JP3308243B2 - 補聴器、および補聴器の作動方法 - Google Patents

補聴器、および補聴器の作動方法

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    • H04R25/50Customised settings for obtaining desired overall acoustical characteristics
    • H04R25/505Customised settings for obtaining desired overall acoustical characteristics using digital signal processing

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、補聴器およびその作動方法に関
する
【0002】
【発明の背景】この出願は、1988年3月23日のエ
ンゲブレットソン(A. M. Engebretson) 氏、オコンネル
(M. P. O'Connell) 氏およびツエン(B. Zheng)氏の米国
特許出願第 172,266号(米国特許第 5,016,288号、特願
平1−70283号に対応)の「電子的フィルタ、補聴
器および方法」の一部継続出願に対応し、上記の米国特
許出願をこの明細書中に参考文献として引用する。
【0003】本発明の背景を補聴器への応用の場合を例
にとって説明するが、本発明の範囲をそれに限定する意
図はない。
【0004】スピーチその他の音声を充分に理解できる
ように聴き取る人間の能力は、職業上およびその他種々
の日常活動において非常に重要である。従って、聴力障
害者の聴力不足を補償すなわち助けようとする補聴器の
改善は、単にその様な人々に止まらず多くの共同社会、
集団にとっても重要なことである。
【0005】電子的補聴器とその方法とは、この発明を
利用できる電子装置の一例が記載されているものとして
この明細書中で引用するエンゲブレットソン(Engebrets
on)氏、モーレイ(Morley)氏およびポペルカ(Popelka)
氏の米国特許第 4,548,082号の明細書中で議論されてい
る。
【0006】電子的な補聴器の問題点に関する1つの文
献として、本願発明者の一人であるモーレイ氏による論
文「周波数障壁の突破(Breaking the frequency barrie
r)」IEEE Potentials (アイ・イー・イー・イー
ポテンシャルズ)1987年2月号第32頁〜第35頁があ
る。
【0007】また、エレクトロニクス・レターズ(Elect
ronics Letters) 7:56−58、1971のキングス
バリ(N. G. Kingsbury) 氏他におる論文「Digital Filt
ering Using Logarithmic Arithmetic(対数演算を使用
したデジタル濾波法)」では、加算と減算を行うのに対
数の加算による乗算と読取り専用メモリを使用すること
を議論している。対数的な、アナログ−デジタル変換お
よびデジタル−アナログ変換について説明する。
【0008】IEEE Transactions on Instrumentati
on and Measurement(アイ・イー・イー・イー トラン
ザクションズ オン インスツルメンテーション アン
ドメジャメント)1971年2月のデューク(E. J. Duk
e)氏の論文「RC LogarithmicAnalog-to-Digital (LAD)
Conversion (RC対数的アナログ−デジタル変換)」
の方法では変換にRC回路を利用している。
【0009】IEEE J. Solid-State Circuit (アイ
・イー・イー・イー J. ソリッド ステート サー
キット)SC−10巻第379頁〜第385頁、197
5年12月のシュアーツ(R.E. Suarez) 氏他の論文「Al
l-MOS Charge Redistribution Analog-to-Digital Conv
ersion Techniques ... Part II (全MOS電荷再配分
アナログ−デジタル変換技術・・・第II部)」には、
デジタル語の各ビットの線形変換に2個のキャパシタを
使った逐次近似法が記述されている。
【0010】モザー(Moser) 氏の米国特許第 4,187,413
号明細書には、有限インパルス応答(FIR)フィルタ
を有する補聴器が記述され、またただ1個の乗算器を時
間多重化形式で使用する形に構成できることが説明され
ている。
【0011】スティガ(Steager) 氏の米国特許第 4,50
8,940号明細書には、それぞれが帯域通過フィルタ、音
量調整器を具えた利得制御される増幅器、非線形信号処
理および帯域フィルタ回路を含む複数の並列信号チャン
ネルを持った、サンプル・データ・アナログ回路を基礎
とする補聴器が示唆されている。
【0012】通常は、補聴器のマイクロホンが外部音声
から電気的出力を発生する。補聴器の増幅回路はこのマ
イクロホンがピックアップした音声に対応するこの電気
的出力の濾波されたもの(濾波出力)を供給する。この
濾波作用は、増幅回路の固有の特性によるものとしても
よいし、また意図的に導入した要素によるものでもよ
い。補聴器の増幅濾波された出力は電気的に駆動される
受話器に供給されて、補聴器使用者の耳孔内に音声を放
射する。なお、補聴器の分野では、拡声器またはその他
の電気音響変換器に類似した電子的要素を受話器と称し
ている。この受話器から放射された音声の一部はマイク
ロホンに戻ってその電気的出力にフィードバックによる
寄与分(以下、フィードバック成分という)を付加す
る。この帰還成分は補聴器により増幅されて、無限に続
く循環フィードバック・プロセスによってリンギングや
スクイーリングを起こすことがしばしばある。
【0013】前述の特許第 4,548,082号明細書および図
面に開示されているような精巧な動作特性を持っている
補聴器は、全消費電力が数ミリワットを超えることがな
いようにその電子的回路を構成できることが強く要求さ
れている。所望の周波数選択性を得るために使用する濾
波作用を行うのに必要な信号処理と、信号の変換および
増幅に必要な多数の回路が要求する電力とが、コンピュ
ータを使って行わなければならないほどに複雑なもので
あれば、これは極めて難しいことである。実現可能な補
聴器における濾波作用のためには数百マイクロ・ワット
を使用できるに過ぎない。
【0014】精巧な動作性能が必要であるということは
大量の計算負荷が存在することを意味している。精巧な
補聴器には多分1秒間当たり数百万回もの演算が必要で
あると思われる。一般的にいって電子回路は、根本的な
改善が発見されない限り、その動作性能が向上するにつ
れてより多量の電力を消費する。
【0015】
【発明の概要】本発明の目的は多々あるが、それらは、
改良された電子的信号変換装置、補聴器、電子フィル
タ、およびVLSIと低電力消費特性と両立できる精巧
な特徴を実現できる方法を提供すること、一般に電子シ
ステムを改良するのに使用できる新しい回路の小組合せ
(サブコンビネーション)を提供すること、更に改善さ
れた電子的信号変換装置、補聴器、電子フィルタ、およ
び不都合なフィードバック・リンギングとスクイーリン
グを実質的に阻止できる方法とを提供すること、信頼性
が高くコンパクトで安価な改良された電子的信号変換装
置、補聴器、電子フィルタおよびその他のシステムを提
供することである。
【0016】一般的にいえば、この発明の1つの実施形
態は電気信号を濾波するための電子的フィルタである。
その中に含まれる信号処理回路は、互いに入力と出力と
を縦続した一連のフィルタ段を持ちかつそのフィルタ段
にはフィルタ・パラメータの電気的な表示(表現、レプ
レゼンテーション)を記憶する回路が付属しているよう
な対数フィルタを含んでいる。このフィルタ段は、その
フィルタ・パラメータの電気的表示を濾波されるべき電
気信号にそれぞれ加えて一組のフィルタ和信号を生成す
る回路を含んでいる。上記フィルタ段のうちの少なくと
も1つは、その段のフィルタ和信号を他のフィルタ段の
出力から得られる信号と合成することによって実質的に
対数形式のフィルタ出力をその出力に生成するための回
路を持っている。この信号処理回路は、中間出力信号を
生成し、この信号処理回路に結合されたマルチプレクサ
が上記中間出力信号を濾波されるべき信号とマルチプレ
クスして、この対数フィルタが対数前置フィルタおよび
対数後置フィルタとしての両様で働くようにしている。
【0017】一般的にいって、この発明の別の実施形態
は、互いに縦続的に接続された入力と出力を有し電気信
号に応動する一連のフィルタ段を含む、電気信号濾波用
の電気的フィルタである。記憶回路があって上記フィル
タ段のフィルタ・パラメータの電気的表示を記憶してい
る。この一連のフィルタ段は、信号を初段から最終段へ
向かってこの一連のフィルタ段を通して濾波し次に最終
段から初段へ向けて逆にこのフィルタ段列に信号を通し
て濾波することにより濾波された(濾波済みの)信号出
力を生成する回路を具えている。
【0018】一般的にいって、さらにこの発明の別の実
施形態は、電気信号を濾波するための電子的フィルタで
あって、このフィルタは、入力と出力を互いに縦続接続
した一連のフィルタ段とこの各フィルタ段に付設されて
いてそのフィルタ係数の値の対数に相当するフィルタ・
パラメータの電気的表示を記憶する回路とを持ってい
る。このフィルタ段は、それぞれフィルタ・パラメータ
の電気的表示を濾波されるべき電気信号に加えて一組の
フィルタ和信号を生成する加算回路を含んでいる。フィ
ルタ段の中の少なくとも1つは、そのフィルタ段のフィ
ルタ和信号を他のフィルタ段の出力から得られる信号と
合成することによって、実質的に対数形式のフィルタ信
号をその出力に生成する回路を持っている。さらに、電
子的制御手段を含んでいて、この手段は、上記の電気的
表示を連続的に変化させて、各フィルタ係数の大きさ
常にその係数値の実質的に一定パーセントの量だけ変え
る作用をする。
【0019】この発明のさらに別の実施形態は、第1お
よび第2のVLSIダイとその第1VLSIダイ上に形
成された対数アナログ−デジタルおよびデジタル−アナ
ログ信号変換回路とを有する電子的フィルタであって、
上記信号変換回路はそれぞれ電荷を持った1対のキャパ
シタとこの電荷を可変回数だけ繰返し再配分する回路と
を有し、この可変回数がデジタル−アナログに関連した
数であるようなものである。第2のVLSIダイの上に
は、対数フィルタ−リミッタ−フィルタ回路が形成され
ていて、この回路は第1VLSIダイ上の対数信号変換
回路にそれぞれ接続されたデジタル入力およびデジタル
出力を持っている。
【0020】一般的にいえば、この発明の1つの形態
は、アナログ形式に変換されるべきデジタル値を一時的
に保持する回路を含む電子的信号変換装置である。スイ
ッチ回路があって、第1と第2のキャパシタの少なくと
も一方の選択的な充電作用、第1と第2のキャパシタの
少なくとも一方の選択的な放電作用、および両キャパシ
タ間で電荷の再配分がなされるように第1と第2のキャ
パシタを選択的に接続する作用を含む選択的動作を行
う。アナログ形式に変換されるべきデジタル値を一時的
に保持する回路に応動する別の回路があって、この回路
は、アナログ形式に変換されるべきデジタル値の関数で
ある数に等しい回数だけ電荷の再配分を繰返し生起する
選択的な動作シーケンスを行うようにスイッチ回路を働
かせて、その動作が行われた後少なくとも1個のキャパ
シタ上の電圧が、上記デジタル値が変換されるべきアナ
ログ電圧となるようにする働きをする。
【0021】一般的に、この発明の別の形態は、デジタ
ル形式に変換されるべきアナログ信号のサンプルを一時
的に保持する回路を含む電子的信号変換装置である。ス
イッチ回路が、第1と第2のキャパシタの少なくとも一
方を選択的に充電すること、第1と第2のキャパシタの
少なくとも一方を選択的に放電すること、および両キャ
パシタ間で電荷の再配分が行われるように第1と第2の
キャパシタを選択的に接続することを含む選択的動作を
行う。また別の回路は、上記選択的な動作のシーケンス
を行うようにスイッチ回路を動作させて、この選択的な
動作を通じて、アナログ信号のサンプルを含む所定の電
気的状態が生ずるまで、何回も電荷の再配分が繰返し行
われるようにする。そうすると電荷の再配分が生じた回
数の関数としてデジタル値が生成される。この選択的動
作が行われたことにより上記の様にして生成されたデジ
タル値はアナログ信号のサンプルが変換されるべき目標
のデジタル値である。
【0022】本明細書には、システム、回路およびそれ
らを動作させる方法を含む本発明の上記以外の形態も記
載されている。上記以外の目的や特徴は逐次一部は後で
明らかになるであろうし、また他の一部は後述する。
【0023】
【発明の好ましい実施の形態】以下、図示の実施形態を
参照して説明する。図1にはこの発明の一実施形態であ
る補聴器11が示されており、この補聴器はイヤピース
14中の入力マイクロホン13で外部音声を受けるよう
になっている。マイクロホン13は、この補聴器使用者
に対する外部からの音声に応じて電気的出力を発生して
これを耳かけユニット15に供給する。ユニット15は
受話器または変換器(トランスデューサ)17に対する
電気的出力を発生する。受話器または変換器17は、濾
波され増幅された音声を発生してこれをイヤピース14
から補聴器使用者の耳の中へ送り込む。(図示していな
いが、他の形式の補聴器ではマイクロホン13と受話器
17がイヤピースの中にではなく耳の裏側に着ける(B
IT)ユニット内に納められているが、この発明の改良
案はこの様な形式はもちろん他の形式のユニットにも適
用できる。)
【0024】この発明の理解のために、受話器17から
出た音声の一部が、受話器17を使用者の耳孔に結合す
る通路23の開口から矢印19、21で示すようなフィ
ードバックによってマイクロホン13に戻ることを充分
認識しておく必要がある。上記以外のフィードバック
は、例えば矢印25で示すようにイヤピース14の側方
を通って上記よりも短い距離で入力マイクロホンに至る
経路で生ずる。一部の音声29は、受話器17からイヤ
ピース14の内部吸音材27を通してマイクロホン13
に直接フィードバックされる。
【0025】フィードバック現象は、補聴器11の動作
に、スクイーリング、リンギング、誤動作および不安定
性をもたらす不都合がある。従って、図に矢印19、2
1、25および29で示すような経路を介して不可避的
に生ずるフィードバックがあっても補聴器11が充分満
足すべき動作を行い得るようにする何らかの方法を見出
すことが望まれる。
【0026】図2は、フィルタ回路と増幅回路を持った
耳かけユニット15を有する補聴器11を側面から見た
図である。病院で医学的な検査を行い適切な補聴器を選
定するために、この明細書で参考資料として引用する米
国特許第 4,548,082号に開示されているようなホスト・
コンピュータ装置からコード37で接続されている接続
器35を介して、ユニット15にデジタル情報が与えら
れる。病院で、補聴器使用者の固有の聴力障害を改善す
るようにその補聴器を合わせる情報を補聴器11に入力
させた後、接続器35を補聴器の残部から取外して日常
使用の便のために電池パック39と入れ換える。一つの
好ましい実施形態例は、この発明によるフィードバック
相殺回路によって改善され、その時そのような相殺動作
を制御するためにホスト装置から付加的情報を受ける必
要はない。
【0027】医療業務や研究における過去の経験をベー
スとした聴覚学者は要求する補聴器の特性は今日まで市
販されているなどの補聴器が呈するものをも超えてい
る。このギャップは、現在の余りに精巧でないアナログ
増幅器素子を使用したのでは埋められないと思われるだ
けでなく、デジタル信号処理(DSP)も多チャンネル
式耳レベルの電池作動補聴器の許容電力に無理を生じさ
せる。現在の汎用デジタル信号処理器の電流ドレインは
しばしば電池の交換を必要とするようなもので、広範な
処理能力を最も必要とする一般大衆に受入れられ難い。
【0028】図3は、電池作動式補聴器41をベースと
するこの発明による2チップVLSIを示す。VLSI
は非常に大規模な集積化のことで、1個のチップ、ダイ
または基板上に何千個もの微小電子部品を形成すること
を含んでいる。補聴器は、アナログVLSI形態にもデ
ジタルVLSI形態にもうまく構成することができるの
で、ここでは単に例示のためにデジタル形の装置につい
て説明する。第1のチップ即ちVLSIダイ43は、デ
ータの取得および再構成用のもので、第2のチップ即ち
VLSIチップ45はDSP回路用である。1秒当たり
300万回以上の多数の累算動作を行う能力を持ってい
るが1ミリワットの何分の1しか電力を消費しない特注
型のデジタル信号処理器が、4チャンネル補聴器を構成
するようにチップ45上に作られている。電力消費量は
最小化され、しかも符号/対数演算方式の使用によって
幅広いダイナミック・レンジ(範囲)を持っている。こ
の能力によって、12.4KHzのサンプリング周波数
で数百個のフィルタ・タップの処理を行うことができ
る。
【0029】このシステム・アーキテクチャは、基本的
な機能を果たし得るように、また信号処理素子を再構成
して種々の補聴器設計を実現構成することができるよう
に、適応させ得る利点がある。このVLSIデジタル補
聴器41は、電力消費特性が在来のアナログ装置よりも
優れている。
【0030】図3において、入力マイクロホン、または
フィールド・マイクロホン13は、外部音声を感知し
て、低域通過濾波作用と約6KHzのナイキスト周波数
におけるカットオフ作用を行うエイリアシング防止フィ
ルタ(AAF)51に対する電気的出力を生成する。対
数アナログ−デジタルおよびデジタル−アナログ変換回
路53はダイ43上に形成されており、その回路はそれ
ぞれ電荷を有する1対のキャパシタと、この電荷をデジ
タル−アナログに関連する数に等しい可変回数だけ繰返
し再配分する回路とを持っている。ダイ45上に形成さ
れた全ハードウェア対数フィルタ−リミッタ−フィルタ
回路55は、デジタル入力57とデジタル出力59を有
し、後者は対数信号変換回路53に接続されている。回
路55は、符号/対数演算法を採用した、非常に電力消
費量の少ないデジタル信号処理器として動作する。アナ
ログ・マイクロホン出力(AAF51で濾波されてい
る)は対数信号変換回路53に供給され、対数フィルタ
−リミッタ−フィルタ回路55の入力57に供給するデ
ジタル形式に変換される。受話器17は出力変換器であ
って、その出力増幅器61を介して対数信号変換回路5
3に接続されている。回路53は、対数フィルタ−リミ
ッタ−フィルタ回路55の出力59におけるデジタル信
号を受話器17に供給するためにアナログ形式に変換す
る。両回路のタイミングは、圧電結晶体62、付属タイ
マ回路63および制御線64によって与えられる。
【0031】主電池65とパラメータ保持用電池67の
ような2個の個別電池が、チップ43と45中の比較的
大きな電力を消費する回路をチップ45中のパラメータ
記憶部から分離するために用いられている。ホスト・コ
ンピュータ69からここに引用する米国特許第 4,548,0
82号に記載されまたここでさらに説明する直列インタフ
ェースを介して供給(ダウンロード)されるそれらのパ
ラメータは、多くの聴力障害者に対するデジタル補聴器
41の応答に適合するように全て変更する必要がある。
従って、主電池65は何日かの期間で放電するが、その
聴力障害者に固有のこれらのパラメータは別の電池によ
ってより長い期間、例えば1年以上、維持される。
【0032】既に述べたように、一方のチップ43はア
ナログ・インタフェース・チップ(AIC)であってデ
ータの取得および再構成用であるが、第2のチップ45
は特定のDSP回路用である。AICチップ43はエイ
リアシング防止フィルタ51を有する入力前置増幅器を
含んでいる。変換回路53は、また、アナログ入力を、
対数的にコード化されたデジタル・ワードに変換し、ま
たデジタル出力サンプルを線形アナログ電圧に戻すため
に圧縮器および伸長器としても働く。対数回路を使用し
たことによってDSPチップ45の電力消費量は大幅に
低減される。DSPチップ45は、AICチップ43の
ADC出力から対数的にコード化されたデータを受取っ
てこれを所要の補聴器特性に応じて処理し、その出力を
変換回路53のDAC機能に伝えてアナログに逆変換
し、濾波して出力変換器(トランスデューサ)を駆動す
る。
【0033】図4には、図3のシステムが、チップ上の
配列形態としてではなくブロック図の形で示されてい
る。ここで図4を参照して回路55をさらに説明する。
回路55は、4個の帯域通過フィルタ・チャンネルの対
数ドメイン(領域)のバンクと同様に働き、その各チャ
ンネルの利得と最大電力出力は所要の応答を形成するよ
うに独立に制御できる。概念的には、各チャンネルは、
後段にハード・リミッタ83を接続した前置フィルタと
呼ぶ帯域通過対数フィルタ81と、ハード・リミッタ8
3によって導入された歪を除去する帯域通過対数後置フ
ィルタ85と、を持っている。この非線形組合せ体はフ
ィルタ−リミッタ−フィルタ対数デジタル・フィルタま
たは対数サンドイッチ・フィルタ87と呼ばれる。
【0034】次に、ここに述べる濾波目的用の対数的動
作を通常の有限インパルス応答(FIR)フィルタの線
形動作と対照比較してみる。
【0035】デジタル・フィルタの電力消費を支配する
主たる要因は使用するワード長である。レジスタ中に記
憶される数値が信号振幅に直接比例する線形演算型のフ
ィルタでは、数値の正確さはその大きさによって決ま
る。しかし、充分な信号対雑音比を求めかつ適度なワー
ド長を使用すると、フィルタのダイナミック・レンジが
極めて制限されたものとなる。
【0036】さらに、スピーチの振幅の分布は、しばし
ばラプラシアンとしてモデル化されるが、適切な数のシ
ステムを選択することについて幾つかの意味を持ってい
る。提案されたどのような数のシステムにおいても、互
いに離れた各状態の認識範囲を維持しつつ、利用可能な
分解能を零付近に集中させることが重要である。情報理
論の観点から、或る与えられた数のコード・ワードに対
してチャンネルを通しての最大情報レートは全てのコー
ド・ワードが均等に伝達されるときに実現できるという
ことができる。もし、各瞬時々々のスピーチの音圧を表
すために使用されるデジタル・コード・ワードが或る所
定の範囲に一様に分布しているとすれば、その音圧の小
さな変化を表すコード・ワードは、音圧のより大きな変
化を表すワードを使用することよりも、使用される可能
性がなお一層高いことになる。
【0037】図4の実施形態においては、信号振幅の対
数に比例した数をコンピュータを使うプロセスに使用し
ている。符号/対数演算は特にデジタル補聴器用に好適
するもので、ダイナミック・レンジが広いこと(75d
B)、ワードサイズが小さいことおよび充分な信号対雑
音比(SNR)を呈すること、という要求を満足させる
ことができる。8ビットの符号/対数表示法を使えば3
0dBを超えるRMS信号対量子化雑音比を容易に得る
ことができる。この数値システムの対数特性のために、
このRMS信号対雑音比は、信号の大きさ、分布または
周波数スペクトルとは無関係に一定である。この対数的
なデータ表示法によって、信号の忠実度との妥協なしに
データ圧縮が可能となり、しかもその集積回路の電力消
費量と寸法を劇的に(ドラマチックに)減殺することが
できる。
【0038】対数モードの濾波作用は大きな希望を与え
るけれども、例えばテキサス・インスツルメント社製の
TM320のような現在市販されているデジタル信号処
理器で製作しようとすると極めて非能率的なものとな
る。1個のFIRタップを処理するのに20回以上もの
多数のクロック・サイクルが必要となる。ここで説明す
る特殊目的の処理器は、より一層能率的な方法でサンプ
ルを処理することによってそのような状態を劇的に変え
ることができる。また、サンプルされたデータの取得と
再構成のためのここで説明する低電力、精密信号変換回
路は、実用的なイヤ(耳)レベルのデジタル補聴器をう
まく製作するための鍵(キー)である。
【0039】前述のように、デジタル・フィルタを作る
ことは処理器の主たる仕事である。図5に示されるよう
にFIRフィルタはタップ付きの遅延線と見ることがで
き、その各段では到来信号がレジスタ内に保持され、定
数(フィルタ係数)によって増幅され、その積が前段の
部分的な和出力に加算される。しかし、この累算は加算
の繰返しを要しこれは時間がかかるが余り電力を要しな
い。図4の81または85のような対数フィルタは、こ
のような点に関してFIRフィルタの有効な代替素子と
なっている。対数フィルタの前に対数信号変換を行いま
たその後に真数信号変換を行うと、この対数フィルタに
よって、受話器17は、FIR前置フィルタと後置フィ
ルタを用いたフィルタ−リミッタ−フィルタを有する線
形ADC/DACを使用した場合に放射するのと実質的
に同じ音響出力を生成することができる。
【0040】対数的にコード化されたデータを直接に処
理することによって、濾波特性が改善され、回路面積は
減少し、必要とするワード長が短くなるために電力消費
量が少なくなる。さらに、より普通の処理器で処理する
前に対数的にコード化されたサンプルを線形形式に変換
し、かつ出力サンプルをCODEC(コーダ−デコー
ダ)で伸長させる前に再圧縮する場合に、電力が不必要
に浪費されることはない。
【0041】FIRフィルタの理論はより進歩したこの
対数フィルタを検討する上で有効であるから、対数フィ
ルタを説明するに当たってFIRと見立てて説明するこ
とが便利である。しかし、これら2種のフィルタで使用
される実際の回路と動作とは非常に異なるものであるこ
とに留意すべきである。
【0042】符号/対数演算では、乗算は単純な加算に
なる。これは、FIRフィルタにおけるような繰返し加
算動作を行う乗算回路の代わりに対数フィルタでは1回
の加算動作を行う1つの加算回路が使用されることを意
味している。対数フィルタにおける乗算は正確で切捨て
誤差が入ることはない。
【0043】対数フィルタにおける2つの数AとBの対
数演算は、Aをlog X、Bをlog Yと定義すれば、2つ
の数XとYを加算することと同様であることは、次式を
認めれば理解できるはずである。
【数1】 X+Y=X(1+ Y/X) (1)
【0044】従って、この対数演算で次の数Cを計算す
る。
【数2】 C= log(X+Y) (2)
【0045】式(1)を代入して、
【数3】 C= log(X(1+ Y/X)) (3)
【0046】ここで、積の対数は各因数の対数の和であ
り、比の対数は被除数と除数の対数の差Dであることを
思い出せば、式(3)は次式となる。
【数4】 C= log X + log(1+ antilog( logY− logX)) (4)
【0047】定義により A= log X、 B= log Y、 D=B−A であるから、XとYの加算に類似する対数演算は次式で
与えられる。
【数5】 C= A+ log(1+ antilog(D)) (5)
【0048】ここで、Dは次式の通り定義されている。
【数6】 D=B−A (6)
【0049】従って、対数的な加算動作は、式(6)に
相当する第1の減算動作を含み、これは基本的に加算回
路と同様な回路で電子的に実現できる。2番目に、例え
ばテーブル・ルックアップによって log(1+ antilog
(D))の演算を電子的に行う。3番目に、加算回路に
よって値Aをテーブル・ルックアップの結果に電子的に
加算する。
【0050】この明細書中で使用している用語「対数的
な乗算累加(LMA)セル」は、対数フィルタ中の電子
的回路であって、FIRフィルタ中の乗算および加算段
とは非常に異なるものであるがそれから類推できる(類
似・・・アナロガス)用語を指している。この議論にお
ける単一のLMAセルを8ビットのVLSIで実現する
場合にテーブル・ルックアップ用のテーブル入力のうち
の25%未満は0ではない。このテーブルは、プログラ
ム可能な論理アレイ(PLA)としてうまく構成するこ
とができる。累加動作に付帯する切捨て誤差の伝播はル
ックアップ法を使用するに当たって考慮すべき1つのフ
ァクタである。8ビットのコード化とまばらなルックア
ップ・テーブルを使用することによって、100dBを
超えるダイナミック・レンジと31dBのRMS信号対
RMS雑音比が得られる。
【0051】説明の便宜上、FIRフィルタにおける加
算に類似する(アナロガス)対数演算を「対数ドメイン
の加算」または「累加」と言うことにする。同様に、対
数の加算を、繰返し加算が行われない場合でも「乗算」
という。この簡略語は上述した表現「対数的な乗算累加
(LMA)」中にも使用されている。しかし、この明細
書中の議論の性格上、対数的な乗算演算は、加算の繰返
しという通常の感覚による電子的な乗算でないことに充
分注意されたい。さらに、対数的な累加演算は通常の感
覚による加算ではない。それは、対数値A=2をB=2
の対数値に加えると4の対数値ではないからである。そ
れは、2.3010・・・である。即ち、この例では2
+2は2.3010・・・に等しい。なぜなら、A−B
=2−2=0; log(1+ antilog(0))= log
(2)=0.3010・・・、そしてC=A+ log
(2)=2+0.3010・・・=2.3010・・・
であるからである。対数値A=3をB=2の対数値に加
算すると、5の対数値でも3の対数値でもない。
【0052】この発明の説明のために、対数フィルタ
は、入力と出力を相互に縦続した一連のフィルタ段と、
これらフィルタ段にそれぞれ付設されてフィルタ・パラ
メータの電気的表示を記憶しているレジスタとを有する
ものとする。このフィルタ段は、それぞれそのフィルタ
・パラメータの電気的表示を濾波されるべき電気的信号
に加えて一組のフィルタ和信号を生成するための加算回
路を具えている。少なくとも1個のフィルタ段は、その
段のフィルタ和信号を他のフィルタ段の出力から得られ
る信号と非線形合成することによって実質的に対数形式
のフィルタ信号を出力に生成する対数累加回路を持って
いる。
【0053】上述した理由によって、対数フィルタ中の
電子的ハードウェア(またはソフトウェアが使用される
ときはソフトウェア)はFIRフィルタのそれとは極め
て異なるものである。
【0054】フィルタ−リミッタ−フィルタ・デジタル
・フィルタは、またその中間のリミッタ作用によって非
直線性が持込まれており、それが上記のフィルタ−リミ
ッタ−フィルタを、前置フィルタと後置フィルタが線形
であって対数的なものでない場合でも、例えばFIR
(有限インパルス応答)フィルタのような単なる線形フ
ィルタとは異なるものにしている。もし、フィルタ、リ
ミッタおよびリミッタの組合わせがどのような単一のF
IRフィルタにでも等価なものであるとすれば、経済性
と電力消費の点から回路の数を減らして上記のような単
一のFIRフィルタ(もし存在するとすれば)とするこ
とになる。しかし、フィルタ−リミッタ−フィルタまた
はサンドイッチ型フィルタと等価なFIRフィルタは存
在しない。
【0055】補聴器の動作中に通常発生する過大な信号
レベルを防止するために振幅制限(リミッタ)動作が与
えられているので、PLA(プログラム可能論理アレ
イ)で行われる加算演算から類推できる対数的演算が非
線形であることを指摘するまでもなく、その非線形性は
明らかである。その結果、デジタル−アナログ変換器
は、前置フィルタから得られる濾波済み信号に従ってア
ナログ信号を生成しないし、また前置フィルタの出力自
体がマイクロホン、受話器および耳の周波数応答に適応
するものでもない。ハード・リミッタの非直線性のため
に、後置フィルタはアナログ−デジタル変換された信号
からの信号に従った信号処理をも行わない。この対数的
なサンドイッチ・フィルタは、全体としてより充分に聴
力障害を改善し、苦痛を感じる程大きな音声が受話器か
ら放射されることを、線形システムで可能な程度以上に
防ぐことがきでる。
【0056】CMOS(相補性金属酸化物半導体)技法
で作成した、電源電圧が5ボルトで最小主要寸法は3ミ
クロンの8ビットLMAセルは、例えば20マイクロワ
ットの電力消費を示す。このセルは、PLAルックアッ
プ・テーブル、線形FIRフィルタの係数の対数に対応
する対数デジタル・フィルタのフィルタ・パラメータ値
Kを保持するパラメータ・レジスタ、および組合わせ論
理回路を持っている。ダイナミックCMOS設計形式を
とっていないために、このセルは入力ベクトルが非常に
遅い速度で変化するとき僅かに数マイクロワットを消費
するに過ぎない。このようにして、この処理器は補聴器
が静かな環境で使用されているときに電力の余分な消費
を防ぐ。
【0057】LMAセルは、好ましい実施例では、事実
1500個以上のトランジスタを必要とする。このセル
が占有する面積は2平方ミリメートルである。従って、
線形シストリック(systolic)・アレイに構成された32
個のこれらの乗算累加セルは容易に10ミリメートル平
方のチップ上に入り得る。システムのサンプリング周波
数が12.5KHzで、10MHzの速度の出力を生成
するLMA回路を使うと、係数8で32個のLMAセル
を多重化すれば、5ミリワットの消費電力で4チャンネ
ル瞬時圧縮補聴器の適切な処理(256FIRフィルタ
・タップ)ができる。この構成は、多重化対数乗算器累
加器セル(MLMAC)と呼ばれ、その付加的な係数お
よびデータのレジスタでサンプリング期間中に多重LM
A動作ができる。
【0058】電源電圧が1.5ボルト、精細度が現在の
技法で1ミクロンのVLSI製作技法を使ってDSPチ
ップ45の電力消費を200マイクロワットにすること
が企てられている。AICチップ43に同様なVLSI
製造技法を使えばチップ43と45の総電力消費はミリ
ワット級になる。
【0059】再び、図4を参照すると、対数サンドイッ
チ・フィルタ87の4個のチャンネルA、B、Cおよび
Dの後置フィルタの出力は、対数合成器回路91内の対
数累加作用によって合成され、その出力は回路53中の
真数DAC変換演算のために供給される。もし適応型フ
ィードバック相殺作用を除外すれば、対数ADCからの
入力はチャンネルA、B、CおよびDの各前置フィルタ
に供給される。しかし図4は、対数合成器91の出力に
接続された入力を持つハードウェア対数フィルタ93に
よってフィードバックを相殺するための、より精巧な構
成を示している。対数フィルタ93はその出力を対数合
成器95に接続しており、この出力には対数ADCの出
力も接続されている。このようにして、対数フィルタは
対数形式の信号を生成し、この信号は対数合成器95内
でマイクロホン13の出力中のフィードバック成分を相
殺する。対数合成器95の出力はチャンネルA、B、C
およびD用の4個の前置フィルタの各々に供給される合
成信号入力である。
【0060】対数フィルタ93のフィルタ・パラメータ
は、聴力障害者が補聴器を日常使用する際に諸物理的条
件が変化する状態下においても、フィードバック経路H
f をシミュレートしかつフィードバックを相殺するに必
要な論理回路または電子的制御回路97によって絶えず
変えられる。信号発生回路99は、マイクロホン13が
受入れた外部音声とは波形も異なりまた相関性もない信
号Seを生成する。信号Seは、対数合成器91中で対
数累加をする前に重みW1の対数を加算することによっ
て重み付けされる。また、信号Seと対数合成器95か
らの合成信号入力は別々の線で論理回路97に供給され
る。論理回路97は、信号Seを、適応型濾波用の対数
形式の誤差信号である合成信号入力と比較して、それに
より対数フィルタ93のパラメータを更新する。
【0061】図4の対数適応型フィルタ構体は、198
8年3月23日に出願されここに参考文献として引用す
る本願の親出願である米国特許出願第 172,266号(特願
平1−70283号に対応)に開示された対応する線形
フィルタ回路の対数化相当物である。信号Seをする、
相異なる接続と動作を有する幾つかの実施例が上記親出
願中に開示されており、それらは線形のものである。ま
た、上記親出願に添付の各図はさらにここに説明する原
理に従って対数形式に構成できるシステムを表している
ことに注意すべきである。
【0062】親出願の図12と図24は、図6および図
7としてここに再製されており、それらに関する親出願
中の説明は他の部分の説明と共にここにそのまま引用す
る。図6および図7は、図4の論理回路97を構成でき
ると考え得る多くの相異なる変形例のうちの2つを示す
ものである。図6と図7中の加算/減算回路は電子的加
算/減算器として形成できる一例である。しかし、対数
的な考え方からすれば、それらは対数化信号の加減算を
行うものであるから線形ドメイン(領域)における乗算
器/除算器であるかのように動作する。これらの回路
は、対数適応型フィルタ93のフィルタ・パラメータを
対数表示の増分で変化させる。
【0063】図8に示されるように、線形ドメインの係
数は、対数フィルタを制御するために上記親出願の回路
を使用した結果として等しいパーセント増分に調節され
る。例えば、ある一定の対数量をいかなる数に加えても
その線形数を定数倍することと等価であるから、このパ
ーセント増分は等しい。或る数に或る定数を乗算する
と、その数の値如何にかかわらず或る一定パーセントだ
けその数が増大する。この結果、上記親出願に説明され
た、FIRフィルタを適応型制御するための図6および
図7の回路を表す図9の場合に比べて、図8に示すよう
に小さな係数に対して誤差と統計的浮動(揺らぎ)が小
さくなる。
【0064】図4のフィルタ93は、即ち、係数を対数
形式で表す電気的に記憶されたパラメータを持つ対数適
応型フィルタの一例である。論理回路97は、その係数
の大きさを実質的に一定パーセント量だけ変えるように
その係数を絶えず変更する線形制御手段の一例である。
この線形制御手段は電子的濾波手段(例えば、対数サン
ドイッチフィルタ87)と相互接続されている。この対
数適応型フィルタは、さらに濾波済みの信号と別の信号
とを電気的に記憶された係数に対して電子的に処理し
て、電気音響装置のマイクロホンの電気的出力中のフィ
ードバック成分を実質的に相殺するように合成するため
の第1手段に対する対数形式の適応型出力を生成する。
【0065】対数フィルタ93は、入力と出力とを互い
に縦続接続した一種のフィルタ段と、その各フィルタ段
に付属して適応型フィルタ係数の値の対数に相当する可
変フィルタ・パラメータの電気的表示を記憶している各
レジスタとを、適切に具えている。このフィルタ段は、
それぞれ、このフィルタ・パラメータの電気的表示を濾
波されるべき対数合成器91からの電気信号と加算し
て、一組のフィルタ和信号を生成する。一つのフィルタ
段中の対数的な累加は、そのフィルタ段のフィルタ和信
号をその前位のフィルタ段からの信号と合成することに
よって、その出力に実質的に対数形式のフィルタ信号を
生成する。
【0066】論理回路97の電子的制御回路は、電気的
表示を絶えず変えて各フィルタ係数の大きさをどの時点
でもその係数値の実質的に一定のパーセント量だけ変化
させる。例えば図6において、電子的制御回路は、例え
ば共に変化する極性を持つ雑音信号Se(または対数合
成器91からの出力Y)および対数合成器95からの極
性信号のような外部から抽出される第1と第2の制御信
号に応動する。レジスタ181.0〜181.Mは外部
から取出されるこの第1の制御信号の変化する極性を表
す一連の値を一時的に記憶する。各フィルタ・パラメー
タは、加算/減算回路185.0〜185.M内で一定
量ずつその大きさが増減される。この増大と減少とは、
それぞれ、一連の値の中の対応する値がその時の外部か
ら引出された第2の制御信号(例えば、対数合成器95
の出力)の極性と比較して同じ極性を持っているか逆極
性を持っているかによって、決まる。このようにして、
各フィルタ・パラメータによってその対数が表されてい
る各係数は、どの時点においても各係数の実質的に一定
パーセントの増分をもって増大されまたは減少させられ
る。
【0067】図7において、その電子的制御回路は、対
数合成器95の出力の極性と対数サンドイッチ・フィル
タ87からの少なくとも1つの信号(Se、Uまたは
Y)の極性の関数として加算/減算回路305.0〜3
05.Mによって増分増大(インクレメント)および減
分減少(デクレメント)させられる連続的総和を保持す
るためのレジスタ301.0〜301.Mより成る第1
組を持っている。一連のラッチ291.0、291.
1、・・・291.Mはシフトレジスタとして接続され
ていて、入力信号Eと比較されるべき、適当な信号の極
性の経過を表すデジタル信号(Se、UまたはY)を保
持する。一連の排他的オア・ゲート311.0、31
1.1、・・・311.Mには、入力信号Eの極性成分
だけが結合される。これらの排他的オア・ゲートの出力
は、それぞれグループ305中の加算/減算回路の低レ
ベル付活(low active)加算入力に供給される。連続的総
和は、1を書込んだ方形枠313.0、313.1、・
・・313.Mに示されているように1だけ増分増大ま
たは減分減少させられる。第2組を構成するレジスタ3
03.0〜303.Mは各パラメータを表す対数形式の
デジタル値を保持する。加算回路307.0〜307.
Mは、それぞれ、第1組レジスタの増分増大および減分
減少の発生頻度よりも低い頻度で、第1組レジスタ中の
連続的総和を第2組レジスタ中の対応するデジタル値に
加算する。
【0068】図10では、好ましい電子的フィルタ構造
400が、対数合成器95の出力のような8ビットの電
気的信号LOG SIGNALを濾波するための図4の
対数サンドイッチ・フィルタ87を構成している。図1
0の回路において、一連の8個のMLMACフィルタ段
401、402、・・・、407、408は電気的信号
に応動するもので、縦続関係をなす8ビット・バス入力
D1と8ビット・バス出力Q1とを持っている。各フィ
ルタ段は第2のバス入力D2とバス出力Q2(共に8ビ
ット)を持っている。フィルタ段408はその出力Q1
を自己の第2入力D2に接続し、各フィルタ段はその入
力D2と出力Q2を、入力D1と出力Q1の縦続関係と
逆向きの縦続関係をなすように接続している。
【0069】各フィルタ段401〜408は、図3のホ
スト・コンピュータ69からバスK IN411.1に並列
に連続的に供給されるフィルタ・パラメータの電気的表
示(表現)を記憶し、長大なシフトレジスタにローディ
ングする形で段から段へとバス411.2〜411.8
にローディングする。一連のフィルタ段401〜408
は他のシフトレジスタをベースとする回路を有し、この
一連のフィルタ段を最初の段(401)から最後の段
(408)へと通してそのQ出力からの信号を濾波し次
いで最後の段から最初の段へと逆向きに通してその出力
を濾波して8ビット・バス413上に並列形式に濾波済
み信号出力を生成する。
【0070】既述のように、一連のフィルタ段401〜
408は順逆2方向で処理動作をする。事実、各どのフ
ィルタ段でもそのフィルタ段中で各フィルタ・パラメー
タに関して両方向にフィルタ信号を処理する。具合よ
く、この明細書中では対数前置フィルタと後置フィルタ
を線形位相フィルタと類似(アナロガス)に作ることが
望ましいと理解されている。FIRフィルタの理論で
は、線形位相フィルタは一連のタップのうち中心にある
ものに関して対称的なフィルタ係数を有する複数のタッ
プを持っている。対数的な変換はこの対称性を損なわな
いし、対数フィルタ・パラメータも都合よく対称性を持
っている。例えば、32個のタップを有する対数フィル
タのパラメータは、K0=K31、K1=K30、K2
=K29、K3=K28、・・・K15=K16であ
る。MLMAC段は対称の中心の周りに概念的に折重ね
られて、第1段401がパラメータK0を保持し、この
パラメータはK31にも使用される。この第1段におけ
るそれ以上の係数マルチプレクシングによってK30と
しても使用されるパラメータK1が供給される。第2段
402はパラメータK2とK3を保持し、これらはK2
9とK28としても使用される。このようにして僅か8
個のMLMACが32タップの対数フィルタとして動作
する。
【0071】第1のMLMAC段の8ビットQ2出力バ
ス413は、8ビット・フィルタ出力バス419へと共
にハード・リミッタ(H.L)回路417への8ビット
入力バス415に接続されている。ハード・リミッタ回
路417は段401のQ2出力の前置フィルタ出力部バ
ス415に応動して一般に所定範囲の電気的値に制限さ
れた中間出力信号を生成する。この中間出力信号はバス
H.L.OUT429から2対1マルチプレクサ413
に供給される。マルチプレクサ431は8ビットの出力
バス433を持っていて、各サンプルXを並列デジタル
形式で同時にフィルタ段401〜408の全部に対して
一挙に供給する。マルチプレクサ431は入力バス43
5に供給されたLOG SIGNALとH.L.OUT
バス429上の中間出力信号とを多重化して、対数フィ
ルタ段401〜408が対数前置フィルタおよび対数後
置フィルタの双方として動作するようにする。
【0072】図10の対数サンドイッチ・フィルタ40
0の制御は、10MHz級のクロック・パルスを発生す
る回路441、そのクロック・パルスを計数してバス4
45にカウント出力を生成するデジタル・カウンタ44
3、およびこのカウント出力を復号して、各MLMAC
段の動作を調整するための6本の制御線449、ハード
・リミッタ回路417に対する2本の制御線451およ
びマルチプレクサ431に対する線453の制御信号に
変える。
【0073】出力バス413(上の信号)を、バス41
5とバス419上に分離(デマルチプレクス)する動作
はデコーダ447から制御線に与えられる出力信号によ
って行われる。例えば、デコーダ447は線445によ
ってラッチ457に接続されている。デコーダ447
は、後置フィルタ出力を表す多重化されたデジタル信号
がバス419に在るときのみラッチ457をクロック制
御し、バス419上の情報がハード・リミッタ回路41
7に対する前置フィルタ出力であるときは上記のクロッ
ク制御をしない。このようにして、ラッチ457は自己
に与えられるべきでない前置フィルタ出力に対して無感
応性にされる。一方において、バス413と415上に
前置フィルタの出力が在るときには、デコーダ447は
2対1マルチプレクサ431に対する制御線453を付
活することによって、ハード・リミッタ出力バス429
の入力を選択する。その他の時間には、マルチプレクサ
431はLOG SIGNALをMLMAC段401〜
408へ結合するようにされる。
【0074】図10のマルチプレクサ431は、MLM
AC段401〜408がハード・リミッタ回路417に
対する前置フィルタおよび後置フィルタの両作用を行う
ようにしてこのMLMAC段401〜408の処理能力
を倍加すると共に図4の対数サンドイッチ・フィルタ8
7をより一層能率的に構成できるようにする点で有利で
ある。マルチプレクサ431によるこの多重化作用は、
次に詳述する各MLMAC段の内部における多重化作用
以外のもので、つまり対数サンドイッチ・フィルタ87
を実際に製作する場合に別の重要な役割を果たすことに
注意されたい。
【0075】図11では、各MLMACフィルタの典型
的回路402は8個のレジスタ501.1〜501.8
を有し、これらはその個々のフィルタ段に関するフィル
タ・パラメータの数のデジタル表示を記憶する。8個の
レジスタの各々は、各フィルタ・パラメータの8ビット
表示を保持する。このフィルタ・パラメータはそれらの
チャンネルA、B、CまたはDに従ってインデックスさ
れる。各チャンネルにおける2つのパラメータは、各フ
ィルタ段と共同して8個のレジスタ501.1〜50
1.8の全部について記憶される。そのために、チャン
ネルは、各フィルタ段における各チャンネルの1対のパ
ラメータと共に多重化される利点がある。
【0076】8対1のマルチプレクサ503はレジスタ
501.1〜501.8から64本の線を受入れ、デコ
ーダ447からの3本の制御線によって作動させられ
る。マルチプレクサ503とデコーダ447は、そのパ
ラメータのデジタル表示に関して各個々のフィルタ段の
動作を多重化して、図10のフィルタ401〜408
が、各フィルタ段に付属する相異なるチャンネルのフィ
ルタ・パラメータの数、例えばチャンネル自体の数と同
数の複数の帯域通過フィルタとして働くようにする。デ
コーダ447は各フィルタ段の動作を調整して、各フィ
ルタ段中のマルチプレクサ503が、3本の選択線50
5上の並列デジタル形式に表されたインデックスの値に
従ってフィルタ段の全てを一度にチャンネル・インする
ことによって、対応するフィルタ・パラメータを選択す
るようにする。このようにして、動作が多重化され、こ
のフィルタは全体として複数個の帯域通過フィルタとし
て動作し、その各帯域通過フィルタはインデックスの同
じ値に従って選ばれたフィルタ段中の一組のフィルタ・
パラメータによって定められるフィルタ特性を有するも
のとなる。
【0077】図10において、複数のフィルタ段は電気
的に言えば(VLSIダイ上の実際の配置に関してでは
なく)前任−後任の関係にある。例えば、MLMAC段
401はMLMAC段402に対して前任者即ち前位の
セルであり、MLMAC段403はMLMAC段402
に対して後任者または次のセルである。
【0078】図11において、信号は、第1と第2の1
6セル・シフトレジスタ511と513によって、一連
の段401〜408を通して濾波される。各シフトレジ
スタ511〜513は各セルに8ビットの並列デジタル
情報を保持して全バイトに対する16段FIFO(先入
れ先出し)構造のユニットとして働く。換言すれば、各
シフトレジスタは、全体として8ビットの16セル倍即
ち128を保持する。シフトレジスタ511中の16個
のセルは、4つのフィルタ・チャンネルA、B、Cおよ
びDの全部において前置フィルタおよび後置フィルタの
双方の役割を果たすために一連の段401〜408内の
後位のフィルタ段に対してフィルタ信号を転送するよう
に、縦続接続されている。第2のシフトレジスタ513
も縦続接続された16個のセルを持っていて、4つのフ
ィルタ・チャンネルA、B、CおよびDの全部において
前置フィルタおよび後置フィルタの双方の目的を果たす
ために、さらにフィルタ信号を一連の段中の前位のフィ
ルタ段へ転送する。従って16個のセルは、2(フィル
タ)×4(チャンネル)×2(タップ)=16バイトを
収容する。
【0079】図11の回路における処理は加算器521
と対数PLA合成器523によって行われる。加算器5
21は、8対1マルチプレクサ503から8ビット・バ
スで信号供給を受け、マルチプレクサ503にはバス4
33の8ビット・サンプルXが加えられる。加算器52
1からの8ビット出力和は対数PLA合成器523に供
給され、合成器523は8ビットの結果をシフトレジス
タ511と513の双方に対するデータ・バス525に
供給する。デコーダ447は、シフトレジスタ511が
合成器523からその合成結果を受入れると、線527
上の制御信号によってシフトレジスタ511中の全セル
をクロック制御する。デコーダ447は、また、シフト
レジスタ513が合成器523からその合成結果を受入
れると、線529上の制御信号によってシフトレジスタ
513内の全セルをクロック制御する。このクロック制
御によって16個のセル中の内容を1セルずつ前進さ
せ、シフトレジスタ511の8ビット出力Q1またはシ
フトレジスタ513の8ビット出力Q2の最後のサンプ
ルを後位または前位のフィルタ段に送り込む。この全フ
ィルタ構体は、その繰返し同期化されたデータが全フィ
ルタ段を移動することによって、シストリック(systoli
c)アレイ装置を構成する。
【0080】2対1マルチプレクサ531は、図10に
示されたようにそれぞれ前位のフィルタ段と後位のフィ
ルタ段に接続された第1と第2の8ビット入力バスD1
とD2を持っている。即ち、入力バスD1は511に類
似の前位のフィルタ段内の第1のシフトレジスタと、5
13と類似の後位のフィルタ段の第2のシフトレジスタ
とに接続されている。マルチプレクサ531は、線53
3を介してのデコーダ447の制御を受けてバスD1ま
たはD2を解釈して、8ビット・バス535を介して対
数PLA合成器523に供給する。
【0081】こうして、加算器521と対数PLA合成
器523とはフィルタ・パラメータの各電気的表示を濾
波されるべき電気的信号Xに加算して、合成器523に
対するフィルタ和信号を生成するための電子的処理器と
して働く。合成器523は、このフィルタ和信号を、前
位のフィルタ段中の第1のシフトレジスタから、または
後位のフィルタ段中の第2のシフトレジスタからそれぞ
れ取出しマルチプレクサ531から得られた信号と非線
形合成することによって、第1または第2のシフトレジ
スタ(それぞれ511または513)に対する実質的に
対数形式のフィルタ信号を生成する。
【0082】シフトレジスタ511および513の各矩
形枠中に記入した、チャンネル名(A、B、C、D)を
付記した文字Pr(前置フィルタ)およびPo(後置フ
ィルタ)と係数を表す数字は、デコーダ447が8対1
マルチプレクサ503パラメータを呼出し、および図1
0の2対1マルチプレクサ431を作動させるためにセ
ットされる順序(Q出力から各セルを逆進して働く)を
特定している。前置フィルタ・モードでは、図10のマ
ルチプレクサ431は入力線435LOG SIGNA
Lを選択するようにされ、デコーダ447は所定のパラ
メータ数のため線505上で順序正しくチャンネルを選
択する。各チャンネル選択動作に関して、デコーダ44
7は線527を働かせて、マルチプレクサ531が入力
D1(タップi)上にある前のセルからの出力を選択し
次に入力D2(タップ31−i)上の次のセルからの出
力を選択するようにする。この同じチャンネル選択動作
で、同時にデコーダ447は線529を働かせて、タッ
プiを介してシフトレジスタ511をクロック制御し、
次いで線527を付活してタップ31−iを介してシフ
トレジスタ513をクロック制御する。
【0083】後置フィルタ・モードでは、図10のマル
チプレクサ431は入力線429H.L.OUTを選択
するようにされ、デコーダ447は与えられたパラメー
タ数のために線505上でチャンネルを順番に選択し、
マルチプレクサ531とシフトレジスタ511、513
は既述のように各チャンネル選択動作中動作している。
次にデコーダ447は第2の係数に進み、前置フィルタ
・チャンネル選択と続いて後置フィルタ・チャンネル選
択とを全て再び行う。これで、無限に繰返される1つの
完全サイクルが完結する。シフトレジスタ・セルに付け
た参照文字は前置フィルタ−チャンネル−A−係数2が
出力Q1に最も近いセル中にあるときの、データの順序
と位置とを示すものである。このサイクルの残部期間に
はデータが、周期的なバッファ記憶の形式でセル中を順
番にシフトされる。
【0084】図12は図10のハード・リミッタ417
のより詳細な構成を示している。ハード・リミッタ41
7は上記一連のフィルタ段中の1つのフィルタ段の出力
からの信号に応動する制限(リミティング)手段として
作用し、だいたい所定の電気的値の範囲に制限された濾
波済みの信号出力を生成する。マルチプレクサ431
は、図10の複数のフィルタ段のうち最初のものに接続
されていて、ハード・リミッタ417の濾波済み信号出
力を濾波されるべき電気的信号と多重化(マルチプレッ
クス)して、電気的信号が一連のフィルタ段を通してま
た再び逆行して前置濾波され、次いでハード・リミッタ
417で制限され、次に一連のフィルタ段を通ってさら
に逆行して後置濾波されるようにする。
【0085】図12のハード・リミッタ417は、各フ
ィルタ・チャンネルA、B、CおよびDに対するブース
ト値の電気的表示を保持するための4個の記憶レジスタ
551を持っている。適切なブースト値は4対1マルチ
プレクサ555によってレジスタ551から選択され
る。マルチプレクサ555は、線505のうちの2本の
チャンネル選択線に接続されていることを可とする2本
の選択線451を介してデコーダ447により制御され
ているものである。或いは他の適当なやり方で制御され
ても良い。マルチプレクサ555の出力にはデジタル加
算回路553が接続されていて、バス415の8ビット
・デジタル信号に選ばれたチャンネルのブースト値のデ
ジタル表示を電気的に加算する、即ち、それを増加させ
る。デジタル加算回路553は、ブースト値の大きさと
バス415上のデジタル信号の大きさとに依存する可変
レベルを持った第1出力信号を線557に生成する。加
算回路553は、それが可能な例えば11111111
というような最大値を有し、従って出力はこの最大出力
レベルを超えることはない。デジタル減算器559は、
マルチプレクサ555からの8ビット線に接続された減
算(−)入力と、加算回路553の出力に接続されたプ
ラス(+)入力とを持っている。減算器559は、加算
回路553からの第1出力信号からそのチャンネルのブ
ースト値のデジタル表示を差引いてリミッタ出力を生成
する。このリミッタ出力は、バス415上の電気的信号
がブースト値に逆比例する或る所定値を超えない限り、
この電気的信号と同じ大きさを呈する。具体的には、加
算回路553がとり得る最大レベルをMAXとすれば、
制限されるべき信号の大きさに与えられるハード・リミ
ット値HLはMAXからブースト値を差引いた値、即ち
HL=MAX−BOOSTとなる。信号の大きさがHL
を超えればリミッタ出力はHLとなる。信号の大きさが
HLを超えなければ、リミッタの出力は変化していない
信号の大きさと同じである。全体の動作において、図1
2と図10の回路は、個々のフィルタ段に対する複数の
フィルタ・パラメータの各々について濾波するためにお
よび同時に増大手段(例えば加算回路553)と上記減
少手段(例えば減算回路559)のために記憶手段から
のブースト値の電気的表示を多重化するために、個々の
各フィルタ段の動作を多重化して制限目的のブースト値
がそれぞれ特定のフィルタ・パラメータに対応するよう
に、することが適当である。
【0086】図13に戻って、電荷再配分技法をベース
とするADC−DAC対数変換回路は低電力用に最適の
ものと思われる。この回路は、複雑なものでなく、非常
に電力消費が少なくかつVLSI構造とすることができ
る。このADCとDACは対数の底d=0.941を持
つように作られている。これは、そのフィルタ係数に関
して3%の精度でダイナミック・レンジが67.1d
B、RMS信号対雑音比(SNR)が35.1dBであ
る形に対応している。ワード長8ビットで、また別の対
数の底d=0.908についても検討した。これは、そ
のフィルタ係数に関して、4.9%の精度でダイナミッ
ク・レンジが106dB、RMS信号対雑音比31.1
dBであることに対応する。これらの動作パラメータは
入力量子化のみに基づくもので信号処理による劣化は含
んでいない。上記の対数の底は、ダイナミック・レンジ
とSNRの間の妥協を念頭において当業者が選択するも
のである。ベース値d=0.941の実施形態が補聴器
用としては好ましく、またDSPとADC/DAC回路
の両者にもこれと同じ底dを使用すべきである。
【0087】対数的なD/A変換は、独特の重み付けを
した2個のキャパシタC1 とC2 (図13)を使用する
電荷配分技法をベースにしている。
【0088】D/Aサイクルの動作に先立って、スイッ
チS1を閉じることによりC1 は基準電圧(Vref )に
事前充電され、スイッチS2を閉じることによって完全
に放電する。入力クロックの位相1の期間中、スイッチ
S1とS2は開で、スイッチS3は閉じられキャパシタ
C1の電荷はキャパシタC2に再配分される。この再配
分動作の後、両キャパシタ上の電圧は次の通りになる。
【0089】
【数7】V1 =VREF ×C1 /(C1 +C2 ) d=C1 /(C1 +C2
【0090】クロックの位相2の期間中は、スイッチS
3は開かれ、スイッチS2が閉じられて、C2が完全に
放電する。そしてキャパシタC1上の残留電圧はV1
(上記)である。次の位相1で、スイッチS3は再び閉
じられて電荷を再配分する。その結果、両キャパシタの
両端間の電圧は次のようになる。
【0091】
【数8】
【0092】このプロセスは、上記の態様でnクロック
・サイクル期間継続し、その後キャパシタC1上の最終
電圧は次式の通りになる。
【0093】
【数9】
【0094】この比dはこのシステムの対数の底に相当
するものである。ベースd=0.941の場合、キャパ
シタ値はそれぞれC1=32pFとC2=2pFに選定
される。
【0095】使用するクロックのサイクル数は8ビット
のカウンタでモニタされる。変換されるべき7ビット・
デジタル・ワード(語)はそのカウンタの下位7ビット
と比較される。両者が等しくなったとき、両スイッチに
対するクロック制御は止められ、キャパシタC1上の残
留電圧は入力デジタル・ワード(語)のアナログ等価値
と一致する。
【0096】アナログ−デジタル変換を行うには、その
アナログ信号をサンプリングして、得られたサンプルを
DACのアナログ出力と比較する。それが等しければ、
D/A変換器中のスイッチに対するクロックの供給を止
めて、同時にカウンタのカウント値をラッチする。この
7ビット・ワード(語)は入力アナログ・サンプルの等
価デジタル値である。デジタル比較器が可動状態になる
(ファイア)と、または入力デジタル・ワード(語)が
零に等しければ、或いはアナログ比較器が可動状態にな
る(ファイア)と、上記スイッチに対するクロック制御
は止められる。
【0097】図1のこの基本的な対数変換器は、ちょ
うどキャパシタC1の放電用にC2が使用されるよう
に、別のキャパシタC3(2pF)を付加するとその動
作速度の面でより効率を良くすることができる。図14
を参照されたい。2個のキャパシタC2とC3はキャパ
シタC1を放電するために交互に使用される、即ち、キ
ャパシタC1の電荷をキャパシタC2が共有していると
きはキャパシタC3は放電され、またこれと逆の関係も
生ずる。これによって元の変換速度は2倍になる。
【0098】図14には、対数ADC−DAC601の
好ましい形がブロック形式で示されている。この構成
で、所要の制御およびタイミング信号を発生するために
8ビット・カウンタ611がデコーダ613と共に使用
されている。カウンタ611は非同期性のもので、発振
器615から供給される4MHzのクロック周波数で動
作する。カウンタ611の最下位ビット(Q0 )は2相
クロック発生器に対して2MHzの入力を供給する。そ
してこの2相はこの対数信号変換回路601の多数のス
イッチを制御するために使用する。カウンタ611の8
個のビット全部(Q0 〜Q7 )はデジタル比較器621
と出力ラッチ623とに結合される。
【0099】各変換サイクルには、例えば4MHzのタ
イムベースで40マイクロ秒を必要とする。この回路に
給電すると、カウンタ611はリセットされ、キャパシ
タC1は充電され、D/Aサイクルが始まる。アナログ
−デジタル変換の場合には、「サンプルH」の高信号が
発生して、マイクロホン13からの対エイリアス保護さ
れたアナログ入力信号をサンプリングするために使用さ
れる。アナログ比較器651は、キャパシタC1の電圧
を、演算増幅器およびスイッチング回路653を介して
アナログ入力電圧と比較する。アナログ比較器651が
可動状態になると、その時点におけるカウンタ611の
カウント値がラッチ623中にラッチされる。このアナ
ログ比較器の出力は非同期的なものであるから、ラッチ
・ブロック623中のDフリップフロップによってラッ
チされる。このDフリップ・フロップの出力はラッチ6
23を可動化または非可動化する。
【0100】D/Aサイクル期間中は、アナログ形式に
変換するためにDSPチップから得られるデジタル・ワ
ード(語)を入力ラッチ631が保持する。カウンタ6
11とラッチ631の両出力はデジタル比較器621中
で比較され、その出力は、カウント値が入力ワード
(語)と同一のとき高になる。比較器のこの出力信号で
スイッチに対するクロック制御は止まり、キャパシタC
1はアナログ電圧を保持する。このアナログ電圧はラッ
チ631中のデジタル値が変換されるべき電圧である。
そして、サンプル・ホールド(S/H)回路641が可
動化されてキャパシタC1のアナログ電圧のサンプリン
グを行い、それを対数DACのアナログ出力として保持
する。
【0101】次に、幾つかの設計とレイアウトに関する
考慮を説明する。MOS技法では正確なキャパシタ比を
作ることが可能である。MOSキャパシタの電極は次の
ようにして形成できる。
【0102】(1)拡散部上に金属または多結晶シリコ
ンを有する構造
【0103】この構造では、基板中の高濃度にドープさ
れた領域の上にSiO2 の薄膜を成長させる。このドー
プされた領域はキャパシタの下側極板を形成しており、
一方上側の極板は上記SiO2 を金属または多結晶シリ
コンで被覆することによって形成される。この酸化物
(SiO2 )の厚さのばらつきは通常±15%以内で、
それによるキャパシタンス(容量)値の誤差は0.1%
である。
【0104】(2)多結晶シリコン上に多結晶シリコン
を重ねた構造
【0105】シリコン−ゲート2重多結晶シリコン法で
は、低抵抗の多結晶シリコンよりなる第2層を、相互接
続体として、或いはメモリ用の浮動ゲートを形成するた
めに使用する。これらの2重多結晶層はキャパシタの極
板として利用できる。この形式のキャパシタにおける主
な欠点は、多結晶シリコン表面の粒状度に起因する酸化
層厚さの不規則なばらつきであって、それによりキャパ
シタンス値に0.12%の誤差が生ずることである。こ
の形式の構造におけるキャパシタンス対面積の比は拡散
部上に金属または多結晶シリコンを有する構造の場合に
比べて小さい。
【0106】(3)多結晶シリコン上に金属を有する構
【0107】キャパシタの2個の極板は金属と多結晶シ
リコンである。この形式のキャパシタの特性は多結晶シ
リコンを重ねた構造のそれと同様である。
【0108】上述したどの構造のものにおいても、キャ
パシタの下側極板と基板に対する、従って基板バイアス
に対する大きな寄生キャパシタンスがある。拡散部の上
に金属または多結晶シリコンを有する構造の場合には、
下側極板が基板中に埋込まれており、酸化物の厚さと装
置の構造に依存するけれども、この浮遊キャパシタンス
は逆バイアスされたp−n接合のもので全キャパシタン
ス(C)の15〜30%になり得る。2重多結晶構造お
よび多結晶シリコン上に金属を有する構造では、その下
側極板に付帯する浮遊キャパシタンス値は通常全キャパ
シタンス(C)の5〜20%である。
【0109】対数D/A変換器の正確さは、比(C1/
(C1+C2))の正確さによって決まる。このキャパ
シタンス比はそれらキャパシタンス自体の不正確さに影
響される。この比の誤差は、面積(不規則な端縁の変
動)、キャパシタの酸化物の厚さおよび酸化物のアンダ
カットの変化によって生ずるものである。このアンダカ
ットは、製造過程におけるキャパシタ極板のその周辺に
沿うラテラル・エッチングによるものである。このアン
ダカットは、装置の周辺長に比例するキャパシタンスC
を減少させる。このアンダカットを排除する一般的な方
法は同一寸法に形成された複数個の小さなユニット・キ
ャパシタを並列に接続して大きなキャパシタを構成する
ことである。この技法を使えば面積/周辺長の比がどの
ような2個のキャパシタでもほぼ同一になる。しかし、
それらユニット・キャパシタは有用なスペースの僅か6
0%しか利用しないので、大きな面積を専有する。キャ
パシタの代表的なレイアウトは交差形である。キャパシ
タC1、C2およびC3は同様なレイアウトに作られ
る。
【0110】デジタル−アナログ変換については、アナ
ログ形式に変換されるべきデジタル値を一時的に保持す
る回路631を有する、電子的信号換装置が図14に
示されている。第1と第2のキャパシタC1とC2が設
けられている。第1と第2のキャパシタの少なくとも一
方の選択的な充電、第1と第2のキャパシタの少なくと
も一方の選択的な放電、および第1と第2のキャパシタ
間で電荷の再配分が行われるように両キャパシタを選択
的に接地することを含む選択的動作を行うように概して
動作するスイッチがある。図14において、POS S
GNとPREA2Dは、第1キャパシタC1を電圧源か
ら第1の電圧に充電するように概して動作する第1のス
イッチとして働く。スイッチPHS2は、第2のキャパ
シタC2を第1のキャパシタC1が充電されて生ずる電
圧とは異なる或る電圧レベルに放電させる。第3のスイ
ッチA2Dは、上記のように充電された第1のキャパシ
タC1を第2のキャパシタに接続して、電荷の再配分が
起こって第1キャパシタC1両端間の電圧が上記第1の
電圧の所定分数値(その割合)に低下するようにする。
【0111】デコーダ613は、カウンタ611に応動
して第2と第3のスイッチPHS2およびA2Dを交互
に反復動作させて、第1キャパシタC1の両端間の電圧
が所定の分数値(小さな値)ずつ(その割合で)何回か
にわたって繰返し低下させて(その回数はラッチ631
中に保持されているデジタル値によって表される)、上
記回数だけ低下させられた後のキャパシタC1の残留電
圧が、デジタル値を変換すべき大きさであるアナログ電
圧になるようにする。デジタル値がそれに変換されるべ
きアナログ電圧は、実質的にべき数Nに対する第1の定
数に比例する。ここで、Nは、第1と第2のキャパシタ
が接続される回数、またはその変換時にスイッチによっ
て行われる再配分動作の回数に、実質的に比例する数で
ある。この数Nは、アナログ形式に変換されるべきデジ
タル値の直接関数でありかつそれに比例するもので、そ
の結果、動作が行われた後のキャパシタC1とC2の少
なくとも一方の両端間の電圧はデジタル値が変換される
べきアナログ値になる。上記の値dは0.85と0.9
9の間の値に決めることが望ましい。たいていの場合、
キャパシタンスC1の値はキャパシタンスC2の値の少
なくとも10倍であることが好ましい。
【0112】アナログ−デジタル変換の場合には、デコ
ーダ613がスイッチを作動させてそれが選択的な動作
のシーケンスを行うように、この選択的な動作を通じ
て、アナログ信号のサンプルに関係する(に対応する、
を含む所定の電気的状態が生ずるまで電荷の再配分が
或る回数繰返される。回路は、この電荷の再配分の発生
回数の関数として或るデジタル値を発生し、それで上記
の動作が行われて生成されて生成されたこのデジタル値
は、アナログ信号のサンプルを変換すべきそのデジタル
値となる。例えば、カウンタ611は電荷の再配分の選
択動作が発生する回数に比例した数のカウントを連続的
に増分増加させる。電子的比較回路653と651は、
第1キャパシタC1の両端間電圧が或る特定レベルに到
達したことに応動して制御信号を線661からデータ・
ラッチ623に供給して、カウンタ611からのカウン
トがそのレベルに達したときそれをラッチする。
【0113】図15のプロセス図は対数A/D信号変換
の動作を例示するものである。動作は「スタート70
1」で開始してステップ703へ進みカウンタ値Nを零
にリセットする。ステップ705でアナログ信号がサン
プルされる。ステップ707ではC2をC1から切離し
て第2キャパシタC2を第1キャパシタC1が充電され
るべき電圧とは異なる或る電圧レベルに放電させる。次
のステップ709で第1キャパシタを電圧源から第1の
電圧まで充電する。
【0114】テスト・ステップ711では第1キャパシ
タC1の両端間電圧がステップ705でサンプリングし
た信号のレベルよりも小さいかどうかを判定する。小さ
くない場合には、ステップ713へ進み、充電されてい
る第1キャパシタを第2のキャパシタへ接続して、電荷
の再配分が起こってこの第1キャパシタの電圧が前の電
圧の所定分数値(その割合)に低下するようにする。次
にステップ715でカウンタ・インデックスNを増分増
加させる。ステップ717では、C2をC1から切離し
てこの第2キャパシタC2を第1キャパシタが充電され
るべき電圧とは異なる或る電圧レベルまで再放電させ
る。そして動作はテスト・ステップ711へ戻り、テス
ト結果が満足されるまで、この放電と接続のステップを
交互に(713−717)を繰返し行って、第1キャパ
シタの電圧を、デジタル値Nによって表される数と同じ
回数だけ所定の小さな値ずつ繰返し低下させる。テスト
・ステップ711が満足されると、上記回数にわたって
低減された後の第1キャパシタ両端間の残存電圧はデジ
タル値が対応すべきアナログ電圧になる。動作は、ステ
ップ711から719へ分岐してそこでインデックスN
を対数デジタル表示としてラッチすると共に出力として
供給する。D/A変換はこれと逆の動作になる。もしこ
のプロセスを継続すべきときは、動作はテスト・ステッ
プ721を介してステップ703にループ・バックす
る。また継続しない場合は動作はテスト・ステップ72
1から終了723へ分かれる。
【0115】この発明は、デジタルまたはアナログ技術
を使用しかつ用途に応じたソフトウェア・ハードウェア
またはファームウェアを組合わせた数多くの実施形態を
包含するものである。一般的に大気中で、水中で、宇宙
でまたはその他の環境で使用される、補聴器、拡声装置
その他の電子的システムを対象とした応用、組合わせお
よびプロセスもこの発明の範囲に含まれる。
【0116】上述したところにより、この発明の幾つか
の目的が達成されまた有利な結果が得られることは自明
であろう。
【0117】前述の幾つかの構造には、この発明の範囲
を逸脱せずに種々の変形を加えることができるから、こ
の明細書中の説明や添付図面に示された内容は単なる例
示であってこの発明を制限するものと解釈すべきではな
い。
【0118】なお、この発明は、在郷軍人局(V.A)
契約VAKV6749857号と連邦航空宇宙局(NA
SA)認可NAG10−0040による米国政府の支援
でなされたもので、米国政府はこの発明について或種の
権利を保有している。またこの明細書および図面の開示
事項に関する著作権は中央難聴者研究所が有するもので
ある。よって、この発明の特許出願および登録に関連す
る場合を除きその複製は著作権で保護されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施形態による電子的フィル
タを含む発明の補聴器を着けた使用者の、この補聴器を
一部断面で示した、簡略的見取図である。
【図2】図2は、図1に示した補聴器の側面見取図であ
る。
【図3】図3は、本発明の実施形態による2チップ式デ
ジタル補聴器の一部ブロックで示す簡略構成図である。
【図4】図4は、図3の補聴器用の本発明の実施形態に
よる回路を示す電気的ブロック図である。
【図5】図5は、普通のFIRフィルタ構造を示すブロ
ック図である。
【図6】図6は、図4の本発明の実施形態による適応型
フィルタを制御するための論理回路の一部ブロックで示
す簡略構成図である。
【図7】図7は、フィードバック経路をシミュレートす
る本発明の実施形態による適応型フィルタを制御するた
めのまた別の論理回路の一部ブロックで示す簡略構成図
である。
【図8】図8は、本発明の実施形態の回路における一定
パーセント・ユニット中の適応性を示す係数C値対係数
の関係を示す線図である。
【図9】図9は、線形適応法における一定増分の適応性
を示す係数C値対係数の関係を示す線図である。
【図10】図10は、本発明の実施形態の対数フィルタ
−リミッタ−フィルタの構成を示すブロック図である。
【図11】図11は、図10中の幾つかのブロックに使
用されている、多重化した対数乗算累加セル(MLMA
C)のブロック図である。
【図12】図12は、図10中に使用されている本発明
の実施形態のハード・リミッタ回路のブロック図であ
る。
【図13】図13は、本発明の方法で作動するスイッチ
式キャパシタ構成の簡略図である。
【図14】図14は、本発明による対数アナログ−デジ
タル、デジタル−アナログ信号変換装置の一部ブロック
で示す簡略構成図である。
【図15】図15は、本発明による数ADC/DAC
変換装置を作動させるための本発明の方法を例示するプ
ロセス流れ図である。
【符号の説明】
11 補聴器 13 マイクロホン 17 受話器すなわち変換器 C1 第1のキャパシタ C2 第2のキャパシタ S1、S2、S3 スイッチ手段 55 フィルタ
フロントページの続き (72)発明者 ジヨージ エル エンゲル アメリカ合衆国 ミズーリ州 63126 セント・ルイス ガーバー・ロード 9325 (72)発明者 トマス ジエイ サリバン アメリカ合衆国 ミズーリ州 63122 セント・ルイス エドリン・ドライブ 840 (56)参考文献 特開 昭52−106261(JP,A) 特開 昭54−144858(JP,A) 特開 昭55−99827(JP,A) 特開 昭55−143829(JP,A) 特開 昭57−193121(JP,A) 特開 昭58−157223(JP,A) 特開 昭59−135925(JP,A) 特開 昭60−146529(JP,A) 特開 昭63−1120(JP,A) 特開 昭57−135600(JP,A) 特開 昭61−21622(JP,A) 特開 昭57−62626(JP,A) 特開 昭54−130868(JP,A) 特開 昭54−99554(JP,A) 特開 昭54−93349(JP,A) 特表 昭62−500485(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04R 25/00 H03H 19/00 H03M 1/66

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 音声に対応するデジタル値をアナログ電
    圧に変換する電子的変換装置を含む補聴器であって、 上記電子的変換装置は対数領域で動作するフィルタ手段
    に結合され、 上記電子的変換装置は、 アナログ形式に変換されるべきデジタル値を一時的に保
    持する保持手段と、 第1および第2のキャパシタと、 上記第1および第2のキャパシタのうちの少くとも一方
    を選択的に充電する作用と、この第1および第2のキャ
    パシタのうちの少くとも一方を選択的に放電させる作用
    と、この第1と第2のキャパシタを選択的に接続してこ
    の両キャパシタ間で電荷の再配分が生じるようにする作
    用とを含む選択的動作を実行するように概して動作し得
    るスイッチ手段と、 上記保持手段に応動して、上記選択的動作のシーケンス
    を実行するよう上記スイッチ手段を動作させて、この動
    作の期間に、アナログ形式に変換されるべき上記デジタ
    ル値の対数法的関数である数の回数だけ上記電荷の再配
    分が繰返し生じ、それにより上記動作が実行された後の
    上記両キャパシタの少くとも一方の両端間の電圧がアナ
    ログ形式に変換されるべき上記デジタル値を表すアナロ
    グ電圧となるようにする手段と、を具えるものであり、 それによってデジタル形式からアナログ形式への電子的
    信号の変換が行なわれるものである、 補聴器
  2. 【請求項2】 音声に対応するアナログ信号をデジタル
    値に変換する電子的変換装置を含む補聴器であって、 上記電子的変換装置は対数領域で動作するフィルタ手段
    に結合され、 上記電子的変換装置は、 デジタル値に変換されるべきアナログ信号のサンプルを
    一時的に保持する手段と、 第1および第2のキャパシタと、 上記第1と第2のキャパシタのうちの少くとも一方を選
    択的に充電する作用と、この第1と第2のキャパシタの
    うちの少くとも一方を選択的に放電する作用と、この第
    1および第2のキャパシタを選択的に相互接続してこの
    両キャパシタ間で電荷の再配分が生じるようにする作用
    とを含む選択的動作を実行するように概して動作し得る
    スイッチ手段と、 上記選択的動作のシーケンスを実行するよう上記スイッ
    チ手段を動作させて、この動作の期間に、上記アナログ
    信号のサンプルに関係する所定の電気的状態が発生する
    まで何回も上記電荷の再配分動作が繰返し生じるように
    する手段と、 上記電荷の再配分が生じる回数の関数としてデジタル値
    を生成する対数法的手段と、を具えるものであり、 上記動作が実行されたときに生成される上記デジタル値
    は、上記アナログ信号のサンプルを変換して得られるデ
    ジタル値を表すように生成されるものである、補聴器
  3. 【請求項3】 音声に対応するデジタル値を供給する電
    源と共に使用されるデジタル−アナログ変換器を含む補
    聴器であって、 上記デジタル−アナログ変換器はデジタル値をアナログ
    電圧に変換し、 上記デジタル−アナログ変換器は対数領域で動作するフ
    ィルタ手段に結合され、 上記デジタル−アナログ変換器は、 アナログ形式に変換されるべきデジタル値を保持するカ
    ウンタ手段と、 第1および第2のキャパシタと、 上記第1のキャパシタを上記電源から第1の電圧に充電
    するように概して動作し得る第1のスイッチ手段と、 上記第2のキャパシタを、上記第1のキャパシタが充電
    される電圧とは異なる或る電圧レベルまで放電させるよ
    うに概して動作し得る第2のスイッチ手段と、 上記のように充電された上記第1のキャパシタを上記第
    2のキャパシタに接続して、電荷の再配分が生じて上記
    第1のキャパシタの両端間の電圧を上記第1の電圧の所
    定の分数の割合に低下させるように概して動作し得る第
    3のスイッチ手段と、 上記カウンタ手段に応動して、上記第2と第3のスイッ
    チ手段を交互に繰返し動作させて、上記第1のキャパシ
    タの両端間の電圧が上記所定の分数の割合ずつ上記カウ
    ンタ手段に保持された上記デジタル値で表される数の回
    数だけ繰返し低下するようにし、それにより上記回数低
    下した後の上記第1のキャパシタの両端間の残存電圧
    が、上記変換されるべきデジタル値の対数法的表現であ
    る或るアナログ電圧となるようにする手段と、 を具えるものである、 補聴器
  4. 【請求項4】 使用者の外部の音声から電気的出力を発
    生させるマイクロホン手段と、 上記使用者の耳孔内に音声を放射する電気駆動式の受話
    器手段と、 それぞれ電荷をもった複数のキャパシタと、音声に対応
    する値のデジタル−アナログ変換の関係を表す可変数の
    回数だけその電荷を繰返し再配分する手段とを含む対数
    法的アナログ−デジタルおよびデジタル−アナログ信号
    変換手段と、を具え、 上記信号変換手段は対数領域で動作するフィルタ手段に
    結合されるものである、 補聴器
  5. 【請求項5】 上記フィルタ手段は、一回につき実質的
    に一定パーセント量だけ変化するように制御される係数
    を有するものである、請求項1乃至4のいずれかに記載
    の補聴器。
  6. 【請求項6】 音声に対応するデジタル値をアナログ形
    式に変換するデジタル−アナログ変換器を含む補聴器の
    作動方法であって、 上記方法は第1と第2のキャパシタおよびスイッチを用
    い、 上記変換器は対数領域で動作するフィルタ手段に結合さ
    れるものであり、 上記 第1のキャパシタを電圧源から第1の電圧に充電す
    るステップと、上記 第2のキャパシタを、上記第1のキャパシタが充電
    される電圧とは異なる或る電圧レベルまで放電させる放
    電ステップと、 上記のように充電された上記第1のキャパシタを上記第
    2のキャパシタに接続して、電荷の再配分が生じて上記
    第1のキャパシタの両端間の電圧が前の電圧の所定の分
    数の割合に低下するようにする接続ステップと、 上記第1のキャパシタの両端間の電圧を、デジタル値で
    表される数の回数だけ上記所定の分数の割合ずつ繰返し
    低下させて、その回数だけ低下させられた後のこの第1
    キャパシタの両端間の残存電圧が、変換されるべき上記
    デジタル値の対数法的表現であるアナログ電圧となるよ
    うに、上記放電ステップと上記接続ステップを交互に繰
    返し実行するステップと、 を含む、補聴器の作動方法。
  7. 【請求項7】 音声に対応するアナログ信号をデジタル
    値に変換するアナログ−デジタル変換器を含む補聴器の
    作動方法であって、 上記方法は第1と第2のキャパシタを用い、 上記変換器は対数領域で動作するフィルタ手段に結合さ
    れ、 デジタル値に変換されるべきアナログ信号のサンプルを
    上記第1と第2のキャパシタに一時的に保持するステッ
    プと、 上記第1と第2のキャパシタのうちの少くとも一方を選
    択的に放電させ、さらに、この両キャパシタ間で電荷の
    再配分が生じるようにこの第1と第2のキャパシタを選
    択的に相互接続するステップと、 その選択的動作のシーケンスを、その動作の期間にアナ
    ログ信号のサンプルに関係する所定の電気的状態が発生
    するまで何回も上記電荷の再配分が繰返し生じるよう
    に、実行するステップと、 上記電荷の再配分が生じる回数の関数としてデジタル値
    を生成するステップと、 を含み、 上記デジタル値は、対数法的動作が実行されたときに、
    アナログ信号のサンプルを変換して得られるデジタル値
    を表すように生成されるものである、補聴器 の作動方法。
  8. 【請求項8】 上記フィルタ手段は、一回につき実質的
    に一定パーセント量だけ変化するように制御される係数
    を有するものである、請求項6または7に記 載の方法。
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