JP3298819B2 - 金属帯の連続熱処理炉内の板幅縮み量の予測方法 - Google Patents

金属帯の連続熱処理炉内の板幅縮み量の予測方法

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JP3298819B2 JP00442198A JP442198A JP3298819B2 JP 3298819 B2 JP3298819 B2 JP 3298819B2 JP 00442198 A JP00442198 A JP 00442198A JP 442198 A JP442198 A JP 442198A JP 3298819 B2 JP3298819 B2 JP 3298819B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、連続焼鈍炉などの
金属帯の連続熱処理炉内での板幅縮み量を予測する方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】金属帯を連続熱処理設備で熱処理する際
には、炉内でロールによる曲げ加工などを受けるため
に、幅縮みを起こし、場合によっては製品の板幅不良
(板幅不足)を引き起こすことがある。
【0003】このような事態を防ぐために、操業中に張
力、ロール形状、金属帯温度等を制御して、幅縮み量を
制御することが考えられる。たとえば特開平6−248
351号公報には、張力と板厚、板幅、通板スピード、
炭素当量を重回帰式により関係付け、その重回帰式によ
り張力制御を行なう方法が記載されている。
【0004】しかしながら張力やロール形状は蛇行やヒ
ートバックル等を防止して金属帯を安定通板させるため
に、実質上常時制御が必要であり、一方、金属帯温度は
製品材質に直に影響するものであるから、いずれも自由
に変化させることは困難であり、これらの制御による幅
縮み制御には限界がある。
【0005】したがって、素材の板幅に熱処理炉の操業
条件に応じた余裕を持たせることで対応するのが一般的
であるが、余分な余裕は歩留の低下をもたらすので、で
きるだけ幅縮み量を正確に予測することが求められてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】幅縮み量を予測する従
来の方法としては、特公昭61−11292号や特開平
8−127820号公報に記載されているように、炉内
の搬送ロールへの巻き付き時の曲げ戻し変形量を、モデ
ル式によって予測し、その変形量から幅縮み量を予測す
る方法が知られている。
【0007】しかしながら上記特公昭61−11292
号や特開平8−127820号公報に記載されている幅
縮み量の予測方法を実際に適用しようとすると、炉内で
の延び歪み量が非常に大きく計算されてしまい、実用的
ではない。これは本発明者らの知見によれば、一般に金
属帯の降伏挙動を設定する際、炉内が高温であることを
根拠に金属帯を完全弾塑性帯と仮定して扱っている点に
問題がある。
【0008】また、当該特開平8−127820号公報
に記載の方法では、金属帯の高温における降伏点に温度
依存性があることに基づき、高温クリープに基づく降伏
点変動をモデルに組み込んで予測精度の向上を図ってい
るが、そのような精度向上を図っても、特に900℃程
度の高温域で主に対応する焼鈍設備等においては、十分
な予測精度を得ることができなかった。
【0009】なお、特開平8−127820号公報の記
載では、実際の金属帯が完全弾塑性帯でないことを考慮
する旨の記載があるものの、実際にどのように考慮する
のかについて明記されておらず、前述の高温クリープに
基づく降伏点変動を指しているものと推測される。
【0010】なお、特開平6−248351号公報に記
載の技術を転用して、張力、板厚、炭素当量等を重回帰
して幅縮み量を予測する方法も考えられるが、焼鈍温度
の大きな変動には対応できず、また他のラインから振り
替えなどで重回帰データのない鋼種を処理することにな
った場合に予測値からの大きな逸脱が発生しうるという
問題もある。
【0011】本発明は、上記のような問題点に着目して
なされたもので、連続熱処理炉内での板幅縮み量を高精
度に予測することで、素材幅の適正化を可能とすること
を課題としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明のうち請求項1に記載の金属帯の連続熱処理
炉内の板幅縮み量の予測方法は、金属帯の連続熱処理炉
内の板幅縮み量を予測する方法であって、金属帯の搬送
ロールでの曲げ変形に基づく歪み量と、クリープ変形に
基づく歪み量との加算値から、板幅縮み量を求めること
を特徴とするものである。
【0013】本発明においては、曲げ変形に基づく歪み
ばかりでなく、高温におけるクリープ変形に基づく歪み
量も考慮することで板幅縮み量の予測値が向上する。ま
た、曲げ変形に寄与する歪みと、高温時のクリープに寄
与する歪みとが独立して計算できることで、各因子に基
づく各歪みをより正確に求められる。
【0014】ここで、クリープに基づく歪みは、連続熱
処理炉内に金属帯が滞在する時間で積分させることで求
めるとよい。次に、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載の発明に対して、上記曲げ変形に基づく歪み量を
求める際に、金属帯の加工硬化を加味することを特徴と
するものである。
【0015】次に、請求項3に記載の発明は、請求項2
に記載の発明において金属帯の加工硬化を加味する具体
的方法として、塑性範囲での金属帯の応力−歪み関係と
して、降伏点近似及び0.2%耐力点を通過し且つ傾き
が上記0.2%耐力点に向けて漸減する曲線若しくは直
線群に近似したものを使用することを特徴とするもので
ある。次に、請求項4に記載の発明は、金属帯の連続熱
処理炉内の板幅縮み量を予測するにあたり、金属帯の搬
送ロールでの曲げに基づく板幅縮み量の予測値を求める
際に、金属帯の加工硬化を加味することを特徴とする金
属帯の連続熱処理炉内の板幅縮み量の予測方法である。
【0016】次に、請求項5に記載の発明は、金属帯の
連続熱処理炉内の板幅縮み量を予測するにあたり、金属
帯の搬送ロールでの曲げに基づく板幅縮み量の予測値を
求める際に、塑性範囲での金属帯の応力−歪み関係を、
降伏点近似及び0.2%耐力点を通過し且つ傾きが上記
0.2%耐力点に向けて漸減する曲線若しくは直線群に
近似したことを特徴とする金属帯の連続熱処理炉内の板
幅縮み量の予測方法である。
【0017】上記応力−歪み関係の線図は、例えば、図
1に示すように表される。図1中、Aは降伏点を、Bは
0.2%耐力点を、σYPは降伏応力を、σ0.2 は0.2
%耐力を、Eはヤング率を示す。
【0018】また、上記降伏点A及び0.2%耐力点B
は、上記図1を参照しつつ、次のようにして求めること
ができる。高温引張試験で応力−歪み曲線を実測して
(図中D)、 立上りの直線の勾配からヤング率Eを求める。
【0019】比例関係が無くなる比例限度若しくは弾
性限度位置を降伏点Aと決める。 0.2%の永久歪み位置Fを通る傾きEの直線(点
線)と応力歪み曲線との交点を0.2%耐力点Bとす
る。
【0020】なお、完全弾塑性体における、応力−歪み
関係の線図は、図2の如く表される。そして、本発明で
は、応力−歪み関係を、従来のように完全弾塑性体とし
てではなく上記のように0.2%耐力を用いた応力−歪
み関係を用いることで、より精度良く、曲げ変形による
歪みが求められ、更には板幅縮み量が高い精度で予測可
能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】図3は、連続熱処理の一つである
連続焼鈍ラインの一例を示すもので、ペイオフリール1
から巻き戻された金属帯は入側幅計2で板幅が計測さ
れ、さらに、洗浄装置3、入側ルーパー4を通過して、
所定の張力を付与されつつ、第1加熱帯(HS1)5、
第2加熱帯(HS2)6、冷却帯7で加熱・冷却され、
続いて出側ルーパー8、調質圧延機9を経て巻取りリー
ル10に巻き取られるようになっている。
【0022】そして、上記処理において、連続焼鈍炉内
で金属帯に伸びが生じて、板幅縮みが生じる。上記金属
帯の伸びは、炉内の搬送ロールに巻き付く際の曲げと巻
戻しの際の曲げ戻しとによるものと、高温でのクリープ
変形に基づくものに分けることができる。
【0023】まず、上記連続焼鈍炉内での金属帯の伸び
のうちの、曲げ及び曲げ戻しによる歪み量について説明
する。半径R(mm)の搬送ロールに巻き付く際の、引張
塑性歪みS1(最大値)と圧縮塑性歪みS2(最大値)
との差が板幅方向に平均化すると仮定した場合には、上
記引張塑性歪みS1と圧縮塑性歪みS2とは、下記の計
算で算出することができる。
【0024】ここで、高温時の処理であるので、引張、
圧縮とも金属帯の炉内温度における降伏応力以上の応力
が負荷されており、金属帯は塑性変形を生じているもの
とする。
【0025】まず、炉内の金属帯の温度における応力−
歪み関係の線図が前記図2に示す完全弾塑性体である場
合について、引張塑性歪み(本願発明との区別のためS
1”とする)と圧縮塑性歪み(同様にS2”とする)の
算出方法について説明する。
【0026】図6に、ロールによる曲げ応力を受けた板
厚t(mm)の金属帯の、板厚方向を横軸に取った応力分
布を示す。ここで板厚方向位置xは外面側を正、ロール
側を負とし、また応力は引張を正、圧縮を負とする。ま
たσYP(kgf/mm2 )は炉内の金属帯の温度における金属
帯の降伏応力を示す。金属帯に張力が付与されていない
場合は、図中破線で示すように、原点対称の応力分布を
示すが、金属帯張力σt (kgf/mm2)が付与されている
ので、応力分布はσt と釣り合う位置(実線位置)まで
シフトする。ここで、シフトにより生じた面積差(C・
2σYP: 斜線部)と金属帯張力による板厚あたりの張力
(σt ・t)が等しくなるので、 である。
【0027】図7には、板厚方向を横軸に取った上記金
属帯の歪み分布を示す。歪みの符号の方向は応力と同様
である。ロール曲げによって、金属帯にはほぼ一定勾配
の歪みが強制的に付与され、外側表面とロール側表面の
歪みの差は幾何学的にt/Rとなる。また応力の釣り合
いよりx=−Cの点で歪み=0であるから、結局、歪み
は、x=t/2においてε=(t+2C)/2R、x=
−t/2においてε=−(t−2C)/2Rの直線分布
となる。
【0028】ここで、完全弾塑性体モデルにおいては応
力がσYPを超える歪み(ε<σYP/E、ただしE(kgf
/mm2 )はヤング率)は全て塑性歪みとなるので、図7
において斜線で示した部分の面積がそれぞれ引張(S
1”)、圧縮(S2”)の塑性歪みとなる。すなわち、
【0029】
【数1】
【0030】である。次に、本願発明におけるS1、S
2の算出方法を、図1の応力−歪み線図を採用した場合
の例に沿って説明する。ここでは歪みの板厚方向分布に
ついては完全弾塑性体モデルと同じとする。
【0031】図8に、金属帯の降伏挙動が図1である場
合の塑性歪み量(引張:S1、圧縮:S2)を斜線で示
す。すなわち、本願においては降伏後の変形において加
工硬化により弾性域が拡大するため、塑性歪み量はこの
弾性域拡大分を除いた部分の面積となる。したがって、
図8において、
【0032】
【数2】
【0033】となる。σP1、(kgf /mm2 )およびσP2
(kgf /mm2 )は、図1の応力−歪み曲線上で、それぞ
れε=(t+2C)/2Rおよびε=(t−2C)/2
Rにおけるσの値である。ここで図1の応力−歪み曲線
において、応力が降伏点を超えて以後の傾きは であるから、したがって、
【0034】
【数3】
【0035】(後ろの項は加工硬化量を示す)
【0036】
【数4】
【0037】
【数5】
【0038】(後ろの項は加工硬化量を示す)
【0039】
【数6】
【0040】となる。但し、σ0.2 (kgf /mm2 )は
0. 2%耐力(kgf /mm2 )、σs(kgf /mm2 )は
0. 2%耐力点Bにおける加工硬化量(=σ0.2 −σY
P)である。
【0041】なお、ここでは計算簡略化のため図8のC
の値については完全弾塑性体近似により求めた値をその
まま流用した。図6の応力分布を図1の応力−歪み線図
に基づき補正して、より正確なCの値を求めても良い
が、上記の近似でも十分良好な値を得ることができる。
【0042】上記の歪みを板厚方向に平均化すると、ε
=(1/t)・(S1−S2)で表すことができる。こ
のεが、一本の搬送ロールに巻き付く際に生じる曲げ変
形時の歪み量となる。
【0043】また、搬送ロールに巻き付いた金属帯が巻
き戻される際の曲げ変形による歪み量は、スプリングバ
ックを考慮して、上記ロール半径Rの代わりにRbが使
用される。RとRbとの関係は、下記式で与えられる。
【0044】
【数7】
【0045】従って、下記式のRbをロール径として、
上記(1)〜(4)式にロール半径Rの代わりに代入し
て上記S1及びS2を求めればよい。なお、このS1及
びS2を以下ではS1′及びS2′とする。
【0046】
【数8】
【0047】よって、曲げ変形に基づくトータルの歪み
量は、連続焼鈍炉内の搬送ロールの本数分の和となり、
ロール本数をn、トータルの歪み量をεD とすると、下
式で表される。
【0048】
【数9】
【0049】一方、高温クリープ変形による歪み量(ε
c)は下記式から求められる。
【0050】
【数10】
【0051】ここで、 dε/dt :歪み速度 A :定数(mm2 /kgf・秒) σt :張力(kgf /mm2 ) m :定数 Q :活性化エネルギー(kcal/mol) R :気体定数(kcal/kmol) T :温度(K) である。
【0052】なお、上記各定数の値は、下記表1のよう
に、キュリー点770℃を境に異なる。
【0053】
【表1】
【0054】そして、上記(5)式を連続焼鈍炉内の滞
在時間で積分することで、高温クリープ変形による歪み
量(εc)が得られる。さらに、上記各式を演算して求
めたεD とεcとを下式のように加算することで、金属
帯の全歪み量εが求められる。
【0055】ε = εD + εc ここで、板厚方向の歪みεtと板幅方向の歪みεwとの
関係は、例えば下記のような関係式に重回帰することに
より、求めることができる。
【0056】(εt/εw)=a+b×板厚(mm)+c
×板幅(mm)+d×加熱帯での平均板厚(℃)−e×加
熱帯での平均張力((kgf /mm2 ) ここで、a〜fは、重回帰により求められる定数であ
る。なお、図3に示すごとく加熱帯が複数存在する場合
は、それぞれでの板厚、張力、に別個の定数を掛けても
よい。
【0057】そして、板幅歪みεwは、上記歪み量εに
基づき、次の式で与えられる。
【0058】
【数11】
【0059】この(6)式により求めた板幅歪みεwに
板幅を掛けることにより、板幅縮み量が算出される。上
記方法によって、精度良く板幅縮み量を予測することが
可能となる。
【0060】このように、板幅縮みを正確に予測できる
と、ライン間の振替や焼鈍温度の変更に伴う板幅不良を
発生させないように素材設計をすることが可能となる。
また、板幅縮み量は、板厚等の金属射帯自体の各値やロ
ール径等及び張力とを変数としているので、逆に、先に
適正な板幅縮み量を設定し、その設定した幅縮み量とな
るように、上記各式に基づき(逆に求めて)張力を求め
て、炉内の張力制御を実施することで、炉内入側の板幅
実績によるダイナミック制御を行うこともできる。その
際の張力制御も、張力と板幅縮み量の相関が高いので、
従来より向上するので、板幅不良の低減に繋がる。
【0061】なお、実際に金属帯に生じる歪みは最大で
も0.2%+(σ0.2/E)程度なので、上記実施形
態のごとく、0.2%耐力点以降の応力歪み曲線も同じ
傾きの直線として特に問題はない。
【0062】また、上記実施形態では、最も簡単な近似
曲線(直線群)の例を示したものである。このような近
似でも実用上精度に何ら問題はないが、無論0.2%耐
力点までをより多くの区間に区切って徐々に傾きを減ず
る複数の直線の連なりで表してさらに精度を向上させて
もよい。さらには、滑らかな曲線で近似してもよい。
【0063】この場合に、直線若しくは曲線は必ずしも
降伏点Aを通らずとも、その近傍であればよく、要は、
実際の応力−歪み線図に十分近づけばよい。なお、この
場合、S1,S2は図8を適正に修正することで算出は
支障なく可能である。
【0064】ここで、上記実施形態では、曲げに基づく
歪み量とクリープに基づく歪み量との加算値から板幅縮
み量を予測しているが、従来と同様に、上記本願発明に
基づく方法で求めた曲げに基づく歪み量のみから板幅縮
み量を予測してもよい。この場合であっても、従来より
も精度良く曲げに基づく歪み量が求められるので、従来
よりも板幅縮み量の予測精度が向上する。
【0065】また、曲げに基づく歪み量の計算は、上記
方法に限定されない。すなわち、他のモデル式等により
曲げに基づく歪み量を求め、これに上記炉内滞在時間を
考慮したクリープ変形に基づく歪み量を加算した歪み量
から板幅縮み量を予測してもよい。この場合であって
も、クリープに基づく歪み量の加算分だけ板幅縮み量の
予測精度が向上する。
【0066】
【実施例】上記で例示した手法により算出した,曲げに
基づく歪み量と高温クリープ変形の基づく歪み量(炉内
滞在時間を考慮したもの)との加算値に基づき予測した
板幅縮み量と、実際の板幅縮み量との相関関係を求めた
ところ、図4に示すようになり、高精度で板幅縮み量が
予測できていることが分かる。
【0067】なお、対象とした熱処理炉は連続焼鈍炉
(炉温700〜900℃程度)で、特に850℃以上の
高温焼鈍においても問題なく適用できた。比較のために
金属帯を完全弾性体として扱う従来方法によって予測し
た板幅縮み量と、実際の板幅縮み量との相関関係を求め
たところ、図5に示すようになり、本願発明に基づく方
法により予測精度が大幅に良いことが分かる。
【0068】
【発明の効果】本発明は、搬送ロールでの曲げに基づく
歪み量と高温クリープに基づく歪み量との加算値から板
幅縮みを予測しているので、搬送ロールでの曲げに基づ
く歪み量だけによる場合に比べて、板幅縮みの予測精度
が向上するという効果がある。
【0069】特に請求項2の発明にあっては、曲げ戻し
による板幅縮みをより正確に予測できるので、さらに板
幅縮みの予測精度が向上するという効果がある。また、
請求項3の発明を採用すると、搬送ロールでの曲げに基
づく板幅縮み量が従来より正確に予測でき、搬送ロール
での曲げに基づく、又は他の因子による寄与量との加算
値で板幅縮み量を求める際に、より精度良く板幅縮みの
予測が可能となるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に基づく応力−歪み関係を示す図であ
る。
【図2】従来の仮定に基づく応力−歪み関係を示す図で
ある。
【図3】本発明の実施の形態に係る連続焼鈍炉ラインを
示す概略図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る幅縮み予測量と幅縮
み実績との相関を示す図である。
【図5】従来の方法における幅縮み予測量と幅縮み実績
との相関を示す図である。
【図6】完全弾塑性体である場合の金属帯の板厚方向を
横軸とした応力分布の図である。
【図7】完全弾塑性体である場合の金属帯の板厚方向を
横軸とした歪み分布を示す図である。
【図8】金属帯の板厚方向を横軸とした歪み分布を示す
図である。
【符号の説明】
A 降伏点 B 0.2%耐力点 σYP 降伏応力 σ0.2 0.2%耐力 E ヤング率
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C21D 9/56 101 C21D 8/02 C21D 9/46

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属帯の連続熱処理炉内の板幅縮み量を
    予測する方法であって、金属帯の搬送ロールでの曲げ変
    形に基づく歪み量と、クリープ変形に基づく歪み量との
    加算値から、板幅縮み量を求めることを特徴とする金属
    帯の連続熱処理炉内の板幅縮み量の予測方法。
  2. 【請求項2】 上記曲げ変形に基づく歪み量を求める際
    に、金属帯の加工硬化を加味することを特徴とする請求
    項1に記載の金属帯の連続熱処理炉内の板幅縮み量の予
    測方法。
  3. 【請求項3】 上記曲げ変形に基づく歪み量を求める際
    に、塑性範囲での金属帯の応力−歪み関係として、降伏
    点近似及び0.2%耐力点を通過し且つ傾きが上記0.
    2%耐力点に向けて漸減する曲線若しくは直線群に近似
    したものを使用することを特徴とする請求項2に記載の
    金属帯の連続熱処理炉内の板幅縮み量の予測方法。
  4. 【請求項4】 金属帯の連続熱処理炉内の板幅縮み量を
    予測するにあたり、金属帯の搬送ロールでの曲げに基づ
    く板幅縮み量の予測値を求める際に、金属帯の加工硬化
    を加味することを特徴とする金属帯の連続熱処理炉内の
    板幅縮み量の予測方法。
  5. 【請求項5】 金属帯の連続熱処理炉内の板幅縮み量を
    予測するにあたり、金属帯の搬送ロールでの曲げに基づ
    く板幅縮み量の予測値を求める際に、塑性範囲での金属
    帯の応力−歪み関係を、降伏点近似及び0.2%耐力点
    を通過し且つ傾きが上記0.2%耐力点に向けて漸減す
    る曲線若しくは直線群に近似したことを特徴とする金属
    帯の連続熱処理炉内の板幅縮み量の予測方法。
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