JP3308703B2 - 穀物調理方法、穀物調理装置及び穀物調理用耐熱容器 - Google Patents

穀物調理方法、穀物調理装置及び穀物調理用耐熱容器

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JP3308703B2
JP3308703B2 JP08076494A JP8076494A JP3308703B2 JP 3308703 B2 JP3308703 B2 JP 3308703B2 JP 08076494 A JP08076494 A JP 08076494A JP 8076494 A JP8076494 A JP 8076494A JP 3308703 B2 JP3308703 B2 JP 3308703B2
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徳雄 小菅
崇文 染谷
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、穀物の調理を無駄な
く行うことのできる穀物調理方法、穀物調理装置及び穀
物調理用耐熱容器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の穀物調理装置としては、
ベルト式連続炊飯装置や釜炊き式連続炊飯装置等が知ら
れている。ベルト式連続炊飯装置は、洗米され、浸漬、
水切りされた米をベルトコンベア上に送り、コンベア上
を搬送される米に対して蒸気による一次蒸し、温水(熱
湯を含むものとする。)への浸漬、蒸気による二次蒸し
をそれぞれ行うものである。また、釜炊き式連続炊飯装
置は、多数の炊飯釜をコンベアに乗せて循環搬送し、浸
漬米の投入、水の装入工程、炊飯工程及び蒸らし工程を
順次行って連続的に炊飯するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な従来の穀物調理装置においては、炊飯後の米(以下
「炊飯米」という。)を所定の容器に充填する場合に
は、炊飯米を計量し、所定量ずつ充填している。この炊
飯米の計量は、炊飯米自体にべたつきがあり、計量しず
らいために±7%程度の誤差を含んでいるため、炊飯米
を容器に充填する際にはこの誤差を見込んで所定量の炊
飯米の増量が行われており、このような余分な増量をな
くしてコストを軽減することが望まれていた。また、同
様のことが米以外の豆、大麦等の穀物の調理にも望まれ
ていた。本発明は上記の如き事情に鑑みてなされたもの
であり、穀類の計量が蒸煮(調理)前では精度良く計量
できることに着目して開発したもので、所定量の穀物を
余分な増量を行うことなく正確につくることができ、所
定量の穀物の調理に要するコストを低減することができ
る穀物調理方法及び穀物調理装置を提供することを目的
とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明に係る穀物調理方
法は、底部が穀物を通過不能にすると共に蒸気又は液体
が通過できるようにメッシュ状又は孔明状に形成され、
蒸気を前記底部に導く板状部が周囲に設けられた耐熱容
器に所定量の穀物を充填した後、この耐熱容器を移動さ
せつつ該耐熱容器の上方または下方より、蒸気を供給し
て穀物を一次蒸しし、ついで水又は味付け液等の液体を
供給し、再び蒸気を供給して二次蒸しすることを特徴と
するものである。水又は味付け等の液体は、加熱された
状態のものでもよく、冷えた状態のものでもよい。
【0005】本発明に係る他の穀物調理方法は、底部が
穀物を通過不能にすると共に蒸気又は液体が通過できる
ようにメッシュ状又は孔明状に形成され蒸気を前記底部
に導く板状部が周囲に設けられた耐熱容器に所定量の穀
物を充填した後、この耐熱容器を移動させつつ該耐熱容
器の上方または下方より、蒸気を供給して穀物を蒸し、
ついで水又は味付け液等の液体を供給することを特徴と
するものである。
【0006】また、本発明に係る穀物調理装置は、底部
が穀物を通過不能にすると共に蒸気又は液体が通過でき
るようにメッシュ状又は孔明状に形成され蒸気を前記底
部に導く板状部が周囲に設けられて、所定量の穀物が充
填される耐熱容器と、前記耐熱容器が載せられることに
よって前記板状部により隙間なく覆われ、該耐熱容器を
順次搬送するとともに、該耐熱容器の上方又は下方から
蒸気又は液体を該容器内部に供給可能とされた耐熱容器
搬送機構と、前記耐熱容器搬送機構によって搬送される
前記耐熱容器内部の穀物に対して、蒸気を供給する一次
蒸し機構及び二次蒸し機構並びに液体を供給する浸漬機
構とを備えたことを特徴とするものである。浸漬機構か
ら供給される水または味付け液等の液体は、加熱された
状態のものでもよく、冷えた状態のものでもよい。
【0007】また、本発明に係る他の穀物調理装置は、
底部が穀物を通過不能にすると共に蒸気又は液体が通過
できるようにメッシュ状又は孔明状に形成され蒸気を前
記底部に導く板状部が周囲に設けられて、所定量の穀物
が充填される耐熱容器と、前記耐熱容器が載せられるこ
とによって前記板状部により隙間なく覆われ、該耐熱容
器を順次搬送するとともに、該耐熱容器の上方又は下方
から蒸気又は液体を該容器内部に供給可能とされた耐熱
容器搬送機構と、前記耐熱容器搬送機構によって搬送さ
れる前記耐熱容器内部の穀物に対して、蒸気を供給する
蒸し機構及び液体を供給する浸漬機構とを備えたことを
特徴とするものである。
【0008】また、本発明に係る他の穀物調理用耐熱容
器は、底部が穀物を通過不能にすると共に蒸気又は液体
が通過できるようにメッシュ状又は孔明状に形成され、
所定量の穀物を充填可能且つ上部又は下部より蒸気もし
くは液体を供給可能とされるとともに、蒸気を前記底部
に導く板状部が周囲に設けられたことを特徴とするもの
である。
【0009】
【実施例】以下、添付図面を参照して本発明の実施例を
説明する。図1及び図2は本発明の一実施例に係る、炊
飯用の穀物調理装置を示し、これらの図において符号2
はコンベアベルトであり、このコンベアベルトのベルト
2aはメッシュ状に形成されている。
【0010】コンベアベルト2は、その上部に耐熱容器
4を順次載置し、下流側に向けて搬送可能となってお
り、コンベアベルト2の上流側には、洗米され、浸漬、
水切りされた米を所定量計量して耐熱容器4にそれぞれ
個別充填し、これら耐熱容器4をコンベアベルト2上に
送る耐熱容器4の供給機構が設けられている(図示省
略)。また、コンベアベルト4の下流側には、炊飯米を
耐熱容器4毎取り出して所定の容器に充填するための炊
飯米取り出し機構が設けられている(図示省略)。
【0011】コンベアベルト2の下部又は上部には、ベ
ルト搬送方向に沿って、一次蒸し機構6、浸漬機構8及
び二次蒸し機構10が設けられている。一次蒸し機構6
及び二次蒸し機構10は、ともにコンベアベルト2の下
方に設けられており、複数の蒸気吹出口6a、10aを
備えている。そして、これら蒸気吹出口6a、10aか
ら上方に向けて所定圧力の蒸気(飽和蒸気)を吹き出し
可能となっており、噴き出された蒸気はベルト2aを通
過して耐熱容器4側に吹き付けられるようになってい
る。浸漬機構8はコンベアベルト2の上方に設けられて
おり、複数の温水吹出口8aを備えている。この吹出口
8aは、下方のベルト2aに向けて温水を所定時間噴出
可能とされている。
【0012】前記耐熱容器4は、図3及び図4に示すよ
うに、カップ状の筒部4aと、この筒部4aの底に連結
された正方形状の板状部4bとから構成されており、ス
テンレス等からできている。筒部4aの内側にはテフロ
ン加工を施し、充填物の剥離性を向上させてもよい。筒
部4aの円形の底部4cはメッシュ状に形成されてお
り、メッシュの大きさは米が通過できない大きさとされ
ている。また、筒部4aは上部に向かうにつれて拡径す
るテーパ状に形成されており、米の取出しを容易にする
配慮がなされている。そして、この耐熱容器4は、図2
に示すように、ベルト2aの上部に隙間なく幅方向に複
数列(図では2列)が載置可能とされている。
【0013】上記構成に係る穀物調理装置にあっては、
予め計量された所定量の米が耐熱容器4の内部に充填さ
れ、ベルト2a上に隙間なく載置されてゆく。そして、
コンベアベルト2上を下流側に向けて順次送られてゆ
く。
【0014】コンベアベルト2を通過する際において、
容器4内部の米は、まず一次蒸し機構6からの蒸気によ
り一次蒸しを行われる。この際、吹出口6aから噴き出
された蒸気は、容器4の底部4cから容器内に入り、米
を蒸しつつ容器4の開口部から上方に抜けてゆく。底部
4cの周りの板状部4bにより、ベルト2の上面は隙間
なく覆われているため、吹出口4aから噴き出された蒸
気は効率よく底部4cに導かれる。
【0015】次に、一次蒸し機構を経た容器4内部の米
は、浸漬機構8によって上部から所定温度の温水を所定
時間供給される。例えばうるち米の場合には90℃で5
分程度である。この浸漬機構8を経た米は、ここで含水
率を調整される。なお、浸漬機構8は、必ずしも温水を
上方から吹き付ける構造には限られず、例えばコンベア
ベルト2ごと下方に設けられた温水槽中に浸漬するよう
にしてもよい。
【0016】次に、容器4内部の米は二次蒸し機構10
に送られ、一次蒸し機構6の場合と同様にして下方から
蒸気(加熱蒸気)を供給され、二次蒸しを行われる。か
かる工程を経て炊飯された米は、炊飯米取り出し機構か
ら耐熱容器毎取り出されて、弁当箱等の所定の容器に充
填されてゆく。
【0017】本実施例に係る穀物調理装置及び穀物調理
方法によれば、炊飯前の段階での米の計量が可能となる
ため、所定量の炊飯米を余分な増量を行うことなく正確
につくることができる。従って、炊飯米の計量を要する
従来の穀物調理装置に比べて、所定量の米の炊飯に要す
るコストを低減することができる。また、蒸気が米粒を
よく通過する為、炊きあがりのよい炊飯米ができる。
【0018】次に、上記以外の技術事項を列挙する。 (1)上記実施例においては、筒部の下面に板状部を連
結した構造の耐熱容器を用いているが、板状部のない構
造の耐熱容器を用いることも可能である。図6及び図7
は、このような耐熱容器の例を示すものであり、図6は
円柱状の筒部を有する耐熱容器、図7は角柱状の筒部を
有する耐熱容器を示している。これら各容器の底部14
b,16bはメッシュ状に形成されている。
【0019】(2)上記実施例ではベルトをメッシュ状
としているが、ベルトをメッシュ状としない構成とする
ことも可能である。例えば、ベルトを穴のあいた帯状と
し、図5に示すような耐熱容器を用いる構成としてもよ
い。同図に示す耐熱容器12は、前記図3及び図4に示
した耐熱容器と同様の筒部12aと、この筒部の高さ方
向中央部に連結された板状部12bとからなるものであ
る。ベルトにあける穴は、筒部12aの下部を挿入可能
な穴とする。即ち、耐熱容器12はその板状部12bに
よりベルト2上に係止されて装着される。このような構
成としても、前記実施例と同様の効果が得られる。ま
た、メッシュベルトをパンチングプレートとのみし、別
途にプッシャー等の送り機構を加えてもよい。
【0020】(3)上述したところでは、耐熱容器の底
部のみをメッシュ状としているが、例えば周壁を含む容
器全体をメッシュ状に形成してもよい。この場合、蒸気
又は液体を耐熱容器の上部又は下部からではなく、側方
から吹き付けるようにすることも可能である。また、容
器の底部又は胴部は必ずしもメッシュ状である必要はな
く、例えば穀物が通過不能な大きさの孔がパンチングに
よって形成されたものでもよい。
【0021】(4)上記実施例においては穀物として米
を用いているが、本発明は米以外の大麦、豆等の穀物に
も適用できることは勿論である。なお、例えば豆類の調
理を行う場合には、スチームで蒸した後、味付け液の加
温槽に浸漬することにより豆を調理することができる。
味付け液は冷えた状態のものであってもよい。
【0022】(5)上記実施例においては、浸漬機構よ
り温水を供給するようにしたが、米が餅米の場合、温水
を供給しないようにしてもよい。また、上記実施例にお
いて、二次蒸し機構10を設けず、温水の浸漬が終了し
た時点で米を個別包装するようにしてもよい。さらに、
浸漬機構から供給する水や味付け液等の液体は、加熱さ
れた状態のものでもよく、冷えた状態のものでもよい。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、この発明に係る穀
物調理方法、穀物調理装置及び穀物調理用耐熱容器によ
れば、調理前の段階での穀物の計量が可能となるため、
所定量の穀物を余分な増量を行うことなく正確につくる
ことができ、所定量の穀物の調理に要するコストを低減
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る穀物調理装置を示す概
略構成図である。
【図2】図1のII方向からの部分矢視図である。
【図3】耐熱容器の一例を示す斜視図である。
【図4】図3の耐熱容器の底面図である。
【図5】耐熱容器の他の例を示す斜視図である。
【図6】耐熱容器の他の例を示す斜視図である。
【図7】耐熱容器の他の例を示す斜視図である。
【符号の説明】
2 コンベアベルト 4,12,14,16 耐熱容器 6 一次蒸し機構 8 浸漬機構 10 二次蒸し機構
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI A47J 27/16 A47J 27/16 G (72)発明者 市川 雅也 東京都中央区日本橋馬喰町1丁目4番16 号 藤森工業株式会社内 (72)発明者 小菅 徳雄 東京都中央区日本橋馬喰町1丁目4番16 号 藤森工業株式会社内 (72)発明者 染谷 崇文 東京都中央区日本橋馬喰町1丁目4番16 号 藤森工業株式会社内 (72)発明者 永田 政令 東京都中央区日本橋馬喰町1丁目4番16 号 藤森工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−10953(JP,A) 特開 昭56−32960(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/10

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】底部が穀物を通過不能にすると共に蒸気又
    は液体が通過できるようにメッシュ状又は孔明状に形成
    され、蒸気を前記底部に導く板状部が周囲に設けられた
    耐熱容器に所定量の穀物を充填した後、この耐熱容器を
    移動させつつ該耐熱容器の上方または下方より、蒸気を
    供給して穀物を一次蒸しし、ついで水又は味付け液等の
    液体を供給し、再び蒸気を供給して二次蒸しすることを
    特徴とする穀物調理方法。
  2. 【請求項2】底部が穀物を通過不能にすると共に蒸気又
    は液体が通過できるようにメッシュ状又は孔明状に形成
    され蒸気を前記底部に導く板状部が周囲に設けられた
    熱容器に所定量の穀物を充填した後、この耐熱容器を移
    動させつつ該耐熱容器の上方または下方より、蒸気を供
    給して穀物を蒸し、ついで水又は味付け液等の液体を供
    給することを特徴とする穀物調理方法。
  3. 【請求項3】底部が穀物を通過不能にすると共に蒸気又
    は液体が通過できるようにメッシュ状又は孔明状に形成
    され蒸気を前記底部に導く板状部が周囲に設けられて
    所定量の穀物が充填される耐熱容器と、前記耐熱容器が
    載せられることによって前記板状部により隙間なく覆わ
    れ、該耐熱容器を順次搬送するとともに、該耐熱容器の
    上方又は下方から蒸気又は液体を該容器内部に供給可能
    とされた耐熱容器搬送機構と、前記耐熱容器搬送機構に
    よって搬送される前記耐熱容器内部の穀物に対して、蒸
    気を供給する一次蒸し機構及び二次蒸し機構並びに液体
    を供給する浸漬機構とを備えたことを特徴とする穀物調
    理装置。
  4. 【請求項4】底部が穀物を通過不能にすると共に蒸気又
    は液体が通過できるようにメッシュ状又は孔明状に形成
    され蒸気を前記底部に導く板状部が周囲に設けられて
    所定量の穀物が充填される耐熱容器と、前記耐熱容器が
    載せられることによって前記板状部により隙間なく覆わ
    れ、該耐熱容器を順次搬送するとともに、該耐熱容器の
    上方又は下方から蒸気又は液体を該容器内部に供給可能
    とされた耐熱容器搬送機構と、前記耐熱容器搬送機構に
    よって搬送される前記耐熱容器内部の穀物に対して、蒸
    気を供給する蒸し機構及び液体を供給する浸漬機構とを
    備えたことを特徴とする穀物調理装置。
  5. 【請求項5】底部が穀物を通過不能にすると共に蒸気又
    は液体が通過できるようにメッシュ状又は孔明状に形成
    され、所定量の穀物を充填可能且つ上部又は下部より蒸
    気もしくは液体を供給可能とされるとともに、蒸気を前
    記底部に導く板状部が周囲に設けられたことを特徴とす
    る穀物調理用耐熱容器。
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