JP3307694B2 - エンドミル - Google Patents

エンドミル

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JP3307694B2
JP3307694B2 JP28797792A JP28797792A JP3307694B2 JP 3307694 B2 JP3307694 B2 JP 3307694B2 JP 28797792 A JP28797792 A JP 28797792A JP 28797792 A JP28797792 A JP 28797792A JP 3307694 B2 JP3307694 B2 JP 3307694B2
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茂 坂井
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23CMILLING
    • B23C5/00Milling-cutters
    • B23C5/02Milling-cutters characterised by the shape of the cutter
    • B23C5/10Shank-type cutters, i.e. with an integral shaft

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Milling Processes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特に深溝加工に用いて
最適なエンドミルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】機械加工における溝加工においては、専
らエンドミルが多用されている。このようなエンドミル
は通常、工具本体先端の切刃部の外周に、その先端から
基端側に向かって外周刃が形成されるとともに、この切
刃部の先端には上記外周刃の先端から内周側に向かって
底刃が形成され、さらにこの外周刃の工具回転方向前方
側に該外周刃に沿って切屑排出用の溝が形成された構成
となっている。そして、上記の底刃によって溝の底面を
加工したり、これに加えて上記外周刃によって溝の側壁
を加工したりするようになっている。
【0003】ここで、一般的に上記外周刃とこれに沿っ
て形成される切屑排出用の溝には、外周刃の被削材への
急激な喰い付きを抑えるために、工具本体の回転軸線に
対して捩れが与えられる。そして、この捩れの方向は上
記溝内を通る切屑の排出を考慮して、通常工具本体の先
端から基端側に向かうに従い工具回転方向後方側に向か
う捩れとされることが多く、また上記切刃部の先端から
基端に至る間に上記軸線回りに1周ないし数周周回する
ように捩られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
エンドミルによる溝加工において外周刃が被削材に喰い
付く際には、当該外周刃は工具回転方向の前方側に位置
する該外周刃の先端側、すなわち底刃に連なる部分側か
ら被削材に喰い付くこととなる。そして、その際、図5
に示すようにこの外周刃の先端部E1には、被削材Wへ
の喰い付きによって生じる切削負荷F1と、当該エンド
ミルの送りによって生じる送り分力F2との合力F3が作
用することとなり、この合力F3によって切刃部Cは、
合力F3の方向に垂直で当該エンドミルの回転軸線Oを
通る仮想直線Xに対し、該エンドミルの送り方向fの後
方側へと撓められてしまう。しかして、この撓みは特
に、切刃部Cの外径Dが2mm以下程度の小径のエンドミ
ルであったり、あるいは上記外周刃の切削に供される部
分の軸線方向の長さLと切刃部Cの外径Dとの比L/D
が5以上となる深溝加工であったりした場合には、より
顕著なものとなる。
【0005】ところが、当該エンドミルの底刃は上述の
ように外周刃の先端部E1に連なっているから、切刃部
Cにこのような撓みが生じた時点で底刃は上記仮想直線
Xよりも送り方向fの前方側に位置することとなり、こ
のためエンドミルの底刃は切刃部Cが撓んだ状態のまま
溝の底面に喰い付くことになって、これにより切刃部C
にビビリ振動が発生してしまうという問題があった。し
かしてこのようなビビリ振動は、外周刃や底刃の欠損や
切削抵抗の増大等の原因となることはもとより、特に上
述のように切刃部Cの外径Dが小さい小径のエンドミル
では、過大なビビリ振動によって切刃部Cが切損してし
まうおそれもある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような課
題を解決するためになされたもので、軸線回りに回転さ
れる工具本体の先端に切刃部が設けられ、この切刃部の
外周には当該切刃部の先端から基端側に向かう凹溝が形
成されるとともに、この凹溝の工具回転方向側を向く壁
面と該切刃部の外周面との交差稜線部には外周刃が形成
され、また該切刃部の先端には上記外周刃の先端から当
該切刃部の内周に向かう底刃が形成されて成るエンドミ
ルにおいて、上記外周刃に、上記切刃部の先端側から基
端側に向かうに従い上記工具回転方向側に向かうように
捩れを与えるとともに、この外周刃の上記軸線方向の長
さLと上記切刃部の外径Dとの比L/Dを、5以上に設
定し、かつこの切刃部の外径Dを2mm以下とし、さらに
この外周刃が上記切刃部の先端から基端に至る間に上記
軸線回りに捩れる角度θを、60°〜120°の範囲内
に設定したことを特徴とするものである。
【0007】
【作用】上記構成のエンドミルでは、切刃部の外周に形
成される外周刃が、該切刃部の先端側から基端側に向か
うに従い、工具回転方向の前方側に向かうように捩られ
ており、従って外周刃はその基端側の部分から被削材に
喰い付くこととなる。ここで、この外周刃が切刃部の先
端から基端に至る間に捩れる角度θは、工具本体の回転
軸線に対して60°〜120°の範囲に設定されている
ので、外周刃の基端部が被削材に喰い付いた時点で底刃
は、この外周刃の基端部に作用する上記切削負荷と送り
分力との合力の方向に垂直で工具回転軸線を通る仮想直
線よりも、工具本体の送り方向の後方側に位置すること
となる。従って、外周刃が被削材に喰い付いた際に上記
合力により切刃部に撓みが生じても、この時点では底刃
は溝の底面には喰い付くことはなく、これによって切刃
部が撓んだ状態のまま底刃が溝底面に喰い付くのを防ぐ
ことができるので、上記構成のエンドミルによれば、切
刃部にビビリ振動が発生するのを抑えることが可能とな
る。
【0008】
【実施例】図1および図2は、本発明の一実施例を示す
ものである。本実施例において工具本体1は、超硬合金
等の硬質材料から形成されて先端側(図1において右
側)に向かうに従い縮径する多段円柱状をなし、その先
端部が切刃部2とされている。この切刃部2の外周には
図2に示すように、工具本体1の回転軸線Oに向かって
内周側に円弧状に凹む1条の凹溝3が、該切刃部2の先
端から基端に向かって延びるように形成されている。
【0009】さらに、工具本体1の回転方向tの前方側
を向くこの凹溝3の壁面3aと、切刃部2の外周面2a
との交差稜線部には、該凹溝3に沿って切刃部2の先端
から基端に向かうように外周刃4が形成されている。こ
こで、この外周刃4の上記回転軸線O方向の長さLは、
切刃部2の外径Dに対し、その比L/Dが5以上となる
ように設定されている。また、切刃部2の先端には、こ
の外周刃4の先端側の端部に連なり、工具本体1の回転
軸線O側に向かう底刃5が形成されている。なお、上記
凹溝3の先端部には、この凹溝3の底面から隆起する凸
部3bが形成されており、上記底刃5はこの凸部3bの
辺稜部に形成されている。
【0010】ここで上記凹溝3には、切刃部2の先端か
ら基端に向かうに従い工具回転方向tの前方側に向かう
ように、軸線O回りに捩れが与えられている。従って、
上記外周刃4にも、同じように切刃部2の先端から基端
に向かうに従い工具回転方向tの前方側に向かう捩れが
与えられることとなる。そして、本実施例ではこの外周
刃4の捩れは、該外周刃4が切刃部2の先端から基端に
至る間に、上記回転軸線Oを中心として該軸線O回りに
工具回転方向tの前方側に90°捩れるように形成され
ている。従って凹溝3も、同じく切刃部2の先端から基
端に至る間に回転軸線Oを中心に工具回転方向tの前方
側に90°捩れるように形成されることとなる。
【0011】このような構成のエンドミルは、工具本体
1の基端部を工作機械の主軸端に咬止されて固定された
上で、図3に示すように被削材Wの加工を施すべき溝G
内に切刃部2が挿入され、工具本体1が回転軸線O回り
に工具回転方向tに回転させられるとともに矢線f方向
に送られて、上記底刃5によって溝Gの底面Gbを加工
したり、これに加えて上記外周刃4によって溝Gの壁面
Gaを加工したりしてゆく。そして、このような加工を
繰り返しながら、順次溝の深さ方向に切込みを与えてゆ
くことにより、所定の深さの溝を形成してゆく。しかし
て上記構成のエンドミルでは、外周刃4が切刃部2の先
端から基端に向かうに従い工具回転方向tの前方側に向
かうように形成されているので、図3に示されるように
該外周刃4はその基端側の部分から被削材Wに喰い付い
てゆくこととなる。
【0012】ここで、外周刃4の基端側の部分が被削材
Wに喰い付く際、図4に示すようにこの外周刃4の基端
部E2には図5に示した従来のエンドミルと同様に、喰
い付きにより生じる切削負荷F1と工具本体1の送りに
より生じる送り分力F2との合力F3が作用し、この合力
3によって切刃部2に送り方向fの後方側に向けて撓
みが発生する。ところが上記構成のエンドミルでは、上
述のように外周刃4が切刃部2の先端側から基端側に向
かうに従い工具回転方向tの前方側に向かって、回転軸
線O回りに90°の角度θで捩れるように形成されてい
るので、底刃5の外周端E3の位置は、図4に示すよう
に軸線O回り方向に外周刃4の基端部E2よりも工具回
転方向tの後方側に位置することとなる。そしてこれに
より、外周刃4の上記基端部E2が被削材Wに喰い付い
た際に、底刃5は上記合力F3の方向に垂直で回転軸線
Oを通る仮想直線Xに対し、その工具送り方向fの後方
側に位置することとなる。
【0013】従って上記構成のエンドミルによれば、外
周刃4の基端部E2の被削材Wへの喰い付きによって切
刃部2に撓みが生じた時点で、底刃5は被削材Wに喰い
付くことはなく、このため従来のように切刃部2が撓ん
だ状態のまま底刃5が喰い付いて切刃部2にビビリ振動
が発生するのを防ぐことができる。そしてこれにより、
上記ビビリ振動によって外周刃4や底刃5に欠損が生じ
たり、切削抵抗が増大したり、あるいは特に当該エンド
ミルの切刃部2が小径であるような場合に該切刃部2が
切損したりするような事態を未然に防止することが可能
となり、安定かつ円滑な溝加工を行うことができる。
【0014】また本実施例のエンドミルでは、上述のよ
うに外周刃4が切刃部2の基端側の部分から被削材Wに
喰い付いてゆくこととなるが、この切刃部2の基端側の
部分は先端側の部分よりも工作機械の主軸端に近いため
撓みに対する剛性が高く、このため外周刃4の喰い付き
によって生じる切削負荷F1および上記合力F3に対して
切刃部2を強固に支持することができる。従って上記構
成のエンドミルによれば、上記外周刃4の喰い付きによ
り切刃部2に生じる撓み自体が小さく抑制されることと
なり、これによって上記ビビリ振動の発生をより効果的
に防ぐことが可能となる。
【0015】さらに本実施例では、外周刃4の工具回転
方向tの前方側には該外周刃4に沿って凹溝3が、外周
刃4と同じく切刃部2の先端から基端に向かうに従い工
具回転方向tの前方側に向かって捩れるように形成され
ている。この凹溝3は、従来のエンドミルと同様に切削
によって生成される切屑の排出に用いられることはもち
ろんであるが、これに加えて本実施例ではこの凹溝3が
上述のように捩れて形成されることにより、底刃5が被
削材Wに喰い付く際の切刃部2の撓みをより一層小さく
抑えることが可能となる。
【0016】すなわち、円柱状の切刃部2にこのような
凹溝3を形成することにより、該切刃部2はその軸線O
に直交する断面において、凹溝3が形成されて凹んだ方
向に撓み易くなり、逆にこの凹んだ方向に垂直な方向に
は撓み難くなる。しかして上記構成のエンドミルにおい
ては、外周刃4の上記基端部E2が被削材Wに喰い付い
た時点では、この基端部E2近傍において凹溝3は該基
端部E2の工具回転方向t前方側、すなわち工具本体1
の送り方向fを前方側を向くように位置することとな
り、このため切刃部2が撓み易い方向と切刃部2を撓ま
せようとする上記合力F3の方向とが略一致して切刃部
2は撓み易くなるが、この時点から工具本体1の回転に
よって切刃部2が90°回転し、外周刃4の先端部、す
なわち底刃5の外周端E3が被削材Wに喰い付く際に
は、上記基端側の凹溝3は上記合力F3の方向に対して
側方を向くように位置し、該合力F3の方向と切刃部2
が撓み難い方向とが一致することとなる。
【0017】このため本実施例のエンドミルにおいて
は、ちょうど底刃5が被削材Wに喰い付く時点で切刃部
2の撓みが小さく抑えられることとなるので、上記の効
果と相俟って切刃部2に生じるビビリ振動を一層効果的
に抑制することが可能となり、これによって切刃の切損
や切削抵抗の増大、あるいは切刃部2の切損等をより確
実に防止することが可能となるのである。また、こうし
て底刃5が被削材Wに喰い付く際の撓みが小さく抑えら
れて切刃部2のビビリ振動が抑制されることにより、当
該エンドミルによる加工の精度の向上が図られるととも
に、工具本体1の回転を高回転とすることが可能となる
ので、特に上述した小径のエンドミルにおいても安定し
て所要の切削速度を得ることができ、これによって加工
効率の向上をなすことが可能となる。さらに、これに加
えて本実施例では、底刃5は上述のように凹溝3の先端
部に形成された凸部3bの辺稜部に形成されているの
で、底刃5の刃先強度を高めることができ、これによっ
ても切刃の欠損を防止することができるという利点も得
られる。
【0018】なお本実施例では、上記外周刃4が切刃部
2の先端から基端に至る間に軸線Oを中心に該軸線O回
りに捩れる角度θを90°に設定したが、この角度θが
大き過ぎたり、小さ過ぎたりすると、外周刃4と底刃5
との被削材Wへの喰い付きのタイミングがずれたり、底
刃5が被削材Wに喰い付く際の凹溝3の位置が上記合力
3の方向に対して撓みを抑えるように位置しなくなっ
たりして、上述した底刃5が喰い付く際の切刃部2の撓
みの防止効果が奏功され難くなってしまうおそれがあ
る。このため、外周刃4が切刃部2の先端から基端に至
る間に軸線Oを中心に該軸線O回りに捩れる角度θは、
少なくとも90°±30°の範囲内、すなわち60°か
ら120°の範囲に設定されるべきである。
【0019】また、本実施例では外周刃4の軸線O方向
の長さLの切刃部2外径Dに対する比L/Dを5以上と
したが、これは、この比L/Dが5を下回るような、元
々切刃部の剛性の比較的高いエンドミルにおいて本発明
を実施しても、撓みの防止効果について格段の向上が認
められず、却って切屑の排出性などの点で問題が生じる
おそれがあるからである。なお、同じ理由から本発明は
切刃部の剛性が確保し難い小径のエンドミルにおいて効
果的であり、特に切刃部の外径が2mm以下のエンドミル
に用いて最適である。さらに、本実施例では切刃部2に
1条の外周刃4のみを形成したが、2以上の複数条の外
周刃を形成したような構成としてもよい。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、底
刃が被削材に喰い付く際の切刃部の撓みを抑えて切刃部
にビビリ振動が生じるのを防ぐことができ、このような
ビビリ振動によって切刃に欠損が生じたり、切削抵抗が
増大したり、あるいは切刃部が切損したりするような事
態を未然に防いで、安定した円滑な溝加工を行うことが
可能となる。また、切刃部のビビリ振動が防止されるこ
とにより、加工精度の向上が図られるとともに、高回転
切削が可能となって、特に小径のエンドミルの場合であ
っても切削速度を確保し得て加工効率の向上をなすこと
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す側面図である。
【図2】図1に示す実施例のZZ断面図である。
【図3】図1に示す実施例を用いた溝加工を表わす図で
ある。
【図4】図1に示す実施例により溝加工を行う際の、外
周刃4の基端部E2が被削材Wに喰い付いた状態を表わ
す図である。
【図5】従来のエンドミルにより溝加工を行う際の、外
周刃の基端部E1が被削材Wに喰い付いた状態を表わす
図である。
【符号の説明】
1 工具本体 2 切刃部 3 凹溝 4 外周刃 5 底刃 O 工具回転軸線 θ 外周刃4が切刃部2の先端から基端に至る間に軸線
O回りに捩れる角度 W 被削材 G 溝 t 工具回転方向 f 工具送り方向 E2 外周刃4の基端部の位置 E3 底刃5の外周端の位置(外周刃4の先端部の位
置) F1 外周刃4の被削材Wへの喰い付きにより生じる切
削負荷 F2 外周刃4に作用する送り分力 F3 切削負荷F1と送り分力F2との合力

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸線回りに回転される工具本体の先端に
    切刃部が設けられ、この切刃部の外周には当該切刃部の
    先端から基端側に向かう凹溝が形成されるとともに、こ
    の凹溝の工具回転方向側を向く壁面と該切刃部の外周面
    との交差稜線部には外周刃が形成され、また該切刃部の
    先端には上記外周刃の先端から当該切刃部の内周に向か
    う底刃が形成されて成るエンドミルにおいて、 上記外周刃には、上記切刃部の先端側から基端側に向か
    うに従い上記工具回転方向側に向かうように捩れが与え
    られるとともに、この外周刃の上記軸線方向の長さLと
    上記切刃部の外径Dとの比L/Dは、5以上に設定さ
    れ、かつこの切刃部の外径Dが2mm以下とされ、さら
    に、この外周刃が上記切刃部の先端から基端に至る間に
    上記軸線回りに捩れる角度θが、60°〜120°の範
    囲内に設定されていることを特徴とするエンドミル。
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