JP3307327B2 - プリフォーム加熱装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、各種飲料、あるいは液
体洗剤等に用いられる二軸延伸ブロー成形容器を得る際
に、二軸延伸ブロー成形に先立って射出成形で得られた
プリフォームを加熱するプリフォーム加熱装置に関する
ものであり、より詳しくは、加熱時に、上記プリフォー
ムがプリフォーム保持用スピンドルに供給されない時
に、上記スピンドルを上昇させないプリフォーム加熱装
置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、ポリエチレンテレフタレート等の
ポリエステル樹脂、あるいはポリプロピレン樹脂を用い
て射出成形し、得られた有底のプリフォームを、加熱炉
内を循環するスピンドルで保持して、内部、外部、ある
いは内外部から加熱する方法が知られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、プリフ
ォームの加熱前の工程、例えば、プリフォームの射出成
形不良、プリフォームの搬送トラブル、プリフォームの
加熱前のスピンドルへの受け渡しトラブル等の原因で、
プリフォームが上記スピンドルに供給されず、上記スピ
ンドルのみが加熱炉によって加熱される場合がある。

【０００４】スピンドルのみが加熱された後に、プリフ
ォームが上記スピンドルへ供給されると、上記スピンド
ルに支持されるプリフォームの口部の内面が必要以上に
高温となって、上記口部の膨張を生じ、密封不良の原因
となるといった問題がある。

【０００５】また、プリフォームが供給されない場合、
上記スピンドルとプリフォームを受け渡しする搬送装置
との接触による損傷を生じるといった問題がある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】そこで本発明は、プリフ
ォームがスピンドルに供給されない時に、上記スピンド
ルの上昇を阻止するため、上下動するスピンドル、上記
スピンドルと共に上下動するスピンドルストッパー、上
記スピンドルストッパーが挿入する孔を設けたストッパ
ーガイド、上記ストッパーガイドに、上記スピンドルス
トッパーが係合するストッパーを移動可能に取り付けた
プリフォーム加熱装置とした。

【０００７】

【発明の実施の形態】本発明では、プリフォームがスピ
ンドルに供給される時は、上記スピンドルと共に上下動
するスピンドルストッパーが支持アームの孔に挿入さ
れ、上記スピンドルが上昇してプリフォームを支持す
る。

【０００８】また、プリフォームがスピンドルに供給さ
れない時は、ストッパーが前進してストッパーガイドの
孔を塞ぎ、スピンドルストッパーが上記ストッパーに係
合して、ストッパーガイドに設けた孔への挿入が阻止さ
れ、上記スピンドルは上昇しない。

【０００９】

【実施例】図１は本発明の装置を示す図で、１はプリフ
ォーム加熱装置、２はベースブロック、３はガイド、４
は保持部材、５はガイドブロック、６はスピンドル、７
はスピンドルストッパー、８はカムロール、９は歯車、
１０はカム、１１は引っ張りバネ、１２はストッパーガ
イド、１３は孔、１４はストッパー、１５は圧縮バネ、
１６は係合溝、１７はカムロール、１８はスピンドル規
制カム、１９はブラケット、２０はピストンロッドであ
る。

【００１０】ベースブロック２は、その側方の一端にガ
イド３を有し、上記ガイド３に保持部材４のガイドブロ
ック５が取り付けられ、上記保持部材４上にはスピンド
ル６及びスピンドルストッパー７が取り付けられてい
る。

【００１１】保持部材４にはカム１０によって規制され
るカムロール８が取り付けられ、上記保持部材４と後述
するストッパーガイド１２に亘って装着された引っ張り
バネ１１によって上記カムロール８がカム１０に当接さ
れ、上記保持部材４、即ち、スピンドル６及びスピンド
ルストッパー７の上昇の規制が行われる。

【００１２】また、保持部材４の下方には、スピンドル
７に保持されたプリフォームＰを加熱する際に、上記ス
ピンドル７及びプリフォームＰを回転させるための歯車
９が取り付けられている。

【００１３】さらに、上記ベースブロック２の上方には
ストッパーガイド１２が取り付けられており、上記スト
ッパーガイド１２の一端には、スピンドルストッパー７
の上端部が挿入する孔１３が設けられている。

【００１４】そして、ストッパー１４は、ベースブロッ
ク２とストッパーガイド１２の間に取り付けられてお
り、圧縮バネ１５によって上記ストッパーガイド１２に
対して水平方向に移動可能で、一端に上記スピンドルス
トッパー７の上端部が係合する係合溝１６が設けられ、
他端にカムロール１７が取り付けられている。

【００１５】スピンドル規制カム１８は適宜ブラケット
１９に取り付けられ、図示しないがスピンドル６に対す
るプリフォームＰの供給状態を光電管等のセンサーによ
って確認し、上記スピンドル６にプリフォームＰが供給
されない時に、エアーシリンダーに取り付けられたピス
トンロッド２０を作動して、上記スピンドル規制カム１
８をカムロール１７に接触させてストッパー１４を水平
方向に移動する。

【００１６】本発明の実施にあたっては、図１に示すよ
うに、スピンドル６上にプリフォームＰが位置すると、
引っ張りバネ１１に抗し、カム１０の軌跡に従って保持
部材４が上昇し、図２に示すように、上記スピンドル６
をプリフォームＰの口部に挿入すると共にスピンドルス
トッパー７も上昇する。

【００１７】スピンドル６がプリフォームＰの口部に挿
入されると、スピンドルストッパー７もストッパーガイ
ド１２の孔１３に挿入され、上記スピンドル６の上昇が
完了し、次いで、プリフォームＰの加熱が行われる。

【００１８】しかしながら、スピンドル６上にプリフォ
ームＰが供給されない時は、図３に示すように、先ず、
プリフォームＰが供給されない事を検知する光電管等の
信号によりエアーシリンダーのピストンロッド２０を前
方に作動させる。

【００１９】上記ピストンロッド２０により、スピンド
ル規制カム１８を実線から破線の状態に前方に作動し、
同様に、カムロール１７を実線から破線の状態に前方に
移動して、ストッパー１４を圧縮バネ１５に抗して前方
に移動する。

【００２０】この状態で、保持部材４上のスピンドル６
及びスピンドルストッパー７が上昇し始めるが、図４に
示すように、既に前方に移動したストッパー１４の係合
溝１６に上記スピンドルストッパー７が係合するため、
上記保持部材４、即ち、スピンドル６の上昇が阻止され
る。

【００２０】また、再び、スピンドル６上にプリフォー
ムＰの存在が光電管等により確認された時は、図３に示
すように、エアーシリンダーのピストンロッド２０を後
方に作動させてスピンドル規制カム１８を破線から実線
の状態とし、、圧縮バネ１５によってストッパー１４を
後方に移動する。

【００２１】そして、図２に示すように、ストッパー１
４を後方に移動した状態とし、スピンドルストッパー７
の先端部がストッパーガイド１２の孔１３に挿入され、
上記スピンドル６の上昇を可能としてプリフォームＰの
口部内に挿入される。

【００２２】

【発明の効果】本発明によれば、二軸延伸ブロー成形容
器を成形する際のプリフォームの加熱工程において、プ
リフォームがスピンドルに供給されない時に、上記スピ
ンドルの上昇を確実に阻止できるため、上記スピンドル
とプリフォームを受け取るためのグリッパーとの接触に
よる損傷が防止される。また、加熱炉によってスピンド
ルのみが加熱されることがないため、その後、プリフォ
ームが上記スピンドルへ供給された時に、上記スピンド
ルに支持されるプリフォームの口部の内面が必要以上に
高温とならないため、上記口部が膨張することがなく、
密封不良が防止される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のプリフォーム加熱装置を示す図

【図２】プリフォームが供給された時の本発明の装置を
示す図

【図３】本発明の作動状態を示す参考図

【図４】プリフォームが供給されない時の本発明の装置
を示す図

【符号の説明】

１ プリフォーム加熱装置 ２ ベースブロック ３ ガイド ４ 保持部材 ５ ガイドブロック ６ スピンドル ７ スピンドルストッパー ８ カムロール ９ 歯車 １０ カム １１ 引っ張りバネ １２ ストッパーガイド １３ 孔 １４ ストッパー １５ 圧縮バネ １６ 係合溝 １７ カムロール １８ スピンドル規制カム １９ ブラケット ２０ ピストンロッド

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】上下動するスピンドル、上記スピンドルと
   共に上下動するスピンドルストッパー、上記スピンドル
   ストッパーが挿入する孔を設けたストッパーガイド、上
   記ストッパーガイドに上記スピンドルストッパーが係合
   するストッパーを移動可能に取り付けたことを特徴とす
   るプリフォーム加熱装置。