手段
と、当該測定で得られた各ポートの光損失と、前記各ポ
ートの光損失計算値とを比較する手段とを備えることを
特徴とする。
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】本発明による光導波路・光ファイバ接続方
法と従来の接続方法との最も大きな相違は、接続工程に
用いる部品群の特性を予め測定しその必要データを計算
機上で模擬動作(エミュレーション)し、調芯装置に必
要データから推定できる情報を事前指示として装置に与
える点である。従って、従来技術に係る調芯方法が全て
部品を搭載してからの測定ルーチンによる動作からスタ
ートしている点とは全く異なる。
【0015】本発明は、接続に用いる部品群の特性を部
品の事前検査による測定によって得ることを主な特徴と
するが、この事前検査は従来も被接続部品の受入れ検査
として行なわれていたものであり、本発明による調芯方
法実施のために新たに設けられたものではない。
【0016】本発明による接続方法のフロー図の一例を
図1に示す。フロー図を計算機上作業と実装装置上作業
に2分して記載したが、図9の従来のフロー図と大幅に
異なるのは実装装置上での繰り返しループが最小限に抑
えられる点である。これは微調(x,y,z,α,β,
γ)等の移動工程を計算機上で行えるため、実装装置
(一般に高価)の占有時間を低減できる点である。ま
た、事前に用いる部品の実特性から光損失の傾向がシミ
ュレーションされて指示されるため、実装実作業での判
断、やり直しは端面の汚れ等作業ミスに起因するものと
判断でき、不要な繰返しループに落ちいることがない。
【0017】加えて、計算機上作業の配列データを複数
の部品で準備すれば、接続する部品間で最適の組み合わ
せを容易に指定できる。この結果、接続に使用する部品
に過剰品質を要求する必要がなく、利用する部品の利用
効率を上げることができ、組み立てモジュールのコスト
低減にも有効である。
【0018】本発明に係る接続方法では、予め測定され
た光ファイバ・アレイ・ブロックのポート(コア)位置
の配列データを計算機に入力し(ステップS−1)、ま
た、同様に予め測定された平面光導波路のコア位置の配
列データを計算機に入力する(ステップS−2)。次
に、両者の配列間の位置誤差を計算し(ステップS−
3)、各ポートの光損失を理論計算する(ステップS−
4)。ここで、各ポートの出力値が妥当か否かを判断
し、妥当でない場合には、光ファイバ・アレイ・ブロッ
クの並進座標軸x,y,zおよび回転座標軸α,β,γ
を微動させて再び両者の配列間の光損失を理論計算す
る。各ポートの出力値が妥当になった後、各ポートの損
失値を指示し(ステップS−7)、調芯するのに最適な
ポートを複数指示する(ステップS−8)。以上が計算
機上の作業である。
【0019】次に、実装装置上の作業について説明す
る。図2は、一実施例に係る接続装置を概念的に示す図
であり、図3は、調芯時のファイバブロックを概念的に
示す図である。なお、図3において、各ポートの中心に
示される×印はピークサーチによる座標位置となる。
【0020】まず、図2に示すように、平面光導波路で
あるチップ1をチップ固定部2に固定し、また、複数本
の光ファイバ12の先端部がアレイ化された光ファイバ
・アレイ・ブロック11をチップ固定部2の両側に設置
されているファイバアレイブロック固定部3のステージ
4上にそれぞれ固定する。ここで、ファイバアレイブロ
ック固定部3にはそれぞれステージ駆動ドライバ5が接
続され、各ステージ駆動ドライバ5はピークサーチャー
6によって制御されている。一方、光ファイバ・アレイ
・ブロック11の光ファイバ12の他端をチャンネルセ
レクタ7に接続する。このチャンネルセレクタ7には、
それぞれ半導体レーザ(レーザダイオード;LD)など
の光源8および光パワーメータ(光検出器)9が接続さ
れており、光パワーメータ9のデータはピークサーチャ
ー6に送られるようになっている。さらに、各チャンネ
ルセレクタ7およびピークサーチャー6を制御する制御
用計算機10が設けられており、この計算機に、被接続
部品であるチップ1および光ファイバ・アレイ・ブロッ
ク11の検査データ13を入力する。
【0021】このような設定において、上述したデータ
に基づいて調芯用ポート番号を決定してチャンネルセレ
クタ7により調芯ポートを設定し(ステップS−9)、
ピークサーチャー6によりピークサーチを実行する(ス
テップS−10)。その後、各ポートの光損失を実際に
測定し(ステップS−11)、この実測値が計算値と一
致するか否かを判断する(ステップS−12)。ここ
で、両者が一致しないと判断した場合にはチップ1およ
び光ファイバ・アレイ・ブロック11の端面を清掃した
後、再びピークサーチを行う。そして、実測値が計算値
と一致した場合にはチップ1と光ファイバ・アレイ・ブ
ロック11との接続を行う(ステップS−14)。
【0022】ここで、ピークサーチについて説明する。
本発明でピークサーチとは、光ファイバの出力をモニタ
しながら光ファイバの位置を微動して最大出力位置を探
索する動作をいう。この動作のアルゴリズムは、通常2
次元で、例えば、うず巻き型動作(内廻り,外廻り)、
あるいはベタx,yスキャン動作などがある。うず巻き
型動作は、元の点よりパワー最大の点をモニタしながら
(メモリしながら)うず巻き型動作して、最適点に到達
するものである。この渦巻き型動作は、速いけれど不安
定であるという特徴があり、機械動作向きである。一
方、 ベタx,yスキャンは、ある領域の各点をパワー
モニタしながらスキャンし、最大値を比較して最後に最
適点に戻るものである。このベタx,yスキャン動作
は、確実だが遅いという特徴があり、計算機向きであ
る。
【0023】本発明の接続装置の一例である図2の装置
と従来の装置と最も異なるのは、データ入力手段および
処理手段としての制御制御用計算機10を備える点揃え
ている点である。各部品の特性データに基づいて計算機
データ処理で最適な調芯開始ポートを計算し、これを指
示しチャンネルセレクタに送信することにより自動実装
モードが高速に行える。
【0024】また、調芯ポート切り替え手段として、各
ファイバ・アレイ・ブロック端にチャンネルセレクタを
備えている点も大きく異なる。これにより、従来が手差
しのコネクタで計測用ポートを切替えていたのに対して
大幅に高速化(〜100msec以下)できる。
【0025】さらに、チャンネルセレクタを利用して、
LD光源,パワーメータを2重化すると、ピークサーチ
機構を正確には制御計算機のデータ処理結果に基づき交
互にステージを駆動でき左右ファイバ・アレイ・ブロッ
クの位置変化による調芯時間を短縮化できる。なお、従
来は片端を固定して片端のみをピークサーチし、固定
し、逆側をピークサーチするという動作を繰り返してい
た。片端のみのピークサーチ時間は通常計算機のデータ
処理数10クロックに相当し、調芯時間が長くかかる主
要因であった。
【0026】
【実施例】以下本発明による実施例を具体的に説明す
る。
【0027】〔実施例1〕光導波路,光ファイバ接続用
の8芯光ファイバ・アレイ・ブロックのコア位置を精密
測定した。8芯のピッチは250μm間隔とし、座標は
図3に示すとおり、光ファイバの配列方向を原x座標、
このx座標およびファイバ軸に直交する方向を原y座標
とした。2つの部品の座標測定例を下表1,2に示す。
なお、FBはファイバブロック(fiber bloc
k)の略であり、FB1およびFB2を試料とした。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】 次に光ファイバ・アレイ・ブロックの間に挟まれ接続さ
れる平面光導波路チップのコア位置を測定した。結果を
表3に示す。なお、PLCは、プラナーライトウェーブ
サーキット(planar lightwave ci
rcuit)の略である。
【0030】
【表3】 平面光導波路チップのコア位置座標測定結果 試料番号 PLC ポート番号 原X座標 原Y座標 ポート番号 原X座標 原Y座標 P1 −L 0.10 -0.05 P1 −R -250.00 -0.05 P2 −L 249.90 0.05 P2 −R 0.05 -0.10 P3 −L 500.05 0.10 P3 −R 249.95 -0.05 P4 −L 750.00 0.05 P4 −R 500.05 0.05 P5 −L 999.95 0.00 P5 −R 749.90 0.10 P6 −L 1,250.05 -0.05 P6 −R 999.95 0.05 P7 −L 1,499.90 -0.10 P7 −R 1,250.00 0.00 P8 −L 1,750.05 -0.05 P8 −R 1,500.05 -0.05 次にこれら4点の座標データを、計算機処理し、仮想直
線からの誤差距離をプロットした。結果を図4,図5,
および図6(a)、(b)にそれぞれ示す。各図はX軸
が誇張してあり、図中点線で表す楕円は半径0.5μm
の理想点を示す。
【0031】これらのデータから、これらを接続した際
の位置誤差のデータを求める。本実施例の場合、図6
(a)(PCLのポートP1 −L〜P6 −L),および
図6(b)(PCLのポートP1 −R〜P6 −R)から
導波路両端の位置精度が充分直線性が高いことが明らか
なので、導波路両端のデータは省略し、両ファイバブロ
ックを直接接続すると仮定した場合の位置誤差を、図4
および図5のデータとの位置誤差から計算した。この結
果を表4〜表7に示す。なお、表中、例えば、E−12
は、「×10-12 」を意味する(以下同様)。
【0032】
【表4】
【0033】
【表5】
【0034】
【表6】
【0035】
【表7】
【0036】表4および表5は、それぞれFB1および
FB2における理想位置からの位置ずれを示し、X位置
差分はX軸方向の位置ずれ、Y位置差分はY軸方向の位
置ずれ、絶対位置誤差は理想位置からの距離をそれぞれ
示す。表6は、これらのFB1およびFB2を接続した
場合の位置ずれを示し、全てのポートでの誤差距離の合
計が距離和で示される。また、表7は、表6のデータに
変分ΔxおよびΔyをかけたものである。ここで、Δ
x,Δyは、FB1およびFB2のポート位置を調芯し
て一致させたときの距離和が光ファイバ・アレイ・ブロ
ックの位置変分により変化する度合を見るために計算機
上で変分をかけるパラメータであり、最終的に各誤差和
が最小になる点を示している。本実施例の場合、Δx=
0.0542253、Δy=0.01722とした。表
7の変分和は、この系での接続誤差の最小値を示してお
り、距離和と変分和との差が改善値(0.159074
8)である。
【0037】本実施例では、光導波路のデータを無視し
て計算したが、これを考慮して位置誤差を計算してもよ
い。
【0038】次に、このデータから接続損失および調芯
開始ポートを求める。この場合、中央に挟み接続する平
面光導波路チップの損失値が既知(製品検査データ)で
あるとすると、以下の論理で調芯工程の事前指示を得ら
れる。
【0039】(1)平面光導波路の測定損失データをL
1 ,L2 ,…,L7 ,L8 とし、損失LT1=L1 +{-10log(exp(-d1/ ω)2)} LT2=L2 +{-10log(exp(-d2/ ω)2)} LT3=L3 +{-10log(exp(-d3/ ω)2)} LT4=L4 +{-10log(exp(-d4/ ω)2)} LT5=L5 +{-10log(exp(-d5/ ω)2)} LT6=L6 +{-10log(exp(-d6/ ω)2)} LT7=L7 +{-10log(exp(-d7/ ω)2)} LT8=L8 +{-10log(exp(-d8/ ω)2)} を求める。ここで、d1 〜d8 は、位置誤差である。ま
た、ωはファイバコアおよび導波路コアのモードフィー
ルド径で、ここでは4.75μmを用いた。
【0040】(2)LT1〜LT8の値でなるべく間隔の開
いたポートで接続損失の小さな所を探しだす。表4〜表
7の例では上記L1 〜L8 が全てほぼ等しいとすると、
計算無しにポート番号P2 およびポート番号P6 、また
はポート番号P1 およびポート番号P6 が選択できた。
この導波路の接続損失は1.0dB前後なのでポートP
1 およびP6 の損失を計算するとLTn>Ln なので、P
1 およびP6 、あるいはP2 よびP6 を両端測定2ポー
トとし、これを事前指示として接続装置に与えた。
【0041】この後、接続装置は、ポートP1 およびP
6 のピークサーチを行いながら両ファイバ・アレイ・ブ
ロックをα方向に回転させ接続工程を開始した。最終的
に自動調芯が収束するのに、60秒を要した。
【0042】各ポートの損失をスキャン測定し推定損失
と一致する傾向を得て表示するまでに更に20秒を要し
た。すなわち、調芯に要した時間は合計80秒であっ
た。
【0043】〈比較例1〉同一の条件の光ファイバ・ア
レイ・ブロックと平面光導波路を実施例1の事前指示な
しに自動調芯させた。
【0044】調芯装置はP1 −P8 をピークサーチしな
がらα方向回転を繰返し調芯したが、収束しなかった
(約5分間作業)。
【0045】次に、P1 −P7 で同等の作業を繰返した
が約3分を要した(合計の作業時間8分)。
【0046】ここで、各ポートの損失をスキャンし第1
データとして記憶した。
【0047】次に、P2 −P7 で同等の作業の繰返し約
2分を要した。
【0048】次に、各ポートの損失をスキャンし第1デ
ータと比較し一致する傾向を得るまでに20秒を要し
た。
【0049】よって、総計の調芯作業時間は10分20
秒であった。
【0050】〔実施例2〕前述実施例1の事前指示内容
(調芯ポートP2 ,P6 、および推定損失データを自動
調芯装置にGP−IBインタフェースで送信し記憶する
全自動の調芯実装装置を構成した。この装置に被接続部
品(データ測定済)を搭載し全自動調芯を行わせたとこ
ろ40秒で終了した。
【0051】〈比較例2〉上記全自動調芯実装装置に同
一の被接続部品を搭載し、事前指示内容として(n=1
〜4;n=2〜8)の2組の数字を乱数選択し、これを
調芯ポート番号として与え、調芯を行わせた。約10分
の調芯作業で動作が収束せず調芯は行えなかった。
【0052】〔実施例3〕実施例1と同様の方法で1×
8光スプリッタを接続実装した。出力ポートの8芯の各
間隔は250μm、コア径8μm(8μm角)とした。
【0053】本例では入力ポートは単芯のファイバ・ア
レイ・ブロックを用いるため実施例1の様な入力ポート
側のピッチデータは必要としない。一方、出力ポート側
(8芯側)のみピッチデータを測定したファイバ・アレ
イ・ブロックを用いた。
【0054】実装手順は以下の通りである。
【0055】出力ポート側のファイバ・アレイ・ブロッ
クのピッチデータより実施例1の図6(b)に類するデ
ータを計算機処理した。この結果は下記表8のようにな
った。表はファイバ・アレイ・ブロック左端よりx,y
座標ずれを示す。
【0056】
【表8】
【0057】上表より最も位置ずれの低いポート2つを
選択し、本実施例では(No.1)および、(No.
6)の2ポートを選んだ。
【0058】入力ポートより光を入力し、出力側(N
o.1,No.6)の2点をモニタしながら出力側につ
いて(x,y,α)の自動調芯を行った。
【0059】装置が自動調芯を終えるのに40秒を要し
た。
【0060】〈比較例3〉同一のPLCチップ(1×8
光スプリッタ)、ファイバ・アレイ・ブロックを用い、
光モニタポートの番号指示なしに実装を自動調芯させ
た。装置の動作アルゴリズムは、最初に(No.1,N
o.8),(No.1,No.7),(No.1,N
o.6),(No.2,No.8),(No.2,N
o.7),(No.2,No.6)の順に光ポートを変
化させ、最小接続損失ポートを選ぶ論理とした。
【0061】実装装置は(No.1,No.8)の組み
合わせより計6個の調芯作業を実行し、計45秒×6=
270秒の調芯時間を要した。
【0062】結果は(No.1,No.6)の光ポート
での調芯に収束し、実施例1の損失と同等であった。
【0063】次に、本発明で各部品の特性データおよび
これを処理して事前の指示データとするデータシートの
一例として、ガラス・ファイバ・ブロック測定データ整
理用のデータシート(エクセルシート)を示す。本発明
ではこのようなデータシートを接続装置の処理手段に入
力し、このデータシートを例えば2枚重ねることによ
り、接続損失および調芯開始ポートを推定することがで
きる。また、最初のx誤差およびy誤差を特性データと
して入力し、接続装置の処理手段において下記のように
データを処理し、さらに接続損失および調芯開始ポート
を推定するようにしてもよい。
【0064】表9にデータシート(エクセルシート)の
一例を示す。なお、表中のデータの意味は以下の通りで
ある。
【0065】(a) 入力値(原X座標) (原Y座標) (X,Y)ペアなら符号,座標は任意 (b) X軸,Y軸 ポート1の座標を(0,0)に設定 (c)X座標,Y座標 (b)の単なるペースト(同値) (d)(c)のY値に対するX座標の最小2乗法(勾
配,切片) (e)回転直線勾配 直線勾配の角度換算(ラジアン) (f)直線勾配を利用した座標軸回転(原点中心) このときの(a′,b′)は次式で表される。
【0066】a′= a cosθ+b sin θ b′=-a sinθ+b sin θ (g)X回転原点,Y回転原点 (f)をθ回転した後ずれ分を戻すための引き算結果で
ある。
【0067】(h)原X座標,原Y座標 (g)の結果の単なる連結ペースト (i)原点を0にリセットする引き算(このシートでは
(g)があるため不用) (g)=(h)=(i) (j)(i)の値に対するX座標の最小2乗法(勾配と
切片)である。
【0068】(k)(j)の勾配に対するθ値(ラジア
ン) (l)(i)のX値に対するY回帰値 y=ax+b (m)理想距離 250μmピッチの仮想コア位置 (0,250)(0,50 0)…(0,1750) (n)仮想コア位置をθで回転(理想X,理想Y) (o)理想X,理想Yからの差(μm) (X位置差分,Y位置差分) (p)絶対位置誤差(単位は直線の距離(μm))で、
下記式で示される。
【0069】(Δx2 +Δy21/2 (但し1ポートの誤差minで表示) (q)誤差の総和(ファイバ・ブロック全体の目安とな
る) (r)表示グラフ X位置差分およびY位置差分を図7に示す。
【0070】ここで、白のプロットは理想点、黒のプロ
ットは実測点を示し、点線で示す楕円は半径0.5μm
の円を理想点(No.1〜No.8)のプロットであ
る。
【0071】(s)ソルバーでx変分,y変分をスキャ
ンして誤差和項をminにする時のセル これはさらにX変分,Y変分をかけて誤差和項を最小化
するために用いるセルである。
【0072】以上説明した例では、図7の目視から、調
芯開始ポートの推定を行っているが、計算により最小値
を求めるようにしてもよい。
【0073】
【表9】
【0074】
【発明の効果】以上述べた様に、本発明によると、接続
用部品の受入れ検査用データを流用し、調芯装置の実動
作前に計算機上で模擬動作接続ポートの番号および推定
損失を事前指示するという特徴を持っているために、調
芯装置の実動作時間を大幅に短縮できる。また、各ポー
トの推定損失を示してくれるために従来、調芯作業者の
熟練性や勘に頼っていた作業終了判断点の指針を得られ
るので、不要な繰返しピークサーチ動作を繰返すことが
ない。さらに、本方法を備えた自動接続装置は自動調芯
作業における事前判断情報を与えられているために不要
な調芯作業を繰返したり、調芯位置が最適値に収束しな
い状況を著しく改善できる利点を持っている。
【0075】この結果、接続点の損失の安定性、低損失
性を失なうことなく調芯接続作業に要する工程時間を極
めて短縮化できる。
【0076】また、計算機上での模擬動作値(シミュレ
ーション値)で用いるパーツの使用の可否あるいは組み
合わせの最適化にも容易に改良,拡張できる利点も合わ
せ持つ。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による光導波路・光ファイバ接続方法の
一例を示すフロー図である。
【図2】本発明の調芯実装装置の一例の概略図である。
【図3】本発明の調芯工程を説明する概略図である。
【図4】ファイバブロック(FD1)のピッチ測定結果
を示すグラフである。
【図5】ファイバブロック(FD2)のピッチ測定結果
を示すグラフである。
【図6】平面光導波路のピッチ測定結果を示すグラフで
ある。
【図7】ファイバブロックのピッチ測定結果を示すグラ
フである。
【図8】従来技術に係る接続装置の一例を示す概念図で
ある。
【図9】従来の多心光ファイバ・アレイ・ブロックの調
芯実装のフロー図である。
【符号の説明】
1 平面光導波路チップ 2 チップ固定台 3 光ファイバ・アレイ・ブロック固定台 4 ステージ 5 ステージ駆動ドライバ 6 ピークサーチャー 7 チャンネルセレクタ 8 光源 9 光パワーメータ 10 制御用計算機 11 光ファイバ・アレイ・ブロック 12 光ファイバ 13 接続部品検査データ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高戸 範夫 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日本電信電話株式会社内 (72)発明者 千田 和憲 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日本電信電話株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−127056(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 6/12 - 6/14

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単数あるいは複数の光ファイバを備えた
    光ファイバ・アレイ・ブロックと平面光導波路チップと
    を接続し固定する光導波路・光ファイバ接続方法におい
    て、 予め測定された、前記光ファイバ・アレイ・ブロックの
    ファイバコア位置の配列データおよび前記平面光導波路
    チップの光導波路コア位置の配列データを基に、計算機
    上で接続工程を模擬動作し、得られた模擬的な位置合わ
    せ結果から各ポートの光損失計算値を求める工程と、 当該光損失計算値を比較して、なるべく間隔が開いてお
    り、かつ、接続損失の小さな2つのポートを調芯用ポー
    トとして選択する工程と、 実装装置を用い、前記調芯用ポートの出力をモニタして
    前記光ファイバ・アレイ・ブロックと前記平面光導波路
    チップとの位置合わせを行ない、その結果に基づいて全
    てのポートの光損失を測定する工程と、 当該測定で得られた各ポートの光損失と、前記各ポート
    の光損失計算値とを比較する工程とを備えることを特徴
    とする光導波路・光ファイバ接続方法。
  2. 【請求項2】 単数あるいは複数の光ファイバを備えた
    光ファイバ・アレイ・ブロックと平面光導波路チップと
    を両者の相対位置を位置合わせ微動可能に固定する固定
    手段と、当該両者の接続部を通る光のパワーの最大値を
    検出し得る検出手段と、当該検出手段からのデータに基
    づいて前記固定手段を制御する制御手段とを備え、前記
    光ファイバ・アレイ・ブロックと前記平面光導波路チッ
    プとを接続し固定する光導波路・光ファイバ接続装置で
    あって、 予め測定された、前記光ファイバ・アレイ・ブロックの
    ファイバコア位置の配列データおよび前記平面光導波路
    チップの光導波路コア位置の配列データを取り込むデー
    タ入力手段と、 当該配列データに基づいて実装を模擬動作させ、得られ
    た模擬的な位置合わせ結果から各ポートの光損失計算値
    を求める手段と、 当該光損失計算値を比較して、なるべく間隔が開いてお
    り、かつ、接続損失の小さな2つのポートを調芯用ポー
    トとして選択する手段と、 当該調芯用ポートの出力をモニタして前記光ファイバ・
    アレイ・ブロックと前記平面光導波路チップとの位置合
    わせを行ない、その結果に基づいて全てのポートの光損
    失を測定する手段と、 当該測定で得られた各ポートの光損失と、前記各ポート
    の光損失計算値とを比較する手段とを備えることを特徴
    とする光導波路・光ファイバ接続装置。
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