JP3303794B2 - セラミック製放電ランプおよびその製造方法 - Google Patents
セラミック製放電ランプおよびその製造方法Info
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Description
メタルハライドランプなどのセラミック製放電ランプお
よびその製造方法に関する。
止管部に気密封止構造を形成する工程において、当該封
止管部を溶融変形加工することができないため、封止管
部とこれに挿通された電極棒との間の間隙に封止用フリ
ットガラスを充填することにより、気密封止構造が形成
される。
温度が約840℃と十分に高いものではないため、当該
放電ランプの点灯時に過熱状態となることを避けなけれ
ばならない。このため、図5に示されているように、セ
ラミック製放電ランプの封止管部12においては、点灯
時にきわめて高い温度となる発光管部11の中央部と、
フリット封着体17が封止管部12の外端側部分内に注
入されて形成されている気密封止領域Aとの間を離隔さ
せるために、発光管部11に続いて適宜の長さの温度緩
衝領域Rを設ける構成とされているが、このような温度
緩衝領域Rにおいては、封止管部12と、放電電極13
を先端に有する電極棒14との間に発光管部内空間Sと
連通する間隙(以下、「デッドスペース」という。)G
が不可避的に形成されてしまう。なお、16は電極棒1
4に接続された外部リード棒である。然るに、このデッ
ドスペースが存在すると、封入された水銀がこれに進入
して凝縮することにより、当該放電ランプの動作特性が
変動するようになる。これを防止するため、このデッド
スペース内に位置するようセラミック製のスリーブ15
を、電極棒が挿通された状態で配置することが提案され
ている。
に設けられ固定されたセラミック製放電ランプの一例に
おける封止管部の拡大図である。この例においては、先
端部に放電電極22を有する小径電極棒部分23Aと一
体に接合された大径電極棒部分23Bが挿通された状態
となるよう、スリーブ26が封止管部21内に配置さ
れ、このスリーブ26の内端面側に近接した位置にスリ
ーブ止めコイル24が大径電極棒部分23Bに巻かれて
固定され、これによりスリーブ26の移動が防止されて
いる。そして、サーメットよりなる封止部材25が封止
管部21の外端面にフリット封着体27により封着され
て気密封止構造が形成されている。また、封止部材25
の外端側部分には外方に伸びる外部リード棒28の端部
が埋設されている。
かれたスリーブ止めコイル24によってスリーブ26を
保持する構成では、製造作業が煩雑になるのみでなく、
動作時にスリーブ止めコイル24から放電が生じる現象
(バックアーク現象)が起り、その結果、スリーブ止め
コイル24の近傍に至る発光管部または封止管部21が
局所的に加熱されるために破損してしまうという問題が
ある。
事情に基づいてなされたものであって、その目的は、封
止管部内にスリーブを有しながらしかも製造が容易であ
り、安定した動作特性を有するセラミック製放電ランプ
を提供することにある。また、本発明の他の目的は、上
記のセラミック製放電ランプを製造する方法を提供する
ことにある。
電ランプは、透光性セラミックスよりなる発光管部と当
該発光管部に連設された封止管部とを有する放電容器を
具え、前記発光管部内に一対の放電電極が対向配置され
ると共に、前記封止管部内に、当該放電電極を先端部に
有する電極棒が位置され、当該電極棒の基端部が固定さ
れたシリカ成分を含有するサーメットよりなる封止部材
が、封止管部にフリット封着体により封止されてなるセ
ラミック製放電ランプであって、前記封止管部内におい
て、電極棒が挿通された状態でセラミック製スリーブが
配置され、当該スリーブの外端部が前記封止部材に焼結
により固着されていることを特徴とする。
いて、スリーブの外端部が、前記封止部材の端面に形成
された凹部内に挿入された状態で当該封止部材に固着さ
れていることを特徴とする。
法は、先端部に放電電極を有する電極棒が固定されたシ
リカ成分を含有するサーメットよりなる封止部材に、当
該電極棒が挿通された状態で配置されたセラミック製ス
リーブの外端部が焼結により固着されてなる電極構造体
を、透光性セラミックスよりなる発光管部と当該発光管
部に連設された封止管部とを有する放電容器材料に対
し、前記放電電極が発光管部内に位置し、かつスリーブ
が封止管部内に位置するよう配置した状態において、放
電容器の封止管部と封止部材とをフリット封着体により
封止する工程を有することを特徴とする。
ースに配置されるスリーブが封止部材に一体的に固着さ
れているため、製造が容易であり、安定した動作特性を
有し、バックアーク現象が生ずることがなくて、使用寿
命が長いセラミック製放電ランプが得られる。また、同
じ理由により、極めて簡単な作業により、封止管部内
に、電極棒が挿通された状態でスリーブを有するセラミ
ック製放電ランプを製造することができる。
ついて詳細に説明する。図1は、本発明のセラミック製
放電ランプの一例を示す説明用断面図である。この例の
セラミック製放電ランプを構成する放電容器30は、楕
円球形の発光管部31と、この発光管部31の両端から
外方に伸びるよう連設された筒状の封止管部32とを有
してなり、透光性セラミックスにより形成されている。
ここに、放電容器30を構成するセラミックスとして
は、透光性アルミナ多結晶体、透光性イットリウム−ア
ルミニウム−ガーネット多結晶体、透光性イットリア多
結晶体を用いることができるが、これらのうち、アルミ
ナ多結晶体が特に好ましい。発光管部31の最大外径は
8.7〜11.0mm、内容積は0.4〜0.75cm
3 とされる。また、封止管部32の外径は2.0〜2.
6mm、内径は0.6〜1.0mm、長さは34〜40
mmとされる。
の放電電極33が対向配置されており、この放電電極3
3は、封止管部32内から発光管部31にまで管軸に沿
って伸びるよう配置された、例えばタングステンからな
る電極棒34の先端部に、例えばモリブデンからなる金
属コイルが巻き付けられて形成されている。電極棒34
の基端部は、封止管部32内に位置された円柱状の導電
性の封止部材37の内端側部分に固定されており、この
封止部材37の外端側部分には外方に伸びる外部リード
棒36の端部が固定されている。
ミナ成分と、シリカ成分と、アルミナおよびシリカ以外
の金属酸化物である線膨張率調整成分と、アルミナより
線膨張率が小さい金属成分とからなり、放電容器30の
材質として好適に用いられる透光性セラミックスと線膨
張率が同等または近似したサーメットが用いられる。そ
の具体例としては、例えばアルミナ−酸化マグネシウム
−モリブデン−シリカ系、アルミナ−酸化ジスプロシウ
ム−モリブデン−シリカ系サーメットなどを挙げること
ができる。各成分の含有割合は、例えばアルミナ成分が
15〜60容量%、シリカ成分が5〜30容量%、アル
ミナおよびシリカ以外の金属酸化物である線膨張率調整
成分が5〜40容量%、アルミナより線膨張率が小さい
金属成分が30〜60容量%とされる。サーメットは、
シリカ成分が含有されていることが好ましく、シリカ成
分が含有されていることにより、後述するスリーブと固
着し易いものとなる。
は、封止部材37の全体が封止管部32の外端側部分内
に挿入されると共に、この封止管部32の外端部におい
てフリット封着体38が設けられることにより気密封止
構造が形成されている。ここに、フリット封着体38の
材料としては、希土類酸化物−アルミナ−シリカ系の材
料などを使用することができる。
は、セラミックスよりなるスリーブ35が、電極棒34
が挿通された状態で配置されており、スリーブ35の外
端面が封止部材37の内端面に一体的に固着されてい
る。スリーブ35の材質としては、放電容器30を形成
する透光性セラミックスと同等または近似した線膨張率
を有するセラミックス、例えば透光性アルミナ結晶体、
透光性イットリウム−アルミニウム−ガーネット多結晶
体、透光性イットリア多結晶体などを使用することがで
きる。また、スリーブ35の長さは、封止管部32の長
さにもよるが、例えば4〜6mmである。スリーブ35
は、その外径が封止管部32の内径と適合すると共にそ
の内径が電極棒34の外径と適合する形状を有すること
が望ましい。特にスリーブ35の外径と封止管部32の
内径との差は小さいことが好ましく、具体的には0.1
2mm以下であることが望ましい。これにより、両者間
の間隙が十分に狭隘となってこれに進入して凝縮する封
入物の量を少なく抑えることが可能となる。
結により行われる。そして、スリーブ35を構成する材
料として、放電容器30および封止部材37の材質と同
一または近似する線膨張率を有する材料を用いることに
より、接合体において線膨張率の差に起因する割れの発
生を防止することができ、十分な強度が得られる。
プによれば、放電容器30と事実上一体的に保持された
スリーブ35によってデッドスペースを極めて小さいも
のとすることができると共に、バックアーク現象が発生
することがなく、従って、十分に良好な動作特性が安定
して得られる。
を図2に示す。この放電ランプにおいては、電極棒は小
径電極棒部分41と大径電極棒部分42とにより構成さ
れ、小径電極棒部分41の先端部に金属コイルが巻かれ
ることにより、放電電極33が形成されている。大径電
極棒部分42の基端部は、封止管部32の外方に位置さ
れた封止部材37の内端側部分に固定されている。大径
電極棒部分42が挿通された状態で配置されているスリ
ーブ35は、その外端面が封止部材37の内端面に一体
的に固着されており、封止管部32の外端面と封止部材
37の内端面との間に充填されたフリット封着体38に
より、封止部材37が封止管部32の外端面にフリット
溶着され、これにより、気密封止構造が形成されてい
る。
の例を図3に示す。この放電ランプの構成においては、
封止管部32の外方に位置された封止部材37の内端面
部分に凹部が形成されており、この凹部内に、大径電極
棒部分42が挿通された状態で配置されているスリーブ
35の外端部が受容され、この状態で封止部材37に固
着されている。大径電極棒部分42の基端部は、スリー
ブ35より外方に突出して封止部材37内に埋没した状
態で固定されている。そして、放電容器の封止構造は、
図2と同様の構成とされている。これらの構成の放電ラ
ンプにおいても、図1の例と同様の作用効果が得られ
る。
たが、本発明は上記の例に限定されるものではなく、各
部の具体的構成については種々の変更を加えることが可
能である。例えば、電極棒を構成する小径電極棒部分4
1と大径電極棒部分42とは、互いに材質が異なるもの
であってもよく、例えば突き合わせ溶接などの方法によ
って接合されたものを用いることができる。実際上、小
径電極棒部分41の材質としては例えばタングステンを
用い、大径電極棒部分42の材質として例えばモリブデ
ンを用いることが好ましく、これによって小径電極棒部
分41に大きな耐熱性が得られると共に、大径電極棒部
分42には封止部材37に対する良好な接合性を得るこ
とができる。また、電極棒は封止部材を貫通する構成で
あってもよく、その場合には、電極棒の外端部がそのま
ま外部リード部として機能するものとされ、封止部材は
絶縁性のものであってもよい。
放電ランプは、次のようにして製造される。すなわち、
先ず、図4に示すように、金属コイルが巻かれた放電電
極33を先端部に有する電極棒34と、スリーブ35
と、封止部材37および外部リード棒36とにより構成
される電極構造体50を作製する。電極棒34の基端部
は円筒状の封止部材37の一端部に固定されており、封
止部材37の他端部には外部リード棒36の一端が固定
されている。また、封止部材37の電極棒34が固定さ
れている一端部の端面には、電極棒34が挿通された状
態に配置されたスリーブ35の一端面が一体的に固着さ
れている。
結により行われる。封止部材37として用いられるサー
メットの仮焼結体を形成し、これに電極棒34および外
部リード棒36を挿入配置すると共に、スリーブ35を
仮焼結体の端面に当接させ、あるいは凹所内に挿入し、
この状態で本焼結処理することにより、仮焼結体の本焼
結を達成すると共に、この本焼結体に電極棒34,外部
リード棒36およびスリーブ35を一体的に固着させる
方法を好ましく利用することができる。焼結条件として
は、サーメットの仮焼結処理においては、例えば120
0℃で、30分間加熱される。また、スリーブ35と仮
焼結により得られた封止部材との本焼結処理において
は、例えば1700℃で、15分間加熱される。
を、透光性セラミックスよりなる発光管部と当該発光管
部に連設された封止管部とを有する放電容器材料に対
し、放電電極33が発光管部31内に位置し、かつスリ
ーブ35が封止管部32内に位置するよう配置した後、
外部リード棒36が突出する封止管部32の外端側部分
に溶融されたフリットガラスを充填することにより、図
1に示した構成を有する、フリット封着体38により封
止管部32に電極構造体50が気密に固着された、気密
封止構造が形成される。
造方法によれば、スリーブ35が、放電電極33、電極
棒34、封止部材37および外部リード棒36と一体と
なった電極構造体50を作製し、これを所定の放電容器
材料の封止管部内に配置し、封止管部と封止部材とを封
止すればよいため、スリーブ35の取り扱いに特別な配
慮が不要であり、従って、極めて簡単な作業により所期
のセラミック製放電ランプを製造することができる。
電ランプによれば、封止管部内のデッドスペースに配置
されるスリーブが封止部材に一体的に固着されているた
め、製造が容易であり、安定した動作特性を有し、バッ
クアーク現象が生ずることがなくて、使用寿命が長いセ
ラミック製放電ランプが得られる。また、同じ理由によ
り、極めて簡単な作業により、封止管部内に、電極棒が
挿通された状態でスリーブを有するセラミック製放電ラ
ンプを製造することができる。
説明用断面図である。
す説明用断面図である。
を示す説明用断面図である。
造体の説明用断面図である。
度緩衝領域の説明用断面図である。
部の拡大断面図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 透光性セラミックスよりなる発光管部と
当該発光管部に連設された封止管部とを有する放電容器
を具え、前記発光管部内に一対の放電電極が対向配置さ
れると共に、前記封止管部内に、当該放電電極を先端部
に有する電極棒が位置され、当該電極棒の基端部が固定
されたシリカ成分を含有するサーメットよりなる封止部
材が、封止管部にフリット封着体により封止されてなる
セラミック製放電ランプであって、 前記封止管部内において、電極棒が挿通された状態でセ
ラミック製スリーブが配置され、当該スリーブの外端部
が前記封止部材に焼結により固着されていることを特徴
とするセラミック製放電ランプ。 - 【請求項2】 前記スリーブの外端部が、封止部材の端
面に形成された凹部内に挿入された状態で当該封止部材
に固着されていることを特徴とする請求項1に記載のセ
ラミック製放電ランプ。 - 【請求項3】 先端部に放電電極を有する電極棒が固定
されたシリカ成分を含有するサーメットよりなる封止部
材に、当該電極棒が挿通された状態で配置されたセラミ
ック製スリーブの外端部が焼結により固着されてなる電
極構造体を、透光性セラミックスよりなる発光管部と当
該発光管部に連設された封止管部とを有する放電容器材
料に対し、前記放電電極が発光管部内に位置し、かつス
リーブが封止管部内に位置するよう配置した状態におい
て、放電容器の封止管部と封止部材とをフリット封着体
により封止する工程を有することを特徴とするセラミッ
ク製放電ランプの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26805498A JP3303794B2 (ja) | 1998-09-22 | 1998-09-22 | セラミック製放電ランプおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP26805498A JP3303794B2 (ja) | 1998-09-22 | 1998-09-22 | セラミック製放電ランプおよびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000100388A JP2000100388A (ja) | 2000-04-07 |
JP3303794B2 true JP3303794B2 (ja) | 2002-07-22 |
Family
ID=17453252
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP26805498A Expired - Fee Related JP3303794B2 (ja) | 1998-09-22 | 1998-09-22 | セラミック製放電ランプおよびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2001082331A1 (en) * | 2000-04-19 | 2001-11-01 | Koninklijke Philips Electronics N.V. | High-pressure discharge lamp |
-
1998
- 1998-09-22 JP JP26805498A patent/JP3303794B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2000100388A (ja) | 2000-04-07 |
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