JP3306448B2 - 高温加工用のハロゲン含有樹脂組成物 - Google Patents
高温加工用のハロゲン含有樹脂組成物Info
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Description
を改良した高温加工用のハロゲン含有樹脂組成物に関す
る。
安定性に欠けるので、加熱成形加工を行う際に、脱ハロ
ゲン化水素に起因した熱分解を生じ易い。このため、成
形加工品が着色したり、物理的性質が低下するなどの弊
害が生ずる。かかる熱及び光に不安定なハロゲン含有樹
脂の欠点を補う為に、金属石鹸、有機錫化合物、有機亜
リン酸エステル類、エポキシ化合物、抗酸化剤、紫外線
吸収剤等が安定剤として使用されてきた。特に有機錫化
合物なかんずく有機錫メルカプトカルボン酸エステル類
は、ハロゲン含有樹脂に対する優れた安定剤として知ら
れている。
剤も苛酷な加工条件(高温熱処理)下における樹脂の熱
劣化を防止するには不充分であり、樹脂の着色を防ぐこ
とができない。例えば、ジアルキル錫メルカプトカルボ
ン酸エステルとモノアルキル錫メルカプトカルボン酸エ
ステルの併用が提案されている(特公昭51−3125
8号)が、初期着色において不充分であり、また、モノ
アルキル錫(2−メルカプトエチル脂肪酸)とジアルキ
ル錫(2−メルカプトエチル脂肪酸)の併用(特公昭5
8−45461号)では、熱安定性において不充分であ
る。他方、モノアルキル錫(2−メルカプトエチル脂肪
酸)、ジアルキル錫(2−メルカプトエチル脂肪酸)及
びアルキル錫サルファイドの併用(特公昭58−565
39号)も提案されているが、熱安定化効果が未だ不充
分であり、高温加工に供しえない。また、有機錫硫黄化
合物とA型ゼオライト類を併用する特許出願として、特
公昭58−18939号、特公昭60−45660号
が、有機錫硫黄化合物とハイドロタルサイト類を併用す
るものとして特開昭57−209943号、特公平3−
37579号が、さらに有機錫硫黄化合物と水酸化マグ
ネシウムを併用するものとして特開昭50−13439
号、特開昭50−38744号、特開昭50−5216
0号、特開昭50−88154号、特開昭56−843
号、特開平3−137148号等があるも、いずれも満
足な熱安定化効果が得られない。当樹脂業界では、特に
ハロゲン含有樹脂に有機錫硫黄化合物を配合した場合の
初期着色性および熱安定性の改良が望まれている。
結果、ハロゲン含有樹脂に以下に示す(a)〜(e)の
化合物を併用して添加すれば、殊に初期着色性が高度に
改善され、高温加工に適したハロゲン含有樹脂組成物が
得られることを見出し、本発明に至った。
に対して、(a)ステアリン酸カルシウム0.1〜3重
量部、(b)A型ゼオライト類、ハイドロタルサイト類
及び水酸化マグネシウム(若しくは表面処理をした水酸
化マグネシウム)の少なくとも一種0.01〜2重量
部、(c)一般式(1)
るアルキル基又は炭素数1〜20のアルコキシカルボニ
ルエチル基を、R1 は炭素数1〜36の直鎖若しくは分
枝を有するアルキル基、アルケニル基又はアラルキル基
をそれぞれ示す)で表される有機錫硫黄化合物0.1〜
3重量部、(d)一般式(2)
るアルキル基又は炭素数1〜20のアルコキシカルボニ
ルエチル基を、R2 は炭素数1〜22の脂肪酸の残基又
は芳香族酸の残基をそれぞれ示す)で表される有機錫硫
黄化合物0.1〜3重量部及び(e)一般式(3)
るアルキル基又は炭素数1〜20のアルコキシカルボニ
ルエチル基を示す)で表される有機錫硫黄化合物0.0
1〜3重量部を含有する高温加工用のハロゲン含有樹脂
組成物である。
としては、例えば、塩化ビニル樹脂や塩化ビニリデン樹
脂の如きハロゲン化ビニル単独重合体、ハロゲン化ビニ
ルを酢酸ビニル、エチレン、プロピレン、スチレン、イ
ソブチレン、塩化ビニリデン、無水マレイン酸、ブタジ
エン、イソプレン、メチルメタクリレ−ト、アクリロニ
トリル、ジアルキルマレ−トの如きコモノマ−の一種又
は二種以上と共重合させることによって形成されるよう
な共重合体、後塩素化塩化ビニル樹脂などが挙げられ
る。また、ハロゲン含有樹脂とアクリロニトリル・ブタ
ジエン・スチレン樹脂、メチルメタクリレ−ト・ブタジ
エン・スチレン樹脂、アクリロニトリル・塩素化ポリエ
チレン・スチレン共重合体樹脂、アクリルゴム・アクリ
ロニトリル・スチレン共重合体、アクリルゴム・メチル
メタクリレ−ト・アクリロニトリル共重合体樹脂、酢酸
ビニル・エチレン共重合樹脂、塩素化ポリエチレン、塩
化ゴムなどの耐衝撃改良樹脂とのポリマーブレンド樹脂
などを挙げることができる。
一般式(4)
オンであり、Na、K、NH4 、Ca、Mg、Sr、Z
nを示す)で表され、例えばMが1価のカチオンである
場合には、M2 OはNa2 O、K2 O、(NH4 )2 O
を表し、Mがそれと等量の多価カチオンである場合に
は、M2 OはCaO、MgO、SrO、ZnOを表す。
はClO4 - 、CO3 2-、SO4 2-などのn価のアニオ
ンを、x及びmは0<x<0.5、0≦m<1を満足す
る正の数をそれぞれ示す)で表されるマグネシウムとア
ルミニウムとからなる含水複塩化合物であり、天然物で
も合成品でもよく、これらは市販されている。
酸化マグネシウム自体よりも分散性に優れ、表面処理剤
で処理することによって得られる。表面処理剤として
は、例えば高級脂肪酸類、アニオン系界面活性剤類、シ
ラン系カップリング剤類、チタネ−ト系カップリング剤
類、脂肪酸のグリセリンエステル類等を挙げることがで
き、具体例としてステアリン酸、オレイン酸、ラウリン
酸、12−ヒドロキシステアリン酸等の高級脂肪酸類、
ステアリン酸ソ−ダ、オレイン酸ソ−ダ、ラウリルベン
ゼンスルホン酸ソ−ダ等のアニオン系界面活性剤類、ビ
ニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピル
トリエトキシシラン、イソプロピルトリイソステアロイ
ルチタネ−ト、イソプロピルトリデシルベンゼンスルホ
ニルチタネ−ト等のシラン系又はチタネ−ト系カップリ
ング剤類、グリセリンモノステアレ−ト、グリセリンモ
ノオレ−ト等の脂肪酸のグリセリンエステル類がある。
る有機錫硫黄化合物としては、例えばジメチルスズビス
(イソオクチルメルカプトアセテート)、ジブチルスズ
ビス(2−エチルヘキシルメルカプトアセテート)、ジ
ブチルスズビス(イソオクチルメルカプトアセテー
ト)、ジオクチルスズビス(2−エチルヘキシルメルカ
プトアセテート)、ジオクチルスズビス(イソオクチル
メルカプトアセテート)、ジオクチルスズビス(イソノ
ニルメルカプトアセテート)、ジオクチルスズビス(デ
シルメルカプトアセテート)、ジオクチルスズビス(ド
デシルメルカプトアセテート)、ジオクチルスズビス
(テトラデシルメルカプトアセテート)、ジオクチルス
ズビス(ヘキサデシルメルカプトアセテート)、ジオク
チルスズビス(オクタデシルメルカプトアセテート)、
ジオクチルスズビス(C10〜18混合アルコールのメルカ
プトアセテート)、ジラウリルスズビス(2−エチルヘ
キシルメルカプトアセテート)、ジラウリルスズビス
(イソオクチルメルカプトアセテート)、ビス(ブトオ
キシカルボニルエチル)スズビス(イソオクチルメルカ
プトアセテート)などが挙げられる。
化合物としては、例えばモノメチルスズトリス(2−メ
ルカプトエチルオレイン酸)、モノブチルスズトリス
(2−メルカプトエチルカプリン酸)、モノオクチルス
ズトリス(2−メルカプトエチルトール油酸)、モノラ
ウリルスズトリス(2−メルカプトエチルステアリン
酸)、ブトオキシカルボニルエチルスズトリス(2−メ
ルカプトエチルオクチル酸)などが挙げられる。
としては、例えばモノメチルスズサルファイド、モノブ
チルスズサルファイド、モノオクチルスズサルファイ
ド、モノラウリルスズサルファイド、ブトオキシカルボ
ニルエチルスズサルファイドなどが挙げられる。
に対して、必要により、酸化防止剤、エポキシ化合物、
有機亜リン酸エステル、紫外線吸収剤、ホウ酸、ホウ酸
エステル、ホウ酸塩、三酸化アンチモン、滑剤、顔料、
充填剤、帯電防止剤、難燃剤、加工助剤、可塑剤等を添
加することができる。
が、実施例中の部は重量部を示すものとする。
製)100重量部、ステアリン酸カルシウム1.0重量
部、A型ゼオライト(ミズカライザ−DS 水沢化学工
業社製)0.3重量部、ジメチル錫ビス(イソオクチル
メルカプトアセテ−ト)0.5重量部、モノメチル錫ト
リス(2−メルカプトエチルオレイン酸)0.5重量
部、炭酸カルシウム3.0重量部、酸化チタン0.3重
量部及び一般式(3)で表される有機錫硫黄化合物0.
3重量部を添加し、190℃の混練ロールにて3分間混
練し、得られた厚さ0.5mmのシ−トの一部を200
℃のオーブンに入れて、熱安定性試験を行って、白色か
ら黒化するまでを10段階で評価した。また、シ−トの
残りの部分を、180℃で25分間プレスして初期着色
性試験を行った。初期着色性の評価は、東京電色カラ−
エ−スTC−PT3で測定した。これらの試験結果を第
1表に示す。
工業社製)100重量部、耐衝撃強化剤(カネエースB
−561 鐘淵化学工業社製)10重量部、ステアリン
酸カルシウム0.5重量部、ハイドロタルサイト(アル
カマイザ−2 協和化学工業社製)0.5重量部、モノ
オクチル錫トリス(2−メルカプトエチルオレイン酸)
0.3重量部、モノブチル錫サルファイド1.0重量
部、酸化チタン0.3重量部及び一般式(1)で表され
る有機錫硫黄化合物1.0重量部を添加し、実施例1〜
5の場合と同様の試験を行い評価した。これらの試験結
果を第2表に示す。
工業社製)100重量部、耐衝撃強化剤(ダイソラック
H−135 ダイソ−社製)8重量部、ステアリン酸カ
ルシウム0.3重量部、水酸化マグネシウム(キョ−ワ
スイマグF 協和化学工業社製)0.8重量部、ジオク
チル錫ビス(2−エチルヘキシルメルカプトアセテ−
ト)0.8重量部、モノメチル錫サルファイド0.5重
量部、酸化チタン0.3重量部及び一般式(2)で表さ
れる有機錫硫黄化合物1.0重量部を添加し、実施例1
〜5の場合と同様の試験を行い評価した。これらの試験
結果を第3表に示す。
よりも、モノ有機錫サルファイドを添加した場合の方
が、ハロゲン含有樹脂の熱安定性及び初期着色性が共に
良好となることが窺える。第2表から、モノ有機錫アル
キルメルカプトアセテ−トを添加するよりも、ジ有機錫
アルキルメルカプトアセテ−トを添加した場合の方が、
また、第3表から、ジ有機錫(2−メルカプトエチル脂
肪酸)を添加するよりも、モノ有機錫(2−メルカプト
エチル脂肪酸)を添加した場合の方が当該樹脂の熱安定
性及び初期着色性が共に良好となる。実施例1〜15の
熱安定性試験及び初期着色性試験の結果から明らかなよ
うに、ハロゲン含有樹脂に前記した(a)〜(e)の化
合物を併用して添加すれば、熱安定性が良好となり、と
りわけ初期着色性が高度に改善され、高温加工に適した
ハロゲン含有樹脂組成物が得られる。
Claims (1)
- 【請求項1】ハロゲン含有樹脂100重量部に対して、
(a)ステアリン酸カルシウム0.1〜3重量部、
(b)A型ゼオライト類、ハイドロタルサイト類及び水
酸化マグネシウム(若しくは表面処理をした水酸化マグ
ネシウム)の少なくとも一種0.01〜2重量部、
(c)一般式(1) 【化1】 (式中、Rは炭素数1〜18の直鎖若しくは分枝を有す
るアルキル基又は炭素数1〜20のアルコキシカルボニ
ルエチル基を、R1 は炭素数1〜36の直鎖若しくは分
枝を有するアルキル基、アルケニル基又はアラルキル基
をそれぞれ示す)で表される有機錫硫黄化合物0.1〜
3重量部、(d)一般式(2) 【化2】 (式中、Rは炭素数1〜18の直鎖若しくは分枝を有す
るアルキル基又は炭素数1〜20のアルコキシカルボニ
ルエチル基を、R2 は炭素数1〜22の脂肪酸の残基又
は芳香族酸の残基をそれぞれ示す)で表される有機錫硫
黄化合物0.1〜3重量部及び(e)一般式(3) 【化3】 (式中、Rは炭素数1〜18の直鎖若しくは分枝を有す
るアルキル基又は炭素数1〜20のアルコキシカルボニ
ルエチル基を示す)で表される有機錫硫黄化合物0.0
1〜3重量部を含有する高温加工用のハロゲン含有樹脂
組成物。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP13735995A JP3306448B2 (ja) | 1995-02-28 | 1995-05-10 | 高温加工用のハロゲン含有樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP6678995 | 1995-02-28 | ||
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Publication Number | Publication Date |
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JPH08295772A JPH08295772A (ja) | 1996-11-12 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP13735995A Expired - Fee Related JP3306448B2 (ja) | 1995-02-28 | 1995-05-10 | 高温加工用のハロゲン含有樹脂組成物 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3306448B2 (ja) |
-
1995
- 1995-05-10 JP JP13735995A patent/JP3306448B2/ja not_active Expired - Fee Related
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