JP3303211B2 - bFGFムテインおよびその製造法 - Google Patents

bFGFムテインおよびその製造法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塩基性線維芽細胞成長
因子(以下、 bFGFと略称することもある。)のムテ
イン,該ムテインの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】bFGFは分子量約17000の塩基性
ポリペ プチドであり、当初BALB/c3T3細胞など
の線維芽細胞に強い増 殖促進作用を示す因子として分
離された[D.Gospodarowicz;ネイチャー(Nature)
49:123(1974)]。しかし、その後中胚葉由
来の殆んど全ての細胞に対して増殖促進作用を示すこと
が判明した[D.Gospodarowicz ら:ナシ ョナル・キャ
ンサー・インスティテュート・モノグラフ(National
Cancer Institute Monograph)48;109(197
8)]。中でもbFGFの血管新生 作用は細胞増殖促進
作用と相まって損傷の治療薬および血栓症,動脈硬化症
などの予防治療薬としての可能性を示すものである。
【0003】ウシのbFGFは、プロシーデングス・オ
ブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・ザ・ユナイテ
ッド・ステーツ・オブ・アメリカ(Proc. Natl. Acad.
Sci.USA),第82巻 第6507−6511頁(1
985年)に発表され、また、サイエンス(Science)
233,545(1986)には、 ウシbFGFのcDN
Aをクローン化し、これから推測されるウシbFGFの
構成アミノ酸が示されている。ヒトbFGFについて
は、バイオケミカル・アンド・バイオフイジカル・リサ
ーチ・コミュニケーションズ(Biochemical and Biophy
sical Research Communications),第135巻,54
1頁(1986年)には、人の脳からヒトbFGFを抽
出したことを報告している。また、EMBOジャーナル
(European Molecular Biology Organization Journa
l)第5巻,2523頁(1986年)およびPCT国
際公開No. WO87/01728には、牛のbFGFを
プローブとして用い、ヒトbFGFのcDNAをクロ ー
ン化し、これよりヒトbFGFの構成アミノ酸を推定し
ている。さらに、フエブス・レターズ(FEBS Letters)
213,189(1987)、およびバイオケミカル・
アンド・バイオフィジカル・リサーチ・コミュニケーシ
ョンズ(Biochem. Biophys. Res. Commun. 146
70−477(1987)にはヒトbFGFのcDNAを
クローン化し、形質転換体の培養によりヒトbFG Fを
製造することが記載されている。(用いられたcDNA
の塩基配列およびヒ トbFGFのアミノ酸配列を図1
(配列表:配列番号6)に示す。)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らはアミノ酸
配列を修飾することによって、bFGFの安定性,細胞
における産生能、分子当りの細胞増殖活性の上昇、さら
に未知の生物活性の賦活化がなされるであろうと考え
た。特に安定性に関しては多くの場合蛋白質の変性は、
その生物学的活性の消失を伴う。従って、蛋白質を医薬
品として用いようとする場合、蛋白質の高次構造の安定
性は重要な問題である。蛋白質の高次構造は、基本的に
はその一次構造によって決定されるものと考えられてお
り、高次構造の安定性は、主にアミノ酸側鎖間の、もし
くは側鎖−ポリペプチド主鎖間の相互作用、すなわち水
素結合、システイン残基間のS−S結合、静電的引力、
疎水結合によるものとされている。
【0005】bFGFには4個のCys残基が含まれてい
るが、それらは活性に本質的なものではなく、又どの残
基も分子内S−S結合を形成していない(X. Zhu らSci
ence,251,90−93(1991))。従ってbF
GFの高次構造は前記水素結合、静電的引力、疎水結合
等によってお り、共有結合(S−S結合)による強固
な拘束は受けていない。このことはbFGFの分子内の
運動の自由度が大きく、この蛋白質が種々の物理的、化
学的条件によって変性しやすいことの大きな原因となっ
ている。
【0006】先に妹尾ら(特開平2−193)はbFG
F分子中の構成アミノ酸を他の種々のアミノ酸に置換す
る事によって、より安定なbFGFムテインを得る事を
試みた。特にCys残基をSer等の残基に置換することに
よって、Cys残基が分子間または分子内の望ましくない
S−S結合を形成する可能性を減少ないし排除すること
による分子の安定化、さらにはbFGFの精製効率の向
上を計って成功している。
【0007】本発明者らは、bFGFの構成アミノ酸を
別のアミノ酸、特にシステインに置換したムテインを作
製し、これら新たに導入したシステイン残基同志、もし
くはこれらのシステイン残基と元々bFGF分子中に存
在するシステイン残基間で、本来存在しなかったS−S
結合を新たに形成せしめる事により、bFGFの高次構
造を固定し、安定化する事を考えた。
【0008】
【課題を解決するための手段】蛋白質分子内に新たにS
−S結合を設ける場合、それに関与するシステイン残基
の側鎖の空間的な相互間距離は近接していなくてはなら
ない。このことより、X線結晶解析から得られる高次構
造に関する知見は非常に有用であり、目的とする性状を
有する蛋白質の創製に際し、論理的かつ能率的に研究を
進めることができる。本発明者らはbFGFおよびその
ムテインの結晶化に成功し(特開平3−47198)、
その立体構造の解析をした(H. Ago et al. Journal of
Biochemistry. 110,360−363(199
1))。
【0009】本発明者らは、ここから得られた知見をも
とに、組換えDNA技術および、特定部位指向性変異
(Site directecl mutagenesis)により、修飾されたb
FGFのムテインを作製し、安定性の向上、細胞内での
産生能、活性の上昇および生物活性の変化につき鋭意研
究したところ、bFGFまたはその活性誘導体を構成す
るアミノ酸のうち少なくとも1つのアミノ酸がシステイ
ンに置換されたムテインは、安定性が向上していること
を見い出し、この知見に基づいてさらに研究した結果、
本発明を完成した。
【0010】本発明は、(1)bFGFまたはその活性
誘導体を構成するアミノ酸のうち 少なくとも1つのア
ミノ酸がシステインに置換されたムテイン,(2)上記
(1)のムテインをコードする塩基配列を有する組換え
DNA,(3)上記(2)の組換えDNAを含むベクタ
ー,(4)上記(3)のベクターを保持する形質転換
体,(5)上記(4)の形質転換体を培地に培養するこ
とを特徴とする上記(1)のムテインの製造法,および
(6)上記(1)のムテインを酸化反応に付すことによ
り、上記(1)のムテインの分子内の2つのシステイン
の間でS−S結合を形成せしめたムテインの製造法であ
る。
【0011】本発明の上記(1)のムテインとしては、
(7)置換により導入されたシステインがもう一方のシス
テインと相互にS−S結合形成可能な位置にあるムテイ
ンが好ましい。該(7)のムテインとしては、当該もう
一方のシステインがbFGFを構成するシステインであ
るムテインが挙げられる。この場合の当該もう一方のシ
ステインとしては、ヒトやウシのbFGFの場合には第
25位または第92位のシステインが好ましい。また、
ヒトやウシのbFGFの場合には、当該もう一方のシス
テインが第25位のときは、置換により導入されたシス
テインとしては第118位または第139位が好まし
く、当該もう一方のシステインが第92位のときは、置
換により導入されたシステインとしては第75位または
第85位が好ましい。 該(7)のムテインとしては、
偶数個のシステインが1組毎にS−S結合形成可能な位
置に置換により導入されたムテインが挙げられる。この
ような場合のS−S結合形成可能な位置関係としては、
例えばヒトやウシのbFGFの場合には、たとえば、2
0位−52位;21位−142位;27位−135位;
33位−50位;49位−69位;81位−126位が
挙げられる。上記偶数個としては、8個までの偶数個が
好ましく、4個までの偶数個がさらに好ましい。なお、
S−S結合を形成しないムテインを置換により導入した
場合を除外するものではない。さらに、本発明のムテイ
ンとしては、分子内の2つのシステインの間でS−S結
合を形成せしめたものが好ましい。
【0012】本発明でいうbFGFとしては、哺乳動物
由来のものが挙げられる。該哺乳動物としては、ヒト,
サル,ブタ,ウシ,ヒツジ,ウマなどが挙げられる。ま
た、該FGFとして、脳や下垂体などの既にその存在が
明らかにされている各種臓器から抽出されるものが挙げ
られる。また、該FGFとしては、組換えDNA技術に
より得られるものが挙げられる(フエブス・レターズ,
第213巻,189−194頁(1987年);ヨーロ
ッパ特許出願公開第237,966号公報)。bFGF
の活性誘導体としては、bFGFのムテインであって、b
FGFと同様の作用を有するものが挙げられる。該FG
Fムテインとしては、本来元のペプチドあるいは蛋白質
のアミノ酸配列が変異したものであり、したがって該変
異としては、アミノ酸の付加,構成アミノ酸の欠損,他
のアミノ酸への置換が挙げられる。該bFGFのムテイ
ンとしては、たとえばバイオケミカル・アンド・バイオ
フイジカル・リサーチ・コミュニケーションズ(Bioche
mical and Biophyscal Research Communications)第1
51巻,第701〜708頁(1988年),ヨーロッ
パ特許出願公開(以下、EPと略称することもある。)
第281,822号公報,EP−326,907号公報,
EP−394,951号公報,EP−298,728号公
報,PCT WO89/04832号公報などに記載さ
れたムテインが挙げられる。
【0013】本発明のムテインを製造するためには、従
来の組換えDNA技術に加え、特定部位指向性変異誘発
技術(Sitedirected mutagenesis)が採用される。該技
術は周知であり、アール・エフ・レイサー(Lather,R.
F. )及びジェイ・ピー・レコック(Lecoq,J. P.
),ジェネティック・エンジニアリング(Genetic Eng
ineering)、アカデミックプレス社(1983年)第3
1−50頁、に示されている。オリゴヌクレオチドに指
示された変異誘発はエム・スミス(Smith,M. )及びエ
ス・ギラム(Gillam,S. )、ジェネティック・エンジ
ニアリング:原理と方法、プレナムプレス社(1981
年)3巻 1−32頁に示されている。本発明のムテイ
ンをコードする構造遺伝子を製造するためには、たとえ
ば、(a)bFGFの構造遺伝子の1本鎖からなる1本鎖
DNAを突然変異オリゴヌクレオチドプライマーと雑種
形成させる、(b)DNAポリメラーゼによりプライマ
ーを伸長させ、突然変異性ヘテロ二量体(heteroduple
x)を形成させる、及び(c)この突然変異性ヘテロ二量
体を複製する、などの方法が挙げられる。オリゴヌクレ
オチドプライマーの大きさは、突然変異を導入すべき遺
伝子領域へのプライマーの安定な雑種形成に必要な条件
により、また現在利用可能なオリゴヌクレオチド合成法
の限界によって決まる。オリゴヌクレオチドで指示され
る突然変異誘発に使用するオリゴヌクレオチドを設計す
るに当たって、考慮すべき因子(例えば全体の大きさ、
突然変異サイトを迂回する部分の大きさ)は、エム・ス
ミス及びエス・ギラム(前掲)によって記述されてい
る。概して、オリゴヌクレオチドの全長は、突然変異サ
イトでの安定でユニークな雑種形成を最適化するような
長さであり、突然変異サイトから5′及び3′末端まで
の伸長部分(extensions)は、DNAポリメラーゼのエ
キソヌクレアーゼ活性による突然変異の編集をさけるの
に十分な大きさとする。本発明に従って突然変異誘発に
使用されるオリゴヌクレオチドは、通常、約12個ない
し約24個の塩基、好ましくは約14個ないし約20個
の塩基、更に好ましくは約14個ないし約18個の塩基
を含有する。これらは通常、変更されるコドンの少なく
とも約3個の塩基3′側を含有する。
【0014】たとえば、構成アミノ酸がロイシンであっ
て、これをシステインに置換したムテインを得る目的の
場合には、ロイシンのコドンをシステインのコドンに変
更させる合成ヌクレオチドプライマーを用いて、部位指
向性変異誘発を行うことにより、変更bFGF遺伝子を
つくればよい。たとえば、ヒトbFGFのロイシン(1
18位)をシステインに変えるために、プライマーをF
GF遺伝子のセンス鎖と雑種形成させる。たとえば、好
ましいヌクレオチドプライマーとしては5'−CAGT
TCGTTT CATGCCACATAC−3′(配列
表:配列番号2)が挙げられる(下線は変更されたコド
ンを示す)。フェニルアラニン(139位)をシステイ
ンに変えるときの好ましいプライマーとしては5'−C
ATTGGAAGACAAAGTATAGC−3′(配
列表:配列番号3)が挙げられる。(下線は変更された
コドンを示す)。アラニン(75位)をシステインに変
えるときの好ましいプライマーとしては5'−TTCC
TTCATACACAGGTAACGA−3′(配列
表:配列番号4)が挙げられる。(下線は変更されたコ
ドンを示す)。セリン(85位)をシステインに変える
ときの好ましいプライマーとしては5'−AACAGA
CTTGCATGCTAGTAATCT−3′(配列
表:配列番号5)が挙げられる (下線は変更されたコ
ドンを示す)。
【0015】プライマーは、bFGF遺伝子の1本鎖が
クローン化されたM13〔Yanisch−Perror,C.,Vieir
a,J. Messing,ジーン(Gene),33 103−11
9(1985),Messing J. メソッズ・イン・エンジ
ーモロジー(Methods in Enzymology),101 20
−78(1983)〕,fd〔R. Herrman et al. モレ
キュラー・アンド・ジェネラル・ジェネティック(Mol.
Gen. Genet.),177231(1980)〕,又はφ
×174〔M. Smith and S. Gillam,ジェネティック・
エンジニアリング(Genetic Engineering),Plenum Pr
ess,Vol.,ppl−32(1981)〕のような1本
鎖ファージあるいは、pUC118、pUC119[J. V
ieira, J. Messing, メソッズ・イン・エンザイモロジ
ー(Methodsin Enzymology),153,3−11(19
87)]といったファージとプラスミドのキメラベクタ
ーへ雑種形成される。ファージが遺伝子のセンス鎖、ア
ンチセンス鎖のいずれでも運搬できることは認められ
る。ファージがアンチセンス鎖を運搬する時には、別の
アミノ酸を暗号づけたトリプレットを決定するこのコド
ンとの不一致以外にもプライマーは突然変異させるコド
ンを含有するセンス鎖の領域とコドンの縮退のために同
一でない場合があってもよい。同様にファージがセンス
鎖を運搬する時には、欠損させるコドンと対合をつくる
トリプレット中の適当な不一致以外は、突然変異させる
コドンを含有するセンス鎖の領域に対して相補的でない
場合があってもよい。雑種形成に使用される条件はエム
・スミス及びエス・ギラム(前掲)によって記述されて
いる。温度は通常、約0℃ないし70℃、もっと一般的
には約10℃ないし50℃の範囲にある。雑種形成後、
プライマーは大腸菌DNAポリメラーゼI、T4DNA
ポリメラーゼ、逆転写酵素又は他の適当なDNAポリメ
ラーゼとの反応によってファージDNA上で伸長され
る。生ずるdsDNAは、T4DNAリガーゼのようなD
NAリガーゼでの処理によって閉鎖環dsDNAへ変換さ
れる。1本鎖領域を含有するDNA分子はS1エンドヌ
クレアーゼ処理によって破壊できる。生ずる突然変異成
形ヘテロ二量体は、被感染能力をもつ宿主生物又は細胞
を形質転換するのに使用される。宿主によるヘテロ二量
体の複製では、双方の鎖から子孫ができる。複製に続い
て、突然変異株の鎖の子孫から突然変異株遺伝子を単離
し、適当なベクターへ挿入し、このベクターを適当な宿
主生物又は細胞の形質転換に使用する。
【0016】次に、突然変異化された遺伝子を運搬する
ファージDNAを単離し、プラスミドへ組み込む。DN
Aを組み込むプラスミドとしては、たとえば大腸菌由来
のpBR322[ジーン(gene),,95(197
7)],pBR325[ジーン,,121(197
8)],pUC12[ジーン,19,259(198
2)],pUC13[ジーン,19,259(198
2)]、枯草菌由来のpUB110[バイオケミカ ル・
バイオフィジカル・リサーチ・コミュニケーション(B
iochemical andBiophysical Research Communicatio
n),112,678(1983)]などが 挙げられる
が、その他のものであっても、宿主内で複製保持される
ものであれば、いずれをも用いることができる。プラス
ミドに組み込む方法としては、たとえば、T.Maniati
s ら,モレキュラー・クローニング(Molecular Clon
ing)コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー
(Cold Spring Harbor Laboratory),第239頁
(1982)に記載の方法などが挙げられる。
【0017】クローン化された遺伝子は、発現に適した
ビークル(ベクター)中のプロモーターの下流に連結し
て発現型ベクターを得ることができる。ベクターとして
は、上記の大腸菌由来のプラスミド(例、pBR32
2,pBR325,pUC12, pUC13),枯草菌由
来プラスミド(例、pUB110,pTP5,pC19
4),酵母由来プラスミド(例、pSH19,pSH1
5),あるいはλファージなどのバクテリオファージお
よびレトロウイルス,ワクシニアウイルスなどの動物ウ
イルスなどがあげられる。該遺伝子はその5′末端に翻
訳開始コドンとしてのATGを有し、また3′末端には
翻訳終止コドンとしてのTAA、TGAまたはTAGを
有していてもよい。さらに該遺伝子を発現させるにはそ
の上流にプロモーターを接続する。本発明で用いられる
プロモーターとしては、遺伝子の発現に用いる宿主に対
応して適切なプロモーターであればいかなるものでもよ
い。また、形質転換する際の宿主がエシェリキア属菌で
ある場合は、trpプロモーター,lacプロモーター,rec
Aプロモーター,λPLプロモーター,lppプロモータ
ー,ファージT7φ10プロモーターなどが、宿主がバ
チルス属菌である場合は、SPO1プロモーター,SP
O2プロモーター,penPプロモーターなど、宿主が酵
母である場合は、PHO5プロモーター,PGKプロモ
ーター,GAPプロモーター,ADHプロモーターなど
が好ましい。とりわけ宿主がエシェリキア属菌でプロモ
ーターがtrpプロモーターまたはλPLプロモーターま
たはファ ージT7φ10プロモーターであることが好
ましい。宿主が動物細胞である場合には、SV40由来
のプロモーター、レトロウイルスのプロモーターなどが
挙げられ、とりわけSV40由来のプロモーターが好ま
しい。
【0018】このようにして構築されたムテインをコー
ドする塩基配列を有する組換えDNAをを含むベクター
を用いて、該ベクターを保持する形質転換体を製造す
る。宿主としては、たとえばエシェリキア属菌,バチル
ス属菌,酵母,動物細胞などが挙げられる。上記エシェ
リキア属菌の例としては、エシェリキア・コリ(Esche
richia coli)K12DH1[Proc.Natl.Acad.S
ci.USA,60,160(1968)],JM103
[ヌクレイック・アシッズ・リサーチ,(Nucleic Ac
idsResearch),309(1981)],JA221
[ジャーナル・オブ・モレキュラー・ハ゛イオロシ゛ー(Journal of Mol
ecular Biology)120,517(1978)],H
B101[ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロ
ジー,41,459(1969)],C600[ジェネ
ティックス(Genetics),39,440(195
4)],MM294[Proc.Natl.Acad.Sci.U
SA 73,4174(1976)],MM294(D
E3)/pLysS[特開平3−43088]などが挙げ
られる。上記バチルス属菌としては、たとえばバチルス
・サチルス(Bacillus subtilis)MI 114[(ジ
ーン,24,255(1983)],207−21[ジ
ャーナル・オブ・バイオケミストリー(Journal of B
iochemistry)95,87(1984)]などが挙げら
れる。上記酵母としては、たとえばサッカロマイセス
セレビシアエ(Saccharomyces cerevisiae)AH22
-,NA87−11A,DKD−5Dなどが挙げられる。
動物細胞としては、たとえばサル細胞COS−7,Ver
o,チャイニーズハムスター細胞CHO,マウスL細
胞,ヒトFL細胞などが挙げられる。
【0019】上記エシェリキア属菌を形質転換するに
は、たとえばProc.Natl.Acad.Sci.USA,
,2110(1972),ジーン,17,107(1
982)などに記載の方法に従って行なわれる。バチル
ス属菌を形質転換するには、たとえばモレキュラー・ア
ンド・ジェネラル・ジェネティックス(Molecular &
General Genetics),168,111(1979)な
どに記載の方法に従って行なわれる。酵母を形質転換す
るには、たとえばProc.Natl.Acad.Sci.USA
;1929(1978)に記載の方法に従って行
なわれる。動物細胞を形質転換するには、たとえばヴィ
ロロジー(Virology)52,456(1973)に記
載の方法に従って行なわれる。このようにして、ムテイ
ンをコードする塩基配列を有する組換えDNAを含むベ
クターを保持する形質転換体が得られる。
【0020】該形質転換体を培地に培養することによ
り、ムテインを産生させる。宿主がエシェリキア属菌,
バチルス属菌である形質転換体を培養する際、培養に使
用される培地としては液体培地が適当であり、その中に
は該形質転換体の生育に必要な炭素源,窒素源,無機物
その他が含有せしめられる。炭素源としては、たとえば
グルコース,デキストリン,可溶性澱粉,ショ糖など、
窒素源としては、たとえばアンモニウム塩類,硝酸塩
類,コーンスチープ・リカー,ペプトン,カゼイン,肉
エキス,大豆粕,バレイショ抽出液などの無機または有
機物質,無機物としてはたとえば塩化カルシウム,リン
酸二水素ナトリウム,塩化マグネシウムなどがあげられ
る。また、酵母,ビタミン類,生長促進因子などを添加
してもよい。培地のpHは約6〜8が望ましい。エシェ
リキア属菌を培養する際の培地としては、例えばグルコ
ース、カザミノ酸を含むM9培地[Miller,ジャーナ
ル・オブ・エクスペリメンツ・イン・モレキュラー・ジ
ェネティックス(Journal of Experiments in Molec
ular Genetics),431−433,Cold Spring H
arbor Laboratory,New York1972)]が好まし
い。ここに必要によりプロモーターを効率よく働かせる
ために、たとえば3β−インドリル アクリル酸やイソ
プロピルβD−チオガラクトピラノシドのような薬剤を
加えることができる。宿主がエシェリキア属菌の場合、
培養は通常約15〜43℃で約3〜24時間行い、必要
により、通気や撹拌を加えることもできる。宿主がバチ
ルス属菌の場合、培養は通常約30〜40℃で約6〜2
4時間行ない、必要により通気や撹拌を加えることもで
きる。
【0021】宿主が酵母である形質転換体を培養する
際、培地としては、たとえばバークホールダー(Burkh
older)最小培地[Bostian,K.L.ら,Proc.Nat
l.Acad.Sci.USA,77,4505(198
0)]が挙げられる。培地のpHは約5〜8に調整する
のが好ましい。培養は通常約20℃〜35℃で約24〜
72時間行い、必要に応じて通気や撹拌を加える。宿主
が動物細胞である形質転換体を培養する際、培地として
は、たとえば約5〜20%の胎児牛血清を含むMEM培
地[サイエンス(Science)122,501(195
2)],DMEM培地[ヴィロロジー(Virology),
,396(1959)],RPMI1640培地[ジ
ャーナル・オブ・ザ・アメリカン・メディカル・アソシ
エーション(The Journal of the American Medica
l Association)199,519(1967)],19
9培地[プロシーディング・オブ・ザ・ソサイエティ・
フォー・ザ・バイオロジカル・メディスン(Proceedin
g of the Society for the Biologcal Medicine)
,1(1950)]などが挙げられる。pHは約6〜
8であるのが好ましい。培養は通常約30〜40℃、培
養時間は約15〜60時間行い、必要に応じて通気や撹
拌を加える。
【0022】上記培養物からムテインを分離精製するに
は、例えば下記の方法により行うことができる。まず、
培養菌体あるいは細胞を破壊し内容物を抽出する。これ
には、フレンチプレス,超音波,リゾチーム,凍結融
解,ガラスビーズなどを用いる多数の方法があるが、ど
の方法でもよい。とりわけリゾチームと超音波を併用す
る方法が好ましい。菌体、あるいは細胞を破壊する際
に、緩衝液中にジチオスレイトールなどの還元剤を添加
すると、目的とするムテインの回収率が上がることがあ
る。還元剤の濃度は1mMから100mM程度がよい。た
だし、リゾチームを用いる場合は、リゾチームを作用さ
せた後に添加する。
【0023】次に、上記細胞抽出液を、遠心分離により
上清と沈澱に分ける。上清にムテインが回収されている
場合は、たとえば、M. Iwane らの文献[Biochem. Biop
hys.Res. Commun. 146,470−477(198
7)]に記載の方法と同様な方法により、有効に精製で
きる。ムテインが沈澱に回収される場合は、この沈澱を
塩酸グアニジンなどの蛋白質変性剤を含む溶液で溶解し
た後に、透析または希釈により変性剤の濃度を下げれ
ば、生理活性を有するムテインを得ることができる。沈
澱から回収したムテインは、必要に応じて精製操作を加
えることにより、上清から回収されたムテインと同様に
高純度で高活性な製品となる。
【0024】精製過程、あるいは保存過程での微量な還
元剤の共存は、該製品の酸化を防ぐのに好適である場合
がある。しかし、アミノ酸置換により新たに導入された
Cys残基がbFGFの立体構造から予想される通りのS
−S結合を形成するためには、精製過程のいずれかの段
階で還元剤を除くか、あるいは始めから添加せずに精製
する。回収率および純度の点から、細胞を破壊する際と
精製の初期段階は還元剤を添加し、精製の途中で還元剤
を除くのが好ましい。該ムテインは、還元剤の非存在下
では、新たに導入したCys残基間、または新たに導入し
たCys残基と既存のCys残基の間で、一部自発的にS−
S結合を形成するため、精製過程で還元剤を除いた最終
精製製品は一般に、S−S結合を形成したムテイン(酸
化型ムテイン)とS−S結合を持たないムテイン(還元
型ムテイン)の混合物である。多くの場合、還元型ムテ
インも、野生型bFGFと同程度の生物活性を有してい
るが、下記のような方法で積極的にS−S結合を形成せ
しめることにより、ほとんどが酸化型ムテインである製
品を作ることができ、発明の目的が達成される。
【0025】分子内の2つのシステインの間でS−S結
合を形成せしめる方法としては、空気酸化による方法や
グルタチオン酸化還元緩衝液を用いる方法[V. P. Saxe
na,D. B. Wetlaufer;バイオケミストリー(Biochemist
ry):5015(1970)]が挙げられるが、特に
後者が好ましい。ムテインを含む溶液と適切な濃度のグ
ルタチオン酸化還元緩衝液を混合して適切な温度で静置
すると、還元型ムテインは速やかに酸化型に移行する。
具体的には、酸化型グルタチオン(GSSGと略記)と
還元型グルタチオン(GSHと略記)の最終濃度の和が
0.1mMから100mMで、GSSGとGSHの濃度比
が0.05から5の範囲で、pHは7か ら9が好まし
く、少量のEDTA(エチレンジアミン四酢酸)を共存
させてもよい。温度は個々のムテインにより適切な温度
に差があるが、4℃から40℃の間が良い。また、1M
から3M程度の尿素を共存させると目的とするS−S結
合が効率よく形成されることがある。反応を止めるに
は、pHを6付近に下げるか、 透析やゲル濾過によりグ
ルタチオンを除けばよい。上記空気酸化による方法とし
ては、たとえばトリス塩酸などの適切な緩衝液でムテイ
ンを含む溶液のpHを7から10、より好ましくは8か
ら9の間に調節し、溶液が空気と接する状態で静置すれ
ばよい。その際0.1μMから1mMの金属イオン(た
とえば銅)を共存させること、S−S結合形成に要する
時間を短縮することができる。また、溶液中に空気また
は酸素を導いて、静かに泡を立てることも有効である。
温度は、ムテインが変性しない温度ならばどのような温
度でもよく、好ましくは0℃から40℃の間である。上
記のS−S結合を形成させる操作は、ムテインの精製操
作のどの段階で行なっても良く、ムテインの純度、およ
び濃度には制約はない。
【0026】本発明のムテインは線維芽細胞の増殖を促
進させる作用,血管内皮細胞の増殖を促進させる作用,
血管を新生させる作用を有し、安定性が高く、毒性は低
いので火傷,創傷,術後組織などの治癒促進剤,あるい
は血管新生作用による血栓症や動脈硬化症などの治療薬
として用いることができる。また、細胞培養を促進させ
るための試薬として用いることができる。本発明のムテ
インを医薬として用いるには、そのまま粉末として、ま
たは他の薬理学的に許容されうる担体,賦形剤,希釈剤
とともに医薬組成物(例、注射剤,錠剤,カプセル剤,
液剤,軟膏)として、温血動物(例、ヒト,マウス,ラ
ット,ハムスター,ウサギ,犬,ネコ)に対して非経口
的または経口的に安全に投与することができる。注射剤
の製剤化はたとえば生理食塩水またはブドウ糖やその他
の補助薬を含む水溶液を用い、常法に従って行なわれ
る。錠剤,カプセル剤等の医薬組成物も常法に従って調
製しうる。本発明のムテインを上記した医薬として用い
る場合には、たとえば上記した温血動物に、投与ルー
ト,症状などを考慮して、1日量約1ngないし100μ
g/kgの中から適当量を選んで投与される。また、本発明
のムテインを細胞培養を促進させるための試薬として用
いる場合、培地1リットルあたり約0.01〜10μg、
さらに好ましくは約0.1〜10μgとなるように培地に
加えることが好ましい。
【0027】本発明明細書および図面において、塩基や
アミノ酸などを略号で表示する場合、IUPAC−IU
B Commision on Biochemical Nomenclatureによる
略号あるいは当該分野における慣用略号に基づくもので
あり、その例を下記する。また、アミノ酸に関し光学異
性体がありうる場合は、特に明示しなければL−体を示
すものとする。また、略号を次に示す。 DNA :デオキシリボ核酸 cDNA :相補的デオキシリボ核酸 A :アデニン T :チミン G :グアニン C :シトシン RNA :リボ核酸 dATP :デオキシアデノシン三リン酸 dTTP :デオキシチミジン三リン酸 dGTP :デオキシグアノシン三リン酸 dCTP :デオキシシチジン三リン酸 ATP :アデノシン三リン酸 Tdr :チミジン G,Gly :グリシン A,Ala :アラニン V,Val :バリン L,Leu :ロイシン I,Ile :イソロイシン S,Ser :セリン T,Thr :スレオニン C,Cys :システイン M,Met :メチオニン E,Glu :グルタミン酸 D,Asp :アスパラギン酸 K,Lys :リジン R,Arg :アルギニン H,His :ヒスチジン F,Phe :フェニールアラニン Y,Tyr :チロシン W,Trp :トリプトファン P,Pro :プロリン N,Asn :アスパラギン Q,Gln :グルタミン EDTA :エチレンジアミン四酢酸 SDS :ドデシル硫酸ナトリウム PAGE :ポリアクリルアミド電気泳動 DMEM :ダルベッコ変法イーグル培地 Tris :トリスヒドロキシメチルアミノメタン HPLC :高速液体クロマトグラフィー なお、本願にあっては、ヒトbFGFのアミノ酸配列に
おけるアミノ酸の番号は、〔図1〕(配列表:配列番号
6)に示されるアミノ酸配列のN末端のProを1と数え
るものとする。また、ウシbFGF(Proc. Natl. Aco
d. Sci. USA , 6507(1985)) のアミノ
酸配列におけるアミノ酸の番号は、N末端のProを1と
数えるものとする。
【0028】以下に示す実施例において製造された形質
転換体のうち、受託番号の付されているものは、財団法
人発酵研究所(IFO)および通商産業省工業技術院微
生物工業技術研究所(FRI)に寄託されている。それ
らの受託番号および受託日を次の表1に示す。なお、表
1において、FERM BP番号で示されている寄託
は、ブダペスト条約に基づく寄託を示す。
【表1】 ─────────────────────────────────── 形質転換体 IFO FRI ─────────────────────────────────── E. coli K12MM294(DE3)/pLysS, IFO 15084 FERM BP-3372 pBFM2 (実施例2) (平成2年8月28日) (平成3年4月20日) E. coli MM294(DE3)/pLysS, IFO 15276 FERM BP-3802 pBFM4 (実施例4) (平成4年3月10日) (平成4年3月18日) E. coli K12MM294(DE3)/pLysS, IFO 15085 FERM BP-3371 pBFM5 (実施例5) (平成2年8月28日) (平成3年4月20日) ───────────────────────────────────
【0029】実施例1 特定部位指向性変異誘発を行う
ための、NdeIサイトを有するプラスミドpUCN23
の構築 (1)hbFGFムテインCS23のcDNAのプラスミ
ドベクターpUC118Bへの組込み:ヒトbFGFの6
9位および87位のCysがSerに置換されたヒトbFG
FムテインCS23[M. Senoら,バイオケミカル・ア
ンド・バイオフィジカル・リサーチ・コミュニケーショ
ンズ,151,701−708(1988)](以下、
「CS23」と略称することもある。)のcDNAが組
み込まれたファージベクターM13mp8から、制限酵素
EcoRIとPstIで消化することによりCS23のcD
NAを含む0.5キロベースペアのDNA断片を得た。
次に、一本鎖調製用プラスミドベクターpUC118の
マルチクローニングサイトにあるHind III部位を部位
指向性変異誘発によりBgl II部位に変異させたベクタ
ーpUC118B[pUC118BはpTB891として
特開平2−209894号公報に記載。]をEcoRIと
PstIにより消化し、上述のCS23遺伝子を含むDN
A断片と混ぜ、T4DNAリガーゼにより連結した。連
結したDNAを用いて大腸菌MV1184を形質転換
し、Xgalを指示種とするプレート上に播き、正しくC
S23遺伝子がpUC118Bに挿入された組換えプラ
スミドpUCB23を含む白色のコロニーを選択した。
こうして得られたクローンは、ヘルパーファージKO7
を感染させることにより、hbFGFムテインCS23を
コードするDNAのプラス鎖を含む、一本鎖状pUCB
23をファージ粒子の形で培地に放出する。この一本鎖
DNAを精製して、部位指向性変異誘発の鋳型として用
いた。なお、ここで用いた大腸菌MV1184,ヘルパ
ーファージKO7は、J. Vieira, J. Messing, メソッ
ズ・イン・エンザイモロジー(Methods in Enzymolog
y),153,3−11(1987)に記載されてい
る。
【0030】(2)制限酵素EcoRI部位のNdeIへの
変換 大腸菌菌体内で外来遺伝子を大量に発現させる系とし
て、ファージT7のRNAポリメラーゼを利用する方法
が有効であることが知られている[F. W. Studier,B.
A. Moffatt,ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオ
ロジー(J. Mol.Biol.),189,113−130(1
986)]。この方法に用いられている発現用プラスミ
ドpET3cに目的とする遺伝子を挿入するためには、そ
の遺伝子の上流側に制限酵素NdeI部位があると便利で
ある。(1)で得られたpUCB 23のCS23遺伝子
の翻訳開始コドンのすぐ上流にあるEcoRI部位をNde
Iに変換するためにオリゴヌクレオチド1: 5'−TGCTGGCATATGATTCGTAATC−3′ NdeI (配列表:配列番号1)を合成した(2(a))。この
オリゴヌクレオチド50ピコモルを1mM AT P,5
0mMトリスヒドロキシメチルアミノメタン塩酸塩pH
8.0,10mM MgCl2,5mMジチオスレイトール
(DTT),および10単位T4キナーゼ存在下に、3
7℃30分間静置して5′OH末端をリン酸化した。こ
のうち4ピコモルを用い上記(1)で調製したCS23
遺伝子を含む一本鎖pUCB23 5μgを鋳型として、
アマシャム社製,オリゴヌクレオチド・デイレクテッド
・インビトロ・ミュータジェネシス・システム・バージ
ョン2(部位指向性変異誘発のためのキット)を使って
変異の導入を行った。得られた2本鎖環状DNAで大腸
菌MV1184を形質転換して多数のクローンを得た。
そのうちのいくつかを2倍濃度YT培地3mlにて37℃
15時間培養した後、プラスミドDNAを精製し、制限
酵素EcoRIとBamHIで消化しても断片が生成せず、
NdeIとBamHIで消化すると断片が生成するクローン
を選択した。こうして、pUCB23のEco RI部位が
NdeI部位に変換されたプラスミドpUCN23が得ら
れた(図3および図4)。
【0031】実施例2 (ムテインBFM2をコードす
る遺伝子の製造とその大腸菌における発現) ヒトbFGFおよびhbFGFムテインCS23の立体構
造を詳しく観察した結果、25位のCys残基の側鎖の近
傍には118位のLeu残基の側鎖があることがわかっ
た。したがって、118位のLeuをCysに置換すること
により、25位のCysとの間にジスルフィド結合を形成
させ得ると考えた。118位のLeuをCysに変換したム
テインをBFM2と名付け、以下にその遺伝子の製造法
ならびに、大腸菌での発現について記す。 (1)ムテインBFM2をコードする遺伝子の製造 まず、118位のLeuのコドンをCysのコドンに変換す
るためにオリゴヌクレオチド2: 5'−CAGTTCGTTTGCATGCCACATAC−3′ SphI (配列表:配列番号2)を合成した(図2(b))。T4
キナーゼ処理により5′OH末端をリン酸化した上記合
成オリゴヌクレオチド(4ピコモル)と、実施例1
(2)で作製した一本鎖状のpUCN23(5μg)を用
いて、実施例1に記述した部位指向性変異誘発キットに
より、変異を導入したプラスミドを得た。このプラスミ
ドで常法により大腸菌MV1184を形質転換し、15
0μg/mlのアンピシリンを含む2倍 YT培地寒天プレ
ートに播いて37℃15時間培養し、多数のコロニーを
得た。そのうち6つのコロニーから少量の菌体を取って
0.3mlの2倍YT培地で約5 時間培養した。この培養
液30μlとヘルパーファージKO7を含む溶液30μ
lを混合して37℃に1時間静置し、3mlの2倍YT培
地を加えて一晩培養した。培養液を遠心操作で上清と菌
体に分け、菌体からはプラスミドをアルカリ法で粗精製
し、上清からは、常法によりファージ粒子として存在す
る一本鎖DNAを回収した。前述のオリゴヌクレオチド
2には、鋳型となるhbFGFムテインCS23をコード
する遺伝子中に存在しなかった制限酵素SphI認識部位
が含まれている。したがって正しく変異が導入されたプ
ラスミドにSphIを作用させると、変異により新たに生
じたSphI部位とpUC118Bのマルチクローニング
部位に始めから存在するSphI部位の2ケ所で切断さ
れ、121塩基対の断片が生じるはずである。前述の6
つのコロニーから得たプラスミドをSphIで消化し、ア
ガロースゲル電気泳動で分析したところ、2つのクロー
ンで正しい大きさの断片が見られた。さらに、この2つ
のクローンの一本鎖状プラスミドを鋳型として、ジデオ
キシ法により塩基配列を分析した結果、目的とする変異
が導入されていることを確認した。こうして得られたB
FM2をコードする遺伝子を含むプラスミドをpUCB
FM2と称する(図5)。
【0032】(2)大腸菌での発現用プラスミドpBF
M2の構築 (1)で得られたpUCBFM2を制限酵素NdeIおよ
びBgl IIで消化して、ムテインBFM2をコードする
約0.5kbpの断片を得た。これをアガロースゲル電気泳
動で精製した後、前もって制限酵素NdeIとBamHIで
消化しておいた発現用プラスミドベクターpET3c[F.
W. Stadier らメソッズ・イン・エンザイモロジー(Me
thods in Enzymology),195,60−89(199
0)]に、T4リガーゼにより結合させた。この際、ム
テインをコードするDNA断片のBgl II消化によって
生じた粘着末端と、pET3cのBamHI消化によって生
じた粘着末端とは、完全に相補的な配列になっており、
リガーゼ処理により目的とする環状DNAが生じること
になる。ただし、Bgl II部位とBamHI部位が結合し
た後では、もはやどちらの酵素でも切断できなくなるこ
とに注意する。こうして得られた発現用プラスミドをp
BFM2と称する(図6)。大腸菌MM294株に、T
7ファージのRNAポリメラーゼ遺伝子を組み込んだλ
ファージDE3[Studier, F. W. ら, J. Mol. Biol:
189,113−130(1986)]を溶原化させ、
さらにT7ファージのリゾチーム遺伝子をもつプラスミ
ド pLysS( Studier, F. W. ら, Mol. Biol. 189
113−130(1986))を導入し、大腸菌( Escheri
chia coli )MM294(DE3)/pLysS 株を作成し
た。該プラスミドpBFM2を用いて大腸菌MM294
(DE3)/pLysSを形質転換することにより、図7
(配列表:配列番号7)に示すムテインをコードする遺
伝子を含有するプラスミドを持つ大腸菌MM294(D
E3)/pLysS,pBFM2(IFO 15084,F
ERM BP−3372)を得た。
【0033】(3)ムテインBFM2の発現 前記菌体MM294(DE3)/pLysS,pBFM2
を、35μg/mlのアンピシリンと10μg/mlのクロラ
ムフェニコールを含むLB培地3ml中で一晩培養し、そ
のうち2.5mlを50mlのLB培地(35μg/mlアンピ
シリン,10μg/mlクロラムフェニコールを含む)に
加えて37℃2時間培養した。Klett値が130になっ
た時にイソプロピルβD−ガラクトピラノシド(IPT
G)を0.3mMになるように添加し、さらに3時間培養
した。IPTGを加える前と添加後3時間培養した培養
液の一部をとって、遠心操作により菌体を集め、これを
還元条件下のドデシル硫酸ナトリウム・ポリアクリルア
ミド電気泳動(SDS−PAGE)で分析すると、IP
TG添加により、ムテインBFM2の発現が誘導されて
いることがわかった。また、イムノブロッティングによ
り、発現したタンパク質は、抗bFGF抗体[M. Seno
ら,ハイブリドーマ(Hybridoma),209−221
(1989)]と特異的に結合することが確認された。
【0034】(4)菌体抽出液のFGF活性 上記(2)でムテインを発現させた菌体を、10%ショ
糖、20mM Tris・HCl(pH7.4),10mM E
DTA 0.2M NaCl,1mMフェニルメチルスルフ
ォニルフルオライド(PMSF)を含む0℃の緩衝液に
懸濁した。そこへ終濃度が0.1mg/mlになるようにリ
ゾチームを加え、0℃で30分から45分静置し、30
秒間超音波処理した。この溶液を遠心力約20,000g
で30分間遠心して上清を得、菌体抽出液とした。マウ
スBALB/c3T3細胞を5%仔牛血清を含むDME
M培地0.2mlで96穴マイクロタイタープレート(平
底)に1穴あたり2×103個となるように播種して培
養し、翌日培地を0.5%仔牛血清を含むDMEMに交
換した。3日間培養した後、前述の菌体抽出液を0.5
%BSAを含むDMEMで50から500倍に前希釈し
たものをさらに5倍ずつ段階的に希釈し、各々10μl
を細胞培養液に添加した。さらに18時間培養した後に
3H−Tdr(5Ci/mmol,0.5mCi/ml RCC Ame
rsham)を各穴に2μlずつ加えた。6時間後に培 養液
をリン酸緩衝液(PBS)で完全に置換して細胞を洗
い、そのPBSを吸い取った後で、5%SDS溶液10
0μlを加えた。37℃で一晩静置して完全に細胞を溶
かし、これを液体シンチレーションカウンターで測定す
ることにより、細胞に取り込まれた3H−Tdrの量を見
積り、FGFの細胞増殖活性の指標とした。スタンダー
ドとしては、主にウシ下垂体由来FGF(宝酒造(株)
製)を使用した。その結果、大腸菌MM294(DE
3)/pLysS,pBFM2の抽出液は、FGF活性を示
した。このようにして、ヒトbFGFの69位Cysと8
7位CysがSerに、さらに、118位LeuがCysに置換
された、図7に示すアミノ酸配列を有するムテインが得
られた。
【0035】実施例3 (ムテインBFM3をコードす
る遺伝子の製造とその大腸菌における発現) ヒトbFGFおよびヒトbFGFムテインCS23の立体
構造を詳しく観察した結果、25位のCys残基の側鎖の
近傍には139位のPhe残基の側鎖があることがわかっ
た。したがって、139位のPheをCysに置換すること
により、25位のCysとの間にジスルフィド結合を形成
させ得ると考えた。139位のPheをCysに変換したム
テインをBFM3と名付け、以下にその遺伝子の製造法
ならびに、大腸菌での発現について記す。 (1)ムテインBFM3をコードする遺伝子の製造 まず、139位のPheのコドンをCysのコドンに変換す
るために、オリゴヌクレオチド3: 5'−CATTGGAAGACAAAGTATAGC−3′ (配列表:配列番号3)を合成した(図2(c))。T
4キナーゼ処理により5′OH末端をリン酸化した上記
合成オリゴヌクレオチド(4ピコモル)と、実施例1
(2)で作製した一本鎖状のpUCN23(5μg)を用
いて、実施例1に記述した部位指向性変異誘発キットに
より、変異を導入したプラスミドを得た。このプラスミ
ドで常法により大腸菌MV1184を形質転換し、15
0μg/mlのアンピシリンを含む2倍 YT培地寒天プレ
ートに播いて37℃15時間培養し、多数のコロニーを
得た。そのうち3つのコロニーから少量の菌体を取って
0.3mlの2倍YT培地で約5 時間培養した。この培養
液30μlとヘルパーファージKO7を含む溶液30μ
lを混合して37℃に1時間静置し、3mlの2倍YT培
地を加えて一晩培養した。培養液を遠心操作で上清と菌
体に分け、菌体からはプラスミドをアルカリ法で粗精製
し、上清からは、常法によりファージ粒子として存在す
る一本鎖DNAを回収した。この一本鎖状プラスミドを
鋳型として、ジデオキシ法により塩基配列を分析した結
果、目的とする変異が導入されているクローン1個を同
定した。こうして得られたBFM3をコードする遺伝子
を含むプラスミドをpUCBFM3と称する(図8)。
【0036】(2)大腸菌での発現用プラスミドpBF
M3の構築 (1)で得られたpUCBFM3を制限酵素NdeIおよ
びBgl IIで消化して、ムテインBFM3をコードする
約0.5kbpの断片を得た。これをアガロースゲル電気泳
動で精製した後、前もって制限酵素NdeIとBamHIで
消化しておいた発現用プラスミドベクターpET3c[F.
W. Stadier らメソッズ・イン・エンザイモロジー(Me
thods in Enzymology),195,60−89(199
0)]に、T4リガーゼにより結合させた。この際、ム
テインをコードするDNA断片のBgl II消化によって
生じた粘着末端と、pET3cのBamHI消化によって生
じた粘着末端とは、完全に相補的な配列になっており、
リガーゼ処理により目的とする環状DNAが生じること
になる。ただし、Bgl II部位とBamHI部位が結合し
た後では、もはやどちらの酵素でも切断できなくなるこ
とに注意する。こうして得られた発現用プラスミドをp
BFM3と称する(図9)。このプラスミドpBFM3
を用いて大腸菌MM294(DE3)/pLysSを形質
転換することにより、図10(配列表:配列番号8)に
示すムテインをコードする遺伝子を含有するプラスミド
を持つ大腸菌MM294(DE3)/pLysS,pBFM
3を得た。
【0037】(3)ムテインBFM3の発現 前記菌体MM294(DE3)/pLysS,pBFM3
を、35μg/mlのアンピシリンと10μg/mlのクロラ
ムフェニコールを含むLB培地3ml中で一晩培養し、そ
のうち2.5mlを50mlのLB培地(35μg/mlアンピ
シリン,10μg/mlクロラムフェニコールを含む)に
加えて37℃2時間培養した。Klett値が130になっ
た時にイソプロピルβD−ガラクトピラノシド(IPT
G)を0.3mMになるように添加し、さらに3時間培養
した。IPTGを加える前と添加後3時間培養した培養
液の一部をとって、遠心操作により菌体を集め、これを
還元条件下のドデシル硫酸ナトリウム・ポリアクリルア
ミド電気泳動(SDS−PAGE)で分析すると、IP
TG添加により、ムテインBFM3の発現が誘導されて
いることがわかった(図17)。また、イムノブロッテ
ィングにより、発現したタンパク質は、抗bFGF抗体
[M. Seno ら,ハイブリドーマ(Hybridoma),20
9−221(1989)]と特異的に結合することが確
認された(図18)。
【0038】(4)菌体抽出液のFGF活性 上記(2)のようにしてムテインを発現させた菌体か
ら、実施例2(3)に記載の方法で菌体抽出液を調製
し、さらに実施例2(4)に記載の方法でFGF活性を
測定した。その結果 E. coli MM294(DE3)/p
LysS,pBFM3の菌体抽出液はFGF活性を示し
た。このようにして、ヒトbFGFの69位Cysと87
位CysがそれぞれSerに、139位PheがCysに置換さ
れた図10に示すムテインが得られた。
【0039】実施例4 (ムテインBFM4をコードす
る遺伝子の製造とその大腸菌における発現) ヒトbFGFおよびヒトbFGFムテインCS23の立体
構造を詳しく観察した結果、92位のCys残基の側鎖の
近傍には75位のAla残基の側鎖があることがわかっ
た。したがって、75位のAlaをCysに置換することに
より、92位のCysとの間にジスルフィド結合を形成さ
せ得ると考えた。75位のAlaをCysに変換したムテイ
ンをBFM4と名付け、以下にその遺伝子の製造法なら
びに、大腸菌での発現について記す。 (1)ムテインBFM4をコードする遺伝子の製造 まず、75位のAlaのコドンをCysのコドンに変換する
ために、オリゴヌクレオチド4: 5'−TTCCTTCATACACAGGTAACGA−3′ (配列表:配列番号4)を合成した(図2(d))。T
4キナーゼ処理により5′OH末端をリン酸化した上記
合成オリゴヌクレオチド(4ピコモル)と、実施例1
(2)で作製した一本鎖状のpUCN23(5μg)を用
いて、実施例1に記述した部位指向性変異誘発キットに
より、変異を導入したプラスミドを得た。このプラスミ
ドで常法により大腸菌MV1184を形質転換し、15
0μg/mlのアンピシリンを含む2倍 YT培地寒天プレ
ートに播いて37℃15時間培養し、多数のコロニーを
得た。そのうち6つのコロニーから少量の菌体を取って
0.3mlの2倍YT培地で約5 時間培養した。この培養
液30μlとヘルパーファージKO7を含む溶液30μ
lを混合して37℃に1時間静置し、3mlの2倍YT培
地を加えて一晩培養した。培養液を遠心操作で上清と菌
体に分け、菌体からはプラスミドをアルカリ法で粗精製
し、上清からは、常法によりファージ粒子として存在す
る一本鎖DNAを回収した。この一本鎖状プラスミドを
鋳型として、ジデオキシ法により塩基配列を分析した結
果、目的とする変異が導入されている3つのクローンを
同定した。こうして得られたBFM4をコードする遺伝
子を含むプラスミドをpUCBFM4と称する(図1
1)。
【0040】(2)大腸菌での発現用プラスミドpBF
M4の構築 (1)で得られたpUCBFM4を制限酵素NdeIおよ
びBgl IIで消化して、ムテインBFM4をコードする
約0.5kbpの断片を得た。これをアガロースゲル電気泳
動で精製した後、前もって制限酵素NdeIとBamHIで
消化しておいた発現用プラスミドベクターpET3c[F.
W. Stadier らメソッズ・イン・エンザイモロジー(Me
thods in Enzymology),195,60−89(199
0)]に、T4リガーゼにより結合させた。この際、ム
テインをコードするDNA断片のBgl II消化によって
生じた粘着末端と、pET3cのBamHI消化によって生
じた粘着末端とは、完全に相補的な配列になっており、
リガーゼ処理により目的とする環状DNAが生じること
になる。ただし、Bgl II部位とBamHI部位が結合し
た後では、もはやどちらの酵素でも切断できなくなるこ
とに注意する。こうして得られた発現用プラスミドをp
BFM4と称する(図12)。このプラスミドpBFM
4を用いて大腸菌MM294(DE3)/pLysSを形
質転換することにより、図13(配列表:配列番号9)
に示すムテインをコードする遺伝子を含有するプラスミ
ドを持つ大腸菌MM294(DE3)/pLysS,pBF
M4(IFO 15276,FERM BP−380
2)を得た。
【0041】(3)ムテインBFM4の発現 前記大腸菌MM294(DE3)/pLysS,pBFM4
を、35μg/mlのアン ピシリンと10μg/mlのクロ
ラムフェニコールを含むLB培地3ml中で一晩培養し、
そのうち2.5mlを50mlのLB培地(35μg/mlアン
ピシリン,10μg/mlクロラムフェニコールを含む)
に加えて37℃2時間培養した。Klett値が130にな
った時にイソプロピルβD−ガラクトピラノシド(IP
TG)を0.3mMになるように添加し、さらに3時間培
養した。IPTGを加える前と添加後3時間培養した培
養液の一部をとって、遠心操作により菌体を集め、これ
を還元条件下のドデシル硫酸ナトリウム・ポリアクリル
アミド電気泳動(SDS−PAGE)で分析すると、I
PTG添加により、ムテインBFM4の発現が誘導され
ていることがわかった(図17)。また、イムノブロッ
ティングにより、発現したタンパク質は、抗bFGF抗
体[M. Seno ら,ハイブリドーマ(Hybridoma),2
09−221(1989)]と特異的に結合することが
確認された(図18)。
【0042】(4)菌体抽出液のFGF活性 (2)のようにしてムテインを発現させた菌体から、実
施例2(3)に記載の方法で菌体抽出液を調製し、さら
に実施例2(4)に記載の方法でFGF活性を測定し
た。その結果 E. coli MM294(DE3)/pLys
S,pBFM4の菌体抽出液はFGF活性を示した。こ
のようにして、ヒトbFGFの69位Cysと87位Cys
がそれぞれSerに、75位AlaがCysに置換された第1
2図に示すようなムテインが得られた。
【0043】実施例5 (ムテインBFM5をコードす
る遺伝子の製造とその大腸菌における発現) ヒトbFGFおよびヒトbFGFムテインCS23の立体
構造を詳しく観察した結果、92位のCys残基の側鎖の
近傍には85位のSer残基の側鎖があることがわかかっ
た。したがって、85位のSerをCysに置換することに
より、92位のCysとの間にジスルフィド結合を形成さ
せ得ると考えた。85位のSerをCysに変換したムテイ
ンをBFM5と名付け、以下にその遺伝子の製造法なら
びに、大腸菌での発現について記す。 (1)ムテインBFM5をコードする遺伝子の製造 まず、85位のSerのコドンをCysのコドンに変換する
ために、オリゴヌクレオチド5: 5'−AACAGACTTGCATGCTAGTAATCT−3′ SphI (配列表:配列番号5)を合成した(図2(e))。T
4キナーゼ処理により5′OH末端をリン酸化した上記
合成オリゴヌクレオチド(4ピコモル)と、実施例1
(2)で作製した一本鎖状のpUCN23(5μg)を用
いて、実施例1に記述した部位指向性変異誘発キットに
より、変異を導入したプラスミドを得た。このプラスミ
ドで常法により大腸菌MV1184を形質転換し、15
0μg/mlのアンピシリンを含む2倍 YT培地寒天プレ
ートに播いて37℃15時間培養し、多数のコロニーを
得た。そのうち6つのコロニーから少量の菌体を取って
0.3mlの2倍YT培地で約5 時間培養した。この培養
液30μlとヘルパーファージKO7を含む溶液30μ
lを混合して37℃に1時間静置し、3mlの2倍YT培
地を加えて一晩培養した。培養液を遠心操作で上清と菌
体に分け、菌体からはプラスミドをアルカリ法で粗精製
し、上清からは、常法によりファージ粒子として存在す
る一本鎖DNAを回収した。前述のオリゴヌクレオチド
5には、鋳型となるムテインCS23をコードする遺伝
子中に存在しなかった制限酵素SphI認識部位が含まれ
ている。したがって正しく変異が導入されたプラスミド
にSphIを作用させると、変異により新たに生じたSph
I部位とpUC118Bのマルチクローニング部位に始
めから存在するSphI部位の2ケ所で切断され、220
塩基対の断片が生じるはずである。前述の6つのコロニ
ーから得たプラスミドをSphIで消化し、アガロースゲ
ル電気泳動で分析したところ、2つのクローンで正しい
位置に断片が見られた。さらに、この2つのクローンの
一本鎖状プラスミドを鋳型として、ジデオキシ法により
塩基配列を分析した結果、目的とする変異が導入されて
いることを確認した。こうして得られたBFM5をコー
ドする遺伝子を含むプラスミドをpUCBFM5と称す
る(図14)。
【0044】(2)大腸菌での発現用プラスミドpBF
M5の構築 (1)で得られたpUCBFM5を制限酵素NdeIおよ
びBgl IIで消化して、ムテインBFM5をコードする
約0.5kbpの断片を得た。これをアガロースゲル電気泳
動で精製した後、前もって制限酵素NdeIとBamHIで
消化しておいた発現用プラスミドベクターpET3c[F.
W. Stadier らメソッズ・イン・エンザイモロジー(Me
thods in Enzymology),195,60−89(199
0)]に、T4リガーゼにより結合させた。この際、ム
テインをコードするDNA断片のBgl II消化によって
生じた粘着末端と、pET3cのBamHI消化によって生
じた粘着末端とは、完全に相補的な配列になっており、
リガーゼ処理により目的とする環状DNAが生じること
になる。ただし、Bgl II部位とBamHI部位が結合し
た後では、もはやどちらの酵素でも切断できなくなるこ
とに注意する。こうして得られた発現用プラスミドをp
BFM5と称する(図15)。このプラスミドpBFM
5を用いて大腸菌MM294(DE3)/pLysSを形
質転換することにより、図16(配列表:配列番号1
0)に示すムテインをコードする遺伝子を含有するプラ
スミドを持つ大腸菌MM294(DE3)/pLysS,p
BFM5(IFO 15085,FERM BP−33
71)を得た。
【0045】(3)ムテインBFM5の発現 前記大腸菌MM294(DE3)/pLysS,pBFM5
を、35μg/mlのアン ピシリンと10μg/mlのクロ
ラムフェニコールを含むLB培地3ml中で一晩培養し、
そのうち2.5mlを50mlのLB培地(35μg/mlアン
ピシリン,10μg/mlクロラムフェニコールを含む)
に加えて37℃2時間培養した。Klett値 が130に
なった時にイソプロピルβD−ガラクトピラノシド(I
PTG)を0.3mMになるように添加し、さらに3時間
培養した。IPTGを加える前と添加後3時間培養した
培養液の一部をとって、遠心操作により菌体を集め、こ
れを還元条件下のドデシル硫酸ナトリウム・ポリアクリ
ルアミド電気泳動(SDS−PAGE)で分析すると、
IPTG添加により、ムテインBFM5の発現が誘導さ
れていることがわかった(図17)。また、イムノブロ
ッティングにより、発現したタンパク質は、抗bFGF
抗体[M. Seno ら,ハイブリドーマ(Hybridoma)
209−221(1989)]と特異的に結合すること
が確認された(図18)。
【0046】(4)菌体抽出液のFGF活性 (2)のようにしてムテインを発現させた菌体から、実
施例2(3)に記載の方法で菌体抽出液を調製し、さら
に実施例2(4)に記載の方法でFGF活性を測定し
た。その結果 E. coli MM294(DE3)/pLys
S,pBFM5の菌体抽出液はFGF活性を示した。こ
のようにして、ヒトbFGFの69位Cysと87位Cys
がSerに、85位SerがCysに置換された、図16に示
すムテインが得られた。
【0047】実施例6 (ムテインBFM5の精製) (1)産生菌の培養 実施例5で得られたムテインBFM5を発現する大腸菌
MM294(DE3)/pLysS,pBFM5を、50μ
g/mlアンピシリン,10μg/mlクロラムフェニコール
を含むLB培地50mlに播種し、30℃で一晩培養し
た。この培養液を、50μg/mlアンピシリン,10μg
/mlクロラムフェニコールを含むLB培地1リットルに
加え、30℃で約2時間振とう培養した。Klett値が約
130に達した時にイソプロピルβ−D−ガラクトピラ
ノシド(IPTG)を終濃度が0.1mMになるように添
加した。さらに30℃で3時間培養した後に、培養液を
遠心力約3000gで10分間遠心分離し、約5gの湿
菌体を得た。
【0048】(2)ムテインの精製 (1)で得られた約5gの湿菌体を氷冷下、20mM
Tris・HCl(pH7.4),10%(W/V)シュークロ
ース,10mM EDTA,0.2M NaCl,1mMフ
ェニルメチルスルホニルフルオライド(PMSF)を含
む緩衝液30mlに再懸濁し、卵白リゾチームを終濃度が
0.1mg/mlになるように加えた。かくはん後、0℃に
1時間静置し、ジチオスレイトール(DTT)を終濃度
が10mMになるように加えた。0℃に保ったまま超音
波処理をして溶液の粘度を下げ、遠心力約20,000
gで40分間遠心分離して30mlの上清を得た。これ
を、 あらかじめ20mM Tris・HCl(pH7.4)の
緩衝液で平衡化しておいたQ AE−Toyopearl(東ソー
(株))カラム(20ml)に通し、素通りした溶液と、
20mM Tris・HCl(pH7.4)15mlでカラムを
洗った時に溶出される溶 液を集めた。この時、徐々に
沈殿が生じたため、遠心力約20,000gで30 分遠
心分離して45mlの上清を得た。この上清を20mM
Tris・HClで平衡 化したCM−Toyopearl(東ソー
(株))カラム(40ml)に添加し、カラム担 体にム
テインを吸着させた。0.1M NaCl,20mM Tri
s・HCl(pH7.4),2mM DTTを含む緩衝液約
130mlでカラムを洗った後、1.0M NaCl,20m
M Tris・HCl(pH7.4),5mM DTTを含む
緩衝液で溶出した。溶出体積15mlから45mlまでの画
分を集め、これに20mM Tris・HCl(pH7.4)
30mlを加えて塩濃度を下げた後に、ヘパリン新和性ク
ロマト グラフィーに供した。用いたカラムは、昭和電
工(株)製 Shodex AFpak HR −894で、これをあ
らかじめ20ml Tris・HCl pH7.4で平衡化して
おき、サンプルを通した後、0.5M NaCl,20mM
Tris・HCl(pH7.4)で洗い、0.5Mから2.0
MまでのNaCl濃度勾配で溶出した。ムテインはNaCl
濃度、約1.3Mで単一なピークとして溶出された。こ
れを限外濾過膜を用 いて濃縮した後、Sephadex G−2
5(ファルマシア社製)を用いるゲル濾過法 により、
緩衝液を20mMクエン酸ナトリウム(pH6.5)に交
換して最終製品 とした。280nmでの分子吸光係数を
13900と仮定すると、最終製品の濃度は0.941m
g/ml,収量は9.88mgであった。この製品は、ドデシ
ル硫酸ナトリウムを用いるポリアクリルアミド電気泳動
(SDS−PAGE)で単一なバンドを示し(図1
9)、実施例2(3)に記した3T3細胞増殖活性測定
法では、ウシ脳下垂体由来のbFGFと同等の比活性を
有していた。また、この製品を塩 酸加水分解および過
ぎ酸による酸化後の塩酸加水分解を行って、アミノ酸分
析に供したところ、表2に示すように、図16の塩基配
列から予想される正しいアミノ酸組成値と一致した。
【0049】
【表2】 上記分析は、ムテインを4%チオグリコール酸を含む6
N塩酸中で110℃,24時間および48時間加水分解
を行った。システインは、過ぎ酸酸化によりシステイン
酸として定量した。セリンとスレオニンは、24時間と
48時間の値から0時間に外挿して求めた値を示した。
【0050】実施例7 (ムテインBFM4の精製) (1)生産菌の培養 実施例4で得られた大腸菌MM294(DE3)/pLy
sS,pBFM4を、実施例6(1)に記載の方法に従っ
て培養、及びBFM4の発現誘導を行った。1リットル
の培養液から遠心分離により約5グラムの湿菌体を得
た。 (2)ムテインの精製 (1)で得られた湿菌体を実施例6(2)に記載の方法
と同様の方法で処理し、最終的に9.97ミリグラムの
精製BFM4を得た。この製品はSDS−PAGEで単
一なバンドを示し(図20−A)、実施例2(4)に記
した生物活性測定法では、ウシ下垂体由来のbFGFを
スタンダードとして121%±28%の比活性を有して
いた。図20−Aにおいて、レーン1は、分子量マーカ
ー(上から97.4k,66.2k,45.0k,31.0
k,21.5k,14.4k)の、レーン2は、QAE−
Toyopearl カラム素通り画分4.5μlの、レーン3
は、CM−Toyopearl カラム溶出液3倍希釈後に10μ
lの、レーン4は、CM−Toyopearl カラム溶出液3倍
希釈後3.5μlの、レーン5は、最終製品1.0μlの
結果をそれぞれ示す。また、この製品を塩酸加水分解及
び過ぎ酸による酸化後の塩酸加水分解を行ってアミノ酸
分析に供し、その結果を後述の表3に、「酸化処理前」
の欄に示す。この製品は、表3に示すように、塩基配列
から予想される正しいアミノ酸組成値とほぼ一致した。
【0051】実施例8 (ムテインBFM4の酸化) 実施例7で得られたムテインBFM4の精製品に含まれ
るSH基の量を、5,5'−dithiobis−(2−nitrobenz
oic acid)を用いる方法(J. Sedlak and R.H. Lindsa
y, Anal. Biochem. 25,192−205(1968))
で分析した結果、6M塩酸グアニジン存在下ではムテイ
ン1分子当り2.8個のSH基が検出された。したがっ
て、アミノ酸配列中に存在する3つのシステイン残基
は、どれもS−S結合を形成していないと考えられた。
そこで、グルタチオン酸化還元緩衝液を用いて積極的に
S−S結合を形成させることを試みた。以下、3つのシ
ステイン残基のSH基がすべて還元状態にある分子を還
元型BFM4、75位システインと92位システインの
間に分子内S−S結合が形成された分子を酸化型BFM
4と称することにする。検討の結果、効率よくS−S結
合を形成させるには、終濃度で約0.3mg/ml還元型B
FM4、1mM 酸化型グルタチオン、0.2mM 還元型
グルタチオン、1mM EDTA、2M 尿素、100mM
Tris・HCl(pH8.0)を含む水溶液を空気中の酸
素をなるべく避けながら調製し、15℃で約24時間静
置すると良いことがわかった。還元型BFM4と酸化型
BFM4は逆相HPLCで別々に溶出されるため、酸化
反応の経過を分析することは容易であった。しかし、逆
相HPLCで溶出されたBFM4は部分的に活性を失っ
ているため、この方法を酸化型BFM4の精製の手段と
して利用できなかった。酸化処理前後でのBFM4の逆
相HPLC溶出パターンを図21(A)および(B)に示
す。用いたカラムは、東ソー(株)製TSKgel ODS−
120T(φ4.6×250mm)で、移動相には0.1%
トリフルオロ酢酸水溶液と、0.1%トリフルオロ酢酸
を含むアセトニトリルを用いた。溶出はアセトニトリル
の濃度を30%から38%まで16分間で上昇させるこ
とにより行った。試料は230nmの吸光度で検出した。
酸化処理終了後、少量のクエン酸を加えてpHを6.5に
調節し、セファデックスG−25を用いるゲル濾過法で
緩衝液を50mMクエン酸ナトリウム(pH6.5)に交
換した。最後に、限外濾過膜(Diaflo YM5,Amicon
社製)による濃縮を行い、濃度を0.78mg/mlとし
た。
【0052】このような酸化処理を行ったBFM4は、
SH基の定量の結果1分子当り1.0個のSH基を含む
ことがわかった。また、非還元条件のSDS−PAGE
では、分子間でS−S結合が形成された二量体に相当す
るバンドは、ほとんど見られなかった(図20−B)。
図20−Bにおいて、レーン1は分子量マーカー(上か
ら97.4k,66.2k,45.0k,31.0k,2
1.5k,14.4k)の、レーン2は酸化処理前のBF
M4 1.0μg の、レーン3は酸化処理後のBFM4
1.0μg の結果をそれぞれ示す。また、非還元SDS
−PAGEは、2−メルカプトエタノールを含まないLa
emmliの緩衝液とサンプルを混合し、室温で10分間静
置した後に通常のSDS−PAGEと同様に泳動を行っ
た。また、上記で得られた酸化型BFM4のアミノ酸分
析値を、表3の「酸化処理後」の欄に示す。表3に示す
ように酸化処理前後でアミノ酸組成に変化がないことか
ら、酸化型BFM4はグルタチオンの付加などの望まし
くない修飾が起きていないことがわかった。実施例2
(4)に記載のバイオアッセイで、酸化型BFM4の比
活性は、ウシ下垂体由来bFGFを基準にすると115
%±13%であった。
【0053】このようにして、活性を保ったまま分子内
にS−S結合を有するbFGFムテイン、酸化型BFM
4が得られた。
【表3】 アミノ酸分析は、サンプルを4%チオグリコール酸を含
む6N塩酸中で110℃,24時間加水分解した後に行
った。システインは、過ぎ酸酸化によりシステイン酸と
して定量した。
【0054】実施例9 (酸化型BFM4の酸に対する
安定性) 野生型の配列をもつヒトbFGF(以下hbFGFと記
す)、そのムテインであるhbFGFムテインCS23お
よび酸化型BFM4の酸性条件下における安定性を比較
するため以下の実験を行った。組換え型hbFGFは、文
献[M. Iwane ら、Biochem. Biophys, Res. Commun.
46,407−477(1987)]に記載の方法にした
がって調製し、1mMジチオスレイトール(DTT)を
含む50mMクエン酸ナトリウム緩衝液(pH6.5)中
に、濃度0.57mg/mlで溶解した状態のものを用い
た。hbFGFムテインCS23は文献[M. Seno ら,Bi
ochem. Biophys. Res. Commun. 151,701−70
8(1988)]に記載の方法で調製し、50mMクエン
酸ナトリウム緩衝液(pH6.5)中に、濃度1.00mg
/mlで溶解した状態のものを用いた。酸化型BFM4
は、実施例8で調製したものを用いた。hbFGF、hbF
GFムテインCS23、酸化型BFM4をそれぞれ終濃
度が10μg/mlとなるように酸性緩衝液A(5mM Gl
y・HCl(pH2.0),165mM NaCl)で、氷冷下
に希釈した。これらの溶液300μlずつを、1.5ml
のポリプロピレン製マイクロテストチューブにとり、3
7℃に静置した。15分、30分、60分、120分後
に、これらのチューブから、10μlずつサンプリング
し、直ちに0.1%BSAを含むDMEM(0℃)で1
00倍希釈することにより酸を中和した。中和後の溶液
はそのままバイオアッセイに供した。これとは別に、酸
性緩衝液Aの代わりに0.1%BSAを含むDMEMで
三種のタンパク質を同様に希釈した溶液を調製し、実施
例2(4)に記載した方法によるバイオアッセイに供し
た。これらの結果を0分での活性とみなし、これを10
0%として酸処理後のサンプルの残存活性を求め、結果
を図22に示す。図22において、△を黒くぬった印は
酸化型BFM4の結果を、○はhbFGFムテインCS2
3の結果を、●はhbFGFの結果をそれぞれ示す。これ
により、酸化型BFM4は、hbFGFに比較して酸処理
に対して大幅に安定化されていることが明らかになっ
た。また、酸化型BFM4は、hbFGFムテインCS2
3よりも酸に対してさらに安定化されていることが明ら
かとなった。
【0055】実施例10 (酸化型BFM4の熱に対す
る安定性) 中性pHにおける酸化型BFM4の熱安定性を、hbFG
F、hbFGFムテインCS23と比較するため、以下の
実験を行った。材料として用いたhbFGF、hbFGFム
テインCS23、酸化型BFM4は、実施例9で用いた
ものと同じである。これらを終濃度が10μl/mlにな
るように氷冷下PBS(phosphate buffered saline, p
H7.4)で希釈した。これらの溶液300μlずつを
1.5mlのポリプロピレン製マイクロテストチューブに
とって、50℃に静置した。0分、30分、60分、1
20分、180分後に、これらのチューブから10μl
ずつサンプリングし、0.1%BSAを含むDMEM
(0℃)で100倍希釈してバイオアッセイに供した。
0分における活性値を100%として熱処理後の各サン
プルの残存活性を求め、図23に示す結果が得られた。
図23において、△を黒くぬった印は酸化型BFM4の
結果を、○はhbFGFムテインCS23の結果を、●は
hbFGFの結果をそれぞれ示す。これにより、酸化型B
FM4は、hbFGFやhbFGFムテインCS23と比べ
て、熱に対しても安定であることが明らかになった。
【0056】
【発明の効果】本発明のbFGFまたはその活性誘導体
を構成するアミノ酸のうち少なくとも1つのアミノ酸が
システインに置換されたムテインは、酸,熱などに対す
る安定性が向上されているので、医薬として有利に使用
することができる。このように、本発明のムテインは安
定性が高いので、より低濃度で使用でき、保存性が良
く、剤形、投与方法の自由度が大きい、という特徴を有
する。
【0057】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:22 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA ハイポセティカル配列:No アンチセンス:Yes 配列の特徴 特徴を示す記号:mutation 存在位置:11..12 特徴を決定した方法:E 配列 TGCTGGCATA TGATTCGTAA TC 22
【0058】配列番号:2 配列の長さ:23 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA ハイポセティカル配列:No アンチセンス:Yes 配列の特徴 特徴を示す記号:mutation 存在位置:11..13 特徴を決定した方法:E 配列 CAGTTCGTTT GCATGCCACA TAC 23
【0059】配列番号:3 配列の長さ:21 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA ハイポセティカル配列:No アンチセンス:Yes 配列の特徴 特徴を示す記号:mutation 存在位置:11 特徴を決定した方法:E 配列 CATTGGAAGA CAAAGTATAG C 21
【0060】配列番号:4 配列の長さ:22 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 ハイポセティカル配列:No アンチセンス:Yes 配列の特徴 特徴を示す記号:mutation 存在位置:11..12 特徴を決定した方法:E 配列 TTCCTTCATA CACAGGTAAC GA 22
【0061】配列番号:5 配列の長さ:24 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA ハイポセティカル配列:No アンチセンス:Yes 配列の特徴 特徴を示す記号:mutation 存在位置:10,11,13 特徴を決定した方法:E 配列 AACAGACTTG CATGCTAGTA ATCT 24
【0062】配列番号:6 配列の長さ:444 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to mRNA ハイポセティカル配列:No アンチセンス:No 起源 ヒト 配列の特徴 特徴を示す記号:CDS 存在位置:1..444 特徴を決定した方法:E 配列の特徴 特徴を示す記号:mat peptide 存在位置:4..441 特徴を決定した方法:E 配列 ATG CCA GCA TTG CCC GAG GAT GGC GGC AGC GGC GCC TTC CCG CCC GGC 48 Pro Ala Leu Pro Glu Asp Gly Gly Ser Gly Ala Phe Pro Pro Gly 1 5 10 15 CAC TTC AAG GAC CCC AAG CGG CTG TAC TGC AAA AAC GGG GGC TTC TTC 96 His Phe Lys Asp Pro Lys Arg Leu Tyr Cys Lys Asn Gly Gly Phe Phe 20 25 30 CTG CGC ATC CAC CCC GAC GGC CGA GTT GAC GGG GTC CGG GAG AAG AGC 144 Leu Arg Ile His Pro Asp Gly Arg Val Asp Gly Val Arg Glu Lys Ser 35 40 45 GAC CCT CAC ATC AAG CTA CAA CTT CAA GCA GAA GAG AGA GGA GTT GTG 192 Asp Pro His Ile Lys Leu Gln Leu Gln Ala Glu Glu Arg Gly Val Val 50 55 60 TCT ATC AAA GGA GTG TGT GCT AAC CGT TAC CTG GCT ATG AAG GAA GAT 240 Ser Ile Lys Gly Val Cys Ala Asn Arg Tyr Leu Ala Met Lys Glu Asp 65 70 75 GGA AGA TTA CTG GCT TCT AAA TGT GTT ACG GAT GAG TGT TTC TTT TTT 288 Gly Arg Leu Leu Ala Ser Lys Cys Val Thr Asp Glu Cys Phe Phe Phe 80 85 90 95 GAA CGA TTG GAA TCT AAT AAC TAC AAT ACT TAC CGG TCA AGG AAA TAC 336 Glu Arg Leu Glu Ser Asn Asn Tyr Asn Thr Tyr Arg Ser Arg Lys Tyr 100 105 110 ACC AGT TGG TAT GTG GCA CTG AAA CGA ACT GGG CAG TAT AAA CTT GGA 384 Thr Ser Trp Tyr Val Ala Leu Lys Arg Thr Gly Gln Tyr Lys Leu Gly 115 120 125 TCC AAA ACA GGA CCT GGG CAG AAA GCT ATA CTT TTT CTT CCA ATG TCT 432 Ser Lys Thr Gly Pro Gly Gln Lys Ala Ile Leu Phe Leu Pro Met Ser 130 135 140 GCT AAG AGC TGA 444 Ala Lys Ser trm 145
【0063】配列番号:7 配列の長さ:444 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to mRNA ハイポセティカル配列:No アンチセンス:No 配列の特徴 特徴を示す記号:CDS 存在位置:444 特徴を決定した方法:E 配列の特徴 特徴を示す記号:mutation 存在位置:208, 210, 216, 255, 264, 266, 358, 359,
360 特徴を決定した方法:E 配列の特徴 特徴を示す記号:mat peptide 存在位置:4..441 特徴を決定した方法:E 配列 ATG CCA GCA TTG CCC GAG GAT GGC GGC AGC GGC GCC TTC CCG CCC GGC 48 Pro Ala Leu Pro Glu Asp Gly Gly Ser Gly Ala Phe Pro Pro Gly 1 5 10 15 CAC TTC AAG GAC CCC AAG CGG CTG TAC TGC AAA AAC GGG GGC TTC TTC 96 His Phe Lys Asp Pro Lys Arg Leu Tyr Cys Lys Asn Gly Gly Phe Phe 20 25 30 CTG CGC ATC CAC CCC GAC GGC CGA GTT GAC GGG GTC CGG GAG AAG AGC 144 Leu Arg Ile His Pro Asp Gly Arg Val Asp Gly Val Arg Glu Lys Ser 35 40 45 GAC CCT CAC ATC AAG CTA CAA CTT CAA GCA GAA GAG AGA GGA GTT GTG 192 Asp Pro His Ile Lys Leu Gln Leu Gln Ala Glu Glu Arg Gly Val Val 50 55 60 TCT ATC AAA GGA GTG AGC GCT AAT CGT TAC CTG GCT ATG AAG GAA GAT 240 Ser Ile Lys Gly Val Ser Ala Asn Arg Tyr Leu Ala Met Lys Glu Asp 65 70 75 GGA AGA TTA CTA GCT TCT AAG TCT GTT ACG GAT GAG TGT TTC TTT TTT 288 Gly Arg Leu Leu Ala Ser Lys Ser Val Thr Asp Glu Cys Phe Phe Phe 80 85 90 95 GAA CGA TTG GAA TCT AAT AAC TAC AAT ACT TAC CGG TCA AGG AAA TAC 336 Glu Arg Leu Glu Ser Asn Asn Tyr Asn Thr Tyr Arg Ser Arg Lys Tyr 100 105 110 ACC AGT TGG TAT GTG GCA TGC AAA CGA ACT GGG CAG TAT AAA CTT GGA 384 Thr Ser Trp Tyr Val Ala Cys Lys Arg Thr Gly Gln Tyr Lys Leu Gly 115 120 125 TCC AAA ACA GGA CCT GGG CAG AAA GCT ATA CTT TTT CTT CCA ATG TCT 432 Ser Lys Thr Gly Pro Gly Gln Lys Ala Ile Leu Phe Leu Pro Met Ser 130 135 140 GCT AAG AGC TGA 444 Ala Lys Ser trm 145
【0064】配列番号:8 配列の長さ:444 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to mRNA ハイポセティカル配列:No アンチセンス:No 配列の特徴 特徴を示す記号:CDS 存在位置:1..444 特徴を決定した方法:E 配列の特徴 特徴を示す記号:mutation 存在位置:208, 210, 216, 255, 264, 266, 421, 422,
423 特徴を決定した方法:E 配列の特徴 特徴を示す記号:mat peptide 存在位置:4..441 特徴を決定した方法:E 配列 ATG CCA GCA TTG CCC GAG GAT GGC GGC AGC GGC GCC TTC CCG CCC GGC 48 Pro Ala Leu Pro Glu Asp Gly Gly Ser Gly Ala Phe Pro Pro Gly 1 5 10 15 CAC TTC AAG GAC CCC AAG CGG CTG TAC TGC AAA AAC GGG GGC TTC TTC 96 His Phe Lys Asp Pro Lys Arg Leu Tyr Cys Lys Asn Gly Gly Phe Phe 20 25 30 CTG CGC ATC CAC CCC GAC GGC CGA GTT GAC GGG GTC CGG GAG AAG AGC 144 Leu Arg Ile His Pro Asp Gly Arg Val Asp Gly Val Arg Glu Lys Ser 35 40 45 GAC CCT CAC ATC AAG CTA CAA CTT CAA GCA GAA GAG AGA GGA GTT GTG 192 Asp Pro His Ile Lys Leu Gln Leu Gln Ala Glu Glu Arg Gly Val Val 50 55 60 TCT ATC AAA GGA GTG AGC GCT AAT CGT TAC CTG GCT ATG AAG GAA GAT 240 Ser Ile Lys Gly Val Ser Ala Asn Arg Tyr Leu Ala Met Lys Glu Asp 65 70 75 GGA AGA TTA CTA GCT TCT AAG TCT GTT ACG GAT GAG TGT TTC TTT TTT 288 Gly Arg Leu Leu Ala Ser Lys Ser Val Thr Asp Glu Cys Phe Phe Phe 80 85 90 95 GAA CGA TTG GAA TCT AAT AAC TAC AAT ACT TAC CGG TCA AGG AAA TAC 336 Glu Arg Leu Glu Ser Asn Asn Tyr Asn Thr Tyr Arg Ser Arg Lys Tyr 100 105 110 ACC AGT TGG TAT GTG GCA CTG AAA CGA ACT GGG CAG TAT AAA CTT GGA 384 Thr Ser Trp Tyr Val Ala Leu Lys Arg Thr Gly Gln Tyr Lys Leu Gly 115 120 125 TCC AAA ACA GGA CCT GGG CAG AAA GCT ATA CTT TGT CTT CCA ATG TCT 432 Ser Lys Thr Gly Pro Gly Gln Lys Ala Ile Leu Cys Leu Pro Met Ser 130 135 140 GCT AAG AGC TGA 444 Ala Lys Ser trm 145
【0065】配列番号:9 配列の長さ:444 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to mRNA ハイポセティカル配列:No アンチセンス:No 配列の特徴 特徴を示す記号:CDS 存在位置:1..444 特徴を決定した方法:E 配列の特徴 特徴を示す記号:mutation 存在位置:208, 210, 216, 226, 227, 255, 264, 266 特徴を決定した方法:E 配列の特徴 特徴を示す記号:mat peptide 存在位置:4..441 特徴を決定した方法:E 配列 ATG CCA GCA TTG CCC GAG GAT GGC GGC AGC GGC GCC TTC CCG CCC GGC 48 Pro Ala Leu Pro Glu Asp Gly Gly Ser Gly Ala Phe Pro Pro Gly 1 5 10 15 CAC TTC AAG GAC CCC AAG CGG CTG TAC TGC AAA AAC GGG GGC TTC TTC 96 His Phe Lys Asp Pro Lys Arg Leu Tyr Cys Lys Asn Gly Gly Phe Phe 20 25 30 CTG CGC ATC CAC CCC GAC GGC CGA GTT GAC GGG GTC CGG GAG AAG AGC 144 Leu Arg Ile His Pro Asp Gly Arg Val Asp Gly Val Arg Glu Lys Ser 35 40 45 GAC CCT CAC ATC AAG CTA CAA CTT CAA GCA GAA GAG AGA GGA GTT GTG 192 Asp Pro His Ile Lys Leu Gln Leu Gln Ala Glu Glu Arg Gly Val Val 50 55 60 TCT ATC AAA GGA GTG AGC GCT AAT CGT TAC CTG TGT ATG AAG GAA GAT 240 Ser Ile Lys Gly Val Ser Ala Asn Arg Tyr Leu Cys Met Lys Glu Asp 65 70 75 GGA AGA TTA CTA GCT TCT AAG TCT GTT ACG GAT GAG TGT TTC TTT TTT 288 Gly Arg Leu Leu Ala Ser Lys Ser Val Thr Asp Glu Cys Phe Phe Phe 80 85 90 95 GAA CGA TTG GAA TCT AAT AAC TAC AAT ACT TAC CGG TCA AGG AAA TAC 336 Glu Arg Leu Glu Ser Asn Asn Tyr Asn Thr Tyr Arg Ser Arg Lys Tyr 100 105 110 ACC AGT TGG TAT GTG GCA CTG AAA CGA ACT GGG CAG TAT AAA CTT GGA 384 Thr Ser Trp Tyr Val Ala Leu Lys Arg Thr Gly Gln Tyr Lys Leu Gly 115 120 125 TCC AAA ACA GGA CCT GGG CAG AAA GCT ATA CTT TTT CTT CCA ATG TCT 432 Ser Lys Thr Gly Pro Gly Gln Lys Ala Ile Leu Phe Leu Pro Met Ser 130 135 140 GCT AAG AGC TGA 444 Ala Lys Ser trm 145
【0066】配列番号:10 配列の長さ:444 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to mRNA ハイポセティカル配列:No アンチセンス:No 配列の特徴 特徴を示す記号:CDS 存在位置:1..444 特徴を決定した方法:E 配列の特徴 特徴を示す記号:mutation 存在位置:208, 210, 216, 255, 258, 260, 261, 264,
266 特徴を決定した方法:E 配列の特徴 特徴を示す記号:mat peptide 存在位置:4..441 特徴を決定した方法:E 配列 ATG CCA GCA TTG CCC GAG GAT GGC GGC AGC GGC GCC TTC CCG CCC GGC 48 Pro Ala Leu Pro Glu Asp Gly Gly Ser Gly Ala Phe Pro Pro Gly 1 5 10 15 CAC TTC AAG GAC CCC AAG CGG CTG TAC TGC AAA AAC GGG GGC TTC TTC 96 His Phe Lys Asp Pro Lys Arg Leu Tyr Cys Lys Asn Gly Gly Phe Phe 20 25 30 CTG CGC ATC CAC CCC GAC GGC CGA GTT GAC GGG GTC CGG GAG AAG AGC 144 Leu Arg Ile His Pro Asp Gly Arg Val Asp Gly Val Arg Glu Lys Ser 35 40 45 GAC CCT CAC ATC AAG CTA CAA CTT CAA GCA GAA GAG AGA GGA GTT GTG 192 Asp Pro His Ile Lys Leu Gln Leu Gln Ala Glu Glu Arg Gly Val Val 50 55 60 TCT ATC AAA GGA GTG AGC GCT AAT CGT TAC CTG GCT ATG AAG GAA GAT 240 Ser Ile Lys Gly Val Ser Ala Asn Arg Tyr Leu Ala Met Lys Glu Asp 65 70 75 GGA AGA TTA CTA GCA TGC AAG TCT GTT ACG GAT GAG TGT TTC TTT TTT 288 Gly Arg Leu Leu Ala Cys Lys Ser Val Thr Asp Glu Cys Phe Phe Phe 80 85 90 95 GAA CGA TTG GAA TCT AAT AAC TAC AAT ACT TAC CGG TCA AGG AAA TAC 336 Glu Arg Leu Glu Ser Asn Asn Tyr Asn Thr Tyr Arg Ser Arg Lys Tyr 100 105 110 ACC AGT TGG TAT GTG GCA CTG AAA CGA ACT GGG CAG TAT AAA CTT GGA 384 Thr Ser Trp Tyr Val Ala Leu Lys Arg Thr Gly Gln Tyr Lys Leu Gly 115 120 125 TCC AAA ACA GGA CCT GGG CAG AAA GCT ATA CTT TTT CTT CCA ATG TCT 432 Ser Lys Thr Gly Pro Gly Gln Lys Ala Ile Leu Phe Leu Pro Met Ser 130 135 140 GCT AAG AGC TGA 444 Ala Lys Ser trm 145
【図面の簡単な説明】
【図1】天然型ヒトbFGFをコードする塩基配列の一
例、およびヒトbFGFのアミノ酸配列を示す。
【図2】実施例1,2,3,4および5で用いられた特
異的部位指向性変異誘発のプライマーを、対応する部位
の変異前の配列(上段に示す。)とともに示す。
【図3】実施例1におけるプラスミドpUCB23の構
築図を示す。
【図4】実施例1におけるプラスミドpUCN23の構
築図を示す。
【図5】実施例2におけるプラスミドpUCBFM2の
構築図を示す。
【図6】実施例2におけるプラスミドpBFM2の構築
図を示す。
【図7】実施例2おけるプラスミドpBFM2が保持す
るヒトbFGFムテインBFM2をコードする塩基配列
と、対応するアミノ酸配列を示す。下線は、天然型と異
なる塩基を、上線は天然型と異なるアミノ酸残基を示
す。
【図8】実施例3におけるプラスミドpUCBFM3の
構築図を示す。
【図9】実施例3におけるプラスミドpBFM3の構築
図を示す。
【図10】実施例3におけるプラスミドpBFM3が保
持するヒトbFGFムテインBFM3をコードする塩基
配列と、対応するアミノ酸配列を示す。下線は、天然型
と異なる塩基を、上線は天然型と異なるアミノ酸残基を
示す。
【図11】実施例4におけるプラスミドpUCBFM4
の構築図を示す。
【図12】実施例4におけるプラスミドpBFM4の構
築図を示す。
【図13】実施例4におけるプラスミドpBFM4が保
持するヒトbFGFムテインBFM4をコードする塩基
配列と、対応するアミノ酸配列を示す。下線は、天然型
と異なる塩基を、上線は天然型と異なるアミノ酸残基を
示す。
【図14】実施例5におけるプラスミドpUCBFM5
の構築図を示す。
【図15】実施例5におけるプラスミドpBFM5の構
築図を示す。
【図16】実施例5におけるプラスミドpBFM5が保
持するヒトbFGFムテインBFM5をコードする塩基
配列と、対応するアミノ酸配列を示す。下線は、天然型
と異なる塩基を、上線は天然型と異なるアミノ酸残基を
示す。
【図17】実施例2(2),3(2),4(2),5
(2)において、ムテインを発現する前と発現させた後
のSDS−PAGEの結果を示す。ここにおいて、レー
ン1は分子量マーカーを、レーン2はBFM2,IPT
G添加前を、レーン3はBFM2,IPTG添加後3時
間を、レーン4はBFM3,IPTG添加前を、レーン
5はBFM3,IPTG添加後3時間を、レーン6はB
FM4,IPTG添加前を、レーン7はBFM4,IP
TG添加後3時間を、レーン8はBFM5,IPTG添
加前を、レーン9はBFM5,IPTG添加後3時間
を、レーン10は精製ムテインCS23をそれぞれ示
す。
【図18】実施例2(2),3(2),4(2),5
(2)において、ムテインを発現させた菌体のSDS−
PAGEと、イムノブロッティングの結果を示す。ここ
においてAは、クーマシーブリリアントブルーによる蛋
白染色を、Bはイムノブロッティングをそれぞれ示す。
また、レーン1は分子量マーカーを、レーン2はBFM
2を、レーン3はBFM3を、レーン4はBFM4を、
レーン5はBFM5を、レーン6は精製ムテインCS2
3をそれぞれ示す。
【図19】実施例6におけるBFM5精製過程のサンプ
ルのSDS−PAGEの結果を示す。ここにおいて、レ
ーン1はQAE−Toyopearlカラム素通り画分4.5μl
を、レーン2はCM−Toyopearlカラム溶出液2倍希釈
後10μlを、レーン3はCM−Toyopearlカラム溶出
液2倍希釈後3.5μlを、レーン4は最終精製標品1.
1μl(1.0μg)を、レーン5は精製ムテインCS2
3をそれぞれ示す。
【図20】(A)は、実施例7で得られた、BFM4の精
製過程のサンプルのSDS−PAGEの結果を示す。
(B)は、実施例8で得られた酸化処理前(還元型)のB
FM4と、酸化処理後(酸化型)BFM4の非還元SD
S−PAGEの結果を示す。
【図21】(A)は、実施例8で得られた、酸化処理前の
BFM4を逆相HPLCで分析した際の溶出パターンを
示す。(B)は、実施例8で得られた、酸化処理後のBF
M4を逆相HPLCで分析した際の溶出パターンを示
す。
【図22】実施例9で得られた、pH2、37℃での酸
化型BFM4の安定性の結果を示す。
【図23】実施例10で得られた、pH7.4、50℃で
の酸化型BFM4の安定性の結果を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI A61K 38/22 A61P 17/02 A61P 7/02 43/00 107 9/10 101 (C12N 1/21 17/02 C12R 1:19) 43/00 107 (C12P 21/02 (C12N 1/21 C12R 1:19) C12R 1:19) C12N 15/00 A (C12P 21/02 A61K 37/02 C12R 1:19) 37/24 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07K 14/50 ZNA C12N 1/21 C12N 15/09 C12N 15/16 C12N 15/70 C12P 21/02 A61K 38/00 A61K 38/22 A61P 7/02 A61P 9/10 101 A61P 17/02 A61P 43/00 107 C12N 1/21 C12R 1:19

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】配列番号:6で表わされるアミノ酸配列を
    有するヒト塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF)また
    は配列番号:6で表わされるアミノ酸配列の第69位お
    よび第87位のCysがSerに置換されたアミノ酸配
    列を有するヒトbFGFムテインCS23を構成するア
    ミノ酸のうち第75位のアミノ酸がシステインに置換さ
    れ、第92位のシステインと相互にS−S結合形成可能
    なムテイン。
  2. 【請求項2】配列番号:6で表わされるアミノ酸配列を
    有するヒト塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF)また
    は配列番号:6で表わされるアミノ酸配列の第69位お
    よび第87位のCysがSerに置換されたアミノ酸配
    列を有するヒトbFGFムテインCS23を構成するア
    ミノ酸のうち偶数個のシステインが1組毎に20位−5
    2位、21位−142位、27位−135位、33位−
    50位、49位−69位または81位−126位に置換
    により導入されたムテイン。
  3. 【請求項3】分子内の2つのシステインの間でS−S結
    合を形成せしめた請求項1または2記載のムテイン。
  4. 【請求項4】配列番号:7〜配列番号:10のいずれか
    の配列番号で表わされるアミノ酸配列を有する、塩基性
    線維芽細胞成長因子(bFGF)のムテイン。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかに記載のムテイン
    をコードする塩基配列を有する組換えDNA。
  6. 【請求項6】請求項5記載の組換えDNAを含むベクタ
    ー。
  7. 【請求項7】請求項6記載のベクターを保持する形質転
    換体。
  8. 【請求項8】請求項7記載の形質転換体を培地に培養す
    ることを特徴とする請求項1〜4載のムテインの製造
    法。
  9. 【請求項9】請求項1〜4記載のムテインを酸化反応に
    付することを特徴とする請求項3記載のムテインの製造
    法。
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