JP3304145B2 - パルプ蒸解助剤組成物 - Google Patents

パルプ蒸解助剤組成物

Info

Publication number
JP3304145B2
JP3304145B2 JP34070492A JP34070492A JP3304145B2 JP 3304145 B2 JP3304145 B2 JP 3304145B2 JP 34070492 A JP34070492 A JP 34070492A JP 34070492 A JP34070492 A JP 34070492A JP 3304145 B2 JP3304145 B2 JP 3304145B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pulp
weight
aid composition
nonionic surfactant
anthraquinone
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP34070492A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0633386A (ja
Inventor
健二 熊谷
直次 倉田
清治 庄司
隆司 馬場
恵雄 杉田
Original Assignee
日本蒸溜工業株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 日本蒸溜工業株式会社 filed Critical 日本蒸溜工業株式会社
Priority to JP34070492A priority Critical patent/JP3304145B2/ja
Priority to CA 2111921 priority patent/CA2111921A1/en
Priority to FI935782A priority patent/FI935782A/fi
Priority to BR9305171A priority patent/BR9305171A/pt
Priority to AU52547/93A priority patent/AU666788B2/en
Publication of JPH0633386A publication Critical patent/JPH0633386A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3304145B2 publication Critical patent/JP3304145B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paper (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、粉末状パルプ蒸解助剤
組成物に関するものである。さらに詳しく述べると、本
発明は、アントラキノン粉体と2種類の特定非イオン界
面活性剤ならびに水および/または分子量200以下の
アルコール類からなる粉末状易分散性でしかも高性能な
蒸解力を発揮するパルプ蒸解助剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、アントラキノン類は、染料や顔料
用以外にパルプ蒸解助剤、すなわち酸化還元(レドック
ス)触媒として用いることにより、蒸解速度を大きく
し、蒸解温度の低下による蒸気の節約、使用薬剤の節
約、蒸解時間の短縮による操業度の向上、パルプ品質の
向上およびパルプ収率の向上等に大いに寄与することが
わかり、多量に用いられるようになってきている。
【0003】ところが、アントラキノンは非水溶性であ
り、そのため、例えば粉末状アントラキノンをそのまま
パルプ蒸解液に添加すると、粉末の大半は液上に浮上
し、液中に分散、溶解するのにかなりの時間を必要と
し、結果として、通常の蒸解時間内ではアントラキノン
のパルプ蒸解液中への分散、溶解は不十分なものとなる
ため、その触媒効果が十分には発揮されないなどの問題
を有している。
【0004】上記問題点を改善する方法として、たとえ
ば、還元型のテトラヒドロアントラキノンをアルカリ水
溶液中で希釈溶液として使用する方法がある。この方法
では、還元型テトラヒドロアントラキノンのパルプ蒸解
液中への分散、溶解が素早く行なえる点では優れている
けれども、アルカリ水溶液中の還元型テトラヒドロアン
トラキノンは空気と接触すると、酸化されてアントラキ
ノンの結晶が析出してしまうために、運搬時および使用
時共に窒素ガス等で該溶液全体を遮蔽しておかなければ
ならず、さらに希釈溶液なので運搬費等が高くなるなど
の弊害を持っている。
【0005】また他の方法としては、アントラキノンを
粉末状で使用する場合に、パルプ蒸解液への分散、溶解
を容易にするために、アントラキノン粉体に界面活性
剤、特に陰イオン界面活性剤を付着させて使用する方法
が開示されている(特開昭54−100,332号)。
しかしながら、こうした界面活性剤のうち陰イオン界面
活性剤を付着させる方法では、アントラキノン粉体をイ
オン性界面活性剤溶液でペースト状に混練した組成物で
あるため、輸送コストがかさむのみならず、イオン性界
面活性剤のアントラキノン粉体に対する使用量が多くな
るという弊害を持っている。また、当該方法の開示内容
として、界面活性剤のうち非イオン界面活性剤ではアン
トラキノン粉体の分散に適さないことが述べられてい
る。すなわち、非イオン界面活性剤を100%濃度のま
まアントラキノン粉体に均一に混合できたとしても、こ
れをパルプ蒸解液に加えると、非イオン界面活性剤の持
つ特有の性癖ともいうべき「ゲル化現象」を起こし、界
面活性剤の機能を果たすどころか、逆にアントラキノン
粉体の表面をゼリー状のもので覆うために、アントラキ
ノンのパルプ蒸解液への分散、溶解をさらに阻害して、
結果として蒸解に有効な効果を与えられなかったものと
考えられる。
【0006】さらに、特開昭55−6,585号にも同
様に界面活性剤を用いる方法が開示されている。該方法
の開示内容である陰イオン界面活性剤を使用する場合で
も、陰イオン界面活性剤の使用量が多いなどの問題を有
しているため、なお十分であるとは言えないものであっ
た。また該方法の場合にも、同様に実施例はすべて陰イ
オン界面活性剤の使用実例であり、何ら非イオン界面活
性剤については、その構造組成、使用実例等は述べられ
てはおらず、こうした界面活性剤の使用方法ならびに品
種選択では、なお多くの課題を有する非イオン界面活性
剤は、その研究の対象となり難く、有効な蒸解助剤とし
ての使用方法は見出せていないのが現状である。
【0007】従って、今日までに非イオン界面活性剤を
使用した実例はなく、非イオン界面活性剤がアントラキ
ノンのパルプ蒸解液中への分散、溶解に有効なることが
報告された例はなく、非イオン界面活性剤の有効性が今
だ見出せていない事を反映したものといえる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、アントラキノンを粉末状で使用する場合において、
アントラキノン粉体をパルプ蒸解液に容易に分散、溶解
ならしめ、かつ、アントラキノンのレドックス触媒とし
ての効果をあますことなく発揮せしめることと同時に、
アントラキノン粉体を取り扱う場合、一般に問題とされ
る該粉体の飛散等による環境衛生上の弊害を改善されて
なるパルプ蒸解助剤組成物を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するためにパルプ蒸解助剤組成物に関して鋭意検
討した結果、特定の2種類からなる非イオン界面活性剤
混合物に水および/または低分子量の水溶性アルコール
類を添加した状態で、アントラキノン粉体表面に担持さ
せることにより、上記課題を解決してなるパルプ蒸解助
剤組成物が得られることを見出し、この知見に基づき本
発明を完成させるに至った。
【0010】すなわち、本発明の目的は、(1)平均粒
径10μm以下、最大粒径30μm以下のアントラキノ
ン粉体に、炭素数10〜16の範囲の第2級アルコール
のエチレンオキサイドの付加モル数が7〜20のものを
有するアルキレンオキサイド付加物よりなるHLBが1
2〜16である第1の非イオン界面活性剤と炭素数6〜
12の範囲よりなるアルキルフェノールのエチレンオキ
サイドの付加モル数が8〜15のものを有するアルキレ
ンオキサイド付加物よりなるHLBが12〜16である
第2の非イオン界面活性剤との重量比が5:1〜1:5
であり、かつその合計用量が該アントラキノン粉体に対
して0.1〜2重量%である非イオン界面活性剤混合
物、およびパルプ蒸解助剤組成物100重量%に対する
含有率が5〜30重量%である水および/または分子量
200以下のアルコール類をそれぞれ混合してなること
を特徴とするパルプ蒸解助剤組成物により達成できるも
のである。
【0011】また本発明の他の目的は、(2)該第1お
よび第2の非イオン界面活性剤混合物の平均HLBが1
3〜15である上記(1)に記載のパルプ蒸解助剤組成
物により達成できるものである。
【0012】さらに本発明の他の目的は、(3)前記水
および/または分子量200以下のアルコール類のパル
プ蒸解助剤組成物100重量%に対する含有率が10〜
20重量%である上記(1)に記載のパルプ蒸解助剤組
成物によっても達成できるものである。
【0013】
【作用】以下、本発明を詳しく説明する。
【0014】本発明に用いられるアントラキノン粉体
は、平均粒径が10μm以下、好ましくは7μm以下で
あり、最大粒径が30μm以下、好ましくは20μm以
下のものである。該平均粒径が10μmを越える場合に
は、パルプ蒸解液中への分散、溶解速度が低下するため
に時間を要し、結果として、通常の蒸解時間内ではアン
トラキノンのパルプ蒸解液中への分散、溶解が不十分な
ものとなるため好ましくない。また最大粒径が30μm
を越える場合にも同様に、分散、溶解速度が低下するた
め好ましくない。
【0015】次に本発明に用いられる非イオン界面活性
剤混合物中の1種の第1の非イオン界面活性剤として
は、炭素数10〜16、好ましくは12〜14の範囲の
第2級アルコールのエチレンオキサイドの付加モル数が
7〜20、好ましくは9〜15の1〜2基を有するアル
キレンオキサイド付加物であり、そのHLB(親水性親
油性バランス)が12〜16、好ましくは13〜15の
範囲の非イオン界面活性剤であればよい。
【0016】他方の第2の非イオン界面活性剤として
は、炭素数6〜12、好ましくは8〜9の範囲よりなる
アルキルフェノールのエチレンオキサイドの付加モル数
が8〜15、好ましくは10〜14のものを有するアル
キレンオキサイド付加物であり、そのHLBが12〜1
6、好ましくは13〜15の範囲の非イオン界面活性剤
であればよい。
【0017】次に本発明に用いられる前記2種類の第1
および第2の非イオン界面活性剤の比率は、前記第2級
アルコールのアルキレンオキサイド付加物(第1の非イ
オン界面活性剤)と前記アルキルフェノールのアルキレ
ンオキサイド付加物(第2の非イオン界面活性剤)とが
5:1〜1:5、好ましくは3:1〜1:3(いずれも
重量比)である。これら第1および第2の非イオン界面
活性剤の比率が上記の範囲外の場合には、アントラキノ
ン粉体をパルプ蒸解液に分散、溶解を容易ならしめるこ
とが困難となる。この事は、例えば第2級アルコールの
アルキレンオキサイド付加物が一般に浸透力に優れた公
知の界面活性剤であり、特に疎水性繊維への浸透力は最
も優れた界面活性剤の1種であるにも拘らず該界面活性
剤を単独で用いるとアントラキノン粉体をパルプ蒸解液
に分散、溶解せしめるのに長時間を必要とすることから
わかる。すなわち、これら2種類の第1および第2の非
イオン界面活性剤を上記範囲内の比率において併用する
ことで初めてパルプ蒸解液への分散、溶解を容易ならし
めることができるものである。
【0018】また、該非イオン界面活性剤混合物の該ア
ントラキノン粉体に対する合計用量は、通常0.1〜2
重量%、好ましくは0.2〜1重量%の範囲で添加され
る。該アントラキノン粉体に対する合計用量が0.1重
量%未満の場合には、アントラキノン粉体の表面を非イ
オン界面活性剤混合物により完全に被覆することができ
ず、パルプ蒸解液に添加した際に一部の該粉体が液上に
浮遊するなど尚十分な分散、溶解が得られないものであ
った。
【0019】さらに、これらの2種類の非イオン界面活
性剤混合物の平均HLBは12〜16、好ましくは13
〜15の範囲である。該HLBについても上記非イオン
界面活性剤の比率と同様に前記の範囲内において初めて
優れた蒸解効果を奏するものである。
【0020】次に、本発明に用いられるアルコール類と
しては、通常分子量200以下、好ましくは分子量12
0以下の水溶性化合物であれば、特に限定されるもので
なく、例えば、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、イソプロパノール等の低級の1価アルコール、エチ
レングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレン
グリコール、テトラエチレングリコール、プロピレング
リコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレン
グリコール、ネオペンチルグリコール等の2価アルコー
ル等が挙げられる。
【0021】さらに本発明に用いられる水および/また
は分子量200以下のアルコール類の含有率は、パルプ
蒸解助剤組成物100重量%に対して5〜30重量%、
好ましくは10〜20重量%の範囲である。該含有率が
パルプ蒸解助剤組成物100重量%に対して5重量%未
満では、非イオン界面活性剤混合物に対する水および/
または分子量200以下のアルコール類の量が不十分と
なり、非イオン界面活性剤混合物がゲル化現象を起こす
ため、非イオン界面活性剤の本来の機能が阻害されたま
まの状態でアントラキノン粉体上に担持されているため
該パルプ蒸解助剤組成物がパルプ蒸解液に遭遇した時
に、該界面活性剤の機能が発揮できず、アントラキノン
のパルプ蒸解液への分散、溶解を妨げるため好ましくな
い。また該含有率がパルプ蒸解助剤組成物100重量%
に対して30重量%を越える場合には、過剰な水および
/または分子量200以下のアルコール類のためアント
ラキノン粉体上に非イオン界面活性剤が担持されること
なく該過剰な水および/または分子量200以下のアル
コール類とアントラキノン粉体が分離してしまうためパ
ルプ蒸解液への分散、溶解が不十分となり好ましくな
い。
【0022】また本発明のパルプ蒸解助剤組成物は、パ
ルプ蒸解液へ投入して使用する前に適当な混合機または
攪拌機などを用いて、より均一に混合されていることが
望ましい。
【0023】また、本発明のパルプ蒸解助剤組成物を投
入するパルプ蒸解液は、特に限定されるものではなく、
一般に使用される蒸解液であればよく、例えば、クラフ
ト法でのアルカリ蒸解液あるいは亜硫酸法での酸性蒸解
液等への投入が可能である。
【0024】
【実施例】次に実施例により本発明を更に詳細に説明す
るが、本発明は、これら実施例のみに限定されるもので
ない事は言うまでもない。
【0025】実施例1 内容積5リットルの回転式オートクレーブに、広葉樹チ
ップを絶乾で600g、パルプ蒸解助剤組成物を0.3
g、さらに苛性ソーダと硫化ソーダを活性アルカリ16
重量%(Na2 O換算)、硫化度25重量%、液比
3.6リットル/kgになるように加え、166℃まで
約70分で昇温させ、166℃で40分間蒸解した。
【0026】得られたパルプを離解した後、カッパー価
およびパルプ収率を測定し、その結果を表1に示した。
表1よりカッパー価16、パルプ収率52.0重量%と
なった。
【0027】尚、パルプ蒸解助剤組成物としては、平均
粒径5μm、最大粒径18μmのアントラキノン粉体が
80重量部、炭素数12〜14の直鎖アルキル第2級ア
ルコールのエチレンオキサイドの付加モル数が12のも
のを有するアルキレンオキサイド付加物よりなるHLB
が14.5である第1の非イオン界面活性剤(株式会社
日本触媒製、以下、ソフタノール−120と略記)と
ルキルの炭素数が9よりなるアルキルフェノールのエチ
レンオキサイドの付加モル数が10のものを有するアル
キレンオキサイド付加物よりなるHLBが13.3であ
る第2の非イオン界面活性剤(三洋化成工業株式会社
製、以下、ノニポール100と略記)との重量比が1:
1であり、かつその合計用量が該アントラキノン粉体に
対して0.4重量%である非イオン界面活性剤混合物、
およびパルプ蒸解助剤組成物100重量%に対する含有
率が20重量%である水をそれぞれ混合してなるパルプ
蒸解助剤組成物を使用した。
【0028】比較例1 2種類の非イオン界面活性剤を加えない以外は実施例1
と同様に蒸解を行ない、得られたパルプを離解後、カッ
パー価およびパルプ収率を測定し、その結果を表4に示
した。表4よりカッパー価16、パルプ収率50.8重
量%となった。
【0029】尚、この場合の蒸解時間は166℃で52
分間とした。これはパルプ収率を同一カッパー価で比較
するのが一般的であるので、実施例1とほぼ同一カッパ
ー価になるように蒸解時間により調節したためである。
【0030】以下同様の理由で、実施例2〜22および
比較例2〜9の場合も、ほぼ同一カッパー価になるよう
に166℃での蒸解時間を調節し、実施例1と同一カッ
パー価でのパルプ収率で比較した。
【0031】実施例2〜5 2種類の非イオン界面活性剤の使用割合を表1のように
変化させた以外は実施例1と同様に蒸解を行ない、表1
に示すカッパー価およびパルプ収率が得られた。
【0032】
【表1】
【0033】比較例2〜3 2種類の非イオン界面活性剤の使用割合を表2のように
変化させた以外は実施例1と同様に蒸解を行ない、表2
に示すカッパー価およびパルプ収率が得られた。
【0034】
【表2】
【0035】実施例6〜9 2種類の非イオン界面活性剤の合計用量を表3のように
変化させた以外は実施例1と同様に蒸解を行ない、表3
に示すパルプ収率が得られた。
【0036】尚、この場合、2種類の非イオン界面活性
剤の使用割合は全て1:1とした。
【0037】
【表3】
【0038】比較例4〜5 2種類の非イオン界面活性剤の合計用量を表4のように
変化させた以外は実施例1と同様に蒸解を行ない、表4
に示すパルプ収率が得られた。
【0039】尚、この場合も2種類の非イオン界面活性
剤の使用割合は全て1:1である。
【0040】
【表4】
【0041】実施例10 平均粒径3μm、最大粒径18μmのアントラキノンを
用いた以外は実施例1と同様に蒸解を行ない、カッパー
価16、パルプ収率52.2重量%となった。
【0042】尚、粒径の測定は、超遠心式自動粒度分布
測定装置CAPA−700(株式会社堀場制作所製)に
より行なった。
【0043】比較例6 平均粒径30μm、最大粒径60μmのアントラキノン
を用いた以外は実施例1と同様に蒸解を行ない、カッパ
ー価16、パルプ収率50.7重量%となった。
【0044】実施例11〜15 アントラキノン80重量部に対する水の添加量を表5の
ように変化させた以外は実施例1と同様に蒸解を行な
い、表5に示すパルプ収率が得られた。
【0045】
【表5】
【0046】比較例7〜9 アントラキノン80重量部に対する水の添加量を表6の
ように変化させた以外は実施例1と同様に蒸解を行な
い、表6に示すパルプ収率が得られた。
【0047】
【表6】
【0048】実施例16 水の代わりにエチレングリコールの50重量%水溶液を
用いた以外は、実施例1と同様に蒸解を行ない、得られ
たパルプを離解後、カッパー価およびパルプ収率を測定
した。その結果、カッパー価16、パルプ収率52.0
重量%となった。
【0049】実施例17 水の代わりにジエチレングリコールの40重量%水溶液
を用いた以外は、実施例1と同様に蒸解を行ない、得ら
れたパルプを離解後、カッパー価およびパルプ収率を測
定した。その結果、カッパー価16、パルプ収率52.
0重量%となった。
【0050】実施例18〜20 第1の非イオン界面活性剤としてソフタノール−120
の代わりに、エチレンオキサイドの付加モル数が表7に
示すような非イオン界面活性剤を用いた以外は、実施例
1と同様に蒸解を行ない、表7に示すパルプ収率が得ら
れた。
【0051】
【表7】
【0052】実施例21〜22 第2の非イオン界面活性剤としてノニポール100の代
わりに、エチレンオキサイドの付加モル数が表8に示す
ような非イオン界面活性剤を用いた以外は、実施例1と
同様に蒸解を行ない、表8に示すパルプ収率が得られ
た。
【0053】
【表8】
【0054】
【効果】本発明により得られるパルプ蒸解助剤組成物に
おいては、これをクラフト法、亜硫酸法、ソーダ法のみ
ならずセミケミカル法等の蒸解法でも効果を発揮できる
蒸解助剤として用いることができ、単独のアントラキノ
ンの蒸解助剤と比べて格段と優れた蒸解効果が得られ、
さらにその使用形態で理想とされるテトラヒドロアント
ラキノンのアルカリ水溶液と比べて、有効アントラキノ
ン換算では、より優れた蒸解効果を得ることができるも
のである。
【0055】また本発明においては、非イオン界面活性
剤が「ゲル化現象」を起こさないように、特定の2種の
非イオン界面活性剤を共用するとともに水および/また
は分子量200以下のアルコール類の適量と併せて添加
されるために、非イオン界面活性剤の本来の機能が保持
された状態で、アントラキノン粉体上で担持されている
ので、該組成物がパルプ蒸解液に遭遇した時に、直ちに
界面活性剤の機能が発揮され、アントラキノンのパルプ
蒸解液への分散、溶解を容易ならしめることができ、ア
ントラキノンのレドックス触媒としての効果をあますこ
となく発揮することができるものである。
【0056】さらに、パルプ蒸解助剤組成物を作製する
場合に、従来法では平均粒径が10μm程度のアントラ
キノン粉体を用いる際に風速が2m/sec程度でもか
なり周囲に該粉体が飛散し、環境衛生の問題上、使用に
耐えないものであるが、本発明におけるパルプ蒸解助剤
組成物では、非イオン界面活性剤と水および/または分
子量200以下のアルコール類を添加することにより湿
潤な状態にでき、全く粉塵がたたず、また飛散すること
もない。
【0057】さらに本発明のパルプ蒸解助剤組成物はま
た、原木やチップとして針葉樹並びに広葉樹はもちろん
草木類を用いた場合にも優れた蒸解効果が発揮できる。
従って、本発明が広く有効に活用されれば、工業的にも
環境資源的にも大いに有用であり、広く人類の進歩と繁
栄に貢献し得るものとなることが期待できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉田 恵雄 千葉県千葉市若葉区千城台東3丁目7番 3号 (56)参考文献 特開 昭54−100332(JP,A) 特開 昭61−97492(JP,A) 特開 昭55−6585(JP,A) 特公 平1−20276(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D21C 3/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒径10μm以下、最大粒径30μ
    m以下のアントラキノン粉体に、炭素数10〜16の範
    囲の第2級アルコールのエチレンオキサイドの付加モル
    数が7〜20のものを有するアルキレンオキサイド付加
    よりなるHLBが12〜16である第1の非イオン界
    面活性剤と炭素数6〜12の範囲よりなるアルキルフェ
    ノールのエチレンオキサイドの付加モル数が8〜15の
    ものを有するアルキレンオキサイド付加物よりなるHL
    Bが12〜16である第2の非イオン界面活性剤との重
    量比が5:1〜1:5であり、かつその合計用量が該ア
    ントラキノン粉体に対して0.1〜2重量%である非イ
    オン界面活性剤混合物、およびパルプ蒸解助剤組成物1
    00重量%に対する含有率が5〜30重量%である水お
    よび/または分子量200以下のアルコール類をそれぞ
    れ混合してなることを特徴とするパルプ蒸解助剤組成
    物。
  2. 【請求項2】 該第1および第2の非イオン界面活性剤
    混合物の平均HLBが13〜15である請求項1に記載
    のパルプ蒸解助剤組成物。
  3. 【請求項3】 前記水および/または分子量200以下
    のアルコール類のパルプ蒸解助剤組成物100重量%に
    対する含有率が10〜20重量%である請求項1に記載
    のパルプ蒸解助剤組成物。
JP34070492A 1992-05-18 1992-12-21 パルプ蒸解助剤組成物 Expired - Fee Related JP3304145B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34070492A JP3304145B2 (ja) 1992-05-18 1992-12-21 パルプ蒸解助剤組成物
CA 2111921 CA2111921A1 (en) 1992-12-21 1993-12-20 Formulated composition of pulp digesting assistant agent
FI935782A FI935782A (fi) 1992-12-21 1993-12-21 Massaa pilkkova apuaine
BR9305171A BR9305171A (pt) 1992-12-21 1993-12-21 Agente auxiliar de digestão de polpa formulado
AU52547/93A AU666788B2 (en) 1992-12-21 1993-12-21 Formulated composition of pulp digesting assistant agent

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12436892 1992-05-18
JP4-124368 1992-05-18
JP34070492A JP3304145B2 (ja) 1992-05-18 1992-12-21 パルプ蒸解助剤組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0633386A JPH0633386A (ja) 1994-02-08
JP3304145B2 true JP3304145B2 (ja) 2002-07-22

Family

ID=26461051

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP34070492A Expired - Fee Related JP3304145B2 (ja) 1992-05-18 1992-12-21 パルプ蒸解助剤組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3304145B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AU718331B2 (en) * 1996-12-06 2000-04-13 Asahi Kasei Kogyo Kabushiki Kaisha Process for producing photosensitive resin printing plate and treating solution
NO980659L (no) * 1997-03-11 1998-09-14 Westvaco Corp Belte av tekstil
CN102154871B (zh) * 2011-02-25 2013-06-26 李政 不产生强碱性高污染黑液的制浆方法
JP2019173241A (ja) * 2018-03-29 2019-10-10 日本製紙株式会社 リグノセルロース材料の蒸解方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0633386A (ja) 1994-02-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4163001A (en) Water base flexographic dye ink
JP3304145B2 (ja) パルプ蒸解助剤組成物
CA2032809A1 (en) Deinking agent for regenerating waste paper
US2707145A (en) Method of bleaching mechanically disintegrated wood pulp
CA1140706A (en) Agent for use in pulp production
KR100529273B1 (ko) 산화성 갈락토즈 타입의 알콜배열-함유 폴리머의고체상태에서의 산화
US2680737A (en) Alkali cellulose preparation
US4548648A (en) Thickening agent for paste
CA1129163A (en) Process for the conversion of lignocellulosic material to cellulose pulp by alkaline preoxidation followed by alkaline oxygen-free digestion, both in the presence of a redox additive
JP2005533940A (ja) アルコキシル化アルキルアルコール界面活性剤を用いたパルプの脱樹脂化方法
EP0757732B1 (en) Oxygen bleaching of cellulosic pulps
US4192647A (en) Print paste formulations with hydroxyalkyl carboxyalkyl cellulose
JP2020536133A (ja) 低粘度セルロースエーテル製造のための簡略化された方法
JPS6017393B2 (ja) 酸素インジケ−タ−インキ組成物
US4359321A (en) Dye compositions and method of using same
US6649023B1 (en) Process for digesting woodchips and digester additives
JPH0120276B2 (ja)
EP0031059A1 (de) Dispersionen von Dinitroanthrachinonen, Verfahren zu deren Herstellung und ihre Verwendung
CA2417791C (en) Process for digesting woodchips and digester additives
KR830002040B1 (ko) 펄프제조용 약제
Antal et al. Preparation of microcrystalline cellulose aminoderivatives
JPH05186987A (ja) セルロースパルプの漂白方法
US3679352A (en) Method of printing textiles using a printing paste containing beta-1,4 glucan
GB2090875A (en) Aqueous Dispersions for Use in Textile Dyeing
CA2111921A1 (en) Formulated composition of pulp digesting assistant agent

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090510

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100510

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100510

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110510

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120510

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees