JP3302703B2 - 有機薄膜素子 - Google Patents

有機薄膜素子

Info

Publication number
JP3302703B2
JP3302703B2 JP05135991A JP5135991A JP3302703B2 JP 3302703 B2 JP3302703 B2 JP 3302703B2 JP 05135991 A JP05135991 A JP 05135991A JP 5135991 A JP5135991 A JP 5135991A JP 3302703 B2 JP3302703 B2 JP 3302703B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
substrate
organic thin
thin film
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP05135991A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04211229A (ja
Inventor
俊夫 中山
信弘 源間
明 三浦
勝之 内藤
俊 江草
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP05135991A priority Critical patent/JP3302703B2/ja
Publication of JPH04211229A publication Critical patent/JPH04211229A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3302703B2 publication Critical patent/JP3302703B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electrochromic Elements, Electrophoresis, Or Variable Reflection Or Absorption Elements (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は有機薄膜素子に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、有機分子の多彩な物性を利用し
て、従来の半導体デバイスにはない新規な機能を有する
デバイスを実現しようとする分子エレクトロニクスへの
関心が高まっている。これまでに、有機分子を非線形光
学素子、スイッチング素子、電界発光素子などへ応用し
ようとする研究が活発に行われている。これらの素子へ
の応用という観点からは、有機分子間の電荷移動現象が
特に注目される。
【0003】有機材料のうちには、イオン化ポテンシャ
ルが小さく、他の分子に電子を供給して自らは正のイオ
ンになりやすいドナー性分子と、電子親和力が大きく、
他の分子から電子を受け取って自らは負のイオン状態に
なりやすいアクセプタ性分子とがある。これら2種の分
子間には、電荷移動錯体と称される化合物が形成される
ことはよく知られている。例えば、ペリレンとテトラシ
アノキノジメタン(TCNQ)との化合物は、中性分子
からなる化合物である。一方、テトラメチルフェニレン
ジアミン(TMPD)とTCNQとの化合物は、それぞ
れの分子が正、負となったイオン性の化合物である。ま
た、テトラチアフルバレン(TTF)とクロラニル(C
A)との化合物は、温度や圧力の変化によって中性−イ
オン性転移が観測されることも知られている(J.B.
Torrance et al.:Phys.Rev.
Lett.,46,253(1981))。
【0004】このような有機分子における電荷移動現象
を、電気素子、光学素子の動作原理として応用する場合
に重要な点は、電界や光により、いかに効率よく、しか
も制御性よく電荷移動を起こさせるかということであ
る。最近、電荷移動錯体の電気的特性に関して、興味あ
る結果が報告されている(十倉好紀ら:1988年秋、
物理学会予稿集、3a−S4−1,3a−S4−2,3
a−S4−3他、Y.Tokura et al.:P
hysica 143B,527(1986))。すな
わち、ドナー性分子とアクセプタ性分子とが、互いに分
子面を向かい合わせて積層されている交互積層型錯体結
晶では、比誘電率の異方性が高く、積層方向の比誘電率
が100〜1000と極めて高いこと、103 〜104
V/cmオーダーの電界下で非線形な電気伝導やスイッ
チング特性が観察されることが報告されている。その原
因として、中性結晶内に熱的又は電気的に生成されたイ
オン性ドメイン又はイオン性結晶内の中性ドメインが、
電界により動力学的に動くことが考えられている。
【0005】この現象は、中性−イオン性転移と関連性
があるものの、極めて局所的な変化であって、結晶全体
が巨視的に変化しているわけではない。現状では、電界
や光による巨視的な中性−イオン性転移は実現していな
い。
【0006】電荷移動錯体において、電界により巨視的
な中性−イオン性転移を起こすためには、素子内の電界
の方向と、ドナー性分子及びアクセプタ性分子の積層軸
の方向が一致していることが極めて重要である。このよ
うに有機分子の特性を活かしたデバイスを実現するため
には、膜厚などのサイズや膜内の構造的均一性はもちろ
んのこと、膜内の1分子オーダーでの分子配列、隣接す
る分子間の相互配置及び分子配向を制御することが非常
に重要となる。
【0007】近年、分子配向、配列が制御された超薄膜
を作製する方法の一つとして、Langmuir−Bl
odgett(LB)法が注目を集めている。これは、
水面上に形成された単分子膜を一層ずつ基板上に累積し
て、同種又は異種の超格子膜を作製する方法である。し
かし、実際には、水面上に展開された膜中の分子のパッ
キング状態や均一性が悪く、基板に累積する際に単分子
膜構造が乱れるという問題がある。このため、膜全体又
は累積層間の分子配向が制御された超格子薄膜を形成で
きるレベルには至っていない。LB法による成膜技術を
向上させるためには、LB法に適した分子の設計と、そ
の合成技術の確立が必要となっている。
【0008】一方、特別な分子設計を必要とせず、ほと
んどの有機分子に容易に適用できる技術として、真空蒸
着法に関する研究も盛んに行われている。しかし、真空
蒸着法では、分子蒸発源をいったんガス化して再び凝集
させるため、ガス化分子の供給速度、基板表面に付着し
た分子の表面拡散や結晶化などの速度のバランス、吸着
分子と基板表面との相互作用に依存して、膜構造や分子
配向が種々変化することが予想される。
【0009】従来の有機蒸着膜に関する研究では、主と
して長鎖炭化水素系直線状分子やフタロシアニンなどの
平板状分子について、種々の基板上での薄膜成長過程と
分子配向に関する検討がなされてきた。基板としては、
電子顕微鏡、電子線回折による評価を目的とする場合に
は単結晶アルカリハライド、単結晶金属;光学的評価を
目的とする場合には石英;電気的評価を目的とする場合
にはSi単結晶;などが主に用いられている。蒸着条件
については、基板温度及び蒸着速の影響を調べた例が多
い。アメリカのVincettらは、蒸着材料、基板の
種類によらず、絶対温度で基板温度を蒸着材料の沸点の
1/3に設定することにより、均一な連続膜が形成でき
ると報告している。しかし、蒸着条件を適正化しただけ
では、任意の基板上に蒸着される有機薄膜の配向を制御
することは極めて困難である。
【0010】基板がその上に蒸着される有機薄膜の分子
配向に及ぼす影響については、以下のような研究が知ら
れている。(1)西ドイツのKarlらは、清浄なSi
単結晶表面に形成された数分子層のペリレンテトラカル
ボキシジアンヒドライド蒸着膜では、分子面が基板表面
に平行に配向していることを報告している。(2)原
は、分子線蒸着法を用いたフタロシアニン蒸着膜の研究
において、通常の高真空蒸着では不連続膜しか形成でき
ない条件でも、超高真空下で蒸着速度を0.1nm/m
in程度の非常に遅い条件にすることにより、均一な連
続膜で、しかも分子面が基板表面に平行配向した膜を形
成できると報告している。この研究では無機基板と蒸着
された有機結晶との格子不整合を回避する目的で、ファ
ンデアワールス・エピタキシーの考え方に基づき、基板
として層状化合物であるMoS2が用いられている。
(3)原田らは、グラファイト基板上に形成された数分
子層のペンタセン蒸着膜では、分子面が基板表面に平行
配向していることを報告している。
【0011】ただし、このように真空蒸着法による薄膜
形成に関して多種多様な研究がなされているにもかかわ
らず、膜構造、分子配向の制御因子が統一的に理解され
ている状況ではない。
【0012】本発明者らは、基板と蒸着分子との間に生
じる相互作用に着目して、鋭意検討した。その結果、芳
香族系分子の蒸着膜を成膜する場合、蒸着膜と化学構造
及び電子構造の点で類似性の高い高配向グラファイト基
板を用い、蒸着条件を適正化すれば、均一な連続膜が容
易に形成できることを見出した。また、高配向グラファ
イト基板上に蒸着される芳香族系分子の配向を決定づけ
る因子は、グラファイト基板表面のπ電子と芳香族分子
のπ電子との間に生じるファンデアワールス相互作用で
あると推定される。この相互作用により、分子はその主
たる分子面が基板と平行になるように配向された状態で
エネルギー的に最も安定となると考えられる。しかし、
グラファイト基板を用いた場合には、電子デバイス又は
光学デバイスとしての素子構成が困難である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】前述したように、ドナ
ー性分子とアクセプタ性分子との電荷移動錯体におい
て、電界による中性−イオン性転移を起こさせるために
は、錯体の積層軸の方向と、電界の印加される方向とを
一致させることが重要である。しかし、薄膜形成条件を
適正化するだけでは、任意の基板上で有機薄膜の配向を
制御することは極めて困難である。また、グラファイト
基板を用い、有機薄膜の形成条件を適性化すれば、有機
薄膜の配向を制御することが容易となるが、グラファイ
ト基板を用いた場合には、電子デバイス又は光学デバイ
スとしての素子構成が困難である。
【0014】本発明の目的は、基板の材質及び各層の積
層構造にかかわらず、有機薄膜の構造及び配向性を制御
することができ、表示素子などとして実用化できる有機
薄膜素子を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段と作用】本発明の有機薄膜
素子は、基板上に、ドナー性分子とアクセプタ性分子と
を含む有機薄膜層を形成した有機薄膜素子において、前
記基板が、基板本体と、基板本体上に積層された多環芳
香族分子もしくはその誘導体からなる層又はグラファイ
ト構造を有する炭素層を具備することを特徴とするもの
である。以下、本発明をより詳細に説明する。
【0016】本発明の有機薄膜素子は、基本的には、基
板(その表面に多環芳香族分子もしくはその誘導体から
なる層又はグラファイト構造を有する炭素層が形成され
ている)上に、ドナー性分子とアクセプタ性分子とをと
もに含む有機薄膜層が形成された構造を有している。た
だし、実用的な素子においては、一般的に、基板とし
て、基板本体上に電極、絶縁層及び多環芳香族分子もし
くはその誘導体からなる層又はグラファイト構造を有す
る炭素層が順次形成されたものが用いられ、その上に有
機薄膜層、絶縁層及び背面電極が順次形成された構造が
採用される。有機薄膜層は超格子構造をなしていてもよ
い。
【0017】本発明において、基板本体の材質は特に限
定されず、金属、半導体(回路や接合などを形成したも
のを含む)、誘電体、石英などが挙げられる。その表面
に形成される電極としては、金属薄膜、ITO(ind
ium tinoxide)膜などが挙げられる。前述
したようにその表面に絶縁層を形成する場合、この絶縁
層は有機薄膜層に実効的に強電界を印加できるようにす
る作用を有する。すなわち、一般に有機薄膜層に印加さ
れる電界が強くなると、有機薄膜層を流れる電流が大幅
に増加するため、ある程度以上の電界を実現することが
できない。これに対して、電極と有機薄膜層との間に絶
縁層を設けておけば、強電界を印加しても有機薄膜層を
流れる電流が増加することがなく、有機薄膜層に実効的
に強電界を印加でき、電荷移動を有効に起こさせること
ができる。絶縁層としては、SiO2 、SrTiO3
有機高分子などが用いられる。特に、有機薄膜層により
高い電界を印加するためには、比誘電率が10以上の絶
縁材料、例えばSrTiO3 などの強誘電体を用いるこ
とが好ましい。
【0018】また、基板本体上にグラファイト構造を有
する炭素層を形成する場合、基板本体の表面にPt、P
d、Ni、Ir、Rh、Co、Os、Ru、Fe、R
e、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、H
o、Ybなどのd電子、f電子を有する遷移金属、又は
WC、TiC、TaC、HfCなどの遷移金属炭化物の
薄膜を形成しておくことが好ましい。
【0019】本発明において、基板の表面層を構成する
多環芳香族分子及びその誘導体としては、ベンゼノイド
系の縮合芳香族、二環系又は多環系の環集合、非ベンゼ
ノイド系の芳香族、複素環芳香族、縮合芳香族誘導体、
大環状芳香族、芳香族系高分子などが挙げられる。
【0020】ベンゼノイド系の縮合芳香族の具体例を例
示すると、ナフタレン、アントラセン、ペンタセン、ヘ
キサセン、ヘプタフェン、トリフェニレン、ベンズ
[a]アントラセン、クリセン、ベンゾ[c]フェナン
スレン、ピセン、ジベンズ[a,j]アントラセン、ジ
ベンズ[a,c]アントラセン、ジベンズ[a,h]ア
ントラセン、ナフト[2,3−a]アントラセン、ナフ
ト[2,1−a]アントラセン、ベンズ[a]ナフタセ
ン、ナフト[2,3−a]ナフタセン、ジベンゾ[a,
l]ナフタセン、ジベンゾ[a,j]ナフタセン、ジベ
ンゾ[c,g]フェナントレン、ピレン、ペリレン、
1,12−ベンズピレン、ナフト[2,1−a]ピレ
ン、ジナフトアントラセン、テリレン、クォーテリレ
ン、ベンゾ[a]ピレン、ベンゾ[e]ピレン、[1
8]アヌレン、2,3;8,9−ジベンゾペリレン、ア
ントラセノ[2,1−a]アントラセン、フェナントレ
ノ[2,3−a]アントラセン、トリベンゾ[a,c,
h]アントラセン、ナフト[2,3−a]ピレン、ジベ
ンゾ[a,i]ピレン、ジベンゾ[a,l]ピレン、ゼ
トレン、アントアントレン、テトラベンゾナフタリン、
コロネン、テトラベンゾ[a,c,h,j]アントラセ
ン、ピラントレン、ビスアンスレン、ベンゾビスアンス
レン、1,2;7,8−ジベンゾコロネン、2,3;
8,9−ジベンゾコロネン、オバレン、ヘキサベンゾコ
ロネン、トリベンゾ[a,i,l]ピレン、ビオランス
レン、テトラベンゾ[a,cd,j,lm]ペリレン、
ジフェナンスロペリレン、アントラベンゾナフトペンタ
セン、1、9、5、10−ジペリナフチレンアントラセ
ン、ジナフト[7´,1´;1,13;1”,7”;
6,8]ペロピレン、デカベンゾアンスラセン、ジフェ
ニレンナフタセンなどが挙げられる。環集合の具体例を
例示すると、ビフェニル、ターフェニル、クォーターフ
ェニルなどが挙げられる。非ベンゼノイド系の芳香族の
具体例を例示すると、フルオレン、フルオランテン、デ
カサイクレン、ジインデノ[1,2,3−cd;1´,
2´,3´−lm]ペリレン、アズレンなどが挙げられ
る。複素環芳香族の具体例を例示すると、カルバゾー
ル、アクリジン、フェナジン、チアントレンなどが挙げ
られる。縮合芳香族誘導体の具体例を例示すると、ペリ
レンキノン、ビオランスロン、イソビオランスロン、ナ
フタリックアンヒドライド、ナフタレンテトラカルボキ
シリックジアンヒドライド、ペリレンテトラカルボキシ
リックジアンヒドライドなどが挙げられる。大環状芳香
族の具体例を例示すると、ケクレン、フタロシアニン、
ポルフィリンなどが挙げられる。芳香族系高分子の具体
例を例示すると、ポリパラフェニレンビニレン、ポリイ
ミド、ポリアミド、ポリオキサジアゾール、ポリベンゾ
イミダゾールなどが挙げられる。なお、これらの多環芳
香族分子及びその誘導体は、ドナー性又はアクセプタ性
を個々に有している場合、ドナー性又はアクセプタ性が
弱く、実用性に乏しい。
【0021】多環芳香族分子及びその誘導体からなる基
板の表面層は、真空蒸着法、吸着法、LB法、化学結合
を介して成膜する方法、加熱重合などの方法によって形
成することができる。また、これらの方法で形成された
膜に荷電粒子を照射してもよい。
【0022】吸着法をより具体的に説明すると、多環芳
香族分子又はその誘導体の溶液に基板本体を浸漬した
後、溶媒を蒸発させる方法;多環芳香族分子又はその誘
導体の蒸気中に基板本体を放置する方法;などが挙げら
れる。
【0023】LB法を用いる場合には、多環芳香族分子
に少なくとも1本の疎水基を導入した誘導体を合成して
おく。一方、基板本体には疎水化処理を施しておく。そ
して、水面上に多環芳香族分子の誘導体の溶液を滴下
し、単分子膜を展開して圧縮した後、水平付着法又は垂
直浸漬法により、基板本体上に単分子膜を累積する。こ
の場合、疎水基の本数及び単分子膜の表面圧を適正化す
ることにより、多環芳香族分子の主たる分子面が基板本
体表面に平行に配向した層を形成することができる。
【0024】化学結合を介して成膜する方法としては、
例えば多環芳香族分子のシラン誘導体を用い、基板本体
上の絶縁層(例えばSiO2 )表面の水酸基と縮合反応
させることにより、多環芳香族分子の誘導体の膜を形成
する方法が挙げられる。特に、多環芳香族分子に縮合反
応を起こす官能基を複数個導入しておくことにより、多
環芳香族分子の分子面を基板本体に平行に配向させるこ
とが容易となる。この方法で用いられる多環芳香族分子
誘導体の具体例を例示すると、クロロシラン誘導体、例
えばジクロロジメチルシリル誘導体、ジクロロジフェニ
ルシリル誘導体、トリクロロシリル誘導体、ビストリク
ロロシリル誘導体、トリストリクロロシリル誘導体、テ
トラキストリクロロシリル誘導体などが挙げられる。ま
た、多環芳香族分子にチタネートカップリング剤又は金
属表面処理に用いられる金属錯体表面改質剤を導入した
誘導体を用いることもできる。以上の方法とは逆に、基
板本体の表面を、エポキシ基やアミノ基を導入したYR
SiX3 型のシランカップリング剤で修飾した後、多環
芳香族分子又はその誘導体と縮合反応させる方法を用い
ることもできる。
【0025】加熱重合による方法は、基板本体上に、架
橋性の多環芳香族分子誘導体の膜、多環芳香族分子又は
その誘導体と架橋剤との混合膜、芳香族高分子の膜を形
成した後、加熱処理することにより、膜中の分子を重合
又は縮合させて、より大きな多環芳香族分子骨格を形成
するものである。
【0026】また、加熱重合以外の方法で成膜された膜
に、荷電粒子を照射すると、分子間の重縮合が促進さ
れ、より大きな多環芳香族分子の骨格を形成することが
できる。荷電粒子としては、電子線、イオンビーム、プ
ラズマなどが挙げられる。荷電粒子を用いれば、加熱重
合の場合のように高温を必要とせず、効率よく分子を重
縮合させることができる。また、荷電粒子のビームをパ
ターン化して照射することにより、大きな多環芳香族分
子の骨格を有する膜を所定のパターンで形成することが
でき、その上に有機薄膜層のパターンをセルフアライン
で形成することができる。
【0027】グラファイト構造を有する炭素層は、基板
本体表面に炭化水素を吸着させ、この炭化水素を熱分解
することにより形成される。このような表面吸着種の熱
的構造変化は、Langらによって報告されている(S
urface Scien−ce,53,(1975)
317)。この際、前述したように基板本体の表面に遷
移金属又は遷移金属炭化物の薄膜を形成しておけば、吸
着された炭化水素の熱的構造変化を促進することができ
る。具体的には、基板温度500〜1500Kで、エチ
レン、アセチレンなどの炭化水素ガスを数十〜数百ラン
グミュア吸着させると、脱水素反応が進行して、グラフ
ァイト構造を有する炭素層が形成される。
【0028】これらの方法により、基板表面で多環芳香
族分子又はグラファイト構造を有する炭素をその分子面
を基板本体表面に平行に配向させて形成することがで
き、グラファイト単結晶のへき開面と類似の表面構造を
得ることができる。
【0029】本発明において、ドナー性分子とアクセプ
タ性分子をともに含む有機薄膜層としては、互いに分子
面を向かい合わせて積層されている交互積層型電荷移動
錯体結晶を用いることが好ましい。交互積層型電荷移動
錯体を用いた場合、膜が成長する段階で自動的にドナー
分子、アクセプタ分子が交互に積層された構造が構築さ
れるため、電荷移動の効率を高めることができる。
【0030】交互積層型電荷移動錯体の具体例を例示す
ると、フェノチアジン−TCNQ、テトラジアミノピレ
ン−TCNQ、TTF−クロラニル、TTF−フルオラ
ニル、ジベンゼンTTF−TCNQ、ジエチルジメチル
テトラセレナフルバレン−ジエチルTCNQ、テトラジ
アミノピレン−フルオラニル、TTF−ジクロロジシア
ノベンゾキノン、ペリレン−テトラシアノエチレン、ペ
リレン−TCNQ、TTF−ジニトロベンゼン、ペリレ
ン−クロラニル、ピレン−テトラシアノエチレン、ピレ
ン−クロラニル、アントラセン−クロラニル、ヘキサメ
チルベンゼン−クロラニル、ナフタレン−テトラシアノ
エチレン、アントラセン−パイロメリチックジアンヒド
ライド、アントラセン−テトラシアノベンゼン、フェナ
ントレン−パイロメリチックジアンヒドライドなどをは
じめとする数多くの錯体が挙げられる。
【0031】なお、ドナー性分子とアクセプタ性分子と
をともに含む有機薄膜層の厚さが厚いと、膜内で発生し
たキャリアが作る電界によって、膜に印加される実効電
界が減少する。しかし、膜厚がそのデバイ長(約30n
m)以下であれば、キャリアによって作られる電界をス
クリーニングすることができるようになる。しかも、錯
体がイオン性である場合には、膜厚を薄くすることによ
って、錯体安定化エネルギーのうち、マーデルングエネ
ルギー項の寄与が低減されて中性に転移する。このた
め、錯体の電荷移動状態を、転移の境界条件付近に設定
することができる。
【0032】また、有機薄膜層は、複数の錯体層と、多
環芳香族分子又はその誘導体からなる層とを交互に積層
した超格子構造としてもよい。このような構造を採用す
れば、電圧変化により、複数の錯体の中性−イオン性状
態の変化を制御することができる。
【0033】本発明において、有機薄膜層上に絶縁層を
設ける場合、有機薄膜層へ悪影響が及ばないように、有
機高分子膜を真空蒸着法により形成することが好まし
い。また、背面電極としては金属薄膜などを用いること
ができる。
【0034】本発明の有機薄膜素子では、基板の表面
に、分子平面にπ電子が広がった多環芳香族分子の主た
る分子面を基板本体と平行に配向させた層、又はグラフ
ァイト構造を有する炭素層を形成しているので、任意の
基板においてグラファイト単結晶のへき開面に類似した
表面電子構造が得られる。そして、基板表面とその上の
有機薄膜層を構成する分子との化学構造が類似している
ので、有機薄膜層の配向を制御する効果が強くなる。し
たがって、電界により、錯体の中性−イオン性転移を有
効に起こさせることができ、例えば表示素子などとして
実用化できる有機薄膜素子を提供することができる。同
様に、基板本体側の電気的特性、又は光学的特性を適宜
設定することにより、所望の機能を有する有機薄膜素子
を作製することができる。以下、本発明に係る有機薄膜
素子の構造及び動作原理を簡単に説明する。 (a)表示素子
【0035】基板本体としての透明基板、透明電極、絶
縁層、及び多環芳香族分子もしくはその誘導体からなる
層又はグラファイト構造を有する炭素層からなる基板上
に、有機薄膜層、絶縁層及び背面電極が順次形成された
構造を有する。この表示素子では、電極から有機薄膜に
電界を印加することにより、有機薄膜層を構成する交互
積層型電荷移動錯体が中性からイオン性へと転移し、光
の吸収波長が変化するので、表示機能を得ることができ
る。 (b)電界効果トランジスタ(FET)
【0036】基板本体としての半導体基板表面に形成さ
れたソース、ドレイン領域間のチャネル領域上に、ゲー
ト絶縁膜、多環芳香族分子もしくはその誘導体からなる
層又はグラファイト構造を有する炭素層、有機薄膜層、
ゲート電極を順次形成した基本構造を有する。このFE
Tでは、ゲート電圧を徐々に増加させると、ある電圧値
で有機薄膜層を構成する交互積層型電荷移動錯体が中性
からイオン性へと転移してドレイン電流が急激に増加す
るので、スイッチング機能を示す。また、いずれの素子
でも、有機薄膜層を超格子構造にすれば、多値の表示機
能又はスイッチング機能を得ることができる。
【0037】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。以下の実
施例では、図1〜図3に示す構造の有機薄膜素子を形成
した。
【0038】図1の有機薄膜素子は、基板本体1表面に
多環芳香族分子もしくはその誘導体からなる層、又はグ
ラファイト構造を有する炭素層5を形成した基板11上
に、有機薄膜層12を形成したものである。
【0039】図2の有機薄膜素子は、基板本体1表面に
多環芳香族分子又はその誘導体からなる層5を形成した
基板11上に、第1の有機薄膜層12、多環芳香族分子
又はその誘導体からなる層5、及び第2の有機薄膜層1
3を順次形成した超格子構造を有するものである。
【0040】図3の有機薄膜素子は、基板本体1表面に
電極2、絶縁層3、及び多環芳香族分子もしくはその誘
導体からなる層、又はグラファイト構造を有する炭素層
5を形成した基板11上に、有機薄膜層12、絶縁層1
4、及び背面電極15を順次形成したものである。 実施例1
【0041】Si基板本体上に、真空蒸着法により、基
板温度50℃の条件で膜厚約10nmのデカサイクリン
膜を形成した。この基板上に、真空蒸着法により、膜厚
約100nmのTCNQ膜を形成した。
【0042】電子顕微鏡(SEM)により、膜を観察し
た結果、1ドメインの大きさが10μmにも及ぶ均一な
連続膜が形成されていることがわかった。また、X線回
折法により、膜の配向を調べた結果、ヘリンボーン構造
を有するTCNQ結晶単位格子の片方の分子面が、基板
表面と平行に配向していることがわかった。 実施例2
【0043】Si基板本体上に、真空蒸着法により、基
板温度55℃の条件で膜厚約5nmのビオランスレン膜
を形成した。この基板上に、真空蒸着法により膜厚約5
00nmのフタロシアニン膜を形成した。
【0044】SEMにより、膜を観察した結果、1ドメ
インの大きさが10μmにも及ぶ均一な連続膜が形成さ
れていることがわかった。また、X線回折法により、膜
の配向を調べた結果、ヘリンボーン構造を有するフタロ
シアニン結晶単位格子の片方の分子面が、基板表面と平
行に配向していることがわかった。 実施例3
【0045】Si基板本体上に、真空蒸着法により、基
板温度55℃の条件で膜厚約5nmのビオランスレン膜
を形成した。この基板上に、真空蒸着法により、膜厚約
10nmのフェノチアジン−TCNQ膜を形成した。
【0046】SEMにより、膜を観察した結果、1ドメ
インの大きさが10μmにも及ぶ均一な連続膜が形成さ
れていることがわかった。また、X線回折法により、膜
の配向を調べた結果、錯体結晶単位格子中の分子面が、
基板表面とほぼ平行に配向していることがわかった。 実施例4
【0047】Si基板本体上に、真空蒸着法により、基
板温度55℃の条件で膜厚約5nmのビオランスレン膜
を形成した。この基板上に、真空蒸着法により膜厚約1
00nmのTCNQ膜、膜厚約5nmのビオランスレン
膜、及び膜厚約10nmのフェノチアジン−TCNQ膜
を形成した。
【0048】SEMにより、膜を観察した結果、数μm
にわたって均一な連続膜が形成されていることがわかっ
た。また、X線回折法により、膜の配向を調べた結果、
錯体結晶単位格子中の分子面が、基板表面とほぼ平行に
配向していることがわかった。 実施例5
【0049】Si基板本体を、コロネンのトルエン溶液
中に浸漬した後、80℃で加熱して溶媒を蒸発させ、コ
ロネン膜を形成した。この基板上に、真空蒸着法によ
り、基板温度50℃の条件で膜厚約30nmのフェノチ
アジン−TCNQ膜を形成した。
【0050】SEMにより、膜を観察した結果、1ドメ
インの大きさが10μmにも及ぶ均一な連続膜が形成さ
れていることがわかった。また、X線回折法により、膜
の配向を調べた結果、フェノチアジン−TCNQ錯体の
いずれの分子面も、基板表面とほぼ平行に配向している
ことがわかった。 実施例6
【0051】Si基板本体を、コロネンのトルエン溶液
中に浸漬した後、80℃で加熱して溶媒を蒸発させ、コ
ロネン膜を形成した。この基板上に、真空蒸着法によ
り、基板温度50℃の条件で膜厚2nmのビオランスレ
ン膜、及び膜厚約30nmのフェノチアジン−TCNQ
膜を形成した。
【0052】SEMにより、膜を観察した結果、1ドメ
インの大きさが10μmにも及ぶ均一な連続膜が形成さ
れていることがわかった。また、X線回折法により、膜
の配向を調べた結果、フェノチアジン−TCNQ錯体の
いずれの分子面も、基板表面とほぼ平行に配向している
ことがわかった。 実施例7
【0053】石英基板本体上に、膜厚400nmのIT
O透明電極及び絶縁層として膜厚200nmのSiO2
膜を形成した。これを、コロネンのトルエン溶液中に浸
漬した後、80℃で加熱して溶媒を蒸発させ、コロネン
膜を形成した。この基板上に、真空蒸着法により、基板
温度50℃の条件で膜厚2nmのビオランスレン膜、及
び膜厚約30nmのフェノチアジン−TCNQ膜を形成
した。更に、フェノチアジン−TCNQ膜上に、絶縁層
として膜厚20nmのポリイソブチルメタクリレート
膜、及び膜厚25nmのAu半透明電極を形成し、有機
薄膜素子を作製した。
【0054】この有機薄膜素子は、電圧を印加しないと
きには、有機薄膜層が橙色を呈していた。この有機薄膜
層に電圧を印加すると、約30Vで有機薄膜層が赤黒色
に変化した。 実施例8
【0055】Si基板本体を、ヘキサメチルジシラザン
気相中に放置して疎水化処理を施した。水面上にテトラ
t−ブチルフタロシアニンとオクタデカンの1:4混合
単分子膜を展開し、基板本体上にこの単分子膜を3層累
積した。この基板上に、真空蒸着法により、基板温度5
0℃の条件で膜厚約30nmのフェノチアジン−TCN
Q膜を形成した。
【0056】SEMにより、膜を観察した結果、1ドメ
インの大きさが10μmにも及ぶ均一な連続膜が形成さ
れていることがわかった。また、X線回折法により、膜
の配向を調べた結果、フェノチアジン−TCNQ錯体の
いずれの分子面も、基板表面とほぼ平行に配向している
ことがわかった。 実施例9
【0057】Si基板本体を、ヘキサメチルジシラザン
気相中に放置して疎水化処理を施した。水面上にテトラ
t−ブチルフタロシアニンとオクタデカンの1:4混合
単分子膜を展開し、基板本体上にこの単分子膜を3層累
積した。この基板上に、真空蒸着法により、基板温度5
5℃の条件で膜厚3nmのビオランスレン膜、及び膜厚
約30nmのフェノチアジン−TCNQ膜を形成した。
【0058】SEMにより、膜を観察した結果、1ドメ
インの大きさが10μmにも及ぶ均一な連続膜が形成さ
れていることがわかった。また、X線回折法により、膜
の配向を調べた結果、フェノチアジン−TCNQ錯体の
いずれの分子面も、基板表面とほぼ平行に配向している
ことがわかった。 実施例10
【0059】石英基板本体上に、膜厚400nmのIT
O透明電極及び絶縁層として膜厚200nmのSiO2
膜を形成した。水面上にテトラt−ブチルフタロシアニ
ンとオクタデカンの1:4混合単分子膜を展開し、基板
本体上にこの単分子膜を3層累積した。この基板上に、
真空蒸着法により、基板温度55℃の条件で膜厚3nm
のビオランスレン膜、及び膜厚約30nmのフェノチア
ジン−TCNQ膜を形成した。更に、フェノチアジン−
TCNQ膜上に、絶縁層として膜厚20nmのポリイソ
ブチルメタクリレート膜、及び膜厚25nmのAu半透
明電極を形成し、有機薄膜素子を作製した。
【0060】この有機薄膜素子は、電圧を印加しないと
きには、有機薄膜層が橙色を呈していた。この有機薄膜
層に電圧を印加すると、約30Vで有機薄膜層が赤黒色
に変化した。 実施例11 Si基板本体をビストリクロロシリルピレン気相中で表
面処理した。この基板上に、真空蒸着法により、膜厚約
30nmのTTF−クロラニル膜を形成した。
【0061】SEMにより、膜を観察した結果、1ドメ
インの大きさが10μmにも及ぶ均一な連続膜が形成さ
れていることがわかった。また、X線回折法により、膜
の配向を調べた結果、TTF分子、クロラニル分子とも
に、分子面が基板表面とほぼ平行に配向していることが
わかった。 実施例12
【0062】石英基板本体上に、膜厚400nmのIT
O透明電極及び絶縁層として膜厚150nmのSiO2
膜を形成した。これをビストリクロロシリルピレン気相
中で表面処理した。この基板上に、真空蒸着法により、
膜厚約30nmのTTF−クロラニル膜を形成した。更
に、TTF−クロラニル膜上に、絶縁層として膜厚20
nmのポリイソブチルメタクリレート膜、及び膜厚20
nmのAu半透明電極を形成し、有機薄膜素子を作製し
た。
【0063】この有機薄膜素子は、電圧を印加しないと
きには、有機薄膜層が黄色を呈していた。この有機薄膜
層に電圧を印加すると、約50Vで有機薄膜層が赤色に
変化した。 実施例13
【0064】石英基板本体上に、膜厚400nmのIT
O透明電極及び絶縁層として膜厚200nmのSrTi
3 膜を形成した。これをビストリクロロシリルピレン
気相中で表面処理した。この基板上に、真空蒸着法によ
り膜厚約30nmのTTF−クロラニル膜を形成した。
更に、TTF−クロラニル膜上に、絶縁層として膜厚2
0nmのポリイソブチルメタクリレート膜、及び膜厚2
0nmのAu半透明電極を形成し、有機薄膜素子を作製
した。
【0065】この有機薄膜素子は、電圧を印加しないと
きには、有機薄膜層が黄色を呈していた。この有機薄膜
層に電圧を印加すると、約25Vで有機薄膜層が赤色に
変化した。 実施例14
【0066】Si基板本体をγ−アミノプロピルトリエ
トキシシラン気相中で表面処理した。この基板本体上
に、真空蒸着法により、ペリレンテトラカルボキシリッ
クジアンヒドライドを蒸着し、約70℃に加熱して、縮
合反応及び未縮合分子の再脱離を行わせた後、膜厚約3
0nmのTTF−クロラニル膜を形成した。
【0067】SEMにより、膜を観察した結果、1ドメ
インの大きさが10μmにも及ぶ均一な連続膜が形成さ
れていることがわかった。また、X線回折法により、膜
の配向を調べた結果、TTF分子、クロラニル分子とも
に、分子面が基板表面とほぼ平行に配向していることが
わかった。 実施例15
【0068】石英基板本体上に、膜厚400nmのIT
O透明電極及び絶縁層として膜厚150nmのSiO2
膜を形成した。これをγ−アミノプロピルトリエトキシ
シラン気相中で表面処理した。この基板本体上に、真空
蒸着法により、ペリレンテトラカルボキシリックジアン
ヒドライドを蒸着し、約70℃に加熱して、縮合反応及
び未縮合分子の再脱離を行わせた後、膜厚約30nmの
TTF−クロラニル膜を形成した。更に、TTF−クロ
ラニル膜上に、絶縁層として膜厚20nmのポリイソブ
チルメタクリレート膜、及び膜厚20nmのAu半透明
電極を形成し、有機薄膜素子を作製した。
【0069】この有機薄膜素子は、電圧を印加しないと
きには、有機薄膜層が黄色を呈していた。この有機薄膜
層に電圧を印加すると、約50Vで有機薄膜層が赤色に
変化した。 実施例16
【0070】石英基板本体上に、膜厚400nmのIT
O透明電極及び絶縁層として膜厚200nmのSrTi
3 膜を形成した。これをγ−アミノプロピルトリエト
キシシラン気相中で表面処理した。この基板本体上に、
真空蒸着法により、ペリレンテトラカルボキシリックジ
アンヒドライドを蒸着し、約70℃に加熱して、縮合反
応及び未縮合分子の再脱離を行わせた後、膜厚約30n
mのTTF−クロラニル膜を形成した。更に、TTF−
クロラニル膜上に、絶縁層として膜厚20nmのポリイ
ソブチルメタクリレート膜、及び膜厚20nmのAu半
透明電極を形成し、有機薄膜素子を作製した。
【0071】この有機薄膜素子は、電圧を印加しないと
きには、有機薄膜層が黄色を呈していた。この有機薄膜
層に電圧を印加すると、約25Vで有機薄膜層が赤色に
変化した。 実施例17
【0072】Si基板本体上に、膜厚20nmのペリレ
ンテトラカルボキシリックジアンヒドライド膜を形成
し、アルゴン雰囲気下で550℃に加熱すると、膜の大
部分はポリペリナフタレンに変化した。この基板上に、
真空蒸着法により、基板温度50℃の条件で膜厚約30
nmのフェノチアジン−TCNQ膜を形成した。
【0073】SEMにより、膜を観察した結果、1ドメ
インの大きさが10μmにも及ぶ均一な連続膜が形成さ
れていることがわかった。また、X線回折法により、膜
の配向を調べた結果、フェノチアジン−TCNQ錯体の
いずれの分子面も、基板表面とほぼ平行に配向している
ことがわかった。 実施例18
【0074】Si基板本体上に、膜厚20nmのペリレ
ンテトラカルボキシリックジアンヒドライド膜を形成
し、アルゴン雰囲気下で550℃に加熱すると、膜の大
部分はポリペリナフタレンに変化した。この基板上に、
真空蒸着法により、基板温度50℃の条件で膜厚約2n
mのビオランスレン膜、及び膜厚約30nmのフェノチ
アジン−TCNQ膜を形成した。
【0075】SEMにより、膜を観察した結果、1ドメ
インの大きさが10μmにも及ぶ均一な連続膜が形成さ
れていることがわかった。また、X線回折法により、膜
の配向を調べた結果、フェノチアジン−TCNQ錯体の
いずれの分子面も、基板表面とほぼ平行に配向している
ことがわかった。 実施例19
【0076】石英基板本体上に、膜厚400nmのIT
O透明電極及び絶縁層として膜厚200nmのSiO2
膜を形成した。この基板本体上に、膜厚20nmのペリ
レンテトラカルボキシリックジアンヒドライド膜を形成
し、アルゴン雰囲気下で550℃に加熱すると、膜の大
部分はポリペリナフタレンに変化した。この基板上に、
真空蒸着法により、基板温度50℃の条件で膜厚3nm
のビオランスレン膜、及び膜厚約30nmのフェノチア
ジン−TCNQ膜を形成した。更に、フェノチアジン−
TCNQ膜上に、絶縁層として膜厚20nmのポリイソ
ブチルメタクリレート膜、及び膜厚25nmのAu半透
明電極を形成し、有機薄膜素子を作製した。
【0077】この有機薄膜素子は、電圧を印加しないと
きには、有機薄膜層が橙色を呈していた。この有機薄膜
層に電圧を印加すると、約30Vで有機薄膜層が赤黒色
に変化した。 実施例20
【0078】石英基板本体上に、膜厚400nmのIT
O透明電極及び絶縁層として膜厚200nmのSiO2
膜を形成した。この基板本体上に、オバレンと1,4−
ベンゼンジメチルクロライドの共蒸着膜を形成し、基板
温度150℃の条件でPCl5 を含むアルゴン雰囲気下
で重縮合膜を形成した。この基板上に、真空蒸着法によ
り、基板温度50℃の条件で膜厚2nmのビオランスレ
ン膜、及び膜厚約30nmのフェノチアジン−TCNQ
膜を形成した。更に、フェノチアジン−TCNQ膜上
に、絶縁層として膜厚20nmのポリイソブチルメタク
リレート膜、及び膜厚25nmのAu半透明電極を形成
し、有機薄膜素子を作製した。
【0079】この有機薄膜素子は、電圧を印加しないと
きには、有機薄膜層が橙色を呈していた。この有機薄膜
層に電圧を印加すると、約30Vで有機薄膜層が赤黒色
に変化した。 実施例21
【0080】石英基板本体上に、膜厚400nmのIT
O透明電極及び絶縁層として膜厚200nmのSiO2
膜を形成した。この基板本体上に、キャスト法によりポ
リオキサジアゾール膜を形成した後、真空中、900℃
で加熱処理した。この基板上に、真空蒸着法により、基
板温度50℃の条件で膜厚2nmのビオランスレン膜、
及び膜厚約30nmのフェノチアジン−TCNQ膜を形
成した。更に、フェノチアジン−TCNQ膜上に、絶縁
層として膜厚20nmのポリイソブチルメタクリレート
膜、及び膜厚25nmのAu半透明電極を形成し、有機
薄膜素子を作製した。
【0081】この有機薄膜素子は、電圧を印加しないと
きには、有機薄膜層が橙色を呈していた。この有機薄膜
層に電圧を印加すると、約30Vで有機薄膜層が赤黒色
に変化した。 実施例22
【0082】Si基板本体上に膜厚50nmのペリレン
テトラカルボキシリックジアンヒドライド膜を形成した
後、真空下でアルゴンイオンビームを加速エネルギー3
MeV、ドーズ量1016cm-2の条件で照射した。この
基板上に、真空蒸着法により、基板温度50℃の条件で
膜厚約30nmのフェノチアジン−TCNQ膜を形成し
た。
【0083】SEMにより、膜を観察した結果、1ドメ
インの大きさが5μmにも及ぶ均一な連続膜が形成され
ていることがわかった。また、X線回折法により、膜の
配向を調べた結果、フェノチアジン−TCNQ錯体のい
ずれの分子面も、基板表面とほぼ平行に配向しているこ
とがわかった。 実施例23
【0084】Si基板本体上に膜厚50nmのペリレン
テトラカルボキシリックジアンヒドライド膜を形成した
後、真空下でアルゴンイオンビームを加速エネルギー3
MeV、ドーズ量1016cm-2の条件で照射した。この
基板上に、真空蒸着法により、基板温度50℃の条件で
膜厚2nmのビオランスレン膜、及び膜厚約30nmの
フェノチアジン−TCNQ膜を形成した。
【0085】SEMにより、膜を観察した結果、1ドメ
インの大きさが10μmにも及ぶ均一な連続膜が形成さ
れていることがわかった。また、X線回折法により、膜
の配向を調べた結果、フェノチアジン−TCNQ錯体の
いずれの分子面も、基板表面とほぼ平行に配向している
ことがわかった。 実施例24
【0086】石英基板本体上に、膜厚400nmのIT
O透明電極及び絶縁層として膜厚200nmのSiO2
膜を形成した。この基板本体上に、膜厚50nmのペリ
レンテトラカルボキシリックジアンヒドライド膜を形成
した後、真空下でアルゴンイオンビームを加速エネルギ
ー3MeV、ドーズ量1016cm-2の条件で照射した。
この基板上に、真空蒸着法により基板温度50℃の条件
で膜厚2nmのビオランスレン膜、及び膜厚約30nm
のフェノチアジン−TCNQ膜を形成した。更に、フェ
ノチアジン−TCNQ膜上に、絶縁層として膜厚20n
mのポリイソブチルメタクリレート膜、及び膜厚25n
mのAu半透明電極を形成し、有機薄膜素子を作製し
た。
【0087】この有機薄膜素子は、電圧を印加しないと
きには、有機薄膜層が橙色を呈していた。この有機薄膜
層に電圧を印加すると、約30Vで有機薄膜層が赤黒色
に変化した。 実施例25
【0088】Si基板本体上に、膜厚50nmのジイン
デノペリレン膜を形成した後、電子線を加速電圧20k
Vの条件で照射した。この基板上に、真空蒸着法によ
り、基板温度50℃の条件で膜厚2nmのビオランスレ
ン膜、及び膜厚約30nmのフェノチアジン−TCNQ
膜を形成した。
【0089】SEMにより、膜を観察した結果、1ドメ
インの大きさが10μmにも及ぶ均一な連続膜が形成さ
れていることがわかった。また、X線回折法により、膜
の配向を調べた結果、フェノチアジン−TCNQ錯体の
いずれの分子面も、基板表面とほぼ平行に配向している
ことがわかった。 実施例26
【0090】石英基板本体上に、膜厚400nmのIT
O透明電極及び絶縁層として膜厚200nmのSiO2
膜を形成した。この基板本体上に、膜厚50nmのジイ
ンデノペリレン膜を形成した後、電子線を加速電圧20
kVの条件で照射した。この基板上に、真空蒸着法によ
り、基板温度50℃の条件で膜厚2nmのビオランスレ
ン膜及び膜厚約30nmのフェノチアジン−TCNQ膜
を形成した。更に、フェノチアジン−TCNQ膜上に、
絶縁層として膜厚20nmのポリイソブチルメタクリレ
ート膜、及び膜厚25nmのAu半透明電極を形成し、
有機薄膜素子を作製した。
【0091】この有機薄膜素子は、電圧を印加しないと
きには、有機薄膜層が橙色を呈していた。この有機薄膜
層に電圧を印加すると、約30Vで有機薄膜層が赤黒色
に変化した。 実施例27
【0092】石英基板本体上に、膜厚400nmのIT
O透明電極及び絶縁層として膜厚200nmのSiO2
膜を形成した。この基板本体上に、膜厚50nmのペリ
レンテトラカルボキシリックジアンヒドライド膜を形成
した後、電子線を加速電圧20kVの条件で矩形状に照
射してパターンを形成した。この基板をテトラヒドロフ
ラン中に浸漬し、未照射部の膜を溶解させた。この基板
上に、真空蒸着法により、基板温度50℃の条件で膜厚
2nmのビオランスレン膜、及び膜厚約30nmのフェ
ノチアジン−TCNQ膜を形成した。更に、フェノチア
ジン−TCNQ膜上に、絶縁層として膜厚20nmのポ
リイソブチルメタクリレート膜、及び膜厚25nmのA
u半透明電極を形成し、有機薄膜素子を作製した。
【0093】この有機薄膜素子は、電圧を印加しないと
きには、ペリレンテトラカルボキシリックジアンヒドラ
イド膜がパターン化された領域上の有機薄膜層が橙色を
呈していた。この有機薄膜層に電圧を印加すると、約3
0Vで前記と同一の領域上の有機薄膜層が赤黒色に変化
した。 実施例28
【0094】Si基板本体上に、電子ビーム蒸着法によ
り、膜厚50nmのNi膜を形成した。この基板本体を
850℃に加熱しながら、エチレンガスに150〜30
0ラングミュア(以下、Lと略す)以上さらすことによ
って、表面にグラファイトに類似した炭素層を形成し
た。この基板上に、真空蒸着法により、膜厚約100n
mのTCNQ膜を形成した。
【0095】SEMにより、膜を観察した結果、1ドメ
インの大きさが10μmにも及ぶ均一な連続膜が形成さ
れていることがわかった。また、X線回折法により、膜
の配向を調べた結果、ヘリンボーン構造を有するTCN
Q結晶単位格子の片方の分子面が、基板表面と平行に配
向していることがわかった。 実施例29
【0096】Si基板本体上に、CVD法により、膜厚
20nmのTiC膜を形成した。この基板本体を850
℃に加熱しながら、エチレンガスに150〜300L以
上さらすことによって、表面にグラファイトに類似した
炭素層を形成した。この基板上に、真空蒸着法により、
膜厚約100nmのTCNQ膜を形成した。
【0097】SEMにより、膜を観察した結果、1ドメ
インの大きさが10μmにも及ぶ均一な連続膜が形成さ
れていることがわかった。また、X線回折法により、膜
の配向を調べた結果、ヘリンボーン構造を有するTCN
Q結晶単位格子の片方の分子面が、基板表面と平行に配
向していることがわかった。 実施例30
【0098】Si基板本体の表面に、熱酸化法により膜
厚20nmのSiO2 膜を形成した。この基板本体の片
面上に、CVD法により、膜厚20nmのTiC膜を形
成した。更に基板本体を850℃に加熱しながら、エチ
レンガスに150〜300L以上さらすことによって、
TiC膜上にグラファイトに類似した炭素層を形成し
た。この基板上に、真空蒸着法により、膜厚30nmの
メチルフェナジン−TCNQ膜を形成した。更に、メチ
ルフェナジン−TCNQ膜上に、絶縁層として膜厚20
nmのポリイソブチルメタクリレート膜、及び膜厚25
nmのAl電極を形成し、有機薄膜素子を作製した。
【0099】この有機薄膜素子は、電圧を印加しないと
きには、反射赤外分光法によるTCNQのCN三重結合
の伸縮振動吸収ピークが2200cm-1に現われた。こ
の有機薄膜層に電圧を印加すると、約35Vで吸収ピー
クが2185cm-1までシフトした。これは、電圧印加
により錯体がイオン性−中性転移をしたことによるもの
である。
【0100】
【発明の効果】以上詳述したように本発明の有機薄膜素
子は、基板の表面が配向の制御された多環芳香族分子も
しくはその誘導体又はグラファイト構造を有する炭素層
からなっており、その上に形成される有機薄膜層の配向
性が良好となる。この結果、有機薄膜層中の電荷移動錯
体の中性−イオン性転移を電界によって実効的に制御す
ることができる。このような有機薄膜層の分子配向の制
御効果は、電荷移動錯体だけでなく、非線形光学素子、
スイッチング素子、電界発光素子、光情報記録媒体な
ど、有機薄膜を用いた全てのデバイスに適用可能である
ことはいうまでもない。したがって、有機薄膜表示素子
などの実用化が期待でき、その工業的価値は極めて大き
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る有機薄膜素子の断面図。
【図2】本発明に係る他の有機薄膜素子の断面図。
【図3】本発明に係る更に他の有機薄膜素子の断面図。
【符号の説明】
1…基板本体、2…電極、3…絶縁層、5…多環芳香族
分子層又は炭素層、11…基板、12、13…有機薄膜
層、14…絶縁層、15…背面電極。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01L 51/00 H01L 29/28 (72)発明者 三浦 明 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東芝総合研究所内 (72)発明者 内藤 勝之 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東芝総合研究所内 (72)発明者 江草 俊 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東芝総合研究所内 (56)参考文献 特開 平1−166528(JP,A) 特開 平2−1168(JP,A) 化学工業 Vol.40,No.11,p p.959−964(1989)戸嶋直樹

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に、ドナー性分子とアクセプタ性
    分子とを含む有機薄膜層を形成した有機薄膜素子におい
    て、 前記基板が、基板本体と、基板本体上に積層された多環
    芳香族分子もしくはその誘導体からなる層又はグラファ
    イト構造を有する炭素層を具備し、基板本体上に積層さ
    れた多環芳香族分子もしくはその誘導体からなる層又は
    グラファイト構造を有する炭素層の主たる分子面が基板
    本体と平行に配向しており、 前記有機薄膜層が、ドナー性分子とアクセプタ性分子と
    が互いに分子面を向かい合わせて積層された交互積層型
    電荷移動錯体結晶からなり、有機薄膜層を構成する分子
    の分子面が基板本体とほぼ平行に配向している ことを特
    徴とする有機薄膜素子。
JP05135991A 1990-03-27 1991-03-15 有機薄膜素子 Expired - Fee Related JP3302703B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP05135991A JP3302703B2 (ja) 1990-03-27 1991-03-15 有機薄膜素子

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2-75413 1990-03-27
JP7541390 1990-03-27
JP05135991A JP3302703B2 (ja) 1990-03-27 1991-03-15 有機薄膜素子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04211229A JPH04211229A (ja) 1992-08-03
JP3302703B2 true JP3302703B2 (ja) 2002-07-15

Family

ID=26391893

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP05135991A Expired - Fee Related JP3302703B2 (ja) 1990-03-27 1991-03-15 有機薄膜素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3302703B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3763649B2 (ja) * 1997-09-17 2006-04-05 ケミプロ化成株式会社 電子輸送性積層膜またはホール輸送性積層膜、それを用いたエレクトロクロミック素子および有機エレクトロルミネッセント素子
JP5013571B2 (ja) * 2005-08-22 2012-08-29 国立大学法人 筑波大学 有機半導体分子の配向制御方法及び有機薄膜太陽電池
JP2017519351A (ja) * 2014-04-09 2017-07-13 南京大学Nanjing University 極薄有機結晶層を表面にエピタキシャル成長させる方法、及びその応用
CN109164658B (zh) * 2018-09-30 2021-03-16 Oppo广东移动通信有限公司 电致变色器件及其制备方法、电子设备壳体和电子设备

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
化学工業 Vol.40,No.11,pp.959−964(1989)戸嶋直樹

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04211229A (ja) 1992-08-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5155566A (en) Organic thin film element
Urgel et al. On-surface light-induced generation of higher acenes and elucidation of their open-shell character
Ishii et al. Energy level alignment and interfacial electronic structures at organic/metal and organic/organic interfaces
Schwoerer et al. Organic molecular solids
US5140398A (en) Switching device
JP2003304014A (ja) 有機電子デバイス及びその作製方法
JP2007145984A (ja) シロキサン系分子膜、その製造方法及びその膜を用いた有機デバイス
Xin et al. Control of unipolar/ambipolar transport in single‐molecule transistors through interface engineering
JP3302703B2 (ja) 有機薄膜素子
Yoshizaki et al. Large surface potential of Alq3 film and its decay
Wang et al. On‐surface synthesis of variable bandgap nanoporous graphene
Hu et al. Highly ordered vacuum-deposited thin films of copper phthalocyanine induced by electric field
JP4501339B2 (ja) pn接合素子の製造方法
JP2007273594A (ja) 電界効果トランジスタ
Chen et al. High‐Performance Ambipolar and n‐Type Emissive Semiconductors Based on Perfluorophenyl‐Substituted Perylene and Anthracene
JP2004063978A (ja) 電界効果トランジスタ
JP2014518013A (ja) 種々の材料の配向結晶化方法
Wang et al. Scanning tunneling microscopy and photoelectron spectroscopy investigation of the sexithiophene: C60 donor-acceptor nanostructure formation on graphite
Takagi et al. Metal patterning using maskless vacuum evaporation process based on selective deposition of photochromic diarylethene
WO2007129643A1 (ja) 有機半導体材料を用いた電界効果トランジスタおよびその製造方法
JP5000516B2 (ja) トンネリング用ダスト電極を有するトランジスター
JPH06273811A (ja) 光・電子機能材料およびその薄膜の製法
Yoshimura Molecular Layer Deposition (MLD): Monomolecular‐Step Growth of Polymers with Designated Sequences
JP2649646B2 (ja) 新規有機超格子光電子素子
Deng et al. Organic single‐crystal light‐emitting transistors with external quantum efficiency over 20%

Legal Events

Date Code Title Description
S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080426

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090426

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100426

Year of fee payment: 8

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100426

Year of fee payment: 8

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees