JP3301491B2 - 反応物感知装置 - Google Patents

反応物感知装置

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JP3301491B2
JP3301491B2 JP11303292A JP11303292A JP3301491B2 JP 3301491 B2 JP3301491 B2 JP 3301491B2 JP 11303292 A JP11303292 A JP 11303292A JP 11303292 A JP11303292 A JP 11303292A JP 3301491 B2 JP3301491 B2 JP 3301491B2
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耕司 戸田
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耕司 戸田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、圧電振動子に振動板を
固着してなる超音波励振器により発生させた弾性振動に
より溶液を霧化し、その霧を反応物Xの付着した物体に
噴霧し、前記溶液に含まれる反応物Yと前記反応物Xと
の反応により生成される生成物の色によって、前記反応
物Xを感知する反応物感知装置に関する。
【0002】
【従来の技術】反応物Xが付着した物体に反応物Yを含
む溶液を噴霧し、反応物XとYとの反応により生成され
る生成物の色によって、反応物Xの定性を行う方法があ
る。たとえば、アミノ酸の付着した紙にニンヒドリンの
水飽和n−ブタノール溶液を噴霧し加熱すると、前記紙
においてアミノ酸の種類に応じた呈色反応が起こり、該
アミノ酸の種類を特定できる。ところで、従来、噴霧は
ほとんど人間の手によっていたので、霧の粒子が大きい
ばかりでなく、噴霧の仕方によってはムラができやす
く、反応物Xが微量である場合には噴霧により反応物X
が前記物体中に拡散しやすく、従って、前記反応による
生成物の色もそれだけ希薄になってしまい、結果として
反応物Xの定性が不可能になることが多かった。
【0003】前記噴霧に従来の霧化装置を応用する場
合、従来の超音波霧化装置としては、ボルト締ランジュ
バン型振動子を応用した超音波霧化装置およびネブライ
ザーが挙げられる。ボルト締ランジュバン型振動子によ
る霧化装置は数10kHzという周波数の超音波を利用し
たもので、多量の霧を発生しうるという長所を有する
が、構造が複雑で装置が大がかりであるという短所をあ
わせもつ。一方、ネブライザーは、MHz領域の超音波を
利用したもので、粒子が微小で均一性に優れるという長
所を有するものの、霧化効率が悪く低電力で多量の霧を
発生させるのが難しいという短所をもつ。つまり、従来
の超音波霧化装置では、霧化効率、多量霧化、粒子の微
小性または駆動電源コストのいずれかにおいて難点があ
った。
【0004】このようにして、従来の超音波霧化装置を
反応物感知装置に応用する場合、装置が大型であるこ
と、霧化効率が悪いこと、粒子の径が大きいこと、駆動
電源コストが高いこと、反応物Xが微量である場合には
その正確な定性が不可能であること等の問題点を生じ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、霧化
効率、多量霧化、粒子の微小性かつ均一性、装置が小型
かつ軽量であること、構造が簡単であることおよび駆動
電源コストのどの面からみても満足のできる超音波霧化
デバイスを用いて溶液を物体に噴霧し、該物体に付着し
た微量の反応物Xと前記溶液に含まれる反応物Yとの反
応によって生じる生成物の色から反応物Xを感知し、そ
の定性を行う反応物感知装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の反応物
感知装置は、反応物Yを含む溶液を霧化することにより
該溶液の霧を生成する霧化手段と、反応物Xが付着され
る紙などの物体を保持する保持手段とを備えてなり、前
記霧化手段は、圧電振動子に振動板を固着してなる超音
波励振器を有し、該振動板の振動により前記溶液の霧化
をし、該霧化による前記霧を前物体に噴霧し、前記物体
上の前記反応物Xに前記霧が噴霧されたときに該反応物
Xと該反応物Yとの呈色反応をさせる反応物感知装置に
おいて、前記霧化手段は、前記超音波励振器に前記溶液
を供給する手段を含み、前記物体の加熱などにより前記
呈色反応を促進させる反応促進手段を有することを特徴
とする。
【0007】請求項2に記載の反応物感知装置は、前記
反応物Yがニンヒドリンで成り、前記溶液の溶媒が水、
アセトン、n−ヘキサン、1,4−ジオキサン、n−ブ
タノール、その他の溶媒、または前記溶媒の混合溶媒で
成ることを特徴とする。
【0008】請求項3に記載の反応物感知装置は、前記
溶液が過酸化水素水で成ることを特徴とする。
【0009】請求項4に記載の反応物感知装置は、前記
圧電振動子は圧電磁器と、該圧電磁器の厚さ方向に垂直
な両端面にそれぞれ形成されている電極AおよびBとか
ら成り、前記電極AおよびBのうちで少なくとも電極A
は互いに絶縁された電極A1およびA2に分割されてい
て、前記電極Bと前記電極A1またはA2との間に前記
圧電磁器の共振周波数とほぼ等しい周波数の電圧を印加
することにより、前記圧電振動子を駆動する回路が備え
られていて、前記駆動回路は、前記電極A1またはA2
のうちの一方に出力電圧を供給し、前記電極A1または
A2のうちで前記出力電圧を供給されていない方の電極
に現われる圧電気を帰還電圧として受けるトランジスタ
と、該トランジスタにおける前記出力電圧の端子と電源
の一方の端子との間に接続されている昇圧用のコイルと
を備え、前記駆動回路は、前記トランジスタを増幅素子
とし、前記圧電振動子を共振回路とする発振回路を構成
することを特徴とする。
【0010】請求項5に記載の反応物感知装置は、前記
駆動回路は、前記圧電振動子に供給する励振電圧として
交流パルス電圧を出力し、該交流パルス電圧の電圧値を
調節する手段と、該交流パルス電圧のパルス幅およびパ
ルス繰り返し周波数を調節する手段とを備えることを特
徴とする。
【0011】請求項6に記載の反応物感知装置は、前記
圧電振動子の共振周波数のうちの1つは、該圧電振動子
と前記振動板との複合体における共振周波数のうちの1
つにほぼ等しいことを特徴とする請求項4または5に記
載の反応物感知装置。
【0012】請求項7に記載の反応物感知装置は、前記
圧電振動子は、長さと幅の寸法比が1に近くしかも1に
等しくない矩形状の板であって、前記振動板は、前記圧
電振動子の電極を有する少なくとも一つの端面上に一体
的に連なって固着されていることを特徴とする。
【0013】請求項8に記載の反応物感知装置は、前記
圧電振動子は、3辺のうちの2辺の寸法比が1に近くし
かも1に等しくない矩形状の角柱であって、前記振動板
は、前記圧電振動子の電極を有する少なくとも一つの端
面上に一体的に連なって固着されていることを特徴とす
る。
【0014】請求項9に記載の反応物感知装置は、前記
圧電振動子は、該圧電振動子の厚さ方向に平行に貫通さ
れた貫通穴を有し、前記厚さ方向に垂直な断面の形が円
環状の枠型を成し、前記厚さ方向の長さと、前記円環状
枠型の外縁と内縁との最短距離との比がほぼ1に等し
く、前記振動板は、前記貫通穴の開口を覆う位置または
該貫通穴の内部に前記断面にほぼ平行に少なくとも1箇
所に設けてあることを特徴とする。
【0015】請求項10に記載の反応物感知装置は、前
記振動板には多数の穴が設けてあり、前記穴における前
記振動板の一方の開口面積と他方の開口面積とが互いに
異なることを特徴とする。
【0016】請求項11に記載の反応物感知装置は、前
記振動板の少なくとも一方の端面における前記穴には、
開口面積に関して少なくとも2種類あることを特徴とす
る。
【0017】
【作用】請求項1に記載の反応物感知装置の使用時、前
記圧電振動子には前記圧電振動子と前記振動板との複合
体の共振周波数にほぼ等しい周波数を有する交流信号が
印加され、前記圧電振動子は励振される。前記圧電振動
子の励振は前記振動板を振動させる。前記振動板に供給
された溶液は該振動板の振動により該振動板の垂直上方
に霧化されるので、その霧を反応物Xの付着した物体に
噴霧し、前記溶液に含まれる反応物Yと前記反応物Xと
を反応させると、前記物体における前記反応物Xの付着
した部分が着色する。これは前記反応により生成される
生成物が着色しているからであって、該着色部分を観察
することによって前記反応物Xを感知し、その定性をす
ることができる。本発明の反応物感知装置はこのように
して圧電振動子に振動板を固着して成る超音波励振器を
含み、該超音波励振器による霧化は、霧化効率が高いの
で多量霧化が低消費電力で実現でき、霧の粒子も微小か
つ均一であり、そのうえ装置の小型化も容易にできる。
従って、前記溶液の前記物体への均一的な噴霧が容易に
実現できるとともに、短時間での効果的な噴霧が可能と
なる。また、前記超音波励振器は自励式駆動も可能で、
電池での駆動も容易なことから、環境変化に対応しうる
形で低消費電力での駆動が可能となる。また、本発明の
反応物感知装置は前記反応を促進する手段を含み、該手
段として前記溶液が噴霧された前記物体を加熱する等の
手段を含む。従って、前記超音波励振器による前記物体
への噴霧に始まり、該噴霧後の前記反応の促進までを一
体化することができるので、反応物感知操作に要する時
間と労力を短縮できる。また、すべての操作を密室で行
うことができるので、人体に有害な溶液を扱う場合でも
安心して作業することが可能となる。
【0018】請求項2に記載の反応物感知装置では、前
記反応物Yとしてニンヒドリンが用いられている。この
とき、反応物Xは種々のアミノ酸であって、ニンヒドリ
ン反応によってそのアミノ酸の種類に応じた着色を示
す。ニンヒドリンを溶解する溶媒としては水飽和n−ブ
タノールが用いられる。このようなニンヒドリン反応に
よるアミノ酸の検出方法は、指紋の鑑識にも応用されて
いる。これは、ニンヒドリンが前記指紋の成分と容易に
反応して着色するからである。従来の指紋鑑識方法とし
ては、溶媒として水、アセトン、nーヘキサン、1、4
ージオキサン等を用いたニンヒドリン溶液を、指紋の付
着した物体に合成樹脂製またはガラス繊維製のハケで直
接塗るかまたは該溶液中に漬け込み、その後、加熱する
という手段が用いられてきた。このような従来の指紋鑑
識方法は人間の手作業に負うところが大きく、大変な労
力と時間とを要するばかりでなく、人体に有害な溶媒を
蒸気として吸い込む可能性が大きく人体の健康に及ぼす
影響が少なくない。その上、ハケを使用していることか
ら、ハケが前記物体の表面をこするので、微小で希薄な
指紋等の場合にはニンヒドリンと反応する指紋の成分が
拡散しやすく、該指紋の鑑識の妨げになる可能性があ
る。本発明の反応物感知装置では、霧化効率がよく粒子
の径が小さな霧を物体に噴霧することができるので、使
用するニンヒドリン溶液の量が少量ですむ。その上、ハ
ケを使用することもないので、微小で希薄な指紋の精密
な鑑定も可能となる。ニンヒドリンを溶解する溶媒はそ
れぞれの用途に応じて使用される。たとえば、指紋鑑定
と同時にその指紋の付着した物体に書かれた文字の筆跡
を鑑定する場合、該文字を書くのに用いられたインクの
種類に応じて前記溶媒を使い分ければよい。このように
して、前記インクを溶解することのない、つまり筆跡鑑
定が可能な溶媒を用いることにより、筆跡鑑定と指紋鑑
定を同時にすることが可能となる。
【0019】請求項3に記載の反応物感知装置では、前
記溶液が過酸化水素水でなることにより、ニンヒドリン
反応によって生じた前記物体における前記生成物を酸化
して脱色することができる。従って、前記物体をすばや
く元の状態に復元することができる。
【0020】請求項4に記載の反応物感知装置では、前
記圧電振動子は圧電磁器と、該圧電磁器の厚さ方向に垂
直な両端面に形成されている電極AおよびBとから成
る。このような簡単な構造の圧電振動子の採用により前
記超音波励振器を小型化でき、しかもこのような超音波
励振器では高い効率で溶液を霧化することができる。ま
た、前記電極AおよびBのうちで少なくとも電極Aは互
いに絶縁された電極A1およびA2に分割されていて、
前記電極Bと前記電極A1またはA2との間に前記圧電
磁器の共振周波数とほぼ等しい周波数の電圧を印加する
ことにより、前記圧電振動子を駆動する回路が備えられ
ている。該駆動回路は、3端子方式の自励式回路を採用
し、圧電振動子の共振周波数に周波数を自動的に追尾で
きるようにしている。そのうえ、コイルの逆起電圧を利
用した回路(以後、逆起電圧回路と呼ぶ)を備えること
により、電源電圧より高い電圧で圧電振動子を駆動でき
るようにしている。この回路はコイルの特性を利用する
ことで高電圧を発生させるもので、トランスの使用と比
較して価格、重量および容積の点で有利である。また、
回路が簡単で小型であり、電源効率及び周波数特性が良
い等の特徴をもたらすことができる。このようにして、
本発明の反応物感知装置は小型軽量で、安価で、電源効
率がよい。また、本発明の反応物感知装置では温度など
の環境の変化に対応しうる形で低消費電力での駆動が可
能となる。
【0021】請求項5に記載の反応物感知装置では、前
記圧電振動子に供給する励振電圧として交流パルス電圧
を出力し、該交流パルス電圧の電圧値を調節する手段
と、該交流パルス電圧のパルス幅およびパルス繰り返し
周波数を調節する手段とが前記駆動回路に備えられてい
ることから、霧化動作を極めて正確にステップ状にも制
御することができ、安定した霧化を実現できる。
【0022】請求項6に記載の反応物感知装置では、前
記圧電振動子の共振周波数のうちの1つが、該圧電振動
子と前記振動板との複合体における共振周波数のうちの
1つにほぼ等しくなるときの電圧が前記圧電振動子に印
加されることにより、前記振動板は効率的に励振され、
霧化効率が促進され、霧の発生量はさらに増大する。
【0023】請求項7に記載の反応物感知装置では、請
求項6に記載の前記圧電振動子が、長さと幅の寸法比が
1に近くしかも1に等しくない矩形状の板であることに
より、前記圧電振動子と前記振動板との複合体の結合振
動が増強される。従って、前記圧電振動子の振動エネル
ギーは効率良く前記振動板に伝搬し、前記振動板を振動
させ、霧化効率が促進される。また、前記振動板が前記
圧電振動子の電極を有する少なくとも一方の端面上に一
体的に連なって固着されていることにより、前記振動板
は、該振動板と前記圧電振動子との固着部分を固定端と
する片持ち梁の形で屈曲振動する。従って、前記振動板
に供給された溶液はその弾性振動により効率的に霧化さ
れ、その振動板に垂直な上方に向けて微小かつ均一な粒
子で成る霧として放散される。なお、振動板を複数個用
いることにより、さらに霧の粒子の微小性を向上でき
る。
【0024】請求項8に記載の反応物感知装置では、請
求項6に記載の前記圧電振動子が、3辺のうちの2辺の
寸法比が1に近くしかも1に等しくない矩形状の角柱で
あることにより、前記圧電振動子と前記振動板との複合
体の結合振動が増強される。従って、前記圧電振動子の
振動エネルギーは効率良く前記振動板に伝搬し、前記振
動板を振動させ、霧化効率が促進される。また、前記振
動板が前記圧電振動子の電極を有する少なくとも一方の
端面上に一体的に連なって固着されていることにより、
前記振動板は、該振動板と前記圧電振動子との固着部分
を固定端とする片持ち梁の形で屈曲振動する。従って、
前記振動板に供給された溶液はその弾性振動により効率
的に霧化され、その振動板に垂直な上方に向けて微小か
つ均一な粒子で成る霧として放散される。なお、振動板
を複数個用いることにより、さらに霧の粒子の微小性を
向上できる。
【0025】請求項9に記載の反応物感知装置では、請
求項6に記載の前記圧電振動子が、該圧電振動子の厚さ
方向に平行に貫通された貫通穴を有し、前記厚さ方向に
垂直な断面の形が枠型構造を成し、前記厚さ方向の長さ
と、前記枠型の外縁と内縁との最短距離との比がほぼ1
に等しい構造を採用することにより、前記圧電振動子と
前記振動板との複合体の結合振動が増強される。従っ
て、前記圧電振動子の振動エネルギーは効率良く前記振
動板に伝搬し、前記振動板を振動させ、霧化効率が増大
する。また、前記振動板は、前記貫通穴の開口を覆う位
置または該貫通穴の内部に前記断面にほぼ平行に少なく
とも1箇所に設けられていることから、前記圧電振動子
の振動エネルギーは効率良く前記振動板に伝搬し、前記
振動板を振動させるので、霧化効率を増大させることが
できる。また前記振動板は、周縁領域であって前記圧電
振動子に固着されている固着部分と、前記周縁領域に囲
まれている振動部分とで成ることから、前記振動部分は
前記圧電振動子と一体となった結合振動をする。従っ
て、前記振動部分に供給された溶液はその結合振動によ
り霧化され、前記振動板に垂直な上方に向けて霧として
放散される。前記振動部分の振動は、液体の霧化効率を
高め霧の発生量を増大させる。なお、振動板を複数個用
いることにより、さらに霧の粒子の微小性を向上でき
る。
【0026】請求項10に記載の反応物感知装置では、
前記枠型が円環状であって、前記厚さ方向の長さと、該
円環の外縁と内縁との最短距離との比がほぼ1に等しい
から、前記圧電振動子と前記振動板との複合体の結合振
動が増強される。従って、前記圧電振動子の振動エネル
ギーは効率良く前記振動板に伝搬し、前記振動板を振動
させ、霧化効率が増大する。
【0027】請求項11に記載の反応物感知装置では、
前記振動板に微細な多数の穴が設けられていることか
ら、前記振動板に供給された溶液は前記穴を通して霧化
される。穴を通しての霧化は粒子の微小性、均一性を促
し、しかも霧化効率を増大させることができる。その
上、前記穴における前記振動板の一方の開口面積が他方
の開口面積より大きいことから、その一方の開口を入口
側とし他方を出口側とすることにより、前記穴の溶液の
通過面積が入口側から出口側に向けて減少するから、前
記溶液が前記穴を通過するときに前記溶液は前記穴によ
って絞り作用を受ける。その結果、粒子の径がさらに微
小、均一になり、溶液の霧化作用が促進され、霧の発生
量が増加する。
【0028】請求項12に記載の反応物感知装置では、
前記穴における前記振動板の入口側または出口側の開口
面積に関して少なくとも2種類あることから、少なくと
も2種類の大きさの粒子から成る霧を同時に、または種
類ごとに別々に発生させることができる。従って、前記
物体へ噴霧する霧の粒子の大きさを該物体の質や大きさ
に応じて変化させることが可能となる。
【0029】請求項13に記載の反応物感知装置では、
前記溶液供給手段が、前記超音波励振器を支持する支持
具と、前記溶液を収容する貯液室と、前記溶液を吸収す
る保液材とを備える。前記振動板は前記保液材の少なく
とも一部と接触しており、前記保液材が、多数の貫通孔
を有する吸液能力の大きい物質から成ることから、前記
貯液室内の溶液は前記保液材によって吸い上げられた
後、前記振動板に接する部分の前記保液材から前記振動
板に順次供給される。前記振動板に供給された溶液は、
前記振動板に設けられている穴を通して霧化される。さ
らに、前記保液材を使用することにより、前記貯液室内
の溶液の増減や振動による液面の変化などに影響される
ことなく、常に安定した溶液の供給を実現できるだけで
なく、溶液の供給を無駄なく効率良く行うことができる
から、霧化効率を増大することができる。また、前記支
持具は前記超音波励振器を固定物に対し所定位置に保持
するか、または浮力により前記超音波励振器を前記溶液
中に浮かせている。この際、前記支持具のうち少なくと
も前記超音波励振器に接触する部分として発泡スチロー
ル等のような圧電振動子に比べて音響インピーダンスが
低い物質を採用することにより、圧電振動子の励振が支
持具自身や、前記固定物または前記溶液中に伝搬し散失
されるのを抑制でき、効率良く振動板を振動させること
ができるので、霧化効率を増大させることができる。前
記超音波励振器を浮力によって溶液中に浮かべる構造を
採用することにより、前記貯液室に収容されている溶液
の量の増減に影響されることなく、常時、前記振動板に
は適量の溶液が供給されることになるので効率のよい霧
化が実現でき、従って多量の霧化が低消費電力で実現で
き、あわせて装置の小型化も容易に実現できる。また、
前記支持具によって前記超音波励振器を固定物に対し所
定の位置に保持した上で前記振動板に適量の溶液を供給
することによっても効率のよい霧化が実現できる。さら
に、前記振動板を常時または間欠的に前記保液材と接触
させることにより、連続的な霧化だけでなく、一定時間
ごとの霧化も可能になる。保液材の振動板との接触面積
はできるだけ少なくする必要がある。これは、振動板の
振動エネルギーが該保液材を介して溶液中に漏れ易いか
らである。保液材としては、スポンジなどのように多方
向に複雑な貫通孔を有する物質の他、ブラシの毛先の部
分などのようにほぼ一方向に多数の貫通孔を有する物質
が挙げられる。
【0030】請求項14に記載の反応物感知装置では、
前記溶液供給手段が、前記貯液室から前記振動板に前記
溶液を供給するためのチューブを備えることにより、前
記溶液の供給を無駄なく効率的に行うことができるばか
りでなく、前記振動板に供給される溶液の量を抑制する
ことも可能となるので、霧化効率の最も高くなるような
液量の供給が実現できる。
【0031】
【実施例】図1は本発明の反応物感知装置の一実施例を
示す断面図である。本実施例は、霧化デバイス1と、保
液材5と、溶液供給チューブ6と、貯液タンク7と、バ
ルブ8と、ハンガー9とから成る。
【0032】図2は図1の霧化デバイス1の一部を成す
駆動回路4の一実施例を示す図である。この実施例は3
端子方式の自励回路である。霧化デバイス1は、圧電振
動子2と、振動板3(本図には描かれていない)と、駆
動回路4とから成る。図2において、圧電振動子2のド
ライブ電極Dは、トランジスタQ1 のコレクタに、フィ
ードバック電極Fはベースに、もう一方の側の電極Gは
グランドに接続されている。電圧が電極Dに印加される
と、逆相の電圧が電極Fに誘起され、この電圧がQ1 の
ベースに抵抗R1 を介してフィードバックされることに
よって正帰還の自励発振が生じる。
【0033】R1 は起動用抵抗で、電源を投入して自動
的に自励発振を起こすためのものであり、電源投入後の
自励発振の成長時にはR1 がないと電極Fから誘起され
る電荷が少なくQ1 をONするには至らない。自励発振
の持続時には電極Fから誘起される電荷が多いためR1
を取り外しても影響はない。R2 及びD1 はQ1 の保護
用であり、R2 はベース電流の制限用、D1 は逆電圧の
制限用である。
【0034】図3は図2の及びの箇所における自励
発振時の波形を示している。このときの電源電圧Eは2
0Vである。コイルL1 による逆起電圧によって、圧電
振動子2には約100Vに昇圧された電圧が印加される
こと並びにとの波形が逆位相になっているのが確認
できる。
【0035】図4は、圧電振動子2の動作状態での共振
周波数の変化を測定した結果を示している。時間と共に
共振周波数が変動していくことがわかる。しかしなが
ら、本発明の反応物感知装置では、圧電振動子と振動板
との複合体の共振周波数(圧電振動子の共振周波数とほ
ぼ等しい)の変動に追随した周波数で圧電振動子を励振
させることができるから、常に安定した霧化を実現でき
る。
【0036】ところで、自励発振方式は、発振と電圧・
電力増幅が一体となった回路構成を採用しており、内部
に独自の発振回路を持つことなく圧電振動子の共振を利
用して発振させる方式であり、図5〜7に従来の回路例
を示す。
【0037】図5はCR結合増幅回路で圧電振動子を駆
動する場合を示している。CR結合増幅回路は、抵抗R
1での直流電圧降下が大きく、電源の利用度が悪いとい
う問題点がある。また、電源電圧がそのまま圧電振動子
の駆動電圧となるので、高い直流電圧の電源を必要とす
るという欠点がある。
【0038】図6はスイッチング電源回路や超音波機器
用電源に良く使用されているDC−ACインバータ回路
で圧電振動子を駆動する場合を示している。DC−AC
インバータ回路は、低電圧駆動が可能という利点がある
が(電源電圧2Vで圧電振動子の駆動可能)、圧電振動
子の消費電力に比較してトランスでの損失が大きく、効
率の面で問題がある。
【0039】図7はトランス結合増幅回路で圧電振動子
を駆動する場合を示している。トランス結合増幅回路
は、高域の周波数特性が悪く、トランスT1の価格、重
量の問題がある。
【0040】駆動回路4は自励式回路を採用し、圧電振
動子2の共振周波数に周波数を自動的に追尾できるよう
にしている。そのうえ、逆起電圧回路を備えることによ
り、電源電圧より高い電圧で圧電振動子2を駆動できる
ようにしている。駆動回路4はコイルの特性を利用する
ことで高電圧を発生させるもので、図5〜7に示すよう
な従来の回路と比較して価格、重量および容積のどの点
をとっても格段に優れている。また、駆動回路4は回路
構成が簡単で小型であり、電源効率及び周波数特性が良
い。
【0041】表1は駆動回路4の概略の消費電力および
電源効率を示す。同表の消費電力は、直流電源Eの電圧
と直流電流の積から求めており、圧電振動子2および振
動板3を含めた霧化デバイス1全体で消費される電力で
ある。L1 に蓄積される電力の多くは圧電振動子2で消
費されるが、一部はQ1 をONにするための電力として
使用されると考えられる。また、電流測定用の抵抗R3
での電力損失は、電流波形を三角波に近似して計算され
る。Q1 のオン抵抗、起動抵抗R1 およびL1の抵抗分
等の電力損失は、消費電力からL1 に蓄積される電力及
びR3 での電力損失を減じることにより得られる。電源
効率は、圧電振動子2で消費される電力を実際の回路で
は使用されないR3 での電力損失を除いた入力電力で除
して求められる。ここでは、電源効率はL1 に蓄積され
る電力が全部圧電振動子で消費されるものとして計算し
ている。
【0042】 表1 駆動回路4の消費電力 ()内は消費電力に対する割合 ────────────────────────────────── 消費電力 1.3W 電流測定用抵抗R3 の消費電力・・・・・・・・0.38W(29%) Q1 のオン抵抗やL1 の抵抗分等による損失・・0.24W(18%) L1 に蓄積される電力・・・・・・・・・・・・0.68W(52%) 電源効率 74% ──────────────────────────────────
【0043】一般に、直流電源の効率はシリーズレギュ
レータで30〜60%、スイッチングレギュレータでは
70〜85%である。このことから、駆動回路4の電源
効率はスイッチングレギュレータ方式と同程度の高い値
であることがわかる。さらに効率を上げるためには、コ
イルL1 の巻線を太くし抵抗分の低減を図ることや、オ
ン抵抗の少ないトランジスタQ1 を選択するなどの対策
が考えられる。
【0044】駆動回路4によれば、電源Eの電圧が20
Vのときに100Vp−pの駆動電圧が得られ、またス
イッチングレギュレータ並の74%という高い電源効率
が得られた。しかも、駆動回路4は1つのコイル、1つ
のトランジスタ、2つの抵抗、および1つのダイオード
という極く少ない部品で構成できる。また、電源電圧の
昇圧のためにコイルL1 を用い、トランスを用いていな
い。コイルL1 はトランスに比べて小型、軽量で、安価
である。駆動回路4においては、上述のことから明かな
ように、電源電圧の5倍のピーク電圧で圧電振動子2を
駆動できる。圧電振動子2を駆動できる最小電圧は20
Vp−pであるから、電源電圧Eは4V以上であれば圧
電振動子2を駆動できる。このようにして、低い電源電
圧での圧電振動子の駆動が可能となる。
【0045】図8は圧電振動子2と振動板3とから成る
複合体の第1の実施例を示す側面図、図9は図8の複合
体の平面図である。圧電振動子2は矩形板状の圧電磁器
11を有し、圧電磁器11の材質はTDK72A材(製
品名)で、その長さは10mm、幅は9mm、厚さは1
mmである。TDK72A材は電気機械結合係数が大き
いことから、ここでの実施例に用いている。圧電磁器1
1の分極軸の方向は厚さ方向に一致しており、この厚さ
方向に垂直な両端面に電極D、FおよびGが形成されて
いる。電極DおよびFは同一面上に設けられていて互い
に絶縁状態にある。電極Dは圧電磁器11の長さ方向の
先端から4.5mmの部位を覆い、電極Fは電極Dから
1mm離れた残りの部分を覆っている。電極Dには端子
Pが取り付けられ、電極Fには端子Qが取り付けられ、
電極Gには端子Rが取り付けられている。圧電振動子2
の一方の端面には、舌片状の振動板3が取り付けられて
いる。振動板3はニッケル製で、細長い板状の固着部1
2において圧電振動子2と一体的に連なって固着されて
おり、圧電振動子2より突出している部分の振動板3が
振動部13をなしている。固着部12は電極Fを介して
圧電振動子2に接着剤で接着されている。振動板3は長
さ10.5mm、幅9mm、厚さ0.05mmである。
固着部12は長さ1.5mm、幅9mm、厚さ0.05
mmである。振動部13は圧電振動子2の幅方向に沿う
縁部から外方に向けて圧電振動子2の板面に平行に伸び
突出している。振動部13は長さ9mm、幅9mm、厚
さ0.05mmである。
【0046】図10は板面に垂直な平面で切断したとき
に現れる振動部13の断面を示す図である。振動部13
にはその厚さ方向に貫通する微細な多数の穴20が設け
られている。図10では穴20の縦断面形状および寸法
が示されている。穴20の形状はすり鉢状であって、一
方の開口面積が他方の開口面積より大きいものをここで
の実施例で用いていて、一方の開口を入口側とし、他方
を出口側としている。入口側の直径は0.1mm、出口
側の直径は0.01mmであって、穴20は等しいピッ
チで配列されている。
【0047】図11は振動部13の部分拡大平面図であ
る。図11では図9と同方向から見たときの穴20の形
状および配列ならびに寸法が示されている。
【0048】図1の反応物感知装置の駆動時、圧電振動
子2と振動板3との複合体の共振周波数にほぼ等しい周
波数を有する交流信号を、駆動回路4を用いて圧電振動
子2に印加すると、圧電振動子2が励振される。このと
き、その交流信号の周波数は圧電振動子2単体の共振周
波数のうちの1つにほぼ一致している。振動板3を圧電
振動子2の少なくとも一方の端面上に一体的に連なって
固着させる構造を採用していることから、圧電振動子2
の励振に伴って振動板3はその固着部12を固定端とす
る片持ち梁の形で振動され、振動部13の弾性振動が液
体の霧化に有効に機能する。一方、貯液タンク7の中の
溶液は溶液供給チューブ6を通過するときにバルブ8に
よって液量を調整され保液材5に供給され、保液材5と
接触している部分の振動板3に達している。保液材5は
吸液能力が大きくかつ圧電振動子2に比べて音響インピ
ーダンスが低いものをここでの実施例に用いている。こ
れは、圧電振動子2からの超音波が保液材5を介して溶
液中に伝搬し散失するのを抑制し、振動板3を効率良く
振動させるためである。保液材5によって吸収された溶
液は、毛細管現象により各穴20に導かれる。前記溶液
が各穴20を通過するとき、各穴20の溶液の通過面積
はその入口側から出口側に向けて減少するから、前記溶
液は穴20によって絞り作用を受け、微小でかつ均一な
粒子となって穴20の出口側に流出する。その結果、前
記絞り作用、振動部13の弾性振動により、穴20から
流出した溶液は効率良く霧化される。
【0049】図1の霧化デバイス1によって霧化された
溶液は、ハンガー9に吊された紙に向けて噴霧される。
前記紙には予めアミノ酸を付着させておく。一方、前記
溶液中にはニンヒドリンを溶解させておき、溶媒として
は水飽和n−ブタノールを使用する。このようにして、
まんべんなく前記溶液を前記紙に噴霧した後、前記紙を
ほぼ100℃に加熱すると、アミノ酸の種類に応じた着
色がみられる。
【0050】図12は霧化デバイス1における電極Dと
Gとの間のアドミタンスの振幅および位相の周波数特性
を示す図である。図12において点線は圧電振動子2単
体の特性を示し、実線は圧電振動子2と振動板3との複
合体の特性を示す。圧電振動子2単体の主な共振点をf
1、f2、f3 とすると、前記複合体ではf2 とf3 との
間に新たに2つの共振点fa、fb が生じていることが
確認できる。fo は前記複合体が本発明の反応物感知装
置に用いられた場合に、霧化量が最大になるときの周波
数を示す。fo は231kHzであり、前記複合体の共
振点fb とほぼ一致しているが、振動部13の長さを短
くするに従いfb は高周波側へ偏移する。このfb がf
3 の近傍に存在し、位相変化の振幅が最大となるとき、
最大の霧化効果が得られる。このようにして、圧電振動
子と振動板との複合体における共振周波数が圧電振動子
単体の共振周波数にほぼ等しくなるような構造を採用す
ることにより、圧電振動子と振動板との複合体の結合振
動が増強するから、霧の発生量はさらに増加する。
【0051】図13は霧化デバイス1において、振動部
13の長さを変化させていったときの振動部13の長さ
と霧の噴出の高さとの関係を示す特性図である。ただし
このときの高さは、振動板13が水平になるように霧化
デバイス1を配置したときのものである。振動部13の
長さが9mmのときに霧の高さは55cmの最大値に達
した。
【0052】図14は霧化デバイス1において、振動部
13の長さを変化させていったときの振動部13の長さ
と霧化量との関係を示す特性図である。振動部の長さが
9mmのときに霧化量は578cc/hの最大値に達し
た。
【0053】図15は霧化デバイス1において、振動部
13の長さを変化させていったときの振動部13の長さ
と消費電力との関係を示す特性図である。振動部の長さ
が9mmのときには消費電力はほぼ1Wであった。
【0054】図16は図8および図9に示す複合体に代
えて示す圧電振動子2と、振動板3と、振動板31とか
ら成る複合体の第2の実施例を示す平面図である。振動
板31は振動板3と同寸法であって、振動板31は振動
板3と同寸法の固着部32および振動部33から成る。
振動板31には振動板3と同様な形状の微細な多数の穴
が設けられているが、その穴の寸法は穴20とは異な
り、入口側の直径は0.1mm、出口側の直径は0.0
2mmである。振動板31は圧電振動子2の振動板3が
固着されている方の端面上において、振動板3と対面す
る縁部に固着されている。なお、図16では圧電振動子
2に設けられている端子P、Q、Rは省いて描かれてい
る。本実施例では、保液材を振動板3または振動板31
のどちらかに接触させることにより、その振動板に設け
られている穴の大きさに応じた大きさの粒子を有する霧
を発生させることができる。また、保液材を振動板3お
よび振動板31の両方に接触させることにより、同時に
異なった大きさの粒子を有する霧を発生させることもで
きる。なお、本実施例を用いることによっても、図8お
よび図9に示す複合体を本発明の反応物感知装置に用い
たときと同様な霧化効果が見られた。
【0055】図17は図8および図9に示す複合体に代
えて示す圧電振動子2と、振動板41と、振動板51と
から成る複合体の第3の実施例を示す平面図である。振
動板41は長さ10.5mm、幅4mm、厚さ0.05
mmである。振動板41は固着部42と振動部43とか
ら成る。固着部42は長さ1.5mm、幅4mm、厚さ
0.05mmであり、振動部43は長さ9mm、幅4m
m、厚さ0.05mmである。振動板51は振動板41
と同寸法である。振動板41には振動板3と同様な形状
と寸法の微細な多数の穴が設けられ、振動板51には振
動板31と同様な形状と寸法の微細な多数の穴が設けら
れている。2つの振動板41および振動板51は互いに
1mmの間隔を隔てて、圧電振動子2の一方の端面上に
固着されている。なお、図17では圧電振動子2に設け
られている端子P、Q、Rは省いて描かれている。本実
施例では、保液材を振動板41または振動板51のどち
らかに接触させることにより、その振動板に設けられて
いる穴の大きさに応じた大きさの粒子を有する霧を発生
させることができる。また、保液材を振動板41および
振動板51の両方に接触させることにより、同時に異な
った大きさの粒子を有する霧を発生させることもでき
る。なお、本実施例を用いることによっても、図8およ
び図9に示す複合体を本発明の反応物感知装置に用いた
ときと同様な霧化効果が見られた。
【0056】図18は図8および図9に示す複合体に代
えて示す2つの圧電振動子2と、振動板41と、振動板
51とから成る複合体の第4の実施例を示す斜視図であ
る。振動板41は圧電振動子2の一方の端面上の、圧電
振動子2の幅方向に沿う縁部の隅に固着されている。2
つの圧電振動子2は、それぞれの振動板41および振動
板51の固着されていない方の端面を介して互いに圧接
されている。2つの振動板41および振動板51は、圧
電振動子2の厚さ方向から見たとき、互いに重なりあわ
ないように配置されている。振動板41には振動板3と
同様な形状と寸法の微細な多数の穴が設けられ、振動板
51には振動板31と同様な形状と寸法の微細な多数の
穴が設けられている。圧電振動子2には端子P、Q、R
が配置されていて、2つの端子PおよびQは圧電振動子
2の振動板を有する端面上にそれぞれ設けられていて、
端子Rは2つの圧電振動子2の間にただ1つ設けられて
いる。一方の端子Pおよび端子Rを介して交流電圧を供
給することにより、その端子Pが設けられている圧電振
動子2を駆動させることができる。このようにして、ど
ちらかの圧電振動子2を駆動させることができる。本実
施例を用いることによっても、図8および図9に示す複
合体を本発明の反応物感知装置に用いたときと同様な霧
化効果が見られた。
【0057】図19は図8および図9に示す複合体に代
えて示す長さ20mm、幅5mm、厚さ6mmの圧電振
動子60と、長さ1.5mm、幅5mm、厚さ0.04
mmの固着部63と長さ10.5mm、幅5mm、厚さ
0.04mmの振動部64とを有する振動板62とを備
えた複合体の第5の実施例を示す斜視図である。振動板
62には振動板3と同様な形状の微細な多数の穴が設け
られていて、その入口側の直径は0.08mmで出口側
の直径は0.007mmである。本実施例においても、
圧電磁器61の分極軸に垂直な両端面に電極D、F、G
が形成されている。電極DおよびFは同一面上に設けら
れていて互いに絶縁状態にある。電極Dは圧電磁器61
の長さ方向の先端から15mmの部位を覆い、電極Fは
電極Dから1mm離れた残りの部分を覆っている。本実
施例を用いれば、周波数が約100kHzで霧化量が最
大となり、霧の粒子もさらに微小かつ均一になることが
確認された。このようにして、圧電振動子としてその厚
さと幅の寸法比が1に近くてしかも1に等しくない矩形
状の角柱構造を採用することにより、圧電振動子と振動
板との複合体の結合振動が増強するから、霧の発生量は
さらに増加する。
【0058】図20は図19の例に代えて示す長さ10
mm、幅5mm、厚さ6mmの圧電振動子70と、長さ
7mm、幅5mm、厚さ0.04mmの振動板72とを
備えた複合体の第6の実施例を示す斜視図である。圧電
振動子70は圧電磁器71と電極D、F、Gとから成
る。電極Dは圧電磁器71の長さ方向の先端から4.5
mmの部位を覆い、電極Fは電極Dから1mm離れた残
りの部分を覆っている。振動板72は固着部73と振動
部74とから成り、振動板72は圧電振動子70の下側
に設けられている。振動部74は長さ5.5mm、幅5
mm、厚さ0.04mmであって、固着部73は長さ
1.5mm、幅5mm、厚さ0.04mmである。振動
板72には振動板62と同様な形状と寸法の微細な多数
の穴が設けられている。本実施例においても図19と同
様に安定で効率がよく低消費電力駆動が可能な霧化装置
を提供できる。
【0059】図21は図20に示す複合体における電極
DとGとの間のアドミタンスの振幅および位相の周波数
特性を示す図である。図21において点線は圧電振動子
2単体の特性を示し、実線は圧電振動子70と振動板7
2との複合体の特性を示す。fo は前記複合体が本発明
の反応物感知装置に用いられた場合に、霧化量が最大に
なるときの周波数を示す。fo は245.7kHzであ
り、圧電振動子2単体の共振周波数とほぼ一致してい
る。このように、圧電振動子と振動板との複合体におけ
る共振周波数が圧電振動子単体の共振周波数にほぼ等し
くなるような構造を採用することにより、圧電振動子と
振動板との複合体の結合振動が増強するから、霧の発生
量はさらに増加する。
【0060】図22は振動部74の長さを変化させてい
ったときの振動部74の長さと霧化量との関係を示す特
性図である。振動部の長さが5.0〜6.5mmの範囲
に限られているのは、この範囲の長さにおいて、特に良
好な霧化動作が得られたからである。振動部の長さが
5.5mmのときに霧化量は72cc/hの最大値に達
した。
【0061】図23は振動部74の長さを変化させてい
ったときの振動部74の長さと消費電力との関係を示す
特性図である。振動部の長さが5.5mmのときには消
費電力はほぼ1Wであった。
【0062】図24は単位消費電力あたりの霧化量、即
ち霧化効率を示す図である。振動部の長さが5.5mm
の状態で最大霧化量72cc/h・Wが得られる。この
ようにして、アドミタンスの位相の周波数特性におい
て、圧電振動子単体の特性と複合体の特性とが良好に一
致することが、自励駆動での最大霧化の最適条件であ
り、このことを理論値と振動解析、実験結果の良好な対
応関係をもとに説明することができた。
【0063】なお、回路の動作原理および動作特性の考
察から本実施例で用いた駆動回路は、部品点数が少ない
うえ、直流電源を利用する低消費電力タイプであり、小
型化が可能であること、霧化周波数が安定した領域にあ
ることによる動作の安定性等の特徴を有しているといえ
る。
【0064】
【発明の効果】本発明の反応物感知装置では、圧電振動
子に振動板を固着して成る超音波励振器が含まれる。超
音波励振器による霧化は、霧化効率が高いので多量霧化
が低消費電力で実現でき、霧の粒子も微小かつ均一であ
り、そのうえ装置の小型化も容易にできる。従って、溶
液の物体への均一的な噴霧が容易に実現できるととも
に、短時間での効果的な噴霧が可能となる。また、超音
波励振器は自励式駆動も可能で、電池での駆動も容易な
ことから、温度などの環境変化に対応しうる形で低消費
電力での駆動が可能となる。また、本発明の反応物感知
装置は、超音波励振器による物体への噴霧に始まり、噴
霧後の反応物Xと反応物Yとの反応の促進までを一体化
することができるので、反応物感知操作に要する時間と
労力を短縮できる。また、すべての操作を密室で行うこ
とができるので、人体に有害な溶液を扱う場合でも安心
して作業することが可能となる。
【0065】反応物Yとしてニンヒドリンを用いるニン
ヒドリン反応により、反応物Xとしてアミノ酸を検出す
ることができる。これは指紋の鑑定にも応用することが
できる。これは、ニンヒドリンが指紋の成分と容易に反
応して着色するからである。本発明の反応物感知装置を
用いれば、ニンヒドリンを含む溶液の噴霧を効率よく効
果的に行うことができ、しかも噴霧後の物体を加熱し、
その反応の促進をはかることができるので、指紋鑑定の
精度を増大させることができる。その上、物体をこすっ
たり、物体を溶液中に直接漬け込むことはしないので、
指紋の跡が流れ落ちたりして失われることがない。従っ
て、微小で希薄な指紋鑑定も可能となる。なお、指紋鑑
定後の物体の脱色剤として過酸化水素水を採用すること
により、指紋鑑定終了後の着色部分を有する物体をすば
やく元の状態に復元することができる。これは過酸化水
素水が、該着色部分における着色物質を酸化して、その
色をすばやく脱色するからである。
【0066】圧電振動子として圧電磁器と、その圧電磁
器の厚さ方向に垂直な両端面に形成されている電極Aお
よびBとから成る簡単な構造を採用することにより、超
音波励振器を小型化でき、しかもこのような超音波励振
器では高い効率で溶液を霧化することができる。また、
前記電極AおよびBのうちで少なくとも電極Aは互いに
絶縁された電極A1およびA2に分割されていて、前記
電極Bと前記電極A1またはA2との間に前記圧電磁器
の共振周波数とほぼ等しい周波数の電圧を印加すること
により、前記圧電振動子を駆動する回路が備えられてい
る。この駆動回路として3端子方式の自励式回路を採用
することにより、印加電圧の周波数は圧電振動子の共振
周波数を自動的に追尾することができる。そのうえ、逆
起電圧回路を備えることにより、電源電圧より高い電圧
で圧電振動子を駆動することができる。本発明の反応物
感知装置の駆動回路は、コイルの特性を利用することで
高電圧を発生させるもので、トランスの使用と比較して
価格、重量および容積の点で格段に優れている。また、
回路構成が簡単で小型であり、電源効率及び周波数特性
が良い等の特徴を有する。このようにして、本発明の反
応物感知装置は小型軽量で、安価で、電源効率がよく、
また、温度などの環境の変化に対応しうる形で低消費電
力での駆動が可能となる。
【0067】圧電振動子に供給する励振電圧として交流
パルス電圧を出力し、該交流パルス電圧の電圧値を調節
する手段と、該交流パルス電圧のパルス幅およびパルス
繰り返し周波数を調節する手段とを駆動回路に備える構
造を採用することにより、霧化動作を極めて正確にステ
ップ状にも制御することができ、安定した霧化を実現で
きる。
【0068】圧電振動子の共振周波数のうちの1つが、
圧電振動子と振動板との複合体における共振周波数のう
ちの1つにほぼ等しくなるような構造を採用することに
より、振動板は効率的に励振され、霧化効率が促進さ
れ、霧の発生量はさらに増大する。
【0069】圧電振動子として、長さと幅の寸法比が1
に近くしかも1に等しくない矩形状の板柱構造を採用す
ることにより、圧電振動子と振動板との複合体の結合振
動が増強されるから、圧電振動子の振動エネルギーはさ
らに効率良く振動板に伝搬し、振動板を振動させる。従
って、霧化効率が促進される。また、その振動板が圧電
振動子の電極を有する少なくとも一方の端面上に一体的
に連なって固着されていることにより、振動板は、振動
板と圧電振動子との固着部分を固定端とする片持ち梁の
形で屈曲振動する。従って、振動板に供給された溶液は
その弾性振動により効率的に霧化され、その振動板に垂
直な上方に向けて微小かつ均一な粒子で成る霧として放
散される。なお、振動板を複数個用いることにより、さ
らに霧の粒子の微小性を向上できる。
【0070】圧電振動子として、3辺のうちの2辺の寸
法比が1に近くしかも1に等しくない矩形状の角柱構造
を採用することにより、圧電振動子と振動板との複合体
の結合振動が増強される。従って、圧電振動子の振動エ
ネルギーは効率良く振動板に伝搬し、振動板を振動さ
せ、霧化効率が促進される。また、その振動板が圧電振
動子の電極を有する少なくとも一方の端面上に一体的に
連なって固着されていることにより、振動板は、振動板
と圧電振動子との固着部分を固定端とする片持ち梁の形
で屈曲振動する。従って、振動板に供給された溶液はそ
の弾性振動により効率的に霧化され、その振動板に垂直
な上方に向けて微小かつ均一な粒子で成る霧として放散
される。なお、振動板を複数個用いることにより、さら
に霧の粒子の微小性を向上できる。
【0071】圧電振動子として、圧電振動子の厚さ方向
に平行に貫通された貫通穴を有し、その厚さ方向に垂直
な断面の形が枠型構造を成し、厚さ方向の長さと、枠型
の外縁と内縁との最短距離との比がほぼ1に等しい構造
を採用することにより、圧電振動子と振動板との複合体
の結合振動が増強される。従って、圧電振動子の振動エ
ネルギーは効率良く振動板に伝搬し、振動板を振動さ
せ、霧化効率が増大する。また、その振動板を貫通穴の
開口を覆う位置または貫通穴の内部に、前記断面にほぼ
平行に少なくとも1箇所に設ける構造を採用することに
より、圧電振動子の振動エネルギーは効率良く振動板に
伝搬し、振動板を振動させるので、霧化効率を増大させ
ることができる。また振動板は、周縁領域であって圧電
振動子に固着されている固着部分と、その周縁領域に囲
まれている振動部分とで成ることから、振動部分は圧電
振動子と一体となった結合振動をする。従って、振動部
分に供給された溶液はその結合振動により霧化され、振
動板に垂直な上方に向けて霧として放散される。振動部
分の振動は、液体の霧化効率を高め霧の発生量を増大さ
せる。なお、振動板を複数個用いることにより、さらに
霧の粒子の微小性を向上できる。
【0072】圧電振動子として、その厚さ方向に貫通穴
を有し、厚さ方向に垂直な断面の形が円環状であって、
厚さ方向の長さと、円環の外縁と内縁との最短距離との
比がほぼ1に等しい構造を採用することにより、圧電振
動子と振動板との複合体の結合振動が増強される。従っ
て、圧電振動子の振動エネルギーは効率良く振動板に伝
搬し、振動板を振動させ、霧化効率が増大する。
【0073】振動板に多数の微細な穴を有する構造を採
用することにより、振動板に供給された溶液はその穴を
通して霧化される。穴を通しての霧化は粒子の微小性、
均一性を促し、しかも霧化効率を増大させることができ
る。その上、穴における振動板の一方の開口面積が他方
の開口面積より大きい構造を採用することにより、その
一方の開口を入口側とし他方を出口側とすることができ
るから、穴の溶液の通過面積が入口側から出口側に向け
て減少する。従って、溶液が穴を通過するときに溶液は
穴によって絞り作用を受ける。その結果、粒子の径がさ
らに微小、均一になり、溶液の霧化作用が促進され、霧
の発生量が増加する。
【0074】振動板に設けられた穴における入口側また
は出口側の開口面積に関して少なくとも2種類あること
から、少なくとも2種類の大きさの粒子から成る霧を同
時に、または種類ごとに別々に発生させることができ
る。従って、物体へ噴霧する霧の粒子の大きさを物体の
質や大きさに応じて変化させることが可能となる。
【0075】超音波励振器への溶液供給手段が、超音波
励振器を支持する支持具と、溶液を収容する貯液室と、
溶液を吸収する保液材とを備え、振動板を保液材の少な
くとも一部と接触させ、保液材として多数の貫通孔を有
する吸液能力の大きい物質を採用することにより、貯液
室内の溶液は保液材によって吸い上げられた後、振動板
に接する部分の保液材から振動板に順次供給される。振
動板に供給された溶液は、振動板に設けられている微細
な多数の穴を通して霧化される。さらに、保液材を使用
することにより、貯液室内の溶液の増減や振動による液
面の変化などに影響されることなく、常に安定した溶液
の供給を実現できるだけでなく、溶液の供給を無駄なく
効率良く行うことができるから、霧化効率を増大するこ
とができる。また、超音波励振器を支持具を介して固定
物に固着し所定位置に保持するか、または超音波励振器
そのものを支持具を介して浮力により溶液中に浮かべる
構造を採用することにより、効率のよい霧化が実現でき
る。この際、支持具のうち少なくとも超音波励振器に接
触する部分として発泡スチロール等のような圧電振動子
に比べて音響インピーダンスが低い物質を採用すること
により、圧電振動子の励振が支持具自身や、前記固定物
または前記溶液中に伝搬し散失するのを抑制でき、効率
良く振動板を振動させることができるので、霧化効率を
増大させることができる。さらに、超音波励振器を浮力
によって溶液中に浮かべる構造によれば、貯液室に収容
されている溶液の量の増減に影響されることなく、常
時、振動板には適量の溶液が供給されることになるので
効率のよい霧化が実現でき、従って多量の霧化が低消費
電力で実現でき、あわせて装置の小型化も容易に実現で
きる。振動板を常時または間欠的に保液材と接触させる
構造を採用することにより、連続的な霧化だけでなく、
一定時間ごとの霧化も可能になる。保液材の振動板との
接触面積をできるだけ少なくする構造を採用することに
より、振動板の振動エネルギーが保液材を介して溶液中
に伝搬し、散失するのを抑制でき、効率良く振動板を振
動させることができるので、霧化効率を増大させること
ができる。保液材としては、スポンジなどのように多方
向に複雑な貫通孔を有する物質の他、ブラシの毛先の部
分などのようにほぼ一方向に多数の貫通孔を有する構造
をもつものが挙げられる。
【0076】超音波励振器への溶液供給手段が、貯液室
から振動板に溶液を供給するためのチューブを備えるこ
とにより、溶液の供給を無駄なく効率的に行うことがで
きるばかりでなく、振動板に供給される溶液の量を抑制
することも可能となるので、霧化効率の最も高くなるよ
うな液量の供給が実現できる。
【0077】超音波励振器への溶液供給手段が、振動板
と微小な間隙を隔てて対面する補助板と、溶液を収容す
る貯液室とを備えるとともに、超音波励振器および補助
板を貯液室に対して所定の位置関係に保持する手段を備
え、その保持手段として、振動板を溶液の表面に対して
傾斜させ、かつ振動板を補助板より上側に設ける構造を
採用することにより、効率のよい霧化が実現できる。ま
た、補助板として圧電振動子に比べて音響インピーダン
スが低い発泡スチロールその他の物質を採用することに
より、圧電振動子の励振が補助板に伝般するのが抑制さ
れ、効率よく振動板を振動させることができる。従っ
て、効率のよい霧化を実現できる。
【0078】超音波励振器への溶液供給手段が、貯液室
から溶液を導き出し振動板上に滴下させる手段を備える
ことにより、振動板に触れる溶液の量を制御し、霧化効
率の最も高くなるような液量を常に供給することができ
る。また、溶液の供給を無駄なく効率よく行うことがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の反応物感知装置の一実施例を示す断面
図。
【図2】霧化デバイス1の一部を成す駆動回路4の一実
施例を示す図。
【図3】駆動回路4について観測した自励発振時の電圧
波形を示す図。
【図4】圧電振動子2における共振周波数の時間変化を
示す図。
【図5】従来の自励式駆動回路の例を示す図。
【図6】従来の自励式駆動回路の例を示す図。
【図7】従来の自励式駆動回路の例を示す図。
【図8】圧電振動子2と振動板3とから成る複合体の第
1の実施例を示す側面図。
【図9】図8の複合体の平面図。
【図10】板面に垂直な平面で切断したときに現れる振
動部13の断面を示す図。
【図11】振動部13の部分拡大平面図。
【図12】霧化デバイス1におけるアドミタンスの振幅
および位相の周波数特性を示す図。
【図13】霧化デバイス1において、振動部の長さを変
化させていったときの振動部の長さと霧の噴出の高さと
の関係を示す特性図。
【図14】霧化デバイス1において、振動部の長さを変
化させていったときの振動部の長さと霧化量との関係を
示す特性図
【図15】霧化デバイス1において、振動部の長さを変
化させていったときの振動部の長さと消費電力との関係
を示す特性図。
【図16】図8および図9に示す複合体に代えて示す圧
電振動子2と、振動板3と、振動板31とから成る複合
体の第2の実施例を示す平面図。
【図17】図8および図9に示す複合体に代えて示す圧
電振動子2と、振動板41と、振動板51とから成る複
合体の第3の実施例を示す平面図。
【図18】図8および図9に示す複合体に代えて示す2
つの圧電振動子2と、振動板41と、振動板51とから
成る複合体の第4の実施例を示す斜視図。
【図19】図8および図9に示す複合体に代えて示す圧
電振動子60と振動板62とを備えた複合体の第5の実
施例を示す斜視図。
【図20】図19の例に代えて示す圧電振動子70と振
動板72とを備えた複合体の第6の実施例を示す斜視
図。
【図21】図20に示す複合体におけるアドミタンスの
振幅および位相の周波数特性を示す図。
【図22】振動部の長さを変化させていったときの振動
部の長さと霧化量との関係を示す特性図。
【図23】振動部の長さを変化させていったときの振動
部の長さと消費電力との関係を示す特性図。
【図24】霧化効率を示す図。
【符号の説明】
1 霧化デバイス 2 圧電振動子 3 振動板 4 駆動回路 5 保液材 6 溶液供給チューブ 7 貯液タンク 8 バルブ 9 ハンガー 11 圧電磁器 12 固着部 13 振動部 20 穴 31 振動板 32 固着部 33 振動部 41 振動板 42 固着部 43 振動部 51 振動板 52 固着部 53 振動部 60 圧電振動子 61 圧電磁器 62 振動板 63 固着部 64 振動部 70 圧電振動子 71 圧電磁器 72 振動板 73 固着部 74 振動部 D、F、G 電極 D1 ダイオード E 電源電圧 L1 昇圧用コイル Q1 トランジスタ R1、R2 抵抗

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反応物Yを含む溶液を霧化することによ
    り該溶液の霧を生成する霧化手段と、反応物Xが付着さ
    れる紙などの物体を保持する保持手段とを備えてなり、 前記霧化手段は、圧電振動子に振動板を固着してなる超
    音波励振器を有し、該振動板の振動により前記溶液の霧
    化をし、該霧化による前記霧を前物体に噴霧し、 前記物体上の前記反応物Xに前記霧が噴霧されたときに
    該反応物Xと該反応物Yとの呈色反応をさせる反応物感
    知装置において、 前記霧化手段は、前記超音波励振器に前記溶液を供給す
    る手段を含み、 前記物体の加熱などにより前記呈色反応を促進させる反
    応促進手段を有することを特徴とする反応物感知装置。
  2. 【請求項2】 前記反応物Yがニンヒドリンで成り、前
    記溶液の溶媒が水、アセトン、n−ヘキサン、1,4−
    ジオキサン、n−ブタノール、その他の溶媒、または前
    記溶媒の混合溶媒で成ることを特徴とする請求項1に記
    載の反応物感知装置。
  3. 【請求項3】 前記溶液が過酸化水素水で成ることを特
    徴とする請求項1または2に記載の反応物感知装置。
  4. 【請求項4】 前記圧電振動子は圧電磁器と、該圧電磁
    器の厚さ方向に垂直な両端面にそれぞれ形成されている
    電極AおよびBとから成り、 前記電極AおよびBのうちで少なくとも電極Aは互いに
    絶縁された電極A1およびA2に分割されていて、 前記電極Bと前記電極A1またはA2との間に前記圧電
    磁器の共振周波数とほぼ等しい周波数の電圧を印加する
    ことにより、前記圧電振動子を駆動する回路が備えられ
    ていて、 前記駆動回路は、前記電極A1またはA2のうちの一方
    に出力電圧を供給し、前記電極A1またはA2のうちで
    前記出力電圧を供給されていない方の電極に現われる圧
    電気を帰還電圧として受けるトランジスタと、該トラン
    ジスタにおける前記出力電圧の端子と電源の一方の端子
    との間に接続されている昇圧用のコイルとを備え、 前記駆動回路は、前記トランジスタを増幅素子とし、前
    記圧電振動子を共振回路とする発振回路を構成すること
    を特徴とする請求項1、2または3に記載の反応物感知
    装置。
  5. 【請求項5】 前記駆動回路は、前記圧電振動子に供給
    する励振電圧として交流パルス電圧を出力し、該交流パ
    ルス電圧の電圧値を調節する手段と、該交流パルス電圧
    のパルス幅およびパルス繰り返し周波数を調節する手段
    とを備えることを特徴とする請求項4に記載の反応物感
    知装置。
  6. 【請求項6】 前記圧電振動子の共振周波数のうちの1
    つは、該圧電振動子と前記振動板との複合体における共
    振周波数のうちの1つにほぼ等しいことを特徴とする請
    求項4または5に記載の反応物感知装置。
  7. 【請求項7】 前記圧電振動子は、長さと幅の寸法比が
    1に近くしかも1に等しくない矩形状の板であって、前
    記振動板は、前記圧電振動子の電極を有する少なくとも
    一つの端面上に一体的に連なって固着されていることを
    特徴とする請求項6に記載の反応物感知装置。
  8. 【請求項8】 前記圧電振動子は、3辺のうちの2辺の
    寸法比が1に近くしかも1に等しくない矩形状の角柱で
    あって、前記振動板は、前記圧電振動子の電極を有する
    少なくとも一つの端面上に一体的に連なって固着されて
    いることを特徴とする請求項6に記載の反応物感知装
    置。
  9. 【請求項9】 前記圧電振動子は、該圧電振動子の厚さ
    方向に平行に貫通された貫通穴を有し、前記厚さ方向に
    垂直な断面の形が円環状の枠型を成し、前記厚さ方向の
    長さと、前記円環状枠型の外縁と内縁との最短距離との
    比がほぼ1に等しく、 前記振動板は、前記貫通穴の開口を覆う位置または該貫
    通穴の内部に前記断面にほぼ平行に少なくとも1箇所に
    設けてあることを特徴とする請求項6に記載の反応物感
    知装置。
  10. 【請求項10】 前記振動板には多数の穴が設けてあ
    り、前記穴における前記振動板の一方の開口面積と他方
    の開口面積とが互いに異なることを特徴とする請求項1
    から9までに記載の反応物感知装置。
  11. 【請求項11】 前記振動板の少なくとも一方の端面に
    おける前記穴には、開口面積に関して少なくとも2種類
    あることを特徴とする請求項10に記載の反応物感知装
    置。
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