JP3302126B2 - アミンの製造方法 - Google Patents

アミンの製造方法

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JP3302126B2 JP25420493A JP25420493A JP3302126B2 JP 3302126 B2 JP3302126 B2 JP 3302126B2 JP 25420493 A JP25420493 A JP 25420493A JP 25420493 A JP25420493 A JP 25420493A JP 3302126 B2 JP3302126 B2 JP 3302126B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、バイポーラ膜を用いた
電気透析によってアミン塩からアミンを製造する方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、アミン塩からアミンを製造する方
法は、アミン塩溶液に苛性ソーダや苛性カリなどのアル
カリを加えてアミンを遊離させ、蒸留や溶媒抽出法によ
って遊離アミンを得る方法が知られている。しかしなが
らこれらの方法は、苛性ソーダや苛性カリなどのアルカ
リを必要としたり、更に遊離アミンの分離のために高価
な設備を必要とする。
【0003】また、近年バイポーラ膜を使用した電気透
析法でアミン塩から酸とアミンを得る方法が知られてい
る(ケムテック6号17頁(1993年))。しかし、
この方法では電気透析槽にかける電圧が非常に高いた
め、低い電流密度で電気透析が行うことが記載されてい
る。低電流密度で運転すると設備が膨大なものとなり経
済的でないので高電流密度で運転することが求められて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとしている課題】そこで、本願発明
の目的は、バイポーラ膜を用いた電気透析でこれまで出
来なかった高電流密度によりアミン塩からアミンを生成
する方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するために提案されたものであって、電気透析槽の
塩基室にアルカリ溶液中で解離する塩を存在させること
により高電流密度でアミン塩からアミンを生成させ得る
という知見に基づきなされたものである。
【0006】即ち、本発明は、バイポーラ膜を用いた電
気透析によってアミン塩からアミンを製造する方法にお
いて、電気透析槽の塩基室にアルカリ溶液中で解離する
塩を0.1〜3規定の濃度で存在させることを特徴とす
るアミンの製造方法である。
【0007】本発明でいうバイポーラ膜を用いた電気透
析においては、基本的な膜の組合せ型として2種類挙げ
ることができる。第1に、バイポーラ膜−陰イオン交換
膜−陽イオン交換膜の組合せ、第2にバイポーラ膜−陽
イオン交換膜の組合せである。
【0008】本発明で使用されるバイポーラ膜は従来公
知のものを何ら制限なく使用できる。例えば、イオン交
換基導入可能な高分子フィルムの片方を部分的に被覆
し、カバーフィルムの接触していない方の表面をスルホ
ン化して陽イオン交換基を導入した後、カバーフィルム
を剥離し、剥離した表面に陰イオン交換基を導入したバ
イポーラ膜(特開昭55−86821号公報、特開昭5
5−99927号公報)、陰イオン交換膜と陽イオン交
換膜との界面を無機化合物で処理し、両膜を接合したバ
イポーラ膜(特開昭59−47235号公報)などが使
用される.本発明で用いる陰イオン交換膜は特に限定さ
れず、公知の陰イオン交換膜を用いることが出来る。例
えば、4級アンモニウム基、1級アミノ基、2級アミノ
基、3級アミノ基、さらにこれらのイオン交換基が複数
混在した陰イオン交換膜を使用できる。また該陰イオン
交換膜は重合型、縮合型、均一型、不均一型の別なく、
また、補強心材の有無や、炭化水素系のもの、ふっ素系
のもの、材料・製造方法に由来する陰イオン交換膜の種
類、型式などの別なく如何なるものであってもよい。さ
らに2N−食塩溶液を5A/dm2の電流密度で電気透
析し、電流効率が70%以上の実質的に陰イオン交換膜
として機能するものであれば、一般に両性イオン交換膜
と称されるものであっても本発明の陰イオン交換膜とし
て使用できる。陰イオン交換膜は酸を透過させ易い傾向
があるので、酸を透過させにくい陰イオン交換膜を使用
することが好ましい。硝酸などの酸化性の酸を生成する
ときは、耐酸化性の陰イオン交換膜を使用するのが好ま
しい。
【0009】本発明で用いる陽イオン交換膜は特に限定
されず、公知の陽イオン交換膜を用いることが出来る。
例えば、イオン交換基としてスルホン酸基、カルボン酸
基、ホスホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基
を有するもの、さらにこれらのイオン交換基の複数種類
が混在した陽イオン交換膜を使用できる。また、陽イオ
ン交換膜は重合型、縮合型、均一型、不均一型の別な
く、また、補強心材の有無や、炭化水素系のもの、ふっ
素系のもの、材料・製造方法に由来する陽イオン交換膜
の種類、型式などの別なく如何なるものであってもよ
い。さらに、2N−食塩水溶液を5A/dm2の電流密
度で電気透析し、電流効率が70%以上の実質的に陽イ
オン交換膜として機能するものであれば、一般に両性イ
オン交換膜と称されるものであっても本発明の陽イオン
交換膜として使用できる。高温、高い水酸イオン濃度中
でも安定で高電流効率、低電気抵抗の膜が好ましい。
【0010】バイポーラ膜、陰イオン交換膜および陽イ
オン交換膜を配列した電気透析槽は、公知のものを使用
できる。一般には二室式と三室式の電気透析槽がよく知
られておりこれらを好適に使用できる。具体的には、三
室式バイポーラ膜電気透析槽として、バイポーラ膜−陰
イオン交換膜−陽イオン交換膜を順に配列した電気透析
槽、二室式バイポーラ膜電気透析槽として、バイポーラ
膜−陽イオン交換膜を交互に配列した電気透析槽を挙げ
ることができる。
【0011】図1に、三室式バイポーラ膜電気透析槽の
模式図を示した。三室式バイポーラ膜電気透析槽では、
膜としてバイポーラ膜(B)1、陰イオン交換膜(A)
3および陽イオン交換膜(C)2の3種類が使用され、
室として塩基、酸および塩の三室が形成されている。こ
こで陽イオン交換膜(C)とバイポーラ膜(B)の間の
室を塩基室11、バイポーラ膜(B)と陰イオン交換膜
(A)の間の室を酸室12、陰イオン交換膜(A)と陽
イオン交換膜(C)の間の室を塩室13という。代表的
な電極と膜との構成は、陽極−(C−B−A−)n−C
−陰極である。(ここでnは陽イオン交換膜、バイポー
ラ膜、陰イオン交換膜の繰り返し積層数である。)な
お、バイポーラ膜の陰イオン交換体側は、通常陽極側に
向けて、また、陽イオン交換体側は陰極側に向けて使用
される。
【0012】図2にバイポーラ膜−陽イオン交換膜の組
合せからなる二室式バイポーラ膜電気透析槽の模式図を
示した。この二室式バイポーラ膜電気透析槽では、膜と
してバイポーラ膜(B)1、陽イオン交換膜(C)2の
2種類が使用され、室として塩基室、および酸・塩混合
室の二室が形成されている。ここで、バイポーラ膜
(B)の陽イオン交換体側と陽イオン交換膜(C)の間
の室を酸・塩混合室15、バイポーラ膜(B)の陰イオ
ン交換体側と陽イオン交換膜(C)の間の室を塩基室1
1という。代表的な電極と膜との構成は、陽極−(C−
B−)n−C−陰極である。(ここでnはバイポーラ
膜、陽イオン交換膜の繰り返し積層数である。)本発明
における電気透析の方法としては、塩室、酸室、塩基
室、酸・塩混合室のそれぞれの室に供給する液のタンク
を設けて、それぞれの室と液のタンクの間で液を循環さ
せる方法を好適に採用することができる。更に三室式バ
イポーラ膜電気透析法の場合、塩室溶液の塩濃度が低く
なった場合には、塩循環系内に、塩の濃縮用の電気透析
槽を別に設けて塩濃度を一定以上に保つことができる。
【0013】本発明で使用されるアミン塩はアミンと酸
との塩であり、遊離アミンが水溶性のものなら如何なる
アミン塩でもよい。アミンとしては、アンモニア、1
級、2級、3級のアミンがある。具体的に化合物名を挙
げるとアンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、ト
リメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリ
エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、エチレ
ンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、ジエチレント
リアミン、ベンジルアミン、ピリジン、ピコリン、ピペ
リジン、アニリン、ヒドラジン等を挙げることができ
る。一方、酸としては、無機酸および有機酸のいずれも
使用可能であり、無機酸を例示すると、塩酸、硫酸、硝
酸、燐酸、弗酸、過塩素酸、塩素酸等を挙げることがで
き、有機酸としてはギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、
バレリアン酸、トリメチル酢酸、フルオロ酢酸、クロル
酢酸、グリコール酸、乳酸、メトキシ酢酸、コハク酸、
クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、グリオキシル酸、マロン
酸、フマール酸、アクリル酸、メタクリル酸、安息香
酸、さらにポアクリル酸、ポリスチレンスルホン酸など
の高分子酸を挙げることができる。
【0014】本発明においては、電気透析槽の塩基室に
アルカリ溶液中で解離する塩を存在させることが特徴で
ある。アルカリ溶液中で解離する塩とは、アルカリ溶液
中で溶解してイオンに解離する塩である。特に、0.0
001Nの苛性ソーダ水溶液中で塩濃度が0.5Nのと
きの水溶液の電気電導度が1mS/cm以上、さらに好
ましくは5mS/cm以上である塩が好ましい。このよ
うな塩として本発明において好適に使用できるものを具
体的に例示すれば、例えば、塩化アンモニウム、塩化リ
チウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、臭化アンモニ
ウム、臭化リチウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、
弗化アンモニウム、弗化リチウム、弗化ナトリウム、弗
化カリウム、硝酸アンモニウム、硝酸リチウム、硝酸ナ
トリウム、硝酸カリウム、硫酸アンモニウム、硫酸リチ
ウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、燐酸アンモニウ
ム、燐酸ナトリウム、燐酸カリウム、ギ酸アンモニウ
ム、ギ酸ナトリウム、ギ酸カリウム、酢酸アンモニウ
ム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酪酸アンモニウ
ム、酪酸ナトリウム、酪酸カリウム、乳酸アンモニウ
ム、乳酸ナトリウム、乳酸カリウム、琥珀酸アンモニウ
ム、琥珀酸ナトリウム、琥珀酸カリウム、クエン酸アン
モニウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、酒
石酸アンモニウム、酒石酸ナトリウム、酒石酸カリウ
ム、リンゴ酸アンモニウム、リンゴ酸ナトリウム、リン
ゴ酸カリウム、マロン酸アンモニウム、マロン酸ナトリ
ウム、マロン酸カリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、
ポリスチレンスルホン酸ナトリウム等を例示することが
できる。なお、上記した塩の解離するアルカリ水溶液は
pH9以上の水溶液をいう。
【0015】バイポーラ膜を用いた電気透析によってア
ミン塩からアミンを製造する方法を前記した2通りの電
気透析法について以下に説明する。まず、第1のバイポ
ーラ膜−陰イオン交換膜−陽イオン交換膜を順に配列し
た三室式バイポーラ膜電気透析槽の場合は、塩室にアミ
ン塩溶液を供給し、酸室には酸溶液を供給する。酸溶液
は通常は生成してくる酸と同じ希薄な酸溶液であるが、
場合によっては他の酸を存在させてもよい。塩基室に
は、上記したアルカリ水溶液中で電離する塩を支持電解
質として存在させる。アミン塩の解離によって生成する
アンモニウムイオンは塩室から陽イオン交換膜を透過し
て塩基室へ移動するとき、溶液のpHが上昇するため、
塩基室で遊離のアミンとなる。遊離のアミンの電気電導
度は低いため、本発明においては、塩を存在させて電気
電導度の低下を防止するのである。塩の濃度は余り低濃
度であると電気電導度が低くなり、またあまり高濃度で
あると遊離してくるアミンの溶解度が減少するので、通
常は0.1規定から3規定であり、さらに0.2規定か
ら2規定であることが好ましい。
【0016】第2のバイポーラ膜−陽イオン交換膜を交
互に配列した二室式バイポーラ膜電気透析槽の場合は、
バイポーラ膜の陽イオン交換体側と陽イオン交換膜の間
(酸・塩混合室)にアミン塩を供給し、バイポーラ膜の
陰イオン交換体側と陽イオン交換膜の間(塩基室)に支
持電解質である上記した塩を供給する。電気透析を続け
ると塩基室には遊離のアミンが生成してくる。
【0017】上記2方式のいずれにおいても、塩基室に
は遊離のアミンが生成してくる。この生成してくるアミ
ンが低分子量アミン、アンモニア等の揮発性の化合物の
時は塩基タンクに空気などを吹き込むことによって揮発
性アミンをストリッピング除去・精製回収することが出
来る。アミン塩が有機酸発酵で得られた有機酸アンモニ
ウムのときは、本発明の方法で回収されたアンモニアを
再び有機酸発酵のpH制御や栄養剤として使用すること
が出来る。また非揮発性の時はアミンの濃度が所定の濃
度に達したところで新しい溶液と取り替えることが出来
る。
【0018】上記の第1の方法において、アミン塩が有
機酸とアミンとの塩である場合、つまり有機酸を生成す
る系であるときは、生成する有機酸は電気電導度が低い
ために、高電流密度で電気透析することが困難となるこ
とがある。そのような時には電離度の高い希薄な鉱酸を
酸に存在させておくと低電圧で高電流を流すことが出来
る。生成する有機酸と鉱酸の分離は、有機酸と鉱酸の沸
点の差を利用する蒸留法や、弱塩基性のイオン交換樹脂
と接触させて鉱酸のみを除去する方法がある。
【0019】バイポーラ膜電気透析を行う時の各種液の
温度は、通常、5〜70℃、好ましくは20〜50℃の
範囲であることが好適である。また、電流密度は、特に
制限を受けないが、一般には1〜30A/dm2、好ま
しくは、3〜20A/dm2であることが好適である。
【0020】
【発明の効果】本発明によれば、アミン塩を遊離アミン
と酸に変換するのに、従来は低電流密度で電気透析して
いたが、これを高電流密度で低電力原単位で実施するこ
とができる。
【0021】更に特筆すべきことは、理由は未だ明らか
ではないが、アミン塩の中にカルシウムやマグネシウム
などの多価金属イオンが含まれていても、これらの多価
金属イオンは陽イオン交換膜を透過して塩基室に移動し
てしまうが、塩基室のpHが高いにもかかわらず水酸化
物の沈澱を発生しない。従来、電気透析技術において、
被処理水中に多価金属イオンが含まれている場合、キレ
ート樹脂などによって除去していたが、本発明の方法に
よれば多価金属イオンの除去という操作が不要となった
ことは経済上大きな効果がある。
【0022】
【実施例】本発明を更に具体的に説明するために下記に
実施例及び比較例を掲げて説明するが、本発明はこれら
の実施例に限定されるものではない. 実施例1 種菌として、L−乳酸生産菌であるラクトコッカス・ラ
クティスを用いた。グルコース20g/l、ポリペプト
ン50g/l、酵母エキス5g/lからなる液体培地
(pH6.8)10mlを中型試験管に分注し、121
℃、15分間高圧蒸気滅菌を行った。これに種菌を1白
金耳接種し、37℃で24時間静置培養を行った。この
培養液10mlを100mlの同様に滅菌したグルコー
ス20g/l、ポリペプトン10g/l、酵母エキス5
g/l、リン酸アンモニウム10g/lからなる液体培
地(pH6.8)に接種し、37℃で15時間静置培養
することで種母を調整した。
【0023】本培養の培地としては、グルコース100
g/l、酵母エキス20g/l、ポリペプトン8g/
l、リン酸二水素カリウム0.3g/l、硫酸マグネシ
ウム0.05g/l、塩化カルシウム0.01g/lを
用いた。20リットル容ガラス製発酵槽に上記の培地1
0リットルを分注し、滅菌後、室温まで冷却したところ
で前記種母1リットルを接種し、pHを10%アンモニ
ア水溶液で6.8に調製しながら37℃で静かに攪はん
し培養を36時間行った。
【0024】この発酵液を遠心分離して清澄な溶液を
得、この液を電気透析に供した。この液の成分を表1
(電気透析前)に示した。
【0025】
【表1】
【0026】陰イオン交換膜10枚および陽イオン交換
膜11枚(いずれも徳山曹達社製、商品名:ネオセプタ
AMXおよびCMX)を交互に配列した電気透析槽(徳
山曹達社製、有効膜面積:2dm2/枚)を使用した。
濃縮室に10.7g/lの乳酸アンモニウム液0.72
リットルを、脱塩室に上記した遠心分離して得た清澄な
発酵液を5リットル給液した。電流密度は3アンペア/
dm2で2時間通電した。電気透析後の液量、成分組成
は表1(電気透析後)に示した。濃縮室の液量は2.0
リットルに増加し乳酸アンモニウムの濃度は214g/
l、マグネシウム、カルシウム濃度はそれぞれ18.0
および5.8ppmであった。
【0027】バイポーラ膜電気透析槽は、図1に示すよ
うに、1対の陰陽極間に、陽イオン交換膜(徳山曹達社
製、商品名:ネオセプタCMX)とバイポーラ膜(同
ネオセプタBP−1)、陰イオン交換膜(同 ネオセプ
タAMH)とが順番にそれぞれ6枚、5枚、5枚(陽イ
オン交換膜、バイポーラ膜、陰イオン交換膜の有効膜面
積はいずれも1dm2、総膜面積はそれぞれ6、5、5
dm2)配置され、塩基室、酸室、塩室が形成されたフ
ィルタープレス型バイポーラ膜電気透析槽を用いた。塩
室には上記2.5リットルの濃縮乳酸アンモニウム溶液
を、塩基室には0.5N−Na2SO4水溶液(0.00
01N−NaOH水溶液中でpH10としたとき、電気
電導度は30mS/cmであった。)2リットルを酸室
には0.1N−HCl水溶液2リットルを、それぞれ対
応するタンクを設けて6cm/secの線速度で供給、
循環した。
【0028】陽極室と陰極室はそれぞれ10%水酸化カ
リウム水溶液5リットルを循環し、40℃、電流密度1
0A/dm2で3時間電気透析を行った。このときの平
均電圧は2.3ボルト/ユニットセルであった。
【0029】その結果、塩基室からはアンモニアと硫酸
ナトリウム混合水溶液2.2リットル(アンモニア4.
88当量(83g)を含む)が、また酸室からは、2.
2リットル(乳酸4.88当量(439g)を含む)の
溶液が得られた。またこのバイポーラ膜電気透析の操作
を20回繰り返したが電圧の上昇は認められなかった。
塩基室では、カルシウム、マグネシウムの水酸化物によ
る白色浮遊物は見られず、さらに陽イオン交換膜は変化
していなかった。
【0030】比較例1 実施例1でバイポーラ膜電気透析で、塩基室に0.5N
−Na2SO4水溶液の代わりに、0.5N−アンモニア
水を用いた以外は同一の操作を行い電気透析槽に電流を
流そうとしたが、電圧が高くなりすぎて、電流密度5A
/dm2の電流が流せなかった。
【0031】実施例2 クエン酸アンモニウム243g/l、マグネシウム12
ppm、カルシウムイオン6ppmを含む水溶液を調製
した。バイポーラ膜電気透析槽は、図2に示すように、
1対の陰陽極間に、陽イオン交換膜(徳山曹達社製、商
品名:ネオセプタCMH)とバイポーラ膜(同 ネオセ
プタBP−1)とが順番にそれぞれ6枚、5枚(陽イオ
ン交換膜、バイポーラ膜の有効膜面積はいずれも1dm
2、総膜面積はそれぞれ6dm2および5dm2)配置さ
れ、塩基室、酸・塩混合室が形成されたフィルタープレ
ス型バイポーラ膜電気透析槽を用いた。酸・塩混合室に
は上記1リットルのクエン酸アンモニウム溶液を、塩基
室には0.5N−NaCl水溶液(0.0001N−N
aOH水溶液中でpH10としたとき、電気電導度は4
0mS/cmであった。)2リットルを、それぞれ対応
するタンクを設けて6cm/secの線速度で供給、循
環した。陽極室と陰極室はそれぞれ10%水酸化カリウ
ム水溶液5リットルを循環した。40℃、電流密度5A
/dm2で3時間電気透析を行った。このときの平均電
圧は2.4ボルト/ユニットセルであった。
【0032】その結果、塩基室からはアンモニアと塩化
ナトリウム混合水溶液2.1リットル(アンモニア2.
44当量を含む)が、また酸・塩混合室からは0.9リ
ットル(クエン酸2.44当量を含む)の溶液が得られ
た。
【0033】このとき塩基室のマグネシウム、カルシウ
ムイオン濃度はそれぞれ4.9および2.6ppmであ
り、酸・塩混合室からそれぞれ85および92%が塩基
室に移動していた。しかし、水酸化物の白濁沈澱は見ら
れなかった。またこのバイポーラ膜電気透析の操作を1
カ月繰り返したが電圧の上昇は認められなかった。この
とき陽イオン交換膜には変化無かった。
【0034】比較例2 実施例2でバイポーラ膜電気透析で、塩基室に0.5N
−NaCl水溶液の代わりに、0.5N−アンモニア水
を用いた以外は同一の操作を行い電気透析槽に電流を流
そうとしたが、電圧が高くなりすぎて、電流密度5A/
dm2の電流が流せなかった。
【0035】比較例3 実施例2でバイポーラ膜電気透析で、クエン酸アンモニ
ウムの代わりにクエン酸ナトリウム294gが溶解した
水溶液1リットルを使用した以外は同一の操作を行い電
気透析槽に電流をした。このとき塩基室のマグネシウ
ム、カルシウムイオン濃度はそれぞれ4.3および2.
4ppmであり、酸・塩混合室からそれぞれ75および
86%が塩基室に移動していた。さらに水酸化物の白濁
物が浮遊していた。またこのバイポーラ膜電気透析の操
作を1カ月繰り返したところ電圧は5.8ボルトに上昇
した。このとき陽イオン交換膜の陰極側に白いスケール
がみられた。
【0036】実施例3 実施例2で酸・塩混合室にクエン酸アンモニウムの代わ
りに硫酸ブチルアンモニウム244gが溶解した水溶液
1リットルを使用し、更に、通電時間を1時間とした以
外は同一の操作を行った。この時の電圧は2.9ボルト
/ユニットセルであった。
【0037】その結果、塩基室からはブチルアミンと塩
化ナトリウム混合水溶液2.1リットル(ブチルアミン
0.56当量を含む)が、また酸・塩混合室からは、
0.9リットル(硫酸0.56当量を含む)の溶液が得
られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】三室式バイポーラ膜電気透析槽の模式図であ
る。
【図2】二室式バイポーラ膜電気透析槽の模式図であ
る。
【符号の説明】 1 バイポーラ膜(B) 2 陽イオン交換膜(C) 3 陰イオン交換膜(A) 11 塩基室 12 酸室 13 塩室 14 酸・塩混合室 15 陽極室 16 陰極室 17 陽極 18 陰極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 一正 愛知県知多市北浜町24番地の5 サンエ イ糖化株式会社内 (72)発明者 土井 梅幸 愛知県知多市北浜町24番地の5 サンエ イ糖化株式会社内 (72)発明者 今井 健一 愛知県知多市北浜町24番地の5 サンエ イ糖化株式会社内 審査官 廣野 知子 (56)参考文献 特開 平5−70984(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C25B 1/00 - 15/08 B01D 61/44 B01D 61/46 B01D 61/52

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】バイポーラ膜を用いた電気透析によってア
    ミン塩からアミンを製造する方法において、電気透析槽
    の塩基室にアルカリ溶液中で解離する塩を0.1〜3規
    定の濃度で存在させることを特徴とするアミンの製造方
    法。
JP25420493A 1993-10-12 1993-10-12 アミンの製造方法 Expired - Fee Related JP3302126B2 (ja)

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