JP3298409B2 - インクジェット記録ヘッド - Google Patents
インクジェット記録ヘッドInfo
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Description
基づいてインクを飛翔させるインクジェット記録ヘッド
に関する。
れているインクを対応する圧電部材の変形に基づいて加
圧することによりインク滴として飛翔させるインクジェ
ット記録ヘッドが提案されており、この種のインクジェ
ット記録ヘッドでは各圧電部材はその支持部材に接着剤
で固定されている。
ット記録ヘッドでは、接着剤の特性(具体的には硬化弾
性率や厚み)によっては圧電部材の変形が隣接するイン
クキャビティに伝播して連動変形する現象すなわちクロ
ストークを生じるという問題があった。これにより、駆
動されていない圧電部材に対向するインクキャビティに
収容されているインクが吐出され、画像を損なうなどの
問題があった。
ンクジェット記録ヘッドはクロストークを防止するため
になされたもので、基板上に圧電部材を固定するための
接着剤の弾性率を圧電部材と基板との間に形成される接
着層の厚みで割った値が約8×103(kgf/mm3)
以上となるようにしたものである。
ば、圧電部材を動作して変形しても、この圧電部材の隣
接部分へ伝播する振動は僅かである。このため、圧電部
材を隣接して複数設けるとともに、各圧電部材に対向し
て複数のインクキャビティを設けた場合も、クロストー
クによりインクが不必要に吐出することがなく、画質の
安定化を図ることができる。
の好適な実施の形態について説明する。図1から図3は
本発明に係るインクジェット記録装置用マルチヘッドを
示している。マルチヘッド10は大径インク滴吐出用ヘ
ッド部12(以下「大径ヘッド部12」という。)と小
径インク滴吐出用ヘッド部14(以下「小径ヘッド部1
4」という。)からなり、これら大径ヘッド部12と小
径ヘッド部14は、チャンネルプレート16、隔壁1
8、振動板20、ベースプレート22を重ねて一体的に
構成されている。
樹脂などからなり、隔壁18との対向部(対向面)を電
鋳またはフォトリソグラフィー等により微細加工して、
大径ヘッド部12と小径ヘッド部14とのそれぞれに、
インク24を収容する複数のインクキャビティ26と、
各インクキャビティ26のインク24を吐出するノズル
28と、補給用インク24を収容するインク供給室30
と、各インクキャビティ26をインク供給室30に連結
するインクインレット32が形成されている。大径ヘッ
ド部12のノズル28は小径ヘッド部14のそれよりも
大径としてある。図1に示すように、大径ヘッド部12
と小径ヘッド部14のインクキャビティ26は、これら
ヘッド部12、14が対向する方向に向かって延びる長
溝状にかつ平行に形成されている。また、インク供給室
30は、インクキャビティ26を挟んで中央線34の反
対側に形成されており、図示しないインクタンクに接続
してある。
が使用されており、チャンネルプレート16と振動板2
0との間に固定されている。なお、隔壁18はこれに所
定の張力が加わった状態で固定するのが望ましい。
の上面と下面にはそれぞれ共通電極、個別電極として利
用される金属層が設けてあり、隔壁18とベースプレー
ト22との間に固定されている。また、振動板20は、
ベースプレート22にまず接着剤50(図2における拡
大断面図(a)参照)で固定した後、ダイシング加工
(図示せず)により縦方向溝58と横方向溝60を形成
して分断し、各インクキャビティ26に対応する圧電部
材42と、隣接する圧電部材42の間に位置する仕切壁
44と、これらを囲む壁46に分離されている。また、
上記ダイシング加工により圧電部材42の上下に設けた
金属層もそれぞれ縦方向溝58と横方向溝60により分
断され(図2の拡大断面図(a)、(b)参照)、隔壁
18に対向する金属層は導電性接着剤36により隔壁1
8に接着されて共通電極38とされており、ベースプレ
ート22に対向する金属層が個別電極40としてある。
個別電極40は振動板20の端部側面まで延長して設け
られており、ここで個別配線に接続されている。
は合成樹脂等の剛体からなる。また、共通電極38と個
別電極40が対向する領域において、各圧電部材42は
それぞれ分極処理されて活性化されている。
ないインクタンクからインク供給室30にインク24が
供給される。また、インク供給室30のインク24は、
インクインレット32を介して各インクキャビティ26
に分配される。そして、印字信号制御回路(図示せず)
から共通電極38と個別電極40との間に所定の電圧
(印字信号)が印加されると圧電部材42が変形する。
また、圧電部材42の変形は隔壁18に伝えられ、これ
によりインクキャビティ26内のインク24が加圧され
て、インクノズル28を介してインク滴が飛翔する。こ
こで、大径ヘッド部12のノズル28の径は小径ヘッド
部14のノズル28の径よりも大きくしてあるので、大
径ヘッド部12から大径インク滴が飛翔し、小径ヘッド
部14から小径インク滴が飛翔する。
形成される接着剤層の弾性率と、厚みとを種々変化させ
て、圧電部材の変形とインクの飛翔状態とを調べた。測
定に使用した接着剤の種類、及びそれらの弾性率、厚
み、弾性率/厚み、および、変形率、画質の評価を図4
の表に示す。この表において、変形率とは、特定の一つ
の圧電部材を非動作状態に保ちつつ残るすべての圧電部
材を動作させたときの上記特定の圧電部材の連動変形量
(δ2)を、上記特定の一つ圧電部材を動作させると共
に当該圧電部材を除くすべての圧電部材を非動作とした
ときの上記特定の圧電部材の変形量(δ1)で割った値
(δ2/δ1)である。測定は、図1〜図3に示した装
置を用いて行った。ただし、圧電部材として、1層あた
りの厚みが30μmの圧電体を15層積層した積層型圧
電部材を使用した。また、ベースプレートとしては、
3.5mm厚のAl2O3セラミック板を使用した。圧電
部材上に設けられた両電極への印加電圧は50V、パル
ス幅50μsecとした。また、評価の基準は以下の通
りである。
た。接着剤の弾性率をその厚みで割った値(弾性率/厚
み)が約2.0×104(kgf/mm3)以上のときは
クロストークが殆どなく、また約1.0×104〜2.
0×104(kgf/mm3)のときはクロストークが若
干あってもインクが飛翔することがなく、これらの条件
では画質に悪影響を及ぼすことがない。また、変形率を
5%以下に抑えることができるので、ヘッドの寿命向上
に有利である。弾性率/厚みが約8×103(kgf/
mm3)のときはクロストークによりインクが飛翔する
が実用上は問題がない。しかし、弾性率/厚みが約7×
103(kgf/mm3)の場合にはクロストークによる
インク飛翔の影響が画質に現れる。
記録ヘッドとしてマルチヘッドを例にとって説明した
が、単一の大きさのインク滴を吐出するインクジェット
記録ヘッドにも本発明は当然に適用可能である。
電極38と個別電極40を設けたが、導電性の隔壁18
を共通電極と兼用してもよいし、基板22上に導電性層
を設け、さらに接着剤50を導電性のものとすることに
より個別電極と兼用してもよい。この場合、電極を形成
する手間の分だけ振動板20の製作が容易になるという
利点がある。
とその上下に設けた金属層38、40とで単層型の圧電
アクチュエータを構成したが、これに代えて、複数の圧
電部材の間に共通電極と個別電極を交互に介在させた積
層型圧電アクチュエータを使用してもよい。
8、60には、圧電部材42の変形を無理に拘束しない
程度の軟質の充填材を充填してもよい。
触としたが、圧電部材がインクに接触した形式のインク
ジェットヘッドにも本発明は適用可能である。ただし、
この場合は、圧電部材のインク接触面には、インクの浸
透を防止するための被覆を設けるのが望ましい。
4におけるノズル28の径を違えることによりそれぞれ
のヘッド部から異なる径のインク滴を飛翔させるように
したが、それぞれのヘッド部に印加する信号の電圧を違
えることによってもインク滴の大きさを違えるようにし
てもよい。
部材42の長さを、大径ヘッド部12と小径ヘッド部1
4との間で異ならせるようにすると、大径ヘッド部およ
び小径ヘッド部から各々飛翔するインク滴の大きさによ
り大きな差をつけられるので、ドット径制御による階調
幅のダイナミックレンジをより広げられる。
着剤についても本発明を適用することにより更にクロス
トークによる連動変形及びそれに基づく不要なインクの
吐出を防止できる。
る。
面図である。
る接着剤層の弾性率と厚みとを種々変更したときの、圧
電部材の変形率と、画質の評価とを示す図表である。
ヘッド部、16…チャンネルプレート、18…隔壁、2
0…振動板、22…ベースプレート、24…インク、2
6…インクキャビティ、28…ノズル、30…インク供
給室、42…圧電部材。
Claims (3)
- 【請求項1】 基板上に接着剤で固定されている圧電部
材の振動に基づきインクを加圧して飛翔させるインクジ
ェット記録ヘッドにおいて、上記接着剤の弾性率を上記
圧電部材と基板との間に形成される接着層の厚みで割っ
た値が8×103(kgf/mm3)以上としてあるイン
クジェット記録ヘッド。 - 【請求項2】 上記接着剤の弾性率を上記接着剤層の厚
みで割った値が8×103〜5×105(kgf/m
m3)である請求項1のインクジェット記録ヘッド。 - 【請求項3】 上記接着剤の弾性率を上記接着剤層の厚
みで割った値が1×104〜5×105(kgf/m
m3)である請求項2のインクジェット記録ヘッド。
Priority Applications (2)
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US08/859,324 US6074047A (en) | 1996-05-21 | 1997-05-20 | Ink-jet recording head |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP13818796A JP3298409B2 (ja) | 1996-05-31 | 1996-05-31 | インクジェット記録ヘッド |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH09314829A JPH09314829A (ja) | 1997-12-09 |
JP3298409B2 true JP3298409B2 (ja) | 2002-07-02 |
Family
ID=15216109
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP13818796A Expired - Fee Related JP3298409B2 (ja) | 1996-05-21 | 1996-05-31 | インクジェット記録ヘッド |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3298409B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
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JP5359129B2 (ja) * | 2008-09-01 | 2013-12-04 | 株式会社リコー | 圧電アクチュエータ、液体吐出ヘッド及び画像形成装置 |
KR100987525B1 (ko) * | 2008-09-19 | 2010-10-13 | 삼성전기주식회사 | 잉크젯 헤드 |
-
1996
- 1996-05-31 JP JP13818796A patent/JP3298409B2/ja not_active Expired - Fee Related
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