JP2004305002A - 乾燥果実・野菜食品の製造方法及び製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】美食志向、健康志向にあった乾燥果実・野菜の製造方法及び装置を提供する。
【解決手段】複数の乾燥室(12,14,16,18,20)と、所要のサイズにした果実や野菜の材料を乾燥室に順次に通すための搬送手段(28)と、各乾燥室を通される材料にそれぞれ所要出力のマイクロ波をかけるための、出力調整可能としたマイクロ波発信機(50,52,54,56,58)と、各乾燥室内を通される材料にそれぞれ所要の出力(温度及び風量)の熱風をかけるため、出力調整可能とされた熱風供給手段(60,62,64,66,68)とを有することを特徴とする乾燥果実・野菜食品製造装置により、果実や野菜の乾燥を行う。
【選択図】 図2
【解決手段】複数の乾燥室(12,14,16,18,20)と、所要のサイズにした果実や野菜の材料を乾燥室に順次に通すための搬送手段(28)と、各乾燥室を通される材料にそれぞれ所要出力のマイクロ波をかけるための、出力調整可能としたマイクロ波発信機(50,52,54,56,58)と、各乾燥室内を通される材料にそれぞれ所要の出力(温度及び風量)の熱風をかけるため、出力調整可能とされた熱風供給手段(60,62,64,66,68)とを有することを特徴とする乾燥果実・野菜食品製造装置により、果実や野菜の乾燥を行う。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、果実や野菜を乾燥させて作る乾燥果実・野菜食品に係り、特に、近年の食に対する美味志向、健康志向の傾向にあった乾燥果実・野菜食品の製造方法及び製造装置に関する。
【0002】
【従来技術】
近年、食に関しては、単に美味であることだけでなく、健康にも良いものを求める傾向が増してきている。
このため、食品製造業界では、そのような傾向に沿った製品の開発に多くの費用をかけて取り組んでおり、種々の製品が開発販売されてきている。
本願発明者も、このような状況において、種々の研究を行ってきたが、果実や野菜を適正な条件の下で乾燥させることにより、美味志向及び健康志向の両志向を満足させる製品の開発が可能であることを見つけ出した。
【0003】
野菜や果実を乾燥させて乾燥食品を作る方法として、これまで広く知られ用いられてきているものとしては、油で揚げて乾燥させる方法の他、熱風乾燥法、凍結乾燥法、マイクロ波乾燥法等がある。
油で揚げる方法は、油で揚げることによって食品内部にある水分を弾き出して乾燥するものであり、急速な加熱により材料内部に気泡が形成されることにより食感の良い製品を作ることができることが知られている。
熱風乾燥法は、食品を乾燥室内に搬入し、熱風を吹き込んで、当該食品の乾燥を行うものであり、低コストで行うことができ、広く用いられている。
凍結乾燥法は、食品を液体空気などで急速乾燥した状態で、食品内の水分を蒸発させる方法であり、乾燥度が高く製品の保存性に優れている(例えば、特許文献1参照)。
マイクロ波乾燥法は、食品にマイクロ波を加えることにより加熱乾燥する方法であり、厚みのある食品でも効率よく乾燥することができる等の利点を有する。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−22206号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、油で揚げる乾燥方法は、製品が高カロリーとなり、また、油の酸化の問題があり、近年の健康志向には適していない。
熱風乾燥法は、厚みのある食品の乾燥には時間がかかり、製品の品質を損ねる虞がある。更に、野菜類を高濃度の調味液に浸漬して乾燥する場合は、調味液が乾燥にともなって高粘性となるために、水分の蒸発が抑えられ、効率的な乾燥が難しく、品質も劣化する可能性がある。
凍結乾燥法は、バッチ方式なので製造能力が低く、設備・ランニングコストが高い等の問題がある。
マイクロ波乾燥法は、水分が高い材料を乾燥するには時間が掛かり、従って製品の品質が低下しやすく、また、コスト高となり、一方、水分の低い材料を乾燥する場合には、マイクロ波の吸収率が低く、多くのマイクロ波が反射されて戻され、マイクロ波発信管の損傷を起こしやすく、装置の寿命を短くしてしまうといった欠点を有している。
従来知られている乾燥法は、以上のようなものであり、前述した食に対する最近の消費者の志向に合う乾燥食品を効率よく作るには至っていなかった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以上のような従来技術の欠点を解消し、美味志向、健康志向の両方を満足する乾燥食品の製造を可能とする乾燥装置及び方法を提供するものである。
すなわち、本発明は、所要のサイズにした果実や野菜の材料を、複数の乾燥室に順次に通し、各乾燥室内で、当該材料の乾燥状態に合わせた熱風及びマイクロ波に当てることにより乾燥を行い、当該材料の水分を12−13%以下、好ましくは10%以下となるようにしたことを特徴とする乾燥果実・野菜食品の製造方法を提供する。
材料を複数の乾燥室に通して、各乾燥室ごとに、当該材料の乾燥の程度(進み具合)に応じて熱風及びマイクロ波による加熱条件を調節することにより、熱風及びマイクロ波による、それぞれの最適加熱の下で当該材料を加熱し、それによって乾燥することができるので、材料を短時間で効率よく乾燥することができ、材料の食感、風味、栄養価を余り落とさずに製品とすることができる。
具体的には、初めに通される少なくとも1つの乾燥室では、それよりも後に続く乾燥室におけるよりも、高い出力のマイクロ波を当てることにより、乾燥処理の初期の段階から、当該材料の内部に至るまでの全体的加熱を行うようにする。より具体的には、材料を初めに調味液に浸漬し、味付けを行った後、調味液を切って前記乾燥処理を行う。
【0007】
また、本発明は、複数の乾燥室と、所要のサイズにした果実や野菜の材料を前記乾燥室に順次に通すための搬送手段と、各乾燥室を通される材料にそれぞれ所要出力のマイクロ波をかけるため、出力調節可能としたマイクロ波発信機と、各乾燥室内を通される材料にそれぞれ所要の温度及び量の熱風をかけるため、出力調整可能とした熱風供給手段とを有することを特徴とする乾燥果実・野菜食品製造装置を提供する。
具体的には、熱風供給手段は、1つの熱風発生装置と、該熱風装置に連通されて各乾燥室に開口した熱風入口と、該熱風入口から乾燥室内へ供給される熱風の流量を調節するための手段とを有する。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係る乾燥果実・野菜食品を製造するための方法の1つの具体的流れの概略を示す。
先ず、乾燥食品とされる材料を「水洗」し、「切断」して「あく抜き」を行った後、これを「調味液」に浸漬し「加熱」して味付けを行った後、「冷却」し、調味液から取り出して余分な調味液を除去した後、以下に説明する本発明に係る装置において「乾燥」し、「袋詰め」して製品とする。
【0009】
図2は、本発明に係る乾燥果実・野菜食品を製造する方法において使用する乾燥装置10を示す。
この装置10は、連続して並べられた第1乃至第5の乾燥室12,14,16,18,20を有するハウジング22と、乾燥する果実や野菜を収納したトレー24,26を載置して、第1乃至第5の乾燥室に順次に通すためのコンベア28とを有している。
ハウジングは頂壁30、底壁32、側壁34、前後壁36,38によって箱型に形成されており、各乾燥室12,14,16,18,20は、ハウジング22内に所定間隔をあけて設けられた隔壁40,42,44,46,48、50によって独立した室とされている。ハウジングの前後壁36,38及び隔壁40,42,44,46,48,50には相互に整合して設けられた開口(図示せず)が設けられており、該開口は、2段に重ねたトレー24,26を載置したコンベア28を通すだけの大きさにされている。
【0010】
第1乃至第5の乾燥室は、それぞれ、マイクロ波発信機50,52,54,56,58、熱風入口60,62,64,66,68、及び、排気口(図示せず)を備えている。
マイクロ波発信機50,52、54,56,58は、約2450MHz±50MHzのマイクロ波を出すものとされる。
熱風入口60,62,64,66,68は、図示しない開閉バルブを備えており、図示しない熱風発生装置からの熱風を、所要量だけ各乾燥室12,14,16,18,20内に供給することができるようにしてある。乾燥する果実や野菜を収納するトレー24,26は、図3に示しように、当該トレーの底壁がマイクロ波通過性が高くかつ耐熱性のある網状材70から作られており、乾燥室の底部近くの熱風入口60,62,64,66,68から供給された熱風は、下段のトレー24、上段のトレー26を順次通り、各乾燥室内を上方へ流れて、同乾燥室の上部部分に設けられている排気口(図示せず)から排出されるようになっている。排気口にも開閉弁が設けられており、乾燥室の種々の条件に合わせて排気量を調節ができるようになっている。
【0011】
【実施例】
本発明に係る乾燥果実・野菜食品製造方法及び装置では、種々の果実や野菜を材料とすることができるが、ゴボウを材料として実施した例を、以下に説明する。先ず、ゴボウを洗浄した後、1mmの厚さにスライスし、これを1%酢水に30分浸漬し灰汁抜きをする。これを水、上白糖、醤油、みりん、エンザップ、一味唐辛子を主体とした調味液とともに加熱して味付けをした後、冷却し、浸漬液を切って、乾燥装置10にかける状態とする。
乾燥装置10は、各乾燥室12,14,16,18,20のコンベア搬送方向長さ(縦)を約8480mm、幅(横)を約1870mm、高さを2120mmとし、各乾燥室のマイクロ波発生器は約2450MZ、最大出力23kw、供給熱風の最大出力は140℃で4m3/分とした。
トレー24,26は、420mm(縦)×410mm(横)×50mm(高さ)の150℃の耐熱性を有するポリプロピレン製とし、底部はマイクロ波通過性の高いテフロン製の網状材70とした。
前述のように用意した材料を、トレーの上記網状材70上に200gずつ敷き並べ、2つのトレー24,26を上下に並べてベルトコンベア28上に一定間隔で並べ、0.6m/分の搬送速度で乾燥装置内を通し、約5kg/時間の処理速度で乾燥処理を行った。この場合、第1及び第2の乾燥室のマイクロ波発信機の出力は6kw、第3乃至第5乾燥室のマイクロ波発信機の出力は1.5kwとし、各乾燥室とも供給熱風の出力は140℃で4m3/分とした。
上記処理条件で行った結果、初期水分が約80%あったものを、約8%まですることができ、従来の乾燥方法に比べて極めて効率よく乾燥処理を行うことができた。
乾燥が終了した製品は、冷却後、計量されて乾燥剤とともに防湿袋に詰められ最終商品とされる。
【0012】
【発明の効果】
本発明では、複数の乾燥室を用意し、材料を各乾燥室に順次通して乾燥処理を行うようにしたので、材料の乾燥の進行の程度を考慮してマイクロ波乾燥と熱風乾燥とを適正に調節し、両加熱方式の利点を生かした乾燥を行うことができ、材料を効率よく加熱乾燥することができる。
従って、出来上がる製品は、材料の食感、栄養価を余り失わず、色などを含めた外観も良好で、従来の乾燥果実・野菜食品に比べて、非常に良好なものとなる。
【0013】
例えば、従来の油で揚げたスナック菓子と比べた場合、油で揚げたものは、カロリーが約560kcal/100gであったが、本発明に係るものは約342kcal/100gと、約60%のカロリー減とすることができる。また、油を使用していないから、油の変質による健康への悪影響の虞もない。更に、油で揚げたスナックは、急激な加熱ができることから、材料内部に気泡が発生し、それが軽い食感を生む原因となっていたが、本発明においても前述の通り効率よく短時間で加熱乾燥ができるため、同様に、材料内部に気泡を発生させることができ、油で揚げたものと同様の軽い食感を生むことができる。
【0014】
また、従来の他の乾燥法で処理した製品と比べた場合、それらの乾燥法では、急速な加熱が難しく、出来上がる製品は食感、栄養価の点で問題があり、また、材料内部に気泡を発生させることができないため、軽い食感を生むことができなかったが、本発明では前述の通り、本発明では効率よい加熱乾燥により、それらの問題を解消した製品を作ることができる。
【0015】
本発明により製造した乾燥野菜食品と、市販の油で揚げた乾燥野菜食品、真空乾燥法による乾燥野菜食品との官能検査(具体的には、「食感」及び「素材の香り」についての検査)を10名(20歳代〜50歳代)のパネラーにより行った。その結果を下の表に示す。この表において、「食感」については、○が良好との評価、△がやや硬いまたはやや柔らかいとの評価、×が硬いまたは柔らかいとの評価を示し、「素材の香り」については、○が新鮮で良好との評価、△が特に評価すべきものがないとするもの、×は香りが悪いまたは悪臭がするとの評価を示す。
この表から、本発明に係る乾燥法によれば、食感、特に、素材の香りを残すことにおいて、特に優れていることが分かる。
【0016】
また、本発明では、材料の乾燥の進行の程度を考慮して、マイクロ波乾燥と熱風乾燥とを適正に調節して、両加熱方式の利点を生かすことができるので、両方式を効率的に余分な負担をかけずに稼動することができ、このため、ランニングコストを大幅に低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る乾燥果実・野菜食品の製造工程の流れを示す図である。
【図2】本発明に係る乾燥装置の概略を示す図である。
【図3】図2の装置で用いられる、乾燥する材料を載置するトレーを示す図である。
【符号の説明】
10 乾燥装置
12,14,16,18,20 乾燥室
22 ハウジング
24,26 トレー
28 コンベア
30 頂壁
32 底壁
34 側壁
36 前壁
38 後壁
40,42,44,46,48、50 隔壁
50,52,54,56,58 マイクロ波発信機
60,62,64,66,68 熱風入口
70 網状材
【発明の属する技術分野】
本発明は、果実や野菜を乾燥させて作る乾燥果実・野菜食品に係り、特に、近年の食に対する美味志向、健康志向の傾向にあった乾燥果実・野菜食品の製造方法及び製造装置に関する。
【0002】
【従来技術】
近年、食に関しては、単に美味であることだけでなく、健康にも良いものを求める傾向が増してきている。
このため、食品製造業界では、そのような傾向に沿った製品の開発に多くの費用をかけて取り組んでおり、種々の製品が開発販売されてきている。
本願発明者も、このような状況において、種々の研究を行ってきたが、果実や野菜を適正な条件の下で乾燥させることにより、美味志向及び健康志向の両志向を満足させる製品の開発が可能であることを見つけ出した。
【0003】
野菜や果実を乾燥させて乾燥食品を作る方法として、これまで広く知られ用いられてきているものとしては、油で揚げて乾燥させる方法の他、熱風乾燥法、凍結乾燥法、マイクロ波乾燥法等がある。
油で揚げる方法は、油で揚げることによって食品内部にある水分を弾き出して乾燥するものであり、急速な加熱により材料内部に気泡が形成されることにより食感の良い製品を作ることができることが知られている。
熱風乾燥法は、食品を乾燥室内に搬入し、熱風を吹き込んで、当該食品の乾燥を行うものであり、低コストで行うことができ、広く用いられている。
凍結乾燥法は、食品を液体空気などで急速乾燥した状態で、食品内の水分を蒸発させる方法であり、乾燥度が高く製品の保存性に優れている(例えば、特許文献1参照)。
マイクロ波乾燥法は、食品にマイクロ波を加えることにより加熱乾燥する方法であり、厚みのある食品でも効率よく乾燥することができる等の利点を有する。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−22206号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、油で揚げる乾燥方法は、製品が高カロリーとなり、また、油の酸化の問題があり、近年の健康志向には適していない。
熱風乾燥法は、厚みのある食品の乾燥には時間がかかり、製品の品質を損ねる虞がある。更に、野菜類を高濃度の調味液に浸漬して乾燥する場合は、調味液が乾燥にともなって高粘性となるために、水分の蒸発が抑えられ、効率的な乾燥が難しく、品質も劣化する可能性がある。
凍結乾燥法は、バッチ方式なので製造能力が低く、設備・ランニングコストが高い等の問題がある。
マイクロ波乾燥法は、水分が高い材料を乾燥するには時間が掛かり、従って製品の品質が低下しやすく、また、コスト高となり、一方、水分の低い材料を乾燥する場合には、マイクロ波の吸収率が低く、多くのマイクロ波が反射されて戻され、マイクロ波発信管の損傷を起こしやすく、装置の寿命を短くしてしまうといった欠点を有している。
従来知られている乾燥法は、以上のようなものであり、前述した食に対する最近の消費者の志向に合う乾燥食品を効率よく作るには至っていなかった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以上のような従来技術の欠点を解消し、美味志向、健康志向の両方を満足する乾燥食品の製造を可能とする乾燥装置及び方法を提供するものである。
すなわち、本発明は、所要のサイズにした果実や野菜の材料を、複数の乾燥室に順次に通し、各乾燥室内で、当該材料の乾燥状態に合わせた熱風及びマイクロ波に当てることにより乾燥を行い、当該材料の水分を12−13%以下、好ましくは10%以下となるようにしたことを特徴とする乾燥果実・野菜食品の製造方法を提供する。
材料を複数の乾燥室に通して、各乾燥室ごとに、当該材料の乾燥の程度(進み具合)に応じて熱風及びマイクロ波による加熱条件を調節することにより、熱風及びマイクロ波による、それぞれの最適加熱の下で当該材料を加熱し、それによって乾燥することができるので、材料を短時間で効率よく乾燥することができ、材料の食感、風味、栄養価を余り落とさずに製品とすることができる。
具体的には、初めに通される少なくとも1つの乾燥室では、それよりも後に続く乾燥室におけるよりも、高い出力のマイクロ波を当てることにより、乾燥処理の初期の段階から、当該材料の内部に至るまでの全体的加熱を行うようにする。より具体的には、材料を初めに調味液に浸漬し、味付けを行った後、調味液を切って前記乾燥処理を行う。
【0007】
また、本発明は、複数の乾燥室と、所要のサイズにした果実や野菜の材料を前記乾燥室に順次に通すための搬送手段と、各乾燥室を通される材料にそれぞれ所要出力のマイクロ波をかけるため、出力調節可能としたマイクロ波発信機と、各乾燥室内を通される材料にそれぞれ所要の温度及び量の熱風をかけるため、出力調整可能とした熱風供給手段とを有することを特徴とする乾燥果実・野菜食品製造装置を提供する。
具体的には、熱風供給手段は、1つの熱風発生装置と、該熱風装置に連通されて各乾燥室に開口した熱風入口と、該熱風入口から乾燥室内へ供給される熱風の流量を調節するための手段とを有する。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係る乾燥果実・野菜食品を製造するための方法の1つの具体的流れの概略を示す。
先ず、乾燥食品とされる材料を「水洗」し、「切断」して「あく抜き」を行った後、これを「調味液」に浸漬し「加熱」して味付けを行った後、「冷却」し、調味液から取り出して余分な調味液を除去した後、以下に説明する本発明に係る装置において「乾燥」し、「袋詰め」して製品とする。
【0009】
図2は、本発明に係る乾燥果実・野菜食品を製造する方法において使用する乾燥装置10を示す。
この装置10は、連続して並べられた第1乃至第5の乾燥室12,14,16,18,20を有するハウジング22と、乾燥する果実や野菜を収納したトレー24,26を載置して、第1乃至第5の乾燥室に順次に通すためのコンベア28とを有している。
ハウジングは頂壁30、底壁32、側壁34、前後壁36,38によって箱型に形成されており、各乾燥室12,14,16,18,20は、ハウジング22内に所定間隔をあけて設けられた隔壁40,42,44,46,48、50によって独立した室とされている。ハウジングの前後壁36,38及び隔壁40,42,44,46,48,50には相互に整合して設けられた開口(図示せず)が設けられており、該開口は、2段に重ねたトレー24,26を載置したコンベア28を通すだけの大きさにされている。
【0010】
第1乃至第5の乾燥室は、それぞれ、マイクロ波発信機50,52,54,56,58、熱風入口60,62,64,66,68、及び、排気口(図示せず)を備えている。
マイクロ波発信機50,52、54,56,58は、約2450MHz±50MHzのマイクロ波を出すものとされる。
熱風入口60,62,64,66,68は、図示しない開閉バルブを備えており、図示しない熱風発生装置からの熱風を、所要量だけ各乾燥室12,14,16,18,20内に供給することができるようにしてある。乾燥する果実や野菜を収納するトレー24,26は、図3に示しように、当該トレーの底壁がマイクロ波通過性が高くかつ耐熱性のある網状材70から作られており、乾燥室の底部近くの熱風入口60,62,64,66,68から供給された熱風は、下段のトレー24、上段のトレー26を順次通り、各乾燥室内を上方へ流れて、同乾燥室の上部部分に設けられている排気口(図示せず)から排出されるようになっている。排気口にも開閉弁が設けられており、乾燥室の種々の条件に合わせて排気量を調節ができるようになっている。
【0011】
【実施例】
本発明に係る乾燥果実・野菜食品製造方法及び装置では、種々の果実や野菜を材料とすることができるが、ゴボウを材料として実施した例を、以下に説明する。先ず、ゴボウを洗浄した後、1mmの厚さにスライスし、これを1%酢水に30分浸漬し灰汁抜きをする。これを水、上白糖、醤油、みりん、エンザップ、一味唐辛子を主体とした調味液とともに加熱して味付けをした後、冷却し、浸漬液を切って、乾燥装置10にかける状態とする。
乾燥装置10は、各乾燥室12,14,16,18,20のコンベア搬送方向長さ(縦)を約8480mm、幅(横)を約1870mm、高さを2120mmとし、各乾燥室のマイクロ波発生器は約2450MZ、最大出力23kw、供給熱風の最大出力は140℃で4m3/分とした。
トレー24,26は、420mm(縦)×410mm(横)×50mm(高さ)の150℃の耐熱性を有するポリプロピレン製とし、底部はマイクロ波通過性の高いテフロン製の網状材70とした。
前述のように用意した材料を、トレーの上記網状材70上に200gずつ敷き並べ、2つのトレー24,26を上下に並べてベルトコンベア28上に一定間隔で並べ、0.6m/分の搬送速度で乾燥装置内を通し、約5kg/時間の処理速度で乾燥処理を行った。この場合、第1及び第2の乾燥室のマイクロ波発信機の出力は6kw、第3乃至第5乾燥室のマイクロ波発信機の出力は1.5kwとし、各乾燥室とも供給熱風の出力は140℃で4m3/分とした。
上記処理条件で行った結果、初期水分が約80%あったものを、約8%まですることができ、従来の乾燥方法に比べて極めて効率よく乾燥処理を行うことができた。
乾燥が終了した製品は、冷却後、計量されて乾燥剤とともに防湿袋に詰められ最終商品とされる。
【0012】
【発明の効果】
本発明では、複数の乾燥室を用意し、材料を各乾燥室に順次通して乾燥処理を行うようにしたので、材料の乾燥の進行の程度を考慮してマイクロ波乾燥と熱風乾燥とを適正に調節し、両加熱方式の利点を生かした乾燥を行うことができ、材料を効率よく加熱乾燥することができる。
従って、出来上がる製品は、材料の食感、栄養価を余り失わず、色などを含めた外観も良好で、従来の乾燥果実・野菜食品に比べて、非常に良好なものとなる。
【0013】
例えば、従来の油で揚げたスナック菓子と比べた場合、油で揚げたものは、カロリーが約560kcal/100gであったが、本発明に係るものは約342kcal/100gと、約60%のカロリー減とすることができる。また、油を使用していないから、油の変質による健康への悪影響の虞もない。更に、油で揚げたスナックは、急激な加熱ができることから、材料内部に気泡が発生し、それが軽い食感を生む原因となっていたが、本発明においても前述の通り効率よく短時間で加熱乾燥ができるため、同様に、材料内部に気泡を発生させることができ、油で揚げたものと同様の軽い食感を生むことができる。
【0014】
また、従来の他の乾燥法で処理した製品と比べた場合、それらの乾燥法では、急速な加熱が難しく、出来上がる製品は食感、栄養価の点で問題があり、また、材料内部に気泡を発生させることができないため、軽い食感を生むことができなかったが、本発明では前述の通り、本発明では効率よい加熱乾燥により、それらの問題を解消した製品を作ることができる。
【0015】
本発明により製造した乾燥野菜食品と、市販の油で揚げた乾燥野菜食品、真空乾燥法による乾燥野菜食品との官能検査(具体的には、「食感」及び「素材の香り」についての検査)を10名(20歳代〜50歳代)のパネラーにより行った。その結果を下の表に示す。この表において、「食感」については、○が良好との評価、△がやや硬いまたはやや柔らかいとの評価、×が硬いまたは柔らかいとの評価を示し、「素材の香り」については、○が新鮮で良好との評価、△が特に評価すべきものがないとするもの、×は香りが悪いまたは悪臭がするとの評価を示す。
この表から、本発明に係る乾燥法によれば、食感、特に、素材の香りを残すことにおいて、特に優れていることが分かる。
【0016】
また、本発明では、材料の乾燥の進行の程度を考慮して、マイクロ波乾燥と熱風乾燥とを適正に調節して、両加熱方式の利点を生かすことができるので、両方式を効率的に余分な負担をかけずに稼動することができ、このため、ランニングコストを大幅に低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る乾燥果実・野菜食品の製造工程の流れを示す図である。
【図2】本発明に係る乾燥装置の概略を示す図である。
【図3】図2の装置で用いられる、乾燥する材料を載置するトレーを示す図である。
【符号の説明】
10 乾燥装置
12,14,16,18,20 乾燥室
22 ハウジング
24,26 トレー
28 コンベア
30 頂壁
32 底壁
34 側壁
36 前壁
38 後壁
40,42,44,46,48、50 隔壁
50,52,54,56,58 マイクロ波発信機
60,62,64,66,68 熱風入口
70 網状材
Claims (5)
- 所要のサイズにした果実や野菜の材料を、複数の乾燥室に順次に通し、各乾燥室内で、当該材料の乾燥の進行程度に合わせて出力調整された熱風及びマイクロ波に当てることにより乾燥を行い、当該材料の水分を10%以下となるようにしたことを特徴とする乾燥果実・野菜食品の製造方法。
- 初めに通される少なくとも1つの乾燥室では、それよりも後に続く乾燥室におけるよりも、高い出力のマイクロ波を当てることにより、乾燥処理の初期の段階から、当該材料の内部にまで至る全体的加熱を行うようにしたことを特徴とする請求項1に記載の乾燥果実・野菜食品の製造方法。
- 前記乾燥を行う前に、前記材料を調味液に浸漬し味付けを行った後、調味液をきって、前記乾燥処理のための予備処理を行うようにしたことを特徴とする請求項1若しくは2に記載の乾燥果実・野菜食品の製造方法。
- 複数の乾燥室と、
所要のサイズにした果実や野菜の材料を前記乾燥室に順次に通すための搬送手段と、
各乾燥室を通される前記材料にそれぞれ所要出力のマイクロ波をかけるための、出力調整可能としたマイクロ波発信機と、
各乾燥室内を通される前記材料にそれぞれ所要の出力(温度及び風量)の熱風をかけるため、出力調整可能とされた熱風供給手段と
を有することを特徴とする乾燥果実・野菜食品製造装置。 - 前記熱風供給手段は、
1つの熱風発生装置と、
該熱風装置に連通されて前記の各乾燥室に開口した熱風入口と、
熱風入口から前記乾燥室内への熱風の流量を調節するための手段と
を有することを特徴とする請求項4に記載の乾燥果実・野菜食品製造装置。
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JP2003098569A JP2004305002A (ja) | 2003-04-01 | 2003-04-01 | 乾燥果実・野菜食品の製造方法及び製造装置 |
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